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平成 28 年度「花とみどりの講習会」
平成 28 年度「花とみどりの講習会」 平成 28 年 7 月 22 日(金) みどりのさきもり館 第2回 ✿ 初心者向け ✿ 「植木の夏季せん定とツツジの植樹 ~風の通るお庭に~」 講師 : やまぐち ひでかつ 一級造園技能士 山口 英勝 氏 剪枝・剪定の準備と必要な用具 -あらかじめ用意しておこう- ●剪枝・剪定の心がまえ 庭作業といえば、植木屋さんの領域でしたが、現在は「庭」といっても200㎡、300㎡と いう庭は非常に少なく、30㎡、50㎡の小さな庭が多くなっています。これくらいの庭は、庭 木の手入れをわざわざ植木屋さんに頼む必要もなく、みずから鋏やノコギリを持ち、日曜植木屋 として手入れをしていくのも楽しいものです。 植木屋さんと素人では、どこに技術の差があるのでしょうか。それは「植物の特性と生理」を よく知っているかどうかということです。 生理を知ることは「ツボ」を知ることで、迷うことなく枝が切れるということです。このよう なツボをわきまえるには、まず植物を好きになることです。 また、美しい庭木に仕立てていくということは、美に対する「センス」も大切な要素といえま す。 そのうえ、最も重要なことは、庭作業に対し、安易な気持ちでとりかからないことです。 植木屋さんといえば、紺染めの手甲脚半に前掛け姿ですが、土のやわらかい庭に脚立を立て、 鋏やノコギリなど、いろいろな刃物を持ち、高いところの作業が多いことから、支度、身構えに は十分注意が必要です。 だいたい怪我をする場合は、脚立にスリッパのまま上がったり、裾や袖口がバサバサしている など、身支度の不注意によることが多くみられます。 鋏やノコギリも、よく研ぐことが大切です。切れ味の悪い鋏なら、怪我の率も少ないでしょう が、仕立て上がりが悪いばかりか、手首や腕を痛めてしまったり、結局時間ばかりかかってしま い、結果が悪くなります。木鋏、刈り込み鋏などは十分研ぎつけておき、真剣に取り組んでいく ことが大切です。 ●ぜひ備えておきたい用具 庭木を管理していくためには、いろいろな用具や材料、肥料、農薬など最小限の用意はしてお きたいものです。特に庭仕事は鋏やノコギリ、鎌などの刃物を持つ作業が多いことから、代用で すませたために怪我をした、という例をよくみかけます。脚立のかわりに空箱を使い、無理をし たために倒れたなど、大きな事故を招く結果になります。 一般家庭で庭木を管理するために備えておきたい用具類を次にあげておきます。 木鋏 こまかい枝切りに欠くことのできない必要な道具です。慣れるとかなり太い枝も切れます。 剪定鋏 木鋏では無理な枝を切るのに1丁は用意しておきたいものです。 刈り込み鋏 生け垣や玉もの、仕立てものの刈り込みは、木鋏や剪定鋏では大変。この鋏があれ ば便利です。 折りたたみノコギリ 刃の部分が30cmくらいのノコギリがあれば、一般家庭では十分です。 移植ゴテ 小さなものの植えつけや移植に適します。少し割高になってもステンレス製にします。 スコップ 大きな穴を掘ったり、植えかえなどに欠かせません。 レーキ 金属製で短い刃が10~12本ついているものです。整地などに便利です。 1 草かき 庭があったら是非一つ用意しておきたいものです。 鎌 雑草とりやヤゴのかきとりなどに便利です。 脚立 植木屋さんは、細い丸太で三脚を作って使いますが、市販のもので十分です。 噴霧器 いろいろな形、大きさのものがありますが、20~30坪の庭で、あまり大きな木が植 えてなければ、5~10ℓくらいのもので十分間に合います。長もちのするステンレス製か、簡便 なポリ製がよいでしょう。 ジョウロ すべてホースでというわけにもいきません。鉢にはジョウロで静かにかけてやりたい ものです。