...

トマト植物に対するアンモニウム過剰の影響

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

トマト植物に対するアンモニウム過剰の影響
九大農学芸誌 (
Sc
i
・Dul
l
・FiLC・Ag
r
り Kyus
huUni
y・
)
#3
9% #4% 1
21
-1
2
6(1
9
8
5
)
トマ ト植物 に対 す るア ンモニ ウム過剰 の影響
第 3報
ア ンモ ニ ウム過剰下 に お け る炭 水 化 物代 謝 の変動
脇
本
賓
三*・山
田 芳
雄
九州大学農学部植物栄養 ・肥料学教室
(
昭和 5
9年 9月 3日 受理)
Efe
c
to
fAmmo
ni
u
m Exc
e
s
so
nTo
ma
t
oPl
a
n
t
s
I
l
l
. ChangesofCar
bohydr
at
eMet
abol
i
s
munderAmmoni
um Exc
es
s
KENZO W AKI
MOTO
a
ndYosHIO YAMADA
Labor
at
or
yofSoi
lFe
r
t
i
l
i
t
yandPl
antNut
r
i
t
i
on,Fac
ul
t
yorAgr
i
c
ul
t
ur
e,
Kyus
huUni
ve
r
s
i
t
y4
6
1
0
2Fukuoka81
2
緒
NO3
N5
0ppm の水耕培養液で第 7葉の出葉期 ま
言
第 1報 (
脇本 ・山田, 1
9
8
5
)で 報 告 し た よ う に
NOB
N を含む培養液で培養 した トマ ト幼植物 に 比べ
N 培養植物では,根,葉身 ともにカタ ラーゼ
て NH▲
活性,ポ )フェノールオキ シダーゼ活性が高かった.
N の 集積が見 られ
同時 に組織中には 高濃度の NH.
脇本 ・山田,1
9
85
)で は,NOB
N
た. また第 2報 (
で トマ ト植物を前培養 し,引き続 き NOS
l
N5
0ppm.
NH一
N5
0ppm,NH一
一
NI
O
Oppm を含む培養液で継
続培養 し,経時的 に菓身を採取 して炭水化物の定量 に
供 した.植物体 の採取時間は, 1日の うちで糖含量が
最 も高い と考え られている 午前 11時か ら午後 1時の
間におこなった.
b)組織中の NHlN 含量の測定
または NH{N を含む培養液で トマ トを培養す ると,
NO3
l
N 培養植物 に比べて NH4
N 培養植物で根,莱
身 ともに酸素吸収,炭酸ガス放出のいずれの速度 も大
きい ことが認め られた.組織中の NHrN 含量が高い
前報 のとおりコンウェイ法 (
高井 ・伊藤 ,1
9
6
3
)に
L
gで表
よ り NHrN を定量 し,新鮮物 1g当た りの J
示 した.
C)カ リウム含量の測定
程 これ らの速度 も大 きかった. このよ うに トマ トでは
組織中に高濃度の NHrN が集積すると呼吸に関連 し
た酵素活性や呼吸速度が高 まることがわかった.また
N で培養 した植物 は葉色
このよ うな条件下では NH一
新鮮葉 1gを硫硝酸分解 し,定容 とした後,炎光分
析 によりカ リウムを定量 し,乾物当たりの百分率で表
示 した.
d)炭水化物含量の測定
が濃 く,生育は しだいに抑制 され,後期 にはクロロシ
スが見 られた.
本報で述べ る実験 は,ア ンモニウムにより生育障害
をおこしている植物体 の炭水化物代謝の変動を 調 べ,
生育抑制,呼吸昂進 との関係を明 らか にするためにお
こなった ものである,
材料および方法
1
. 炭水化物含量の経時変化
0% ェクノールで 数 回 加熱抽出 し,
新鮮葉 4gを 8
0
o
Cで濃縮 し,熱水で溶解後一定量
抽出液を減圧下 4
にした.本溶液 について還元糖 はそのまま,非還元糖
は 4%の硫酸溶液で加水分解後 に定量 した.粗デ ンプ
0
0ml
ンは 試料の熟エタノール抽出残査を 磨砕後水 2
と2
5%の塩酸 2
0mlを加 え,煮沸 している湯浴上で
2時間 3
0分 加熟 して デ ンプ ンの糖化をおこなった後
定量 した. 糖の 定 量 は Sc
hafe
ra
ndSomogyi法
(
奥 田,1
9
5
9
)に従っておこなった.
