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2007 Report of Internship

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2007 Report of Internship
独立行政法人国立病院機構
東京医療センター
初期臨床研修の手引き
2013年度改訂版
この資料は東京医療センターにおける初期臨床研修医の生活をよく理解していただこうという意図の
もと、実際の研修医からのアンケート等をもとに作成されたもので、1日の見学でもこの資料があれば
多くの情報が得られる事と思います。マッチングの際の研修病院選びの参考になれば幸いです。
来年からみなさんと一緒に働ける事を研修医一同楽しみにお待ちしております。
病院基本理念
東京医療センターは患者の皆様とともに
健康を考える医療を実践します
研修理念
心豊かな志高いプロフェッショナルを
めざす
研修方針・4つの柱
Ⅰ プライマリケア診療に重点を置いた研修
Ⅱ チーム医療の推進
Ⅲ 全人的な医療の提供
Ⅳ 将来への継続性を踏まえた研修
~2014 年度初期臨床研修医の皆さんへのメッセージ~
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター
院長 松本純夫
平成 16 年(2004 年)に始まった初期臨床研修制度はそれまで主流であったストレート
研修に比べ画期的なものでした。全人的に患者を診ることが出来る基本的な診療能力を習
得することを目的として、内科、外科、救急、麻酔科、産科、精神科、地域医療などを必
修科目、そのほかに選択的科目で研修内容が構成されています。給与の保証もあり待遇面
でも不安のないシステムとして定着したと言えます。負の側面として、各大学医局による
医師の引き上げのきっかけになり勤務医不足が顕在化したことです。近年は東京都でさえ
勤務医不足が明らかになってきました。今こそ社会保障としての医療を見直す時期で周知
を集めて解決すべき問題です。昨年度は半分以上の卒業生が大学付属病院ではなく一般市
中病院で研修を受けています。
東京医療センターは昭和 61 年(1986 年)に総合診療科を発足させ、スーパーローテー
ト方式の臨床研修制度を始めました。20 年以上に渡って改良されてきた研修システムが評
価されたのでしょう。2004 年からはマッチングで常に上位の施設となっています。理由の
多くはプログラムの良さ、施設の良さ、とくに研修医向け宿泊施設の整備、熱心な指導者
の存在、病院立地に恵まれたことに代表されると考えています。おかげで全国各地の国公
立、私立大学から前途有為な若者が集まってきています。その前向きな姿勢を頼もしいと
感じ嬉しく思っています。
院長として心がけていることは、よい指導医の確保、研修医宿舎の増設建設など社会資
本の整備、PET-CT など病院機能の充実はもちろんですが、病院の収支状況、すなわち経
営も万全にすべく努力しています。
日本版診療看護師(Japan-Nurse Practitioner)の養成事業を手がけて日本の医療の枠組
みそのものをよくしようと行動しています。また 2012 年 5 月からは諸君の寮にもなって
いる 7 階に東京医療トレーニングセンターを開設しました。手術支援ロボットダビンチ、
腹腔鏡手術シミュレーター、消化器内視鏡シミュレーター、眼科手術用顕微鏡が置いてあ
ります。指導医と一緒に触ってみてください。
固い話ばかりでは面白くありませんね。院長からみた研修医の一年を思いつくまま記し
てみます。4 月は桜に感激し、緊張のうちに新人オリエンテーションを迎える。笑顔が大
事と心得る。あちこち歓迎会で眠る暇がない。何でも語り合える友人ができそう。外来ロ
ビーに五月の端午の節句の人形が飾られるのを見て驚き、気が付けば七夕飾り、コンサー
ト。夏になればビアアーベントで退役先輩医師やコメディカルの人達の前で自己紹介。秋
にはお月見コンサートがないのかなどと言っていると、いきなりクリスマスデコレーショ
ンが外来ロビーに出現して驚き、看護大学学生のコンサートの上手さにまた驚く。病棟ロ
ビーにも可愛いクリスマスツリーが飾られ歳末気分。スキーツアーの案内もメールに流れ、
行こうかどうかと迷っているうちにミュージカルのご案内。出演したらなどと誘われ調子
に乗って歌も踊りもレッスン三昧。それも終わると早くも雛人形。あっという間に 2 年目
の研修医発表会を聞いて一年経過。さあ大変、後輩が入ってくる。救急車のサイレンも子
守唄の自分に気づく頃、電子カルテの書き方、点滴ライン取りのコツ伝授。怖い先輩、気
難しい院長のかわし方を教える自分にビックリが真実。
分からないことは何でも聞いて、自分の殻に閉じこもるな。誠意をもって事に当たれば
必ずや解決すると信じて行動せよ。そんなところでしょうか。
教育研修部長
矢野
尊啓
当院では将来の希望診療科の如何を問わず、プライマリ・
ケアに必要な基本的診療能力を修得することを平成 16 年の
医師卒後臨床研修制度発足以前より重視しており、研修プロ
グラムも、プライマリ・ケア、チーム医療、全人的対忚、将
来への継続性の 4 点をキーワードに作成されています。初期
研修必須科目のスーパーローテート方式を通じ、患者を身体的のみならず精神的、社会的
観点からも見られる幅広い臨床医の育成に努めています。各分野の研修会やカンファレン
スなどの学術的な院内活動のみならず、医療をとりまくさまざまな分野で活躍中の方々を
院外から招聘して学術的、倫理的、社会的なテーマで多数の講演会、ワークショップ、シ
ンポジウムがあり、スポーツ、英会話、ミュージカル、音楽コンサートなど職務時間外に
自ら参加できるアクティビティも充実しています。
国立病院機構の一病院として後期研修にも重点を置き、初期研修を終えた研修医にとっ
ても幅広い選択が可能となるよう多数の診療科別専修医コースを設置、提供しています。
一方、後期研修期間中に自分の所属診療科以外の関連分野を一定期間回ったり、初期研修
で修得不十分な分野を選択履修できるような配慮もなされています。他施設での研修期間
を組み込んだプログラムもあります。多数の情熱あふれるスタッフが、積極的かつ創造的
な指導を行っていますので、人間性豊かで、積極性・協調性のある柔軟な頭脳の持ち主の
忚募を期待しています。
病院の敶地内に新しい職員用住居の拡充が進んでおり、研修医向け宿舎も完備されてい
ます。格安に構内に自家用車を駐車することも可能です。駒沢オリンピック公園に隣接し
た緑豊かな心地よい環境の中で、われわれスタッフ、レジデント(後期研修医)、研修医 3
者の協調によるチーム医療を肌で感じながら、長く心に残る卒後研修をしてみませんか。
臨床研修科医長
尾藤
誠司
東京医療センターにようこそ。私たちの病院の初期研修では、
この冊子に詳細が書かれているように、様々なセミナーやカン
ファレンス、体系的な評価、シミュレーショントレーニングも
含めた技術研鑽のための教育基盤など、歴史が長く実績もある老舗の教育病院としての環
境が十分に整っています。もちろん私たちはそのような教育「システム」についても高い
誇りを持っています。一方で、これだけ初期臨床研修制度が成熟し、たくさんの研修病院
が互いにその研修の質を競い合っている今、カリキュラムについては他の病院と比較して、
私たちの病院が突出して優れているとは思っていません。
プロフェッショナルと呼ばれる職業人にとっては、明示されたカリキュラムよりも、その
人が身を置く場や、すぐ相談できる先輩たちとのやり取り、同僚との協調と競争あるいは
ささえあい、そして、何よりもその人が日々の仕事の中で得る経験の咀嚼こそが、成長の
大きな糧であると私は思っています。途方に暮れたときに「どうしたの?」と声をかけて
くれる身近な先輩、
「あいつには負けたくない」あるいは「彼女がいるから自分も頑張るこ
とができる」と感じることができる同僚、仕事の疲れを癒しあう医療スタッフチーム、
「将
来はあんな人になりたい」と思えるような医師像を体現している先人たち、等から私たち
の病院は成り立っています。自分のキャパよりも、ほんの尐しだけ無理をしてみましょう。
手を伸ばすことが躊躇されるものに尐し勇気をもって手を出してみましょう。そして、困
ったら仲間に助けを求めましょう。これから皆さんは、人の健康に関与するという重い責
任が伴う職業人として働かなくてはなりません。守るべき規範は守るとともに、常に柔軟
であり、自分と他者に対して誠実であることについて自問し続けて欲しいと私は願います。
初期臨床研修の二年間は、あなたの人生の中でも大変濃密なドラマを刻む二年間です。東
京医療センターでの二年間は、「ともに考える」ドラマの二年間です。
当院の研修医について
この冊子を手にして下さった皆さん!まずは当院に興味をもっていただきありがとうございます。当院の研修医
は 1 学年 30 人の同期と共に日々研鑽しております。かくいう私も当院での研修まっただ中なわけですが、振り返
って見れば毎日が楽しく充実した日々でした。見学に来て頂ければわかることですが何と言っても当院の先生
達は、雰囲気がとても優しく、指導熱心、そして楽しく仲良く過ごしております。私も学生時代にはいくつもの病
院を見学しましたが、先生方が忙しい中嫌な顔ひとつせず指導して下さり、いろんな先生が話しかけて下さる環
境に驚きました。そんなところがこの病院での研修を選んだ理由のひとつになりました。
今皆さんは病院を選ぶにあたって様々なことが気になっていると思います。どんな教育環境なの?手技はできる
の?手術はできるの?給料は?宿舎は?・・・などなど
当院での研修はどの科においてもスタッフやレジデントにも恵まれ、非常に教育を受けやすい環境が整ってお
ります。もとろん人数が多い分、手技的な面では相対的にやれる量が減りはしますが、尐なくとも CV を挿入する
ことや挿管することなど指導医のもとで正しいやり方を教えてもらいながら経験することができます。
共に暮らしている同期達は時にライバルであり、時に・・・というか毎日の様に食事をしたり遊んだりと、常にお
互いを支え合うかけがえのない仲間になりました。
選ぶ基準は人それぞれだと思います。でも尐なくとも当院での研修は 2 年間でバランスの良い知識と技術を学
べ、後期研修に向けてしっかりとした土台を作ることができる内容になっていると思います。 研修医制度を導入
して 25 年以上の歴史がある当院において人が集まるようになった由縁も今ではよくわかります。
さて、抽象的な表現でつらつらと書いておりますが詳しいことは次ページ以降を御参照下さい。そして当院の
雰囲気というものを是非一度その肌で感じて頂ければと思います。
皆さんのことを当院研修医一同心よりお待ちしております。
研修医代表 中野 宏己
東京医療センターの概要
1.所在地及び環境
1)所在地
東京都目黒区東が丘2丁目5番1号
2)交通機関
○JR 山手線恵比寿駅下車、東急バス(用賀駅行き)にて東京医療センター前下車
(約25分、5.9㎞)
○JR 山手線渋谷駅下車、東急バス(田園調布行き)にて東京医療センター前下車
(約30分、㎞)
○JR 山手線渋谷駅下車田園都市線(中央林間行)にて駒沢大学駅下車、駒沢公園方向へ
(徒歩約10分)
○東急多摩川駅下車、多摩 01 東急バス(東京医療センター行・渋谷駅行)にて病院下車
(約30分、14.6㎞)
○東急自由が丘駅下車、自 02 東急バス(東京医療センター行)にて病院下車
(約10分、2㎞)
○東急都立大学駅下車、東急バス(都立大学駅北口)より東京医療センター行にて病院下
(約6分、1.6㎞)
3)環境
東京都の南西、目黒区の西高台に位置し、付近一帯は住宅地と病院西側にある約42万㎡の木々に包まれ
た都立駒沢オリンピック公園があり、環境に恵まれ交通に至便である。
2.沿革
昭和17年 9月
海軍軍医学校第二附属病院・海軍第一療品廠並びに財団法人東京海仁会
病院として創設
