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ITER 遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討 仕様書

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ITER 遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討 仕様書
ITER 遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討
仕様書
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
核融合エネルギー研究開発部門
那珂核融合研究所
ITER プロジェクト部
遠隔保守機器開発グループ
目次
別紙 1
1.
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
1.6
1.7
1.8
1.9
1.10
1.11
1.12
1.13
1.14
1.15
一般仕様
件名
目的及び概要
契約範囲
作業実施場所
納期
提出図書
検収条件
支給品
貸与品
適用法規
産業財産権等
機密保持
安全管理
グリーン購入法の推進
協議
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
4
5
5
5
6
6
2.
2.1
2.2
技術仕様
検討対象
作業内容
7
7
9
産業財産権の取扱いについて
i
1. 一般仕様
1.1 件名
ITER 遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討
1.2 目的及び概要
ITER ブランケット遠隔保守システムは、ITER 機構(以下「IO」という。
)との調達取決
めに基づき、システムを構成する機器を 3 つのパッケージに分割して設計・製作を進めてい
る。最終的には 3 つのパッケージを 2022 年に統合化し、全体システムの設計・製作の妥当
性を実証試験によって確認する。このため、製作仕様を明確にするための設計や、設計の妥
当性を確認する技術開発を実施し、工程遅延が発生しないように調達活動を推進する必要が
ある。本件は、ITER ブランケット遠隔保守システムの一部であるパッケージ2及び3の ITER
遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討を実施することを目的とする。
1.3 契約範囲
ITER 遠隔保守装置制御の品質保証に関わる検討
1.4.作業実施場所
量子科学技術研究開発機構(以下「量研機構」という。)
那珂核融合研究所及び受注者社内
1.5 納期
平成 29 年 3 月 10 日
1.6 提出図書
図
書
名
提
出
時
期
部数
確認
進捗報告書
毎月末
1部
不要
作業報告書
納入時
1部
要
提出図書に関わる
電子ファイル
納入時
1式
不要
委任又は下請負届
(量研機構指定様
式)
作業開始 2 週間前
※下請負等がある場合に提出のこ
と。
1部
要
提出する作業報告書は以下とする。
・ケーブル調達設計仕様のとりまとめ(英語)
・ケーブル他調達コスト評価とまとめ
2
・配線計画、IO との取り合い整理
・制御システム全体設計まとめ(英語)
・制御ハード設計の仕様書
・多芯複合ケーブルの設計・試作の報告書まとめ(英語)
・多芯複合ケーブル耐久性試験仕様書
・多芯複合ケーブル CE マーキング対応設計とまとめ
・第一工学試験棟試験エリア拡張の仕様書
・開先計測検討結果(メーカ資料)のまとめ(英語)
・O リングリーク試験まとめ(英語)
(提出場所)
量研機構 那珂核融合研究所 ITER 研究開発棟
(確認方法)
量研機構は、確認のために提出された書類を受理したときは、期限日を記載した受領印
を押印して返却する。また、当該期限までに審査を完了し、受理しない場合には修正を
指示し、修正等を指示しないときは、確認したものとする。
1.7
検収条件
1.6 項に示す提出図書の確認並びに、量研機構が仕様書に定める業務が実施されたと
認めた時をもって、業務完了とする。
1.8
支給品
なし
1.9
貸与品
・メーカ資料1:「トカマク建屋内ケーブル・コネクタ設計検討報告書(H27 年 10
月)」282 頁(A4)
・メーカ資料2:「動力線・信号線の一体化ケーブルの試作試験報告書(H28 年 2 月)」
84 頁(A4)
・メーカ資料3:「ITER 遠隔保守冷却配管開先部計測用ツールの試作試験報告書(H28
年 2 月)」73 頁(A4)
・メーカ資料4:「ITER 遠隔保守機器冷却配管溶接部観察性能評価試験報告書(H28 年
2 月)」33 頁(A4)
・メーカ資料5:「ITER 遠隔保守ロボット用耐放射線 O リングの品質確認試験報告書
(H28 年 2 月)」130 頁(A4)
・メーカ資料6:「ITER 遠隔保守ロボット用耐放射線 O リング機能試験装置部品の製作
(H28 年 3 月)」66 頁(A4)
・メーカ資料7:「ITER 遠隔保守機能試験制御装置の製作(H28 年 2 月)」219 頁(A4)
3
・メーカ資料8:「介在・シースの材料評価試験(仮題)(H28 年 12 月(予))」(頁数未
定)
・IO 向提出文書1:「PBS23-01 DDD (ITER_D_9CQ2DW_v4.0)」345 頁(A4,英語)
・IO 向提出文書2:「Integrated commissioning Testing planPA2.3.P1.JA.01(ITER_D_9CW29M_v2.0)」12 頁(A4,英語)
・IO 向提出文書3:「Review, assembly, inspection and test planPA2.3.P1.JA.01(ITER_D_9CLZVV_v2.0)」19 頁(A4,英語)
・IO 要求文書1:「PBS23-01 SRD(ITER_D_28B6W8_v4.3)」36 頁(A4,英語)
・IO 要求文書2:「RHCS Design Handbook(遠隔保守制御システム設計ハンドブック)
(ITER_D_2EGPEC_v2.3,他)」139 頁(A4,英語)
・IO 要求文書3:「PCDH(プラント制御設計ハンドブック)(ITER_D_27LH2V)」61 頁
(A4,英語)