a)植物体の培養 および試料採取方法
2
. 糖の日変化
*現農林水産省中国農業試験場
NOS
N5
0ppm を含む培養液で トマ ト幼植物を前
-1
2
1-
1
2
2
脇 本 賓 三 ・山本 芳雄
培養 し,引き続き NO3l
N I
O
Oppm または NH.
l
N
1
4
C(
G6
J4C)を図 1のように与えて代謝 させた.い
I
O
Oppm を含む培養液で培養 して 6日目に 菓身 およ
ずれ も暗所で 1時間 吸収 させた. キ ャリヤーと して
び根を採取 し糖の定量に供 した. 採取時間は 午 前 8
1
04
M のグルコース溶液を用いた. 菓身は グルコー
時,1
2時,午後 4時, 8時 とした. 糖の定量は 前 記
スを供与 してか ら 1時間後 に葉柄か ら切 り離 し,熟エ
4
Cの
タノール中に入れて反応を止め,数回抽出の後 1
と同様の方法でおこなった.
3
. インベルターゼ活性の測定
測定に 供 した. 1
4
C-グルコースを 供与中に 生成 した
新鮮柴 2gに蒸留水を加え, 海砂 とともに 磨砕 し,
1
4
C02 は 25%エタノールア ミンに吸収 させて l
l
Cを
測定 した.根では 1時間吸収 させたのち 2
N硫酸溶液
8
,
0
0
0r
pm,1
0分間) して得た上澄液を用
遠心分離 (
いて活性を測定 した.方法は 2%スクロース溶液に上
を添加 して反応を止め,水中に溶存 している HC02を
記の粗酵素液を加え 3
0
o
C の恒温器中で反応 させ,坐
追い出 して 2分間気相を吸引 し捕集 した.根を とり出
成 した還元糖を定量 し, 2gの新鮮葉が 4時間に生成
し,蒸留水で洗浄 したのち熟エタノール中に入れ,数
したグルコース量 として表示 した.
回抽出 して 1
4
C の 測定 に 供 した. C6/
Clは G6
-
1
C02 の百分率を G-1
1
4
C を供与 した時生成 した 1
4
C02 の百分率で除 し
1
4
C を供与 した時に生成 した 1
て求めた.
,
実 験
n
t
o
f
l
L
c
一
g
L
u
c
o
s
e
0
1
5
r
s
o
l
u
t
1
0
∩
結
果
1
. NH.
l
N およびカ リウムの含量
表 1は窒素給源を異にして培養 した トマ ト幼植物の
NH`
N およびカ リウム含量の測定結果である.NHr
んOmLof25% et
hc
L
nOl
oml
ne
N を含む培養液で トマ ト幼植物を 培養すると, 葉中
の NHrN 含量は 2日目ですでに 1
0
0ppm を 越え,
最高 2
0
0ppm 以上 ま で 高 まった. カ リウム含量は
NH4
N を含む培養液で培養すると NO3N 培養に比
べてやや低い傾向が認め られた.
2
. 炭水化物含量の経時変化
図 2は窒素給源を異にした培養液で培養 した トマ ト
幼植物中の炭水化物含量の経時変化を示 した ものであ
soh
Jl
1
0n
る. 還元糖含量の 変 化 に つ い て みると, 2日目で
Fi
g.1
. Met
hodsoff
e
e
di
ng 1
4
Cgl
uc
os
et
o
l
e
a
ve
sa
ndr
oot
sort
omat
opl
ant
sr
edwi
t
h
di
fe
r
e
nts
our
c
e
sofni
t
r
oge
n.
NO3N 培養植物より NH。
N 培養植物の方が含量が
4
.l
l
Cグルコースの代謝
NH一
N の濃度が高い柁還元糖の蓄積 も大きかった.
前記 2と同様の条件で培養 した植物を 6日Rに採取
非還元糖,勅デ ンプンについて も還元糖の場合 と類似
高 く,&.
時的に含有率差は大き くなった.培養液中の
し, グルコース-1
1
1
4
C(
G-1
1
4
C) と グルコース-6
-
の傾向であった.
