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ネットで アカデミック - 図書館電子化部門

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ネットで アカデミック - 図書館電子化部門
東京大学 情報基盤センター
学術情報リテラシー係
ネットで
アカデミック
学術情報へのアクセスガイド
目 次
いつも手元に「ネットでアカデミック」
1
1.「ネットでアカデミック」する前に知っておくこと
東大でコンピュータを使うには
Web ブラウザに関する知識 ・ ネットマナー
学術情報のタイプを知る
文献データベースについて知る
なぜ情報探索をするのか
2
4
6
8
10
2.ネットで情報を探す
検索エンジンで情報収集
東大で本・雑誌を探すには
学術データベースで情報検索
テーマの設定
資料収集
図書を探す
雑誌論文を探す ― 総合分野
雑誌論文を探す ― 専門分野
学位論文を探す
新聞記事を探す
統計データを探す
データベース選びの近道
12
14
16
16
17
17
18
20
24
24
25
25
3.ネットで情報を入手する ・ 集めた情報を活用する
電子ジャーナルを読む
電子ブックを読む
図書館サービスを利用する
引用する ・ 参考文献リストを作る
論文を発表する
26
28
29
30
32
4.付録
検索のヒント
カスタマーサポート
文献表に出てくる略語一覧
データベース、電子ジャーナルに出てくる用語一覧
34
36
38
40
いつも手元に「ネットでアカデミック」
現在、学習や研究のための文献調査にデータベースやインターネットを使うことは日常
的になってきました。情報基盤整備は加速し、その利用環境はますます便利になっていま
す。
この「ネットでアカデミック」は、東京大学の構成員の方を対象として、学習・研究に
必要な文献や情報をインターネットで収集するために知っておくと役立つ知識や、効率よ
く探すためのポイントをまとめたものです。
「ネットでアカデミック」は、3つのパートと付録から構成されています。
第1章では、インターネットを使った情報収集の前提となる基礎的な知識をまとめてあ
ります。
第2章では、情報収集・文献調査に役立つデータベースなどのツールを紹介しています。
第3章では、電子ジャーナルの利用や、入手した情報を活用して論文を執筆、投稿する
際の注意点およびツールについて説明しています。
最後に付録として、検索のヒントや略語・用語一覧などをまとめました。
この 1 冊で、インターネットを使った情報収集の基礎から、論文投稿に至るまでの過
程で役立つ知識がコンパクトに得られます。
「ネットでアカデミック」をいつも手元において、学習・研究等にご活用いただければ
幸いです。
2011 年 3 月
本文中の表示について
● 【学内限定】 は、学内からのみ利用可能なデータベースを示しています。
この表示が無いものは、学内・学外を問わずどこからでも利用できます。
● は、SSL-VPN Gateway サービスの対象データベースです。ECCS アカウント
をお持ちであれば、学外からも利用可能です。
● 使用されている画面例は実際の画面と異なる場合があります。
1
1.「ネットでアカデミック」する前に知っておくこと
東大でコンピュータを使うには
キ ャ ン パ ス 内 に は、 情 報 基 盤 セ ン タ ー・ 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム = ECCS (Educational
Campuswide Computing System) のパソコンがあり、東京大学の学生や教職員であればどな
たでも使えます。
ECCS アカウントを取得するには
持ち込みパソコンを使うには
ECCS のパソコンを利用するには、事
前にアカウント(ユーザ名とパスワード)
を取得する必要があります。
教養学部前期課程の新1年生には、新入
生ガイダンスで説明が行われ、アカウント
が配布されます。
その他の学生の方は、情報基盤センター
が開催する「新規利用者向け講習会」に出
席し申込書を提出すると、アカウントを取
得できます。
講習会は、本郷キャンパスの福武ホール
や駒場キャンパスの情報教育棟などで開い
ています。
教職員の方は、新規利用申込書の提出が
必要です。
なお、アカウントは年度ごとに継続手続
きが必要です。
新規利用者向け講習会や、継続手続きの
スケジュールなどについては、ECCS の
Web サイトで広報されていますのでご覧
ください。
ECCS のパソコンを使うほかに、自分
のパソコンを持ち込み、UTnet(東京大学
キャンパスネットワーク)を経由してイン
ターネットを利用することも可能です。そ
の場合も ECCS のアカウントが必要です。
接続する方法は、有線、無線の2種類が
あります。
① 有線接続
学内の情報コンセントが設置されている
場所で、情報コンセントと持ち込みパソ
コンとをケーブルで接続して利用します。
ケーブルは各自用意してください。
② 無線接続
学 内 に 設 置 さ れ て い る 無 線 LAN ス
テーションから電波が届く範囲内で、無
線 LAN が装備されたパソコンを使用すれ
ば、ケーブルを使わずにインターネットに
接続することが可能です。
無線 LAN を利用するには、あらかじめ
インターネット上で利用登録を行う必要が
あります。使用条件などの注意事項をよく
読んでから登録してください。
ECCS アカウントでできること ● ECCS パソコンの利用
● 持ち込みパソコンの利用 ● 学 外からの電子ジャーナルやデータ
ベースの利用
2
ECCS パソコンの設置場所
■ 情報基盤センター(本郷・浅野地区)
■ 情報教育棟(駒場地区)
■ その他の設置場所
総合図書館
駒場図書館
柏図書館
国際センター
法学部
法文 1-1F-PC ルーム
工学部
工 6-2F-200
文学部
法文 2-1F 文学部学生ホール
法文 1-1F-111
理学部
理 1-3F-317
農学部
農 7B-1F-133
農図書館 -3F-PC 端末室 2
経済学部
経済 -1F-101、4F-407
教育学部
教育 -2F-261
薬学図書館 4F 情報処理室
3
● ECCS に関する広報
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/
● ECCS 利用の手引き
http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/guide/
current/
● 無線 LAN システム登録/変更
https://secure.ecc.u-tokyo.ac.jp/wlan.
