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「学校安全Web」 - 日本スポーツ振興センター
9 3月11日に発生した「東日本大震災」に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々、 ご遺族の皆様に深くお悔やみ申し上げます。 被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。 独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長 小野 清子 安全情報課 「学校安全Web」 学校の管理下における 突然死予防必携 ~改訂ダイジェスト版~ ●はじめに 独立行政法人日本スポーツ振興センターで、給付した学校の管理下における児童生徒の死亡件数は平成 11~20年度の10年間で1,675件あり、その中で突然死が約57%です。WHO(世界保健機関)では、突 然死を「発症から24時間以内の予期せぬ内因性(病)死」と定義しています。センターにおける突然死 の取扱いは、上記の定義よりも範囲を広げ、意識不明等のまま、発症後数日から数カ月の期間を経て死亡 に至ったものを含ませえるとしています。 突然死の原因は十分に解明されておらず、その多くは運動に伴って発生する致死的不整脈によると考え られています。また近年、野球やサッカーなどの球技や空手などの武道で胸部をボールまたはこぶしが直 撃することによって死亡する事故が散見されるようになりました。これを心臓震盪といいます。心臓震盪 の原因としては前胸部、特に心臓の直上に加わった衝撃により致死的不整脈が起こることがわかってきま した。 これらの突然死を予防するには、すべての教職員が注意を払って子どもの健康管理を実施することです。 特に、学校生活管理指導表が出ている子どもの場合は、病状の把握と指導区分を理解し、細心の注意を払 うことが大切です。 突然死について理解を深め、学校の管理下で起こる突然死予防に活用してください。 ●突然死を防ぐための10カ条 ■基本的な注意事項 1 学校心臓検診(健康診断)と事後措置を確実に行う 2 健康観察、健康相談を十分に行う 3 健康教育を充実し、体調が悪いときには、無理をしない、させない 4 運動時には、準備運動・整理運動を十分に行う ■疾患のある(疑いのある)子どもに対する注意事項 5 必要に応じた検査の受診、正しい治療、生活管理、経過観察を行う 6 学校生活管理指導表の指導区分を遵守し、それを守る 7 自己の病態を正しく理解する、理解させる 8 学校、家庭、主治医間で健康状態の情報を交換する ■その他、日頃からの心がけ 9 救急に対する体制を整備し、充実する 10 AEDの使用法を含む心肺蘇生法を教職員と生徒全員が習得する 学校の管理下における突然死予防必携-改訂版-については、ホームページから無償でダウンロード できます。また、有償でも販売しており、注文方法も掲載していますので、ご覧ください。 URL : http://naash.go.jp/anzen お問い合わせ先 学校安全部安全情報課 TEL 03-5410-9154 FAX 03-5410-9167 ●学校の管理下における突然死の現状 平成11年度から平成20年度までの10年間の発生状況は、年間74~135件で推移しており、死亡全体の およそ57%を占め、死亡原因の第1位となっています。 平成5年度~平成14年度までの10年間と比べ、大幅に減少し、死亡件数は438件、その内の突然死数も 271件と減ったものの、比率はほとんど変わっていません。また、学校種別にみると、高等学校が最も高 く、次いで中学校、小学校、幼稚園・保育所となっています。 300 100 80 60 268 250 80 83 65 40 56 200 70 45 20 167 150 57 35 41 35 50 0 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 92 100 40 0 図1 突然死発生件数(H11~H20) 幼稚園・保育所 小学校 中学校 高校・高専 図2 学校種別発生件数(H11~H20) ●学校の管理下における突然死の事例 事例1 高等学校3年 男子 死因:急性心不全 持病:心疾患なし 体育の授業でサッカーの試合中、キックオフで蹴られたボールを追いかけ身体 の向きを変えた際、その場にしゃがみこむように倒れ意識不明となった。直ちに 担架で保健室へ運び、救急車を要請した。