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30E22-pm20

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大麻煙含有成分の CYP2C9 活性に対する影響
1 1
北陸大薬,2 九州保福大薬)
◯山折 大 1 ,小枝 恭子 1 ,山本 郁男 2 ,渡辺 和人(
【目的】大麻は世界中で最も乱用されている薬物である。大麻乱用者の中には医
薬品を服用することがあるが、このような場合、大麻成分と医薬品との間で相互
作用が問題となる。これまでに、ワルファリン服用中に大麻を喫煙した際に、ワ
ルファリンの作用が増強し深刻な事態を招いた症例が報告されている。ワルファ
リンの代謝には主に CYP2C9 が関与することから、大麻喫煙成分が CYP2C9 の活
性を阻害した可能性が考えられる。大麻の煙には、カンナビノイドと総称される
特異成分の他に、多環芳香族炭化水素(PAH)や窒素酸化物、一酸化炭素などが含
まれている。本研究では、大麻喫煙成分のうち、カンナビノイドと PAH に着目し、
それらの CYP2C9 阻害作用とその機構について明らかにすることを目的とした。
【方法】ヒト肝ミクロソーム(HLMs)および組換え CYP2C9(rCYP2C9)を酵素
源として、S-ワルファリン 7-水酸化酵素活性に対するカンナビノイドおよび PAH
の影響を検討した。
【結果および考察】Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)、カンナビジオー
ル(CBD)およびカンナビノール(CBN)は HLMs および rCYP2C9 の活性を濃度
依存的に阻害(IC50 < 10 μM)したが、検討した 12 種類の PAH はいずれも強い阻
Δ9-THC および CBN の Ki 値はそれぞれ 0.937-1.50
害を示さなかった(IC50 > 10 μM)
。
μM および 0.882-1.25 μM であり、用いた酵素源に関わらず同等の値を示した。一
方、CBD の Ki 値は 0.954-5.60 μM であり、酵素源の間で大きな違いが見られた。
Δ9-THC の阻害様式は混合型、CBD は競合型、CBN は HLMs に対しては競合型、
rCYP2C9 に対しては混合型を示した。以上の結果から、検討した大麻煙含有成分
のうち、カンナビノイドが CYP2C9 活性を強く阻害することが明らかとなった。
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