・IO 要求文書4:「PBS2301-2301 Interface sheet(制御インタフェースシート)」63
頁(A4,英語)
・IO 要求文書5:「IO cable catalogue(ITER_D_355QX2_v6.6)」excel-sheets
・IO 要求文書6:「IO cabling rules(ITER_D_335VF9)」39 頁(A4,英語)
・IO 要求文書7:「Cable trays SRD44(ITER_D_34GBZBv1.3)」38 頁(A4,英語)
・IO 要求文書8:「ITER Seismic Nuclear Safety Approach(ITER_D_2DRVPE)」26 頁
(A4,英語)
・IO 要求文書9:「Safety Requirements for ITER Facility Buildings
(ITER_D_2E4KSJ)」27 頁(A4,英語)
・IO 要求文書 10:「Quality Classification Determination(ITER_D_24VQES)」6 頁
(A4,英語)
・IO 要求文書 11:「Abstract of ITER Fire Safety Approach (ITER_D_25SDBD)」35 頁
(A4,英語)
・IO 要求文書 12:「EDH Part 3: Codes and Standards (ITER_D_2E8DLM)」37 頁(A4,英
語)
・IO 要求文書 13:「EDH Part 4: Electromagnetic Compatibility (EMC)
(ITER_D_4B523E)」37 頁(A4,英語)
・IO 要求文書 14:「EDH_Part1 (ITER_D_2F7HD2)」10 頁(A4,英語)
・第一工学試験棟の図面類
・計算機:Windows PC
・ソフトウェア:MS Office(Word, Excel, Power Point), Adobe Acrobat
1.10 適用法規
(1) 労働基準法
(2) 労働安全衛生法
4
(3) 量研機構内諸規程(安全衛生管理規程、電気工作物保安規程)
(4) 日本工業規格(JIS)
(5) 日本電気工業会標準基準(JEM)
(6) 日本電線工業会規格(JCS)
(7) 電気設備技術基準
(8) CE マーキング
(9) 欧州規格(EN 規格)
(10)国際規格(ISO,IEC)
1.11 産業財産権等
産業財産権等の取扱いについては、別紙 1「産業財産権の取扱いについて」に定められた
とおりとする。
1.12 機密保持
(1) 技術情報の開示制限
受注者は、本契約を実施することによって得た技術情報を第三者に開示しよう
とするときは、あらかじめ書面による量研機構の承認を得なければならないもの
とする。量研機構が本契約に関し、その目的を達成するため受注者の保有する技
術情報を了知する必要が生じた場合は、量研機構と受注者協議の上、決定するも
のとする。
(2) 成果の公開
受注者は、本契約に基づく業務の内容及び成果について、発表若しくは公開し、
又は特定の第三者に提供しようとするときは、あらかじめ書面による量研機構の
承認を得なければならないものとする。
1.13 安全管理
本契約に基づき量研機構において作業・試験等を行う場合、受注者は以下の項目を
遵守すること。
 作業計画に際し綿密かつ無理のない工程を組み、材料、労働安全対策等の準備を
行い、作業の安全確保を最優先としつつ、迅速な進捗を図るものとする。また、
作業遂行上既設物の保護及び第三者への損害防止にも留意し、必要な措置を講ず
るとともに、火災その他の事故防止に努めるものとする。
 作業現場の安全衛生管理は、法令に従い受注者の責任において自主的に行うこ
と。
 受注者は、作業着手に先立ち量研機構と安全について十分に打合せを行った後着
手すること。
 受注者は、作業現場の見やすい位置に、作業責任者名及び連絡先等を表示するこ
と。
 作業中は、常に整理整頓を心掛ける等、安全及び衛生面に十分留意すること。
5

受注者は、本作業に使用する機器、装置の中で地震等により安全を損なう恐れの
あるものについては、転倒防止策等を施すこと。
1.14 グリーン購入法の推進
(1) 本契約において、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関す
る法律)に適用する環境物品(事務用品、OA 機器等)が発生する場合は、これ
を採用するものとする。
(2) 本仕様に定める提出図書(納入印刷物)については、グリーン購入法の基本方針
に定める「紙類」の基準を満たしたものであること。
1.15 協議
本仕様書に記載されている事項及び本仕様書に記載のない事項について疑義が
生じた場合は、量研機構と協議のうえ、その決定に従うものとする。
6
2. 技術仕様
2.1 検討対象
本検討が対象とするのは日本が調達して IO に納めるブランケット遠隔保守システムに関
するものである。
参考図1にブランケット遠隔保守システムの機器構成を示す。機器は3つのパッケージ
に分けて調達され、主な調達品は、パッケージ1(PKG#1)がビークルマニュピレータ、軌
道、軌道支持装置、パッケージ2(PKG#2)がケーブルハンドリング装置、軌道展開装置、
ポート内輸送装置、パッケージ3(PKG#3)がツール類、制御システム、建屋内敷設ケーブ
ルである。本検討では、特に PKG#2, #3 機器に関わる検討を対象とする。
参考図2A、2Bはそれぞれブランケット遠隔保守機器を配置するトカマク建屋の断面図、
平面図を示す。各保守ロボット装置(PKG#1,PKG#2)と保守ツール(PKG#3)は 1F ポートセ
ルの BRHS(ブランケット遠隔保守システム)用キャスク内及び真空容器内に、制御システム
(PKG#3)は 3F の4角に分けて配置し、これらを建屋内敷設ケーブル(PKG#3)でバーチカ
ルシャフトを通してケーブル接続する。参考図2Cは保守ロボット装置を配置するキャスク
と制御システム間のケーブリングの概念図を示す。
参考図3Aは ITER 制御システムの全体アーキテクチャを示す。ITER 中央制 御 系
(CODAC,CIS,CSS)の下に ITER 遠隔保守全体管理(IO 所掌)があり、その下に6つの遠隔保
守のサブシステムがある。ブランケット遠隔保守制御システム(PKG#3)はこのサブシステ
ムの1つでサブシステムは上位系と下位系からなる。参考図3Bは上位系の機能アーキテク