呼吸、脈拍が確認できなくなったため、 心肺蘇生を行うとともに、AEDの指示に従い救急車到着まで心肺蘇生を続けた。 救急車到着後、救急隊員による心肺蘇生、AEDによる電気ショックが行われた。 病院に搬送され治療が行われたが、同日死亡した。 事例2 中学校3年 男子 死因:心筋緻密化障害 持病:左室肥大・区分C 特に本生徒から疲労を訴える申し出も無く、他の生徒と一緒にウォーミングアップのため軽い ジョギングを行っていた。開始して約3分後、4周目に入ろうとした時に(約270m)右側に崩れ 落ちるように倒れ、呼吸はしていたものの意識不明の状態に陥った。 救急車で病院に運ばれ、ICU室で治療が続けられたが、翌月死亡した。 ★平成23年度講習会の予定一覧 センター主催の講習会等名 開催日時 開催場所 食の安全に関する講習会 6月16日(木)~17日(金) 国立オリンピック記念青少年総合センター (渋谷区) 食の安全に関する調理員講習会 8月 4日(木)~ 5日(金) 昭和女子大学人見記念講堂(世田谷区) 食の安全に関する実技講習会 (第1回) 9月28日(水)~30日(金) 日本スポーツ振興センター 検査・研修施設 (第2回) 10月 5日(水)~ 7日(金) (杉並区) (第3回) 10月19日(水)~21日(金) ※詳細は学校安全部食の安全課(TEL: 03-3338-9643)にお問い合わせください。 N9 書 籍 注 文 書 独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部安全情報課行き FAX:03−5410−9167 氏名 (団体名) : 担当者名: 請求書宛名: 送付先住所:(〒 − ) 電話番号: − − 書籍名 NEW! 学校の管理下の災害−基本統計− 23 学校の管理下の災害−基本統計−( 22 ・ 21 ・ 20 ・ 19 ) ※購入希望の番号に○を付けて下さい。 NEW! 学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点 H22年版 学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点 ( H21年版 ・ H20年版 ・ H19年版 ) ※購入希望年度に○を付けて下さい。 税込金額 1,575円 22 21 各 1,575円 20 19 1,260円 21 各 1,260円 20 19 NEW! 学校における突然死予防必携−改訂版− 1,680円 NEW! 災害共済給付関係法令集[平成 22 年度版] 1,680円 学校の管理下における歯・口のけが防止必携 630円 (CD-R 付) NEW! 学校給食衛生管理基準の解説−学校給食における食中毒防止の手引− 学校給食における食中毒防止Q&A 部数 1,260円 945円 学校給食において発生した食中毒事例集 ∼食に関する事故事例(学校給食原因以外)抜粋∼ 2,100円 DVD「食に関する個別指導」∼肥満傾向児童への対応∼ 945円 DVD「食に関する個別指導」∼肥満傾向生徒への対応∼ 945円 DVD「食に関する個別指導」∼運動部活動などでスポーツをする児童生徒のために∼ 945円 ※その他書籍もございますので、当センター学校安全部安全情報課までへ問合せください。 (「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育(H14 発行) 、学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル(H14.2 発行)、学校の安全管理に関する取組事例集(H15.6 発行)、 職員のための防災辞典(H10.1発行)など) 合 計 円 部 必ずお読みください *書籍の送料は、お客様負担とさせて頂きます。ただし、合計金額が3,000円以上の場合、センターで負担します。 *書籍と請求書等は別送になります。あらかじめ、ご了承ください。 *全国の書店で取り寄せることも可能です。 *お支払方法は、郵便振込みか銀行振込みです。 郵便振込みをご希望の方は、同封の専用郵便振込取扱票をご利用下さい。振込料金(手数料)はセンターが負担します。 銀行振込みをご希望の方は、別途手数料が必要となります。 発 行 日:平成23年5月(第9号) 編集・発行:独立行政法人日本スポーツ振興センター 学校安全部 安全情報課 電 話:03−5410−9154(安全情報課 直通) U R L:http://naash.go.jp/anzen/