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詳細 (PDF - Geomagic
成功事例
歯科医療も 3D デジタルの世界へ
デジタルと歯科医療という2つの言葉が1つ
の文中に同時に現れるなど誰が想像したで
しょうか。ところが、KaVo 株式会社は、
世界中の歯科技工士にとってこの2つの言
葉を今や同義語にしようとしています。
これまで、歯科技工士は、熟練した手技と
厳しい専門家としての目に頼って、クラウ
ン、ブリッジ、インレイ、オンレイ、ベニ
ア、フレームワークを作ってきました。技
工士は、歯科医療の芸術家とまで呼ばれる
ほどですが、プロセスは手技に頼るため、
長時間を費やし、また不正確さを伴い、ま
た、耐久性や審美的外観に完璧に応じき
れない材料を使わざるを得ないこともあ
ります。
自動車からクラウンへ
ドイツの Leutkirch にベースを置く
KaVo 株式会社は、歯科医療製品における
デジタル生産のパイオニアです。この技術
を利用し、生産工程を自動化し、調整の必
要性を削除することによって生産に費やす
時間を短縮しました。新しい製造工程によ
って、従来の手技では扱うことが困難であ
ったり、また不可能であった特殊材料を取
り入れることもできるようになりました。
KaVo 社は、これまでに自動車や航空宇宙
産業が使用していたデジタルデザイン技術
の多くを採用してきました。しかしながら
、個別的注文に沿った製品の必要性から、
歯科医療産業ならではの挑戦に挑む姿勢を
打ち出しました。
KaVo 社はこの挑戦に対してデジタルプロ
セスで対応し、個別の歯科補綴物を迅速か
つ大量にデザイン、製造することを可能に
しました。同社のエベレストと呼ばれるタ
ーンキー デンタル システムは KaVo 社
に20年以上勤続する歯科技工士らのイン
プットとフィードバックに基づいて開発さ
れました。このシステムの中核は、
Raindrop Geomagic 社による歯科医療
産業向けのソフトウェアで構築され、その
テクノロジーはカスタム製品の大量生産、
注文生産方式による製造、物理部品や鋳型
の自動再生を目的とした世界中の製造会社
によって使用されています。
このエベレストシステムを2002年4月に
導入して以来、これまでに120台がリース
契約としてヨーロッパ、米国、ニュージー
ランド、オーストラリア、中国、日本に出
荷されました。歯科技工ラボは、すべての
作業をオンサイトで処理し生産スケジュー
ルと品質の管理がし易くなります。
「私達は歯科医療をデジタルの未来に導き
ました。エベレストに組み込まれたテクノ
ロジーは、製造時間の短縮、最高の品質を
提供することにより、当社のお客様には収
益の増収、また患者様にはより高い満足感
をもたらします。」と KaVo 社のマック
ス・モーア氏は述べます。
新しいプロセス
すべての歯科治療と同様に、KaVo 社の製
造工程は、歯科用診察台の上で始まります
。例えば、クラウンを作成する場合、患者
の損傷を受けた歯を削り、印象を取ります
。歯型の印象を歯科技工室に持って行き、
技工士が印象から石膏モデルを作成します
。従来の方法を用い、ワックスでクラウン
を作成します。
エベレストのプロセスは、支台を有する歯
型モデルを 3D スキャナで走査すること
から始まります。スキャン工程は、20 ミ
クロンの精密度で、わずか3分という迅速
さです。スキャナは傾斜するターンテーブ
ルがついており、一見すると電子レンジの
ような外観をしています。ボタンを1つ押
すだけでスキャナが作動し、異なる角度か
らデータを取得し、15 点群を生成します
。
次の手順では、スキャナに接続されたコン
ピュータにインストールされているエベレ
スト制御ソフトウェアを使用して発注プロ
セスを行います。制御ソフトウェアは 4
つのモジュールから構成されています。こ
れらは、スキャン、サーフェス、CAD お
よび CAM です。
スキャンモジュール では、ユーザインタ
ーフェースをスキャンユニットに形成しま
す。オペレータはメニューで導かれる僅か
なステップに従うだけで、石膏とワックス
の型のスキャンを制御操作できます。製作
物の模型を直接スキャンするために、
KaVo社では、光沢面を消し反射を抑える
特殊石膏材を使用し、精度の高い計測を保
証しています。スキャン読み込みデータは
自動的にサーフェスモジュールに転送され