html
● ECCS に関する問い合わせ先
[email protected]
本郷・浅野地区(情報教育支援係)
内線:23004 /外線:03-5841-3004
駒場地区(情報リテラシー教育支援係)
内線:46140 / 外線:03-5454-6140
Web ブラウザに関する知識・ネットマナー
Web ブラウザの種類に関する知識や、注意すべきネットマナーについてまとめました。ネットで
情報収集を始める前にぜひお読みください。
Web ブラウザについて
トを代表的な Web ブラウザで見た例を挙
げます。この他にも、Safari や Firefox、
Opera な ど、 さ ま ざ ま な Web ブ ラ ウ ザ
があります。
Web ページを見るために使う Web ブ
ラウザには、いろいろな種類があります。
以下には情報基盤センターの Web サイ
(Internet Explorer で見た例)
Internet Explorer (IE) は、Microsoft 社
の Windows の標準 Web ブラウザです。
世界中の多くの人に利用されているため、
IE で見ることを前提として作成された Web
ページもあります。他の Web ブラウザで見
られないページには IE でアクセスしてみる
とよいでしょう。
どの Web ブラウザでも、基本的な機能
は共通していますので、使い勝手が良いも
のを選ぶとよいでしょう。
ただし、Web ブラウザの種類によって、
セキュリティ設定機能が異なったり、同じ
Web ページでもパソコンの画面上の表示
のされ方が異なったり、Web サイト内で
検索や申込などをする機能が働かない場合
もあります。
自分が使っているブラウザでは見たい
Web ページがうまく表示されないという
場合は、他のブラウザも試してみましょ
う。
逆に、自分が Web ページを作って情報
発信をする側になったときは、なるべく多
くの人に見てもらうため、特定の Web ブ
ラウザにしか対応していないということの
無いように、作成方法に気をつけましょ
う。
4
ネットマナー(情報倫理)
下記の Web ページも参考にしてください。
以下のような行為は、ネットワーク・エ
チケット(=ネチケット)に反するだけで
なく、犯罪にあたるケースもあります。
特に、情報発信を行う際には十分に配慮
してください。
● 国 民のための情報セキュリティサイ
ト(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/
joho_tsusin/security/
● イ ンターネットを利用する方のため
のルール&マナー集(財団法人イン
ターネット協会)
http://www.iajapan.org/rule/
・利 用資格のないコンピュータやネット
ワークに侵入する行為
・コンピュータに蓄積された他人のデータ
やプログラム、あるいはシステムそのも
のを破壊・改変・削除する行為、コン
ピュータウィルスをばらまく行為
・猥褻な文章、画像、音声を公開する行為
・他人を脅迫する行為
・他人の所有する情報やプライバシーの侵
害、誹謗中傷、差別的な行為、一方的な
攻撃など基本的人権の侵害にあたる行為
ネットマナー(情報セキュリティ)
他のコンピュータとネットワークでつな
がっているインターネットの世界では、1
人 1 人が情報セキュリティに関する適切
な対策を行う必要があります。
① ユーザ名とパスワードの管理
ネットワーク上では、情報セキュリティ
を確保するため、利用者ごとにサービスを
利用するための使用権限が与えられていま
す。ユーザ名とパスワードはその使用権限
を確認するための重要なものですので、以
下のことを守ってください。
ネットマナー(著作権関係)
インターネット上で提供されている学
術情報データベースや電子ジャーナル、
Web ページ上の文章、写真、図などの情
報は、図書館が所蔵している図書や雑誌と
同じようにすべて著作物ですので、著作権
法で著作者の権利が保護されています。
以下のような行為は行ってはいけませ
ん。
・他人に貸さない、教えない。
・類推されやすいパスワードを使わない。
・パスワードは定期的に変更する。
② コンピュータウィルスの感染防止と予防
コンピュータウィルスは、いたずらや他
人に害を及ぼす目的でつくられたプログラ
ムの一種で、さまざまな種類があります。
ウィルスに感染しないために、また、自分
がウィルスの発信源にならないために、以
下の対策を行いましょう。
・Web ページから著作権者の許可なく文
章やイラストなどを引用し、出典を明示
せずに自分の Web ページやレポートに
利用する。
・市 販されている音楽 CD やゲーム、雑
誌の画像などを著作者の許可なく自分の
Web ページに掲載する。
・友達の持っている市販のソフトウェアを
勝手にコピーして利用する。
・添付ファイルを不用意に開かない。
・入手先のはっきりしないプログラムを実
行しない。
・ウィルス対策用ワクチンソフトウェアを
用意し、常に最新版にアップデートして
おく。
・定期的にデータのバックアップを行う。
5
学術情報のタイプを知る
情報にはさまざまな種類・形態のものがあります。ネットで情報を探し始める前に、学術情報をタ
イプ別に理解しておくと、円滑な情報収集に役立ちます。
情報の種類
■ 統計
統計は、国や地方の行政機関、民間団
体、企業、研究者等によって、さまざまな
目的・条件のもとで実施されます。調査結
果は、雑誌や図書の形態で刊行されるも
のもありますが、最近は調査実施機関の
Web サイトで公開されるものも増えてい
ます。
■ 雑誌
雑誌は、1つの雑誌名のもとに Vol.3
No.1 のような巻・号が付き、月刊や週刊
などの周期で継続的に刊行されます。学術
雑誌は電子ジャーナル化が進んでいます。
雑誌には複数の著者が書いた論文が掲載
されるので、特定の論文の入手には、論文
の著者・タイトル、掲載誌名・巻号・ペー
ジの情報が必要です。
■ テクニカル ・ レポート
テクニカル・レポートは、技術情報や研
究開発成果を公開する報告書で、科学技術
分野において重要な資料です。1 冊ごとに
固有のレポート・ナンバーが付与され、そ
のナンバーでレポートの発行機関が特定で
きます。最近は発行機関の Web サイトで
公開されるものも増えています。
■ 図書
図書は、単発的に刊行され、速報性のあ
る情報というよりは、あるテーマについて
比較的まとまった情報が得られます。
図書の「第…版」という表示は、改訂・
増補などで版を変えた回数のことで、版の
数字が大きいほど内容が新しいと判断でき
ます。「第…刷」は、版を変えずに増刷し
た回数で、中身は同じです。増刷回数が多
いほど多くの人に読まれていると判断でき
ます。
■ 会議録
会議録は、学術会議での発表(全文ある
いは要旨)を発行したもので、科学技術分
野において重要な資料です。雑誌の特集号
や別冊として刊行されるものもあります。
■ 学位論文
学位論文は、雑誌や図書に収録されるこ
ともありますが、あまり一般に流通せず、
学位を授与した大学や、学位論文の収集機
関で保存されています。インターネット上
で学位論文の情報を公開する大学も増えて
います。
このほか、特許資料、議会資料、判例、
法令、古文書、地図など、さまざまな種類
の情報があります。
■ 新聞
新聞は、朝日新聞のような全国紙の他、
地方紙、業界紙などがあります。同じト
ピックでも新聞によって書き方が異なるこ
とや、同じ新聞でも印刷の時間と最新記事
の掲載とのタイミングで、配達地域によっ
て情報の内容が異なることがあります。
最近では、記事をインターネット上で見
られる新聞も増えています。
6
紙媒体
電子媒体
一次資料 雑誌 図書 その他の資料 電子ジャーナル 電子ブック Web サイト
さがす
さがす
さがす
二次資料 蔵書目録 文献目録 索引誌 OPAC 文献データベース 検索エンジン
一次資料と二次資料
電子媒体の二次資料については、探す対
象の一次資料は紙媒体であるという場合が
あります。たとえば、OPAC で検索して
図書を見つけたら、図書そのものは図書館
で利用するというケースです。
一方、探す対象の一次資料も電子媒体で
ある場合は、たとえばデータベースで雑誌
論文を見つけたら、その論文を電子ジャー
ナルで読むというように、二次資料の検
索から一次資料の閲覧までの行動がコン
ピュータの同じ画面で済むようになり、一
次資料・二次資料という明確な区分が薄れ
てきています。
論文、記事、統計や、それらが掲載され
ている雑誌、図書など、各種の資料そのも
のを指して、「一次資料」と呼びます。研
究を進める上では、一次資料を参照するこ
とが必要になります。
これに対し、“どんな一次資料があるか”
を探すための資料を、「二次資料」と呼び
ます。
どんなに良い一次資料があっても、それ
を探し出せなければ意味がありません。そ
のためにいろいろな二次資料が作られてい
ます。情報収集に強くなるには、二次資料
を使いこなせるようになることが肝心で
す。
なお、電子媒体の情報の場合、特に電子
ジャーナルや文献データベースは有料のも
のがあり、インターネットで利用できると
いっても、事前に契約が必要となります。
大学が契約しているものについては、学内
のコンピュータからアクセス可能(一部の
サービスは学外からも可能)になっていま