チャの仕様を示す。上位系は運転管理、指令・制御、VR(Virtual Reality:3D 表示)
、入
力デバイス、状態監視、接近確認(干渉)、構造変形予測、遠隔機器診断(故障確認)、炉内
確認(カメラ)、計測(位置、力、接触)の機能コンポーネントモジュールで構成する。参
考図3Cは下位系の機能アーキテクチャの仕様を示す。下位系はデバイス(装置)運転、ロ
ボット言語解釈、キネマティック計算、経路・軌道生成、サーボ制御、状態モニタ、デバイ
ス入出力、計測ログ、エラーログの機能コンポーネントモジュールで構成する。
参考図4Aはケーブルハンドリング装置(PKG#2)に含まれる多芯複合ケーブルの設置概
念図を示す。多芯複合ケーブルを通じて、ビークルマニュピレータのモータ、センサの電
力、信号の授受を行う。参考図4Bは多芯複合ケーブルの断面構成と仕様を示す。多芯複
合ケーブルに含まれる多数のモータ、センサケーブルを、仕様に鑑みて同心円状のシェル
構造で適切配置した構造である。
参考図5Aは遠隔保守作業(配管溶接作業)の対象であるブランケットモジュール配管
溶接部の配置と構造を示す。ブランケットモジュールを構成する第一壁及び遮蔽ブランケ
ットの背面にある冷却配管の溶接部位にブランケット表面側のアクセス孔から配管溶接ツ
ールでアクセスし、遠隔制御で溶接作業を行う。参考図5Bは配管溶接ツール(PKG#3)の
概念構造を示す。レーザ光による溶接機能、イメージファイバ(遠赤外光)による配管合
せ確認機能、溶接位置を制御する駆動系、溶接時の排ガス回収機能などで構成する。
7
参考図6は遠隔保守装置で使用するシール機構の一つであるOリングの仕様とシーリン
グ構造を示す。Oリングは IO の要求条件(耐放射線、難燃性、シーリング性能など)を満
足する材料、構造とする。
8
2.2 作業内容
受注者は 2.1 の検討対象に関わる以下の項目の設計及び品質管理の検討を行い、報告書を
作成するものとする。
2.2.1 建屋内ケーブル検討とケーブルに関わる安全規制、欧州規格検討
2.2.1.1 ケーブル調達設計仕様のとりまとめ:英語
量研機構が貸与するメーカ資料1に基づき、遠隔保守装置制御のためトカマク建屋内
に敷設するケーブル類(ケーブル、ケーブルトレイ、配電盤・分電盤、コネクタ)の
調達設計仕様を検討し、報告書にまとめる。
※安全規制(仏)、欧州規格への対応にも言及する。
主な設計条件は以下(詳細は量研機構が貸与するメーカ資料1を参照)のとおりとす
る。
(0)
共通条件
1)基本要求事項
・ブランケット遠隔システム(制御対象機器全体)は運転期間を通じて瞬時電力
で100kVAを越えないこと。
・ブランケット遠隔システム(制御対象機器全体)はITER電圧クラス4※か
ら給電を受けること。
※①無制限遮断可能(indefinitely interruptible)な交流電源:230/
400V
②ITER電源供給ネットワークから直接給電される。
・非遮断(連続)電源はブランケット遠隔システム(制御対象機器)自体でまか
なうこと。
・センサ信号伝送は個別シールドツイストワイヤーを使用し、ケーブル全体で
もシールド付とする。
・電力伝送用のワイヤーはシールド付とすること。
・シールドは制御盤側のみでグランドをとること。
・信号と電力のケーブリングは可能な限り離すこと。
・信号ケーブル用の全ての未接続のシールドはアースから絶縁すること。
・シールドで保護されてない心線の長さはノイズを拾わないように最短化する
こと。
・絶縁材料はその化学特性と放射線環境に応じて適切なものを選択すること。
・ITERでの使用(試験、組立、除染、保守)でダメージを受ける可能性のあ
る全てのケーブルは適切な外装や臨時のカバーで保護すること。
・全ての電気システムはEMC(電磁両立性)に係わるEU規格 2004/108/EC も
しくは等価な規格に従うこと。
2)ケーブル敷設ルート
参考図2Cにケーブル敷設ルート(ルートA1、A2、B、C)を示す。
9
・1F(L1)、3F(L3)のフロア内ケーブルルートは参考図2B中の緑線
を参照のこと。
・フロア間については建屋バーチカルシャフト内を鉛直にケーブル敷設するも
のとする。建屋断面図(参考図2A)を参照のこと。
・バーティカルシャフト(立坑)は各ポートで1本のみ使用するものとする(参
考図2B)。
3)制御対象機器、制御盤、配電盤の設置場所
制御対象機器は各ポート(No.3,8,12,17)毎に、1Fのキャスク
内に設置、制御盤と配電盤は3Fにポート毎に4か所に設置する(参考図2B)。
中継端子盤はバーティカルシャフト(立坑)のケーブルの出入口となる部分(1
F側、3F側それぞれ)に設置する(参考図2B)。
4)貫通部
・貫通部は1F、3Fの各フロアで、バーチカルシャフトからのケーブル取出
し口(中継端子盤設置付近)に施工する。ケーブル取出し口は各フロアの床
面の高さに設けること。
5)敷設ルート上の環境条件
・線量率: 標準仕様(非耐放射線性)で設計のこと。
・温度(建屋条件):-8℃~40℃
・相対湿度(建屋条件):40~90%
6)設置期間
・恒久設置(30年運用)
(1)
敷設ケーブル条件
1)制御対象機器のケーブル仕様(構造、必要特性、信号レベル)
①モータ駆動軸用電力線
・4心(/軸)、3相モータ線+(中性線)、全体シールド付
・電力仕様は表2によること、
・信号レベル:3相交流、200V
②モータ駆動軸用レゾルバ線
・6心(/軸)、対撚り、各対シールド、
・信号レベル:正弦波、±10V、10kHz
③モータ駆動軸用ブレーキ線
・2心(/軸)、対撚り、各対シールド、
・信号レベル:DC24V
④モータ駆動軸用リミットSW線
・3心(/軸)、3コ撚り、各三コでシールド
・信号レベル:DC24V
⑤6軸力センサ
・24心(/台)、対撚り、各対シールド、
10
・信号レベル:数V以下(5V程度)
⑥カメラ信号線
・36心(/台)、対撚り、各対シールド、
・信号レベル:数V以下
⑦カメラ同軸線
・2心(/台)、
・インピーダンス:75Ω、
・伝送減衰:5.7dB/100m @10MHz)、
2)制御対象機器の種類と台数
表1に各ポート、各キャスク毎に必要な制御対象機器の種類と台数を示す。
表1.制御対象機器の種類と台数
表2にポート当りのモータ駆動軸の詳細内容を示す。内容は全ポート共通で、
各軸の定格電力は全て 2200W とする。
11
表2.ポート当りのモータ駆動軸数の構成内訳
3)ケーブルの選定条件
敷設に使用するケーブルは、IO 要求文書 5 から選定すること。
4)ケーブル長さ見積り方法