ステンレス製か銅製のやや大きめのものを用意します。 シュロ縄 枝の誘引や結束などに、2~3束用意しておくと重宝です。 杉皮 支柱などのとりつけに、少しあればよいでしょう。 ナイフ 接木、挿し木には欠かせない道具ですが、切り口の削り直しや、こうやく病の削りとり に用います。 肥料 乾燥鶏ふん、油粕、骨粉、粒状化成肥料など、大量に用意する必要はありませんが、5~ 10kgはいつも使える状態に用意しておきたいものです。 農薬 殺菌剤、殺虫剤にはたくさんの種類のものが出ていますが、各メーカーによって商品名が 違っても、薬効は同じです。殺菌剤、殺虫剤とも2~3種に展着剤、希釈用計量カップにポリバ ケツなど、専用のものをそろえておくようにします。 以上のほか、まだたくさんの道具がありますが、これくらいそろえてあれば、家庭ではだいた い間に合います。また、農薬の保管には事故のないように十分注意しましょう。 用具のいろいろ 移植ゴテ 剪定鋏 脚立 刈り込み鋏 鎌 ノコギリ 木鋏 スコップ シュロ縄 草かき 噴霧器 レーキ 杉皮 ナイフ ジョウロ 堆肥 農薬 針金 2 剪定の仕方 -どんな枝を切ったらよいのか- ●剪定の目的 「剪定」とは美しい樹形を作るとともに、美しい花を咲かせ、実を多くつくること及び、病気や 害虫に対する抵抗力をつける目的で行います。もちろん、庭という限られたスペースの中で多く の木とともに永年生育していくためには、枝を間引き、切り詰めていかなくてはなりません。 また、周囲の環境に調和した大きさや、高さに制限した樹形を維持していくことも大切です。 不要な枝もたくさん出てきます。幹の途中などから多くの芽が吹き、枝を伸ばします。これら を放任しておけば、こうした枝に養分がとられて正常な生育が妨げられてきます。これらを整理 して、日照、通風をよくしてやることにより、正常な枝の育成を助けていきます。 こまかい枝が密生してくると、だんだん元気のよい枝の出が悪くなってきます。このようなと きに、枝の切り戻しをすると、元気のよい枝が出て、目的の樹形が早く作られます。 このほか美しい枝を作ったり、好みの樹形に仕立てる、生長のバランスをとる、老化を防ぎ若 返りを図るなど、いろいろな目的をもって剪定を行います。 ●剪定の基本 剪定を行うときは、まず木全体の姿を眺めてみます。枯れ枝や病枝、大きな傷のある枝はとり 去り、樹形を乱している枝や正常な生育を妨げている枝は、不要枝なので剪定します。 不要枝としては次のようなものがあります。 胴吹き枝・ヤゴ枝 幹の途中から伸び出した小枝を胴吹き枝、地際から伸び出したものをヤゴと かヒコ生えと言っています。これらを放っておくと、必要以上に養分を要求するため、上枝の生 育に影響を及ぼしてきます。 ふところ枝 樹冠の内側に伸び出している枝です。このような枝は開花結実は望めないし、枝葉 の込みすぎの原因となります。放置しても2~3年で枯れますが、日照、通風をよくするために 早めに切りとります。 徒長枝 幹や枝から勢いよく伸びている枝です。放置しておくとこの枝に養分を奪われ、大切な 枝を枯らしたり、樹形を乱します。 逆枝 枝が本来伸びる方向と逆方向に伸びている枝です。美観上好ましくありません。 交差枝・からみ枝 主枝や残したい枝と交差したり、からんだりしている枝です。美観を損ない ます。 車枝・平行枝 枝が1ヶ所から車輪状に出ている枝を車枝、主枝や側枝に平行に伸びている枝を 平行枝といいます。枝が込む原因になりますし、美観上も不釣り合いです。 内芽と外芽 木の芽は、普通は節のところにできます。同一節の左右にできるものを「対生」 、節 ごとに左右交互にできるものを「互生」と呼んでいます。そして、これらの芽のうち、幹側に出 ているものを「内芽」 、外側に出ているものを「外芽」と言っています。 