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Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
© 2014 Dell Inc.
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Dell Inc.
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5 Polaris Way
Aliso Viejo, CA 92656
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Dell Migration Manager Microsoft Office 365 への移行
更新日:2014 年 11 月 25 日
ソフトウェアバージョン:8.11
目次
はじめに ....................................................................... 5
移行プロセスの概要 .............................................................. 5
メールのリダイレクト技術の概要 .................................................. 7
作業を開始する前に ............................................................. 9
要件の確認 ...................................................................... 9
ソース Exchange 環境の準備 ...................................................... 9
移行ソースとしての Exchange 組織の登録 ...................................... 10
Microsoft Office 365 環境の準備 ................................................ 10
Microsoft Office 365 展開の準備状況の評価 ................................... 10
Microsoft Office 365 での会社ドメインの設定 ................................. 10
Office 365 管理者アカウントの作成 ........................................... 10
Office 365 管理者アカウントの地域の設定 ..................................... 12
Calendar Repair Assistant の無効化 .......................................... 12
移行先としての Microsoft Office 365 の登録 .................................. 13
Microsoft Office 365 への移行 ................................................. 14
Office 365 内でのユーザーアカウントのプロビジョニング........................... 14
Directory Migration Agent のインストール .................................... 15
移行ペアの設定 .............................................................. 15
移行スコープのコレクションへの分割 .......................................... 16
オブジェクト照合の設定 ...................................................... 19
属性マッピングの設定 ........................................................ 20
オブジェクトの Microsoft Office 365 への移行 ................................ 20
予定表の同期 ................................................................... 23
新しい Office 365 予定表同期ジョブの設定 .................................... 24
新しい Office 365 予定表コレクションの追加 .................................. 25
予定表同期の開始 ............................................................ 27
メールボックスの移行 ........................................................... 28
新しい Office 365 メールボックス移行ジョブの設定 ............................ 28
新しい Office 365 メールボックスコレクションの追加 .......................... 29
メールボックス移行の開始 .................................................... 31
移行後の作業 .................................................................. 32
メールを Microsoft Exchange Online にリダイレクト .............................. 32
Outlook プロファイルを更新 ..................................................... 32
Exchange サーバーを使用停止 (オプション) ....................................... 32
他のディレクトリ同期ツールに切り替え (オプション) .............................. 33
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
3
移行の進捗状況の追跡 .......................................................... 34
Directory Migration (ディレクトリ移行) ......................................... 34
予定表の同期 ................................................................... 35
メールボックスの移行 ........................................................... 36
ハイブリッド移行シナリオ ...................................................... 37
ハイブリッドによる取得 ......................................................... 37
ソース Exchange 組織へのメールフローの確立 .................................. 39
オンプレミスディレクトリ移行 ................................................ 40
本番メールボックス移行 ...................................................... 41
クラウドディレクトリ移行 .................................................... 41
ユーザー照合 ................................................................ 42
クラウドメールボックス移行 .................................................. 43
ハイブリッドによる複合取得 ..................................................... 45
ソース Exchange 組織へのメールフローの確立 .................................. 46
オンプレミスディレクトリ移行 ................................................ 47
本番メールボックス移行 ...................................................... 50
クラウドディレクトリ移行 .................................................... 50
ユーザー照合 ................................................................ 51
クラウドメールボックス移行 .................................................. 52
ハイブリッドによる再編成またはアップグレード ................................... 54
ハイブリッドによる複合再編成またはアップグレード ............................... 54
ハイブリッドを使用したクラウドへの拡張 ......................................... 55
ハイブリッド展開の確立 ...................................................... 56
クラウドディレクトリ移行 .................................................... 57
ユーザー照合 ................................................................ 57
クラウドメールボックス移行 .................................................. 58
高度な移行のトピック .......................................................... 61
Migration Manager 使用時のシングルサインオン (SSO) への対応..................... 61
Microsoft ディレクトリ同期ツールとの相互操作 ................................... 64
Microsoft Office 365 への移行のトラブルシューティング .......................... 66
Migration Agent for Exchange の管理 ............................................ 66
その他の問題:ログの確認 ....................................................... 66
Dell について ................................................................. 68
Dell へのお問い合わせ .......................................................... 68
テクニカルサポート用リソース: ................................................. 68
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
4
はじめに
Dell Migration Manager は、オンプレミス Exchange 環境から Microsoft Office 365 へシームレスな移行を
提供するツールです。以下の種類のソース Exchange 環境をサポートしています。

Microsoft Exchange 2000

Microsoft Exchange 2003

Microsoft Exchange 2007

Microsoft Exchange 2010
このガイドは、お客様が『Migration Manager インストールガイド』に記載されている Migration Manager の
概念を理解しており、そのガイドの指示に従って製品をすでにインストールしていることを前提にしています。
また、現在のバージョンの Migration Manager のリリースノートもあらかじめお読みになっておくことをお勧
めします。リリースノートには、移行のプランニングおよび実行に役立つ、特定の製品の動作、制限事項、既知
の問題、および対処方法などが記載されています。
移行プロセスの概要
Migration Manager は、メッセージングインフラストラクチャを Microsoft Office 365 へ移行するさまざまな
シナリオに対応しています。ここでは、メッセージングインフラストラクチャを完全に Microsoft Office 365
に移動する基本的な移行について説明します。
メモ: Migration Manager はハイブリッド展開を含むさまざまなクラウド移行シナリオに対応していま
す。それらの導入方法の詳細は、「ハイブリッド移行のシナリオ」を参照してください。
Microsoft Office 365 への基本的な移行は、主に以下のステージで構成されます。
1
本番 Exchange および Microsoft Office 365 環境の移行準備。
2
Active Directory 全体を Microsoft Office 365 の同期による、グローバルアドレス一覧の共存と
Microsoft Office 365 内のユーザーのプロビジョニング。
3
空き時間情報も含めた、Microsoft Exchange Online への予定表の同期。
4
Microsoft Office 365 へのメールボックスの移行と切り替え。
5
特定の設定を行うための、一部の Active Directory オブジェクトの再移行 (オプション)。
6
メールのリダイレクト、Outlook プロファイルの更新などの移行の後処理作業の実行。
ヒント: Microsoft Office 365 に対してシングルサインオン (SSO) を導入する場合や、すでに
Microsoft のディレクトリ同期ツールを使用してユーザーアカウントを Microsoft Office 365 と同期し
ている場合、「高度な移行のトピック」の情報を参照してください。
移行の各ステージで実行する必要がある作業、およびステップ完了後の結果を以下の表に示します。
ステージ
1
作業内容
1
システム要件の確認
2
ソース Exchange 環境
の準備
3
Microsoft Office 365
環境の準備
結果
使用するツール
ソース Exchange および Microsoft
Office 365 環境の両方の移行準備が完
了
N/A
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
5
ステージ
2
作業内容
1
2
3
4
3
4
Active Directory ドメ
インと Microsoft
Office 365 の移行ペア
を作成
デフォルトがニーズを
満たさない場合に、移
行ペアの一致ルールを
設定
デフォルトがニーズを
満たさない場合に、移
行ペアのマッピングル
ールを設定
5
Active Directory ドメ
インのすべてのオブジ
ェクトを含む動的コレ
クションの作成
6
動的コレクションのオ
ブジェクト照合の設定
7
動的コレクションの共
存の有効化
1
予定表同期ジョブの設
定
2
予定表コレクションの
作成
3
予定表同期を開始する
ために、対応するエー
ジェントを開始します
1
メールボックス移行ジ
ョブの設定
2
メールボックスコレク
ションの作成
3
5 (オプ
ション)
Directory Migration
Agent のインストール
1
メールボックス同期を
開始するために、対応
するエージェントを開
始する
Microsoft Exchange
Online にプロビジョニ
ングしたメールボック
スを持つユーザーを含
む静的コレクションを
使用するツール
結果

ソース Active Directory のすべの
てオブジェクトが Microsoft
Office 365 に作成され、同期され
る。

Migration Manager
for Active
Directory
(Microsoft Office
365) コンソール
Active Directory ドメインと
Microsoft Office 365 間で、統合
されたグローバルアドレス一覧
(GAL) が確立される。

Microsoft Office 365 内のユーザ
ー用にメールのリダイレクトが設
定される。

Microsoft Office 365 に正常にサ
インインできるように、
Microsoft Office 365 に接続する
ためのパスワードを記載したメー
ルはユーザーのオンプレミスメー
ルボックスに送信される。
ユーザーの空き時間情報を含む予定表
は、Microsoft Exchange Online と同期
される。

必要なすべてのメールボックスが
Microsoft Exchange Online に移
行される。

正常に移行されたメールボックス
に切り替えられる。

メールボックス切り替えの後、メ
ールのリダイレクトが逆方向に切
り替えられる。

対応するユーザーアカウントがメ
ールボックス有効になる。これに
より、ステージ 5 での Exchange
固有の属性を移行できるようにな
ります。
Exchange の代理人アクセス許可 (Send
on behalf アクセス許可、
publicDelegates 属性) が、Microsoft
Office365 に移行される。
Migration Manager
for Exchange コン
ソール
Migration Manager
for Exchange コン
ソール
Migration Manager
for Active
Directory
(Microsoft Office
365) コンソール
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
6
ステージ
作業内容
使用するツール
結果
作成
6
2
必要に応じてコレクシ
ョンの一致ルールを設
定
3
必要に応じてコレクシ
ョンのマッピングルー
ルを設定
4
コレクションを
Microsoft Office 365
に移行
1
メールを Microsoft
Exchange Online にリ
ダイレクト
2
Outlook プロファイル
を更新
3
Exchange サーバーを使
用停止 (オプション)
4
他のディレクトリ同期
ツールに切り替え (オ
プション)

メールデータが Microsoft Office
365 に切り替えられる

Outlook プロファイルが Client
Outlook プロファイ
ルを更新する
Client Profile
Updating Utility
Profile Updating Utility を使って
更新される

Exchange インフラが使用停止さ
れる (オプション)

ディレクトリは他の同期ツールで
同期される
メモ: 現在、Migration Manager for Exchange は、オンプレミス Exchange 組織から Exchange Online
へのパブリックフォルダの移行をサポートしていません。ただし、Dell Migrator for SharePoint
Online を使用してパブリックフォルダを SharePoint Online に移行するオプションを検討できます。詳
細は、http://software.dell.com/products/migration-suite-for-sharepoint/ を参照してください。
Exchange リソースフォレスト移行の検討事項
Exchange リソースフォレスト内に Exchange 組織を展開している場合は、以下の事項を検討してください。

対応する Active Directory 認証フォレストではなく、Exchange リソースフォレストから直接ユーザー
をプロビジョニングする必要があります。

デフォルトでは Exchange リソースフォレスト内のすべてのユーザーアカウントが無効にされますが、
Migration Manager for Active Directory は Microsoft Office 365 内でそれらを有効にします。

ユーザーのプロビジョニング後、Migration Manager for Exchange を使って、Exchange リソースから
Microsoft Office 365 フォレストへの予定表の同期とメールボックスの移行を開始することができます。

対応する Active Directory 認証フォレストにのみ存在する特定の属性を移行する必要がある場合、
Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) でその認証フォレストと
Microsoft Office 365 の移行ペアを個別に作成します。
メールのリダイレクト技術の概要
Microsoft Office 365 への移行中もユーザーのコラボレーションを中断しないために、ソース Exchange 組織
と Microsoft Office 365 内のユーザーは、グローバルアドレス一覧 (GAL) 内で他のユーザーのメールボック
スを参照できなければなりません。あるユーザーに送信されるすべてのメールは、どちらのメールボックス宛に
送信された場合でも、そのユーザーが現在使用しているメールボックスに届かなければなりません。これを実現
するためには、現在使用していないメールに届いたメールを自動的に現在使用しているメールボックスに転送す
る必要があります。そのため、Migration Manager は 以下のように Migration Manager for Active Directory
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
7
リダイレクト技術を使って、ソース Exchange サーバーと Microsoft Office 365 間のメールのリダイレクトを
行っています。

メールボックスの切り替え前は、新しいメールはすべてソースメールボックスに配信され、対応するク
ラウドユーザーメールボックスへのメールのリダイレクトが設定されます。

メールボックスの切り替え後、新たなメールはすべてクラウドメールボックスに配信されます。クラウ
ドメールボックスのリダイレクトは無効になり、ソースメールボックス用のリダイレクトが設定されま
す。
Migration Manager for Active Directory により、メールリダイレクトのプロセスはすべて自動化されます。
そのため、追加の設定作業は必要ありません。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
8
作業を開始する前に
移行を開始する前に、以下の準備作業を行ってください。

要件の確認

ソース Exchange 環境の準備

Microsoft Office 365 環境の準備
推奨: Microsoft Office 365 への事前登録
まだ Microsoft Office 365 アカウントをお持ちでない場合は、移行の準備作業を開始する前に、
http://office.microsoft.com にサインアップすることを検討してください。これにより、移行中の作業の中断
や遅れを防止することができます。
要件の確認
Microsoft Office 365 への移行に必要な権限やソフトウェアの詳細は、『System Requirements and Access
Rights』の以下のセクションを参照してください。

Microsoft Office 365 への移行

Directory Migration Agent

Office 365 への移行に使用するアカウント
サポートする Microsoft Office 365 プラン
Migration Manager では、中規模ビジネスおよびエンタープライズプラン (プラン E1 およびプラン E3) の
Microsoft Office 365 テナントにのみ移行できます。移行先として、小規模ビジネスプラン (プラン P1) の
Microsoft Office 365 はサポートされていません。
Microsoft Office 365 プランの詳細は、http://www.microsoft.com/en-us/office365/compare-plans.aspx を
参照してください。
ソース Exchange 環境の準備
Migration Manager のドキュメントセットには、サポートしている Exchange 環境に応じた、異なる準備作業用
ドキュメントが用意されています。ご利用の Exchange のバージョンに応じたドキュメントを参照してください。

ソース/ターゲット Exchange 2000/2003 環境の準備

ソース Exchange 2007 環境の準備

ソース Exchange 2010 環境の準備
Office 365 に移行するためには、該当するドキュメント内の以下のセクションを参照してください。
1
Exchange アカウントの設定
2
ソース Active Directory アカウントの設定
3
Exchange インフラのバックアップ (オプション)
4
ターゲット Exchange 組織との接続の設定
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
9
移行ソースとしての Exchange 組織の登録
Exchange 環境の設定が完了したら、Migration Manager for Exchange コンソールで Exchange 組織を移行ソー
スとして登録する必要があります。そのためには、管理ツリーの [Source Exchange Organizations] ノードを
右クリックして、[Add Source Exchange Organization] を選択します。登録プロセスを案内するウィザードが
開始されます。
ウィザードには、Migration Manager for Exchange コンポーネントをインストールしたサーバーへの接続に使
用するアカウントの指定を要求するメッセージが表示されます。適切な権限を持つアカウントを指定する必要が
あります。必要な権限については、『System Requirements and Access Rights』ドキュメントを参照してくだ
さい。指定したアカウントはデフォルトで、登録された Exchange 組織のすべてのサーバーに使用されます。
メモ: 必要に応じて、サーバーの [Properties] ダイアログボックスの [General] ページから、登録し
た各 Exchange サーバーの接続設定を変更することができます。
Microsoft Office 365 環境の準備
Microsoft Office 365 テナントの移行準備のために、いくつかの作業を行う必要があります。