す。
紙媒体と電子媒体
近年、学術情報の電子化が急速に進んで
いますが、すべての情報が完全に電子媒体
になっているわけではなく、紙媒体の情報
と電子媒体の情報が両方存在しているの
で、どこまでがインターネットで調べら
れ、利用できるのかを認識しておくことが
必要です。
雑誌、図書を電子化してコンピュータの
画面上で読めるようにしたものは、電子
ジャーナル(E ジャーナル)、電子ブック
(E ブック)と呼ばれています。統計、判
例、法令など、その他のさまざまな一次資
料も、電子化され、インターネット上に存
在しています。
また、二次資料も電子化されてきていま
す。たとえば現在 OPAC と呼ばれている
図書館の蔵書目録は、以前はカードに記入
されていましたが、現在はインターネット
上で公開され、コンピュータで検索できる
ようになっています。
情報を判断する
さまざまな情報のタイプを挙げてきまし
たが、どのタイプの情報であっても、1つ
の情報を鵜呑みにせず、情報の価値や意義
を的確に判断する目を持つことが大切で
す。
そのためには研究する分野についての知
識や経験が必要となってきますが、基本は、
誰が、いつ、何のために、誰に向けて、発
信した情報なのかを、常に意識して情報に
接することがポイントと言えます。
7
文献データベースについて知る
データベースの機能や検索の規則はデータベースによって異なりますが、共通する基本的な仕組みや、一般
的な検索技術の概要を知っておくと、初めて使うデータベースでも使い方を理解しやすくなります。
データベースとは
データベースを使うときに見るポイント
データベースとは、大量のデータを集め
て整理し、必要な情報を検索できるように
したもののことです。
たとえば、
・携帯電話に付いているアドレス帳
・銀行の ATM
・車のカーナビ
・Web 検索エンジン
など、身近にさまざまな形でデータベース
が存在しています。
このような身近な例で考えてみるとわか
るように、データベースは、それぞれに目
的があって作られています。データベース
を使う側も、目的に応じて使い分けること
になります。
学術情報の収集に関して言えば、図書館
の所蔵資料を探し出すためには OPAC(オ
ンライン蔵書目録データベース)を使い、
どんな論文が発表されているかを探し出す
ためには、論文の情報を収録した文献デー
タベースを使います。
どのデータベースでも、データベースの
中に、1つ1つのデータが、項目ごとに整
理された形で収録されています。
検索の際、特に検索項目を指定しなけれ
ば、すべての項目の全データを対象に検索
することになります。検索項目を指定して
検索すると、データを探し出すのに効率的
です。
初めて使うデータベースの場合は、以下
のポイントを確認することをおすすめしま
す。
特に、収録範囲を知っておくことは、求
めている情報が得られるかどうかだけでな
く、検索結果の持つ意味を正しく判断する
ためにも大切です。
■ 対象分野
全分野について検索できるデータベース
もあれば、専門分野に特化したデータベー
スもあります。
■ 収録範囲
収録範囲の確認としては、いつの年代の
情報か、国内の情報か国外の情報か、該当
分野を網羅的に収録しているか選別されて
いるのか、全文を収録しているかなど、い
ろいろな観点があります。
■「ヘルプ」
データベースによって名称は異なります
が、どのデータベースにも、検索画面に
「ヘルプ」があります。「ヘルプ」をクリッ
クして見ると、検索方法の説明や具体的な
入力例などが挙げられています。
誤った方法で検索しないために、そして
データベースの機能を使いこなすために、
ぜひ「ヘルプ」を参照してください。
■ 検索画面の種類
多くの場合、データベースにアクセスし
て最初に表示される検索画面のほかに、検
索項目を指定できる詳細検索画面がありま
す。
また、検索画面の表示言語を選べるデー
タベースも増えてきています。
8
データベースの選択
データベースによって異なりますが、前
方一致、中間一致、後方一致などの種類が
あります(付録 p.35 参照)。
データベースを使った検索を始める際
は、まず自分の目的に合ったデータベース
を選ぶことが大切です。
どんなデータベースが使えるかを知る
に は、 情 報 基 盤 セ ン タ ー で 作 成 し て い
る、「GACoS:Gateway to Academic
Contents System」 の Web サ イ ト に
アクセスしてください(p.25 参照)。
■ 検索式
複数の検索語を組み合わせるときは、論
理演算子を使って検索式を立てます。
どんな検索をしたいかによって、AND
検索、OR 検索、NOT 検索を使い分けて
ください(付録 p.34 参照)。
論理演算子の記号はデータベースによっ
て異なりますので注意してください。
検索語、検索式
データベースに収録されている大量の情
報の中から欲しい情報を効率よく引き出す
には、欲しい情報にたどりつけるような検
索語と検索式を、工夫して入力する必要が
あります。
検索結果の判断、活用
検索結果が表示されたら、必要な情報を
引き出せたかどうかを判断し、状況によっ
ては、別の条件で再度検索します。
検索結果のソート(並べ替え)機能や、
絞り込みの機能が付いているデータベース
もあります。
検索結果の中で欲しい文献が見つかった
ら、図書館で入手する際や、論文の参考文
献リストに活用できるように、必要な情報
を、メモ、印刷、ダウンロード、メール送
信、文献管理ツールの利用など、何らかの
手段によって記録し、整理しておきます。
■ 検索語
自分で思いついたことば(フリーワー
ド)で検索する場合は、同義語・関連語、
上位概念・下位概念の用語、単数形・複数
形、表記の違いなどを考慮し、いろいろな
ことばで検索すると検索漏れを防げます。
データベースによっては、シソーラス
(ことばの上位・下位・関連などの関係を
整理したもの)を作成しています。ある概
念を表すことばが複数ある場合、シソーラ
スによってどのことばを検索語に使うかを
統一しています。これを統制語といいま
す。
ま た、 個 々 の デ ー タ に 固 有 の ナ ン
バ ー や、 主 題 を 表 す コ ー ド が わ か っ て
い れ ば、 そ の 数 字・ 記 号 を 検 索 語 と し
て 入 力 す る 方 法 も あ り ま す。 図 書 に は
ISBN(International Standard Book
Number:国際標準図書番号)、雑誌には
ISSN(International Standard Serial
Number:国際標準逐次刊行物番号)とい
う固有に付与された番号があります。
データベースが唯一の手段ではない
データベースは大変役立つツールです
が、万能ではありません。
ほかにも以下のような学術情報収集の手
段があり、それぞれに、データベースには
ないメリットがあります。
■紙媒体の二次資料を使う
■論文などの末尾にある参考文献リストを
手がかりにして探す
■ 部分一致検索(トランケーション)
部分一致検索(トランケーション)とは、
ワイルドカードと呼ばれる記号(*や?な
ど)を使って、検索語の一部分を任意の文
字(列)として検索する手法です。
■ブ ラウジング(図書館の書架を眺めた
り、雑誌の目次を通覧するなど)
9
なぜ情報探索をするのか
集めた情報の山を前にして何から手を付ければよいか途方にくれないようにするには、「調べたい
ことは何か」、
「どんな情報が必要か」という目的を明確に意識しながら、情報を探すことが大切です。
ここでは、論文を書く場合について説明します。
論文を書くには
論文を書く道のり
論文は、基本的に以下の要素から構成さ
れています。
次に、論文を書く道のりに沿って、どの
ような情報探索が必要かを見ていきます。
■
■
■
■
■ テーマを決める
論文のテーマを決める際の大切なポイン
トは、自分が結論を出せる範囲にまで、問
題を絞り込むことです。
論文では、必ず問題を提示し、それに対
する自分の主張を書きます。結論を出せな
いような抽象的なテーマや、大きすぎる
テーマではなく、具体的な問題設定をする
ことが大切です。
この段階では、百科事典や専門の事典で
関連性のある多くの項目に目を通したり、
その分野の概説書、入門書、新書の類の図
書を数冊読むことが参考になります。イン
ターネットで、参考になりそうな Web サ
イトを複数見るのも1つの方法です。
さらに、それらの情報の中で出てきた
キーワードや、文献名、研究者名を手がか
りとして、いくつかの主要な文献に目を通
します。
この作業の過程で、基本的な知識や、過
去の研究の中で何が論点になっているかと
いうこと、最近の研究動向などをつかみ、
自分が取り組みたいテーマを明確にしてい
きます。
この段階では、集めた情報を1つ1つ深
く読み込む必要はなく、テーマの設定に参
考になりそうなヒントを探す目的で、ざっ
と概要を把握するのがよいでしょう。
タイトル、著者名、所属
要約
本文 (問題・主張・論拠)
注、参考文献・引用文献一覧
論文とは、このように一定の形式を持
ち、ある問題に関する自分の主張を、論理
的な根拠を挙げながら、読み手に説明する
文章です。
したがって、自分の経験や考えだけを思
いつくままに自由に書いてよいものではあ
りません。
論文を書くにあたっては、
・取り上げるテーマに関する知識を整理す