一般に、内芽は樹冠内部に枝を伸ばすことになり、日照、通風を悪くする原因になります。枝 は外側に伸びることで、日照、通風がよくなります。また、樹形を整えていく上でも美しくなり ます。したがって、剪定するときは、できるだけ外芽を育てるように、外芽の上で切るのが一般 3 的です。 ●上手な剪定の方法 枝先の切り方 枝先を切る場合は、よく切れる木鋏か剪定鋏を用います。生花用の刃肉の厚いも のやよく刃のついていない鋏で切ると、切り口がつぶれて枯れ込みの原因になります。 不要枝 ×印が不要枝なので、 剪定の目安にする × 徒長枝 太枝 × × 車枝 逆枝 × × 平行枝 立ち枝 × 側枝 主枝 下がり枝 × 幹 ヤゴ(ヒコ生え) ●内芽と外芽● 内芽 切る 外芽を伸ばすように すると、通風、採光 がよく、形も整う 外芽 4 ツツジ科●常緑・落葉性広葉低木~大低木●花期3~6月 ツツジ類(常緑性・落葉性) 1 月 花 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 期 花芽形成 剪 定 植えつけ 日本はツツジ類が非常に多く、世界一といっても過言ではありません。2~3月から咲き始め るミツバツツジやゲンカイツツジから、5~6月に咲くサツキツツジやアマギツツジなど、常緑 性や落葉性、半落葉性、また樹高が30~50cmのミヤマキリシマ、ヤシオツツジのように小 高木状になるものなど、花色、花形ともに、非常に多くの種類や品種があります。 ●開花の習性 樹冠の面積に対する花の量を見ると、これほど多くの花を咲かせる花木も少ないものです。 花芽は今年伸びた枝の先端に7月下旬から9月の間につくられます。この芽は翌年春に開花し、 花が終わるころから新鞘が2~5本伸び、その先端に蕾ができます。放任するとこのサイクルで、 生長と開花を繰り返し、生長していきます。 ●剪定のコツ 花芽(蕾)は新鞘の先端につくので、花の終わった直後に刈り込みを行い、樹冠をそろえてや ります。常緑性ツツジは枝がこまかく密生するので、刈り込み鋏で一律に、目的の樹形に刈り込 んでいきますが、花芽が形成された8月以降の刈り込みは避け、11月以降樹冠を著しく乱すト ビ枝を切りとる程度とします。8月以降に刈り込むと花芽を切り落とすので、翌年は花が咲きま せん。 落葉性ツツジは萌芽力が弱いので、刈り込みの必要はほとんどありません。密生している部分 や樹冠から飛び出している枝を間引く程度にします。間引くときは、枝を途中で切り詰めること は避け枝元から切り落とすようにします。 5 常緑性ツツジ ●秋の整姿● ヤマツツジ、リュウキュウツツジ、 ヒラトツツジ、クルメツツジ、キ リシマツツジなど ●初夏の刈り込み● 株を大きくしたいときには 弱く、大きさを維持したい ときには強く刈っていく。 初夏の刈り込み後、夏芽がわずかに伸び、先端部に花 芽(蕾)ができる。 一律に刈り込むと花芽を切り落としてしまうので、特 に樹形を乱すトビ枝を切りとる程度にとどめる。 基本線よりやや伸び、 著しく樹形を乱す 翌年先端に花が咲く 枝のみを切っておく ●刈り込み● 花後~6月下旬ごろ 花芽のついた状態 花芽 ㋑ ㋺ ㋩ 新梢 刈り込みは花の ㋥ 刈り込みは強弱により 終わった直後から6月中 ㋑~㋥のどこで 旬までに行えば、翌年も 切ってもよい 花が立派に咲く 花の咲いたあと ●刈り込み後の芽の伸び方● ㋑ ㋺ ㋩ ㋥ 6 落葉性ツツジ 2年目2~4月の状態(開花) ミツバツツジ、アマギツツジ、ク ロフネツツジ、ジングウツツジ、 オンツツジ、レンゲツツジ、ゲン カイツツジ、エゾムラサキツツジ (常緑性)など ●花の咲き方● 11月~翌年2月の状態 (例)ミツバツツジ 1~3個の 花をつける 花芽(蕾) ●剪定の仕方● 3年目の6~10月の状態 花芽(蕾) × 枝は必ずつ け根で切る 途中で切っ ○ × てもここか らの萌芽は ほとんど望 めない 花の咲いたあと 落葉性ツツジ(常緑性エゾムラサキツツジを含む)は 枝が粗生なので、特に刈り込みなどの必要はほとんど ない。 