参考図2A、2B と以下の算出法により見積りのこと。
・フロア平面内ケーブル長は参考図2B 上でケーブリング機器間の直線距離の
2倍で見積る。
・配線高さのL1は床下配線(高さ-0.5m)、L3は天井配線(高さ3m)
とする。
・バーチカルシャフト部分のケーブル長はL1、L3のケーブル取出し口間垂
直距離の1.2倍で見積る。
表3にケーブルルートと参考長さ(概算)を示す。
12
表3.ケーブリングルートと概算長さ
5)その他の設計条件
IO 要求文書 6 に従うこと(下記含む)。
・難燃性(IEC_60332-1,3 準拠)
・ハロゲンフリー(IEC_60754-1-2 準拠)
・低煙性(IEC_61034 準拠)
・ツイストペア線は全体を銅線編組シールドすること。
(2)
ケーブルトレイ条件
ケーブルトレイ設計は以下の IO 要求文書 7 の要求条件に準拠のこと。
1)一般要求
・ケーブルトレイ及びケーブルの設計は IO 要求文書 6 に従って記述すること。
・ケーブルトレイは、梯子型と底板型がある。電力ラインは冷却の観点から梯子
型、計装・信号ラインは電磁ノイズ低減の観点から底板型を使用すること。
・ITER として標準のケーブルトレイのサイズは以下とする。
1000x100 ㎜、800x100 ㎜、600x100 ㎜、600x150 ㎜、500x100 ㎜、400x100 ㎜、
300x100 ㎜、200x100 ㎜、100x100 ㎜
・ITER として標準の管路サイズ径(外径)は以下とする。
16 ㎜、20 ㎜、25 ㎜、32 ㎜、40 ㎜、50 ㎜、63 ㎜、75 ㎜、100 ㎜
・垂直に積み上げられたケーブルトレイにおいては、人的安全と電力・計装ライ
ン分離の観点から、上側から下側に向かって電圧レベルが上がるように配置す
ること。
2)機械・強度要求
・ケーブルトレイの許容積載荷重は、規格 IEC 61537 に従うこと。
3)耐震要求
・ブランケット遠隔保守機器は Non-SIC であるため、ケーブルトレイの耐震
クラスは SC2(IO 要求文書 8 参照)とする。
4)防火要求
・防火区画を貫通するケーブルトレイは、不燃性の物質でシールすること。
13
・防火区画を貫通するケーブルトレイは、防火壁の両側でケーブルトレイ支
持構造物が崩壊しないようにアンカー打ちすること。
・EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)を満たすこと。
5)接地、絶縁要求
・ケーブルトレイは、機器と 1mΩ(ミリオーム)以下の電気接触抵抗で接続
されていなければならない。
・ケーブルトレイは、全長に渡って電気的に連続でなければならない。具体的
には、1mΩ(ミリオーム)以下の低インピーダンスで接続されていること。
6)換気・空調要求
・ケーブルの電流によって発生する熱量が、換気・空調系の処理能力への影響
有無の観点から発熱量の定量評価を行うこと。
7)電磁的要求
・全ての計装・信号ケーブルのトレイは、電磁的影響を最小にする観点から金
属で覆われるようにすること。
8)核遮蔽要求
ケーブルトレイの貫通部のうち、L1,L3 を貫通する Vertical Shaft について
は、それぞれの放射線区分が異なるためシール処理を実施すること。なお、許容
リーク率は、圧力差 0.3kPa 時に 0.55%volume%/日以下とすること。
(IO 要求文
書 9 の Table2「Leakage rate limitation requirements for room of buildings
(建屋の部屋のリーク制限要求仕様)」に示される許容リーク率を参考に、暫定
値として表中の値の 1/10 を設定。)
9)化学的要求
・表面処理により腐食が進展しないようにすること。
10)材料要求
・ケーブルトレイの金属支持構造物は、IEC 61537 に従い組立後に亜鉛めっき
処理を施すこと。また、ITER プラントの全運転期間中(30年)に腐食が生
じないような亜鉛めっきの厚さとすること。
・ケーブルトレイは、フランス規格 NF P92-507 に従い不燃性クラス M0 の材
質とすること。
・ケーブルトレイは、ハロゲンを含む材料は、トリチウム除去系統に悪影響を
与えるため使用禁止とすること。
11)製造要求
・IO 要求文書 5~14 の中で引用されている適切な規格・基準に従って製作す
ること。
12)組立・設置工事要求
・ケーブルトレイの金属支持構造物は、IEC 61537 に従い組立後に亜鉛めっき
処理を施すこと。また、ITER プラントの全運転期間中(30年)に腐食が生
じないような亜鉛めっきの厚さとすること。
14
・床や壁を貫通するケーブルトレイは、防火区画としてシールすること。
・EMC(電磁両立性)は維持されること。
・ケーブルトレイの組立・設置の際の附番規則、ケーブルトレイ内のケーブル
の段積規則等については、IO のケーブリングルール(IO 要求文書 6)に従う
こと。
13)試験・検査要求
・工場における組立、現地設置工事における試験検査は、12)で採用した適
切な規格・基準に適合した試験検査の規格・基準に基づいて実施すること。
14)運用・保守要求
・ケーブル含むケーブルトレイは、ITER の運転期間中(30年)
、定期保守が
不要となるように設計/製作/設置作業を実施すること。また、ケーブルやケ
ーブルトレイ支持構造物の不具合調査実施を適宜可能な様に設計配慮する
こと。
・ケーブル含むケーブルトレイは、可能な限り既製品を使用すること。
15)品質要求
品質クラス:QC-3(IO 要求文書 10 参照)
16)適用規格・基準
・ITER Seismic Nuclear Safety Approach (IO 要求文書 8)
・Abstract of ITER Fire Safety Approach (IO 要求文書 11)
・EDH Part 3: Codes and Standards (IO 要求文書 12)
・EDH Part 4: Electromagnetic Compatibility (EMC) (IO 要求文書 13)
・IO Cabling rules (IO 要求文書 6)
・Plant Control Design Handbook (IO 要求文書 3)
(3)
コネクタ条件
1)コネクタ種類、ピン仕様
参考図2Cに示す通り、キャスクから制御盤までのルートでコネクタ接続す
るのは
①キャスクでのケーブル取合い