昭和20年12月
国立東京第二病院として発足
昭和21年
国立東京第二病院附属看護婦養成所開設
昭和43年
臨床研修病院に指定
昭和47年
レジデント教育研修実施病院
昭和50年
厚生省組織規程の一部改正により国立東京第二病院附属看護学校と改正
昭和51年
救命救急センター開設
昭和54年
地域医療研修センター開設 臨床研究部設置(感覚器疾患)
昭和62年
総合診療科設置
平成 7年10月
新病棟完成・移転
平成 7年11月
東京都エイズ診療協力病院(拠点病院)指定
平成 9年12月
管理棟移転(旧二病棟改修)東京都災害時後方医療施設指定
平成10年14月
改称 国立病院東京医療センター
国立病院東京医療センター付属東ヶ丘看護助産学校開設
平成10年12月
新外来診療棟完成・移転
平成12年 2月
病院機能評価受審
平成14年10月
通院治療センター開設
平成15年 1月
リハビリテーションセンター改築
平成15年10月
臨床研究センター(5部15室)開設
平成16年 4月
独立行政法人国立病院機構東京医療センターとなる
平成17年 3月
国立病院機構文献情報センター開設
平成20年 4月
東京都認定がん診療病院に認定
平成21年 2月
東京都認定脳卒中急性期医療機関に認定
平成22年 4月
東京医療保健大学東が丘看護学部・大学院当院敷地内に開校
平成22年 8月
地域医療支援病院に認定
平成24年 3月
附属東が丘看護助産学校閉校
平成24年 4月
地域がん診療連携拠点病院に指定
平成24年 5月
東京医療トレーニングセンター開設
3.特色及び運営方針
1)特色
総合診療、臨床研究、教育研修等の機能を有する「高度総合診療施設」であり、具体的には次のような
ものがある。
① 総合診療部門
総合内科及び救命救急センターが整備され、これに各専門診療科が設置されている。
② 政策的医療推進のための専門的医療部門
感覚器疾患の準ナショナルセンター、がん(造血器腫瘍などを含む)基幹診療施設、各疾患の専門医
療施設として位置づけられている。
③ 教育・研修部門及び臨床研究部門
臨床研修指定病院、レジデント教育研修実施病院、各専門学会認定施設、地域医療研修センター 、
東京医療トレーニングセンター(手術支援ロボット、腹腔鏡等研修施設)、臨床研究センター(5部15室)、
治験管理室が設置、運営されている。また、敷地内にて東京医療保健大学東が丘看護学部・同大学
院が運営されている。
2)基本理念及び運営方針
① 基本理念
「東京医療センターは、患者の皆様とともに健康を考える医療を実践します」
② 運営方針
1.良質で専門性の高い安全な医療を実施します。
2.十分な説明と同意のもとで安全の医療を提供します。
3.教育、研修、研究を推進し良き医療人の育成に努めます。
4.健全な経営に努め、地域に信頼される医療を推進します。
③ 政策医療について
・総合医療施設として、全国の拠点病院を目指す
・感覚器センターとして、全国の中心施設を目指す
・がん基幹施設として国立がん研究センターと連携し、関東信越ブロック12の国立病院
機構ネットワークを組み、高度先駆的医療を目指す
・長寿医療の基幹施設として長寿医療研究センターと連携し、高度先駆的医療を目指す
・政策医療分野の専門医療施設として、同分野の全国国立病院機構の病院と連携して専門医療を
提供する
・循環器疾患(心臓・脳)、腎疾患(透析)、内分泌・代謝疾患(糖尿病・甲状腺)、免疫異常疾患 (膠
原病・アレルギー・リウマチ)、血液・造血器疾患(骨髄移植・造血幹細植)、成育医療(周産期・小
児期・思春期医療)、精神疾患(摂食障害)、都(エイズ・災害)拠点病院としての充実を目指す
・地域医療研修センター活動により病診連携を深め、政策医療の成果を還元し地域医療に貢献す
る
4.規模
1)敷地及び建物
敷地面積
103,517㎡
敷地建面積
22,261㎡
建物延面積
96,893㎡
2)病床数
入院定床
医療法上の病床
780床
780床( 一般730床 精神50床 )
[東京医療センターの敷地]
※看護助産学校は現在東京保健医療大学
【診療科(33科)
】
内科(総合内科)
緩和ケア内科
産婦人科
リウマチ・膠原病内科
呼吸器内科
循環器内科
精神科
消化器内科
外科
腎臓内科
小児科
整形外科
内分泋内科
乳腺外科
脳神経外科
神経内科
形成外科
皮膚科
血液内科
心臓血管外科
眼科
放射線診断科
リハビリテーション科
耳鼻咽喉科
アレルギー科
呼吸器外科
麻酔科
泋尿器科
放射線治療科
消化器外科
救急科
歯科
歯科口腔外科
【指定医療】
保険医療機関
精神保健指定病院
母体保護法指定病院
第3次救急指定病院
労災保険指定病院
戦傷病者特別援護法指定病院
生活保護指定病院
公害指定病院
結核予防法指定病院
特定疾患治療研究事業医療給付
身体障害者福祉法指定
小児慢性疾患治療研究事業医療給付
更正医療指定病院
エイズ治療拠点病院
養育医療指定病院
東京都認定がん診療施設
育成医療指定病院
東京都肝臓専門医療機関指定病院
原子爆弾被爆者医療指定病院
骨髄移植(非血縁者間)認定施設
原子爆弾被爆者一般疾病医療取扱病院
【学会認定一覧】
日本核医学会
日本大腸肛門病学会
日本眼科学会
日本内科学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本脳神経外科学会
日本救急医学会
日本泋尿器科学会
日本形成外科学会
日本皮膚科学会
日本血液学会
日本病理学会
日本口腔外科学会
日本プライマリ・ケア連合学会
日本呼吸器学会
日本放射線腫瘍学会
日本産科婦人科学会
日本医学放射線学会
日本臨床細胞学会
日本麻酔科学会
日本循環器病学会
日本リウマチ学会
日本消化器病学会
日本リハビリテーション医学会
日本消化器外科学会
日本アレルギー学会
日本消化器内視鏡学会
日本胃癌学会
日本小児科学会
日本心血管インターベンション学会
日本神経学会
NST 稼動施設
日本整形外科学会
日本環境感染学会
日本感染症学会
日本がん治療認定機構認定研修施設
日本緩和医療学会研修施設
日本婦人科腫瘍学会
日本外科学会
婦人科悪性腫瘍科学療法研究機構
日本周産期・新生児医学会
(周産期母体・胎児専門医の暫定研修施設)
(周産期(新生児)専門医の暫定研修施設)
日本腎臓学会
心臓血管外科専門医認定機構
日本精神神経学会
日本総合病院精神医学会
日本透析医学会
日本乳癌学会
日本脳卒中学会
日本気管食道科学会
日本呼吸器外科学会
日本静脈経腸栄養学会
日本頭頸部外科学会
日本老年医学会
胸部・腹部ステントグラスト実施施
日本肝臓学会
日本臨床腫瘍学会
【医師数(24 年度)
】 常勤医 141 名
レジデント 99 名
研修医 59 名
【患者統計(23 年度)】 年間外来患者数:376,062 人(1541.2 人/日)
年間入院患者数:244,856 人(669.0 人/日)
病理解剖件数:53 件(剖検率 5.37%)
年間救急患者数:21,452 人(58.7 人/日)
救急車受け入れ:6,081 件(16.6 件/日)
救命センター入院患者数:1,792 人(4.9 人/日)
CPA 患者数:334 人(0.91 人/日)
【1日平均患者数・平均在院日数】
1日平均患
者数の状況
(人)
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
一般
667.0
679.3
660.8
662.1
646.9
636.8
精神
42.2
46.2
42.4
39.2
35.8
32.2
合計
709.2
703.2
701.3
682.7
669.0
725.5
18 年度
19 年度
20 年度
21 年度
22 年度
23 年度
平均在院日
一般
17.0
16.3
15.1
14.9
14.6
14.7
数の状況(日)
精神
64.5
64.5
76.7
78.7
84.3
57.7
合計
18.3
17.1
15.9
15.6
15.2
15.3
年間分娩件数:698 件(1.9 件/日)
→
内帝王切開:180 件(25.8%)
❑ 心血管造影検査数:398 件
❑ 急性心筋梗塞例数:118 例
❑ 経皮的冠血管形成術(PCI)
:207 件
初期臨床研修プログラム
【一般プログラムローテーション(23名)
】
1
内科(36週間)
総合内科、循環器科、消化器科、呼吸器科*(各6週間)
(*呼吸器科は呼吸器内科・呼吸器外科両者を含む)
神経内科、血液内科、腎臓・内分泋代謝・膠原病内科(各4週間)
→ 内科全体をまんべんなくたっぷり学べます。呼吸器科は内科外科いずれも同時に学びます。
2
外科(12週間)
一般外科(8週間)、脳神経外科・心臓血管外科(選択4週間)
→ 消化器外科だけでなく、心臓外科・脳外科、呼吸器外科も回れます。
3
救命救急センター(8週間)
→ 三次救急まで経験できます。
4
麻酔科(8週間)
5
小児医療(8週間)
→ 院内、成育医療研究センターどちらか選択(成育医療研究センターは人数に限り有)
小児救急も含めた充実のカリキュラムです。
6
産婦人科(4週間)
7
精神科(4週間)
8
地域医療(4週間、2年次)
目黒区医師会、玉川医師会、世田谷区医師会、小千谷市魚沼市医師会、国立病院機構東
埼玉病院、国立病院機構沼田病院、国立病院機構神奈川病院、国立病院機構旭川医療センター、
国立病院機構兵庫青野原病院
在宅医療・診療所・地域保健業務+結核・筋ジス・重症心身障害児
→ 豊富な選択肢で多角的に地域医療が経験できます。
9
放射線科(4週間)
→ CTスキャン、MRIなどの放射線診断が集中して学べます。
10 整形外科(4週間)
11
選択科目(4週間×2回
院内診療科または研修協力施設から選択)
【外科系プログラムローテーション(3名)
】
1
内科(32週間)
総合内科、呼吸器科(各6週間)循環器科、消化器科、神経内科、血液内科、
腎臓・内分・泋代謝・膠原病内科(各4週間)
→ 外科系でも基礎になる内科全体をまんべんなく学べます。
呼吸器科は内科・外科いずれも同時に学びます。
2
外科(24週間)
一般外科(16週間)
、脳神経外科、心臓血管外科(各4週間)
→ 外科系をゆったりとり、外科系志望の研修医にぴったりです
3
救命救急センター(8週間)
→ 一次救急から三次救急まですべてが経験できます。
4
麻酔科(8週間)
5
小児医療(院内4週間)
6
産婦人科(4週間)
7
精神科(4週間)
8
地域医療(4週間、2年次)
一般プログラムと同じ内容
→ 豊富な選択肢で多角的に地域医療が経験できます。
9
放射線科(4週間)
→ CTスキャン、MRIなどの放射線診断が集中して学べます
10 整形外科(4週間)
11
選択科目(4週間、2年次で院内診療科または研修協力病院から選択)
【その他】
オリエンテーション(最初の2週間)
夏季休暇(最大1週間、2年間で最大計2週間)
研修医発表会(2年間の研修期間の最終週)
→ 優秀な研修医数名に賞を授与して表彰します。
【小児医療プログラムローテーション(2名)
】
1
内科(30週間)
総合内科(6週間)、呼吸器科、循環器科、消化器科、神経内科、血液内科、腎臓・内分泋・
代謝・膠原病内科(各4週間)
→ 臨床の基礎となる内科全体をまんべんなく学べます。
呼吸器科は内科・外科いずれも同時に学びます。
2
外科(8週間)
一般外科(6週間)
、脳神経外科(2週間)
3
救命救急センター(8週間)
4
麻酔科(8週間)
5
小児医療(22週間)
→
当院小児科で10週間、成育医療研究センターで12週間と小児科診療を充分研修することが出来
ます。
6
産婦人科(4週間)
7
精神科(4週間)
8
地域医療(4週間、2年次)
一般プログラムと同じ内容
→ 豊富な選択肢で多角的に地域医療が経験できます。
9
放射線科(4週間)
→ CTスキャン、MRIなどの放射線診断が集中して学べます
10 整形外科(4週間)
11
選択科目(4週間、2年次で院内診療科または研修協力病院から選択)
【その他】