Tabl
e1
. Cont
e
nt
sofNHrN a
ndK20 i
nl
ea
v
esoft
omat
opl
a
nt
sf
e
dwi
t
hdi
fe
r
e
nt
s
our
c
esorni
t
r
oge
n
K20 (% ordrymat
t
e
r
)
NH4N(
〟gpe
r蛋r
・W・
)
A 50
A1
0
0
30
3
0
1
4
5
1
3
0
1
0
0
3
0
1
1
0
2
25
1
6
0
32
30
29
A 50
N 5
0
5′
L
U12
3へ
一
J44
N*5
0
3
.5
3
.
0
3
.
7
3
.
6
Al
o
o
3
.
5
3
.
7
3
.
8
3
.
6
*N 50,A 50andA 100areabbreviationsfortheculturesw
it
hNO l
N5
0ppm,NH4
N5
0ppm
3
a
ndNH一
一
N1
0
0ppm s
ol
ut
i
on,r
e
s
pe
c
t
i
ve
l
y
トマ トの ア ンモ ニ ウ ム過 剰
5
1U a lUO3 JO6ns
6U.
L
U
nPat
]
′:
I
I
%
5
L
t
)
6ns
L-
1
2
3
3
.炭 水 化物 代謝
二
80
.
r
n
. 1
2
Ti
ne
ムpr
n
.
8
%3
Ro
ot
t
ual
uO3 L D6ns
ns
J
DB
6u
IL
当PaI
JU
ON
Fi
g.3
. Di
ur
na
l c
ha
ng
e
sofr
e
duc
i
ng a
nd
no
nr
e
d
uc
i
ng s
uga
rc
o
nt
e
nt
si
nl
e
a
v
e
sa
nd
r
oot
sof t
omat
op
l
a
nt
sf
e
dwi
t
hdi
fe
r
e
nt
s
ou
r
c
e
sofni
t
r
og
e
n.
上U LD山
S a P nJ3
●.0:
NO8
l
NI
O
Oppm,
▲,△:NH一
二
NI
O
Oppm
- :Reduci
ngs
uga
r
,
-- -:Non・
r
e
d
uc
i
ngs
uga
r
3
. 糖含量の日変化
図 3は葉身および根の糖含丑の日変化を示 したもの
である.採取 日の天候は晴天であった.菓身の還元糖
の臼変化は,朝まだ日凧宜が少ない時には低 く,1
2時
には最高 となった.NH{N 培養の場合 NO3
N 培養
よりいつの時点で も含量は高 く, また 1
2時以降の 含
量の低下率はやや小 さかった.非還元糖は還元糖の場
0
2
4
6
8
Doys
Fi
g.2
. Cha
ng
e
sofc
a
r
bohyd
r
at
ec
o
nt
e
nt
s
i
nl
e
a
v
e
soft
omat
op
l
a
nt
sf
e
dwi
t
hdi
f
f
e
r
e
nt
s
our
c
e
sofni
t
r
oge
n.
NO㌻N 5
0ppm,
0ppm,
^-A:NHrN 5
NHrN 1
0
0ppm
●-●:
4
b
:
N 培養植物の方が
合程 日変化は大きくないが,NH`
NO8
1
N培養植物よりいつの時点で も含量が高かった.
板では NO3
N 培養植物より NH▲
N 培養植物で遺元
2時において 顕著に高かった.
糖含量は高 く, 特に 1
非還元糖含量については NH一
N 培養植物でやや高い
傾向を示 した.
4
. インベルターゼ活性
薬身における糠の代謝にかかわる酵素であるインベ
,NOrN 培養植
ルターゼ活性を測定 した結果 (
図 4)
1
2
4
脇本 賢 三 ・山本 芳雄
Tabl
e2
・ Efe
c
tofni
t
r
og
e
ns
our
c
e
so
n1
4
Cg
l
uc
os
eme
t
a
bo
l
i
s
mi
nt
omat
op
l
a
nt
s
.
Theni
t
r
og
e
nc
o
nc
e
nt
r
at
i
o
ni
nc
ul
t
ur
es
o
l
ut
i
onwas l
O
Oppm. Le
a
v
e
sa
nd r
opt
s
we
r
es
amp
l
e
ds
i
xdaysaf
t
e
rt
r
e
at
me
nt
s
・1
4
Cluc
g
os
ewasf
e
df
or6
0mi
ni
nda
r
kne
s
s
.