②中継端子盤(L1)でのケーブル取合い
③中継端子盤(L3)でのケーブル取合い
④制御盤(L3)でのケーブル取合い
の4か所である。それぞれについて使用するコネクタ種類(メーカとピン構成
まで)は以下とすること。
・①はレモ社の Lemo5B シリーズ(364,330,304 など)を使用すること。但し、
入手不可の場合は同等仕様の他メーカ品で検討すること。
・②、③は任意のメーカの中から、設計条件を満たすものを使用すること。
・④はハーティング社の Han シリーズ(Han-77DD、Han-32EE など)を使用するこ
と。但し、入手不可の場合は同等仕様の他メーカ品で検討すること。
15
(4)
中継端子盤条件
1)サイズ
各中継端子盤は(3)の設計で決まるポート毎の必要コネクタ量を収納でき
るサイズのものとすること。
(5)
配電盤条件
1)受電仕様
配電盤を設置するL3の4つのエリアには、それぞれに電力ケーブルが敷設さ
れる。各々の定格電力は80kW、電力品質の仕様(IO 要求文書 14 参照)は以
下とすること。
①定格電圧(公称):230/400V
②最大電圧変動:±10%
③交流電圧周波数(公称):50Hz±1%
2)給電仕様(PBS23-01 負荷に対して)
各配電盤が PBS23-01 制御盤に給電する想定最大負荷は50kW。
2.2.1.2 コスト評価
2.2.1.1 でまとめた調達仕様を基に、調達見積りを実施(依頼)し、遠隔保守装置制
御のためトカマク建屋内に敷設するケーブル類(ケーブル、ケーブルトレイ、配電盤・
分電盤、コネクタ)の調達コストをまとめる。
2.2.1.3 配線計画、IO との取り合い整理
トカマク建屋内のケーブル配線計画を設計する。配線ルートは IO の所掌なので、必
要に応じて IO、欧州実施機関(以下「F4E」という。
)協議して、最新情報を設計に反
映する。また、IO、F4E と共有するケーブル類は IO、F4E と協議して仕様の調整を図
り、設計に反映する。
2.2.2 制御システムの CE マーキング対応設計
2.2.2.1 制御システム全体設計まとめ:英語
量研機構が貸与する IO 向提出文書1、IO 要求文書1~4、及びメーカ資料7に基づ
き、遠隔保守制御システムの全体機能設計をまとめる。加えて、上位系/下位系内の
各コンポーネントモジュールの機能設計とスーパーバイザリシステムとの取合い仕
様をまとめる。
主な設計条件は以下(詳細は量研機構が貸与する IO 向提出文書1、IO 要求文書1~
4、及びメーカ資料7を参照)のとおりとする。
(1)計装制御に関する要求条件 INSTRUMENTATION AND CONTROL REQUIREMENTS
 ブランケット遠隔保守装置は、システム装置及びツール類を遠隔制御するた
め、制御計装(I&C)キュービクルによって制御される。制御計装(I&C)キュー
ビクルは ITER インフラと統合するものとし、特定の保守タスクを遂行するため
の上位系運転機能を提供するものとする。
 制御計装(I&C)キュービクルは、特定の運転及び試験シナリオを支持する
16
ために必用な数量が提供されるものとする。
 制御計装ハードウェア及びソフトウェアは、特定の不適合もしくは逸脱が承
認された場合を除いては、CODAC プラント制御設計ハンドブック(IO 要求文書 3)
に従うものとする。
 制御計装ハードウェア及びソフトウェアは、
「遠隔保守制御システム設計ハ
ンドブック」(IO 要求文書 2) によって定められたガイドライン及び基準を遵守
するものとする。
 ブランケット遠隔保守装置の制御計装(I&C)装置は以下の基本運転モード
を提供する。

I&C はオペレータ監視下での自動オペレーションシーケンスを実行
する機能性を提供する

I&C は、適切な入力機器(Input device)を用いて作動について直接
オペレータ制御の機能を提供する。

I&C ループは、運転指令が正確に実行され、予想可能な環境及び機
器の逸脱に対してロバストであることを保証するためにクローズドループ運転
制御(サーボ制御など)を提供する。

I&C は、運転中機器性能が正常な範囲内になるかどうかを継続的に
監視する機能を含むものとする。(モニタリング機能)

ブランケット遠隔保守システムは、停電後も再較正の必要無く電源
投入が可能なものとする。
・ブランケットモジュール(BM)の最も厳しい位置決めは、真空容器に取り付け
られたポロイダルキーと、それに対応したブランケットモジュール内の切り抜
き部分である。
・これらの部品のギャップは、プラズマディスラプション及びハロー電流によ
って起こる電磁力を支持するために±0.25mm 以内であることが要求される。
・ブランケットモジュールは、 キー挿入の前にトロイダル、ポロイダル及び放
射位置に誤差±5mm 未満になるよう、遠隔保守装置及び目標位置の間の相対的位
置測定によって位置決めするものとする。
・エンドエフェクタ及び目標位置の間の相対的角度誤差は、トロイダル・ポロイ
ダル軸周りの回転で±5 度未満、放射方向の回転で±1 度未満とする。
・遠隔による計測は非接触センサーを用いて粗位置決めを行い、小さな溝など
のガイド構造を用いて詳細位置決めを行うものとする。
・BM の誤差±0.25mm以内の正確な最終位置決めは、これらのガイドを用いて
達成するものとする。ブランケットモジュール(BM)は最終的にボルト締結力に
よって位置決めされるものとする。
・冷却配管接続及び電気ストラップ支持は、最終的にボルト締結動作によって
位置決めするものとする。
(2)計算機ハードウェア及びソフトウェアに関する要求条件 COMPUTER
17
HARDWARE AND SOFTWARE REQUIREMENTS
 ブランケット遠隔保守システムには、遠隔操作制御室から遠隔操作をして必
要な保守作業を遂行するのに必要なオペレータインターフェース(ハードウェ
ア及びソフトウェア)を供給するものとする
 オペレータインターフェース(ハードウェア及びソフトウェア)は、「遠隔
保守制御システム設計ハンドブック」(IO 要求文書 2)に決められたガイドライ
ン及び基準を考慮するものとする。
 マニピュレータ機器を用いてのブランケットモジュールの取り外し及び取
り付け、及び支持装置(ツール類、表示、搬送装置)の操作は、
「遠隔保守制御
システム設計ハンドブック」(IO 要求文書 2)に定義される遠隔保守制御室から
遂行されるものとする。
(3)上位系制御のアーティテクチャ(参考図3B参照)