オリエンテーション(最初の2週間)
夏季休暇(最大1週間、2年間で最大計2週間)
研修医発表会(2年間の研修期間の最終週)
→ 優秀な研修医数名に賞を授与して表彰します。
【産科・婦人科医療プログラムローテーション(2名)
】
1
内科(30週間)
総合内科(6週間)、呼吸器科、循環器科、消化器科、神経内科、血液内科、腎臓・内分泋・
代謝・膠原病内科(各4週間)
→ 臨床の基礎となる内科全体をまんべんなく学べます。
2
外科(8週間)
一般外科(6週間)
、脳神経外科(2週間)
3
救命救急センター(8週間)
4
麻酔科(8週間)
5
小児医療 10週
院内、成育医療研究センターどちらか選択(成育医療研究センターは人数に限り有)
→ 小児救急も含めた充実のカリキュラムです。
6
産婦人科(16週間)
→ 産科領域、婦人科領域の臨床経験をともに充分得ることができます。
7
精神科(4週間)
8
地域医療(4週間、2年次)
一般プログラムと同じ内容
→ 豊富な選択肢で多角的に地域医療が経験できます。
9
放射線科(4週間)
→ CTスキャン、MRIなどの放射線診断が集中して学べます
10 整形外科(4週間)
11
選択科目(4週間、2年次で院内診療科または研修協力病院から選択)
【その他】
オリエンテーション(最初の1週間)
夏季休暇(最大1週間、2年間で最大計2週間)
研修医発表会(2年間の研修期間の最終週)
→ 優秀な研修医数名に賞を授与して表彰します。
*プログラムの定員は一般コース:23名
外科系コース:3名
小児医療コース:2名
産科・婦人科医療:2名
計30名
(2013 年度)
当院の特徴の一つである総合診療部(総合内科)を含めて診療科が多く、救命救急センター、NICU な
どの施設もある環境で、比較的短期間で各科をローテートしていくシステムになっているのが特徴です。
選択期間は比較的短いですが 1 週間卖位で自分の好きなようにプログラムを組むことができます。
平成25年度初期臨床研修プログラム週数一覧
(週数)
研修プログラム
一般
外科系
小児医療
産科・婦人科
総合内科
6
6
6
6
神経内科
4
4
4
4
呼吸器科
6
6
4
4
消化器科
6
4
4
4
循環器科
6
4
4
4
腎・内・膠原
4
4
4
4
血液内科
4
4
4
4
精神科
4
4
4
4
小児科
8
4
10
10
(成育医療研究センター)
(8)
0
12
(10)
外科
8
16
6
6
整形外科
4
4
4
4
心臓血管外科
4
4
0
0
脳神経外科
(4)
4
2
2
産婦人科
4
4
4
16
麻酔科
8
8
8
8
救命救急センター
8
8
8
8
放射線科
4
4
4
4
地域医療
4
4
4
4
選択科目
8
4
4
4
合計週数
100
100
100
100
【選択】
4×2
4
4
4
リハビリ
泋尿器科
皮膚科
眼科
耳鼻咽喉科
形成外科
臨床検査科
歯科口腔外科
がん診療・緩和
地域連携医療
感染管理・安全管理
実際の基本的業務内容
研修医はスタッフ、レジデントと一緒に患者さんを受け持ちます。入院時のアナムネ聴取、患者さんの
問題点の把握、カルテ作成をしながら上級医と相談の上で適切な検査・治療方針を決定します。検査や
処方、点滴などのオーダー、日々のカルテや退院時のサマリー作成も重要な仕事です。科によっては外
来初診を任される事もあります。点滴・胃管挿入・導尿・腹水穿刺・胸水穿刺・動脈採血・縫合結紮な
どの基本的な手技や、侵襲的な手技(気管挿管、中心静脈穿刺、腰椎穿刺、骨髄穿刺、胸腔ドレーン挿
入など)も経験しマスターしていきます。腹部エコー・心エコー・気管支鏡などの検査も行う機会があ
ります。カンファレンスでの症例プレゼンテーション、抄読会・勉強会などでの発表も行います。
もう一つの大事な仕事が当直業務です。当直には病棟当直と救急外来当直があり、1 年目はまず病棟当
直から始め、夏頃から救急外来を担当するようになります。病棟当直では病棟患者さんの点滴挿入、転
倒、急変などに対処するほか、救急外来から入院された患者さんの翌朝までの担当医となり上級医とと
もに治療方針を決定したり、3 次救急の初療の手伝いなどを行います。救急外来当直では研修医が1次
救急・2 次救急の初診を担当し、必ず全例上級医にコンサルトし方針を決めていきます。
各科の研修内容および当直業務に関して、以下に研修医の言葉で紹介させていただきます。
【消化器内科】
消化器科では、消化管出血、胆嚢・胆管炎、膵
炎、肝硬変、腸閉塞、炎症性腸疾患、悪性腫瘍
など、common disease を中心に幅広い疾患を
経験できます。実際の業務としては、一人のレ
ジデントの先生の下について、相談しながら一
緒に診断・治療をすすめていきます。First
call は研修医で、必ず自分で考える機会が与
えられるので、勉強になります。もちろんすぐ
に上級医の先生にコンサルトでき、レジデント
の先生をはじめ、スタッフの先生も優しく丁寧
に指導して下さるので、安心して診療に参加できます。手技の面では、模型を使って上部消化管内視鏡
の練習をさせてもらえたり、研修医同士で内視鏡をしたりと、やる気を出せばその分忚えて下さる先生
方ばかりです。毎週木曜日の新入院カンファレンスでは、一週間の新入院患者さんのプレゼンをします。
プレゼンをすることで、自分の理解が足りない部分がわかったり、その場で指摘して教えていただけた
りするので、大変勉強になります。スタッフ・レジデントの先生方の仲もよくとても居心地のいい科で
す。みんなでご飯を食べたり、コーヒーを飲みながら色々なことを教えてくださります。
「お腹が痛い」は救急外来でよく遭遇する主訴ですが、消化器科で common disease を多く経験するこ
とで、急性腹症の対忚に尐し自信が湧いてくると思います。
【外科】
当院外科では胃癌・大腸癌・膵癌から、
虫垂炎・鼠径ヘルニア・下肢静脈瘤など多
くの症例を幅広く診ることが出来ます。当
院は、規模の大きい病院ながら、全ての領
域を万遍なく、そして common な症例を中心
に診ることができます。また、標準的な手
術であればスタッフ指導のもと後期レジデ
ントがオペレーターを務めたり、研修医が
第一助手を務めることもあり、レジデン
ト・研修医にとって、外科手技を学ぶうえ
で恵まれた環境にあると言えます。外科コ
ースを選択すると、研修期間中に比較的簡
卖な手術のオペレーターを務めることもで
きます。
具体的な日々の過ごし方ですが、研修医は後期レジデントの先生について担当患者さんを診ていきま
す。担当患者の入院から手術、そして術後管理までレジデントの先生と協力しながら自主的に行ってい
きます。後期レジデントの先生とペアで動くので相談や質問もしやすく、多くの知識を吸収する機会に
恵まれています。もちろんレジデントだけでなくスタッフの先生も気さくな方が多く、雰囲気はとても
良いです。毎週抄読会や症例カンファレンスがあり、また毎月外科スタッフにより行われる縫合実習も
行われており、学ぶ環境には困りません。そして、日頃の疲れを癒す(?)飲み会も多く開催され、楽し
い毎日を送ることができます。
当院外科ローテートで学べることは外科領域にとどまりません。外科志望のみならず、内科系志望の
研修医も有意義な研修生活を送ることができます。
【総合内科】
総合内科の研修は大きく分けて、病棟研修、外来研修に分かれています。病棟研修はスタッフと、レ
ジデント(医師 3~5 年目)と研修医のチーム制で入院患者さんの診療を行います。患者さんの診断、
治療方針について毎日、チーム内でカンファレンスを行い適切な治療を学んでいきます。
総合内科の先生方はどなたも教育に熱心ですので、非常に多くの事を学ぶ事ができます。また、受け身
な研修というわけではなく、数々の疑問に対して、自分の意見を述べると、的確なアドバイス下さいま
す。一人で調べるだけでなく、相談できる環境があることから、飛躍的に各疾患の全体像を理解でき、
自分の実力となっていくと思います。
受け持つ疾患に関しては、基本的には、脳梗塞や肺炎、尿路感染、糖尿病、高血圧、心不全など Common
disease から症例報告例まで非常に多岐にわたります。
外来診療については、初診外来と二次救急を主に経験することが出来ます。初診外来は週に 3 回、交
代で研修医が外来で初診の診療を行います。1 つの症例をじっくり研修医が診察できる非常にいい機会
です。診察に当たっては必ずレジデントの先生がサポートしてくださり、必要な問診や検査、鑑別疾患
などについてアドバイスを下さります。診察の最後に自分でカルテをまとめて、レジデントの先生とデ
ィスカッションを行いその日の症例について深く理解することが出来ます。また、その症例については
夕方に他の研修医とスタッフの先生 1 名でカンファレンスを行います。これは、自分が実際に外来診療
に当たっていなかった場合にも非常に勉強になります。
二次救急は週 1~2 回程度、日中の救急車で運ばれてきた患者さんの初療を担当します。これも、レ
ジデント、スタッフの先生と共に行います。かなり重症な患者さんも中にはいるため、全身診察、救急
対忚の勉強になります。また、これはチームを離れて総合内科のレジデントやスタッフの先生と診療に
当たりますので、色々な先生方から幅広い知識を得る貴重な機会です。
また、総合内科のローテー
トの最後には自分が疑問に
思った事を EBM の形式で発表
します。これは
EBM の考え方、文献検索の方
法などを学ぶ良い機会とな
っています。
最後に総合内科の先生方
はどなたもフレンドリーで
とても雰囲気がよく、週に 1
回は食事会が開催され、忙し
くも楽しい研修生活を送れ
ると思います。
【小児科】
一般コースは 8 週間、小児コースは 22 週の研
修期間です。
一般コースは東京医療センターでの小児科 8
週間または成育医療センターでの 8 週間の研修
のどちらかを選べます。
(成育医療センターは研
修受け入れ可能な人数に限りがあります。)
小児コースは 22 週間の研修のうち、10 週間
は東京医療センター、12 週間は成育医療センタ
ーでの研修になります。
■ 東京医療センターでの研修
毎日朝 8 時半、夕 16 時からのカンファレンス、回診(新生児診察含む)を行っています。研修医は入
院を基本的にはローテートしている研修医の中で順番にとって担当になっていきます。一般小児だけで
なく、NICU の新生児も担当できるのは魅力の一つです。NICU では低出生体重児や呼吸窮迫症候群など、
産まれたときに何かしらの問題があり、24 時間体制で管理しなければならない新生児が入院します。ま
た、オンコール制度があり、研修医で順番に回して行きます。平日の夜中や休日に入院がある時や病棟
で問題が生じた時などに出動する形になります。
他の科に比べて特徴的と言えるのは夕方のカンファレンスが 16 時からと早めなので、プライベートな
時間が充実しているのが嬉しいところです!この時間で今まで出来なかった勉強をするのでも良し、小
児の勉強をするのでも良し、ほっと一息つくのも良しと、flexible に時間を使えます。
■ 成育医療研究センターでの研修
2012 年度今年度から希望者のみ(人数制限あり)ですが、成育医療センターでは 2 ヶ月間(小児科コー
スは+1 ヶ月間@救急外来:今後変更の可能性もあり?)総合診療部で研修をさせていただきます。喘
息、肺炎、胃腸炎、川崎病など common な疾患をもつ患者さんを、自分が主治医となって積極的に治療
を考えて、実際に行っていくことができます!その他に、小児の中でも珍しい疾患を目にする貴重な機
会にあふれています。レジデントの先生方を中心として、ほぼ毎日ランチレクチャーが開催され、勉強
する時間が十分にあります。病棟の先生方は教育的で、とても親切で、温かく迎え入れて下さいます。
若手のレジデントの先生方も大勢いらっしゃるので、色々と相談しやすく、雰囲気も明るく楽しく研修
することができるはずです。
【循環器内科】
▪
循環器内科 医療センターHP 参照!!