%)
Di
s
t
r
i
but
i
o
nof1
4
C(
Ns
our
c
e
NCgl
uc
os
e
CO2
3・
l
・
72
5
. 3
7
,5
33.1
25.0
I
ns
ol
u
bl
e
C6
/
Cl
1
3
.
3
3
6
,
4
3
6
.
2
5
6
.
6
0
.
4
2
0
.
6
0
2
5
.
5
2
3
.
8
2
6
.
9
3
2
.
3
2
′
O0
7
3
Oノ 2 9 0
っJノ
ー
U
5
7
5
■
.「
■
ユ
005
543
=
G-トl
l
C
G6
1
4
C
G-1
1
4
C
G6
1
4
C
NH{N
4 1 7 4
4 ∠U 0 8
-
G-I
1
4
C
G6
1
4
C
G-I
1
4
C
G1
6
1
4
C
NO31
N
Sol
u
bl
e
0
.
2
7
0
.
21
考
察
NH一
N を含む 培養液で トマ ト幼植物を培養すると
NO3・
N 培養植物 に比べカ )ウム含量がやや低かった.
ア ンモニウムとカ リウムは極めて競合 し易いイオ ンで
a so3
あり,括抗作用 によってア ンモニウム培養植物で吸収
n
19)
^i
U
At!^!j
IDaSO I
Ja
s
a^DaIBz/ JJ
L7
盲∈
不溶性画分へのとり込みが小 さかった.
がある程度抑制 された ものと考え られる. しか し極端
な低下ではな く,カ リウム欠乏 との関係については考
」
0
■-
2
l
_ 1
!
i
6
8
_
Doys
Fl
g.4
. Cha
ng
e
s of i
nv
e
r
t
as
e ac
t
i
v
i
t
y Of
l
e
a
v
e
soft
omat
op
l
a
nt
sf
e
dw
it
h di
fe
r
e
nt
s
ou
r
c
e
sorni
t
r
og
e
n.
+
+
:
NOB
N5
0ppm,
▲-▲ :NH4
N5
0ppm
■-■ :NH.
NI
O
Oppm
物 に比べ NH4
N 培養植物の方が活性は高 く,経時的
慮 しな くてよい ものと判断される.
NHrN 培養植物で還元糖, 非還元糖が高 くなった
理由としては,イ)糖の分解が阻害されている, ロ)
糖の転流が阻害 されている,ハ)楯か らの高分子の炭
水化物への合成が阻害されている,などの要因が考え
脇本 ・山田,1
9
8
5
)で観察 された呼
られる.第 2報 (
吸の増大は糖の消費を促進 したことを物語るものであ
るか ら,糖の代謝阻害は考え難い.また糖の転流につ
いては,少 な くとも根への転流は板中の仝糖の蓄積か
に高 まる傾向が認められた. しか し本酵素活性 と培養
ら判断 して 阻害されているとは 考え難い. 従って 葉
液中の NH4
N 濃度 との間には明瞭な関係はみ られな
身,根中の還元糖,非還元糖の蓄積は高分子の炭水化
かった.
物の合成が阻害 されたためにおきた もの と推 察 さ れ
5
.l
l
C-グルコースの代謝
る.