Microsoft Office 365 展開の準備状況の評価

Microsoft Office 365 での会社ドメインの設定

Microsoft Office 365 管理者アカウントの作成

Office 365 管理者アカウントの地域の設定

Calendar Repair Assistant の無効化

移行先としての Microsoft Office 365 の登録
Microsoft Office 365 展開の準備状況の評価
Microsoft Office 365 展開の為の、本番環境の分析と準備には、『Microsoft Office 365 展開ガイド』に従っ
て Microsoft Office 365 Deployment Readiness Tool を使用します。
Microsoft Office 365 for Enterprises 展開ガイドを入手するには、http://community.office365.com/enus/f/183/p/1541/5095.aspx に移動してください。ツールは、http://community.office365.com/enus/f/183/p/2285/8155.aspx からダウンロードできます。
Microsoft Office 365 での会社ドメインの設定
Microsoft Office 365 に移行する各メールドメインを、Microsoft Office 365 テナントの承認済みドメインと
して追加する必要があります。次に本番環境メールボックスの SMTP アドレスを使って、新たな Office 365 メ
ールボックスに対応するメールアドレスが作成されます。
Microsoft Office 365 への会社のドメインの追加方法については、
http://onlinehelp.microsoft.com/office365-enterprises/ff637620.aspx を参照してください。
Office 365 管理者アカウントの作成
最低 3 つの個別の管理者アカウントを作成する必要があります。これらのアカウントは、移行時に以下のいず
れかの作業を行うために用いられます。

Office 365 内でのユーザーアカウントのプロビジョニング
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
10

予定表の同期

メールボックスの移行
これらの管理者アカウントには、Microsoft Exchange Online ライセンスを発行する必要があります。管理者ア
カウントにはデフォルトの UPN サフィックス <tenant_name>.onmicrosoft.com を使用する必要があります。ま
た、Microsoft Office 365 テナントのグローバル管理者ロールおよび ApplicationImpersonation ロールを保
有していなければなりません。必要なロールを割り当てるには、2 種類の方法があります。
1
すでに Microsoft Exchange Online ライセンスを持っているアカウントに ApplicationImpersonation
ロールを手動で割り当てて、Microsoft Office 365 でグローバル管理者ロールを割り当てる。
2
PowerShell スクリプトを使って、Microsoft Office 365 にアカウントを作成し、それに Microsoft
Exchange Online ライセンスを発行して、必要なロールを割り当てる。このスクリプトは、Migration
Manager CD に収録されています。
メモ: 移行パフォーマンスを高速化するために、予定表同期とメールボックス同期には、複数の管理者ア
カウントを使用する必要があります。スクリプトを使用することで、アカウントの作成とロールの割り当
てを自動化することができます。
既存のグローバル管理者アカウントに ApplicationImpersonation ロールを割り当てるには
1
Microsoft Windows 7 (x64 エディション) または Microsoft Windows Server 2008 R2 が動作している
コンピュータにログオンします。
2
Microsoft Online Services サインインアシスタント (64 ビット版) をインストールします。ダウンロ
ード/インストール方法については、http://technet.microsoft.com/en-us/library/jj151815.aspx を
参照してください。
3
以下のコマンドレットを起動して、スクリプトの実行を許可します。
Set-executionpolicy unrestricted
4
以下のようにアカウントに ApplicationImpersonation ロールを割り当てます。
a
Office 365 で新しい PowerShell セッションを作成します。
$cred = Get-Credential
$proxy = New-PSSessionOption –ProxyAccessType IEConfig
$session = New-PSSession -ConfigurationName Microsoft.Exchange
-ConnectionUri https://ps.outlook.com/powershell/ -Credential
$cred -Authentication Basic –AllowRedirection -SessionOption
$proxy
Import-PsSession $session
b
Microsoft Office 365 の設定を許可します。
Enable-OrganizationCustomization
c
Microsoft Office 365 での偽装を許可します。
New-ManagementRoleAssignment -Role ApplicationImpersonation User <User>
d
最後に PowerShell セッションを終了します。
Exit-pssession
Remove-pssession $session
PowerShell スクリプトを使って管理者アカウントを作成するには
1
Microsoft Windows 7 (x64 エディション) または Microsoft Windows Server 2008 R2 が動作している
コンピュータにログオンします。
2
Microsoft Online Services サインインアシスタント (64 ビット版) と Windows PowerShell 用
Windows Azure Active Directory モジュール (64 ビット版) をインストールします。ダウンロード/イ
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
11
ンストール方法については、http://technet.microsoft.com/en-us/library/jj151815.aspx を参照して
ください。
3
AccountName と Password の 2 つのヘッダーを持つ .CSV ファイルを、適切な場所に作成します。
4
ファイルに、Office 365 に作成する管理者アカウント名とそのパスワードを、1 行に 1 つずつ指定し
ます。
有効な形式のファイルの例を以下に示します。
AccountName,Password
AdminAcc1,Password1
AdminAcc2,Password2
AdminAcc3,Password3
5
次に、%SystemRoot%\system32\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe を起動します。
6
以下のコマンドレットを起動して、スクリプトの実行を許可します。
Set-executionpolicy unrestricted
7
次に、PowerShell の現在の作業ディレクトリを、<Migration Manager CD>\QMMEx
ResKit\Scripts\CreateQSAdminAccountsInMSOL に変更します。
8
以下のコマンドレットを起動します。
Import-Module ./CreateQSAdminAccountsInMSOLModule.ps1
9
最後に、以下のコマンドレットに適切なパラメータを指定して、それを起動します。
Create-QSAdminAccountsInMSOL <CSV file path> <User> <Password>
<Your domain>.onmicrosoft.com
注意: Create-QSAdminAccountsInMSOL コマンドレットに指定するユーザーアカウントは、Microsoft
Office 365 のグローバル管理者ロールを保有している必要があります。
.CSV ファイルに指定した管理者アカウントが Microsoft Office 365 に作成され、グローバル管理者および
ApplicationImpersonation ロールが与えられます。
Office 365 管理者アカウントの地域の設定
移行に使用する管理者アカウントに、地域の設定を行う必要があります。未設定の場合、移行時に不正なタイム
ゾーンであることを知らせるエラーメッセージが表示される可能性があります。設定を行うには:
1
移行に使用するアカウントで Microsoft Office 365 にサインインします。
2
ページの上部にある [Outlook] リンクをクリックします。タイムゾーンと言語の設定を要求するメッセ
ージが表示されます。
Calendar Repair Assistant の無効化
移行の全期間中、移行に関与するすべてのユーザーメールボックスに対して、Calendar Repair Assistant
(CRA) を無効にする必要があります。そのためには、組織内の各メールボックスに対して以下のコマンドレット
を起動します。
Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Set-Mailbox -CalendarRepairDisabled
$true
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
12
移行先としての Microsoft Office 365 の登録
Microsoft Office 365 環境の準備の最終ステップでは、Migration Manager for Exchange コンソールで新たな
移行先を登録する必要があります。そのためには、管理ツリーの [Target Exchange Organizations] ノードを
右クリックして、[ Add Office 365 as Target Organization] を選択します。以下の情報の入力を要求するメ
ッセージが表示されます。
1
Migration Manager for Exchange コンソールに表示する、Microsoft Office を表す表示名。
2
Microsoft Office 365 へのアクセスに使用するデフォルトの管理者アカウント。
注意:

このアカウントには、Microsoft Exchange Online ライセンスを発行する必要があります。

このアカウントは、Microsoft Office 365 のグローバル管理者ロールを保有している必要がありま
す。
メモ: まだ Microsoft Office 365 に登録していない場合は、ダイアログボックスにあるリンクをクリッ
クします。
[Finish] をクリックすると、Microsoft Office 365 を示すノードが管理ツリーに追加されます。このノードは、
移行に必要なツールを提供します。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
13
Microsoft Office 365 への移行
移行には、ソースドメインから Microsoft Office 365 への Active Directory オブジェクト (ユーザー、連絡
先、グループなど) の移行、本番 Exchange 組織から Microsoft Exchange Online への予定表の同期とメール
ボックスの移行が含まれています。
Microsoft Office 365 の移行時には、以下の図のように Migration Manager for Active Directory と
Migration Manager for Exchange の両方を使用する必要があります。
Office 365 への移行時の検討事項:

Migration Agent for Exchange は、40MB を超えるメッセージを処理できません。この制限は、Office
365 Exchange Web サービスにより設定されています。

処理中のコレクションのエージェントインスタンスを変更する場合は、エージェントを停止した後現在
のセッションが完了するまで待機し、次に目的のインスタンスを指定する必要があります。

グループや組織単位経由で複数のコレクションにメールボックスが追加されている場合、同期順序で最
初のコレクションに対してのみそのメールボックスが処理されます。
1 つの Migration Manager for Exchange インスタンスが、オンプレミス Exchange 移行プロジェクトのコレク
ションと Microsoft Office 365 移行プロジェクトのコレクションを同時に処理することはできません。
Office 365 内でのユーザーアカウントのプ
ロビジョニング
Microsoft Office 365 への最初のステップでは、Microsoft Office 365 でユーザーアカウントをプロビジョニ
ングする必要があります。このセクションのすべてのステップは Migration Manager for Active Directory
(Office 365) コンソールで実行する必要があります。

Directory Migration Agent のインストール

移行ペアの設定
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
14

移行スコープのコレクションへの分割

オブジェクトの照合

属性マッピングの設定

オブジェクトの Microsoft Office 365 への移行
注意: Migration Manager for Active Directory は、Active Directory 内の状態に関係なく、常に有
効にしたユーザーアカウントを Microsoft Office 365 に作成します。
Directory Migration Agent のインストール
移行タスクと同期タスクの両方が、Directory Migration Agent (省略形:DMA) と呼ばれる特別なエンジンによ
り処理されます。移行作業を開始する前に、環境内に最低 1 つの DMA インスタンスをインストールしてくださ
い。そうする場合は、以下の作業を行ってください。
1
Migration Manager for Active Directory (Office 365) コンソールを実行します。
2
Migration Manager for Active Directory (Office 365) コンソールの [Directory Migration] ノー
ドを選択します。
3
[Agents] タブの [Action Items] パネルで、[Install Agent] をクリックして、[Install Agent] ウ
ィザードを開始します。
4
以下の事項を指定して、ウィザードを完了します。
a
DMA のインストール先サーバー。
b
DMA のインストールと実行に使用するユーザー資格情報。
メモ: DMA をインストールするサーバーは、『System Requirements and Access Rights』ドキュメント
の適切なセクションに記載されているシステム要件を満たす必要があります。
移行ペアの設定
すべての移行作業は、Active Directory ドメインと Microsoft Office 365 テナントのペア間で行われます。
コンソールでは、そのようなペアと対応する設定を移行ペア (migration pairs) として表しています。
新しい移行ペアを作成するには、以下の手順に従ってください。
1
Migration Manager for Active Directory (Office 365) コンソールの [Directory Migration] ノー
ドを選択します。
2
[Migration Pairs] タブに移動します。
3
[Action Items] パネルで、[Create Migration Pair] をクリックします。
4
[Create Migration Pair] ウィザードで、以下の項目を指定します。


Active Directory ドメインおよびそれに接続するための設定情報。以下の項目が含まれています。

Active Directory ドメイン

Active Directory への接続に使用するユーザー資格情報

SSL 設定オプション

優先ドメインコントローラとグローバルカタログ (オプション)
Microsoft Office 365 テナントへの接続に使用する設定情報。以下の項目が含まれています。

Microsoft Office 365 への接続に使用するユーザー資格情報

必要に応じてプロキシサーバーと資格情報
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
15
メモ: 後ほど管理ツリー内の移行ペアノードの対応するアクションアイテムを使って、移行ペア設定の編
集や削除を行うことができます。
一連の設定情報を指定すると、それがコネクション (connection) と呼ばれる特別なエンティティに保存されま
す。コネクションは、Active Directory ドメインまたは Microsoft Office 365 テナントにアクセスするため
に用いられる、一連の設定情報です。将来の移行で、設定情報を再入力する代わりにコネクションを使用するこ
とができます。
ユーザーパスワードの管理
デフォルトでは、移行プロセス中に Migration Manager が Microsoft Office 365 内にユーザーを作成する際
に、ユーザーの一時パスワードが生成され、ユーザーにメールで送信されます。パスワードをユーザーに送信し
ないように設定することもできます。これを行う場合は、管理ツリー内の移行ペアノードを選択して、
[Actions] パネルの [Edit Initial Password Settings] をクリックして、表示されるダイアログボックスか
ら目的のオプションを選択してください。
注意: 以下の事項を考慮してください。

ユーザーにパスワードを送信しない場合、ユーザーが Microsoft Office 365 にサインインできるよ
うに、Microsoft Office 365 管理者が手動でリセットしてパスワードを送信する必要があります。

パスワードは、フェデレーションドメインで作成されたユーザーアカウントに対して生成されま
せん。 そのようなユーザーは、シングルサインオン (SSO) によってドメイン資格情報を使用して
Microsoft Office 365 にサインインするためです。さらに、パスワードのリセットタスクはフェデ
レーションドメインのユーザーに影響を与えません。
メモ: 後ほど移行したユーザーのパスワードをリセットするには、コレクションノードレベルで [Reset
Password] アクションアイテムを使用します。Migration Manager for Active Directory を使ってユー
ザーのパスワードをリセットする場合、生成されたパスワードがユーザーにメールで自動送信されること
に注意してください。
移行スコープのコレクションへの分割
移行ペアに正常にデータを追加したら、Microsoft Office 365 との同期または移行を予定しているオブジェク
トを指定する必要があります。Migration Manager for Active Directory は、オブジェクトをコレクションに
編成します。コレクションは、同じ Directory Migration Agent が同時に Microsoft Office 365 に移行した、
一連のオブジェクトです。
検討事項
移行スコープをコレクションに分割する場合、リンクされている属性 (グループメンバーシップなど) の解決方
法を検討する必要があります。

リンクされている属性は、常にコレクションのスコープ内で解決されます。たとえば、同じコレクショ
ン内のグループとそのメンバーを移行する場合、そのメンバーシップが移行されます。

リンクされている属性は、以前に移行されたオブジェクトに対しても解決されます。たとえば、先にユ
ーザーを移行して、次にグループを移行した場合、グループはそのメンバーシップとともに移行されま
す。

後方リンクは (「member of」など)、コレクションにまたがっては更新されません。たとえば、まずグ
ループを移行して、次に別のコレクションでそのメンバーを移行した場合、新しく移行されたアカウン
トはターゲットグループには追加されません。メンバーの前にそのグループを移行する必要がある場合
は、グループを再度移行するか、または完全再同期を実施することで、メンバーシップを復元すること
ができます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
16
コレクションタイプの選択
Migration Manager for Active Directory には、以下の表に説明しているように 2 種類のコレクションがあり
ます。
コレクシ
ョンタイ
プ
静的
使用目的
 デフォルト以外のマッピング/照合ルールでオブジ
ェクトのグループを移行します。
事前設定
オブジェクトに対して直接、クエリ
を実行または .CSV ファイルからオ
ブジェクトをインポートする
 メンバーを Microsoft Office 365 に移行した後
は、グループメンバーシップを解決するためにグ
ループを再移行します。
動的

Microsoft Exchange Online にメールボックスを
作成後、Exchange 固有の属性 (アクセス許可な
ど) を移行するために、ユーザーを再移行しま
す。