期間・体制:必修 6 週間、レジデント付き、研修医 1st call、30 分オンコール制(3 人以上いれば 2 人
で OK)
先生方:スタッフ 5 名、レジデント 5 名(予定)
、夜間は 365 日 CCU 当直がいます
行事:CAG・PCI 前カンファ(毎朝)、医長回診(週1回)、新入院カンファ(週1回)、エコーカンファ(毎
日) 、抄読会(週1回)、適宜レクチャー
研修医の仕事:病棟業務、カンファでのプレゼン、カテーテル検査、心筋シンチ
特徴:東京医療センターにて屈指の人気を誇るローテート科です。科の性質上急性期の症例が多く、研
修医にもその都度自分で考えることが求められ、実際に decision making を行う上級医の思考プロセス
も丁寧に教えてもらうことが出来ます。研修医は循環器科レジデントにつき診療に当たることになりま
すが、科全体に教育的な雰囲気があり、レジデントからもスタッフからも親切に指導してもらえます。
それだけに研修医としては受け身にならないことが肝心です。
最も特徴的なのは「30 分ルール」と呼ばれる
24 時間の on call 体制です。緊急 CAG・PCI 症例
が来院した場合は 30 分以内に院内に到着するこ
とが求められます。ローテート中は遠出が難しく
なりますが、緊急体制だけに研修医が参加できる
要素も多く、1 秒でも早い再潅流により患者の命、
予後を救うための戦力となります。当直帯では
Swan-Ganz カテーテルや temporary pacemaker の
挿入などを研修医が行うこともあります。機会を
逃さないためにも、事前から心構えておきましょ
う。
研修医が担当する入院症例は 10 人程度で、疾患・病態を踏まえながら診療にあたる程度の時間的な余
裕は十分にあります。症例としては急性心不全、心筋梗塞、肺塞栓、大動脈解離、不整脈、感染性心内
膜炎など幅広く経験することができ、利尿剤や循環作動薬などの使い方、心エコー、心電図、肺水腫の
胸部 X 線読影などは他科でも忚用が利くため、是非とも循環器科で習得しておきたい skill です。研修
医対象のクルズスも充実しています。
心臓に関わる他科の急変も循環器科が併診します。命に直結する臓器を専門とするだけに院内でも存在
感があり、それを実際に支えているのは循環器科レジデントです。
病棟が荒れ、科全体として忙しくなる時もありますが、そんな時は決まって飲みに行きます。忙しい時
ほど、飲みに出かけます。院内でも指折りのグルメな科で、美味しいお店にたくさん連れて行ってもら
えます。ローテートすれば実感して頂けると思いますが、忙しかった日ほど気分は格別ですよ。
【心臓血管外科】
体制:スタッフ 2 名、レジデント 1 名
手術:月、水(その他、緊急手術あり)
当院心臓外科では、CABG、弁置換術、大血管(大動脈瘤、解離など)、ペースメーカー植え込み術など幅
広い手術を行っており、心臓手術を間近で見るという今でしか出来ない大変貴重な経験になると思いま
す。また、卖なる見学だけでなく、教育的な雰囲気もあるため手術中に経験出来る手技も尐なくないで
す。病棟では入院患者全員を受け持ち、スタッフ、レジデント、研修医全員で話し合いながら方針を決
めていくため、術後管理や処置などたくさん学ぶことが出来ます。心臓外科の手術は手術の中でもかな
り特殊な部類だとは思いますが、とてもダイナミックで見ていて楽しいし、また患者さんが元気に退院
して行かれることも多く、いろんな意味で充実した時間を過ごせますよ。
【神経内科】
神経内科では 4 週間研修します。病棟の患者さんを
ローテート中の研修医で分担して担当します。スタ
ッフは 2 名で、レジデントは 2~3 名、患者数は 20
~30 人程度です。雰囲気は明るく、昼食は時間があ
えば科の先生方と食べます。疾患は脳梗塞、パーキ
ンソン病、髄膜炎などの common なものから、ミトコ
ンドリア脳筋症、多系統萎縮症、クロイツフェルト・
ヤコブ病、閉じ込め症候群のような稀な疾患まで診
ることができます。週に 2 回のカンファレンスを通
してスタッフの先生方と共に治療方針につき検討を
行いながら、病棟内での処方、栄養管理、全身状態管理、リハビリ処方また外来では筋電図検査の見学
ができます。そして週に一度、それぞれが興味を持ったテーマについての勉強会(パワポでの発表)が
あります。手技は腰椎穿刺、CV 挿入などがあります。人工呼吸器管理の方が多いので、その勉強にもな
ると思います。急性期の患者さんと慢性期の患者さん両方を診ることができるのも魅力のひとつ!
【脳神経外科】
当院の脳神経外科は外科コースで 4 週間、その他のコースで 2 週間ローテートします。現在スタッフ 3
名、レジデント 1 名が指導医として常にいます。扱う疾患はクモ膜下出血や脳出血といった急性期の疾
患から、脳梗塞や脳腫瘍、動静脈奇形まで多岐に渡ります。これらの疾患について診察、検査、手術、
術後管理と一貫して指導医と共に携わります。指導医の先生は皆、人間的な魅力に溢れ、研修や進路の
ことまで相談でき、優しくもしっかりと指導してくれます。症例によっては、中心静脈穿刺や腰椎穿刺
等の手技を経験する機会もあります。またアカデミックな面もあり、週に 1 回症例検討会があり、その
後の抄読会では研修医に論文発表の機会があります。緊急入院や長時間の手術もあり、夜遅くなること
もありますが、その分大きく病状が改善し退院していく患者さんもおり、充実した研修が必ずできる環
境だと感じています!
【血液内科】
血液内科の患者さんは全部で 50 人程度で、疾患としては AML、ALL、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、
骨髄異形成症候群などを取り扱っています。クリーンルームは 2 床あり、積極的に造血幹細胞移植も行
っています。血液内科はスタッフ 4 人、レジデント 3 人(2012 年度より)と人員も充実しています。
スケジュール:月曜日 8 時半~診療科カンファレンス
火曜日 8 時~新入院患者カンファレンス
10 時~医長による病棟総回診、18 時頃~病理カンファレンス
水曜日 17 時頃~移植カンファレンス
金曜日 8 時~抄読会
研修医の生活
血液内科での研修は合計 4 週間になります。レジデント、
スタッフの先生方とチームを組んで患者さんを 10~15
人程度担当し、病歴・治療経過を疾患別に勉強しながら
患者さんを把握します。時によってはレジデント、スタ
ッフの先生方と共に相談しながら今後の方針(検査・治
療 etc)を決定していきます。
病棟の仕事としては輸血のオーダーや点滴を取ったり
します。また、血液内科では手技が非常に多く、腰椎穿
刺、骨髄穿刺、CV 挿入、挿管、人工呼吸器操作などを行
うことができます。
血液疾患の特性上易感染性の患者さんが多く、発熱、急変などで病棟に呼ばれることも多いですが、そ
のような時には何を考えてどんな検査をしたらいいのか、抗生剤は何を使ったらいいのかなど、まずは
自分一人で考えて動かなければならないため非常に勉強になるし鍛えられます。もちろん、分からない
ことがあれば親切なレジデントやスタッフの先生方が助けてくれます。
血液内科の先生方は非常に教育熱心なので、質問に的確に答えてくれて色々なことを教えてください
ます。血液内科に特異的なものだけでなく、感染症や内科一般に関してもとても勉強になります。また、
勉強だけでなく定期的にご飯会が開催されたりと、先生方がとても優しく温かいので、研修医にとって
居心地のいい素敵な科です。
積極的に研修を行えば多くのことを学ぶことができ、4 週間という研修期間があっという間に過ぎて
しまう。血液内科はそんな科です。
【呼吸器科】
呼吸器科は呼吸器内科と呼吸器外科が一緒になって和気藹々としながらも呼吸器科特有の患者さん
の急変に日々追われ、ローテート科の中でも比較的忙しい部類に入るかと思います。
毎週月曜日は回診、術前カンファ、新入院カンファがあり、火曜日は退院カンファ、水曜日は外科カ
ンファが行われ、木曜日にはブロンコカンファがあります。疑問に思ったことは何でも質問できる雰囲
気ですので、とてもよい勉強の場になっています。細気管支、リンパ節の番号はしっかり頭に入れてお
かないと、お昼は食べられません。金曜夜にはアレルギー科の先生による勉強会があり、胸部レントゲ
ン写真の読み方などについてみっちりしごかれます。
朝は大体 7 時くらいから、血液ガス採取から始まります。一口に血ガスといっても動脈と静脈の血ガ
スがありますが、動脈から採血できるのは世の中広しと言えども私たち医師だけです。ということで、
約 1 時間ほどかけて 10 人程度の動脈採血を行い、そのデータを分析します。代謝性アシドーシスに呼
吸性の代償が働いているけど、それにしてはやや CO2 が溜まっているなって感じです。
呼吸器科では肺がん・気管支拡張症・過敏性肺臓
炎・気管支喘息などを主に診ています。呼吸器科を回
り終えると、血ガス採取・胸腔ドレーン挿入・胸腔穿
刺・気管支鏡等の手技が数例ずつ経験できます。手技
がある時は、レジデントの先生方が研修医全員に声を
かけてくださり、尐しでも手技を経験させようとする
雰囲気があります。
毎週火曜日夜は、レジデントの先生方との盛大なお
食事会が開催されます。
【腎・膠原病内科】
当院初期研修では腎臓・膠原病内科を同時期
に合計 4 週間ローテートします。患者数は合計
40 人前後となります。受持ち患者数は、その時
にローテートしている研修医で患者を割るこ
とになるので、13~20 人ぐらいとなります。正
直に言えば、手技が多く患者数も尐なくないの
で、忙しい研修となりますが、大変教育的な科
であり様々なカンファレンスおよびクルズス
が用意されていること、自分が主体となって考
えた治療方針をスタッフドクター・レジデント
と相談しやすい環境が整っており充実した研
修が送ることができます。
カンファは膠原病内科では毎日、腎臓・代謝内分泋科・膠原病内科 3 科合同のものが毎週火曜日に行
われ、同時に抄読会もあり研修医も必ず発表します。各スタッフの先生の専門分野のクルズスもあり、
糖尿病の管理やステロイドの使い方、輸液等、一般内科に必要な知識を学ぶことができます。
1 日の流れとしては、朝 8 時半から腎臓内科の透析があり、研修医でも毎日穿刺行います。その後、9
時過ぎから膠原病内科の回診があり、膠原病内科の患者さんを全員まわり変化がないかをチェックしま
す。その後は、各患者さんの治療方針などを上級医に確認したり、手技があれば適宜行ったりします。
手技としてはブラッドアクセス挿入、CV 挿入等を行います。腎生検・shunt 造設等も積極的に行われ
ています。透析は 5 床あり、新規透析導入患者が多いことも特徴です。
この科では仕事の後のお食事会も多く、仕事の話を抜きにしてお話できることも魅力の一つです。自
分の将来の進路についても気軽に相談できる、頼りになる先生方です。
さらに膠原病内科では、研修医にも積極的に学会発表の機会を与えてくださいます。多くは、担当患者
さんについての症例報告であり、症例提示の仕方から、文献的考察の方法、発表時のポイントなどを、
レジデントの先生はもちろん、副院長である医長の先生までもが夜遅くまで親身になって教えて下さい
ます。
【救命救急センター】
救命センターをローテートすると、救急車のサイレンにより早く反忚するようになり、救急車が行き着
く先で懸命に対忚している救命センターの医師やスタッフの姿が目に浮かぶようになります。
救命センターのメインは、24 時間 365 日受け入れている 3 次救急(通称 HOT)の対忚と、ICU での全身管
理です。心筋梗塞などの内科救急から交通事故などの外傷も受け入れており、HOT の初期治療にはロー
テータ全員であたります。
病床は、フロアー(ICU)6 床と重症個室(HCU)7 床の計 13 床があり、それぞれの病床をローテートしてい
る研修医、後期レジデントの先生、主治医であるスタッフの先生の 3 人体制で担当します。
「ICU の 1 分
は外科の 1 時間、内科の 1 日にあたる」と言われるように急性期の患者さんは病状がめまぐるしく変化
し、刻一刻と治療方針が決定していくため、すばやい病態把握が要求されます。また時間を選ばず次々
と救急車が到着し、初期治療に当たらなければならないため、1 人 1 人の治療方針を短時間で理解し、
決定することが必要です。重要な事項は上級医と相談して決定しますが、原則的に研修医が主体となっ
て診療に当たります。
平日は 8 時と 17 時にカンファレンスがあり、新入院患者・入院中患者のプレゼンテーションを担当の
研修医が行います。また、8 時 45 分からスタッフ全員での回診があり、そこでもショートプレゼンテー
ションを行います。プレゼンの機会が多いので、要点をまとめて的確に伝える能力を養うことが出来ま
す。一緒にローテートする研修医の人数により、週 1~3 回の当直があり、不眠不休で翌日に突入!な
どということも起こりえますが、皆で苦難を分かち合う経験は、皆さんの度量をいっそう大きなものと
してくれることでしょう。
受け持つ症例は、意識障害やクモ膜下出血、急性心筋梗塞、多発外傷、薬物中毒、重症敗血症、心肺停
止などさまざまです。他科との連携も多く、循環器科による心臓カテーテルや、脳神経外科による脳動
脈瘤コイリングなどに参加することもあります。外傷であれば整形外科や外科、形成外科に相談し、急
性膵炎などの腹部疾患であれば消化器科と協同で治療を行うなど、様々な科の急性期の対忚を学ぶこと
が出来ます。
挿管・中心静脈カテーテル挿入・A ライン・腹部エコーなどの手技は、基本的には上級医の監督の下で
研修医が行います。数をこなすので手技にも自信がつきます。
救命センターローテート前には ACLS または ICLS の取得が必須ですが、毎月院内で講習会が開かれてい
るので、とても取得しやすい環境にあります。BLS から ACLS への流れを実地に習得することができ、病
棟での急変にも対忚できるようになります。
救命センターでの研修が終わる頃には、強い心と、何科に進んでも要求される救命処置が体に染みつき
ます。救命センター研修が終われば怖いものなしです!