グルコース代謝系の中で EMP 系 (
Embde
nMe
-
本試験では粗デ ンプン含量 も NH{N 培養植物で高
He
x
os
e
y
e
r
hofPa
r
nasPat
hway
) と HMP 系 (
かったが, これは NHrN 培養植物では生育が阻害 さ
mo
nophos
phat
eShu
nt
)のどちらの経路を多 く通っ
て代謝 されるかを知るために,G1
1
4
C と G6
1
4
C
合成 も抑制されていたと推察できる.デ ンプン合成に
れるので,デ ンプ ンの合成総量を比較するとデ ンプ ン
を供与 して C8
/
Clを 計算すると (
表 2), 黄身で も
ついては,Mat
s
umot
oe
fo
l
.(1
9
6
9
)が キュウ [
)の
根で も NH一
・
N 培養植物で 低下する傾向が 認め られ
アンモニウム過剰障害の実験で,アンモニウム過剰下
た.特 に根において低下の程度が大であった.また,
ではキュウ リ葉のデ ンプ ン含量は低下することを観察
黄身においては G-1
1
1
C または G6
1
4
C か ら不溶
し, これは UDPG か らデ ンプンへの過程が阻害 され
性画分への 1
4
C のとり込みは 一定傾向を示 さなかっ
たために起 こると推察 している.本実験ではデ ンプン
たが,根においてはいずれ も NHrN 培養植物の方が
含量については彼 らの結果 と一致 しなかった.以上の
1
2
5
トマ トのアンモニウム過剰 3
.炭水化物代謝
N 培養の場合 に菓身において経時的 に
結果か ら NH4
要
糖含量が高 まることが認め られたが,糖が どのように
約
転流利用 されているかは明 らかでなかったので, 1日
1
. NO3
N 培養植物 より NH。
I
N 培養植物では葉
の うちでの糖含量の変化を調べた.その結果葉身では
身,根共に還元糖含量が増加することが認め られた.
NHrN 培養植物で糖の蓄積が認め られた.根におい
2時頃には 報著 に還元糖が蓄積 した. 物質の転
て も1
9
7
3
)
流に関する従来の知見 (
ボナ一 ・ゴールス トン,1
非還元糖,粗デ ンプ ン含量について も同様の傾向であ
N 濃度が 高い程増大 し
った. また培養液中の NH4
た.
によると転流の最 も旺盛な時は昼間の光合成のさかん
2. 葉身の還元糖 については,含量はいずれの時間
な時であり,夜は顕著 に減少する.また転流物質の大
N 培養植物の方が高 く,1
2時以降の低 下
で も NH。
部分は糖であり,その巾で もスクロースが大部分を し
は NH4
N 培養植物でやや′
トさい傾向を示 した.
めている.これ らのことか ら NH{N 培養植物の根に
3
. 葉身のインベルターゼ活性 は NO3
N 培養植物
2時頃の還元糖含量の顕著な蓄積は 根での 非
おける 1
N 培養植物で高 く,処理開始後 6El日頃
に比べ NH4
還元糖か ら還元糖への加水分解の増大 も影響 している
まで増加の傾向を示 した.本酵素活性の増大は真申の
のではないか と考え られる. 根での測定結果は な い
還元糖の蓄積 とも深 くかかわっていると推察 した.
が,葉身ではイ ンベルターゼ活性が NHrN 培養植物
4
. NHrN 培養植物での葉身中および 根中におけ
で高 まる事実を認めた.本酵素活性の増大は菓身での
る糖含量の増大はそれぞれの器官の呼吸促進の一要因
還元糖の蓄積に一役を荷 うものであり,また根での本
になっていると推察 した.
酵素活性増大の可能性 も想定 させる. このように呼吸
5
. G-1
1
4
C と G6
1
4
C の供与試験か ら,NH。
N
基質である楯が NHrN 培養植物で高 く維持 されてい
培養植物では葉身および根のグルコース代謝経路 とし
るとい うことは,貨身,根の呼吸速度の増大 とも密接
て HMP系が活性化 されていることを指摘 した.
に関係 しているのではないか と推察 される.
文
グルコースは EMP系 と HMP系を通って代謝 され
る場合の 二つが考え られる. G-1
1
4
C を供与 した時
はに EMP系を 通った場合 も HMP 系を通った場合
4
C02 を放出する. 一方,G6
1
4
C を与
もいずれ も 1
1
4
C と同 じで
えた時には EMP 系を通 る場合 は G-1
4
C02 は生成 され
あるが,HMP系を通った場合 は 1
Clの値が小 さくなれば,グ
ない. このことか ら C6/
ルコースは EMP 系よりもむ しろ HMP 系を多 く通
って代謝 されたと考え られる.本実験では CJClは
N 培養植物の方が NO3
葉身で も根で もいずれ もNH.
N 培養植物 よりも低い値を 示 した. この ことか ら
NH▲
N 培養植物ではグルコース代謝の変動を起 して
いることがわかる. また HMP 系の活性化は シキ ミ
酸系路の活性化 とf
Al
適 して組織の褐変 ともつながって
おり,特 にア ンモニウム過剰 による根の褐変現象 との
間に深い関係を有するもの と推察 される.
