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AZIMUTH POINTING SYSTEM (APS)
AZIMUTH POINTING SYSTEM (APS) ユーザーマニュアル Ver. 1.2 2009 年 7 月 目次 適合・認証等 3 1.0 初めに 4 2.0 特徴 4 3.0 内蔵センサー 4 4.0 システム概観 5 5.0 各モード 6 6.0 ハードウェア詳細 6 7.0 APS が届いたら 7 7.1 APS の開梱 7 7.2 内蔵バッテリーの充電 8 7.3 APS の取付け 8 7.4 APS を使ってみる 8 8.0 操作方法 9 8.1 モード 9 8.2 方位/鉛直角モード 9 8.3 レーザーオフセットモード 8.4 対辺測定モード 12 8.5 衛星情報モード 13 8.6 GPS インテグリティ 13 8.7 バッテリー/電源情報 14 8.8 メニュー 14 8.9 メインメニュー 15 8.10 システムサブメニュー 15 8.11 ヘッディング更新レート 16 8.12 ユニット(単位)サブメニュー 8.13 出力サブメニュー 17 8.14 出力例 21 8.15 ロール 22 9.0 視準スコープの取付け 22 10.0 レーザー機器の取付け 23 11.0 仕様 24 12.0 トラブルシューティング 25 サポート連絡先、ワランティ 26 11 16 2 適合・認証等 本製品は評価試験の上、以下の要求を満たしています。: FCC Part 15 Subpart B: 2008 & ICES-003:2004 本製品は以下の機関により認証を取得しています。: Global EMC Inc. 180 Brodie Dr, Unit #2 Richmond Hill, Ontario L4B 3K8 Canada 本製品の Bluetooth(オプション)は以下の認証を取得しています。(日本国内の技術基準 適合証明は取得していません。国内での Bluetooth 使用は違法です。): For Class 1 Bluetooth- FCC ID: S7APAPRANIESD110 For Class 2 Bluetooth- FCC ID: VMTZBA-BT44 レーザーテクノロジー社の TruPulse レーザー距離計は FDA (CFR 21)によるクラス 1 レーザ ー製品です。 RoHS WEEE EU は RoHS と WEEE の取得を義務付けています。 RoHS : Restriction of certain Hazardous Substances in electronic equipment. WEEE: Waste Electrical and Electronic Equipment. 万一 APS のバッテリーがうまく充電できない場合、APS 販売店にご連絡ください。必要な場 合には販売店が APS を Multiwave Sensor 社に返送しバッテリーの修理、必要な処置を行い ます。 3 1.0 初めに Azimuth Pointing System (APS) は GPS 技術を利用したオールインワンコンパスシステムで 真北方位と位置情報を検出します。オプションのレーザーテクノロジー社 TruPulse 200 (http://www.gisup.com/product/pr_lti_trupulse200.html) を接続することにより、APS はオフセット観測、対辺測定が可能なトータルステーションとなります。APS は磁気コンパ スではないので、地磁気の影響を受けません。 APS は真方位検出のために 2 つの GPS アンテナを使用しています。 他の GPS 製品同様、天 空が開けた場所で GPS 信号が受信できることが重要です。APS は建物や壁のそば、森林内で 使用しないでください。GPS 信号のロストや、マルチパス(電波の反射)の原因となります。 APS はすばらしいマルチパス除去機能を採用していますが、マルチパスの起きない天空の開 けた場所において最も良い結果を得ることができます。 2.0 特徴 正確な (0.5°)真北方位測定 モニタ、バッテリー内蔵オールインワン GPS コンパス 磁気偏差の考慮不要 Bluetooth(オプション)かケーブルで PDA 接続 長時間使用可能な内蔵バッテリー(6.5 時間)、外部バッテリー選択可(二者択一) サブメーターGPS 位置精度 地磁気の影響を受けない 方位精度の良否を GPS インテグリティ(数値)で表示 対辺測定可能 衛星情報、検出数値を LCD に表示 LCD から各種設定可能 3.0 内蔵センサー APS は真北を基準とした方位(磁気偏差考慮不要)と座標を検出します。 ティルトセンサ ー(傾斜計)も内蔵しており、正確な鉛直角も検出します。オプションの レーザーテクノ ロジー社の TruPulse 200 を接続することにより、リモート(目標点、オフセット点)まで の距離、鉛直角、真方位を検出し、リモート点 2 点間の対辺測定も可能となります。レーザ ー距離計での距離と鉛直角の測定により、APS は後視点不要なレーザーオフセットマッピン グに最適な機器となります。 