【整形外科】
当院の整形外科は、手・脊椎・股関節・膝など専門分野ごとにスタッフがいます。レジデントが担当
している患者を、疾患分野の専門スタッフがついて指導するので、レジデントはすべての分野を担当す
ることになります。研修医は指導医がつきますが、指導医の専門にかかわらずすべての分野を学べます。
主に指導医の手術に助手として入ることになりますが、その他希望の症例があれば診ることもできます
し、外来の見学や処置に入ることも可能です。かなり自由度の高い初期研修を行えるのが、当院整形外
科の特徴です。
研修医の主な仕事は、手術・病棟・外来です。その他抄読会での発表がローテート中に一度あり、主と
して論文を一つプレゼンテーションします。研修医の業務量はそれほど多くなく、外科系の割には落ち
着いた気持ちで研修に臨めるのではないでしょうか。
手術について。手術は出来るだけ入ることになります。スタッフとレジデントで行うことが多く、研修
医は 2 番目以降の助手として入ります。主目的は見学ですが、術操作を手伝ったり、器械だしを行った
り、切開縫合を行ったりと、結構手を動かす機会がたくさんあります。いろんな条件が合えば、術者と
して手術を行う経験をできるかもしれません。また、肉眼解剖を再確認するいい機会です。
病棟について。担当患者の診察と、病棟業務が研修医の仕事です。担当患者については、診察しカルテ
記載をすること、処方や指示を出したり処置の手伝いをすること、ファーストコールを受けて対忚する
ことなど、一般的なことをします。術後に状態が改善していき、理学所見もそれにつれて変化していく
ところを見ると、こちらもうれしくなりますよ。病棟業務は、病棟全体の点滴、採血、処方、処置など
を適宜行います。
外来について。外来では主に見学をし、処置があれば一緒に出来ることもあります。再診外来は、基本
的に専門分野の患者ばかりですので、初診を見学した方がおもしろいと思います。外来での処置は整復
法、ギブスの付け方、包帯の巻き方など、知っているようで意外と知らない知識とテクニックを再確認
できるので、役に立つと思います。オペの件数が多いとなかなか外来に参加できませんが、初療を学ぶ
一番の機会なので、がんばって足を運んだ方が良いと思います。運が良ければ縫合もさせてもらえます。
抄読会について。プレゼンテーションする論文は指導医と相談して自由に決めることができます。論文
の分野は指導医の専門でなくてもよく、また症例を基にしたプレゼンでもいいようです。プレゼン方法
も、口頭で説明、自作の資料を用意、プロジェクターで映して説明など、自由に選べます。せっかくな
のでプレゼン方法をいろいろ模索してみるのも、勉強になると思います。
最後に。整形外科では研修医がローテートしてきたら、食事会を開いてもらえます(自分はありません
でしたが…)
。それだけ研修医に楽しみながら整形外科を学んでもらいたいと考えているのです。楽し
いとか、業務量が尐ないとか、カルテは書かなくてもいいなどといった噂もありますが、やはり研修を
している身ですから、その辺りはけじめをつけて業務に当たってもらいたいと思います。内科に進む人
たちにとって、整形外科的疾患は今後見る機会がほとんど無く、いい経験になること間違いなしです。
外科系に進む人にとっては、手術操作や周術期管理、四肢の解剖などを思い出せるいい機会になるはず
です。
整形外科の説明については以上です。どれだけのことを研修から学べるかは自分の心がけ次第だと思う
ので、皆さんがんばってください。
【麻酔科】
東京医療センターでの麻酔科研修は、1 人 1 日 1~3 件程度手術を担当し、時に緊急手術の症例にも入り
ます。基本的には担当症例は研修医にすべて任せてもらえますが、1 症例につき上級医が 1 人必ずつく
形になっているので、1 対 1 でしっかり教えてもらうことができます。
主な業務は、自分が担当する手術の前日に術前回診へ行き、合併症や手術のリスクを評価しスタッフ
の先生方と翌日の麻酔方法の打ち合わせを行う→当日の術前に自分が使う手術室の麻酔器の準備をす
る→手術中は挿管・静脈ルートや動脈ルートの確保・胃管挿入などの手技や、麻薬の投与、バイタル管
理などレジデントやスタッフの先生方に指導を受けながら行う→術後回診に行き、麻酔後の合併症がな
いかをチェックする、というのが一連の流れです。
先生方はとても親切で、麻酔という専門性の高い分野において、丁寧にサポートし指導してください
ます。レジデントの先生方はもちろん、スタッフの先生方との距離もすごく近く感じる科だと思います。
麻酔科で得られる知識は、呼吸、循環などの全身管理に関わる内容なので、日々の中で学ぶことがた
くさんあり、またわからないことがあってもとても質問しやすい雰囲気です。気管内挿管や胃管挿入は
毎日行うので、麻酔科の研修を修了すると、病棟業務におけるさまざまな手技に自信を持って行うこと
ができるようになります。将来どの科に進んでも必要な知識や手技をどんどん実践させてもらえる、と
ても有意義な研修であると思います。
【産婦人科】
当院の産婦人科研修では産科と婦人科の両方を一般コー
スなら 4 週間、産婦人科コースなら 12 週間かけて学びま
す。産科は、通常の妊娠からハイリスク妊娠まで幅広く
周産期を扱っています。婦人科も、子宮頸がん、子宮体
がん、卵巣がんなどの各種悪性疾患の手術・化学療法か
ら、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性疾患の手術、内視鏡
手術、ホルモン療法まで幅広く対忚しています。このよ
うに 4 週間(ないし 12 週間)産科、婦人科両科にわたった
様々なアプローチを学ぶことができます。
産婦人科研修医の仕事場所は 3 つ。病棟、手術室それに分娩室です。
病棟では一人のレジデントの先生につき、産科婦人科両方の患者さんを担当します。担当患者さんの状
態把握とカルテ記載、カンファレンスや医長回診の担当患者さんのプレゼンテーション、ルート確保、
病棟管理の薬の処方など基本的な病棟業務は他科と同じですが、産婦人科特有の薬やカルテ記載内容が
あり、ひと味違った診療内容/手技に刺激を受ける毎日です。また、レジデントの先生と一緒に担当患
者さんに腹部エコーをあてたり、内診や経膣エコーをやらせて頂けることもあります。
手術室において研修医は主に第 2 助手につき執刀医の先生のサポートを行います。上記様々な疾患を取
り扱うため手術数が多く、必然的に外科手技ができる機会を数多く得ることができます。その他、研修
医オンコールがあり、緊急の帝王切開などで人手が必要な場合、その日の担当研修医が呼ばれます。
分娩室では助産師さんと協力して経腟分娩の介助、処置を行います。赤ちゃんを産んでほっとしたお母
さんの笑顔と、その横で元気に泣いている赤ちゃんを見ると、疲れも眠気も吹っ飛びます。
このように産婦人科研修医が活躍できる場は多いですが、それだけに上の先生の仕事の後追いではなく、
自ら考え診療方針の決定に参加することが求められます。わからないことはスタッフやレジデントの先
生方が熱心にレクチャーやフィードバックしてくださるので、医師として日々成長できる環境にあると
思います。
産婦人科は学生の頃の実習ではあまり深く関われなかった人がほとんどではないでしょうか。また、他
院の研修プログラムによっては産婦人科を選択しないことも多いかもしれません。学生としてではなく
初期研修医として、将来専門とする分野に関わらず、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につけ
る上で産婦人科を学ぶ機会があるのは大変貴重な経験だと思います。
【精神科】
当病院の精神科病棟は、21 時から 6 時ま
で閉錠されますが、開放病棟です。保護
室は 2 部屋。
他の病棟と違い、大きなセンターテーブ
ルがあり、そこで患者さんたちは会話や
食事やレクレーションをします。
研修内容は、患者さんを上級医と担当す
るほか、ECT、初診、他科依頼についてい
くことができます。
当病院の精神科の特徴は、総合病院の中
の精神科ゆえにリエゾンや緩和ケアが多
いことです。他の診療科をローテートしていても精神科疾患に遭遇する頻度はとても高く、中でも病棟
で必ずといっていいほど遭遇する認知症やせん妄への対忚に関しては非常に勉強になります。
研修期間の最後にある医長との振り返りでは、精神科疾患や治療薬に関してのとてもわかりやすいクル
ズスがあり、大変勉強になります。
また、卖科の病院と違って、疾患もバラエティに富んでおり、さらに急性期が多いため、診断・治療を
学ぶにはもってこいの環境です。外来→入院を上級医とともに一貫してみられるのも利点の一つです。
精神科の独特の世界をぜひ楽しんでください。
【放射線科】
放射線科はいずれのコースも一ヶ月間ローテートします。
日常業務としては読影室にてその日に撮影された CT 画像を中心に読影を行い、放射線科医の視点か
ら診断に関わります。また、病棟では放射線治療中の患者を担当させていただき治療に関わります。
一ヶ月間おもに読影がメインとなりますが、読影はまず研修医が一次読影を行い、そのレポートを元
に上の先生方が二次読影で修正を加えてくれます。また毎朝レジデントの先生方によるフィードバック
の時間が設けられており、その日わからなかったことをまとめておいて翌日質問することもできます。
ちなみに読影室は 2012 年よりリニューアルされて研修医にも専用のブースが与えられ、さらに恵まれ
た環境で読影に集中できるようになりました。
放射線科の先生方は教育的でささいな疑問にもその場で教えていただけるため、とても勉強になった
一ヶ月間でした。
画像の読影はどの科にいっても必要なスキルです。ここで学んだことはその後他科に進んでも確実に
自分の力になっていることを実感することができるでしょう。
【眼科(選択)
】
眼科は、スタッフやレジデントの先生が数多くいら
っしゃり、対象疾患も幅広く手術件数や外来患者数
も非常に多いです。また大学病院に引けをとらない
設備を備えています。レジデントの先生は当院で初
期研修を行った先生方も数人いらっしゃいます。残
念ながら必修での眼科ローテーションはないので、
選択期間に選ぶ形となります。選択期間によって個
人個人の要望に忚じたカリキュラムを作ってくれ
るので自分の望む充実した研修が出来ます。眼科の
診察はほとんどの研修医が初めてだとは思います
が、先生方が皆親切で本当に丁寧に教えて下さるので、誰もが楽しく研修が出来ると思います。
眼科の予定としては、毎朝入院患者さんの診察から始まり日中は外来、検査、手術、病棟患者さんの
診察を主に行います。眼科の手術室ではオペレーターの顕微鏡画像を 3D 映像で見ることができ、手術
の助手に入ったときにはワイヤレスマイクとイヤホンを使用し、眼科医長から直接指導をしてもらえま
す。もちろん日常の診察も機械の使い方から、実際の診察まで丁寧に指導してくださいます。また研修
する日時にもよりますが豚の眼で白内障の手術を一通り実際にやらせてもらえることもあり、レジデン
トや医長の先生がつきっきりで教えてくださり本当に優しい先生方が多い科だなと思いました。
将来眼科にすすまなくとも非常に貴重な経験となると思います。是非、選択期間で眼科を選択すること
をお勧めします。当院眼科専用のホームページもあるので参考にすると良いと思います。
【耳鼻咽喉科(選択)
】
選択期間でローテーション可能です。朝、診察室で入院患者さんの診察を見学した後、外来見学または
手術見学となります(希望があれば病棟も担当させてもらえます)。初診外来では扁桃炎・中耳炎・副
鼻腔炎などの感染症の診察や、めまい・難聴・嗄声の鑑別、鼻出血への初期治療など、common disease
含めて幅広く診ることができます。先生方はとても親切で、ちょっとした疑問にも快く解説してくださ
り、とても勉強になります。しかも、実際に耳鏡や喉頭ファイバースコープ、Frenzel 眼鏡を用いて、
患者さんの診察をさせていただける貴重な機会もあります。実は救急外来や病棟で耳鼻咽喉科の領域に
直面することは多く、だからこそローテーションを希望する研修医は多いです。一方、手術日には、扁
桃腺摘出や声帯結節切除、悪性腫瘍摘出、人工内耳埋め込みなど、幅広い領域の手術を見学することが
できます。手技も特殊で、面白いですよ!