Microsoft Office 365 内の属性を最新状態に維持
するために、オブジェクトのグループを同期しま
す。
等号グローバルアドレス一覧 (GAL) を保持するために、
Active Directory ドメイン内のすべてのオブジェクト
を、Microsoft Office 365 と同期します。
Active Directory ドメイン内の特
定のコンテナを指定して、それにフ
ィルタを適用します。
動的コレクションは、コンテナの内
容が変更されると、自動的に更新さ
れることに注意してください。
以下の 2 つのセクションでは、静的コレクション/動的コレクションの作成と事前設定方法について説明してい
きます。
メモ: 動的コレクションは、ディレクトリ同期にのみ関与して、移行には利用できないことがあります。
移行と同期の詳細は、このセクションを参照してください。
注意: コレクションを作成する前に、必要に応じて移行ペアレベルの照合/マッピングルールを確認、
設定してください。これらのルールは、後ほど作成するコレクションに影響を与えます。
静的コレクションの追加
静的コレクションを追加するには、管理ツリーで移行ペアを選択し、[Collections] タブを開いて [Actions]パ
ネルの [New Collection] をクリックします。次に、以下の項目を指定します。
1
静的コレクション名
2
このコレクションを処理する Directory Migration Agent インスタンス
3
コレクションの作成直後に、コレクションの共存を有効にするかどうか。
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Microsoft Office 365 への移行
17
注意: このコレクションのデフォルトの照合およびマッピングルールがご自分のニーズを満たしている
ことが分かっている場合にのみ、コレクションの共存を有効にしてください。
コレクションにオブジェクトを事前設定するには、以下の表に従って [Home] タブで [Add Objects]、[Query
Objects]、および [Import Objects] アクションを使用します。
アクションアイテム
作業
使用する場面
Add Objects
Active Directory から直接オブジ
ェクトとコンテナを追加します。
Active Directory 内の、簡単に探
し出せるオブジェクトを追加しま
す。
Query Objects
属性値または指定した LDAP クエ
リに一致するオブジェクトを追加
することで、オブジェクトをフィ
ルタリングします。
独自の基準に基づいてメールボッ
クスを選択することができます。
たとえば、特定の Active
Directory 属性を持つすべてのユ
ーザーのメールボックスを選択で
きます。
Import Objects
CSV ファイルからオブジェクトを
インポートします。ファイルの最
初の行には属性名を含む 1 列を、
それ以降の行には適切な属性値を
指定する必要があります。
すでに保有している、特定の属性
を持つオブジェクトのリストをコ
レクションに追加できます。
例:
Name
User1
User2
User3
静的コレクションが正しく設定されていることを確認、またはコレクションのメンバーシップを修正するには、
[Objects] タブでオブジェクトのリストを確認してください。
コレクションの照合およびマッピングルールを必要に応じて確認、修正するには、それぞれ [Matching] または
[Mapping] タブに移動します。
動的コレクションの追加
動的コレクションを追加するには、管理ツリーから移行ペアを選択し、[Actions] パネルの [New Dynamic
Collection] をクリックして、以下の項目を指定します。
1
動的コレクション名
2
このコレクションを処理する Directory Migration Agent インスタンス
3
コレクションの作成直後に、コレクションの共存を有効にするかどうか。
4
オブジェクトを検索し、結果を絞り込むコンテナ。
ヒント: 動的コレクションに追加する、見つかったオブジェクトの結果リストを表示するには、
[Preview] をクリックします。
動的コレクションが正しく設定されているかどうかを確認するには、[Objects] タブに移動してコレクションの
メンバーをレビューします。
オブジェクトを同期するコンテナまたは適用フィルタを編集する場合は、[Object] タブの [Change Scope] を
クリックして、適切な作業を行います。
コレクションの照合およびマッピングルールを必要に応じて確認、修正するには、それぞれ [Matching] または
[Mapping] タブに移動します。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
18
オブジェクト照合の設定
オブジェクトの移行を行う前に、Directory Migration Agent はオブジェクトに指定されている照合ルールに従
って、自動的にそれを Microsoft Office 365 のオブジェクトと照合しようと試みます。
定義されているすべての照合ルールは、[Matching] タブにあります。照合はトップダウンの優先度に基づいて
行われるため、リストの一番上にあるルールが最高優先度になります。[Actions] パネルから、ルールの追加、
削除、編集、およびルールの優先度の変更を行えます。
Migration Manager for Active Directory には、ほとんどの場合に適切な照合を行える、一連のデフォルト照
合ルールが用意されています。また、独自の照合ルールを定義したり、既存のルールを編集または削除したりす
ることもできます。
照合ルールの追加
新しい照合ルールを追加するには、管理ツリーからコレクションを選択して [Matching] タブを開き、
[Actions] パネルで [Add Matching Rule] をクリックして、以下の項目を指定します。
1
ターゲットクラスと一致する属性
2
ソースクラスと一致する属性
メモ: 移行ペアに対する照合ルールを追加することもできます。そのような照合ルールは、その後
に作成された各コレクションに適用されます。ただし、すでに存在しているコレクションには適用
されません。
一致したオブジェクトの表示
現在一致しているオブジェクトを表示するには、管理ツリーのコレクションを選択して [Objects] タブを開き
ます。Microsoft Office 365 内のオブジェクトに正常に一致した、すべてのソースオブジェクトに [Matched]
ステータスが割り当てられます。
明示的なオブジェクト照合の実施
ご自分のニーズに合わせてオブジェクトが照合されるように、オブジェクトを明示的に照合することができます。
たとえば、移行前にすでに Microsoft Office 365 内にオブジェクトが存在しており、それらが正常に照合され
ていることを確認する場合などに役立ちます。
コレクション内のオブジェクトを照合するには、以下の手順に従ってください。
1
管理ツリー内の目的のコレクションを選択します。
2
[Objects] タブを開きます。
3
[Actions] パネルの [Match Objects] をクリックします。
4
現在の一致を破棄してオブジェクトの照合を開始するかどうかを指定します。
メモ: 照合ルールのリストを変更し、その変更をすでに照合されたオブジェクトにも適用する
場合は、オブジェクト一致の破棄を選択する必要があります。
オブジェクト一致の破棄
場合によっては、ソースオブジェクト/ターゲットオブジェクトのペアの一致を破棄しなければならないことも
あります。このことは、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールが、
Active Directory のオブジェクトと対応する Microsoft Office 365 オブジェクトを、一致するオブジェクト
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
19
とみなさないことを意味しています。たとえば、コレクションのマッピングまたは照合ルールを変更して、すで
に一致または移行しているオブジェクトに適用する場合にこの操作が必要です。
オブジェクトの一致を破棄するには、[Objects] タブでオブジェクトを選択して、[Actions]パネルの [Break
Matching] をクリックします。
属性マッピングの設定
マッピングルールに基づいてソースオブジェクトの各属性が、対応する Microsoft Office 365 オブジェクトの
属性に移行されます。Migration Manager for Active Directory には、ほとんどの場合に適切な属性のマッピ
ングを行える、一連のデフォルトマッピングルールが用意されています。また、必要に応じて独自の照合ルール
を定義したり、既存のルールを編集または削除したりすることもできます。
また、移行ノードレベルにある [Schema template] フィールドの近くにある、[Change] をクリックして、事前
定義されているルールのセットから選択することもできます。
注意: スキーマテンプレートを変更しても、移行ペアにすでに存在しているコレクションには影響しま
せん。
特定のコレクションの新しいマッピングルールを定義するには、管理ツリーからコレクションを選択して
[Mapping] タブを開き、[Actions] パネルの [New Mapping Rule] をクリックして、以下の項目を指定します。
1
移行後にソース属性を含む、ターゲットクラスとその属性。
2
以下のいずれかのマッピングルールを適用する必要があります。
3

Copy From
ターゲット属性の値を、ソース属性の値で上書きします。

Merge With
ソースの複数値属性の値を、ターゲットの複数値属性の値と結合します。

Resolve To
ソースのリンクされた属性を解決して、結果値をターゲット属性に書き込みます。

Set To
ターゲット属性に定数値を設定します。

Clear
ターゲット属性値を空にします。
ソースクラスとマップする属性。
メモ: 移行ペアに対するマッピングルールを追加することもできます。そのようなマッピングルールは、
その後に作成された各コレクションに適用されます。ただし、すでに存在しているコレクションには適用
されません。
オブジェクトの Microsoft Office 365 への移行
Active Directory ドメインから Microsoft Office 365 に、オブジェクトをその属性も含めて移行するには、2
種類の方法があります。
 ディレクトリの同期
共存期間中に、Microsoft Office 365 オブジェクトとその属性 (グループメンバーシップを含む) を、
ソースドメイン内の一致するオブジェクトと同期するための、進行中のプロセス。

オブジェクトの移行
ソースドメインから Microsoft Office 365 に、属性も含めたオブジェクトコレクションをコピーする、
1 回限りの操作。移行できるのは静的コレクションのみです。オブジェクトの移行は任意の時点で元に
戻すことができます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
20
注意: 同期/移行作業を開始する前に、「移行前の作業」を参照してください。
移行前の作業
注意: このセクションの情報は入念にお読みください。
同期/移行作業を行う前に、適用する照合/マッピングルールをレビューし、オブジェクトが明示的に照合される
ことを確認することを強くお勧めします。Active Directory ドメインのオブジェクトが Microsoft Office 365
内の誤ったオブジェクトと照合され、そのようなオブジェクトを移行したり、オブジェクトの共存を有効にした
りすると、Microsoft Office 365 内のオブジェクトの属性が上書きされてしまうため、このような確認作業が
大切になります。また、Microsoft Office 365 内のオブジェクトに関連する設定やデータが失われてしまう可
能性もあります。移行作業中にそのような事態が発生した場合、オブジェクトに行われた変更をロールバックす
ることができます。ただし、そのようなオブジェクトを同期した場合、変更を自動的にロールバックすることは
できません。Microsoft Office 365 内のオブジェクトを手動で修正する必要があります。
注意: オブジェクトがメール有効またはメールボックス有効の場合は、メールのリダイレクトの指定に
より、メールボックス切り替え前は、Microsoft Office 365 内のメールボックスに到着したすべてのメ
ールは、オンプレミスメールボックスに自動的にリダイレクトされます。メールボックス切り替え後
は、逆方向にリダイレクトされます。これにより、ユーザーにそのユーザー宛ではないメールが届くこ
とがあります。
移行中に送信される自動メッセージのカスタマイズ
Migration Manager では、Office 365 でユーザーのアカウントにアクション (アカウント作成、UPN 変更、パ
スワード変更、およびその組み合わせ) が実行されたときにユーザーに送信される自動メッセージのテキストを
カスタマイズできます。
これには、2 つの方法があります。
1
Migration Manager for Active Directory (Office 365) コンソールがインストールされているフォル
ダの Notifications サブフォルダ内に以下のテキストファイルのいずれかを作成します。

NewUser_NewPassword.custom.txt

NewUser_EnableSSO.custom.txt

NewPassword.custom.txt

ChangeUPN.custom.txt

ChangeUPN_EnableSSO.custom.txt

ChangeUPN_NewPassword.custom.txt

EnableSSO.custom.txt
これらのファイルは、特定のシナリオ用にデフォルトのメッセージテンプレート
(NewUser_NewPassword.default.txt など) より優先されるテンプレートです。
それ以降にインストールされた Directory Migration Agent はこれらの更新されたファイルを継承し、
エンドユーザーにカスタマイズされた通知を送信します。
2
ユーザーコレクションへのメッセージのみをカスタマイズするには、対応する Directory Migration
Agent がインストールされているフォルダの Notifications フォルダで同じことを実行します。特定の
エージェントによって処理されるユーザーのみがカスタマイズされた通知を受けます。
特定のシナリオでメール通知を無効にする必要がある場合 (例:シングルサインオンのアクティブ化) 、そのた
めの空のファイルを作成します (例:空の EnableSSO.custom.txt)。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
21
ディレクトリの同期
注意: ディレクトリの同期を開始する前に、「移行前の作業」を参照してください。
Active Directory のオブジェクトと Microsoft Office 365 のオブジェクトを同期するには、オブジェクトを
含むコレクションの共存を有効にする必要があります。そのためには、管理ツリーの適切なコレクションを選択
して、[Actions] パネルの [Enable Coexistence] をクリックして、以下の項目を指定します。

Microsoft Office 365 に一致するオブジェクトがない場合にオブジェクトを作成するかどうか

まだ未照合のオブジェクトを Microsoft Office 365 内の一致するオブジェクトと結合するかどうか

使用するユーザープリンシパル名 (UPN) サフィックス

ユーザーに対して設定する国番号
ウィザードを完了すると、コレクションのオブジェクトの同期が開始されます。オブジェクトの同期を停止する
場合は、[Actions] パネルの [Disable Synchronization] をクリックします。
[Statistics] タブで移行プロジェクト追跡情報を確認することができます。
共存の再開始
場合によっては、コレクションを Microsoft Office 365 と再同期しなければならないこともあります。以下の
ような場合に、この作業が必要となることがあります。

コレクションが動的で、その同期スコープが変更された。

コレクションの照合ルールが追加、削除、または変更された。この場合、コレクションの再同期を開始
する前に、照合済みオブジェクトの一致を明示的に破棄する必要があります。

コレクションのマッピングルールが追加、削除、または変更された。
コレクションを再同期するには、管理ツリーで目的のコレクションを選択して、[Actions] パネルの [Restart
Coexistence] をクリックします。
メモ: 再同期の完了までには、時間がかかることがあります。
オブジェクトの移行
注意: オブジェクトの移行を開始する前に、「移行前の作業」を参照してください。
Microsoft Office 365 にオブジェクトを移行するには、管理ツリーでオブジェクトを含むコレクションを選択
し、[Actions] パネルの [Migrate Objects] をクリックして、以下の項目を指定します。

Microsoft Office 365 に一致するオブジェクトがない場合にオブジェクトを作成するかどうか

まだ未照合のオブジェクトを Microsoft Office 365 内の一致するオブジェクトと結合するかどうか

使用するユーザープリンシパル名 (UPN) サフィックス

ユーザーに対して設定する国番号
ウィザードを完了すると、移行タスクが作成され、コレクションのオブジェクトの移行が開始されます。移行タ
スクのステータスとその他の詳細情報を表示するには、[Tasks] タブに移動してください。
メモ: コレクションからオブジェクトの一部を移行することもできます。その場合は、[Objects] タブで
移行するオブジェクトを選択して、[Actions] パネルの [Migrate Objects] をクリックします。
[Statistics] タブで移行プロジェクト追跡情報を確認することができます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
22
オブジェクト移行の取り消し
各移行タスク個別に Microsoft Office 365 に対して行った変更をロールバックすることができます。移行タス
クで Microsoft Office 365 テナントに対して行ったすべての変更が、移行タスク開始前の状態にロールバック
されます。
移行タスクの結果を取り消して元に戻すには、移行済みのコレクションを管理ツリーから選択して、[Actions]
パネルの [Roll Back Objects] をクリックします。ウィザードを完了して、移行タスクが Microsoft Office
365 に対して行ったすべての変更をロールバックします。
注意: 以下の事項を考慮してください。