4 4.0 システム概要 図 1: システム概要 APS 標準出力 レーザーオフ セット出力 リモート点 (RP) 位置情報: リモート点(オフセット点)の緯度・経度 方位: 真北 鉛直角: APS の傾斜(鉛直角) リモート点 (RP) 基線情報: 器械点(APS プライマリアンテナの位置)か らリモート点の距離、方位、鉛直角 位置情報: APS プライマリアンテナ(*) の緯度・経度 対辺情報: 二つのリモート点の基線情報(RP1 と RP2) PDA データコレクタ PC *プライマリアンテナについては次ページの図 2 参照のこと 5 レーザー距離 計入力 レーザー距離計情報: レーザー距離計から出力され る距離と鉛直角 5.0 各モード APS には 3 つのモードがあります。 方位/鉛直角モード: 標準モードで方位、鉛直角と位置情報(器械点の緯度・経度、 高度)を検出、表示します。 レーザーオフセットモード:オプションのレーザー距離計 TruPulse 200 が必要とな ります。 レーザー距離計で測定を開始すると自動的にこのモードに切替ります。リ モート点の位置情報と器械点-リモート点の基線情報を検出、表示。 対辺モード: オプションのレーザー距離計が必要となります。 リモート点 1 (RP1)とリモート点 2(RP2)間の基線情報、位置情報を検出、表示。 6.0 ハードウェアの詳細 プライマリ(第一)、セカンダリ(第二)アンテナ:方位と位置情報の検出に二つの GPS アンテナが利用されます。 アンテナチューブ: セカンダリアンテナを主要部分につなげます。 LCD ディスプレイ: さまざまな機能をホットキーで実行し、情報表示するための LCD 部。 出力ポート: RS232 で PDA や PC にデータを出力するためのポート。 レーザーポート: オプションのレーザー距離計接続ポート。 充電ポート: 内部バッテリの充電用ポート。 視準スコープ搭載穴: 視準ポートを APS 本体軸に平行に取り付けるための穴。 三脚取付穴: 5/8 インチ測量三脚、1/4 カメラ三脚ネジ対応。 図 2: APS 各部名称 セカンダリアンテナ アンテナチューブ 主要部 プライマリアンテナ LCD ディスプレイ 視準スコープ取付穴 底面三脚取付穴: 1/4-20 and 5/8-11 出力ポート 充電ポート 6 レーザーポート 7.0 APS が届いたら 7.1 APS の開梱 APS が届いたらアクセサリ、オプション品など、注文した製品が正しく納品されているか確 認してください。 APS APS 本体 視準スコープ PDA/PC シリアルケーブル 充電器 レーザー距離計 (TruPulse 200)、レーザーブラケット(オプション) レーザー距離計取付架台(オプション) ソフトケース 運搬用ハードケース(オプション) 日本語マニュアル 図 3: APS ソフトケースとハードケース APS 本体 ソフトケース レーザー距離計取付 架台 レーザー距離計 充電器 シリアルケーブル ハードケース ソフトケース 7 7.2 内蔵バッテリの充電 APS は満充電の状態で出荷されます。しかし開梱後ご使用前に新たに充電することをお勧め します。 バッテリーステータスは時間表示で LCD 右上に表示されます。 充電器の LED は充 電を開始すると緑から赤に切替ります。満充電で再度緑色にかわります。 7.3 APS の取付け APS 本体底面部は 5/8 三脚ネジ、1/4 カメラ三脚ネジに対応しています。どちらの三脚を 使用する場合も、APS 本体が逆方向に回転してしまわないようしっかりと据え付けてくださ い。 LCD ディスプレイ部が眼の高さにくるよう三脚を設置すると LCD も見やすい状態になります。 また人間の頭が GPS 信号をブロックしてしまうことを防ぎます。 APS を建物のそばや森林 内に設置することは、GPS 信号のブロックやマルチパスの原因となり、方位精度の劣化につ ながります。 7.4 APS を使ってみる ON/OFF ボタンを押してください。 短いビープ音が 2 回鳴り ON/OFF LED が点灯し Multiwave ロゴが短い時間表示されます。 APS は初期化プロセスを開始します。 標準で 1 分以内、もしくは 2 分程度かかる場合もあるかもしれません。 GPS 信号強度画面が表示されます。 (8.5 参照のこと) 棒グラフのバーは天空にある衛星(障害物などに遮蔽されておらず APS から見えて いる衛星)、各衛星の信号強度を表示します。 方位/鉛直角モードが表示されます。(8.2 参照のこと) *上空が遮蔽された場所、電波障害のある場所ではこのモードに切替らなかったり、切替 るのに時間がかかります。必ず天空の開けた衛星受信環境の良い場所で測位してください。 バッテリー残時間、GPS インテグリティが表示されます。 GPS インテグリティは方位の精度を表す指標です。8.6 参照のこと。 これで APS を使用して方位と鉛直角を測定する準備が整いました。 オフセット観測(リモ ート点測定)、対辺測定には レーザー距離計(オプション)を接続してください。(8.3 及 び 8.4 参照のこと)。 