上位系はタスク管理(Task Supervisor)、バーチャルリアリティ(Virtual
Reality)、計測システム(Measuring System)、カメラ視認システム(Viewing
System)、遠隔診断機能(Remote Diagnostics)で構成される。
タスク管理は運転管理モジュール(OMS: Operations Management System)、指
令・制御モジュール(C&C: Command & Control)、入力デバイスモジュール(RH
input devices)、状態監視モジュール(Condition Monitoring System)から成る。
運転管理モジュールはタスクの計画、実行、解析を行い、アクションメッセージ
を指令・制御モジュールに送る。また、指令・制御モジュールからアクションの
結果を受け取る。指令・制御モジュールは遠隔保守機器の運転に使用され、タス
クを実行するコントローラと接続される。さらに、接続された下位系からの情
報を表示し、下位系にコマンドを送るためのメニューを提供する。入力デバイ
スモジュールは遠隔機器の位置を手動でコントロールする際に使用されるもの
(ジョイスティック等)と非常停止ボタンから成る。状態監視モジュールは下
位系からの装置の情報を取得し、モニタリングを行う。
バーチャルリアリティは遠隔保守運転の 3 次元の視覚化を提供し、
運転計画、
運転中の両方で使用される。運転中に使用される際には、バーチャルリアリテ
ィは下位系から情報を取得し、且つ実行管理モジュールからバーチャル上の運
転(位置や動作)の最新情報を受け取る。
計測システムは下位系の計測ログからデータを取り込む働きをする。
カメラ視認システムは下位系から得られたカメラ画像をモニターに表示する
ものである。視覚情報を得るためのセンサは操作可能であり、画質改善を行う
こともできる。
危険な環境下での遠隔保守機器の故障は遠隔保守システムの可用性に大きな
影響を与えるため、遠隔保守システムは休止時間を避ける、または最小化する
ための遠隔診断機能をもつ。
18
各モジュールの詳しい機能については次節に記述する。
(4)下位系制御システム(Low-Level Control System for BRHS)のアーティ
テクチャ(参考図3C)
下位系はデバイス(装置)運転、ロボット言語解釈、キネマティック計算、
経路・軌道生成、サーボ制御、状態モニタ、デバイス入出力、計測ログ、エラー
ログの機能コンポーネントモジュールで構成する。
(5)開発環境
・下位制御系モジュールは、CODAC Core System 及び RH Core System(OS:Red
Hat Enterprise Linux)を用いて開発を行うこと。・
・ミドルウェアは Internet Communications Engine (ICE)を使用すること。
(6)保守性
・ ソフトウェア構造:オブジェクト(モジュール)
・ 標準的 LAN 及びバスシステム
・ 各機器(ビークルマニピュレータや軌道接続、ツールマニピュレータ)制御
(下位)に対して同じ構造
(7)標準機器の使用
ソフトウェア(開発環境など)及びハードトウェア(バーチャルリアリティ、イ
ンプットディバイスなど)は IO の定める標準機器(IO 要求文書 2 参照)を使用
すること。
(8)制御対象
本件で制御するモータは以下のとおり。
・ ビークルマニピュレータ及びエンドエフェクタのサーボモータ(参考図7
参照):
・
軌道接続装置(参考図8参照)のサーボモータ:
19
・
グリッパー(参考図9参照)のサーボモータ:
2.2.2.2 制御ハード設計の仕様書作成
量研機構が貸与する IO 向提出文書1、IO 要求文書1~4、及びメーカ資料7に基づ
き、CE マーキングを考慮した遠隔保守制御システムの制御ハード(制御盤)の設計仕
様書を作成する。制御ハードに含まれる機器は以下。
・モータードライバ
・センサアンプ
・下位系コントローラ(EC)
・非常停止・安全・インターロック装置(PLC 含)
・電源・トランス類(動力用、制御用、UPS)
・筐体(キュービクル)
2.2.3 多芯複合ケーブルに関する検討
2.2.3.1 多芯複合ケーブルの設計・試作の報告書まとめ:英語
量研機構が貸与するメーカ資料2に基づき、多芯複合ケーブルの設計仕様をまとめる。
20
貸与するメーカ資料8の介在・シースの材料評価試験結果も含めること。
主な設計条件は以下(詳細は量研機構が貸与するメーカ資料2を参照)。
<設計条件>
(1) ケーブルに含めるモータ及びレゾルバなどの仕様(表4)
(2) ケーブルの形状(参考図4B)
・円形断面(径=約φ76 ㎜)
(3) ケーブルハンドリング装置(参考図4A)
・ケーブルを巻き付けるドラム径:φ750 ㎜以下
・電力供給先:真空容器内のロボット
・ケーブルハンドリング装置の機能:ロボットの動作に追従してケーブルを出
し入れする。
(4) 動力線、信号線の芯数
機器の台数
・AC サーボモータ(レゾルバ、ブレーキ、リミットスイッチを含む)の数:27
台
・カメラ:3 台
・6 軸力センサ:1 台
・予備ケーブル:AC サーボモータ 3 台分
1 台あたりの芯数
・AC サーボモータ:4 芯/台
・レゾルバ:6 芯/1 台
・ブレーキ:2 芯/台
・リミットスイッチ:3 芯/台
(5) 耐放射線性 5MGy(目標値)
(6) 可とう性:φ750 ㎜以下のドラムへの巻き付けが可能であること。ただし、
巻き付け力は 100kg 以下(目標)とする。(ケーブル自重によりドラムへ倣うこと
が目標)
(7) 繰り返し屈曲性:3,000 回以上(実際の想定巻き付け回数の 2 倍で設定)
(8) 難燃性
(9) 最外層表面から材料の剥がれ落ちがないこと。
(10)
放射化ダストの除染性(ダスト粒径:数十マイクロメータ、ダスト材
料:タングステンやベリリウム)
(11)
有機系材料は非ハロゲンであること。ハロゲンを含有する場合は、
含有量を明確にすること。
(12)
ケーブルの許容張力:約 1 トン
ビークルの駆動力(約 4.5 トン)に対しては、ケーブル巻取り装置で制
御する。
21
表4 モータ及びレゾルバなどの仕様
2.2.3.2 ケーブル耐久性試験方案(仕様書作成)
量研機構が貸与する IO 要求文書1の要求仕様に基づき、多芯複合ケーブルの耐久性
試験(繰返し屈曲試験)実施の仕様書をまとめる。
2.2.3.3 CE マーキング対応設計(過去の設計検討の整理、調査・分析)