る
・過去の類似研究の有無や、最新の研究動
向を調べる
・これまでの研究の流れの中に自分のテー
マを位置づける
・自分の主張を支える根拠となる情報を収
集する
などの目的から、必ず情報探索を行うこと
になります。
■ 論文の構成を箇条書きする
テーマが明確になってきたら、早い段階
で、論文の全体構成を「箇条書き」にして
みることが大切です。
この作業をせずにすぐ情報収集を始めて
しまうと、集めた情報を読むときに、焦点
が定まらず時間がかかってしまいます。ま
10
情報の読み方いろいろ
た、他の論文が扱っているテーマにひきず
られ、自分が書きたいことが不明瞭になっ
てしまいます。
テーマとして設定した問題を、いくつか
の項目(より小さな問題設定)に分け、各
項目について、何を書くかを箇条書きして
みましょう。箇条書きができると、「何に
ついて考えればよいか」「何から手をつけ
ればよいか」という方針が明確になってき
ます。
■ 乱読
本格的に論文にとりかかる前の、比較的
余裕のある時点では、対象を限定せずにい
ろいろな文献・情報を読み、基礎となる知
識、テーマの種となる知識を蓄えておく
と、あとでテーマを設定する際に役立ちま
す。
■ 速読
研究の動向をつかむ目的や、論点をつか
む目的のときは、論文の全体を理解するこ
とや情報を整理することに時間をかけず
に、自分の論文の論拠として役立つかどう
かなど、焦点を絞って自分のテーマとの関
連性を意識しながら読むと効率的です。
■ 調べる
箇条書きの構成メモができると、「こう
いうことを書きたいので、このことについ
て調べたい、こんな資料がほしい」という
ように、情報探索の目的も明確になってき
ます。
この段階では、入門書に挙げられていた
基本文献だけでなく、自分で、専門分野の
雑誌に掲載された論文を探したり、テーマ
によっては、具体的な統計データや、過去
の新聞記事なども探すことが必要になりま
す。
論文を書くのに必要な資料・情報の収集
には、図書館やデータベースを活用してく
ださい。大学の図書館には、過去から現在
までのさまざまなタイプの情報が蓄積され
ています。所蔵していない場合は、他大学
の図書館から取り寄せるサービスもありま
す。
■ 熟読
文献そのものを論じる対象として使う場
合や、自分の主張の論拠として使う場合、
反論に使う場合などは、十分に全体の内容
を理解し、著者の意図を取り違えないよう
に、詳しく読み込む必要があります。
情報探索は一度で終わらない
「テーマを設定する」
⇒「箇条書きにする」
⇒「調べる」
⇒「書く」
という作業ステップは、一度で終わるもの
ではありません。
書き進む中で、さらに必要な情報が見え
てきたり、構成を見直す必要が生じてくる
ことも多くあり、完成までには何度かサイ
クルを繰り返すことになります。
また、一度検索しただけでは、その後に
発表された最新の論文を見逃す可能性もあ
りますので、随時、最新文献のチェックを
する必要もあります。
電子ジャーナルの場合は、ユーザ登録を
して希望するタイトルなどを設定すると、
最新号が刊行されたことをメールで知らせ
てくれるアラートサービスが付いているも
のもあります。
■ 書く
必要な文献や、実験・調査のデータなど
が揃ったら、論文の骨組みに肉付けをして
いくような形で、箇条書きの構成メモを
徐々に加筆・修正し、論文を書いていきま
す。
他人の論文から引用する場合や、先行研
究の概要を書く場合などのポイントは、自
分の意見と他人の意見を第三者が区別でき
るように、明確に分けて書くということで
す。
この点は重要なポイントですので、十分
注意してください(p.30 参照)。
11
2.ネットで情報を探す
検索エンジンで情報収集
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンは、今や日常生活において最も一般的な情報検索手段の1つです。
検索エンジンを使えば、インターネット上の膨大な情報の中から必要な情報を簡単に探し出せます。
検索エンジンとは
インターネット上に公開されている
Web ページの情報の中から、キーワード
や分類項目などを使って必要な情報を取り
出し、表示するシステムを検索エンジン
(サーチエンジン)といいます。
人の手で Web サイトの収集・登録を行
い、カテゴリー別に分類整理しているディ
レクトリ型と、プログラムが自動的に収集
した Web サイトを、キーワードによって
検索するロボット型との 2 種類に大別で
きます。
ディレクトリ型の代表として初期の
Yahoo! が、 ロ ボ ッ ト 型 の 代 表 と し て
Google や goo が挙げられますが、現在
ではどちらもお互いの機能を持っており、
それぞれの欠点を補い合う複合型検索エン
ジンとして運営されています。 検索エンジンの使い方
■ カテゴリー検索とキーワード検索
情報を探す手かがりが少ないとき、知り
たいことが漠然としているときは、検索エ
ンジンのカテゴリーを利用すると便利で
す。一方、探したい情報がある程度限定で
きているときはキーワード検索を行うのが
効率的です。
たとえば、環境問題に関するレポート課
題が与えられたらまず、[ 環境 ] のカテゴ
リーを開いてみましょう。
[ エネルギー ] や [ 環境経済学 ] など下
位のカテゴリーが展開されます。その中か
ら、適当なカテゴリーを選んでたどってい
くことによって、自分の関心があるテーマ
が明確になってくると同時に、情報を絞り
こむことができます。
一方、
「京都議定書の内容が知りたい」と
思ったら、検索ボックスにキーワードを直
接入力すれば、すぐに環境省や外務省の関
連 Web ページがみつかり、議定書の骨子、
概要、経過などを調べることができます。
京都議定書
検索
検索エンジンによっては、検索条件をさ
らに細かく指定する詳細検索や画像検索、
地図検索、さらに、ある URL に向けてリ
ンクが張られているページを検索するリン
ク検索ができるものもあります。各検索エ
ンジンの案内・ガイドなどを参照して検索
方法をうまく使い分け、工夫するとよいで
しょう。
■ サイト検索以外の機能
最近では、Web サイト検索以外に、以
下のような機能を提供している検索エンジ
ンも多くなっています。
・ 国語/英和/和英辞典などの辞書検索
・ 電卓機能
・ 指定したトピックに一致するニュース
記事がオンラインで配信されたら自動
的にメール送信してくれるアラート機
能
・ 各ユーザが自分に必要な情報だけを表
示させてページをカスタマイズできる
機能
各検索エンジンの特徴をつかみ、併用す
るなどして賢く活用しましょう。
生活と文化
住まい, 暮らし, 環境, 栄養, グルメ...
教育
大学, 小中高, 資格, 専門学校...
12
検索エンジンの落とし穴
検索エンジンで学術情報収集
以上のように検索エンジンは非常に便利
な情報収集ツールですが、以下のことを念
頭に置いて利用する必要があります。
通常の検索エンジンは、インターネット
上のあらゆるタイプの情報が検索対象に
なっており、学術情報以外のノイズを多く
拾ってしまうため、レポート・論文執筆の
ための学術情報収集を行う場合は、必ずし
も適当なツールとは言えません。
しかし、2004 年 11 月にベータ版(製
品版直前の評価版・開発途上版)が公開さ
れ た Google Scholar は、 検 索 対 象 を
学術論文、学位論文、図書、学術出版社や
学会、学術機関からの抄録や論文などに限
定し、学術情報に特化した検索エンジンで
す。
・ 検索結果文献の全文へのリンク(一部)
・ 引用回数の表示と引用文献へのリンク
・ 著者名、標題からのキーワード抽出に
よる Google 検索へのリンク
などの機能があり、学術情報検索にも使え
るツールになっています。
検索エンジンの活用度はますます高くなっ
ていると言えるでしょう。
■ すべての情報を探せるとは限らない
検索エンジンでは、インターネット上に
公開されていない情報を探すことはできま
せん。また、検索エンジンの検索対象は、
インターネット上にある Web サイトのご
く一部に過ぎないと言われています。検索
エンジンだけに頼っていると重要な情報を
見落とす恐れがあります。他の情報源も併
せて利用しましょう。
■ 正しい情報とは限らない
検索エンジンで検索される Web サイト
の中には、信憑性のないものがあります。
すべて鵜呑みにするのは危険ですので注意
しましょう。
特にレポート・論文中に、検索エンジン
によって得られた情報を引用する場合は、
図書館資料、専門データベースなどを参照
し、情報の出所、信頼性を必ず確認してか
ら使用する必要があります。
■ 効率的とは限らない
検索エンジンを一般的なキーワードで検
索すると、非常に多数の検索結果がヒット
します。その中から本当に有用な情報を見
極める、情報の信頼性を確認する、などの
労力を考えると、検索エンジンを使うよ
り、書籍や専門のデータベースで調べたほ
うがかえって速くて確実なことがありま
す。
Google Scholar
http://scholar.google.co.jp/
ただし、注意して利用する必要があるこ
とは通常の検索エンジンと同様です。
特に Google Scholar の検索結果の並
び順を論文の重要度を判定するために用い
るのは危険です。できること、できないこ