ます。
サーフェスモジュール
では、Geomagic Studio ソフトウェアの
特別バージョンが使用されています。米国
ノースカロライナ州リサーチ トライアン
グル パークにベースを置くRaindrop
Geomagic 社によって開発されたこのソ
フトウェアはカスタムメイドの製造工程に
重要な役割を果たします。Geomagic ソ
フトウェアは物理部品や対象物の正確なデ
ジタルモデルを生成し、個別品を大量に製
作するために必要となるすべてのハードと
ソフトの統合を実現します。
新しいクラウンの作製には、2種類のデー
タセットがサーフェスモジュールに読み込
まれます。このデータセットは、ダイとも
呼ばれる支台歯のマスターモデルとクラウ
成功事例
ンの形状を持つワックスモデルの2種類で
す。このモジュールの手順は、ダイを対象
とした異なる15種類のスキャンとクラウ
ンの表面を合わせ、ダイとクラウンを同一
の方向に整合させることから始めます。こ
れにより、自動的に実行する数学的サーフ
ェス計算の基盤を形成することができます
。ダイ上で準備ラインを自動的に検出しク
ラウンがこのラインに沿って切削されます
。次に、ダイとクラウンを合わせ自動的に
調整しアンダーカットを最小限に抑えます
外し可能なコントロール機器で簡単に調
整します。焼成はおおよそ 12 時間ほど
かかります。」
サーフェス作業は、自動的に行われるか、
あるいはオペレータが変更を加えながら相
互的に行うことができます。ブリッジの作
成も同様に行います。クラウンやブリッジ
のサーフェスが形成されたら、このデータ
のファイルが CAD モジュールに送られま
す
コボ社のエンジニアである、ジークフリー
ト・ゲイル氏は、デジタル技術を取り入れ
たプロセスにより、品質と精密度が向上す
ると確信します。クラウンを作製するにあ
たり、従来では、例えば、材料の異なるレ
イヤーをそれぞれ積層して焼成しなければ
なりませんでした。この従来の積層方法で
は、後に破損の危険が増します。エベレス
ト システムを使用すると、材料が適切な
強度で同質になるようにプログラム操作が
でき、その結果、クラウンが口中で破損す
る危険が減少します。
CAD モジュール では、オペレータが最
終的なコーピングやブリッジをコンピュー
タの画面で設計することができます。ソフ
トウェアで、自動的にデジタル モデルの
位置決めをし歯肉面までトリミングします
。モデルはそれぞれ個別に画面に位置づけ
られ、拡大・縮小が行われます。最終仕上
げデザインが出来上がり、次の CAM モ
ジュールに進みます。
CAM モジュール では、使用される材料
に特有のプロセス特性を考慮に入れて切削
データを計算します。このデータは、イー
サネット接続、あるいは TCP/IP プロト
コルを介してCNC システムに転送されます
この工程が終わると、最終完成品が仕上が
り、患者への装着を待つのみです。材料の
余剰部分を切削する必要もなく、デジタル
モデルは、患者への装着が完璧にフィット
することを保証します。
品質と精密度
このシステムでは、さらに品質の向上の利
点に加え、歯科技工士が計測を精密に行う
ことができます。精密な計測は、補綴物が
ぴったりフィットするための重要な鍵とな
ります。3本ブリッジでは、コネクタをク
ラウンの右および左側のコーピング間に配
置する必要があります。口中での破損を防
ぐため、これらのコネクタは精密に計測し
なければなりません。ジルコニウムの場合
、最低 9mm² が必要です。
エべレスト エンジンと呼ばれるCNC シス
テムはコンピュータ制御の5軸切削および
研磨機能を持った機器システムです。3
軸は水平および垂直作動を定義し、別の2
軸は、固定ブリッジのピボット範囲および
スピンドルとツールの回転範囲を定義しま
す。ダブルツールのスピンドルとピボット
式固定ブリッジは、製作中のツールの交換
を必要とせず、個別の単一補綴物を4個、
あるいはブリッジを2個一度に製作するこ
とができます。
「従来の方法では、正確な計測は不可能で
あり、技工士の推量にまかされていました
。ところが、エベレスト システムを使用
したデジタル モデルでは、数学的に計算
された定義により、技工士は正確な計測値
をインプットすることができます」とゲイ
ル氏は述べます。これにより、すべてのコ
ネクタはミリメートルの正確さで、正しい
サイズに形成されます。