注意事項: APS ご使用時、毎回電源をオンにするのは天空が完全に開けた場所で行ってくださ い。室内で電源をオンにすると、次回屋外で使用する際に方位角を検出するのに時間がかかった り、時には正確でない方位角を表示することがあります。 8 8.0 操作方法 8.1 モード レーザーオフセットモード以外はホットキーを押すことによりどのモードに入ることも可能 です。 APS がレーザー距離計からのデータを受け取ると(レーザー測定を行うと)自動的 にレーザーオフセットモードに切替ります。 図 4: LCD ユーザーインターフェースディスプレイ ホットキー LCD スクリーン ホットキー パネル 8.2 方位/鉛直角モード APS の最も基本でよく使われるモードです。7.4 で述べたように、電源を投入し初期化プロ セスを経てこの画面になります。用途としては測量における計画線に基づく現場での真方位 検出、衛星アンテナの方向設定、ドリルリグの位置情報・方位測定、移動体・航空機のヘッ ディング検出などがあります。 すべての方位・位置情報はディスプレイに表示され、RS-232 シリアル通信で PDA や PC に出 力することができます。 ユーザーは出力更新レートを選択し(1~10Hz)オートかボタン を押すことによるマニュアル(任意のタイミング)でのデータ出力が可能です。詳細は 8.13 参照のこと。 目標物を視覚で追うような場合、移動物を追跡視準するような場合には視準スコープを使用 してください。 用語として、ここで言う「方位/鉛直角」とは使い方のモードのことであり、「ヘッディン グ」とは実際の方位と鉛直角の情報のことです。「ヘッディング更新レート」はシステムメ ニューの中にあり方位と鉛直角情報の内部更新レートのことを指します。「Head」とは「ヘ ッディング出力フォーマット」の略です。詳しくは 8.13 を参照のこと。 9 図 5: ディスプレイに表示された方位/鉛直角モードのサンプル画面 GPS インテグリティは方位精度の良否を表 す指標 バッテリー残存時間表示 GPS INT: 60% STN は器械点のこと。APS プライマリアンテナが設置 された点の位置情報(緯 度・経度・高度) BAT:3.8 H AZIMUTH: 221.3° TILT: 6.4° 方位と鉛直角の表 示 STN LAT: N043°44’46.8439 STN LONG: E142°23’22.2217 STN ELEV: 133.2M 他のモード内にいても AZIM/TILT ホットキーを押すことにより、方位/鉛直角モードに直ち に入ることができます。AZM/TILT を再度押すとその他の指標となる数値を表示します。 図 6: 上の画面でもう一度 AZM/TILT ホットキーを押すと以下の情報が表示されます。 CSEP は GPS 観測により検 出されたプライマリアン テナとセカンダリアンテ ナ 2 つのアンテナ間距 離。0.500 に近い数値で あるほど、良い観測状態 であることを示す。 GPS INT: 60% BAT:3.8 H AZIMUTH: 220.0° TILT: 3.9° ROLL:1.4° CSEP: 0.500 DOP: 1.1 DOP は衛星の幾何学的配 置の良否を示す指標。数 値が小さいほど良好な受 信状態を示す。 10 ロール 8.3 レーザーオフセットモード (オフセット観測) APS のみでこのモードに入ることはできません。オプションのレーザー距離計 TruPulse(ト ゥルーパルス) 200 を接続しレーザー距離測定を開始することにより、自動的にレーザー オフセットモードに画面は切替ります。本モードの主たる目的はリモート点(オフセット点、 目標点)の位置情報、距離、器械点とリモート点間の基線情報を検出することにあります。 このモードの用途としては、上空が遮蔽され GPS が使用できないような場所でのオフセット 測量、ストックパイル測量やモバイルマッピング、海洋測量・マッピングなどがあります。 APS と TruPulse 200 の組合せで既知座標や既知方位などがなくとも、強力なトータルステ ーションとして使用することができます。 オプションの TruPulse 200 と APS の接続は、レーザー距離計取付架台で行います。レーザ ー距離計を使用する際には視準スコープも使用します。 なぜなら視準スコープはプライマ リアンテナとセカンダリアンテナによる視準と合致するように、半永久的に出荷時に取り付 けられているからです。レーザー距離計を初めて取付ける時にも、プライマリアンテナとセ カンダリアンテナでの視準と整合性があるように取付けなければなりません。APS にレーザ ー距離計取付架台でレーザー距離計を取付けても、ソフトケース収納時には取り外しするこ とが可能です。 視準スコープは毎回レーザー距離計を取付ける時に、レーザー距離計のス コープがプライマリアンテナ とセカンダリアンテナの視準に合致しているか確認するため にも使用されます。視準スコープとレーザー距離計の視準については 9 と 10 を参照してく ださい。 APS にレーザー距離計を接続し、オフセット観測を行うと方位と鉛直角(TruPulse 200 には 傾斜計が内蔵されておりそれで測定した鉛直角。