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CASE STUDY
NGINX Plus
放送局向けWebサービス「DirectorsGear」(サイオステクノロジー株式会社)
放送局向けWebサービス「DirectorsGear」のサービス基盤を支える「NGINX Plus」
高価なロードバランサーアプライアンス機器からの置き換えにより、導入コストを削減
番組制作・編成システムへの楽曲情報の入力、権利管理団体への報告などの管理業務は、各放送局にとって重い負担となっていた。
この作業を省力化するB2BのWebサービスとして、業界内で圧倒的なシェアを誇っているのが「DirectorsGear」である。同サー
ビスを運営しているサイオステクノロジー株式会社(以下、サイオス)は、クラウドへの移行の際に、移行先での新たなロードバラ
ンシングの仕組みとして「NGINX Plus」を導入した。
導入目的
効 果
AWSへのロードバランサー機能の搭載
システム構成
パフォーマンスの向上と、キャッシュ機能による
応答速度の向上
放送業界トップシェアの楽曲情報管理サービス
「DirectorsGear」の事業運営をサイオスが担う
テレビやFM/AMラジオなどの放送では、毎日大量の楽曲が
流されている。この背後で放送局では、番組制作・編成システ
ムへの楽曲情報の入力、権利管理団体への報告など、煩雑な作
業に追われていた。こうした楽曲管理の負荷を軽減すべく開発
■Amazon Web Services
■NGINX Plus
11月のこと。サイオス DirectorsGear事業企画部の部長を
務める真下誠一は、
「もともとの運用母体からサイオスへの事業
譲渡が決定し、それに伴いシステム全般を弊社側に早急に移設
する必要が生じました」と語る。
パフォーマンスの鍵を握るロードバランサー
3つ目の選択肢として登場したNGINX Plus
されたのが、民間放送局とレコード会社、さらには権利管理団
DirectorsGearでは先に述べた楽曲情報のほか音源なども
体をつなぐB2BのWebサービス「DirectorsGear(ディレ
扱っており、総データ容量は数テラバイトに達していた。加え
クターズギア)
」だ。
て、100局近い放送局に対して高度なサービスレベルとパフ
音楽制作者側にとっても、プロモーション用の新譜情報を番
ォーマンスを提供するため、多くのコンピューティングリソー
組関係者にスピーディに届けることが可能となり、ステークホ
スを投入しており、30台を超えるサーバーで構成される大規
ル ダ ー に と っ て の メ リ ッ ト が 非 常 に 大 き い こ と か ら、
模なシステムに拡大していた。
DirectorsGearは急速に普及してきた。日本国内にBS/CS
サイオスが同Webサービスの移設先として選んだのがAWS
放送やコミュニティ放送を除いたいわゆる「県域放送」は200
(Amazon Web Services)である。技術部のマネージャー
局以上あり、現在そのうちの半数近くの放送局が利用する業界
を務める小野剛は、
「サイオスは、どのクラウドに対しても中立
トップシェアのサービスに成長している。
の立場ですが、今後のサービス展開、拡張を見据え、新しいサ
このDirectorsGearが大きな節目を迎えたのが2013年
ービスが次々に投入されていたAWSを採用するのがベストと
判断しました」と、その理由を語る。
こうしてDirectorsGearの移設プロジェクトは2014年6
Service Information
放送局向けWebサービス「DirectorsGear」
サイオステクノロジー株式会社が運営する放送
局向けWebサービス。番組制作・編成システム
への楽曲情報の入力、権利管理団体への報告な
ど、放送局の楽曲管理業務を支援する。200
局以上ある「県域放送」のうち半数近くが利用
し業界トップシェアを誇っている。
月にスタート。サイオスは、移設対象サーバーの絞り込み・集
約(サーバー台数を3割削減)、移設対象データの洗い出し、業
務影響の調査などの準備を行った上で、AWS上に新環境を構
築。同年9月にサービスの切り替えを実施し、新環境でのサー
ビス提供を開始した。
そして、このプロジェクト全体を通じてサイオスが注力して
きたのが、ユーザーに対するパフォーマンスの維持・向上であ
CASE STUDY
NGINX Plus
放送局向けWebサービス「DirectorsGear」