量研機構が貸与する IO 向提出文書1及びメーカ資料2の設計検討に基づき、多芯複
合ケーブル設計の CE マーキングへの準拠状況を調査・分析し、合せて不適合部分へ
の対処策を検討する。
2.2.4 第一工学試験棟の試験エリア拡張利用検討(総合試験、工場受入試験(FAT))
2.2.4.1 試験エリア拡張の仕様書作成(配置計画、試験項目まとめ)
量研機構が貸与する IO 向提出文書1~3、IO 要求文書1、及び第一工学試験棟の図
面類に基づき、総合試験、FAT に必要な試験項目、試験設備、試験装置をまとめ、試
験実施のための配置を検討する。総合試験、FAT の試験概要は以下(詳細は量研機構
が貸与する IO 向提出文書1~3を参照)のとおりとする。
(1) Objective(目的)
Demonstrate compliance of the Blanket RH System with Project
Requirements after
integration with other plant systems and operating within ITER
infrastructure
22
(2) Programme(試験目次)
Equipment function tests in nominal and degraded modes. Simulated Task
trials (remote
handling/maintenance). Simulated rescue. Reliability (repeated +
endurance) testing.
(3) Conditions(条件)
Tests to be performed on either “hot” or “Cold” RHTF using mockups or jigs.
(4) Acceptance Criteria(合格基準)
System shall be compliant with system requirements as defined in SRD
and Annex B(IO要求文書1参照).
Equipment must be functioning in stable, reliable and safe manner,
capable of performing its remote handling or maintenance tasks and
capable of being rescued, decontaminated and maintained. Considering
that the most of functions are tested in the FAT(IO向提出文書3参照)
before delivery to the IO site, the integrated commissioning test
shall concentrate on the functions such as interface compliance and
safety relevant functions. Regarding other functions, the ICT shall
pick up typical cases as a demonstration. In order to satisfy above
mentioned requirements, the following tests will be performed:
・ Equipment function tests in nominal and degraded modes
・ Simulated Task trials (remote handling/maintenance)
・ Simulated rescue
・ Reliability (repeated + endurance) testing
・ Positioning of sub systems for simulated decontamination
・ Demonstration of interface compliance
・ Safety relevant functions test
また、検討結果を基に、試験エリア拡張工事に向けた仕様書(現行建屋図面(量研機
構から貸与)、機器配置、環境条件などの設計条件と設計・工事依頼内容を記載)を
作成する。
2.2.5 溶接品質管理検討
2.2.5.1 開先計測のまとめ:英語
溶接品質を確保するためには、開先合せ時のギャップとステップの管理が必要であ
り、これらを精度よく計測する必要がある。計測手法として検討した、イメージファ
イバ(近赤外)とレーザ(可視光)の2通りの適用技術について、量研機構が貸与す
る参考資料(メーカ資料3,4(A4で 110 頁))の試験結果をまとめ、合せて課題
23
と対処策を整理する。
イメージファイバを使った計測手法の主な設計仕様は以下(詳細は量研機構が貸与
するメーカ資料3を参照)。
1) 計測ヘッド概略図(参考図5B参照)
構成
a. 光学系
- 集光レンズ
- 半透鏡(満たすべき光学特性は参考図11参照)
- 反射鏡
b. 照明
- 近赤外用の照明
c. 画像観察
- 画像観察用イメージファイバスコープ(近赤外波長)
2) 形状:内径φ42mm の配管内に挿入可能な寸法とすること
3) 視野径:4mm
4) 共通化
計測ヘッドと溶接用レーザ光の伝送は共有される。
(取り付け、取り外しの交換
時間を短縮するため)
5) 目標計測性能
目違い:0.3mm
ギャップ:0.2mm
6) 目標耐放射線性:積算線量 2MGy
レーザ光を使った計測手法の主な設計仕様は以下(詳細は量研機構が貸与するメーカ
資料4を参照)。
1) 計測ヘッド概略図(参考図12参照)
構成
a. 光学系
- 集光レンズ
- 半透鏡
現在の半透鏡の仕様(参考図13)
 YAG レーザは反射せず透過
 可視光は反射
- 反射鏡
b. 駆動系
- 配管動作用 XY ステージ(手動)
- 計測ヘッド動作用 Z,θ方向駆動機構(モータ駆動)
c. 発光
24
- 計測用レーザ(可視光)
d. 受光
- フォトディテクタ(光を電気に変換)
e. 処理系
- 制御 CPU
(Z,θ方向モータ制御、レーザ光強度の記録)
2) 共通化
レーザ溶接ヘッドと計測ヘッドは共通使用とする。
(取り付け、取り外しの交換
時間を短縮する)
3) 計測のためのレーザ光路
溶接レーザと同じ光路とする。
