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ワークショップを活用した宇和島道路高架下における 有効

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ワークショップを活用した宇和島道路高架下における 有効
ワークショップを活用した宇和島道路高架下における
有効利用の検討について(中間報告)
四国地方整備局
大洲河川国道事務所
調査第二課
藤岡大悟
1.はじめに
一般国道56号宇和島道
さ か し づ
路の宇和島坂下津I.C間~
宇和島朝日I.C(高架部)
は、平成17年7月に暫定
2車線供用をした。
当区間の高架下利用につ
対象区間
図1.
検討区間位置図
いては、平成15年7月に利用計画案が宇和島商工会議所から市長に提出されている。
このような地域における気運の高まりを背景に、道路管理者である国土交通省が、市民
との協働でワークショップ方式(WS)にて高架下利用方法(案)を検討した。
2.ワークショップ(WS)の概要
2.1
目的と目標
○目的
・宇和島道路の高架下利用方法の検討及び計画立案に市民が参加すること。
・市民参加により、宇和島道路ならびにまちづくりへの理解を高めること。
・利用者である市民の幅広い階層からの意見を取り込んだ直接参加型でプラン
ニングすること。
○目標
2.2
・高架下利用計画案を数案作成し、WS参加者同士の相互理解を得ること。
成果の位置付け
WSの成果を基に、道路管理者は高架橋下利用方法の具体的検討に際し、技術的検討
及び関係機関等協議を進める。
2.3
実施方式
○参加者
一般公募として広く市民の各層から参加を募ったほか、沿道住民、市内の高
校生、市内の各種団体、行政(愛媛県、宇和島市)にも参加を依頼し、合計
42名募った。(一般公募9名、その他33名)
○公開性
自由参加者(飛び入り)も受け入れることとした。開催予定、結果、成果も
ホームページを通し公開することで、WS全体の透明性確保に努めた。
2.4
実施日、テーマ
開催時期
第1回
第2回
H17.1.16
H17.2.6
場所
テーマ
出席者
宇和島市生
・現地視察及び課題の抽出
29名
涯学習セン
・高架下利用のアイデア出し
ター
・高架下利用計画案の作成
26名
3.検討区間平面図
至坂下津IC
C
※A1,A2,B1・・・は各ゾーンの名称を示す
B2
B1
A2
A1
新内港
朝日IC
市役所
図2.
検討対象区間(L=1.3km)
4.実施内容
4.1
第1回WS
4.1.1
【知る・見つける】【アイデアを考える】
手順
WSはテーマに沿った形で、班単位(計4班)に分か
れ、以下の手順で実施した。
①WSの目的、位置づけ、商工会議所の案などにつ
いて理解する。
②現地視察を通して宇和島道路及び高架下の実態を
知り、利用可能空間、利用可能性を見つける。
・高架下の利用出来るところ、良いところや改善
写真1
が必要なところを探し出す
③対象区間の高架下利用の用途や使い方のアイデアを考える。
・意見、アイデアを出し合う
・出た意見、アイデアをまとめ、みんなで優先順位をつける
④利用用途の公共性等の評価項目について説明する。
①現地視察
②グループ
の話し合い
③グループ
発表
④アイデア
投票
写真2.
WS実施状況
高架下の現況
4.1.2
結果(第1回)
提案されたアイデアについ
て、最後に全員で優先順位の
駐車場等
投票(1人3票)を行った。この
緑地、花畑等
結果、もっとも多かったのが
スポーツ練習場
辺の公共施設等の駐車場不足
を反映したものである。
以下、トイレ、イベント広
11
7
7
7
犬の散歩道
災害対策用倉庫
店、道の駅等
観光看板(宇和島PR用)
レンタサイクル
自転車道
6
5
アイデア
「駐車場」で、これは当地周
19
11
トイレ等の公衆設備
イベント広場等
3
1
2
2
2
2
2
面でつながった歩きやすい歩道
たまり場(高齢者、子供用)
倉庫、牛鬼置き場等
1
宇和島総合案内所
0
0
市民ボランティア活動の場
広告・看板(民間の)
場、緑地、犬の散歩道、災害
対策用倉庫、スポーツ練習場
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
投票数
図2.