とを正しく把握した上で利用しましょう。
■ 上位の結果が重要とは限らない
検索エンジンの検索結果は、スコアと呼
ばれるキーワードとの適合度の高い順に表
示されます。各検索エンジンは様々な方法
を複合的に用いて、収集した Web サイト
のスコアを算出しています。しかし、その
並び順は必ずしも中立的とは限らず、重要
な情報や自分にとって役立つ情報が必ずし
も上位に並んでいるわけではありません。
13
東大で本・雑誌を探すには
インターネットを使って情報検索を行う次のステップとして、「東京大学OPAC」を利用して、東
京大学が所蔵する本や雑誌を探してみましょう。
東京大学 OPAC とは
検索条件を指定する
東京大学 OPAC(Online Public Access
Catalogue)は、学内にある 30 以上の図
書館・室が所蔵している図書や雑誌などの資
料を検索することができるオンライン蔵書目
録データベースです。
基本的な検索方法や結果画面の見方につい
ては、リーフレット
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/
literacy.html
を参照してください。ここでは、一歩進ん
だ使い方のコツなどを紹介します。
OPAC 詳細検索画面を使うと、検索条件
を細かく指定して、効率的に読みたい資料を
探しだすことができます。
■ 出版年で限定する
図書が出版された年を以下の 4 パター
ンの条件で限定することができます。
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
※ただし、1986 年以前に受け入れた図書
や一部の貴重書は収録されていないので、図
書館にあるカード目録で調べてください。
1990 − 2011
1990 年∼ 2011 年に出版された図書
2011 − 2011
2011 年に出版された図書
1990 −
1990 年以降に出版された図書
− 2011
2011 年以前に出版された図書
「MyOPAC」にログインする
検索を始める前に、「MyOPAC」にロ
グインしておきましょう。(p.29 参照)
■ 分野・出版国・言語で限定する
資料の分野、資料が出版された国、資料
の本文が記述された言語で限定することが
できます。
■ ログインして検索するメリット
・ 検索した本が自分の学部の図書館にあ
る場合、優先的に表示される
・ 検索結果から、予約や取り寄せの申込
みがスムーズにできる
・ 詳細検索画面で設定した検索条件を保
存できる
■ 書名(完全形)で探す
単語 1 語で構成されている資料名で検
索する場合などは、検索項目を「書名(完
全形)
」にして検索することをおすすめし
ます。入力したキーワードと書名が完全に
一致する資料だけヒットするので、検索結
果のノイズを減らすことできます。
ログインに必要な利用者コードは、学生
証(職員証)記載の下 10 桁です。
パスワードは画面上で登録できます。
Science
14
書名(完全形) ▼
■ 件名で探す
「件名」検索を行うと、あるテーマにつ
いて書かれた図書を探すことができます。
「件名」とは、資料の内容を表す言葉で、
基本件名標目表をもとに付与されていま
す。
情報サービス
件名
▼
授業で指定された図書を OPAC で検索
し、結果表示の「件名」を参照して、同
じ件名で再度 OPAC を検索すると、関連
テーマの図書が見つかる可能性がありま
す。ぜひ活用してください。
■ 電子ジャーナルの見方
Physical review letters
from 1958 to present in American Physical Society
電子ジャーナルの場合は、検索結果画面
でタイトルをクリックすると、収録範囲と
提供サイトへのリンクが表示され、その場
で文献を入手できます。
雑誌の所蔵がなくても、電子ジャーナル
で読める可能性があります。
上級機能を使いこなす
OPAC には通常の検索機能だけでなく、
以下のような便利な機能があります。ぜひ
使いこなして、OPAC をフル活用してく
ださい。
検索結果を正しく読む
OPAC の検索結果を正しく読むために
は、いくつか注意すべき点があります。特
に雑誌の検索結果については、以下のこと
に気をつけましょう。
■ 検索結果をメール送信
検索結果をメールで送信することができ
ます。メモをとる手間が省けます。
■ 雑誌所蔵巻号の見方
雑誌の検索結果には「所蔵巻号」という
欄があります。それぞれの図書館・室が所
蔵している雑誌の巻(Volume)、号(No./
Issue)を示しています。
■ 検索結果を文献管理ツールに保存
検索結果を文献管理ツールに保存できま
す。論文を書くときに、文献リスト作成に
活用できます。【要ユーザ登録】(p.31 参
照)
所蔵巻号
1-3, 5(1-6,8-12), 6-9, 10(1-2)+
■ 全国の大学図書館所蔵情報の検索
探している資料が東京大学にない場合、
OPAC 画面で Webcat のタブをクリック
すると、全国の大学図書館の所蔵を検索で
きます。
( ) 内は号を表し、末尾の+はそれ以
降の新しい号も継続受入していることを表
します。
上の例では、4 巻、5 巻 7 号は所蔵し
ていませんが、最新号を所蔵しています。
■ 継続前誌・継続後誌の見方
雑誌は、出版元の変更などにより、タイ
トルが変更されることがしばしばありま
す。その場合、刊行は継続されていても
OPAC 上では別の雑誌として扱われます。
必要な巻号が見つからなかった場合に
は、雑誌の検索結果詳細画面に表示される
「継続前誌」「継続後誌」などの誌名変遷情
報をチェックして、タイトルチェンジが行
われていないか、確認してください。
15
■ 取り寄せサービス
MyOPAC にログインしてから検索する
と、検索結果画面に、取り寄せサービスの
申込みボタンが表示されます。
学内他キャンパスや他大学にある資料を
コピーや現物で取り寄せたり、PDF で閲
覧できる便利なサービスですので、積極的
に活用してください。【要利用申請】
(p.29
参照)
※ PDF の閲覧は学内のみ。
学術データベースで情報検索
学術データベースを使うと、より信頼性の高い学術的情報を効率的で網羅的に収集することができます。
ここでは、レポート執筆の手順に従って、東大で利用できるデータベースを紹介します。
レポート作成のステップとデータベース
テーマの設定
レポート・論文執筆の際に、学術データ
ベースを利用すると、信頼性の高い学術的
情報を効率的に収集することができます。
ここでは、以下のレポート・論文を書く
手順に沿って、主にテーマの設定、および
資料収集に役立つ学術データベースを紹介
します。
自由課題であればもちろんのこと、レ
ポート課題が与えられている場合でも、そ
の中で自分なりのテーマを設定すること
は、とても重要な段階です。テーマを絞り
込むための情報検索には、以下のツールが
有効です。
テーマの設定
資料収集
執筆
提出・投稿
■ 辞書・事典ツール
辞書ツール
JapanKnowledge + 【学内限定】
http://www.jkn21.com/
二次情報 DB
一次情報 DB
文献管理ツール
雑誌評価ツール
データベースによる情報検索のステップ
次に紹介するようなデータベースを使っ
て情報検索を行う際には以下のステップで
行います。
百科事典・辞書・ニュース・学術サイトリ
ンク集などを集積したデータベース。日本
大百科全書、現代用語の基礎知識、日本人
名大辞典、ランダムハウス英和大辞典など
各種事典類の統合検索ができます。
データベースを選ぶ
自分の情報検索の目的を明確にし、目
的にあったデータベースを選びましょ
う。そのためには、各データベースの
特徴を理解することが必要です。
検索戦略をたてる
情報検索のコツは「最初は広く浅く」
「それから狭く深く」です。検索手順
やキーワードや検索式を工夫するな
ど、戦略をたててから検索を始めま
しょう。
検索結果を評価する
検索結果を的確に評価し、真に有用な
情報を選択するという判断は非常に重
要です。データベースの限界を理解し
た上で、情報を正しく評価・活用しま
しょう。
16
資料収集
NDL-OPAC
テーマがある程度決まったら、自分の主
張・結論を論証するための根拠となる資料
を収集します。
http://opac.ndl.go.jp/
国立国会図書館が所蔵する資料の検索・申
込システムです。国立国会図書館は満 18
歳以上であれば誰でも入館・利用できます。
図書を探す
授業で指定された課題図書だけでなく、
辞書ツールで得られた文献名、研究者名な
どのキーワードを基に入門書・概説書を探
して読んでみましょう。基本的な知識を得
ることで、テーマがさらに明確化し、探す
べき情報も具体的になってくるはずです。
「図書」とは?→ p.6 参照
■ 所在を探す
すでに読みたい本が決まっているとき
は、その本がどこで入手できるか所在を探
します。
(p.14 参照)
東京大学 OPAC まずは東大にあるかどうかを探しましょ
う。
東大にない場合でもあきらめる必要はあり
ません。以下のデータベースで学外機関の
所蔵を確認してみましょう。
Webcat Plus :一致検索
■ あるテーマに関する本を探す
自分のテーマに関する本にどういうもの
があるかを探したいときは以下のデータ