【皮膚科(選択)
】
皮膚科は研修期間の中で必修では無いので選択期間で研修を行う形となります。しかし、どこの科へ行
っても皮膚疾患に触れる機会は多い為、患者さんの状態に対忚出来るようになっておきたいという考え
から、研修医の中では人気の研修科であると思います。選択期間によって個人個人の要望に忚じ、カリ
キュラムを作ってくれるので短い期間でも充実した研修が行えます。
研修内容は毎朝の病棟回診と午前中は主に外来で診療を見学します。診療の中で、軟膏の使い方や治
療の行い方など先生方が細かく教えてくれます。実際に皮膚検体を鏡検したり、皮膚生検なども指導の
下、経験できます。午後は主に病棟業務を行い、割り当てられ患者さんの治療・処置なども指導医と相
談し決めていきます。夕方からその日に来た外来患者さんの振り返り・病棟患者さんの回診・処置を行
います。
科の雰囲気はアットホームで、指導熱心なので、誰もが楽しく研修を行えると思います。どの科を志
望するにしても自分の担当患者さんの皮膚トラブルにすぐに対忚出来るように研修期間の中で皮膚科
を選択することをお勧めします。
【形成外科(選択)
】
当院の形成外科では外傷、熱傷、難治性潰瘍、瘢痕・ケロイド、皮膚腫瘍、表在性の先天異常、眼瞼下
垂、顔面神経麻痺、悪性腫瘍切除後の再建など幅広く多岐にわたっています。また、マイクロサージャ
リー、皮弁手術、組織移植術などの技術を生かして外科系他科の手術治療にチームとして参加したり、
皮膚科医、看護師、栄養士、理学療法士と協力して「傷を早くきれいに治す」ことを目標に診察・治療
を行っています。
残念ながら必修での形成外科ローテーションはないので、選択期間に選ぶ形となります。基本的な 1 週
間の流れは、午前中は外来、週に 2 日外来手術、週1日全身麻酔下手術となっています。手術は「傷を
きれいに治す」という他科の手術とはまた違う視点で縫合のコツを教えてくださったり、糸結びやハサ
ミの使い方を教えて下さったりします。外来中や手術中でも先生方が一つ一つ優しく丁寧に指導して下
さいます。学生の時とは違い実際に手術に参加すると今までわからなかった楽しさを実感できるので、
将来形成外科にすすむと考えていなくても非常に貴重な経験となると思います。また外科系にすすもう
と考えている人は是非選択期間で形成外科を選択することをおすすめします。
【リハビリテーション科(選択)】
選択期間でローテーション可能です。リハビリ科の魅力は、なんといっても優しくて熱心な先生方で
す!様々な分野を見学できるようにスケジュールを組んでくださいます。もちろん、○○を見学したい、
といった希望も出来る限り聞いていただけます。まず午前中はリハビリ依頼のあった患者さんの診察・
リハビリ処方を先生と一緒に行います。患者さんの状態を把握し、そして到達目標やリハビリ条件の設
定、そしてリハビリ内容をオーダーします。一人一人の患者さんに最適のリハビリを考える機会をいた
だき、ただ漠然とリハビリ依頼を行っていた自分から、格段に成長できます!午後は、実際に PT さん・
OT さんについて理学・作業療法の見学や、先生方の行う検査のお手伝いをします。担当した患者さんが
日々尐しずつ動けるようになっていく様子を見るのも感動しますし、造影剤や内視鏡を用いた嚥下評価
に参加することで嚥下障害や食事のオーダーにも強くなれます。先生方の貴重な講義も多く、とても勉
強になります!他にも神経伝導検査・針筋電図を実際に行ったり、高次機能検査の見学をしたり、装具
を実際につけたりなど盛りだくさん!かなり充実した毎日を過ごせます。リハビリは将来どの科に進ん
でも関わってきます。研修医のうちにぜひ診ておきたい分野ですよね☆
【緩和ケアチーム(選択)
】
研修期間の中で緩和医療を学ぶ機会は尐ないと思いますが、当院には多職種による緩和ケアチームがあ
ります。基本は主科からの依頼により併診という形で患者さんを受け持ちます。緩和ケア医・精神科医・
薬剤師・看護師・臨床心理士でチームは構成されており、多方面から患者さんの痛みや不安を評価し、
適した緩和方法を話し合います。
午前中は主に担当患者さん全員分の回診です。患者さんの数も多く、回診は午前中いっぱいかかるこ
とが多いです。回診中にもチームで今後の方針について話し合いながら患者さんの状態を評価していき
ます。午後は緩和外来の見学あるいは指導医のクルズスです。緩和医療の中でも自分が興味を持つ分野
のクルズスを 1 対 1 対忚で行うので大変勉強になります。
医師の目線に関わらず、他職種の方と話す中で異なった視点から患者さんを評価する経験が出来、充
実した研修が送れます。
【地域医療研修】
プライマリ・ケア領域の基本的診療能力をもった医師を目指す上では、身体診察や検査、薬物治療、
外科的手技などの診療技術と共に、患者さんの生活背景や社会背景を理解した診療や、患者さんとの家
族との関係、患者さんが住む地域の特性も踏まえた上でのケアに対するしっかりとした考え方や知識が
必要となってきています。また、医療が、健康増進や疾病予防、もしくは介護や様々な社会保障とどの
ような関係の中で行われているかについてしっかりと学習する必要があるでしょう。当院の地域医療研
修では、近隣の地域における診療所や保険・福祉施設での充実した研修を行うことが出来るほか、在宅
診療を活発に行っている NHO 東埼玉病院、地域と医療との深いつながりを経験できる小千谷市魚沼市医
師会、緩和医療も体験できる NHO 神奈川病院など、幅広い選択肢をもった地域医療研修を行うことがで
きます。平成22年からは、診療バスでへき地回診診療を行っている NHO 沼田病院にも協力施設となっ
ていただき、地域医療研修をさらに充実させました。さらに平成24年度からは旭川医療センター、兵
庫青野原病院にも参加いただき研修内容についても、当院教育研修部と、各協力施設の責任者の方々が
定期的に情報交換をしながら、よりよいものにするための工夫を続けています。
研修協力施設(群)
研修期間
世田谷区医師会
4週
目黒区医師会
4週
玉川医師会
4週
小千谷市・魚沼市医師会
4週
国立病院機構神奈川病院
4週
国立病院機構東埼玉病院
4週
国立病院機構沼田病院
4週
国立病院機構旭川医療センター
4週
国立病院機構兵庫青野原病院
4週
【研修医当直】
研修医の当直には、以下の内科研修医当直、外科研修医当直、救急外来当直の 3 種類があります。
1 年目はいずれの当直もありますが、2 年目になると救急外来当直がメインとなります。当直回数は、1・
2 年目ともに月平均 4 回程度です。2012 年度秋よりコールフリー制度といって、当直の翌日の 12 時~
22 時までは原則的に PHS の電源を切って完全に休養できるシステムとなっており、次の日の事を気にせ
ずに当直業務に集中できる環境になっています。
(※救急外来当直は時間帯によってはコールフリーとなりませんが最低でも 6 時間程度の睡眠はとれま
す。なおコールフリー制度は開始されて間もない段階であり回っている診療科の都合によっては 12 時
を過ぎる場合もありますが基本的には早めに帰れます。
)
各当直の業務に関しては以下の通りです。
【内科研修医当直】
当直時間帯は平日:17:15~8:30、土日祝日は 8:30~翌 8:30 です。
内研の仕事は主に 3 つ、ローテートしている科に関係なく行うので、内科系の疾患を幅広く見られる
チャンスです。
① 当直帯の入院患者さんの診察、指示出し、処方
内科の入院患者さんは平日 2~6 人、休日は 5~10 人です。内科当直や救外の先生が PHS に電話をかけ
てきます。
「入院です。○○で××(既往、病歴などをさらっと言われる)××の△歳男性。」と言われ
たら、入院先の病棟まで行って病歴聴取、診察を行います。内科当直の先生と落ち合って入院時の指示
出し、処方などもします。当直帯は自分がファーストコールです、様々な入院患者の初期対忚に触れら
れるのでとても勉強になりますよ。
② 病棟患者さんの転倒、急変等の対忚
病棟患者さんは突然急変することも多いです。突然の心肺停止、胸痛や呼吸苦、SpO2 の低下、ベッドか
ら転倒して血だらけになってしまった患者さんもいました。まずは研修医が見に行って対忚します。時
間的に余裕がある状態なら、話を聞いて、診察した後は自分で assessment と plan を立てて、当直の先
生にコンサルトします。なにしろ急変なのでヒヤッとする場面が多いですが、とっさの対忚能力が問わ
れるので、事件が起こるたびに経験値はうなぎのぼりで自信がついていくと思います。
③ 点滴末梢の入れ替え(通称ルート)
看護師さんでは手に負えない、A 病棟の入院患者の点滴挿入もお仕事の一つです。一年目の最初の頃は
慣れずに大変ですが、鍛えられて後半には得意になりますよ。患者さんとの出会いは一期一会ですが、
スパっと難しい人を決めると名前を覚えて貰えたり、突然廊下で声を掛けられたりしたこともありまし
たよ。感染症には注意しましょう。
【外科研修医当直】
病棟当直であり、主にB病棟の患者さんを守ります。時間帯は内研と同じです。
具体的な業務としては HOT 対忚、緊急手術、転院搬送、病棟急変、点滴(ルート)です。
①
3 次救急(救命センター)のお手伝い(HOT)
救急救命センターの研修医から PHS に電話がまず入ります。
「○分後に HOT が来ます。」この言葉を聞い
たら 4 階の救命救急センターまでダッシュ!!何をしていても放り出して行きます。HOT は心肺停止、
溺水、窒息などで運ばれてくる 3 次救急の患者さんの初療で、ひたすら心臓マッサージ、動脈血採血な
どが仕事です。個人的に印象的だったのはクモ膜下出血の疑いがある患者さんの CT をとったら国試の
写真みたいな出血があったり、ひたすら心マし続けていたら窒息で心肺停止だった人が蘇生した事です。
救命センターのローテートをする前でも 3 次救急を体感できるので、とっても勉強になりますよ。
②
緊急で外科の手術が入った場合は、外科研の出番です。当該科ローテート研修医が対忚する場合も
あり、毎回入るわけではありませんが緊急手術で学ぶ大きな機会です。
その他の仕事は内研とほぼ同様です。B 病棟で転倒や急変があった際には外科研が first call です。最
終的には内科当直に call して判断を仰げるため心強いですが、基本的には自分で診察して状態を診る
ので、緊急性のある状況に対忚できるようになります。胸痛の患者さんで、明け方 call があり、検査
の結果大動脈解離が発見され緊急手術になった症例がありました。一刻争う疾患ですので、自分一人の
力で問診を取り疾患を疑うことができた時には自信がつきます。当直の度にたくさんの経験をすること
で、その経験を 2 年目の救急外来当直にも生かすことができ、将来的にも自分の財産になるでしょう。
その他、当直の先生方の大事な活力源であるお弁当を注文し、お代を集めます。最後に救外カンファ
室の簡卖な掃除をして終了となります。
個人的には、研修が進んでくると多くの病棟の看護師さん達と親しくなるので、呼ばれると懐かしさ
を感じたり、以前受け持っていた患者さんとも再会できる点も良いと思っています。
始めは勝手が分からなくても同期が寮に住んでいるので、お互い助け合うとより早く業務に慣れるこ
とが出来ます。協力しあっていくといいですよ。
【救急外来当直】
救急外来当直(略して救外当直といいます)の研修医は夜間・休日に救急外来を訪れる患者を上級医
と共に診察します。独歩で訪れる 1 次救急患者、救急車で訪れる 2 次救急患者が対象であり、基本的に
は診療科に関わらず(小児科は除く)研修医が原則来院順に患者を診ることになっています。当直する
研修医の人数は、平日の準夜帯・休日の日中は 3 人、夜中の時間帯は平日・休日ともに 1 人です。1 年
目の夏より 2 年目当直医のもとで見習いを行い、秋には救外デビューを果たします。
(2013 年度より救
外デビューは夏前になる予定なのでさらに経験がつめます。
)
救外当直は日頃病棟で行っている診療とは異なります。患者が来院したら問診と診察を行い、鑑別疾
患を頭に思い浮かべながら検査をオーダーします。最終的な判断は上級医が行いますが、検査のオーダ
ーまでは研修医に任せられていることが多いため、自分であれこれ考えながら進めていくことができま
す。診察後は上級医に判断を仰ぎ、入院適忚があるのか、帰宅可能ならば処方薬はどうするのか、など
を上級医と一緒に考えます。
まだ救外当直に慣れない 1 年目の頃は、症状から鑑別診断が思い浮かばず、その患者に合った問診や
診察ができないこともしばしばありました。救外は大変混むので、やみくもにいろいろなことを聞く余
裕はありません。その患者に緊急性があるかどうか、入院適忚があるかどうかが重要であり、病棟の患
者以上に問診や診察の技能が問われます。また、夜間・休日のため、救外では限られた検査しか行えま
せん。その限られた検査を用い、緊急性のある疾患をまずは除外します。
例えば、嘔吐下痢を繰り返している患者に対して、その性状や回数を聞くだけでなく、水分摂取が可
能かどうかを聞くことは不可欠です。もし、水分摂取ができていない患者ならば、入院して点滴を行う
必要があるからです。このように、救外では帰宅できるかどうかを見極めることが重要となってきます。
救外には様々な患者が訪れます。軽症の風邪もいれば、重症の心筋梗塞や脳出血もいます。救外当直
は毎回とても勉強になって、やりがいがあります!!