APS が計測した鉛直角ではない。)、リモ ート点(目標点)の座標が表示されます。混乱を避けるために リモート点の座標には RP とい う記号を座標の前につけています。また表示された方位情報はレーザー距離計で次の測定が おこなわれるまでは値が変わらないように設定されています。方位/鉛直角モードではオー トかマニュアル(ボタンで任意のタイミングで)でデータのダウンロードを行うことができま す。データ出力については 8.13 参照してください。 図 8: レーザーオフセットモードサンプル画面 鉛直角は TruPulse 200 から検出 オフセット観測の結果検出 されたリモート点(目標 点)の座標 GPS INT: 60% BAT:3.8 H AZIMUTH: 220.0° INC: 3.9° RANGE: 38.0 M RP LAT:N043°48’17.1634 RP LONG:E142°23’48.6273 RP ELEV: 142.3M オフセット観測の結果検出され た WGS84 楕円体からの高さ 11 8.4 対辺測定モード(ミッシングライン) このモードはオフセットモードの一種で 2 点のリモート点間の方位、距離、鉛直角を検出、 表示します。 ML と表示されたボタン(ホットキー)を押すと、最初のリモート点(目標点) に向けてレーザー距離計で測定を行うよう表示されます。測定直後に二つ目のリモート点を 測定するよう指示が出ます。APS は最初のリモート点と二つ目のリモート点間の方位、鉛直 角、距離を計算して表示します。 たとえば川の対岸や上空が遮蔽され GPS で位置情報を検 出できないような場所において大変便利な機能です。 方位/鉛直角モード同様オートとマニ ュアルでデータを PDA や PC にダウンロードすることができます。詳しくは 8.13 参照のこ と。 図 9: 対辺測定モードのサンプル画面 GPS INT: 60% BAT:3.8 H MISSING LINE INFO AZIMUTH: 158.9° SLOPE DIST: 12.9 M HORIZ DIST: 12.9 M VERT DIST: -0.3 M INCLINATION: -1.4° 斜距離 水平距離 鉛直距離 鉛直角 12 8.5 衛星情報モード このモードでは GPS の数や信号強度を表示します。7.4 における説明のように、APS は電源 を投入した後に自動的にこのモードに切替り「解」を求めようとします。二つのアンテナ点 間の距離、各アンテナの位置情報を解として検出した後に標準の方位/鉛直角モードに自動 的に切替ります。SIGNAL(信号)というボタン(ホットキー)を押すことで、いつでもこの信 号強度モードに切替ります。 各衛星の信号バー(棒グラフ)が点線の位置またはそれより高い位置に来ていると、その衛 星からの信号はかなり強いということを示しています。3 つの衛星がこの点線より上にあれ ば大変良い状態だと言えます。しかしどの衛星がこの点線の位置まで来ていなくとも APS は正確な方位を検出することができます。受信できる衛星の数と各衛星の信号強度は、精度 の指標となる「GPS インテグリティ」と密接な関係があります。詳しくは次の章を参照して ください。 図 10: 信号強度モードのサンプル画面 GPS INT: 60% BAT:3.8 H 点線は信号強度良の数値 50 レベル ----------------------------------------------5 0 3 7 4 0 4 5 4 0 4 5 4 1 8.6 GPS インテグリティ 先述の通り、GPS インテグリティはパーセントで表示される方位精度の指標です。 上空に 見える(良好な信号を受信できる)衛星の数 や信号強度、衛星の幾何学的配置による精度の 良否 (DOP) とメーカー独自の評価で数値を決定しています。 GPS インテグリティが表示さ れる場所に、方位検出以前には“NO HEADING(方位情報無)”というメッセージが表示されま す。 方位が検出されると GPS インテグリティ数値(パーセント)を表示します。 メーカーによる評価の積み重ねにより、GPS インテグリティと精度には以下のような相関と なっています。 GPS Integrity (%) < 30 30 – 50 50 – 80 > 80 Azimuth Accuracy (º) > ± 1.0 < ± 1.0 < ± 0.5 <± 0.2 13 8.7 バッテリー/電源情報 バッテリー残時間はいつもディスプレイ右上に表示されます。APS を起動すると電源管理シ ステムが 30 秒の短い時間でバッテリーレベルを確認しバッテリー残時間を計算表示し、充電が必要とな るまで表示されます。充電直後に電源を入れた場合、バッテリー管理システムがドレインヒス テリシスを再構築するために最大 10 分ほど時間がかかる場合があります。バッテリー管理 システムはバッテリー残時間を 6 分ごとにチェックします。満充電で APS は 6.5 時間稼働し、 バッテリーは 90 分の充電で満充電となります。 充電器プラグを最初にコンセントに挿入した時、充電器の LED が緑色を表示し充電は行って いない状態です。ケーブルを APS に接続すると充電を開始し LED は赤色に変わります。