もし、枝を切る場合には、萌芽力が弱いので、枝の途 中から切ることは避け、必ずつけ根で切るようにした い。しかし、地域や樹種によっては刈り込みの可能な 7 ものもある。 ●樹形● ●仕立て方● 放任樹形 12~2月 著しく全体 の姿を乱す ような枝は 切りとる 常緑樹のよ うな、こう いう刈り込 ミツバツツジなどは みは避ける 特別に整枝を行わず とも、自然に美しい 樹形に育ってくれる つけ根から 切りとる ●ヒコ生えの処理● 12~2月 ヒコ生え ●取り木● 12~2月 ヒコ生え 不要なヒコ 生えは、つ け根から切 りとる 盛り土をし 発根したら ておくと発 切り離して 根する 鉢や庭に植 える 8 カエデ科●落葉広葉中高木~高木●紅葉期10~11月 カエデ類 1 月 花 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 期 紅 葉 期 剪 定 植えつけ 種類が非常に多く、北海道には北海道に適した種類があり、高山には高山に適した種類があり ます。またこれらの園芸品種も非常に多く、世界で一番多くの種類があるといっても過言ではあ りません。 ●剪定のコツ カエデ類は樹液の活動がほかの木にくらべて早く、2月も下旬になると、相当盛んに行われる ようになります。そのため剪定は、落葉直後から2月上旬には終わるようにします。 剪定はできるだけ自然の姿をそこなわないようにすることが大切です。太い枝を途中から切り とるようなことは避け、太中小と枝を配っていくことが大切です。枝の切り口には、トップジン Mペースト剤などを塗って保護します。 ●樹形● しだれ種の樹形 普通種の自然樹形 しだれ種の枝葉 普通種の枝葉 5~11月の状態 11月~2年目 3月の状態 9 ●剪定の仕方● 剪定は落葉期に行う 【普通種】 強い枝 強い枝はつけ 根から切る × このような 途中から切ると × 強い枝を途 再び強い枝が伸 中で切ると びてしまう 再び強い枝 が伸びる ○ 必ずつけ根 から切る 弱い枝は枯れてし まうので、早めに 切りとってよい 【しだれ種】 段違いになるよう に切るとよい 胴吹き芽は 早めにかき とる よい切り方 悪い切り方 しだれ種は一律に切り そろえると、硬い感じ になってしまう 10 植えつけと移植 -適地、適期に行うようにする- -植えつけ- 植えつけを行うとき、まず注意しておきたいのは、環境に適した木を選ぶようにすることです。 自然環境としては、日当たりが悪かったり、排水の悪いところ、乾燥が厳しい庭、西日や強い 北風の当たるところ、大気汚染の著しい庭などが上げられます。 木の選定にはこれらを考えていくことが大切です。 ●庭木によい土 宅地造成が盛んに行われている今日では、庭土といっても、いろいろなものがあります。昔か ら庭として使われていた土、畑であった土、埋め立て造成のために運ばれてきた土などです。 庭木に適した土は、水分や空気を十分に含むとともに排水のよいことです。一つの目安を上げ てみます。 ①雨が降った直後でも水たまりができない。 ②表土が白く乾いているときに水をやっても、水玉ができたりしないで、スーと吸い込んでいく。 ③晴天の日が続いても、表土にひび割れが起きない。 ④粘土分を多く含んでいない。 土質が悪く、水はけの悪い庭土のときは、バーミキュライト、パーライトなどの土壌改良剤と 完熟堆肥、腐葉土、ピートモスなどを入れてやります。 ●植えつけの時期 庭木は葉が落ちた休眠期が植えつけの適期とされていますが、植物にはそれぞれに特性があり、 樹種によって適期が異なります。