ベースが有効です。
(p.14 参照)
東京大学 OPAC 東大が所蔵する本を、書名、著者名だけで
なく、件名(p.15 参照)からも検索でき、
テーマや内容から本を探せます。
Webcat Plus :連想検索
(左段参照)
「連想検索機能」を使うと、検索キーワー
ドから関連性の高い単語を抽出し、それを
含む本をもれなく探しだしてくれるので、
自分の関心にあった図書が見つかります。
(再掲)
NDL-OPAC 「件名検索」を使うと、テーマや内容から
本を探せます。
Littel Navigator http://webcatplus.nii.ac.jp/
【学内限定】
http://u-tokyo.navi.littel.jp/
入力したキーワードの関連分野や関連項目
を提示し、東京大学 OPAC(p.14 参照)
や JapanKnowledge+(p.16 参 照 ) な
どのデータを探すことができます。
全国の大学等の図書館が所蔵する本・雑誌
と新刊書を検索できるデータベース(国立
情報学研究所提供)。書名や著者名などの
キーワードから必要な図書を探す「一致検
索」と「連想検索」(右段参照)の 2 種類
の検索方法があります。所属の図書館・室
に依頼すると、他大学が所蔵する文献のコ
ピーを取り寄せることができます。
17
雑誌論文を探す-総合分野
したいときは、論文名、要旨などをキー
ワード検索します。
学術研究の成果の多くは、雑誌論文とい
うかたちで発表されます。レポート、論文
執筆の際には、テーマに関する先行研究、
最新研究などについて調査するために、学
術雑誌論文をチェックする必要がありま
す。
「雑誌」とは→ p.6 参照
「論文」とは→ p.10 参照
東京大学学術論文横断検索
(UT Article Search)
【学内限定】
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ext/utas/
■ 所在を探す
すでに読みたい論文が特定できていると
きは、その論文が掲載されている雑誌の所
在を探します。
図書の所在を探すときと同様、東大や全
国の大学の所蔵を検索しますが、雑誌の所
在を調べるときには、論文名ではなく、雑
誌名で検索することに注意しましょう。
複数の電子ジャーナルやデータベースのサ
イトを同時に一括検索し、キーワードなど
から学術論文を探すことができます。一部
全文へのリンクがあります。
中 川裕志ほか . ドキュ メ ン ト へ の イ ン
フォメーションハイディング. 情報処理.
44(3), 2003
論文名
雑誌名
● 日本語論文
CiNii (p.14 参照)
東京大学 OPAC 詳細検索画面で検索対象を「雑誌」に限定
して検索すると、効率的な検索ができます。
http://ci.nii.ac.jp/
□ 図書
□ 雑誌
情報処理
探している論文の掲載巻号と、各図書館・
室が所蔵している巻号とを照らしてチェッ
クしましょう(p.15 参照)。また、雑誌
の所蔵がない場合でも、電子ジャーナルが
利用できる可能性がありますので、確認し
てください。
Webcat Plus :一致検索 (p.17 参照)
東京大学 OPAC 同様、雑誌名で検索しま
す。「連想検索」では雑誌は検索できませ
んので、注意してください。
■ あるテーマに関する論文を探す
自分の論文/レポートテーマについて書
かれた論文にどのようなものがあるかを探
日本国内で発行された学術論文、学協会
誌、大学の研究紀要を中心とした論文情報
データベース(国立情報学研究所提供)。
一部全文へのリンクがあります。
(p.17 参照)
NDL-OPAC 「雑誌記事索引」(CiNii からも利用可能)
で国内刊行の雑誌記事が検索できます。
18
● 英語論文
Web of Science - ISI Web of Knowledge
SpringerLink 【学内限定】
http://www.springerlink.com/
【学内限定】
http://isiknowledge.com/WOS
ド イ ツ の 総 合 科 学 出 版 社 Springer グ
ループが発行する雑誌、および Lecture
Notes などの図書が収録された全文デー
タベース(p.28 参照)。
Wiley Online Library 【学内限定】
http://onlinelibrary.wiley.com/
全分野の主要な英文学術雑誌(約 11,000
誌)に掲載された論文の書誌情報データ
ベース。通常のキーワード検索に加えて、
論文の引用・被引用の関係をたどる検索も
可能です。ISI Web of Knowledge(統合
的プラットフォーム)上で提供されており、
BIOSIS Previews(p.23 参照)など、他
データベースとの統合検索ができます。
SciVerse ScienceDirect 【学内限定】
米国の John Wiley & Sons 社が出版す
る科学技術、医学分野などの雑誌、図書、
レファレンス・ワーク(参考図書)を収録
する全文データベース(p.28 参照)。
http://www.sciencedirect.com/
Elsevier 社が発行する科学・技術・医学・
社会科学分野の学術雑誌の全文が収録され
たデータベース。
19
雑誌論文を探す-専門分野
前項で紹介した総合的・一般的データ
ベースでは得られないような、各学問・研
究分野に特化した情報が必要なときには、
専門データベースの利用をおすすめしま
す。
ここでは、各分野の代表的なデータベー
スを紹介します。
InfoTrac Custom 【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
人文社会科学系学術雑誌 250 タイトルの
全文を網羅的に提供するデータベース。利
用度が高い雑誌を集めています。
中国学術雑誌全文データベース
(CAJ)- CNKI
【学内限定】
■ 人文社会科学系全般
Periodicals Archive Online
【学内限定】
http://pao.chadwyck.co.uk/
人文社会科学系の雑誌記事アーカイブ
(1665 ~ 2000 年)の索引データベー
ス。一部タイトル(約 300 誌)について
は、全文利用可能です。
http://cnki.toho-shoten.co.jp/kns50/
中国で発行された学術雑誌(文学・歴史・
哲学、政治・法律、教育・社会科学、経済
分野)の全文データベース。
■ 文学
Literature Resource Center with
MLA International Bibliography
【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
JSTOR 【学内限定】
http://www.jstor.org/
社会科学を中心とする分野の代表的な学術
雑誌のアーカイブデータベース。創刊号か
ら最新号より 3 ~ 5 年前までの論文が収
録され、すべて全文利用可能です。
ASSIA:Applied Social Sciences
Index and Abstracts - ProQuest
【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
応用社会科学全般の学術雑誌の索引・抄録
データベース。
文学に関わる人物、作品情報などを様々な
情報源から収録したデータベース。
Lingusitics and Language Behavior
Abstracts(LLBA) - ProQuest
【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
言語学関連文献の索引・抄録データベース。
20
■ 法学
【学内限定】
Westlaw Japan GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
日本法の総合データベースです。法令、判
例、政策情報、主要判例雑誌、コメンター
ル、学術論文、報道記事などから、法律情
報を検索できます。
D1-Law.com ■ 経済学・企業情報
Business Source Complete - EBSCOhost
【学内限定】
経済・経営・ビジネス関係の雑誌記事等の
データベースです。一部全文利用可能で
す。
EconLit - EBSCOhost 【学内限定】
経済学分野の雑誌論文、図書、学位論文、
ワーキングペーパーを収録する索引・抄録
データベース。
【学内限定】
https://www.d1-law.com/ip_login2/
第一法規が提供する『現行法規』『判例体
系』『法律判例文献情報』の各データベー
スを融合した総合検索データベースです。
法令データ提供システム
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
日本の法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・
省令・規則)の内容の Web 版検索システム。
※ 上 記 2 デ ー タ ベ ー ス は EBSCOhost
(検索プラットフォーム)上で提供されて
います
http://search.ebscohost.com/login.