満充 電になると LED は再度緑色に変わります。 8.8 メニュー すべてのファンクション(機能)ボタンはパネルに緑色の文字・記号で書かれ、その他のホッ トキー(機能ボタンとは区別するためにホットキーと呼んでいるボタン)は青色の文字で書 かれています。メニューを表示するには MENU ボタンを押します。MENU ボタンを押すとメニ ューが有効となり緑色で書かれた右側の↑、ENTER、↓ボタンでそれぞれ上、各メニューの 中に入る、下へと移動することができます。 MENU ボタンを押すと各メニューが表示され、ひとつのメニュー項目の頭に “x”マークが 表示されています。 “x”マークが表示されているメニュー項目で ENTER ボタンを押すとサ ブメニューに入り、右側の↑、ENTER、↓ボタンが有効な状態です。 たとえばサブメニュ ーの BACKLIGHTING に“x”マークが表示されている状態で Enter を押すと、BACKLIGHTING メニューを「選択」したことになります。その後↑↓ボタンでオン(ON)/オフ(OFF)を切り替 えることができます。オン/オフを切り替えた後に、再度 Enter を押すと「確定」となりま す。PREVIOUS MENU はひとつ前のメニューに戻ることを意味し、EXIT MENU はメインの方位/ 鉛直角メニュー表示に戻ることを意味します。 14 8.9 メインメニュー MENU ボタンを押すと以下のメニューが表示されます。 図 11: メインメニューでディスプレイに表示される画面 EXIT MENU このメニューを出る X BAT:3.8 H SYSTEM…システム HEADING RATE: 5 HZ ヘッディング更新レート UNITS…単位 OUTPUT…出力 ROLL ロール ENTER を押すとサブメニューに入ります。 8.10 システムサブメニュー サブメニューでは以下の画面が表示されます。 図 12: システムサブメニューで表示される画面 ENTER ボタンを押すと上下矢印マー クに切替り、サブメニューを選択し ます。この状態で右側の↑↓ボタン を押すことにより、設定を切り替え ることができます。再度 ENTER を押 すと、設定を確定します。 EXIT MENU X BAT:3.8 H BACKLIGHTING: ON バックライト AUDIO: 2 ビープ音の長さ TP OFFSET: 0.0 MAPS とレーザー距離計の距離差 FACTORY DEFAULTS: NO 工場出荷時設定 PREVIOUS MENU ひとつ前の画面へ 設定オプションは以下の通り。 BACKLIGHTING: ON, OFF(バックライトをオンにするかオフにするか) AUDIO: 1, 2, 3, OFF(ビープ音の長さを秒で設定またはオフ) TP OFFSET: +/- 数字(数字で APS プライマリアンテナと TruPulse 200 の前後の 距離オフセットを入力) FACTORY DEFAULTS: NO, YES(工場出荷時設定に戻す、戻さない) BACKLIGHTING(バックライト)のオン/オフは日没後や明るい日における設定に便利で視認性 を高めます。バックライトオフでもわずかなバッテリー節約しかないため、常時バックライ トをオンにしておくことをお勧めします。 15 AUDIO は音の聞こえる長さを設定するメニューで、ボタンが押されたりレーザー距離計から APS 本体が情報を受取った時に発生するビープ音です。 最長の値は 3 でビープ音をオフに することも可能です。 TP Offset とはレーザー距離計を取付けた場合、TruPulse 200(トゥルーパルス)レーザー距 離計と APS プライマリアンテナのオフセット水平距離です。このメニューは TruPulse 200 を APS から特別に離して使用する場合などに有効です。たとえばモバイルマッピングで自動 車などのルーフに APS を取付け、TruPulse 200 は車のウィンドウに取り付けるなど両社の 距離が特別に離れるケースが想定されます。Enter ボタンを一度押すとは+/-を切換える ことができます。二度押すと最初の桁を 1 から 9 の範囲で設定し、三度押すと二桁目の数値 を 0.1 から 0.9 で設定することができます。つまり TruPulse 200 の「離れ」の設定は-9.9m から 9.9m までの数値で設定可能です。 FACTORY DEFAULTS とは APS を工場出荷設定にリセットするメニューです。 8.11 ヘッディング更新レート このメニューは唯一メインメニューで設定を変えることのできるメニューです。ヘッデイン グレートとはどれだけ速く APS が方位と鉛直角情報を更新するかということです。 このメ ニューでは更新レートを 1、 2、 5、10 の数値(1、 2、 5、10Hz)で変更することができ ます。 たとえば移動体のように速く動いている条件では高い更新レート測定することが望 ましく、三脚使用のように静止した状態で測定する場合には低い更新レートの方が安定しま す。 8.12 ユニット(単位)サブメニュー 本メニューは単位を変更するメニューで、以下の変更が可能です。 