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当日配布資料(5.7MB)
都市部の大気・熱汚染低減と特殊緑化空間緑化 のための植物新品種 広島大学 大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻 助教 高橋 美佐 1 高い環境浄化能をもつイタビ新品「KNOX」 「KNOX」は、イオンビーム育種により突然変 異を誘発して得られた突然変異植物であり、 これは世界で最初の成果である。 常緑つる性植物で、壁面緑化に適している。 2 イタビ:クワ科イチジク属のつる性常緑樹 つる性常緑街路樹で、緑化植物に適している。 4番目に高いNO2吸収能力。 組織培養系の確立が比較的容易 3 イオンビーム照射 イオンビームを高速に加速して生物に照射するとDNAに損傷が起こ る。その結果、突然変異が生じる。 ガンマ線やX線は塩基単位で変異、イオンビームは、エクソン単位で 変異を誘導する。 イオンビームはガンマ線やX線などに比べ突然変異率が高い。 4 イオンビーム照射でヒメイタビに変異誘発 NO2暴露 イオンビーム照射 12C5+, 12C6+ or 4He2+ 15NO 2 15NO 2 15NO 2 ヒメイタビ ヒメイタビ外植片 1 ppm 15NO2 で8時間暴露 5 NO2吸収量の測定 NO2吸収能力 NO2分解能力 6 約25,000外植片から得られた263系統の NO2吸収能力を測定 7 NO2吸収能の高い個体 ↓ 挿し木で繁殖 (2代目) 約10系統100個体 ↓ 20 cm 長個体 ↓ NO2吸収能調査 ↓ NO2吸収能の高い個体 ↓ 挿し木で繁殖 (3代目) 約3系統300個体 ↓ 20 cm 長個体 ↓ NO2吸収分解能調査 1 ppm 15NO2 で 8 時間暴露 (吸収能) NO2由来の全窒素EA/MS分析 (分解能) NO2由来のケールダール窒素、EA/MS分析 8 NO2吸収量、分解量が野生株より 1.4〜1.8倍上昇した「KNOX」株 NO2 吸収量 野生株 KNOX NO2 分解量 野生株 KNOX 9 NO2吸収量が野生株より1.4~1.8倍上昇し た「KNOX」株 野生株 KNOX株 10 壁面を覆うヒメイタビ 11 産学官による共同研究への発展の可能性 KNOXは、都市特殊緑化空間、特に壁面緑化に適した植物であ る。特殊緑化空間の緑化のための植栽やパネルなど緑化資材 として実用化が想定される。 本研究で得られた成果をもとに、緑化産業、園芸産業と共同 して壁面緑化植物として商品開発を行なう。具体的には、 ピートモス、パーライト、バーミキュライト、ポリエステル 繊維等を培土基材としてKNOXを植え込んだパネルとする。 12 全国屋上・壁面緑化施工面積調査結果 全国屋上・壁 面緑化施工 面積(累計) 都道府県別 の施工面積 (平成12-18 年合計) 国土交通省 13 国土交通省 14 壁面緑化 15 全国屋上・壁面緑化施工面積調査結果 国土交通省 16 年平均値 (ppm) 日本の大気中窒素酸化物(NOx=NO + NO2)濃度の年平 均値の経年変化 自排局: 二酸化窒素 一般局: 二酸化窒素 一酸化窒素 17 植物は大気中NO2を取り込んで葉でア ミノ酸など有機態窒素に代謝する NO2 NO3 - NO2 - アミノ酸 など 根から NO3- NO2 18 KNOXによる都市大気・熱環境の改善 19 想定される用途 • 環境緑化 壁面、屋上、工場、高速道路壁面緑化 • 道路植栽 一般道路、高速道路壁面 • 環境浄化 想定される業界 緑化関連事業、環境開発事業、建築関連事業、 園芸 など 20 実用化に向けた課題/企業への期待 KNOXを壁面・屋上緑化に用いるための課題 ・栽培条件の確立 ・パネル技術の確立 ・その他緑化資材としての適性確認 期待 • 屋上緑化、壁面緑化事業に本技術の導入が有効と 思われる。これらの事業を検討、展開中の企業と の共同研究を希望。 21 本技術に関する知的財産権(1) • • • • 発明の名称 出願番号 出願人 発明者 :ヒメイタビ変異体及びその利用 :特願2006-328680 :広島大学他 :森川弘道、高橋美佐他 本技術に関する知的財産権(2) • • • • • 出願品種の名称 :KNOX 農林水産物の種類:ヒメイタビ 出願番号 :第21051号 出願人 :広島大学他 育成者 :森川弘道、高橋美佐他 22 お問い合わせ先 広島大学 大学院理学研究科 助教 高橋 美佐 TEL 082-425 - 6343 e-mail mtakahas@ sci.hiroshima-u.ac.jp 科学技術振興機構(JST) 技術移転促進部 シーズ展開課 技術移転プランナー 梅村 鎮男 TEL :03-5214 - 7519 FAX :03-5214 - 8454 e-mail:s2umemur@ jst.go.jp 23