セラミック製の補綴物では、最終段階とし
て材料の焼結が工程の最後にあり、マイク
ロプロセッサー制御のファーネスで焼成さ
れます。オペレータは上方へ持ち上げるよ
うにして正面のドアを開け、それぞれのモ
デルを焼成トレイに載せ、ファーネス内に
配置します。ファーネスはオペレータが
再度、キャリブレーションを行い、取り
従来の技法では扱いが困難でしたが、エベ
レスト システムでは、鋳造や仕上げ時の
制限がほとんどない優れた材料を取り入れ
ることもできるようになりました。KaVo
社は、フレームワーク用チタニウム、白榴
石補強グラスセラミック、予備焼結酸化ジ
ルコニウム、焼結酸化ジルコニウムなどの
材料を提供しています。
優れた材料
Raindrop Geomagic Hungary
Budapest, Hungary
Infopark sétány 1. I épület 6.em. Budapest XI 1117
+36 1 464 4343 www.geomagic.com
Corporate Headquarters
P.O. Box 12219, Research Triangle Park, N.C. 27709
Customer Support 1.919.474.3036
1.800.251.5551
[email protected]
www.geomagic.com
Raindrop Geomagic GmbH
Cologne, Germany
Genterstr. 13-15, 50672 Cologne, Germany
(49) (0) 178 77 67 887 www.geomagic.com
「この革新的なデジタルプロセスにより、
従来の技術では取り扱えなかった優れた材
料の使用が可能になりました。」と KaVo
社のマーケティングマネージャのマルチナ
・クージンガー氏は述べます。「ブリッジ
のフレームワークを例にとればお分かりい
ただけるように、従来の金属よりも審美的
に優れた陶材を使用することができます。」
KaVo 社で使用される新しいグラス セラ
ミックは、耐久圧力が1,200 メガパスカ
ル (MPa)、すなわち約174,000ポンド毎
平方インチにも及びます。この数値は、ブ
リッジのフレームワークとして充分すぎる
ほどの堅牢さを示します。
3倍におよぶ生産性の増加
デジタル歯科医療では、より高度な品質と
材料は、これまでのように生産性を犠牲に
するということがありません。自動化によ
りこれまでの手動に伴うヒューマンエラー
を削減でき、一定の時間内の歯科技工士に
よる高品質歯科補綴物の生産量が従来に比
べ3倍まで増加します。
従来の方法では、約1時間かけてチタニ
ウム製のフレームワークを作製したもの
が、エベレスト システムでは僅か20分
で完了します。グラス セラミック製フル
クラウンの製作は、従来の方法では、約
2時間かかりましたが、エベレスト シス
テムを使用すると45分以下という速さで
す。しかも、完成品は卓越した材料が使
用されます。
歯科医療のデジタル化を再定義
KaVo 社による研究開発の継続は、将来
、プロセスをより簡単に、また自動化を
さらに推進することとなり、その結果、
各患者個人別にカスタム化が進んだ精密
度のより高い歯科補綴物が生まれること
になります。
「私達は常に新しい機能を追加して歯科技
工のプロセスを改善する努力を惜しみませ
ん。デジタル歯科医療は現在まだほんの初
期の段階にいますが、それでも既に歯科技
工士の製作プロセスに劇的な改善を見せ、
患者様に選り優れた完成品を提供していま
す。」と KaVo 社のマックス・モーア氏
は述べます。
Raindrop Geomagic Asia
Singapore
9, RHU CROSS #02-02 Costa Rhu, Singapore 437 436
(+65) 6342.0416 www.geomagic.com
Raindrop Geomagic China Shanghai Office
Room 17A7, Harvest Building (HuaFu DaSha),
No.585 Long Hua Xi Road, Xu Hui District,
Shanghai 200232 (8621)64692831
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