距離: FEET(フィート), METERS(メートル) 鉛直角: º(度), %(パーセント) DISTANCE(距離)はレーザー距離計で測定した距離、高度は GPS プライマリアンテナで測定し た高度です。 TILT(鉛直角)はデフォルトでは「度」で表示されています。 % に変更す ることでパーセント表示に切替ります。 16 8.13 出力サブメニュー OUTPUT(アウトプット、出力)を選択すると次の画面が表示されます。 図 13: Output サブメニュー EXIT MENU X BAT:3.8 H DOWNLOAD: BUTTON ダウンロード方法 OUTPUT BAUD: 4800 出力ボーレート HEADING: HEAD ヘッディング出力の種類選択 LASER: VECTOR レーザー出力の種類選択 ML: ML 対辺測定出力の種類選択 PREVIOUS MENU このメニューでは APS の出力方法、項目を設定します。 DOWNLOAD: OUTPUT BAUD: HEADING: LASER: ML: BUTTON, AUTO, TEST 4800, 9600, 19200, 38400, 57600, 115200 HEAD(基線情報), HEAD + STN(器械点座標) RP(目標点座標), RP + STN, STN + VECTOR(器械点と目標点の基 線情報), VECTOR ML(対辺情報), ML + RP1(目標点 1) + RP2(目標点 2) DOWNLOAD はダウンロード方法の選択で、ディスプレイで表示されたデータを確認して、ボ タンを押すたびにデータを任意のタイミングで出力する BUTTON と自動でデータを出力し続 ける AUTO を選択できます。TEST は工場テストモードでデバッグのために使用されます。 MultiWave がデバッグのために使用を許可するケース以外で使用することはありません。 OUTPUT BAUD(ボーレート)は APS と PC または PDA 間で同じボーレートを採用しなければな りません。 次の 3 つのテキストフォーマット(HEADING, LASER と ML)は NMEA 0183 Revision 2.0 に合 致しています(一部項目がカスタマイズされています)。 For: For: For: RP, RP1, RP2 and STN: $GPGGA (GPS フォーマット) HEAD: $PLTIT (LTI 水平基線フォーマット) ML $PLTIT (LTI 対辺測定フォーマット) *LTI は Laser Technology, Inc.(米国レーザーテクノロジー社) http://www.lasertech.com/ のことです。 17 $GPGGA フォーマットのサンプル $GPGGA,213814.97,4343.41145,N,7941.64181,W,2,08,1.3,193.5,M,-35.5,M,,STN*1E コンマで区切られた各項目が以下のような情報を表示しています。 名称 メッセージ ID UTC 時刻 緯度 N/S 北緯南緯 経度 E/W 西経東経 GPS ステータス 例 単位 $GPGGA 213814.97 4343.41145 N 7941.64181 W 2 受信衛星数 HDOP 08 1.3 MSL 高度 193.5 メートル Units ジオイド差 M -35.5 メートル メートル 単位 ディファレンシャル エイジ ディファレンシャル ID チェックサム M Null field メートル 秒 適用 GGA ヘッダー 時時分分秒秒.秒秒 43º 43.41145’ N=北緯 S=南緯 79º 41.64181’ E=東経 W=西経 0(受信不能)、 1(単 独測位)、 2(DGPS) 0 から 12 個 衛星の幾何学的配置 を指数にしたもの。 小さい方が良。 平均海水面からのア ンテナ高度 単位 WGS84 楕円体から平 均海水面の高度差 DGPS データのエイジ Null field DGPS 基準局 ID STN*1E STN(器械 点)*checksum or RP(目標点)*checksum or RP1(目標点 1)*checksum or RP2(目標点 2)*checksum. メッセージ終了 <CR><LF> 18 LTI $PLTIT 水平基線フォーマットのサンプル $PLTIT,HV,210.5,M,329.8,D,7.9,D,212.5,M*6B 名称 メッセージ ID 水平基線 $PLTIT HV 例 水平距離 水平距離単位 210.5 M 方位 方位単位 鉛直角 鉛直角単位 斜距離 斜距離単位 329.8 D 7.9 D 212.5 M チェックサム <CR><LF> *6B 単位 メートルまたはフィ ート 度 度またはグラッド 度 度またはグラッド 適用 LTI 社*ヘッダー LTI 社 Criterion 400 水平基線フォーマッ ト APS では真北方位 メートルまたはフィ ート メッセージ終了 *LTI 社とは Laser Technology, Inc.(米国レーザーテクノロジー社) http://www.lasertech.com/ のことです。 