アイデア投票結果
の順であった。
4.2
第2回WS【高架下利用計画案をつくる】
4.2.1
手順
①今後の高架下利用の目標像を考える。(ブロックごとのイメージを文章で表現)
②利用計画案を作成する。(目標像をもとに、大判図面に描画または貼絵で表現)
③計画案の評価を行う。(「費用分担・管理主体・公共性の有無・安全性の確保」等
の課題について検討、記述)
④各班が作成した計画案(計4案)を発表し、みんなで確認し、相互理解する。
4.2.2
結果(第2回)
目標像をもとに作成した計画
案(図)では、駐車場、公園
(ペット用含む)、スポーツ広
場、多目的広場、防災拠点、シ
ンボルゾーン(宇和島市のイメ
ージアップにつながる施設を配
置するゾーン)等が提案されて
いる。各班での提案は大きくは
違わず、当該地に必要とされる
機能でかつ実現性の高い利用計
画案となっている。
これは、意見交換しながら計
画を作成するWSの過程で、効果
的な結果と考えられる。
設置管理方法では、市民主体の
管理運営方法も提案されており、
図3.
各班の利用計画案(用途別にモデル化)
今後の事業実施における官民
連携、協働の示唆を得た。
5.実りあるWSとするための取り組み
計2回の限られた時間の中で、市民の方々に理解を深めていただき、自らが主体となっ
て有効な提案を作成していただくために、以下の点を配慮し取り組みを行った。
5.1
活発な議論を行ってもらうために
参加者に、自由な雰囲気の中で楽しく意見交換して
もらうために、第1回WSでは、趣味等を記入した自己紹
介カードを用い参加者同士が打ち解ける時間(アイス
ブレイク)を設けた。第2回WSでは、平面図に配置する
駐車ますやスポーツ施設等を切り貼りしながら、全区
間の計画平面図を作成する等、遊び心を持てる形で作
業し、達成感が得られるような工夫を行った。
写真3.
利用案作成状況
また、WSの運営方法のチェックを兼ねて、各回終了時に「振り返りアンケート」と題
して、①わかりやすさ②意見が言えたか③楽しさ④意見、感想について全員に回答して
もらったが、どの項目についても回を重ねるごとに良い結果を得ることができた。
5.2
実現性の高い提案とするために
第1回WSの終了時に、高架下利用実現のために①費用分担②管理主体③公共性の有無④
安全性の確保等の課題を解決する必要があることを提示し、第2回WSではこれらの課題に
ついて具体的に検討し、表に記述してもらった。(文中4.2.1
③)
これらの作業を通し、参加者が主体的に創意工夫を行い、その結果非現実的な案が淘
汰され、配置用途は採択要件をほぼ満足し、官民協働型の運営管理方法も提案されるな
ど、実現性の高い案となった。
6.WS案を活用した高架下利用検討
今後の高架下利用計画策定の事前検討とし
て、4班の折衷案、民意反映型計画案、都市的
要請型計画案の3案を作成した。
このうち都市的要請型計画案については、今
後関連調査を行い、需要検討、規模の妥当性、
施設の配置等の課題を検証しその見直しが必要
である。
図4.
7.今後の予定
WS案を活用した
高架下利用計画のイメージ
今回のWSで作成した4案について、参加者同士の相互理解ができた。今後このWSの結果
を受けて、高架下利用計画を策定することとなる。課題として「事業の進め方」「利用用
途の選定や配置」「市民との相互理解」の大きく3つに分かれる。
宇和島道路が更に発展できるように、また地域で活動している道路ボランティア団体
(愛称:オレンジロード)と共に育つように、今後の宇和島道路の事業に取り組んでいく
ことが必要かつ重要であると考えている。
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