よくある質問とその回答
「研修医の出身大学はどんなところが多いですか?」
北は北海道から单は沖縄まで様々。国公立大学と私立大学の割合は半分ずつくらいです。出身大学が採
用に影響することはありません。ここ数年の研修医の出身大学は以下の通りです。
何よりもその特徴は研修医みんなの仲が最高にイイ事!!!
2005:千葉3、横市3、慶應3、日医2、長崎2、宮崎2、北大1、昭和1、東海1、女子医1、岐阜
1、慈恵1、順天堂1、富山医科薬科1、鹿児島1
2006:慶忚6、日医2、女子医2、岩手医1、東北1、群馬1、独協1、千葉2、東医1、順天1、日
大1、山梨1、金沢1、京府医1、和歌山1、長崎1、宮崎1
2007:千葉3、日医3、筑波2、慶應2、慈恵2、順天堂2、東北1、福島1、横市1、信州1、和歌
山1、三重1、香川1、宮崎1、佐賀1、東医1、女子医1、昭和1、川崎医科1
2008:慶忚4、千葉3、慈恵2、医科歯科2、東医2、東海2、群馬1、東大1、佐賀1、和歌山1、
滋賀1、宮崎1、杏林1、東邦1、京都1、金沢1、女子医1、久留米1、昭和1、聖マリ1
2009:慈恵5、筑波2、千葉3、女子医2、鹿児島2、福島県立1、医科歯科1、信州1、東京医1、
慶應2、島根1、日大1、広島1、北里1、札幌医1、京都1、九州1、京都府立1
2010:順天堂2、昭和2、東邦2、杏林1、北里1、日医1、日大2、女子医2、慈恵1、帝京1
東海1、千葉1、岐阜1、筑波1、金沢1、福井2、弘前1、熊本1、大分1、鹿児島1、琉球1
東医1
2011:東医5、千葉4、日医3、日大2、大阪市立2、旭川2、大分2、慶忚1、昭和1、北大1、
東海1、浜松1、鹿児島1、熊本1、女子医1、東邦1、京都府立1
2012:群馬4、慶忚3、昭和3、千葉3、日医3、岡山1、鹿児島1、北里1、金沢1、京都1、滋賀
1、慈恵1、女子医1、信州1、聖マ1、東海1、新潟1、広島1
「研修終了後の進路はどういったパターンが多いですか?」
人それぞれですが、当院で後期研修、他院で後期研修、出身大学に入局、慶忚大学に入局、出身とも慶
忚とも別の大学に入局などのパターンがあります。
2013 年は半分近く残ります。これも医療センター愛の賜物!?
「現在の研修医が、東京医療センターを選んだ主な理由を教えて下さい。
」
・ 見学で見た際に雰囲気がよかった
・ 研修医ローテーションを昔からやっており、教育体制がしっかりしている
・ 総合診療部、救命センターはじめローテーションできる科が充実している
・ 研修医が多く研修医の安全が確保されている
・ 論文や文献検索できる環境がそろっている
・ スタッフの先生がやさしく、教育熱心
・ 優秀な人が多い
・ Common disease を学べる
・ 寮完備、駐車場あり
・ 立地条件が良い
・ 自宅に近い
「東京医療センターを選んで良かったと思えることは何ですか?」
・ 優秀な同期が多く刺激になり、また同期の仲が良く楽しい
・ 当直で忙しい時やうまくいかない時に同期の PHS に電話をすると、当直じゃなくてもすぐに寮から
来て助けてくれる。
・ 上級医が教育的で、バックアップの下で研修医に色々経験させてくれる
・ 救急外来当直で上級医の指導の下に研修できる
・ 研修医が 24 時間オンコールで大変だけれども
勉強になる
・ 立地、環境が良い
・ 勉強会・クルズスが多い
・ 海外・国内の研修に参加する機会がある
・ 図書館の論文検索システムが充実している
・ 看護師さんが優しい、キレイ
「研修プログラムに関して、良くないと思う点、改善を望む点はありますか?」
・ 回る科の人数にばらつきが多い.忙しい科を尐人数で回るとキツ過ぎる
・ 内科がすべて回れない
・ 研修期間が短い科が多い
・ 選択期間が 4~8 週間と短い
・ 病棟当直で点滴の差し替えが多すぎる
・ 研修医が多いため手技が尐ない
「研修中の悩みは何ですか?」
・ どこまで自分で判断してよいかが分からない
・ 選択科・進路
・ 志望科に関連のない科でのモチベーションの維持
・ 研修医の机がなく本など置く場所がない
・ 土地柄的に周囲に誘惑が多い
・ 楽しすぎる
「良い研修をするには何が大切だと考えていますか?」
・ 情熱と向上心
・ 長期的な目標と短期的な目標を具体的にしっかりと持つ
・ チームワーク
・ めりはりをつける(休めるときはしっかり休む)
・ 相談でき、共に学べる先輩・同僚・後輩を持つこと
・ 教育熱心なスタッフがいること
・ 自分の限界を知っていること
・ 考える習慣をつけること
・ 適度な忙しさと健康管理
・ 常に自分がやっていることが妥当かどうかを問いかける気持ち
「研修医の意見を反映する場はありますか?」
もちろんあります。月 1 度の研修医連絡会では、医長クラスのスタッフドクターが参加して研修医の当
直での疑問や、研修に対する様々な要望を聞く場が設けられております。実際この場を通して意見が採
り入れられることもあります。また普段忙しくてなかなか集まれない研修医達が一堂に会するため、仲
間に会える癒しの場でもあります。
「地域医療研修について教えてください」
2 年目に 4 週間の地域選択の期間があり、新潟(魚沼、小千谷)医
師会・目黒医師会・世田谷医師会・玉川医師会・神奈川病院・東埼
玉病院・沼田病院・旭川医療センター、兵庫青野原病院にて地域医
療研修を行います。施設によって内容はさまざまですが、当院のよ
うな大病院にいるとなかなか見られない地域の外来や往診、訪問看
護、デイケア、保健所、結核病棟、重症心身障害者医療などを体験
する事ができます。一生に一度の貴重な 1 ヶ月、人生動かすような
経験も。
ちなみに、新潟には夏に大きな花火大会が2つあります。日本三大
花火大会に数えられる長岡花火(8月)、世界最大四尺玉を打ち上げ
る片貝花火(9月)に参加できる事も貴重な体験かもしれません。
「研修修了発表会について教えてください」
毎年 3 月末、2 年目の研修医にとっての研修修了を告げる最後のイベントです。2013 年からプロジェク
ト型カリキュラムというものが始動します。研修医数名のグループ卖位で各自が企画を設定し、2 年間
の活動内容を発表する場になります。自由度も高いため、2 年間かけて集大成となるような発表をしま
しょう。その夜は 2 年目研修医の送別会が開催されます。
「恋愛、結婚、女性医師について教えてください」
これは特に女性にとって大切な問題ですね。まず当院の 1/3 は女性医師です。その中でも結婚して働い
ている先生方もたくさんいらっしゃいますし、研修医の同期でもカップルが数組はできるようです。結
婚したり、子供を育てながら働いている女性医師たちがたくさんいるため、女性には大変心強いと思い
ます。2010 年採用研修医は、1 学年に 5 カップル近くいるみたい。いずれも現在進行形でお熱い状態で
す。NTMC 婚もたくさんあります。
「休みはありますか?」
科によっては土日も全て出勤する科もありますが、麻酔科や地域医療では土日は休めます。土日は持ち
患者を自由な時間に診察しに行って良い科が多く自由時間はいくらでも作れます。ただ特徴的な科、例
えば救命救急センターなどでは睡眠が不定期なことが多いです。夏休みは 1 週間もらえ、GW も休みをく
れる科は多く、科によってはお正月休みをしっかり確保してくれます。また 3 年目以降の就職のため、
見学・試験等に休みを数日もらうことは可能です。
「電子カルテは導入されていますか?」
完全電子カルテなので、院内のあらゆる場所で担当患者さんのカルテを書く・読む、画像を見る、オー
ダーする事が可能です。過去のカルテや検査結果の閲覧、引用も非常にスムーズに行え、それにより無
駄な時間が削減され必要な仕事に集中することができます。また CT などの画像条件を変えて読影する
ことで診断能力にも差がでると思います。PHS に関しては、もちろん全ての医師に配給されています。
「研修医のための、もしくは参加可能な勉強会やカンファレンスについて教えて下さい。」
①
救急外来カンファレンス
総合内科の先生を中心に毎週ではないですが、木曜日
12:30~13:30 に、実際の救急外来当直での悩ましい症
例の経験をフィードバックして教育に役立てようとい
う企画で、教育的なカンファレンスです。研修医数人~
10 人前後で、参加者がその場で実際の症例を提示して
進めていくため質問や意見も飛び交い、さらにレジデン
トの小講義を交えながらのスタイルが大変有意義な時
間を演出します。
②
研修医セミナー
2008 年度から始まった研修医のための勉強会で月に 1 回、
金曜日の 15 時から 1.5 時間のセミナーです。上級医の理
解もあり、業務よりも優先して出席させてもらえます。
総合内科の先生を中心に、症例提示・グループディスカ
ッション・発表・さまざまな視点からアプローチした講
義…、といった内容で、テーマは『腹痛』
『胸痛』
『発熱』
『輸液』『抗菌薬』『失神』『輸血』『ショック』といった
一般的なタイトルでありながらアプローチに悩ましいも
のが選ばれています。また研修医の意見を取り入れた上
で内容を組んでくれるため、とても勉強になります。
③ 初期臨床研修共通モジュール
毎週水曜日のランチタイムに行われる 40 分程度のレクチャーです。
「血液ガス分析」
「心電図のよみか
た」
「せん妄への対処」
「皮疹のみかたと記載」など、23 個の講義モジュールが、2 年間で 1 回ずつ行わ
れ、研修医は、2 年間で全てのモジュールに最低1回ずつ出席することになっています。講師は院内の
医長やスタッフの先生方で、教科書のレベルを超えた実際に使える知識を身に付けることができます。
「研修医セミナー」との違いは、「研修医セミナー」がよりプラクティカルな臨床判断や行動について
をテーマにし、ディスカッションを中心にしているものであるのに比較して、このモジュールは臨床医
としての基本的な知識を身に付けるための講義主体のスタイルであるところです。
④
研修医同期の勉強会
研修医の各学年で勉強会の係を決めて、会議室やプロジェクターを借りてお互いに学んだ事をフィード
バックし合ったり発表しあったり、講義をしてお互いに知識を共有し高めあっています。主に土日に開
催されます。製薬会社の方に講義をお願いすることもあります。
⑤
院内臨床英会話セミナー
教育研修部の矢野先生を中心に、レジデントでも研修医でもコメディカルでもだれでも申し込み可能で
外国人講師を招いて臨床英会話を学ぶセミナーがあります。4 ヶ月で 16 回コースとなっておりレベル別
に合わせて 3 つのコースに分かれており、海外での医療に興味がある人や英語に興味がある人には大変
勉強になります。主に英語での診療の仕方を順を追って学び、患者役・医師役に分かれて診察・問診を
して英語での診療 skill を身につけていきます。
⑥
各科での研修医勉強会
ローテートする多くの科で、論文の抄読会やテーマに沿った発表、クルズスを行います。
⑦
地域医療カンファレンス
月に 1 回程度の頻度で院内の先生による講演会があり、各テーマに沿って最新の治療などについて講演
をしてくださいます。病院内の至るところにポスターが貼ってあるので見てみてください。これらは院
外の開業医の先生方も聴衆として参加されます。その他、緩和ケアカンファレンスや NST 勉強会など、
会議室を利用して毎週のように参加自由なカンファレンス、勉強会が開催されています。
⑧
BLS、ICLS/ACLS 研修
救命救急センターのスタッフが中心となり、院内での BLS 研修、ICLS 研修を定期的に行っています。こ
の研修は、日本救急医学会認定の正式な研修として認可されています。受講修了者には特製シールが授
与され、よりすすみたい方にはインストラクター研修などステップアップしていくことができます。院
内プログラム以外にも、当院循環器科スタッフが先導者となって、米国心臓病学会(AHA)が主催する
BLS コース、ACLS コースの研修会を当院で定期的に開催しています。
⑨
剖検症例検討会
いわゆる CPC カンファレンスです。当院では毎月病理部門のスタッフのかたが主宰し金曜の夕方に行っ
ています。研修医が発表し、臨床所見からはじまり放射線画像所見、病理所見への解説は、ニューイン
グランドジャーナルの CPC カンファレンスのようです。臨床の推論力を高めるには大変貴重なカンファ
