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ブランドジュエリー
Ⅵ章:商品カテゴリー別市場動向 ブランドジュエリー インポートジュエリー ■インポートジュエリーの市場規模推移と予測 2015 年のインポートジュエリー(アジアからの低単価のものなどを除く)小売市場規模は、 前年比 106.8%の 3,250 億円となった。この数字は、実に宝飾市場全体の 33.5%を占めている。 インポートジュエリー市場のこれまでの推移をみると、2007 年以降リーマンショックによる 世界同時経済危機により、特に高級品を展開する欧米のインポートブランドは大きな痛手を負 っていた。2010 年に入ると、アジア諸国からの観光客需要も見られ始め、国内消費も徐々に回 復。2011 年には東日本大震災による消費マインド低迷が懸念されたものの、“絆”を表現する アイテムとしてジュエリーが浮上し、ブライダルジュエリーを中心に動きが見られ始めた。絆 需要では、“より本物を”という機運が増したことも、高級インポートブランドが好調だった 要因だ。2012 年に入ると、富裕層を中心に高額商品の購買が伸張。百貨店は 16 年ぶりに前年 比増収を記録しており、百貨店が主な販路となるインポートブランドの躍進も目立った。 2013 年に入るとその傾向に拍車がかかった。アベノミクス効果で、百貨店では高額品を中心 に腕時計などを含む美術・宝飾・貴金属の販売額が前年比 16%増。アベノミクスの恩恵は都心 部の主要店に限られていたが、都市部に多く展開しているインポートブランドの 2013 年度の 業績は飛躍的に伸びた。2014 年になると消費増税前の駆け込み需要が起こった。4 月以降は駆 け込み需要の反動は大きかったものの、インバウンド消費にも支えられ、トータルではプラス 成長となっている。2015 年もさらなるインバウンド需要に支えられ、銀座エリアや新宿エリア の店舗ではインバウンド比率が 50%を超えるブランドも存在するなど、各ブランドのアイコニ ック商材を中心に好調に推移した。 しかし、2016 年に入ると、中国政府による関税の引き上げを発端にインバウンド消費が顕著 に失速。2016 年 5 月の全国の百貨店の免税品の総売上高は前年同月比 16.6%減となった。こ うしたことから、2016 年の市場規模は前年比 95.0%の 3,088 億円と予想する。 (億円) インポートジュエリー市場規模推移 3,500 3,000 2,732 2,696 2,671 2,689 2,893 3,110 2,991 2,750 2,318 2,500 2,434 2,502 2,630 2,950 3,042 3,250 3,088 2,000 1,500 1,000 500 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (予) 矢野経済研究所推定