る。そこでの重要な鍵を握る技術要素のひとつが、ロードバラ
ンサー(負荷分散装置)だ。
当初、サイオスにはこれに対して2つの選択肢があった。旧環
境に用いられていたロードバンランサーのバーチャルアプライ
アンス版をAWSに導入する方法、AWSがEC2向けに提供し
ているロードバランサー「ELB(Elastic Load Balancing)
」
機能を利用する方法の2つである。しかし、このどちらにも問
題があった。サイオス OSSテクノロジーセンター 技術部のエ
ンジニアである原和久は、このように語る。
サイオステクノロジー株式会社
DirectorsGear事業
企画部 部長
真下 誠一
サイオステクノロジー株式会社
技術部 マネージャー
小野 剛
サイオステクノロジー株式会社
OSSテクノロジーセンター
技術部 エンジニア
原 和久
「従来のDirectorsGearで使われてきたロードバランサー
製品は非常に高価であることに加え、コネクション数に基づい
アルタイムにモニタリングし、キャッシュサーバーとしても使
た課金モデルを採用しており、私たちのパフォーマンスチュー
えるといったメリットがあり、NGINX Plusを活用すること
ニングの成果をサービス品質やコストに反映させづらい難点が
を決定しました」と原は語る。
あ り ま し た。 一 方、 現 在 のELB機 能 で は、
『 常 に 固 定IPで
DirectorsGearと接続したい』という一部のお客様の要望に
お応えすることができませんでした」
サービスのパフォーマンス向上で
ユーザーの満足度を向上
こうしたジレンマを抱えていた中に3つ目の選択肢として登
NGINX Plusは狙いどおりの成果を上げ、ユーザーからも
場したのが、サイオスが2014年6月より取り扱いを開始した
「DirectorsGearのパフォーマンスは今まで以上に良くなっ
た」という声が寄せられている。パフォーマンスの向上は、
「NGINX Plus」である。
「NGINX PlusはOSS(オープンソースソフトウェア)ベー
NGINX自体の性能に加え、キャッシュ機能により応答速度(レ
スのWebサーバーとして広く使われてきた『Nginx』のエンタ
スポンスタイム)が向上したことによるものだ。
ープライズ向け製品としてとしてロードバランサー機能を拡張
「これまでのロードバランサーは、どちらかといえばネット
したもので、私たちは日本における代理店として、NGINX
ワークエンジニアの専門領域にある技術でした。これに対して
Plusの技術に精通していました。また、サーバーの状態をリ
NGINX Plusは、ミドルウェアやWebアプリケーションの観
点から、柔軟な設定変更やカスタマイズを行うことができます。
私たちのようなインフラエンジニアにとって非常に使い勝手の
良い製品であり、そのメリットをお客様に対するサービス品質
の向上に役立てることができました」と原は言う。
VPC
続けて小野も、
「仮に他の方法でロードバランシングを実装し
Floating IPで
障害時に切替
Secondary
172.16.10.12
NGINX+
NGINX+
LB #1
LB #2
Primary
172.16.10.11
Primary
172.16.10.12
NGINX Plusでロードバラン
スしつつ、障害時には縮退運転
WEB #1
WEB #2
ていたとしたら、お客様側のシステムに改修や設定変更をお願
い せ ざ る を 得 な か っ た 可 能 性 も あ り ま す。 そ の 意 味 で も
NGINX Plusは、DirectorsGearのクラウド移設に伴うお
客様側の作業負担の最小化、移行スケジュールの短縮などに貢
献しています」と評価する。
さらに真下は、
「DirectorsGearは、サイオスのオープンソ
リューションや技術力を最大限に活かし、よりお客様満足度の
高いサービスを目指します」と今後を見据える。
NGINX Plusを採用することで、DirectorsGearのサー
ビスデリバリの 最 適 化 と 安 定 稼 働 を 実 現 したサイオスは、
DirectorsGearのさらなるブラッシュアップを推進。多様な
ユーザーの要求に応えていく考えだ。
サイオステクノロジー株式会社
本社:東京都港区南麻布2-12-3 サイオスビル
TEL.03-6859-8686
www.sios.com
営業所:関西・中部・九州
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