aspx?authtype=ip
Westlaw International 【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
世界中の判例、法令、行政関連資料、法律
雑誌、法律百科事典、弁護士年鑑、ニュー
ス、ビジネス情報を網羅したデータベー
ス。
Lexis .com 【学内限定】
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/
utonly/golexis.html
eol 【学内限定】
http://db2.eol.co.jp/index_db.html
上 場 企 業 な ど、 国 内 約 5,000 社 の 有 価
証券報告書を 1984 年から収録している
データベースです。アジア主要地域の上場
企業基本情報も閲覧できます。
世界 100 カ国以上で信頼を集める、海外
法・ビジネスデータベースです。判例・法
令・二次文献(法律論文や解説書)をはじ
め、特許・知的財産情報、企業情報などを
収録しています。
21
■ 心理学
【学内限定】
PsycINFO GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
心理学関連文献の索引・抄録データベー
ス。
米国心理学会(APA)が作成しています。
全文データベース PsycARTICLES とも
リンクしています。
医中誌 Web 【学内限定】
http://login.jamas.or.jp/enter.html
国内医学文献の抄録誌である「医学中央雑
誌」の Web 版データベース。
日本語の医学雑誌、営業誌、学会等の会議
録、講演集などを収録しています。
■ 工学
Compendex - Engineering Village
【学内限定】
工学分野を幅広く網羅する索引・抄録デー
タベース。
■ 医学
MEDLINE - OvidSP 【学内限定】
米国国立医学図書館(NLM)が作成する
世界最大の医学関連文献データベース。
Inspec - Engineering Village
【学内限定】
物理学、電気、電子工学、コンピュータサ
イエンス、情報技術分野をカバーする索
引・抄録データベース。
EBM Reviews - OvidSP【学内限定】
医療・臨床分野の研究者向けデータベー
ス。
「科学的根拠に基づく医療(EBM)」を支
援する8つの医療情報データベースで構成
されています。
USPTO - Engineering Village 米国の特許情報を収録したデータベースサ
イト。
※ 上 記 デ ー タ ベ ー ス は Engineering
Village(技術情報ポータルサイト)上で
提供されています。
http://www.engineeringvillage.org/
※上記 2 データベースは OvidSP(検索プ
ラットフォーム)上で提供されています。
http://gateway.ovid.com/autologin.html
CINAHL Plus with Full Text
- EBSCOhost
【学内限定】
http://search.ebscohost.com/login.
aspx?authtype=ip
看護・医学技術関連の文献データベース。
PubMed
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/
entrez?otool=ijputmlib 【東大専用入口】
MEDLINE(上記参照)のインターネット
無料提供版。
esp@cenet
http://ep.espacenet.com/
欧州特許庁 (EPO)、世界知的所有権機構
(WIPO)、日本特許庁の特許情報を収録し
たデータベースサイト。
Scirus
http://www.scirus.com/srsapp/
科学情報専門の検索エンジン。
22
■ 農学・生命科学
BIOSIS Previews - ISI Web of Knowledge
【学内限定】
http://isiknowledge.com/BIOSIS
生命科学分野の包括的なデータベース。
ISI Web of Knowledge(統合的プラッ
トフォーム)上で提供されており、Web
of Science(p.19 参照)との統合検索
が可能です。
■ 地球科学
GeoRef - ProQuest 【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
米国地質学会が提供する地球科学関連の文
献データベース。
Agropedia
http://www.affrc.go.jp/Agropedia/
農林水産省の研究機関などが発行する研究
成果情報、衛星画像情報などを収録する
データベース。
■ 化学
SciFinder 【学内限定】
https://scifinder.cas.org/
化学物質情報、科学技術文献、有機化学反
応情報、試薬・化成品のカタログ情報など
を収録するデータベース。
利用するためには事前に利用登録が必要で
す。利用登録については、以下のページを
ご覧ください。 http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/manual/SFS/
sfw_usreg.html
23
学位論文を探す
■ 海外の学位論文
ProQuest Dissertations and Theses
(PQDT) Full Text
博士号を得るために大学や研究機関に提
出される博士学位論文は、特に科学技術分
野においては質の高い研究資料として評価
されています。
学位論文は通常の流通経路に乗らないた
め、入手が難しい資料ですが、探しだすた
めのツールとして以下のデータベースがあ
ります。また、学位授与大学のウェブサイ
トで探すのも有効な方法の1つです。
「学位論文」とは→ p.6 参照
【学内限定】
GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
米国、カナダを中心とした博士論文・修士
論文を収録するデータベース。
新聞記事を探す
あるテーマに関する最新トピックの
チェック、あるいは過去の事実確認、人物
に関係した資料収集などを行う場合は、新
聞が有効な情報源となります。
「新聞記事」とは→ p.6 参照
■ 日本国内の学位論文
東京大学学位論文データベース
http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/index.
html
朝日新聞オンライン記事データベース
「聞蔵Ⅱビジュアル」
【学内限定】
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/
utonly/goasahi.html
東京大学で授与された博士論文の標題、著
者名、要旨などを収録したデータベース。
論文原文の閲覧については著者の所属部局
の図書館・室にお問い合わせください。
朝日新聞記事(本紙・地域面)、「AERA」、
「週刊朝日」の全文記事を検索・閲覧でき
るデータベース。
博士論文書誌データベース
http://dbr.nii.ac.jp/
日本の国公私立大学等で授与された博士号
の学位論文について、標題、著者名、学位
の種類等を収録したデータベース。
国立情報学研究所が作成する「学術研究
データベース・リポジトリ」の中のコンテ
ンツとして提供されています。
【学内限定】
毎日 News パック GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
毎日新聞、「週刊エコノミスト」などの記
事検索・全文閲覧ができます。
(p.17 参照 )
NDL-OPAC 国立国会図書館(関西館)では大正 12 年
9 月以降の博士論文を所蔵していますが、
1957 年以降に受け入れた分について、
NDL-OPAC で検索することができます。
24
ヨミダス歴史館 データベース選びの近道
【学内限定】
この章で紹介した学術データベースは、
東京大学で利用できる電子的ツールの中の
ほんの一部に過ぎません。他にも多数の
データベース類を利用できる環境が整って
います。しかし、多数のツールの中から、
自分の目的に最適なものを選択することは
決して簡単なことではありません。
データベース選択で迷ったときには、ぜ
ひ GACoS にアクセスしてみてください。
GACoS は電子的な学術情報へのゲート
ウェイです。東京大学で利用できる学術
データベース類がほぼすべて集めてあり、
資料タイプ、主題分野、データベース名な
どから、検索できます。目的にあったデー
タベースを探すには大変便利なサイトで
す。
また、データベース講習会の情報や情報
リテラシーに関する Web 教材など(p.36
~ 37 参照)も掲載しています。ぜひブッ
クマークなどに登録して、日常的な情報検
索ツールとして活用してください。
https://database.yomiuri.co.jp/rekishikan/
明 治 7 年 か ら の 読 売 新 聞、「The Daily
Yomiuri」などの記事検索・全文閲覧がで
きます。
LexisNexis Academic 【学内限定】
http://www.lexisnexis.com/ap/academic/
世界各国のニュースなどを収録した総合情
報データベースです。
【学内限定】
Factiva.com GACoS(p.25 参照)からアクセスして
ください
世界各国のニュース・ビジネス情報を提供
しています。
GACoS
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/
統計データを探す
レポートや論文の論拠として統計データ
の数値を活用すると説得力が高まります。
多数の機関から様々な種類の統計が発行さ
れていますが、最近では多くのデータが
Web 上に公開されています。
「統計」とは→ p.6 参照
政府統計の総合窓口(e-Stat)
■ 学 外 か ら デ ー タ ベ ー ス を 利 用 す る に
は?