オブジェクトは移行前と同じ状態にロールバックされます。移行後にソースオブジェクトに対し
て行われた変更内容は上書きされてしまいます。

アカウントをフェデレーションドメインから非フェデレーションドメイン (またはその逆) に移
動するロールバックタスクは完了しますが、エラーが発生します。この問題を避けるには、最初
に非フェデレーション (逆方向の場合はフェデレーション) ドメインに明示的な移行を実行して
から、ロールバックタスクを実行します。
メモ: 単一のオブジェクトの移行を元に戻すこともできます。その場合は、[Objects] タブで目的の移行
済みオブジェクトを選択して、[Actions] パネルの [Roll Back Object] をクリックします。
予定表の同期
Active Directory から Microsoft Office 365 に正常にオブジェクトを移行したら、Microsoft Exchange
Online で予定表の同期を開始できます。そのためには、Migration Manager for Exchange コンソールで以下の
作業を行う必要があります。
1
新しい Office 365 予定表同期ジョブの設定
2
新しい Office 365 予定表コレクションの追加
3
予定表同期の開始
ヒント: 本番 Exchange 組織と Microsoft Exchange Online 間で予定表を共存させるために、メールボ
ックスの移行とは異なるインスタンスの Migration Agent for Exchange により予定表の同期が実行され
ます。ただし、このステップはスキップすることができます。その場合は、メールボックスの移行の一環
として予定表が移行されます。
リソースメールボックス同期の指定
デフォルトでは、Migration Manager for Exchange は備品用メールボックスや会議室メールボックスを、通常
のユーザーメールボックスとして処理します。これらのメールボックスを適切な Microsoft Office 365 共有メ
ールボックスに変換するには、以下の作業を行う必要があります。
Exchange 2010
1
個別の Office 365 予定表コレクション内で、リソースメールボックスを双方向同期を有効にして同期
します。
2
Microsoft Exchange Online でそれらのメールボックスがプロビジョニングされたら、それらを適切な
タイプの Microsoft Office 365 共有メールボックスとして変換することができます。そのためには、
任意の Office 365 管理アカウント下で、以下の PowerShell コマンドレットを実行してください。
Set-Mailbox -Identity <MailboxIdParameter> [-Type <Regular | Room |
Equipment | Shared>]
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
23
Exchange 2007
1
個別の Office 365 予定表コレクション内で、リソースメールボックスを双方向同期を有効にして同期
します。
2
Microsoft Exchange Online でそれらのメールボックスがプロビジョニングされたら、それらを適切な
タイプの Microsoft Office 365 共有メールボックスとして変換することができます。そのためには、
任意の Office 365 管理アカウント下で、以下の PowerShell コマンドレットを実行してください。
Set-Mailbox -Identity <MailboxIdParameter> [-Type <Regular | Room |
Equipment | Shared>]
3
その後 https://portal.microsoftonline.com に移動して、Office 365 管理アカウントでサインインし
てください。
4
ヘッダーの [管理者] をクリックします。
5
[管理者] ページの中央パネルの [Outlook の設定と保護を行います。] で、[管理] をクリックします。
6
[Exchange Control Panel] で、[Manage My Organization] | [Another User] を選択します。
7
最後に、ステップ 2 で変換した各共有メールボックスの設定を開いて、適切な設定に変更します (例:
[Automatically process meeting request and cancellations] オプション)。共有メールボックスの
設定を変更したら、忘れずに [Save] をクリックしてください。
メモ: 移行済みの各リソースメールボックスの Microsoft Exchange Online ライセンスを取り消すこと
ができます。Microsoft Office 365 内の共有メールボックスに、このライセンスは不要です。
新しい Office 365 予定表同期ジョブの設定
新たな Office 365 予定表同期ジョブを追加するには、管理ツリーの [Calendar Synchronization] ノードを右
クリックして、表示されるメニューから [Add Office 365 Calendar Synchronization Job] を選択します。こ
れにより、Migration Agent for Exchange インスタンスのインストールとジョブの設定を支援する Add Office
365 Calendar Synchronization Job が開始されます。
ここでは、ウィザードの各ステップの概要と、Office 365 の予定表同期オプションについて説明します。
ステップ 1: ソース Exchange 組織の指定
ソース Exchange 組織、ソース Active Directory アカウント、および Office 365 予定表同期ジョブで必要な
場合は個別のソース Exchange アカウントを選択します。
ステップ 2: Office 365 テナントの指定
Migration Manager for Exchange コンソールに登録されている、予定表の同期対象 Microsoft Office 365 テ
ナントを選択します。Microsoft Office 365 テナントの登録方法については、「移行先としての Microsoft
Office 365 の登録」を参照してください。
ステップ 3: Migration Agent for Exchange のインストール
設定
このステップでは、Office 365 予定表同期ジョブを実行する Migration Agent for Exchange をインストール
する、エージェントホストサーバーとパスを指定する必要があります。デフォルトでは、Program Files システ
ムフォルダ内にインストールパスが作成されます。パスは変更することができます。ただし変更したパスは、コ
ンピュータ上に Migration Manager for Exchange のインスタンスが以前にインストールされていない場合にの
み使用されます。それ以外の場合は、指定したパスに関係なく既存のインスタンスと同じ場所にエージェントが
インストールされます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
24
また、エージェントが使用するデフォルトの資格情報に優先する設定を指定することもできます。ただしそのよ
うな場合、インストールしているエージェントインスタンスの資格情報を変更するだけではなく、エージェント
ホスト上の既存のエージェントインスタンスの資格情報も変更されることに注意してください。
ステップ 4: ウィザードの完了
最後に、変更内容を確認して、それを適用する必要があります。作業が完了したら、Migration Manager for
Exchange コンソールで、Office 365 予定表コレクションに移行するメールボックスの分割を開始できます。
新しい Office 365 予定表コレクションの追加
既存の Office 365 予定表同期ジョブ用の新しい Office 365 予定表コレクションを作成するには、管理ツリー
のジョブを右クリックして、表示されるメニューから [Add Collection] を選択します。
Add Office 365 Calendar Collection ウィザードが開始されます。このウィザードは、Office 365 予定表同期
ジョブ用の新しいコレクションの設定作業を支援します。ウィザードの各ステップを以下に説明します。
メモ: ウィザードでコレクションに対して行った設定内容は、後ほど変更することができます。そのため
には、管理ツリー内でコレクションノードを右クリックして、[Properties] を選択します。
ステップ 1: 全般オプションの指定
ウィザードの最初のステップで、コレクション名を指定します。必要に応じて、コレクションの説明を入力しま
す。また、コレクションを処理する Migration Agent for Exchange インスタンスを指定することもできます。
コレクションで、対応するエージェントがコレクションの処理を、このウィザードの次のステップで指定する時
刻に処理を開始するように設定します。そうしない場合、有効にしない限りコレクションが移行プロセスに関与
することはありません。
メモ: コレクションの処理を開始するには、対応する Migration Agent for Exchange インスタンスが動
作している必要があります。エージェントの状態を確認するには、管理ツリーで [Agent Management]
ノードに移動します。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
25
注意: ほとんどの場合、予定表同期は一方向同期で十分です。ただし、予定表同期コレクションに共有
リソースメールボックスが含まれており、以下のいずれかの条件に該当する場合は、双方向同期が必要
になります。

ソース Exchange サーバーとして動作する Exchange 2000/2003 が存在する

最低 1 つのリソースまたはコレクションの共有メールボックスで直接予約機能を有効にしてお
り、それらのメールボックスが Exchange 2007 または Exchange 2010 メールボックスデータベ
ースに保管されている
このような状況に該当する場合は、[Enable two-way synchronization for this collection] オプショ
ンを選択します。
ステップ 2: ワークフローの指定
開始日と、コレクションを移行するための他のオプションを設定します。デフォルトでは、[Start as soon as
possible] (即実行) オプションが選択されています。コレクションの移行を開始する特定の日時を指定するこ
ともできます。
ステップ 3: コレクションの事前設定
以下の方法で、コレクションにメールボックスを追加することができます。

コレクションに明示的にメールボックスを追加するには、[Add User] ボタンをクリックして、リストか
らメールボックスを選択します。

コンテナ内にあるメールボックスを暗黙的に追加するには、[Add Container] ボタンをクリックして、
適切なコンテナのチェックボックスを選択します。サブコンテナからもメールボックスを追加するには、
[Include subcontainers] チェックボックスを選択します。[Advanced] タブを使って、Exchange 組織
のメールボックスに LDAP フィルタを作成、適用することができます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
26

記載されているメールボックスを暗黙的にグループに追加します。ネスト化されているグループ内に記
載されているメールボックスを追加するには、[Expand nested distribution groups] チェックボック
スを選択します。
コレクションに追加したメールボックスのリストをプレビューするには、[Preview] ボタンをクリックします。
ステップ 4: サブスクリプションプランの選択
Office 365 予定表同期ジョブの移行ターゲットとして指定された、Microsoft Office 365 テナントにあるコレ
クション内で予定表が同期されるユーザーの、サブスクリプションプランを選択します。デフォルトでは、移行
を開始するときに、まだ Exchange Online ライセンスを持っていない各ユーザーに、選択されたサブスクリプ
ションプランのすべてのライセンスが割り当てられます。これにより、ユーザーがプランによって提供するライ
センス済みサービスにアクセスできるようになります。ライセンスを割り当てると、Microsoft Office 365 内
のユーザーのメールボックスのプロビジョニングも行われます。
注意: 選択したプランには、Exchange Online サービスが含まれていることを確認してください。
情報:ユーザーにすべてのライセンスを同時に割り当てるのではなく、Exchange Online ライセンスのみ
を割り当てるように Migration Agent for Exchange を設定することができます。その方法の詳細は、ナ
レッジ記事 136629 を参照してください。
ヒント: 選択したサブスクリプションプランに関する情報が表示されます。
ステップ 5: Office 365 の設定
ウィザードの最後のステップでは、ステップ 1 で指定した Migration Agent for Exchange が Microsoft
Office 365 にアクセスするために使用する、Office 365 管理者アカウント の Microsoft Online Servicese
ID とパスワードを指定します。
メモ: デフォルトでは、移行先として Microsoft Office 365 を登録した時に指定した管理者アカウント
を、すべてのエージェントが使用します。
予定表同期の高速化
各コレクションに個別の管理アカウントを作成することをお勧めします。そうすることにより、予定表同期を高
速化し、調整制限を超えることによるアカウントロックを防ぐことができます。
メモ: 管理アカウントの合計数は、調整ポリシーの制限に基づいて計算する必要があります。
メモ: 「Microsoft Office 365 管理者アカウントの作成」の説明に従って、Microsoft Office 365 で必
要なアクセス許可を持つ複数の管理者アカウントを作成することができます。
予定表同期の開始
Microsoft Office 365 で予定表の同期を開始するには、以下の手順に従ってください。
1
管理ツリーから Microsoft Office 365 予定表同期ジョブを選択し、[Agent Manager] ツールバーボタ
ンをクリックします。
2
次にエージェントホストパネルから、同期する予定表コレクションに対して指定されたエージェントイ
ンスタンスがインストールされているエージェントホストを選択します。
3
最後に、下のエージェントインスタンスリストから、対応するエージェントインスタンスを右クリック
して、表示されるメニューから [Start] を選択します。
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Microsoft Office 365 への移行
27
メモ: 一時的にコレクションを無効にして、それを再び有効にするまでの間は同期プロセスに含まれない
ようにすることができます。そのためには、コレクションのコンテキストメニューから [Disable] を選
択します。
[Statistics] ダッシュボードを使って、予定表同期移行を追跡することができます。この方法については、こ
のドキュメントの対応するセクションを参照してください。
メールボックスの移行
Active Directory から Microsoft Office 365 に正常にオブジェクトを移行したら、Microsoft Exchange
Online へのメールボックスの移行を開始できます。そのためには、Migration Manager for Exchange コンソー
ルで以下の作業を行う必要があります。
1
新しい Office 365 メールボックス移行ジョブの設定
2
新しい Office 365 メールボックスコレクションの追加
3
メールボックス移行の開始
新しい Office 365 メールボックス移行ジョブの設定
新たな Office 365 メールボックス移行ジョブを追加するには、管理ツリーの [Mailbox Synchronization] ノ
ードを右クリックして、表示されるメニューから [Add Office 365 Mailbox Migration Job] を選択します。こ
れにより、Migration Agent for Exchange インスタンスのインストールとジョブの設定を支援する Add Office
365 Mailbox Migration Job が開始されます。
ここでは、ウィザードの各ステップの概要と、Office 365 への移行オプションについて説明します。
ステップ 1: ソース Exchange 組織の指定
ソース Exchange 組織、ソース Active Directory アカウント、および Office 365 メールボックス移行ジョブ
で必要な場合は個別のソース Exchange アカウントを選択します。
ステップ 2: Office 365 テナントの指定
Migration Manager for Exchange コンソールに登録されている、メールボックスの移行先 Microsoft Office
365 テナントを選択します。Microsoft Office 365 テナントの登録方法については、「移行先としての
Microsoft Office 365 の登録」を参照してください。
ステップ 3: 通知メッセージの設定
メールボックスを移行して、Microsoft Office 365 に切り替えたら、Migration Manager for Exchange は古い
オンプレミスメールボックスと新しいクラウドメールボックスに、新しいメールボックスがプロビジョニングさ
れて、新たなすべてのメールがその新しいメールボックスに配信されることを知らせるメッセージを送信します。
また通知メッセージには、Microsoft Office 365 メールボックスを使用するためのメールクライアントの設定
方法などの、追加情報が含まれることもあります。
事前定義されている通知メッセージを使用することも、デフォルトメッセージテンプレートをベースに独自のメ
ッセージを、ソース用とターゲット用個別に設定することもできます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
28
ステップ 4: Migration Agent for Exchange のインストール
設定
このステップでは、Office 365 メールボックス移行ジョブを実行する Migration Agent for Exchange をイン
ストールする、エージェントホストサーバーとパスを指定する必要があります。デフォルトでは、Program
Files システムフォルダ内にインストールパスが作成されます。パスは変更することができます。ただし変更し
たパスは、コンピュータ上に Migration Manager for Exchange のインスタンスが以前にインストールされてい
ない場合にのみ使用されます。それ以外の場合は、指定したパスに関係なく既存のインスタンスと同じ場所にエ
ージェントがインストールされます。
また、エージェントが使用するデフォルトの資格情報に優先する設定を指定することもできます。ただしそのよ
うな場合、インストールしているエージェントインスタンスの資格情報を変更するだけではなく、エージェント
ホスト上の既存のエージェントインスタンスの資格情報も変更されることに注意してください。
ステップ 5: ウィザードの完了
最後に、適用する変更内容を確認する必要があります。作業が完了したら、Migration Manager for Exchange
コンソールで、Office 365 メールボックスコレクションに移行するメールボックスの分割を開始できます。
新しい Office 365 メールボックスコレクションの追
加
既存の Office 365 メールボックス移行ジョブ用の新しい Office 365 メールボックスコレクションを作成する
には、管理ツリーのジョブを右クリックして、表示されるメニューから [Add Collection] を選択します。
Add Office 365 Mailbox Collection ウィザードが開始されます。このウィザードは、Office 365 メールボッ
クス移行ジョブ用の新しいコレクションの設定作業を支援します。ウィザードの各ステップを以下に説明します。
メモ: ウィザードでコレクションに対して行った設定内容は、後ほど変更することができます。そのため
には、管理ツリー内でコレクションノードを右クリックして、[Properties] を選択します。
ステップ 1: 全般オプションの指定
ウィザードの最初のステップで、コレクション名を指定します。必要に応じて、コレクションの説明を入力しま
す。また、コレクションを処理する Migration Agent for Exchange インスタンスを指定することもできます。
コレクションで、対応するエージェントがコレクションの処理を、このウィザードの次のステップで指定する時
刻に処理を開始するように設定します。そうしない場合、有効にしない限りコレクションが移行プロセスに関与
することはありません。
注意: コレクションの処理を開始するには、対応する Migration Agent for Exchange インスタンスが
動作している必要があります。エージェントの状態を確認するには、管理ツリーで [Agent Management]
ノードに移動します。
メモ: コレクションのコンテキストメニューの [Disable] オプションの選択を解除して、またはコレク
ションのプロパティの [Enable collection] を選択して、いつでもコレクションを有効にすることがで
きます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
29
ステップ 2: ワークフローの指定
開始日と、コレクションを移行するための他のオプションを設定します。デフォルトでは、[Start as soon as
possible] (即実行) オプションが選択されています。コレクションからメールボックスの移行を開始する、特
定の日時を指定することもできます。
ステップ 3: コレクションの事前設定
以下の方法で、コレクションにメールボックスを追加することができます。

コレクションに明示的にメールボックスを追加するには、[Add User] ボタンをクリックして、リストか
らメールボックスを選択します。

コンテナ内にあるメールボックスを暗黙的に追加するには、[Add Container] ボタンをクリックして、
適切なコンテナのチェックボックスを選択します。サブコンテナからもメールボックスを追加するには、
[Include subcontainers] チェックボックスを選択します。[Advanced] タブを使って、Exchange 組織
のメールボックスに LDAP フィルタを作成、適用することができます。