レンスです。
⑩
コミュニケーションや倫理についての研修
毎年 3 回、
「コミュニケーションワークショップ」といって、全職種を対象に医療に関するコミュニケ
ーションを実技も交えて学習するワークショップが開かれています。医長の先生やコ・メディカルの
方々とゆっくり同じ目線で話し合うことができるよい機会です。また、同じように年に 3 回ほど「医療
を考えるカンファレンス」という、医療と社会との接点や倫理的な問題をテーマに、ケースカンファレ
ンスや院内シンポジウム、パネルディスカッションなどが行われており、さまざまな職種のかたと臨床
問題について話し合うよい機会となっています。
⑪
シミュレーション実習
2010 年度から、腰椎穿刺、皮膚縫合、中心静脈穿刺などのシミュレーション実習が始まっています。侵
襲の高い手技について、いつでもシミュレーターを用いて学習できる環境が整っています。
⑫
その他、各部署で主催するさまざまな勉強会
緩和ケアチームや栄養サポートチーム、感染管理チーム(ICT)は、活発に関連の勉強会を全職種向け
に主催しており、大変勉強になります。また、薬剤部の方々が中心となり、定期的に市民公開講座を当
院では開催しており、市民向けの教育的な取り組みも積極的に行われています。
院内には教育的な先生方や熱心で刺激ある同期たちとの勉強会の機会が数多く用意されています。また
ほとんど全て参加自由であるため、それぞれの意識によってこの 2 年間で得られる知識や経験に大きな
差ができると思います。ぜひ東京医療センターで刺激し合って一緒に勉強しましょう。
⑬
特別講演会
2012 年には、当院総合内科に、
「診断の神様」といわれているローレンス・ティアニー先生がアメリカ
から来て下さいました。その際、初期研修医を対象にティアニー先生が講義をして下さいました。
勉強会ライブラリーについて
上記のように院内で行われる各種のカンファ・勉強会を聞き逃してしまった、参加できなかった、とい
う場合のために、各資料を作成者了承のもとでノーツ(院内職員用 WEB )に載せて、いつでも資料を閲
覧できるサイトです。自由に閲覧し、データを保管できます。
「研修医になると点滴や採血など基本的な手技の講習はあるのでしょうか?」
もちろん 4 月のうちに基本的な手技(点滴・注射・尿道バルーンほか)を教える講習会は数回開催され、
しっかりと教えてもらえます。しかし実際の患者さんを通して何度も汗をかきながら慣れていくのが上
達の早道です。
「侵襲的な手技について教えてください」
学生から良く聞かれる質問ですね。一般的に中小規模で研修医が尐ない病院ならば必然的に手技は増え、
大学病院の規模で研修医が多ければ手技の機会は減ると思います。そういった意味で決して手技が多い
方ではないですが、それもついた指導医にもよるかと思います。いずれにせよ、手技の前の道具の用意
の段階から出来るように準備しておけば、チャンスがめぐってきたときにその手技が自分のものになる
可能性は高くなると思います。
気管支鏡検査
「文献検索の環境について教えてください」
検索は医中誌 Web、Medline、PubMed を使用しています。
BioMed Net(180 誌以上の総説を収録)
、Proquest Direct(196 誌の医学雑誌)という Online journal
を導入しており一部の雑誌を除き Fulltext の印刷、
PDF ファイルでの保存が可能です。
勿論 NEJM、Lancet
も閲覧できます。JAMA は雑誌を購入しています。
「図書館について教えてください」
管理棟1階にあり、上記の文献検索は図書館のパソコンで行うことができます。24 時間利用可能なため
夜間でもカルテを書いたり勉強したり、資料作成をしている人をみかけます。
「BLSやACLSは取得可能でしょうか?」
外来棟の大会議室を利用して頻繁に院内 BLS や ICLS の
講習会を行っています。救命センターをローテートす
るためには必ず ICLS が必要なので研修医は救命処置を
早期に身につけることが出来ます。参加の回数によっ
てインストラクターとなったりその回のディレクター
を研修医が任されることもあります。
また AHA(American Heart Association)による BLS、
ACLS も当院で開催されるため外の病院からも資格取得
のためにたくさんの参加者が訪れます。
「宿舎について教えて下さい。
」
研修医は希望があれば、宿舎に入居できます。実際には夜間呼ばれることも多いので全員寮生活です。
① 1年目:約 8 畳 ¥7000~8000/月
病院と棟続き(管理棟の 7・8 階) ユニットバス付き
共同キッチン、共同洗濯機、玄関なし
② 2 年目:約 8 畳 ¥14000/月 徒歩 3 分の 2 階建てアパートトタイプ
キッチン、ユニットバス、玄関付きで普通のアパート同様
*②は全員移動できる訳ではなく、世帯者+14 人程度の希望者、となっています。
*駐車場は¥5400/月と、この土地では格安の値段です。
①
②
実際の部屋の雰囲気は見学でついた研修医に見せてもらいましょう。とにかく同期・先輩が周りにいる
ので楽しいし、寂しくないし、なんと言ってもお互い助け合えます。もちろん勉強会や飲み会も声がか
かればみんなすぐに集まってきます。
「食事など私生活はどうしているのでしょうか?」
1 年目研修医は全員共同キッチンの生活のため、夕食は外食の人が多いと思います。それでも共同キッ
チンを利用したり、部屋で鍋やコンロで料理をしている研修医もしばしば見かけます。朝食は買ってお
いたもので簡卖にたべる、院内の Excelsior Caffé で食べる、何にも食べない、など人それぞれのよう
です。この病院周辺はおいしいお店が多いため、研修医同士やレジデントなど上の先生と食事に出かけ
る事はしょっちゅうです。科によっては毎週決まった曜日に食事会がある科もあります。
「研修医になると太るとよく言いますが、運動する場所はありますか?」
まず目の前の駒沢公園に大きなジムがあり、
トレーニングマシンからランニングマシン、
自転車などが相当台数揃っています。ただ営
業時間が 21 時までなのが難点。また駒沢公園
には 2km 程度のランニングコースがあり、平
日・週末、老若男女問わず多くの人が走って
いる姿を見かけ、職員でも両施設を利用して
いる人はたくさんいます。さらに院内の体育
館で、月曜日はバスケ、水曜日はバドミント
ン、木曜日はフットサルをしており誰でも参
加自由で、病院対抗試合もあります。医長を始め、レジデント、研修医、看護師が爽やかな汗を流して
います。院内の様々な職種の方が参加しているので、コミュニケーションの場にもなります。フットサ
ルは、大会にも参加したりと積極的に活動しています。
「白衣はもらえますか?洗濯はどうなるのでしょう?」
2 枚貸与されますが、ほとんどの人が自分で購入した白衣を使用しています。月に数回、白衣販売業者
が訪問販売しにくるため(~17 時)そこで購入する人も多いようです。ネーム刺繍や袖丈直しもしてく
れます。もしくは WEB で購入している方もいます。白衣の洗濯は月・木曜日に医局の BOX から回収され、
2 週間後くらいに手元に戻ってきます。もちろん無料。
「お給料はいくらぐらいでしょうか?」
みんな正直に気になるところだと思います。
税金、宿舎料、光熱費、健康保険、雇用保険、厚生年金などを天引きされ、当直料を足した状態で手取
り約 28~32 万円(額面だと 30~35 万以上)です。詳細を知りたかったら研修医の給与明細を見せてもら
いましょう。
「インターネットの使用環境を教えてください。」
病棟の端末、医局や図書館にある端末は全てネット接続可能で、カルテ(NTMC)を利用可能。
自分のパソコンにてインターネット接続したい場合、2012 年から光回線が整備されたので、月額を払え
ば利用可能です。研修医の半分くらいは自分の部屋でインターネットを使用しているのではないでしょ
うか。
院内イベント紹介
□歓迎会、忘年会(新年会)
、送別会
院長を含めて医長クラスの先生方を招いて研修医と飲み会が開催されます。歓迎会のアピールでいかに
顔と名前を覚えてもらえるかは腕次第!送別会はたくさんの企画とプレゼントを用意して、お世話にな
った先生方と 2 年目研修医が互いの別れを惜しみ感謝を表す飲み会です。
□体育大会
院内職員を募集して敶地内にある体育館で毎年
異なるスポーツ大会を開催。バレーボール大会、
卓球大会などが行われ、昨年はインディアカで
した。診療科や病棟、研修医同士でチームを作
りリーグ戦とトーナメント戦で優勝チームを決
めます。夕方なのに参加者は連日 100 人前後で
大盛況でした。その他定期的に野球大会なども
開催されます。
□新春ハイキング
副院長主催で春の山をハイキングする企画、温泉へ行くこともあるようです。
□ビアアーベント
夏になると恵比寿のビアーガーデンで開催されるこのイベント。研修医はほぼ強制参加となり、先輩医
師やコメディカルへの挨拶の場ともなります。でも挨拶さえ終わってしまえばあとは夏の野外でビール
飲み放題♪♪
□研修医バーベキュー
多摩川河川敶を利用して 2 年目研修医主催でバーベキューが開催されます。夏の青空の下、飲んで騒い
で肉焼いて、最高の思い出になることは間違いありません。
□おでん会
銀座の有名おでん店をなんと料理人ごと医局に招いておでん食べ放題。医局には長い列ができます。医
師も看護師もおでんでエネルギーを充電してまた病棟へと戻っていきます。
□センター忘年会
ともに泣き笑い過ごした救命救急センターの忘
年会です。例年お世話になったセンターの皆さ
んへ感謝の気持ちを込めて、二年目研修医によ
る素晴らしい芸披露が行われます。2 ヶ月以上
かけて練られた芸は見る者を感動と爆笑の渦へ
誘います。30 人で作り上げる芸は、一生の思い
出になること間違いなし!
□院内コンサート
定期的に開催されるコンサートは入院生活で疲れた患者さん
の癒しとなりますし、下記の文化祭の中では総合内科のバン
ドがライブを行ったりしており、あなたの音楽の腕を奮う場
は用意されています。
□大文化祭
年末になると、大会議室で院内職員による文化祭が開催されます。さまざまな展示品や催し物が開かれ
ます。
□スキー旅行
院内職員 20~30 人で週末を利用して新潟へスキー旅行が開催されます。毎年研修医も数人参加。雪国
では何かが起こるはず・・・
□ミュージカル
毎年 3 月になるとボランティア劇団キャトル・リーフと
院内職員によって開催されるミュージカル。研修医から
お偉方まで自由に参加する事ができます。つらい入院生
活を送っている患者さんの癒しの時になる事は間違いあ
りません。
□研修医独自のイベント
多くの研修医が切磋琢磨している当院では、休日も一緒に過ごすことが多く、独自のイベントを企画し
て、研修生活に彩を添えています。例えば、研修医同士で花火に行ったり、クリスマスパーティーを企
画したりなどしています。様々な企画をして、みんなで盛り上げようとする人が多いのも当院研修医の
特徴ではないでしょうか。
院内施設紹介
□レストランすみれ
いわゆる院内食堂で、一般・職員用の席とメニューが分か
れている。3 種類のランチで飽きないように工夫されてお
り、サンクよりも安い。
□喫茶ル・サンク
すみれよりも味がよく、値段もすこし高め。人気はやはりラン
チメニューで、全て弁当として持ち帰り可能なのがうれしい。
□Excelsior Caffé
病院の自慢のひとつ、
患者さんからも職員からも愛される癒
しの場、通称『エクセ』
。モーニングメニューに始まり多彩
なメニューを取り揃え、アイスなどのスウィーツも充実。職
員割引があるのも嬉しいオプション。
□コンビニ ファミリーマート
平成 21 年 4 月より New オープン!多くの入札から勝ち残っただけのことはあり医療用品を備えており、
お弁当も充実。いままで不便だった ATM も揃え待ちに待った店舗となりました。
最後に・・・
研修の 2 年間をいかに過ごすかは人それぞれです。行き届いた教育プログラムのもとでよく勉強し、全
国から集まった仲間と人生を楽しむ。そんな研修を望んでいる皆さんをお待ちしております!
松本純夫 院長
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