適期に植えつけを行えば活着しやすく、植えつけ後も順調に生 育していきます。一般的な適期は以下のようです。 針葉樹 寒さ、暑さに強い木が多いので、わりあいに扱いやすい樹種です。寒地と暖地では植え つけ時期に開きがありますが、標準的には2月中旬~4月上旬、9月中旬~11月中旬の2回が 適期です。暖地性のヒノキ、サワラ、ヒマラヤスギなどは気温が高くなる4月上旬が適期です。 常緑広葉樹 寒さに弱い木が多いので、寒いときの植えつけは控えます。適期は新梢が固まる時 期で、6月中旬から真夏を除いた10月上旬ころまでです。 ホース ●植えつけ方● <土ぎめ法> <水ぎめ法> 棒 水鉢 植え穴の周囲を 少し盛り上げ、 水鉢を作っておく 11 1/3~1/2 くらい 1/3~1/2 ほど 土を入れ、棒で 土を入れた後、 突っつき、根と 水を注ぎ根を 土をなじませる 堆肥 なじませる 3回くらいに 水が完全にひ わけ土を突き いたら、再び 入れた後、水 土を入れ、水 やりする を注ぐ 落葉樹 落葉期間中が理想的です。2月下旬~4月上旬ころの萌芽前と11月中旬~12月中旬 ころです。寒い地方では春植えにします。 ●植えつけの仕方 植え方には、水ぎめ法と土ぎめ法の二つがあります。いずれの方法でも、植え穴はなるべく大 きめに掘り、根が十分におさまるようにします。 水ぎめ法 植え穴に木をすえたら、土を穴の2分の1から3分の1入れ、水を十分に注いでやり、 土と根がなじむようにします。水がひいたら、さらに土を根元まで入れ、根元回りをかるく踏み つけてから、再びたっぷりと水を注ぎます。植え穴の回りには土を少し盛り上げ水鉢をつくって おきます。 土ぎめ法 植え穴に木をすえたら、土を穴の3分の1くらい入れ、細い棒で突っつきながら、細 根の間にまで土が行き渡るようにします。再び土を根元まで突っ込み、根元回りを踏み固め、土 を落ち着かせるため、十分な水やりをします。 -移植- 移植は今まで生育した木を別の場所に移すことを言いますが、植えつけも厳密には他の場所に 植えてあったものを移し植えるので、移植とも言います。しかし植えつけは、売るために仕立て ておいた木を植えることなのに対し、移植は永年放置したものを掘りとり、別の場所に植えかえ ていくことです。 ●根回しと掘り上げ 移植を行うときは、まず、根回しをして、細根をたくさん作り、移植を容易にしてやります。 若木で根がわりあいよくできているものは、移植の3~6ヶ月くらい前に、スコップを根元回 りに深くさし込み、側根を切っておきます。3~6ヶ月で細根が伸びてきますから、掘り上げて 移植します。 移植の難しい木や永く植えつけたままになっている木は、根が長く粗生していますから、6ヶ 月から1年くらい前に根回しをしておきます。時期は春の萌芽前か8~9月が適しています。 株元から幹の直径の5~6倍離して円を描くように掘り、側根を露出させ、細根は切りとりま す。太根は三、四方に1本ずつ残して、他はノコギリで切りとります。残した根は10~15c m幅に環状剥皮しておきます。掘った穴は埋め戻しますが、悪い土の場合は、ピートモスや堆肥 を混ぜた土で埋めておきます。 掘りとりは、幹の直径の5~6倍の根鉢をつけます。大きな木は根鉢よりスコップ幅だけ大き めに掘りはじめ、最後に根鉢の大きさにして移植します。 <小さい木> ●根回し● <太い木> 根鉢 ①周囲を掘る 作業しやすい幅 ②太根は環状剥皮 ③元通りに埋め戻す ④直根は移植時に切る 周囲をスコップで 断根する 発根 切る 切る 根鉢 環状剥皮 12 移植のときに直根は切る 移植のとき切る ✿ 13 M E M O ✿ 参考文献 船越亮二(1988) 『いつ、どこを、どう切る? 図解・花木、庭木100の剪定のコツ』主婦の友社. 14 むつ市建設部 都市政策課 みどりと景観グループ 電話 15 0175-22-1111(内線 2741)