記載されているメールボックスを暗黙的にグループに追加します。ネスト化されているグループ内に記
載されているメールボックスを追加するには、[Expand nested distribution groups] チェックボック
スを選択します。
コレクションに追加したメールボックスのリストをプレビューするには、[Preview] をクリックします。
ステップ 4: サブスクリプションプランの選択
Office 365 メールボックス移行ジョブの移行ターゲットとして指定された、Microsoft Office 365 テナントに
あるコレクション内でメールボックスが移行されるユーザーの、サブスクリプションプランを選択します。デフ
ォルトでは、移行を開始するときに、まだ Exchange Online ライセンスを持っていない各ユーザーに、選択さ
れたサブスクリプションプランのすべてのライセンスが割り当てられます。これにより、ユーザーがプランによ
って提供するライセンス済みサービスにアクセスできるようになります。ライセンスを割り当てると、
Microsoft Office 365 内のユーザーのメールボックスのプロビジョニングも行われます。
注意: 選択したプランには、Exchange Online サービスが含まれていることを確認してください。
情報:ユーザーにすべてのライセンスを同時に割り当てるのではなく、Exchange Online ライセンスのみ
を割り当てるように Migration Agent for Exchange を設定することができます。その方法の詳細は、ナ
レッジ記事 136629 を参照してください。
ヒント: 選択したサブスクリプションプランに関する情報が表示されます。
ステップ 5: メールボックスの切り替え設定
サブスクリプションプランを選択したら、メールボックス切り替えオプションを設定する必要があります。
Migration Manager for Exchange コンソールから手動でメールボックスを切り替える場合は、[Mailboxes will
be switched manually] オプションを選択します。そうしない場合は、メールボックス切り替えの開始スケジュ
ールを設定します。
必要に応じて、同期中に指定した値未満のエラーが発生した場合にも、メールボックスを切り替えるかどうかを
指定します。
メールボックスの手動切り替えとメールボックス切り替えの Undo
1
必要なメールボックスコレクションに対応するノードを選択します。
2
右パネルの [Statistics] タブに移動します。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
30
3
下部にあるテーブルから、必要なメールボックスを選択します。
4
[Actions] パネルには、メールボックスの状態に応じて [Switch] または [Undo Switch] アクション
アイテムが表示されます。必要な操作を実行するには、アクションアイテムをクリックしてください。
ステップ 6: Office 365 の設定
ウィザードの最後のステップでは、ステップ 1 で指定した Migration Agent for Exchange が Microsoft
Office 365 にアクセスするために使用する、Office 365 管理者アカウント の Microsoft Online Servicese
ID とパスワードを指定します。
メモ: デフォルトでは、移行先として Microsoft Office 365 を登録した時に指定した管理者アカウント
を、すべてのエージェントが使用します。
メールボックス移行の高速化
各コレクションに個別の管理アカウントを作成することをお勧めします。そうすることにより、メールボックス
同期を高速化し、調整制限を超えることによるアカウントロックを防ぐことができます。
メモ: 管理アカウントの合計数は、調整ポリシーの制限に基づいて計算する必要があります。
メモ: 「Microsoft Office 365 管理者アカウントの作成」の説明に従って、Microsoft Office 365 で必
要なアクセス許可を持つ複数の管理者アカウントを作成することができます。
メールボックス移行の開始
Microsoft Office 365 へのメールボックス移行を開始するには、以下の手順に従ってください。
1
管理ツリーから Microsoft Office 365 メールボックス移行ジョブを選択し、[Agent Manager] ツール
バーボタンをクリックします。
2
次にエージェントホストパネルから、移行するメールボックスコレクションに対して指定されたエージ
ェントインスタンスがインストールされているエージェントホストを選択します。
3
最後に、下のエージェントインスタンスリストから、対応するエージェントインスタンスを右クリック
して、表示されるメニューから [Start] を選択します。
メモ: 一時的にコレクションを無効にして、それを再び有効にするまでの間は移行プロセスに含まれない
ようにすることができます。そのためには、コレクションのコンテキストメニューから [Disable] を選
択します。
[Statistics] ダッシュボードを使って、メールボックスの移行を追跡することができます。この方法について
は、このドキュメントの対応するセクションを参照してください。
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Microsoft Office 365 への移行
31
移行後の作業

メールを Microsoft Exchange Online にリダイレクト

Outlook プロファイルを更新

Exchange サーバーを使用停止 (オプション)

他のディレクトリ同期ツールに切り替え (オプション)
メールを Microsoft Exchange Online にリ
ダイレクト
メールボックスを Microsoft Exchange Online に移行した後、すべてのメールがクラウドにリダイレクトされ
るように、DNS でメール交換 (MX) レコードを更新する必要があることがあります。このステップは、すべての
オンプレミスメールボックスが Microsoft Exchange Online に移行された後にのみ実行できます。このステッ
プは、古いオンプレミス Exchange インフラを完全に使用停止する場合にのみ必要となります。
詳細は、http://onlinehelp.microsoft.com/ja-jp/office365-enterprises/ff637598.aspx を参照してください。
Outlook プロファイルを更新
移行時に Migration Manager for Exchange は、ソース Exchange サーバーから Microsoft Office 365 にメー
ルボックスを切り替えます。ユーザーが新しいクラウドメールボックスを使い始める前に、Microsoft Outlook
プロファイルを更新する必要があります。Outlook プロファイルを更新するために、Migration Manager に同梱
されている Client Profile Updating Utility (CPUU) を使用することができます。このユーティリティにより、
Outlook プロファイルを自動的かつ透過的に更新することができます。
注意: CPUU が Outlook プロファイルを切り替えられるように、Microsoft Office 365 のすべてのユ
ーザーとパスワードを指定する必要があります。そうしないと、切り替え後にユーザーが各自のメール
ボックスにログオンして、メールにアクセスすることはできません。
CPUU を使った Outlook プロファイルの更新方法については、Migration Manager ドキュメントセットに収録さ
れている『Client Profile Updating Utility 管理ガイド』を参照してください。
Exchange サーバーを使用停止 (オプション)
本番環境の Exchange 組織から Microsoft Office 365 にすべてのメールボックスを正常に移行し、すべてのユ
ーザーがクラウドメールボックスに接続でき、メールフローが適切に確立されていることを確認したら、本願環
境の Exchange サーバーを使用停止することができます。詳細は、Microsoft のドキュメントを参照してくださ
い。
既存の Exchange サーバーの使用停止方法については、http://technet.microsoft.com/jajp/library/cc463439(v=ws.10).aspx を参照してください。
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Microsoft Office 365 への移行
32
他のディレクトリ同期ツールに切り替え (オ
プション)
Migration Manager for Active Directory を使った Active Directory ドメインと Microsoft Office 365 間のオ
ブジェクトの共存は、予定表同期とメールボックスの移行期間時にのみサポートされています。メールボックスの
移行後もオブジェクトの同期を継続する場合は、Microsoft ディレクトリ同期ツール
(http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=22042) または Dell One Quick Connect solution
(http://software.dell.com/products/quick-connect/) の使用をご検討ください。
以下の手順を実行する場合にも、Dell One Quick Connect が必要なことがあります。

ユーザーのパスワード変更の同期

配布リスト内のユーザーのメンバーシップの同期
パスワードの変更の同期
Dell One Quick Connect を使って、Active Directory から Microsoft Office 365 にパスワードの変更を同期
することができます。そのためには、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コン
ソールで設定した時と同じように One Quick Connect で照合を設定して、次にパスワード変更の同期を設定す
る必要があります。
ヒント: 同じ照合を実施するもっとも信頼性が高い手段は、照合基準としてユーザーの UPN プリフィッ
クスを使用することです。
Dell One Quick Connect の詳細は、対応するドキュメントを参照してください。
配布リストメンバーシップの同期
One Quick Connect を使って、Microsoft Office 365 から Active Directory に、配布リスト (DL) 内のユー
ザーのメンバーシップを同期することができます。この方法については、Dell One Quick Connect のドキュメ
ントを参照してください。
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33
移行の進捗状況の追跡

Directory Migration (ディレクトリ移行)

予定表の同期

メールボックスの移行
Directory Migration (ディレクトリ移行)
ディレクトリ管理の進捗状況を追跡するには、Migration Manager for Active Directory (Office 365) コンソ
ールを開いて、中央パネルの [Home] タブにある統計情報ビューを参照します。統計情報は、移行/コレクショ
ンレベルで利用できます。より詳細な統計情報は、[Statistics] タブに表示されます。
コレクション内の特定のオブジェクトの現在のステータスを確認するには、[Objects] タブに移動します。
移行に関与するオブジェクトは、以下のステータスを持つことができます。
Migration Progress

Completed
すでに移行されたユーザーのメールボックスが、Migration Manager for Exchange を使って正常に切り
替えられたことを表しています。
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Microsoft Office 365 への移行
34

Failed
オブジェクト同期時に、何らかのエラーが発生したことを表しています。

In Progress
Directory Migration Agent が現在オブジェクトを処理中であることを表しています。オブジェクトの
状態は以下のようになります。


Migrated –オブジェクトは Microsoft Office 365 に正常に移行された。

Matched – オブジェクトが、Microsoft Office 365 内の対応するオブジェクトと照合されて一致
した。

Not matched – 実際の照合ルールに基づいて、Microsoft Office 365 内に一致するオブジェクト
がなかった。
New
メールボックスがコレクションに追加されたけれども、まだ Directory Migration Agent により処理さ
れていないことを表しています。
Synchronization Status

Never synced
オブジェクトがまだ同期プロセスに関与していないことを表しています。

In sync
現在 Directory Migration Agent が、オブジェクトを同期中であることを表しています。

Not intended to be synced
オブジェクトが照合されておらず、同期の設定が、一致しないオブジェクトの作成または結合を許可し
ていないことを表しています。

Failed
エラーによりオブジェクトの同期に失敗したことを表しています。エラーの説明を表示するには、
[Objects] タブに移動します。
移行に関する問題の記録と対処方法については、「Office 365 への移行のトラブルシューティング」を参照し
てください。
予定表の同期
予定表同期の進捗状況を表示するために、Migration Manager for Exchange コンソールの [Statistics] ダッ
シュボードを使用することができます。ダッシュボードは予定表同期ジョブレベルおよび予定表コレクションレ
ベルで利用できます。
管理ツリーから対応するノード (予定表同期関連) を選択して、ツールバーの [Statistics] ボタンをクリック
すると、総合的な統計情報または特定のコレクションの統計情報が表示されます。
移行に関与する予定表は、以下のステータスを持つことができます。

New
メールボックスが予定表コレクションに追加されたけれども、まだ Migration Agent for Exchange に
より処理されていないことを表しています。

Syncing
Migration Agent for Exchange が、現在予定表を処理中であることを表しています。

In Sync
予定表に、同期が必要な変更が含まれていないことを表しています。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
35

Failed
予定表同期時に発生したエラー数が、コレクションに指定されている許容可能な失敗回数を超えたこと
を表しています。
必要に応じて、統計テーブル階層内のデータをグループ化することができます。そうするには、必要なデータの
列名をテーブル上部の領域にドラッグします。特定のパラメータでデータをソートするには、対応する列名をク
リックします。
移行に関する問題の記録と対処方法については、「Office 365 への移行のトラブルシューティング」を参照し
てください。
メールボックスの移行
メールボックス移行の進捗状況を表示するために、Migration Manager for Exchange コンソールの
[Statistics] ダッシュボードを使用することができます。ダッシュボードはメールボックス移行ジョブレベル
およびメールボックスコレクションレベルで利用できます。
管理ツリーから対応するノード (メールボックス移行関連) を選択して、ツールバーの [Statistics] ボタンを
クリックすると、総合的な統計情報または特定のコレクションの統計情報が表示されます。
移行に関与するメールボックスは、以下のステータスを持つことができます。

New
メールボックスがコレクションに追加されたけれども、まだ Migration Agent for Exchange により処
理されていないことを表しています。

Provisioning
ライセンスがユーザーに割り当てられており、そのメールボックスが Microsoft Office 365 に移行さ
れようとしていることを表しています。

In Progress
現在 Migration Agent for Exchange が、メールボックスのメールデータを同期していることを表して
います。

Ready to switch
メールボックスに同期が必要な変更が含まれておらず、切り替え可能であることを表しています。

Switched
メールボックスが切り替えられたことを表しています。

Deleting
コレクションからメールボックスが削除され、Migration Agent for Exchange による削除の最終処理待
ちであることを表しています。

Failed
メールボックス同期、メールボックス切り替え、またはプロファイル更新時に発生したエラー数が、現
在のコレクションに指定されている許容可能な失敗回数を超えたことを表しています。
必要に応じて、統計テーブル階層内のデータをグループ化することができます。そうするには、必要なデータの
列名をテーブル上部の領域にドラッグします。特定のパラメータでデータをソートするには、対応する列名をク
リックします。
移行に関する問題の記録と対処方法については、「Office 365 への移行のトラブルシューティング」を参照し
てください。
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Microsoft Office 365 への移行
36
ハイブリッド移行シナリオ
ここでは、Migration Manager が対応しているハイブリッド展開を含む移行シナリオについて説明します。シナ
リオの選択については、説明を参考にご自分にもっとも適したものをお探しください。
現在、Migration Manager は以下のハイブリッド移行シナリオに対応しています。

ハイブリッドによる取得

ハイブリッドによる複合取得

ハイブリッドによる再編成またはアップグレード

ハイブリッドによる複合再編成またはアップグレード

ハイブリッドを使用したクラウドへの拡張
注意: ハイブリッド展開を含むシナリオのうち、移行先として複数の Active Directory フォレストお
よび単一の Office 365 テナントを使用するすべてのシナリオはサポートされていません。
注意: 移行シナリオを導入する前に、「作業を開始する前に」の該当するトピックに従って、システム
要件を確認し、Exchange 組織と Microsoft Office 365 テナントを準備してください。
既存のドメイン名の保持
1
記載されているすべての移行シナリオで、移行されるオブジェクトのドメイン名が移行中に変更される
ことになっています。ただし、既存のドメイン名を保持する場合は、以下のステップを実行します。
2
Migration Manager for Active Directory を使用して、オブジェクトを元のドメインから一時的なドメ
インに移行します。一時的なドメインの名前は元のドメインの名前とは異なっている必要があります。
3
その後、選択したハイブリッド移行シナリオに従って、もう一度移行を実行します。このとき、移行先
ドメインの名前を元のドメインの名前と同じにします。
このような 2 段階の移行を実行した後、目的の移行シナリオを導入することによって、移行されたオブジェク
トは対応するソースオブジェクトと同じドメイン名を持ちます。
ハイブリッドによる取得
この移行の目標は、ソース環境のオブジェクトをターゲットハイブリッド環境に結合することです。これには、
移行するオブジェクトのドメイン名の変更も含まれます。ソース環境のオブジェクトのプライマリ SMTP アドレ
スはターゲット環境のものに一致するように変更されます。
このシナリオの一般的な使用例として、ある会社が他の会社を買収し、新たに取得した会社をディレクトリ/メ
ールスシステムに結合する必要がある場合などが挙げられます。
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Microsoft Office 365 への移行
37
Migration Manager では、取得された会社からユーザーのメールボックスを直接 Microsoft Office 365 に移行
できます。初めにメールボックスをオンプレミス Exchange 組織に移行する必要はありません。
前提条件

ソース環境が、Exchange 組織を持つ通常の Active Directory ドメイン。

ターゲット環境が、Exchange ハイブリッド展開。
手順
移行前の作業:ソース Exchange 組織へのメールフローの確立
1
オンプレミスディレクトリ移行
2
本番メールボックス移行
3
クラウドディレクトリ移行
4
ユーザー照合
5
クラウドメールボックス移行
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Microsoft Office 365 への移行
38
ソース Exchange 組織へのメールフローの確立
メールのリダイレクト用に追加のドメイン (例:source.local) が使用されるため、メールフローを適切に確立
するように、対応する Exchange コネクタを設定する必要があります。
ターゲットからソースオンプレミス組織へのメールのリダイレクト
名前空間 @source.local を使用してターゲットからソースオンプレミス組織へのメールのリダイレクトを有効
にするには、ターゲットオンプレミス Exchange サーバーに新しい送信コネクタを追加し、以下のように設定し
ます。

