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ステンレス鋼について
ORIENTAL CHAIN MFG. CO., LTD. 仕様 表示 寸法 選定 取扱い 資料 ステンレス鋼について ステンレス鋼を大別するとオーステナイト系、フェライ トオーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、 析出硬化系と5種類に大別されますが、4種についての 特長は下表の通りです。 ステンレス鋼の系統別の特長 鋼 種 呼 称 オーステナイト系 (18-8系) フェライト系 (18クロム系) マルテンサイト系 (13クロム系) 析出硬化系 (17-4・17-7系) 代表的鋼種 SUS304・SUS316 SUS430 SUS403・SUS410 SUS630・SUS631 磁 性 非磁性(または弱磁性) 強磁性 強磁性 強磁性 焼入硬化性 硬化性なし。 硬化性なし。 硬化性あり。 析出により硬化。 耐食・耐候性 優れた特性あり。 屋外の使用には問題あり。 劣る。 18-8系に近い。 耐 摩 耗 性 小さい。 小さい。 大きい。 中くらい。 溶 接 性 最も良好。 やや劣る。 良くない。 良好。 耐 低 温 性 −200℃まで靱性の低下は少ない。 −10℃以下では脆い。 −15℃以下では脆い。 −200℃まで靱性の低下は少ない。 熱 膨 張 軟鋼の1.5倍。 軟鋼とほぼ同じ。 軟鋼とほぼ同じ。 軟鋼の約1.5倍。 用 途 例 各種化学機械・食品機械 ステンレス流し台 刃物・工具・耐摩耗機械部品 耐摩耗・耐食機械部品 注 意 事 項 粒界腐食・孔食・応力腐食割れ シグマ脆性・475℃脆性 水素脆性割れ 耐 環 境 ロ ー ラ チ ェ ー ン 各種媒質に対する耐食性 金属の腐食について 3.孔食 金属の腐食環境において、いろいろな腐食現象が生じま CR−などハロゲンイオンによる不動態皮膜破壊が発端に す。応力腐食割れ、水素脆性割れ、孔食、粒界腐食など なって起きる局部腐食で孔があくように進行するので孔 は重大な事故につながる恐れがあり、防止対策には充分 食と言います。要因としてはCR−濃度、液組成温度PH な配慮が必要です。 酸化作用などがあげられます。孔食は全面腐食の環境で は起こりにくい腐食で、特に引張応力のかかる部分に孔 1.応力腐食割れ 食が発生すると、強度が極端に低下する恐れがあります 引張応力と腐食の同時作用により起きる現象を応力腐食 ので注意が必要です。 割れと言います。その最も原因となる物質は塩化物や塩 素イオン(CR−)です。塩化物以外では高温、高濃度ア 4.粒界腐食 ルカリ、ポリチオン酸などがあります。また、カソード この腐食は金属全面が腐食されるのではなく、結晶粒の 分極により割れの防止、進行中の割れの遅延を図ること 境目である粒界が腐食される現象です。オーステナイト ができ、応力腐食割れは予想できない脆性破壊を起こし 鋼を450∼850℃の温度に長時間加熱したときに、粒界 ますので注意が必要です。 にクロム炭化物が生じやすく、酸化溶液などの環境にさ らされると粒界腐食が起きます。 2.水素脆性割れ メッキや酸洗い、溶接などで充分な後処理が行われなか 5.腐食疲労 った場合、酸などの腐食により発生した水素が、金属中 腐食雰囲気で繰り返し応力を受けると、疲労強度が著し に浸透し金属が脆化して破壊を起こすことを水素脆性割 く低下します。疲労と腐食が同時に加わるときは、より れと言います。侵入した水素をすぐにベーキングするこ 劣化が進行しますので注意が必要です。 とにより追い出し、脆化を防ぐことができることとアノ ード分極により防止できます。 79