献
ボナ一 ・ゴールス トン 1
9
7
3 植物の 生理, 岩 波 書
3
0
-1
4
9貢
店,東京,1
Mat
s
umot
o,H.
,N.Wa
ki
uc
hia
ndE.Ta
kahas
hi
1
9
6
9 The s
upp
r
e
s
s
i
o
n or s
t
a
r
c
hs
y
nt
he
s
i
s
nd t
a
he a
c
c
umul
at
i
o
n of u
r
i
di
ne di
phos
p
hog
l
uc
os
ei
nc
uc
umbe
rl
e
a
ye
sduet
oa
mys
L
'
o
l
.Pl
an
t
.
,2
2:5
3
7
mo
ni
um t
oxi
c
i
t
y.Ph
5
4
5
奥田 東 1
9
5
9 植物栄養学実験, 朝倉書店, 東京,
1
0
9頁
高井康雄 ・伊藤啓子 1
9
6
3 水田土壌中のアンモニア
拡散分析 におけるアルカ リ剤 の 検 討. 土 肥 誌,
3
4:2
0
9
21
4
脇本賢三 ・山田芳雄 1
9
8
5 トマ ト植物 に対するア ン
モニウム過剰の影響.第 1報 窒素給源の相違が
トマ ト幼植物の二 ・三の呼吸関連酵素活性 に及ぼ
9:1
0
7
11
1
3
す影響.九大農学芸誌 ,3
脇本賢三 ・山田芳雄 1
9
8
5 トマ ト植物に対するア ン
モ ニ ウ ム 過剰の影響 第 2報 ア ンモニウム過
剰下 における 呼吸の 変動. 九大農学芸誌 , 3
9:
1
1
5
-1
2
0
1
2
6
脇本賛三 ・山本 芳雄
St
l
nn&r
y
Mor
ec
ar
bohydr
at
e
ss
uc
h asr
e
duc
i
ng s
ugar
s
,non・
r
e
duc
i
ng s
ugar
sandc
r
ude
s
t
ar
c
hi
nl
e
a
v
e
swe
r
eac
c
umul
at
e
di
nNH4
・
Nf
e
dpl
ant
st
hani
nNOB
N f
e
d pl
ant
s
.
Theamountofr
e
duc
i
ngs
ugar
sac
c
umul
at
e
di
nNHrN r
e
dpl
ant
swasaboutt
wi
c
e
asmuc
h asi
n N03
1
N f
e
d pl
ant
s
. Mor
er
e
duc
i
ng andnonr
e
duc
i
ngs
ugar
swe
r
e
,
al
s
oac
c
umul
at
e
di
nr
oot
sofNH4
Nf
e
dpl
ant
st
hani
nt
hos
eofNOB
Nf
e
dpl
ant
s
andmor
er
e
duc
i
ngs
ugar
si
nr
oot
swe
r
eac
c
umul
at
e
dbet
we
e
n8a.m.and noon i
n
NHrN f
e
dpl
ant
st
hani
nNO3
・
Nf
e
done
s
.
I
nv
e
r
t
as
eact
i
vi
t
yi
nl
ea
v
e
swashi
ghe
ri
nNH1
Nf
e
dpl
ant
st
hani
nNO3
1
N f
e
d
twasc
ons
e
que
nt
l
y pr
e
s
ume
dt
hatt
hei
nc
r
eas
eofi
nv
e
r
t
as
eac
t
i
v
i
t
y had
pl
ant
s
.I
ac
l
os
er
e
l
at
i
ont
ot
heac
c
umul
at
i
onorr
e
duc
i
ngs
ugar
si
nNHrN f
edpl
ant
s
.
I
twasal
s
opr
e
s
ume
dt
hatHMPs
hunti
spl
ayi
nggr
eat
e
rPar
ti
nt
hec
our
s
eof
gl
uc
os
e met
abol
i
s
m i
n NHrN f
e
dpl
ant
st
han EMP pat
hway,j
udgi
ng f
r
om t
he
r
e
s
ul
tofe
xpe
r
i
me
ntoff
e
e
di
ngw
it
hgl
uc
os
e
-I
-NC andgl
uc
os
e
1
6
-l
l
C.
Fly UP