スマートホストを経由してメールをルーティングすることを選択し、スマートホストアドレスとしてソ
ース Exchange サーバーの IP アドレスを指定し、認証に [None] を選択します。

source.local ドメインの SMTP アドレス空間を追加します。
メールフローを提供するために、ソース Exchange サーバー上のデフォルトの SMTP 仮想サーバーも設定する必
要があります。そのためには、以下のステップを実行します。
1
[既定の SMTP 仮想サーバーのプロパティ] で、[アクセス] タブを開きます。
2
[認証] をクリックし、[匿名の電子メールの名前解決を行う] オプションを選択します。[OK] をクリ
ックします。
3
次に、[中継の制限] をクリックし、コンピュータのリストにターゲット Exchange サーバーのアドレス
を追加し、この仮想サーバーを経由する中継をリストのコンピュータにのみ許可することを選択します。
[OK] を 2 回クリックしてすべての変更を適用します。
Microsoft Office 365 からソース組織へのメールのリダイレクト
Microsoft Office 365 からソース組織へのメールのリダイレクトを有効にする方法は、クラウド関連のメール
リダイレクトに使用されるドメインサフィックスによって異なります。ドメイン名が公開されている (MX レコ
ードがパブリック DNS に登録されていて、ソース Exchange サーバーを指している) 場合、追加のコネクタは
必要ありません。
ドメインサフィックスが公開されていない場合、メールを中継するために Microsoft Office 365 内に対応する
コネクタを作成する必要があります。
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Microsoft Office 365 への移行
39
オンプレミスディレクトリ移行
ソース Active Directory ドメインから、ターゲット Active Directory ドメイン (Microsoft Office 365 と
同期するもの) にユーザーを移行します。
実現する目標

ソースメールボックスを指す targetAddress 属性を持つメール有効ユーザーが作成される。

新しく作成されたメール有効ユーザーに、オンプレミスグローバルアドレス一覧 (GAL) を使用して送信
されたメールが、対応するソースメールボックスに配信される。
実行方法
ソース Active Directory ドメインからターゲット Active Directory ドメインへのディレクトリ同期を設定し、
ターゲット GAL にソースドメインのオブジェクトを指定するようにします。
そのためには、以下のステップを実行します。
1
Migration Manager for Active Directory コンソールを開きます。
メモ: 現在開いているプロジェクトが、Microsoft Office 365 に移行する予定のものではないことを確
認してください。
2
Directory Synchronization Agent インスタンスがまだインストールされていない場合は新しくインス
トールします。詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「Agent
Manager」を参照してください。
3
ソース Active Directory ドメインとターゲット Active Directory ドメインのドメインペアを作成し
ます。方法の詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「ドメインペア」
を参照してください。
4
『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「同期ジョブの設定」に従って、ドメ
インペアの新しい同期ジョブを設定します。同期ジョブに以下のオプションを設定します。

Specify Source Scope: 移行されたアカウントが、SSO を使用してターゲット Active
Directory ドメインと Microsoft Office 365 に同じパスワードでアクセスできるようにするた
め、[Disable target accounts] オプションは選択解除する必要があります。

Set Security Settings:

[Synchronize passwords] オプションを選択する必要があります。

[User Principal Name handling] で、UPN のドメインサフィックスに、ハイブリッドで
使用されるフェデレーションドメインに一致する適切なドメインを設定します。

Advanced Options: [Use custom add-in] を選択し、<Migration Manager インストールフォル
ダ>\Active Directory\CopyTargetAddress.xml にあるアドインを指定します。

Specify Exchange Options:

[Mail-enabled users ] オプションを選択します。

ターゲット SMTP アドレステンプレート (例:target.local) を指定します。

ソース SMTP アドレステンプレート (例:source.local) を指定します。
メモ: source.local リダイレクトドメインは Microsoft Office 365 でも使用されるため、
source.local を公開するか、または Microsoft Office 365 内に対応するコネクタを作成してメールフ
ローを確立する必要があります。
5
『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「ディレクトリ同期の開始と停止」の
説明に従って、設定したディレクトリ同期ジョブを開始し、初期同期が完了するまで待ちます。
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Microsoft Office 365 への移行
40
ステップの検証方法
1
ターゲットオンプレミス組織にテストメールボックスを作成します。
2
GAL を使用して、Directory Synchronization Agent (DSA) によって移行された任意のメール有効ユー
ザーにテストメッセージを送信します。
3
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に配信されていることを確認します。
4
そのメッセージに返信し、返信がターゲットメールボックスに届くことを確認します。
5
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
その他の情報
詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の、以下のトピックを参照してくださ
い。

移行前の作業

ディレクトリの同期
本番メールボックス移行
メールボックスをターゲットハイブリッドのオンプレミス部分に移行する必要がある場合、それができるように
なりました。方法の詳細は、『Migration Manager for Exchange ユーザーガイド』を参照してください。
メモ: Migration Manager for Exchange コンソールでオンプレミスメールボックス移行を実行する前
に、現在開いているプロジェクトが Microsoft Office 365 に移行する予定のものではないことを確認し
てください。
クラウドディレクトリ移行
以前にターゲットドメインで作成されたソースユーザーを Microsoft Office 365 にプロビジョニングします。
実現する目標

ソース Active Directory ドメインのアカウントが Microsoft Office 365 グローバルアドレス一覧
(GAL) に記載される。

クラウドユーザーがソース Exchange 組織のメールボックスに送信したメールが正常に配信される。

メールユーザーが Microsoft Office 365 に作成され、ユーザーの ExternalEmailAddress プロパティ
がソース組織内の対応するメールボックスを指している。
実行方法
このステップは、メール有効ユーザーが Directory Synchronization Agent によってターゲット Active
Directory ドメイン内に作成されると、Microsoft DirSync によって自動的に実行されます。
メモ: ターゲット Active Directory ドメイン内に作成された新しいユーザーは、直後に Microsoft
DirSync によって処理されるのではないことに注意してください。そのため、Microsoft DirSync がディ
レクトリの同期を完了するのを待ってから、続行してください。
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Microsoft Office 365 への移行
41
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
ユーザー照合
ソース Active Directory ドメインのユーザーを、ターゲット Microsoft Office 365 テナントのユーザーと照
合します。
実現する目標

ソース Active Directory ドメインのメールボックスが、対応する Microsoft Office 365 メールユー
ザーと照合される。

Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定される。
実行方法
アカウントを照合するために、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソール
で、ソース Active Directory ドメインから Microsoft Office 365 への新しい移行を設定します。
新しい移行を以下のように設定します。
1
Directory Migration Agent インスタンスがまだインストールされていない場合はインストールします。
2
ソース Active Directory ドメインとターゲット Microsoft Office 365 テナントの移行ペアを設定し
ます。
3
移行ペアのメールのリダイレクト用ドメインを指定します。メールのリダイレクト用ドメインを選択す
る際は、以下の事項を考慮してください。

このドメインはオンプレミスドメインのみで承認される必要があります。

このドメインは Microsoft Office 365 では承認されないようにする必要があります。
メモ: ディレクトリ同期に使用される source.local ドメインが公開されているか、または対応するコネ
クタが Microsoft Office 365 テナントに存在する場合、このドメインをリダイレクトドメインとしても
使用できます。ハイブリッド展開内でメールトランスポートの集中管理が有効になっている場合、既存の
オンプレミスコネクタをこの目的に使用できます。
4
移行ペアに [Empty Active Directory to Microsoft Office 365] マッピングテンプレートを選択しま
す。
5
ソース Active Directory ドメインのすべてのオブジェクトを含む静的コレクションを作成します。
6
以下のオプションを指定して新しい移行タスクを開始します。

[Create new objects on target] オプションの選択を解除します。

[Merge into existing objects on target] オプションを選択します。

UPN サフィックスに、Microsoft Office 365 内の対応するフェデレーションドメインを設定しま
す。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
42
ステップの検証方法
上記の手順が成功したことを確認するには、Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定さ
れていることを確認します。
その他の情報
詳細は、「Office 365 内でのユーザーアカウントのプロビジョニング」セクションを参照してください。
クラウドメールボックス移行
すべてのアカウントが Microsoft Office 365 テナントにプロビジョニングされ、メールフローが確立された後、
Migration Manager for Exchange を使用して、メールボックスをソース組織から Microsoft Office 365 テナ
ントに移行し、予定表を同期します。その後、受信メールが Microsoft Office 365 に配信されるように、メー
ルボックスを切り替えます。
メモ: 移行タスクを実行する前に、 Migration Manager for Exchange コンソールで現在開いているプロ
ジェクトが、以前に Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールで
ユーザーを Microsoft Office 365 と照合するために使用したものと同じであることを確認してくださ
い。

予定表の同期

メールボックスの移行

メールボックスの切り替え
予定表の同期
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

ソース組織のユーザーと Microsoft Office 365 のユーザーがお互いの空き時間情報を参照し、会議を
予約できる。
実行方法
「予定表の同期」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用して予定表を同期します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、テスト会議を作
成します。
2
任意のソースメールボックスを開き、会議を作成したクラウドユーザーが会議の時間に予定ありになっ
ていることを確認します。
3
次に、ソースメールボックスで別のテスト会議を作成します。
4
Microsoft Office 365 から、ソースユーザーが新しい会議の時間に予定ありになっていることを確認し
ます。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
43
メールボックスの移行
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

ソース組織のユーザーが、SSO を使用してクラウドにサインインし、自分のメールボックスから移行さ
れたメールボックスデータにアクセスできる。
実行方法
「メールボックスの移行」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用してメールボックスを移
行します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
メールボックスの切り替え
予定表が同期され、メールボックスが Microsoft Office 365 に移行されると、Migration Manager for
Exchange を使用してメールボックスを切り替えることができます。メールボックスの切り替えにより、
Migration Manager for Exchange のすべてのコンポーネントがメールボックスの切り替えを認識し、新しいす
べてのメールがユーザーのクラウドメールボックスに到着するようになります。
実現する目標
すべての受信メールが、オンプレミスメールボックスではなく Microsoft Office 365 メールボックスに配信さ
れる。
実行方法
メールボックスの切り替えは、コンソールから手動で、または Migration Agent for Exchange により自動的に
行うことができます。この設定は、メールボックスがあるコレクションのオプションを使って行います。自動切
り替えを使用する場合、指定時刻にメールボックス切り替え操作を行うように設定することも、各メールボック
スの同期が完了したら即座に切り替えるように設定することも可能です。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の切り替え済みのユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
任意のソースユーザーメールボックスを開き、アドレス帳を開きます。ステップ 1 と同じユーザーを選
択し、そのユーザーに別のテストメッセージを送信します。
3
上記のステップでメールを送信した宛先のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、メ
ッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
4
返信メッセージが受信者に正常に配信されていることを確認します。
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Microsoft Office 365 への移行
44
その他の情報
メールボックスの切り替えの詳細は、『Migration Manager for Exchange ユーザーガイド』の「メールボック
スの移行プロセス」セクションの「メールボックスの切り替え」を参照してください。
ハイブリッドによる複合取得
この移行の目標は、専用の Exchange フォレストを持つソース環境のオブジェクトをターゲットハイブリッド環
境に結合することです。これには、移行するオブジェクトのドメイン名の変更も含まれます。ソース環境のオブ
ジェクトのプライマリ SMTP アドレスはターゲット環境のものに一致するように変更されます。
このシナリオの一般的な使用例として、ある会社が他の会社を買収し、新たに取得した会社をディレクトリ/メ
ールスシステムに結合する必要がある場合などが挙げられます。
Migration Manager では、取得された会社からユーザーのメールボックスを直接 Microsoft Office 365 に移行
できます。初めにメールボックスをオンプレミス Exchange 組織に移行する必要はありません。
前提条件

ソース環境が、アカウントドメインに加えて個別の Exchange リソースドメインを使用している。

ターゲット環境が、Exchange ハイブリッド展開。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
45
手順
移行前の作業:ソース Exchange 組織へのメールフローの確立
1
オンプレミスディレクトリ移行:ユーザーの同期
2
オンプレミスディレクトリ移行:パスワードの移行
3
本番メールボックス移行
4
クラウドディレクトリ移行
5
ユーザー照合
6
クラウドメールボックス移行
ソース Exchange 組織へのメールフローの確立
メールのリダイレクト用に追加のドメイン (例:source.local) が使用されるため、メールフローを適切に確立
するように、対応する Exchange コネクタを設定する必要があります。
ターゲットからソースオンプレミス組織へのメールのリダイレクト
名前空間 @source.local を使用してターゲットからソースオンプレミス組織へのメールのリダイレクトを有効
にするには、ターゲットオンプレミス Exchange サーバーに新しい送信コネクタを追加し、以下のように設定し
ます。

スマートホストを経由してメールをルーティングすることを選択し、スマートホストアドレスとしてソ
ース Exchange サーバーの IP アドレスを指定し、認証に [None] を選択します。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
46

source.local ドメインの SMTP アドレス空間を追加します。
メールフローを提供するために、ソース Exchange サーバー上のデフォルトの SMTP 仮想サーバーも設定する必
要があります。そのためには、以下のステップを実行します。
1
[既定の SMTP 仮想サーバーのプロパティ] で、[アクセス] タブを開きます。
2
[認証] をクリックし、[匿名の電子メールの名前解決を行う] オプションを選択します。[OK] をクリ
ックします。
3
次に、[中継の制限] をクリックし、コンピュータのリストにターゲット Exchange サーバーのアドレス
を追加し、この仮想サーバーを経由する中継をリストのコンピュータにのみ許可することを選択します。
[OK] を 2 回クリックしてすべての変更を適用します。
Microsoft Office 365 からソース組織へのメールのリダイレクト
Microsoft Office 365 からソース組織へのメールのリダイレクトを有効にする方法は、クラウド関連のメール
リダイレクトに使用されるドメインサフィックスによって異なります。ドメイン名が公開されている (MX レコ
ードがパブリック DNS に登録されていて、ソース Exchange サーバーを指している) 場合、追加のコネクタは
必要ありません。
ドメインサフィックスが公開されていない場合、メールを中継するために Microsoft Office 365 内に対応する
コネクタを作成する必要があります。
オンプレミスディレクトリ移行
オンプレミスディレクトリ移行は、主に 2 つのステップから成り立っています。
1
ユーザーの同期
2
パスワードの移行
ユーザーの同期
ソースリソースドメインから、ターゲット Active Directory ドメイン (Microsoft Office 365 と同期するも
の) にユーザーを移行します。
実現する目標

ソースメールボックスを指す targetAddress 属性を持つメール有効ユーザーが作成される。

新しく作成されたメール有効ユーザーに、オンプレミスグローバルアドレス一覧 (GAL) を使用して送信
されたメールが、対応するソースメールボックスに配信される。
実行方法
ソースリソースドメインからターゲット Active Directory ドメインへのディレクトリ同期を設定し、ターゲッ
ト GAL にソースドメインのオブジェクトを指定するようにします。
そのためには、以下のステップを実行します。
1
Migration Manager for Active Directory コンソールを開きます。
メモ: 現在開いているプロジェクトが、Microsoft Office 365 に移行する予定のものではないことを確
認してください。
2
Directory Synchronization Agent インスタンスがまだインストールされていない場合は新しくインス
トールします。詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「Agent
Manager」を参照してください。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
47
3
ソースリソースドメインとターゲット Active Directory ドメインのドメインペアを作成します。方法
の詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「ドメインペア」を参照し
てください。
4
『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「同期ジョブの設定」に従って、ドメ
インペアの新しい同期ジョブを設定します。同期ジョブに以下のオプションを設定します。



Set Security Settings:

[Synchronize passwords] オプションを選択解除する必要があります。

[User Principal Name handling] で、UPN のドメインサフィックスに、ハイブリッドで
使用されるフェデレーションドメインに一致する適切なドメインを設定します。
Advanced Options:

[Use custom add-in] を選択し、<Migration Manager インストールフォルダ>\Active
Directory\CopyTargetAddress.xml にあるアドインを指定します。

移行時に属性を上書きするのを避けるため、[Attributes to Skip] をクリックし、リソ
ースドメインから移行しないすべての属性をスキップするように選択します。
Specify Exchange Options:

[Mail-enabled users ] オプションを選択します。

ターゲット SMTP アドレステンプレート (例:target.local) を指定します。

ソース SMTP アドレステンプレート (例:source.local) を指定します。
メモ: source.local リダイレクトドメインは Microsoft Office 365 でも使用されるため、
source.local を公開するか、または Microsoft Office 365 内に対応するコネクタを作成してメールフ
ローを確立する必要があります。
5
『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「ディレクトリ同期の開始と停止」の
説明に従って、設定したディレクトリ同期ジョブを開始し、初期同期が完了するまで待ちます。
ステップの検証方法
1
ターゲットオンプレミス組織にテストメールボックスを作成します。
2
GAL を使用して、Directory Synchronization Agent (DSA) によって作成された任意のメール有効ユー
ザーにテストメッセージを送信します。
3
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に配信されていることを確認します。
4
そのメッセージに返信し、返信がターゲットメールボックスに届くことを確認します。
5
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
その他の情報
詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の、以下のトピックを参照してくださ
い。

移行前の作業

ディレクトリの同期
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48
パスワードの移行
ユーザーのパスワードをソースアカウントドメインからターゲット Active Directory ドメインに移行します。
実現する目標
ユーザーが、ソースアカウントパスワードを使用してターゲットオンプレミスドメインにログオンできる。
実行方法
ユーザーのパスワードが同期されるように、アカウントドメインからターゲット Active Directory ドメインへ
の新しいマイグレーションセッションを設定します。
そのためには、以下のステップを実行します。
1
Migration Manager for Active Directory で、ソースアカウントドメインとターゲット Active
Directory ドメインで構成されるドメインペアのユーザー同期で使用されるのとは異なるサービス属性
を選択します。方法の詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の「ドメ
インペア」を参照してください。
2
『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド
http://documents.software.dell.com/Migration Manager for AD/8.10/User Guide/』の「マイグレー
ションセッションの作成」に従って、新しいマイグレーションセッションを作成します。マイグレーシ
ョンセッションに以下のオプションを設定します。

Select Source Objects: [Import] をクリックし、プレーンテキストファイルを指定します。こ
のファイルには、各ユーザーに対して、ソースアカウントドメインの distinguishedName 属性と
それに対応するターゲットオンプレミスドメインの mail 属性のペアが、1 行に 1 つずつ含まれ
ています。

Set Security Settings:

3

[User Principal Name handling] で、UPN のドメインサフィックスに、ハイブリッドで
使用されるフェデレーションドメインに一致する適切なドメインを設定します。

[Password handling] を [Copy account password] に設定します。これにより、ソース
アカウントのパスワードがターゲット Active Directory ドメインにコピーされます。こ
れは、SSO を使用して同じパスワードで Microsoft Office 365 にアクセスできるように
するために必要です。
Object Processing:

[Enable target accounts] オプションを選択します。これにより、移行されたアカウン
トが、SSO を使用してターゲット Active Directory ドメインと Microsoft Office 365
に同じパスワードでアクセスできるようになります。

移行時に属性を上書きするのを避けるため、[Attributes to Skip] をクリックし、
displayName 属性およびその他のアカウントドメインから移行しない属性をスキップする
ように選択します。
ウィザードの指示に従って、マイグレーションセッションを開始します。
ステップの検証方法
マイグレーションセッションの完了後、任意の移行されたユーザーアカウントに、ソース組織で使用しているの
と同じパスワードを使用してログオンします。
その他の情報
詳細は、『Migration Manager for Active Directory ユーザーガイド』の、以下のトピックを参照してくださ
い。
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Microsoft Office 365 への移行
49

移行前の作業

アカウントの移行
本番メールボックス移行
メールボックスをターゲットハイブリッドのオンプレミス部分に移行する必要がある場合、それができるように
なりました。方法の詳細は、『Migration Manager for Exchange ユーザーガイド』を参照してください。
メモ: Migration Manager for Exchange コンソールでオンプレミスメールボックス移行を実行する前
に、現在開いているプロジェクトが Microsoft Office 365 に移行する予定のものではないことを確認し
てください。
クラウドディレクトリ移行
以前にターゲット Active Directory ドメインで作成されたソースリソースドメインのユーザーを Microsoft
Office 365 にプロビジョニングします。
実現する目標

ソースドメインのアカウントが Microsoft Office 365 グローバルアドレス一覧 (GAL) に記載される。

クラウドユーザーがソースリソースドメインのメールボックスに送信したメールが正常に配信される。

メールユーザーが Microsoft Office 365 に作成され、ユーザーの ExternalEmailAddress プロパティ
がソースリソースドメイン内の対応するメールボックスを指している。
実行方法
このステップは、メール有効ユーザーが Directory Synchronization Agent によってターゲット Active
Directory ドメイン内に作成されると、Microsoft DirSync によって自動的に実行されます。
メモ: ターゲット Active Directory ドメイン内に作成された新しいユーザーは、直後に Microsoft
DirSync によって処理されるのではないことに注意してください。そのため、Microsoft DirSync がディ
レクトリの同期を完了するのを待ってから、続行してください。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
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50
ユーザー照合
ソースリソースドメインのユーザーを、ターゲット Microsoft Office 365 テナントのユーザーと照合します。
実現する目標

ソース Active Directory ドメインのメールボックスが、対応する Microsoft Office 365 メールユー
ザーと照合される。

Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定される。
実行方法
アカウントを照合するために、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソール
で、ソースリソースドメインから Microsoft Office 365 への新しい移行を設定します。
新しい移行を以下のように設定します。
1
Directory Migration Agent インスタンスがまだインストールされていない場合はインストールします。
2
ソースリソースドメインとターゲット Microsoft Office 365 テナントの移行ペアを設定します。
3
移行ペアのメールのリダイレクト用ドメインを指定します。メールのリダイレクト用ドメインを選択す
る際は、以下の事項を考慮してください。

このドメインはオンプレミスリソースドメインのみで承認される必要があります。

このドメインは Microsoft Office 365 では承認されないようにする必要があります。
メモ: ディレクトリ同期に使用される source.local ドメインが公開されているか、または対応するコネ
クタが Office 365 テナントに存在する場合、このドメインをリダイレクトドメインとしても使用できま
す。ハイブリッド展開内でメールトランスポートの集中管理が有効になっている場合、既存のオンプレミ
スコネクタをこの目的に使用できます。
4
移行ペアに [Empty Active Directory to Microsoft Office 365] マッピングテンプレートを選択しま
す。
5
ソースリソースドメインのすべてのオブジェクトを含む静的コレクションを作成します。
6
以下のオプションを指定して新しい移行タスクを開始します。

[Create new objects on target] オプションの選択を解除します。

[Merge into existing objects on target] オプションを選択します。

UPN サフィックスに、Microsoft Office 365 内の対応するフェデレーションドメインを設定しま
す。
ステップの検証方法
上記の手順が成功したことを確認するには、Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定さ
れていることを確認します。
その他の情報
詳細は、「Office 365 内でのユーザーアカウントのプロビジョニング」セクションを参照してください。
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51
クラウドメールボックス移行
すべてのアカウントが Microsoft Office 365 テナントにプロビジョニングされ、メールフローが確立された後、
Migration Manager for Exchange を使用して、メールボックスをソースリソースドメインから Microsoft
Office 365 テナントに移行し、予定表を同期します。その後、受信メールが Microsoft Office 365 に配信さ
れるように、メールボックスを切り替えます。
メモ: 移行タスクを実行する前に、 Migration Manager for Exchange コンソールで現在開いているプロ
ジェクトが、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールでユーザー
を Microsoft Office 365 と照合するために使用したものと同じであることを確認してください。

予定表の同期

メールボックスの移行

メールボックスの切り替え
予定表の同期
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

ソース組織のユーザーと Microsoft Office 365 のユーザーがお互いの空き時間情報を参照し、会議を
予約できる。
実行方法
「予定表の同期」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用して予定表を同期します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、テスト会議を作
成します。
2
任意のソースメールボックスを開き、会議を作成したクラウドユーザーが会議の時間に予定ありになっ
ていることを確認します。
3
次に、ソースメールボックスで別のテスト会議を作成します。
4
Microsoft Office 365 から、ソースユーザーが新しい会議の時間に予定ありになっていることを確認し
ます。
メールボックスの移行
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

ソース組織のユーザーが、SSO を使用してクラウドにサインインし、自分のメールボックスから移行さ
れたメールボックスデータにアクセスできる。
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52
実行方法
「メールボックスの移行」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用してメールボックスを移
行します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
メールボックスの切り替え
予定表が同期され、メールボックスが Microsoft Office 365 に移行されると、Migration Manager for
Exchange を使用してメールボックスを切り替えることができます。メールボックスの切り替えにより、
Migration Manager for Exchange のすべてのコンポーネントがメールボックスの切り替えを認識し、新しいす
べてのメールがユーザーのクラウドメールボックスに到着するようになります。
実現する目標
すべての受信メールが、オンプレミスメールボックスではなく Microsoft Office 365 メールボックスに配信さ
れる。
実行方法
メールボックスの切り替えは、コンソールから手動で、または Migration Agent for Exchange により自動的に
行うことができます。この設定は、メールボックスがあるコレクションのオプションを使って行います。自動切
り替えを使用する場合、指定時刻にメールボックス切り替え操作を行うように設定することも、各メールボック
スの同期が完了したら即座に切り替えるように設定することも可能です。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の切り替え済みのユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
任意のソースユーザーメールボックスを開き、アドレス帳を開きます。ステップ 1 と同じユーザーを選
択し、そのユーザーに別のテストメッセージを送信します。
3
上記のステップでメールを送信した宛先のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、メ
ッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
4
返信メッセージが受信者に正常に配信されていることを確認します。
その他の情報
メールボックスの切り替えの詳細は、『Migration Manager for Exchange ユーザーガイド』の「メールボック
スの移行プロセス」セクションの「メールボックスの切り替え」を参照してください。
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Microsoft Office 365 への移行
53
ハイブリッドによる再編成またはアップグレ
ード
この移行には、既存のオンプレミス環境を「新規」ハイブリッド展開に移動する手順が含まれます。これには、
移行するオブジェクトのドメイン名の変更が含まれます。通常、既存のオブジェクトのプライマリ SMTP アドレ
スは移行中に変更されません。
一般的にこのシナリオは、会社がディレクトリおよびメール操作を最適化し、1 つまたは複数のフォレストを単
一の新規ハイブリッドに結合する場合などに用いられます。
前提条件

ソース環境が、Exchange 組織を持つ通常の Active Directory フォレスト。

ターゲットが、ハイブリッド展開による、事前設定されたドメイン。
手順
手順は、「ハイブリッドによる取得」シナリオと同じです。したがって、このシナリオを導入するには、ここで
説明されている手順に従います。
ハイブリッドによる複合再編成またはアップ
グレード
この移行には、専用の Exchange フォレストを持つ既存のオンプレミス環境を「新規」ハイブリッド展開に移動
する手順が含まれます。これには、移行するオブジェクトのドメイン名の変更が含まれます。通常、既存のオブ
ジェクトのプライマリ SMTP アドレスは移行中に変更されません。
一般的にこのシナリオは、会社がディレクトリおよびメール操作を最適化し、1 つまたは複数のフォレストを単
一の新規ハイブリッドに結合する場合などに用いられます。
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Microsoft Office 365 への移行
54
前提条件

ソース環境が、アカウントドメインに加えて個別の Exchange リソースドメインを使用している。

ターゲットが、ハイブリッド展開による、事前設定されたフォレスト。
手順
手順は、「ハイブリッドによる複合取得」シナリオと同じです。したがって、このシナリオを導入するには、こ
こで説明されている手順に従います。
ハイブリッドを使用したクラウドへの拡張
この移行の目標は、会社の既存のオンプレミス Exchange 組織を、一部の重要なメールボックスをオンプレミス
Exchange に残したまま、ハイブリッド展開を使用する Microsoft Office 365 に拡張することです。一般的に
このシナリオは、会社のディレクトリおよびメール管理を Microsoft Office 365 に移転することにあります。
Migration Manager を使用すれば、ユーザーのメールボックスを Microsoft Office 365 移行することができ、
ユーザーは移行の開始から Microsoft Office 365 サービスにアクセスできます。
前提条件
既存の環境が、Exchange 組織を持つ通常の Active Directory フォレスト。
メモ: 現在、Migration Manager for Exchange では、移行ソースとして Exchange 2013 をサポートして
いないため、Exchange 2013 サーバー上にあるメールボックスは移行できません。
手順
移行前の作業:ハイブリッド展開の確立
1
クラウドディレクトリ移行
2
ユーザー照合
3
クラウドメールボックス移行
Dell Migration Manager 8.11
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55
ハイブリッド展開の確立
このクラウド移行シナリオでは、最初に既存の Exchange 組織に基づいてハイブリッド展開を確立する必要があ
ります。Migration Manager を使用する前に、以下の構成を用意する必要があります。

Exchange ハイブリッド展開

ディレクトリを同期するための Microsoft ディレクトリ同期ツール

シングルサインオンのための Active Directory フェデレーションサービス 2.0
この構成がすでに動作していない場合は、正確に導入する必要があります。これらの設備の設定方法については、
該当するドキュメントを参照してください。
Dell Migration Manager 8.11
Microsoft Office 365 への移行
56
クラウドディレクトリ移行
オンプレミス Active Directory ドメインから Microsoft Office 365 テナントにユーザーをプロビジョニング
します。
実現する目標

Microsoft Office 365 にメールユーザーが作成される。

オンプレミスアカウントが Microsoft Office 365 グローバルアドレス一覧 (GAL) に記載される。

クラウドユーザーがオンプレミスメールボックスに送信したメールが正常に配信される。
実行方法
このステップは、クラウドに関連付けられたドメインが設定されると、Microsoft DirSync によって自動的に実
行されます。
メモ: Microsoft DirSync がディレクトリの同期を終了するのを待ってから、続行してください。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、オンプレミス組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
オンプレミスユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信し
ます。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
ユーザー照合
オンプレミス Active Directory ドメインのユーザーを、Microsoft Office 365 テナントのユーザーと照合し
ます。
実現する目標

Microsoft Office 365 メールユーザーがオンプレミス Active Directory ドメインの対応するメールボ
ックスと照合される。

Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定される。
実行方法
アカウントを照合するために、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソール
で、オンプレミス Active Directory ドメインから Microsoft Office 365 への新しい移行を設定します。
新しい移行を以下のように設定します。
1
Directory Migration Agent インスタンスがまだインストールされていない場合はインストールします。
2
オンプレミス Active Directory ドメインと Microsoft Office 365 テナントの移行ペアを設定します。
3
移行ペアのメールのリダイレクト用ドメインを指定します。メールのリダイレクト用ドメインを選択す
る際は、以下の事項を考慮してください。
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57

このドメインはオンプレミスドメインのみで承認される必要があります。

このドメインは Microsoft Office 365 では承認されないようにする必要があります。

このドメインに対してクラウドからのメールフローが確立されている必要があります。そのため
には、ドメインをメール配信用に公開するか、または Microsoft Office 365 でコネクタを設定
します。
メモ: ハイブリッドでメールトランスポートの集中管理が有効になっている場合、使用できるのは最後の
オプションのみです。既存のオンプレミスコネクタをこの目的のために使用することができます。
4
移行ペアに [Empty Active Directory to Microsoft Office 365] マッピングテンプレートを選択しま
す。
5
オンプレミス Active Directory ドメインのすべてのオブジェクトを含む静的コレクションを作成しま
す。
6
以下のオプションを指定して新しい移行タスクを開始します。

[Create new objects on target] オプションの選択を解除します。

[Merge into existing objects on target] オプションを選択します。

UPN サフィックスに、Microsoft Office 365 内の対応するフェデレーションドメインを設定しま
す。
ステップの検証方法
上記の手順が成功したことを確認するには、Microsoft Office 365 ユーザーの Location プロパティが設定さ
れていることを確認します。
その他の情報
詳細は、「Office 365 内でのユーザーアカウントのプロビジョニング」を参照してください。
クラウドメールボックス移行
すべてのアカウントが Microsoft Office 365 テナントにプロビジョニングされ、メールフローが確立された後、
Migration Manager for Exchange を使用して、メールボックスをソース組織から Microsoft Office 365 テナ
ントに移行し、予定表を同期します。その後、受信メールが Microsoft Office 365 に配信されるように、メー
ルボックスを切り替えます。
注意: 移行タスクを実行する前に、以下の手順に従ってください。

