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中学校文法指導研究会(22年度第8回,通算第38回) 9/24/2010 弘前

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中学校文法指導研究会(22年度第8回,通算第38回) 9/24/2010 弘前
中学校文法指導研究会(22年度第8回,通算第38回)
9/24/2010
弘前大学教育学部附属教育実践総合センター
1.テスト開発の各段階(Chapter 7 in Hughes, 2003)
(1)テスト開発にあたっての確認事項
・どのような種類のテストか
到達度テスト(最終到達度/進歩度),熟達度テスト,診断テスト,配置テスト
・テストの正確な目的は何か
・どんな能力をテストするのか
・結果はどのくらい詳細なものでなければならないのか
・結果はどのくらい正確なものでなければならないのか
・波及校はどのくらい重要なものとなるか
・専門的知識や施設・設備,作成・実施・採点に要する時間が不十分でないことに起因する制約
としてどのようなものがあるか
(2)テスト細目規定(test specifications)の作成
○内容
−内容の記述が充実していればいるほど実際のテスト作成の際に何を含めるかが明確となる
−言語能力の構成要素として現在理解されている事柄以上のものを含めてしまう危険性(たとえ
ばリーディング能力の下位スキルとそれらの関係について明確にわかっていないものを内容に
含めてしまうなど)
−文法テストであれば目標構文の一覧でよいかもしれないが,言語スキルの場合,いくつかの次
元で規定されるかもしれない
−以下のものが一つの枠組みとして考えられるが,これは絶対的なものではなく,いずれにして
も内容をできるだけ細かく規定しておくことが重要
・操作(受験者に与える課題:リーディングにおけるスキャニング,未知語の意味の推測など)
・テクストのタイプ(手紙,書類,論文など)
・テクストの対象(受験者が誰に対して書く/話すのか:同年齢の母語話者など;受験者が読む
/聞くテクストは誰に対してのものか:母語話者大学生など)
・テクストの長さ
・トピック
・リーダビリティ
・構文の幅(テクストに用いる/用いない構文の一覧;構文の一般的指標:使用頻度など)
・語彙の幅(語彙リストなど)
・方言,訛り,文体(受験者が読む/聞く/書く/話す方言・訛り;正式な文体/くだけた文体
/会話体など)
・処理速度(リーディング/リスニング/スピーキングの際の WPM など)
○構成,制限時間,解答様式,テストテクニーク
・テスト構成(文法セクション,精読セクション,速読セクションなど)
・問題数(セクションごと及び合計)
・文章数(並びに各文章の設問数)
・制限時間(セクションごと及び全体)
・解答様式(筆記,テープ録音,コンピューター,面接形式,電話など)
・テストテクニーク(どんなスキルを測定するのにどんなテクニークを用いるか)
○到達度基準レベル
−テストの合格レベルの基準を規定する(たとえば正答率80%以上など)
−スピーキング/ライティングの場合,以下のような詳細なレベル記述も考えられる
・正確さ(発音,文法など)
・適切さ(言語機能,話し手の意図など)
・幅(幅のある表現,語彙など)
・柔軟性(会話を始める/相手に発言権を譲る/話題を変えるなど)
・発話量(応答文の長さ,発話の拡張など)
(3)問題項目の作成及び改訂
○内容のサンプリング(sampling)
−テスト細目規定の内容から選択
−内容妥当性及び有益な波及効果のために全範囲からなるべく幅広く選択
○問題項目の作成
−受験者の目で問題を見て作成し,問題を誤って解釈する可能性がないかどうかを確認
−意図した反応でないが妥当な反応が受験者から得られる可能性もあるので,意図した反応を記
載しておく
○問題項目の改訂
−問題作成者意外の最低2名で問題項目の吟味・改訂
− p.64の文法テストの改訂用チェックリスト参照
(4)母語話者対象のインフォーマルなテストの試行
−テスト受験者に年齢,学歴,一般的な背景で類似した母語話者を対象に個別に実施
−母語話者に難しい問題や予測していなかったり不適切な反応が得られた問題は削除
(5)テスト受験者に類似した非母語話者グループ対象のテストの試行
−テスト受験者に類似した非母語話者にテスト条件のもとで実施
−このタイプの試行が実施不可能な場合でも,実際のテスト実施で得られた問題点は以後のテス
ト実施の際の改訂のために記録しておき,必要な統計的分析をおこなう
(6)試行結果の分析及び必要な修正
−統計的分析(信頼性係数,項目分析など)
−質的分析(受験者の解答を分析し,誤った解釈や予測していなかったが正しい解答など)
(7)評定尺度の目盛りづけ
−スピーキングやライティングのテスト用の評定尺度の目盛りを定める
−評定尺度のすべてをカバーするサンプルを収集し,それぞれに尺度上の得点を割り当てる
(8)妥当性の検証
−利害関係が大きいテスト,一般に公開するテストの場合は妥当性検証は必要不可欠だが,校内
テストでは必ずしも必要ではない(ただし,インフォーマルな小規模の妥当性検証は望ましい)
(9)テスト受験者,テスト利用者,スタッフ向けのハンドブックの作成
・テストの理論的基盤
・テスト開発及び妥当性検証に関する説明
・テストの説明(テスト細目規定を含めてもよい)
・問題見本(あるいはテスト一式の見本)
・受験準備にあたってのアドバイス
・テスト得点の解釈の仕方についての説明
・テスト実施のトレーニング用材料(面接官,評定者などのための)
・テスト実施にあたっての詳細な説明
(10)スタッフのトレーニング
−面接官,評定者,採点者,コンピューター操作者,試験監督者など
2.中学校英語科におけるテスト開発・作成の各段階
(1)コミュニケーション能力の育成を目指した文法テストの開発・作成の各段階
(2)文法テストの開発・作成上の原理・原則
(3)テスト細目規定の実際
3.今後のスケジュール(案)
第9回 9月下旬 午後 実践センター (予定)
第10回 10月4日(月)14:40∼ 弘前市中学校英語研修講座(第2回)総合学習センター(確定)
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