19 LTI$PLTIT 対辺測定(Missing Line)フォーマットのサンプル $PLTIT,ML,240.6,M,134.8,D,0.5,D,240.7,M*72 名称 メッセージ ID 水平基線 例 $PLTIT ML 水平距離 水平距離単位 240.6 M 相対方位 134.8 方位単位 鉛直角 鉛直角単位 斜距離 斜距離単位 D 0.5 D 240.7 M チェックサム <CR><LF> *72 単位 メートルまたはフィ ート 度 適用 LTI 社ヘッダー LTI 社 Criterion 400 対辺測定フォーマッ ト 2 つの離れた点間の 方位 度またはグラッド 度 度またグラッド メートルまたはフィ ート メッセージ終了 20 8.14 出力例 HEADING: HEAD:ヘッディング情報を出力(方位角と鉛直角) $PLTIT,HV,,,210.5,D,4.1,D,,*64 HEAD + STN:水平基線情報と位置情報を出力 $PLTIT,HV,,,210.1,D,4.2,D,,*63 $GPGGA,212910.99,4343.41145,N,7941.64181,W,2,09,1.0,193.3,M,-35.5,M,,STN*10 LASER: RP:リモート点(目標点)の位置情報を出力 $GPGGA,213300.99,4343.26839,N,7941.75863,W,2,10,0.9,198.6,M,-35.5,M,,RP*59 RP + STN:リモート点と器械点の位置情報を出力 $GPGGA,213459.01,4343.26887,N,7941.76197,W,2,09,1.2,199.1,M,-35.5,M,,RP*53 $GPGGA,213501.02,4343.41145,N,7941.64181,W,2,09,1.2,193.2,M,-35.5,M,,STN*1C STN + VECTOR: 器械点の位置情報と基線情報(距離、方位角、鉛直角)を出力 $GPGGA,213814.97,4343.41145,N,7941.64181,W,2,08,1.3,193.5,M,-35.5,M,,STN*1E $PLTIT,HV,210.0,M,329.7,D,7.9,D,212.0,M*64 VECTOR:基線情報を出力 $PLTIT,HV,209.5,F,329.6,D,7.8,D,211.5,F*6F ML ML: 対辺測定情報(二点間の距離、方位角、鉛直角)を出力 $PLTIT,ML,240.6,M,134.8,D,0.5,D,240.7,M*72 ML + RP1 + RP2 対辺測定情報と 2 つのリモート点の位置情報を出力 $PLTIT,ML,233.6,M,135.3,D,-0.0,D,233.6,M*51 $GPGGA,215247.01,4343.43100,N,7941.65659,W,2,08,1.3,198.2,M,-35.5,M,,RP1*6D $GPGGA,215304.99,4343.40382,N,7941.61892,W,2,09,1.2,198.3,M,-35.5,M,,RP2*6E 21 8.15 ロール APS のロール(ROLL) は 8.2. で触れたとおり AZIM/TILT の二つ目のメニューで表示されま す。 以下のように選択ができます。 ROLL: ENABLED/DISABLED 9.0 視準スコープの取付け 視準スコープはあらかじめメーカーで照準を合わせた状態で取り付けて出荷されます。 何 らかの理由で視準スコープを外してしまい、再度取付ける場合には㈱GISupply 社までお問 合せください。 図 14: スコープトラックと視準スコープ クロスヘアー調整 スコープ取付スクリュー 視準スコープ クロスヘアー調整 22 10.0 レーザー機器の取付け 通常 APS ご購入と同時に TruPulse 200(レーザー距離計)も注文された場合、レーザーブ ラケット(取付架台)は出荷前に調整されます。もしレーザーブラケットを含めたレーザー 距離計を APS 購入後に購入したり、レーザー距離計の照準がうまくいってないと感じた時、 レーザーブラケットを取り外した場合などには以下の手順で調節、確認を行ってください。 レーザー距離計 TruPulse 200 用のレーザーブラケット(取付架台)はレーザーテクノロジ ー社で製造され、¼-20 ネジでレーザー距離計底部に接続されます。レーザー/APS 取付ブラ ケットは接続部を合致させることによって、レーザーブラケットと正しく接合しノブで締め 付けることができます。その後合体したレーザー/APS ブラケットを APS に取付けます。 締め付けノブ ¼-20 取付部 接続部 APS への取付部 TruPulse 200 レーザ ー距離計 レーザーブラケット レーザー/APS 取付ブ ラケット ¼-20 調整ネジ 合体したレーザー /APS ブラケット レーザー距離計は上下に傾けることができますので APS と照準を合致させる必要があります。 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) レーザーブラケットをレーザー距離計に接続します。 レーザー/APS 取付ブラケットを納品されたネジ(2 個)で APS に接続します。 