Migration Manager for Exchange コンソールで現在開いているプロジェクトが、Migration
Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールでユーザーを Microsoft Office 365
と照合するために使用したものと同じであることを確認してください。

Microsoft Office 365 のメールユーザーをメールボックスに変換できるように、ユーザーの
ExchangeGuid プロパティを消去します。そのためには、各メールユーザーに対して以下の
PowerShell コマンドレットを実行します。
Set-MailUser <UserName> -ExchangeGuid [System.Guid]::Empty

予定表の同期

メールボックスの移行

メールボックスの切り替え
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58
予定表の同期
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

オンプレミス組織のユーザーと Microsoft Office 365 のユーザーがお互いの空き時間情報を参照し、
会議を予約できる。
実行方法
「予定表の同期」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用して予定表を同期します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、テスト会議を作
成します。
2
任意のソースメールボックスを開き、会議を作成したクラウドユーザーが会議の時間に予定ありになっ
ていることを確認します。
3
次に、ソースメールボックスで別のテスト会議を作成します。
4
Microsoft Office 365 から、ソースユーザーが新しい会議の時間に予定ありになっていることを確認し
ます。
メールボックスの移行
実現する目標

クラウドメールユーザーが、有効なライセンスが割り当てられたメールボックスに変換される (すでに
返還されていない場合)。

ソース組織のユーザーが、SSO を使用してクラウドにサインインし、自分のメールボックスから移行さ
れたメールボックスデータにアクセスできる。
実行方法
「メールボックスの移行」の手順に従って、Migration Manager for Exchange を使用してメールボックスを移
行します。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の任意のユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
ソースユーザーのメールボックスを開き、メッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
3
返信メッセージがクラウド受信者に配信されていることを確認します。
4
組織外の任意のメールボックスを使用して上記のステップを繰り返し、元のメッセージと返信メッセー
ジが正常に配信されることを確認します。
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59
メールボックスの切り替え
予定表が同期され、メールボックスが Microsoft Office 365 に移行されると、Migration Manager for
Exchange を使用してメールボックスを切り替えることができます。メールボックスの切り替えにより、
Migration Manager for Exchange のすべてのコンポーネントがメールボックスの切り替えを認識し、新しいす
べてのメールがユーザーのクラウドメールボックスに到着するようになります。
実現する目標
すべての受信メールが、オンプレミスメールボックスではなく Microsoft Office 365 メールボックスに配信さ
れる。
実行方法
メールボックスの切り替えは、コンソールから手動で、または Migration Agent for Exchange により自動的に
行うことができます。この設定は、メールボックスがあるコレクションのオプションを使って行います。自動切
り替えを使用する場合、指定時刻にメールボックス切り替え操作を行うように設定することも、各メールボック
スの同期が完了したら即座に切り替えるように設定することも可能です。
ステップの検証方法
1
ライセンス付与された任意のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、アドレス帳を開
き、ソース組織の切り替え済みのユーザを選択し、そのユーザーにテストメッセージを送信します。
2
任意のソースユーザーメールボックスを開き、アドレス帳を開きます。ステップ 1 と同じユーザーを選
択し、そのユーザーに別のテストメッセージを送信します。
3
上記のステップでメールを送信した宛先のユーザーとして Microsoft Office 365 にサインインし、メ
ッセージが正常に届いていることを確認し、返信します。
4
返信メッセージが受信者に正常に配信されていることを確認します。
その他の情報
メールボックスの切り替えの詳細は、『Migration Manager for Exchange ユーザーガイド』の「メールボック
スの移行プロセス」セクションの「メールボックスの切り替え」を参照してください。
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高度な移行のトピック
ここでは、Migration Manager を使用してシングルサインオン (SSO) に対応する方法、またすでに Microsoft
ディレクトリ同期ツールを使用してユーザーアカウントを Microsoft Office 365 と同期している場合に
Migration Manager を活用する方法について説明します。

Migration Manager 使用時のシングルサインオン (SSO) への対応

Microsoft ディレクトリ同期ツールとの相互操作
Migration Manager 使用時のシングルサイン
オン (SSO) への対応
シングルサインオン (SSO) テクノロジーを使用することにより、ユーザーは、自分が存在する Active
Directory で使用するのと同じ資格情報によって、信頼された Active Directory ドメインや Microsoft
Office 365 にログインできます。すでに組織内に Active Directory フェデレーションサービス (ADFS) が展
開されていて、Exchange 環境を Office 365 に移行する予定の場合、Microsoft Office 365 に SSO を導入で
きます。Migration Manager for Active Directory により、Microsoft Office 365. への移行中に SSO を設定
する作業が簡単になります。フェデレーションドメイン内にユーザーを作成したり、Microsoft Office 365 サ
ブスクリプション内で既存のユーザーをフェデレーションドメインに移動することができます。これらのユーザ
ーは Microsoft Office 365 アカウントを取得後すぐにシングルサインオンを使用してログインできます。
Migration Manager for Active Directory によって SSO を導入すると、Microsoft ディレクトリ同期ツールを
使用した一般的なシナリオと比較して、メールボックス移行において以下の利点があります。

複数の Exchange 組織からのメール移行

Exchange 2003 からのオンライン移行

変更を安全にロールバック可能な、項目別の移行
注意: アカウントをフェデレーションドメインから非フェデレーションドメイン (またはその逆) に移
動するロールバックタスクは完了しますが、エラーが発生します。この問題を避けるには、最初に非フ
ェデレーション (逆方向の場合はフェデレーション) ドメインに明示的な移行を実行してから、ロール
バックタスクを実行します。
Migration Manager for Active Directory を使用して SSO を導入する場合、組織内に Active Directory フェ
デレーションサービス (ADFS) 2.0 が展開されている必要があることに注意してください。
メモ: すでに Microsoft ディレクトリ同期ツールが Microsoft Office 365 でユーザーアカウントをプ
ロビジョニングまたは管理している場合でも、 SSO をサポートし、一部の環境設定においてメール移行
に Migration Manager を使用することができます。詳細は、「Microsoft ディレクトリ同期ツールとの
相互操作」を参照してください。
以下の図は、Migration Manager を使用して SSO を導入した場合の全体的な環境設定を表したものです。
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Migration Manager for Active Directory は、Active Directory と Exchange 組織が同じフォレスト内にある
基本的な環境設定から、個別の認証と Exchange リソースフォレストを含む高度な環境設定までサポートしてい
ます。
以下では、シングルサインオンを活用しつつ Microsoft Office 365 に移行するための手順を各環境設定ごとに
説明します。
基本的な移行シナリオ
Active Directory と Exchange 組織が同じフォレスト内にある場合、シングルサインオンをサポートして
Microsoft Office 365 に移行するには、以下の手順に従ってください。
1
環境内に AD FS 2.0 が展開されていることを確認します。Microsoft ディレクトリ同期ツールを使用し
てディレクトリ同期を開始しないようにしてください。同期がすでに開始されている場合、Migration
Manager を使用して移行する予定のユーザーアカウントをディレクトリ同期ツールが管理していないこ
とを確認します。
2
Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールを使用して Microsoft
Office 365 にユーザーアカウントをプロビジョニングします。Directory Migration Agent が自動的に
SSO サポートを設定します。デフォルトのマッピングテンプレートを使用する必要があることに注意し
てください。
3
Migration Manager for Exchange を使用して予定表を同期し、メールボックスを移行します。
ユーザーは、Microsoft Office 365 アカウントを取得後すぐにシングルサインオンを使用してログインできま
す。
メールデータが移行され、メールボックスが切り替えられた後、Microsoft ディレクトリ同期ツールを有効にし
てユーザーアカウントを同期された状態に保つことができます。
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ERF 移行シナリオ
Migration Manager を使用すれば、シングルサインオンを活用しつつ、個別の認証と Exchange リソースフォレ
スト (ERF) を持つ環境から Microsoft Office 365 に移行できます。Migration Manager for Active
Directory には、そのための特別な移行テンプレートが用意されています。シングルサインオンをサポートして
Microsoft Office 365 に移行するには、以下の手順に従ってください。
1
環境内に AD FS 2.0 が展開されていることを確認します。Microsoft ディレクトリ同期ツールを使用し
てディレクトリ同期を開始しないようにしてください。
2
Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールを使用して Microsoft
Office 365 にユーザーアカウントをプロビジョニングします。アカウントを 2 回、移行する必要があ
ることに注意してください。
a
最初に、ERF マッピングテンプレートを使用して Exchange リソースフォレストのユーザーを同
期または移行する必要があります。それにより、Exchange リソースフォレストによって Office
365 のグローバルアドレス一覧 (GAL) を設定できます。
b
次に、Activate SSO マッピングテンプレートを使用して Active Directory 認証フォレストのユ
ーザーを移行 (または同期) する必要があります。このテンプレートは、認証フォレストと
Office 365 サブスクリプションの間のフェデレーションを有効にします。
メモ: ERF テンプレートを使用して、異なる認証フォレストを含むフェデレーションが、Exchange リソ
ースフォレストと Microsoft Office 365 サブスクリプションの継続的な GAL 共存により壊れていない
ことを確認します。
3
Migration Manager for Exchange を使用して予定表を同期し、メールボックスを移行します。
ユーザーは、Microsoft Office 365 アカウントを取得後すぐにシングルサインオンを使用してログインできま
す。
メールデータが移行され、メールボックスが切り替えられた後、Microsoft ディレクトリ同期ツールを有効にし
てユーザーアカウントを同期された状態に保つことができます。
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Microsoft ディレクトリ同期ツールとの相互
操作
すでに組織内で Microsoft ディレクトリ同期ツールがユーザーアカウントを Microsoft Office 365 と同期し
ている場合でも、 特定の環境設定においてメール移行に Migration Manager を活用できます。
Microsoft ディレクトリ同期ツールと併せて Migration Manager を使用することでメール移行において以下の
利点があります。
1
Migration Manager for Exchange を使ってメールボックスを移行します。

特定の移行シナリオで余分な手順を省略可能

複数の Exchange 組織からのメール移行

Exchange 2003 からのオンライン移行

変更を安全にロールバック可能な、項目別の移行
2
Send on behalf、Send as、および Full Mailbox Access のアクセス許可を処理します。
3
移行開始時から Microsoft ディレクトリ同期ツールによってシングルサインオン (SSO) をサポートし
ます。
Migration Manager は以下の条件下で、Microsoft ディレクトリ同期ツールが作成し管理するオブジェクトと連
携できます。

Microsoft ディレクトリ同期ツールがソースとする Active Directory オブジェクトにメールボックス
がない (メールボックス有効でない) こと。 これは、統合 Active Directory フォレストがある環境ま
たは別個の認証フォレストと Exchange リソースフォレストがある環境では一般的です。

メールボックスが存在するフォレストと認証 Active Directory フォレストの間で Migration Manager
for Active Directory またはその他のサードパーティの同期ツールを使用して、継続的なディレクトリ
同期が確立されている場合、Microsoft Office 365 への移行中はそれを無効にする必要があります。そ
うしない場合、Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365) コンソールで、対
応する移行ペアに対して [Edit Mail Redirection Domain] アクションアイテムを使用して、Exchange
組織内にメールリダイレクトのための追加ドメインを設定する必要があります。
注意: Migration Manager で移行するメールボックスは指定したドメイン内に存在します。このドメイ
ンは、メール配信のためにインターネットからアクセス可能であり、Microsoft Office 365 テナントの
承認済みドメインには含まれていない必要があります。
メモ: メールリダイレクトドメインを設定することにより、メールが Microsoft Office 365 からソース
Exchange 組織に正しくリダイレクトされるようになります。
メールボックスのアクセス許可処理の検討事項
Migration Manager は、Microsoft Office 365 への同期および移行中にメールボックスのアクセス許可や Send
As アクセス許可を同期できます。したがって、あるソースユーザーが別のユーザーアカウントとしてメールを
送信したり、他のユーザーのメールボックスを管理したりすうることができる場合、対応するターゲットユーザ
ーも同じ権限を持ちます。
以下の事項を考慮してください。

移行または同期中に Send As アクセス権およびメールボックスのアクセス権に対して行った変更をロー
ルバックタスクにより元に戻すことはできません。

これらのアクセス権のいずれかがソース上で削除された場合、次の移行または同期セッション中にこの
アクションがターゲット上で同期されることはありません。

ソースユーザーが Deny Send As アクセス権を持っている場合、同期後、対応するターゲットユーザー
は Send As アクセス権を持ちません (Allow と Deny のどちらも)。ユーザーがソース上のいずれかの
メールボックスに対して Allow Send As アクセス許可と、同じメールボックスに対する Deny Send As
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64
アクセス許可を持つグループのメンバーシップを持っている場合、そのユーザーはターゲット上で
Allow Send As アクセス許可を持ちます。

Send As アクセス許可はメールボックスに対してのみ同期されます。ユーザーがグループに対して Send
As アクセス許可を持っている (例:このグループからメールを送信できる) 場合、対応するターゲット
ユーザーはこのアクセス許可を持ちません。

アクセス許可がアカウントフォレストからユーザーまたはグループに割り当てられている場合、この機
能は Exchange リソースフォレストでサポートされていません。
以下のサブセクションでは、Migration Manager と Microsoft ディレクトリ同期ツールの間の相互操作を含む、
サポートされている一般的な移行シナリオについて説明します。
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65
Microsoft Office 365 への移行のトラブ
ルシューティング
移行時には、さまざまな問題が発生する可能性があります。ここでは、いくつかの一般的な問題と、その対処方
法について説明していきます。

Migration Agent for Exchange の管理

その他の問題:ログの確認
Migration Agent for Exchange の管理
Migration Agent for Exchange は、Office 365 移行ワークフローの中核となるコンポーネントです。
Migration Agent for Exchange を管理するには、以下の手順に従ってください。
1
Migration Manager for Exchange の [Agent Manager] で、Migration Agent for Exchange (省略形:
MAgE) がインストールされているエージェントホストを選択します。
2
下のエージェントリストから、[Migration Agent for Exchange] を選択します。
3
[Actions] パネルの Migration Agent for Exchange セクションにあるコマンドを使って、エージェン
トの管理やログの表示を行います。
注意:

エージェントの開始が連続的に失敗する場合は、再インストールを行ってください。そのために
は、アクションアイテム [Repair Agent] を使用します。

単一の Microsoft Office 365 テナントへの移行に 4 つ以上の Migration Agent for Exchange インス
タンスを使用しないでください。
その他の問題:ログの確認
不明なエラーが発生した場合は、Migration Manager が記録したログを参照する必要があります。コンソールと
エージェントのログは、そのコンピュータの以下の場所に保管されています。
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66
Migration Manager for Active Directory (Microsoft Office 365)
コンソールログ:
サポートしているオペレーティングシステム上で、Migration Manager for Active Directory (Office 365) コ
ンソールログは %PROGRAMDATA%\Quest Software\Migration Manager for Active Directory\Directory
Migration\QsDirectoryMigrationEngine.log に保管されています。
エージェントログ:
サポートしているオペレーティングシステム上で、Directory Migration Agent ログは %PROGRAMDATA%\Quest
Software\Migration Manager for Active Directory\Directory Migration\QsDirectoryMigrationAgent.log に
保管されています。
Migration Manager for Exchange
コンソールログ:
サポートするオペレーティングシステム上で、Migration Manager for Exchange コンソールログ
は %ProgramFiles%\Quest Software\Migration Manager\Exchange Data\EMWMigration.log に保管されています。
エージェントログ:
Migration Agent for Exchange ログを表示するには、「Migration Agent for Exchange の管理」で説明してい
るように、[Open Log] アクションアイテムを使用します。
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