4) ヒュームによる汚れ防止
外側に受光素子を設けた場合の溶接時のヒュームによる汚染を防ぐことを考慮。
5) 目標観察性能(ミスアライメントについては参考図14参照)
目違い:0.3mm
ギャップ:0.2mm
2.2.6 シール品質管理
2.2.6.1 O リングリーク試験まとめ:英語
O リングのシール品質を管理するためには、IO の要求条件(耐放射線性、難燃性な
ど)に適合した O リング材料の選定とシール部分の構造の最適化が必要である。参考
図6の仕様で製作した O リング(詳細は量研機構が貸与するメーカ資料5を参照)に
ついて、シール構造模擬のリーク試験装置(詳細は量研機構が貸与するメーカ資料6
を参照)で実施するリーク試験結果(量研機構より資料貸与(後報))を、O リングの
シール品質管理の観点でまとめ、合せて課題と対処策を整理する。
O リング及びリーク試験装置の主な仕様は以下(詳細は量研機構が貸与するメーカ
資料5、6を参照)。
(1) O リング設計仕様
1) O リングの基本構造と材質(参考図6)
規格:AS568-165
太さ(w):2.62±0.07 [mm]
内径(d0):164.77 [mm]
内径の許容差:±0.58 [mm]
材質:ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
2) フランジの基本構造(参考図6)
・フランジ構造は固定方式とする。
D:溝外径
G:溝幅
25
H:溝深さ
3) 温度:50℃以下
4) 圧力:1bar
5) 雰囲気:空気または窒素
6) 磁場:1mT 以下
7) ガンマ線線量率:250Gy/h
8) 耐放射線性:積算線量 5MGy
9) 耐油性:使用潤滑油 モレスコ GK-1
10) シール性:潤滑油モレスコ GK-1 を密封する
(2) リーク試験装置仕様
1) 装置構成(参考図15、16参照)
・O リング保持フランジ
・圧力印可系
・減圧則系
2) 試験仕様
・O リング最適潰し量評価
・試験圧力は最大 50kg/cm2
26
参考図1.調達機器
参考図2A.トカマク建屋断面図
27
参考図2B.トカマク建屋平面図
参考図2C.建屋内ケーブリング概念図
28
参考図3A.制御システムの全体アーキテクチャ
参考図3B.ブランケット遠隔保守制御システム(PKG#3)上位系アーキテクチャ
29
参考図3C.ブランケット遠隔保守制御システム(PKG#3)下位系アーキテクチャ
参考図4A.多芯複合ケーブル(PKG#2)設置概念図
30
参考図4B.多芯複合ケーブル(PKG#2)断面構成仕様図
参考図5A.遠隔保守作業(配管溶接作業)対象
31
参考図5B.遠隔保守作業(配管溶接作業)ツール(PKG#3)概念図
参考図6.O リングシーリング仕様
32
参考図7.ビークルマニピュレータ及びエンドエフェクタ
参考図8.軌道接続装置
33
参考図9.グリッパー
参考図 10.試験レイアウトの例(180 度軌道展開)
34
参考図 11.波長フィルタ特性
参考図 12.計測ヘッド概略図
35
参考図 13.ダイクロイックミラー反射率
参考図 14.想定されるミスアライメント
36
参考図 15.O リングリーク性能試験装置(O リング保持部)
参考図 16.O リングリーク性能試験構成
37
別紙1
産業財産権の取扱いについて
(受注者が単独で行った発明等の産業財産権の帰属)
第1条 受注者は、本契約に関して、受注者が単独でなした発明又は考案(以下「発明等」
という。)に対する特許権、実用新案権又は意匠権(以下「特許権等」という。)を取得
する場合は、単独で出願できるものとする。ただし、出願するときはあらかじめ出願に際
して提出すべき書類の写しを添えて量研機構に通知するものとする。
(受注者が単独で行った発明等の特許権等の譲渡等)
第2条 受注者は、受注者が前条の特許権等を量研機構以外の第三者に譲渡又は実施許諾す
る場合には、本特約条項の各条項の規定の適用に支障を与えないよう当該第三者と約定し
なければならない。
(受注者が単独で行った発明等の特許権等の実施許諾)
第3条 量研機構は、第1 条の発明等に対する特許権等を無償で自ら試験又は研究のために
実施することができる。量研機構が量研機構のために受注者以外の第三者に製作させ、又
は業務を代行する第三者に再実施権を許諾する場合は、受注者の承諾を得た上で許諾する
ものとし、その実施条件等は量研機構、受注者協議の上決定する。
(量研機構及び受注者が共同で行った発明等の特許権等の帰属及び管理)
第4条 量研機構及び受注者は、本契約に関して共同でなした発明等に対する特許権等を取
得する場合は、共同出願契約を締結し、共同で出願するものとし、出願のための費用は、
量研機構、受注者の持分に比例して負担するものとする。
(量研機構及び受注者が共同で行った発明等の特許権等の実施)
第5条 量研機構は、共同で行った発明等を試験又は研究以外の目的に実施しないものとす
る。ただし、量研機構は量研機構のために受注者以外の第三者に製作させ、又は業務を代
行する第三者に実施許諾する場合は、無償にて当該第三者に実施許諾することができるも
のとする。
2 受注者が前項の発明等について自ら商業的実施をするときは、量研機構が自ら商業的実
施をしないことにかんがみ、受注者の商業的実施の計画を勘案し、事前に実施料等につい
て量研機構、受注者協議の上、別途実施契約を締結するものとする。
38
(秘密の保持)
第6条 量研機構及び受注者は、第1条及び第4条の発明等の内容を出願により内容が公開
される日まで他に漏洩してはならない。ただし、あらかじめ書面により出願を行った者の
了解を得た場合はこの限りではない。
(委任・下請負)
第7条 受注者は、本契約の全部又は一部を第三者に委任し、又は請け負わせた場合におい
ては、その第三者に対して、本特約条項の各条項の規定を準用するものとし、受注者はこ
のために必要な措置を講じなければならない。
2 受注者は、前項の当該第三者が本特約条項に定める事項に違反した場合には、量研機構
に対し全ての責任を負うものとする。
(協議)
第8条 第1条及び第4条の場合において、単独若しくは共同の区別又は共同の範囲等につ
いて疑義が生じたときは、量研機構、受注者協議して定めるものとする。
(有効期間)
第9条 本特約条項の有効期限は、本契約締結の日から当該特許権等の消滅する日までとす
る。
39
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