少なくとも 1km 以上離れた目標物を視準スコープで照準します。次にレーザー距 離計で同じ目標物を見てレーザー距離計内のクロスヘアーの鉛直線(タテ線)が 目標物の上に正しくのっていたら OK です。そうでなければ次のステップに進み ます。 レーザー/APS 取付ブラケットの¼-20 ネジを 3/16 アーレンキーでゆるめます。 少なくとも 1km 以上離れた目標物を視準スコープで視準します。 レーザー距離計のクロスヘアー鉛直線が目標物の上に視準されるまでレーザー距 離計を回転させます。 調節ネジをアーレンキーで締め付けます。 再度照準されているか確認します。 23 11.0 仕様 精度 方位精度: 鉛直角精度: GPS位置精度: 外観 サイズ: 重量: 筺体: APS底面取付穴: マウンティング(取付け) オプション: LCD: 音(トーン): パネル: 充電ポート: 操作 LCDに表示されるモード: <0.2 GPSインテグリティが80%以上の時 0.2 から 0.5 GPSインテグリティが50%から80%の時 0.5 から 1.0 GPSインテグリティが30%から50%の時 1.0 から2.0 GPSインテグリティが30%以下の時 ± 0.2 (±0.1標準) 1m未満(MSAS DGPS補正情報受信時) 2.5 m(単独測位時) 10 X 13 X 66cm(視準スコープを除く) 1.6kg(視準スコープを除く) ポリカーボネイト 1/4-20、 5/8-11 カメラ三脚、測量三脚用 レーザーブラケット、レーザー/APS取付ブラケット 128 X 64 バックライト付トランスリフレクティブ液晶 ボタンプッシュトーン ホットキー、メニューキーを装備したカスタムパネル パネル部分の出力ポートとレーザーポートの間に装備 標準ヘディング (方位、鉛直角、GPS座標) 信号強度 (信号強度を棒グラフで表示) レーザーオフセット (リモート点緯度、経度、高度) 対辺測定 (リモート2点間基線、座標) 電源 内部バッテリ(外部バッテリ 選択可): 動作時間: バッテリーモニター: 充電器: オン/オフボタン 内蔵リチウムイオンバッテリー 満充電で6.5時間 6分ごとにバッテリー残量を表示更新 リチウムイオンスマートチャージャー(最長1.5時間で充電) LED表示付パネルボタン 通信 出力ポート: プロトコル: ダウンロードケーブル: Bluetooth(オプション): 出力フォーマット: レーザーポート: データをPC、PDAにダウンロード 8-N-1、ボーレート変更可能 APS側4ピン、PC側D-sub9ピン専用ケーブル クラス1 Bluetooth(技術基準適合証明未取得) NMEA ($GPGGAとLTI社準拠$PLTIT) レーザーオフセットモードと対辺測定で使用 環境 動作温度: 保護等級: -30º C から +60º C NEMA 4, IP65 24 12.0 トラブルシューティング APS が方位を LCD に表示しません。 GPS を受信する環境が悪い可能性があります。マルチパス(地面などの反射波)、ビルなど による受信障害、電波障害などによる影響かもしれません。 完全に天空が開け APS が GPS を受信するのに障害物の無い場所でもう一度受信してみてくだ さい。たとえば人間が APS のそばに立って低い位置に APS を設置した場合でもマルチパスの 原因となります。 衛星の幾何学的配置状況を示す DOP 数値に注意してください。この数値が 2 以下であればす ばらしい状態で、3 以下でもまあまあの状態で GPS を受信していると言えます。 方位の数値が安定しません。 これもマルチパスの影響や、衛星の幾何学的配置(DOP)が悪い可能性があります。 GPS インテグリティを確認してください。少なくとも数値が 30 を超えていなければ 方位は安定しません。 APS の電源が入りません。 充電しても電源が入らない場合には㈱GISupply 社までお問合せください。 PDA に出力されたデータが正しく表示されていません。 APS と PDA、PC のボーレート通信手順を確認してください。 25 サポート情報 サポート、修理連絡先 株式会社 GISuppy (カブシキガイシャ ジーアイサプライ) 住所: 〒071-1424 北海道上川郡東川町南町 3 丁目 8 番 15 号 電話: 0166-73-3787 Fax: 0166-73-3788 Email: [email protected] Website: www.gisup.com ワランティについて MultiWave Sensors Inc. (MWS) はお客様が APS ご購入日より 1 年間製品保証 いたします。 製品に故障、不具合が発生した場合送料を除いて製品を無償修理いたします。ただしお客様 の間違ったご使用、改造、事故、災害などで APS が故障した場合にはワランティの対象とな りません。 MultiWave Sensors Inc.および株式会社 GISupply はお客様が APS を使用したことにより起 こる、いかなる不利益、損害、利益獲得機会の損失について補償するものではありません。 APS の分解、改造を試みた場合には、ただちにワランティが向こうとなります。 26