がついているデータベースは、ECCS
アカウントをお持ちであれば、SSL-VPN
Gateway サービスにより自宅など学外か
らでも利用可能です。詳細は、学内から
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/sslvpn/
service.html のページをご覧ください。
http://e-stat.go.jp/
政府統計の総合窓口サイト。民間統計や海
外の統計機関へのリンクもあります。
OECD iLibrary 【学内限定】
http://www.oecd-ilibrary.org/
OECD(経済協力開発機構)の各種出版
物を収録するデータベース。全文表示可能
です。単行書、雑誌を中心に、数種の統計
データを冊子版より早く入手する事ができ
ます。
25
3.ネットで情報を入手する・集めた情報を活用する
電子ジャーナルを読む
ネットで入手できる情報の主要な例として、研究に不可欠な電子ジャーナルの利用について説明します。
電子ジャーナルとは
電子ジャーナルとは、雑誌を電子化し、
コンピュータの画面上で読めるようにした
ものです。
学内のコンピュータから、インターネッ
トを通して出版社の Web サイトや電子
ジャーナルが収録されているデータベース
にアクセスし、東京大学が契約している範
囲内、あるいは公開されている範囲内で、
雑誌の記事を読むことができます。
必要な論文は、印刷、メール送信、ダウ
ンロードして保存するなどの方法により入
手可能です。
電子ジャーナルを利用するには
■ 文献データベースからアクセスする
第2章で紹介した文献データベースなど
では、データベースの検索結果画面から、
読みたい論文が掲載されている電子ジャー
ナルにリンクしていたり、直接その論文の
全文を見ることができるケースが増えてき
ています。
データベースの検索結果画面に、
「UT
Article Link」ボタンが表示された時には、
そのボタンをクリックしてみてください。
「 東 京 大 学 学 術 論 文 リ ン ク(UT Article
Link)
」の画面が開き、電子ジャーナルや
冊子の所蔵を探すためのリンクが表示さ
れます。電子ジャーナルへのリンク欄の
“Article”をクリックすると、直接論文本
文を開くことができます。
(p.27 の図参照)
論文全文へのリンクが無いデータベース
の場合は、論文を入手するために、検索結
果画面を見て下記の情報をメモしておく必
要があります。メモをする代わりに検索結
果画面から下記の情報をダウンロードする
機能があるデータベースもあります。
この情報が不足していたり間違っている
と、入手に手間取りますのでご注意くださ
い。
26
<雑誌論文の入手に必要な情報>
・ 論文の著者名
・ 論文のタイトル
・ 掲載雑誌名
・ 巻・号・ページ
■ ポータルサイトからアクセスする
読みたい雑誌が決まっている場合、以下
の Web サイトで、その雑誌が電子ジャー
ナルで利用できるかどうかを確認します。
※ OPAC で雑誌の所蔵がない場合でも、電
子ジャーナルで読める可能性があります。
E-JOURNAL PORTAL 【学内限定】
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ext/ejportal/
全学で利用できる電子ジャーナルを集め
たポータルサイトです。電子ジャーナルを
探す入口としてご利用ください。
雑誌のタイトルなどで検索すると、読み
たい電子ジャーナルが収録されているデー
タベース名がわかります。そのデータベー
ス名をクリックすると、データベースの検
索画面や出版社のジャーナルのサイトに飛
びますので、そこで読みたい論文が載って
いる巻・号・ページを探すか、検索して見
つけてください。
■ 直接アクセスする
上記のポータルサイトを経由せずに、直
接アクセスして利用することもできます。
※上記のポータルサイトを経由していない
と利用できないタイトルもあります。
こんな場合は?
電子ジャーナル利用上の注意
■ 学外から電子ジャーナルを利用したい
出版社によっては、ECCS アカウント
をお持ちであれば、SSL-VPN Gateway
サ ー ビ ス に よ り 学 外 か ら も 利 用 可 能
な 場 合 が あ り ま す。 詳 細 は、 学 内 か ら
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/sslvpn/
service.html のページをご覧ください。
電子ジャーナルの利用にあたっては、東
京大学と提供元の出版社等との間で、利用
上の取り決めを交わしています。
定められた利用規則や利用条件に違反す
る行為を行うと、大学全体が利用を停止さ
せられる可能性がありますので、必ず守っ
てください。内容は出版社等によってそれ
ぞれ異なりますが、原則として以下の事項
は禁止されています。
■ ID、パスワードの入力を要求される
論文の全文を見ようとしたときに、ID、
パスワードの入力画面が表示されることが
あります。ID、パスワードの入力が実際
に必要な場合もありますが、システムのト
ラブルや契約範囲外である可能性もありま
す。疑問な点がございましたら、図書館ま
でお問い合わせください。
27
■ 禁止事項
・ 東京大学の構成員以外が利用するこ
と
・ 個人の学術研究・教育目的以外の使
用
・ 第三者への流通(ダウンロードした
データをメールで送付するなど)
・ 不正ダウンロード(プログラム等を
使用したシステマティックな大量ダ
ウンロードなど)
電子ブックを読む
電子ジャーナルと同様に、図書も電子化されてきています。ここでは、東京大学が契約している電子ブッ
クについて紹介します。
電子ブックを利用するには
SpringerLink 東京大学が契約している電子ブックを紹
介します。いずれも、電子ジャーナルと同
様に、学内のコンピュータからインター
ネットを通してアクセスします。
eBook (NetLibrary) 【学内限定】
http://www.springerlink.com/
SpringerLink で は、Lecture Notes
などの Springer 社発行の電子ブックが利
用可能です。
【学内限定】
http://www.netlibrary.com/
Wiley Online Library 【学内限定】
eBook (NetLibrary) では、世界の主要
出版社や大学出版局が発行した書籍が提供
されています。学術書、専門書だけでな
く、一般書、戯曲、小説なども数多く収録
されています。
東京大学が購入したタイトルと無料提供
のタイトルを合わせて、約 4,000 タイト
ルの電子ブックが利用可能です。
学外からも利用したい場合は、事前にア
カウントの作成が必要です。学内から上
記 URL にアクセスして、画面上で必要な
情報を入力するとアカウントを作成できま
す。
http://onlinelibrary.wiley.com/
John Wiley& Sons 社が発行した電子
ブックが提供されています。
電子ブック利用上の注意
電子ジャーナルと同様に、電子ブックに
ついても、禁止事項に注意してご利用くだ
さい。禁止事項は p.27 を参照してくださ
い。
28
図書館サービスを利用する
すべての雑誌・図書が電子化されている訳ではありませんので、電子ジャーナル・電子ブックで見つか
らなかったら図書館の蔵書も十分に活用しましょう。ここでは、Webで利用できる図書館サービスを紹
介します。
MyOPAC
にお問い合わせください。
MyOPAC とは、東京大学 OPAC にロ
グインすることで、以下の各サービスを
Web 上で利用できる、東京大学附属図書
館のサービスです。(p.14 参照)
ログインに必要な利用者コードは、学生
証(職員証)記載の下 10 桁です。
パスワードは画面上で登録できます。
MyOPAC に ロ グ イ ン す る と、 以 下 の
サービスが利用できます。
【各サービスの概要】
■ 貸出中の資料の予約
OPAC 画面から貸出中の資料を予約す
ることができます。
■ 貸出・予約状況照会
借りている資料、罰則状況、予約処理状
況の確認や、貸出期間の延長ができます。
■ 取り寄せサービス 【要利用申請】
OPAC 画面から図書館(学内/学外)
の資料をコピーや現物で取り寄せたり、
PDF で閲覧できるサービスの申込みがで
きます。進捗状況の確認もできます。
【手順の概要】
● MyOPAC に ロ グ イ ン し て 東 京 大 学
OPAC を検索する。
● 読 みたい資料が電子ジャーナル・電子
ブックで入手できなかったら、雑誌・
図書の所蔵を確認する。
● OPAC 検索結果詳細画面に申込ボタン
が表示される。
※自分の学部と同じキャンパスにある図書
館からの本・コピーの取り寄せは不可。
● 申 込ボタンをクリックし、申込画面で
必要な情報を入力して申し込む。
● 指定の図書館に資料が届く。
● PDF の場合は、メールで PDF ファイ
ル閲覧可能の通知が届くので、2週間
以内に学内のネットワークから画像を
閲覧する。印刷は1部のみ可能。 ※ PDF をパソコン等に保存すること
は禁止。PDF の URL を誰かに教えた
り、ファイル・印刷物の配布も厳禁。
● 料 金の支払方法として私費を選択した
場合は、メールで指定された方法で、
至急料金をお支払いください。
■ 本の購入リクエスト
図書館で購入してほしい本をリクエスト
できます。処理状況の確認もできます。
ASK サービス
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ask/
ASK サービスとは、図書館への質問を
Web 上で送信し、東大の図書館の中で回
答に最も適した図書館・室からの回答を
メールで受け取ることができるサービスで
す。
図書館の所蔵資料に関する質問や、文
献の調べ方、ある事項についての調べ方、
データベースや電子ジャーナルの利用方法
などについての質問を受け付けています。
取り寄せサービス
取り寄せサービスとは、学内の他キャン
パスや他大学にある資料をコピーや現物で
取り寄せたり PDF で閲覧できる、東京大
学附属図書館のサービスです。
このサービスを利用するには、事前に利
用申請が必要です。
利用申請の方法や利用条件、料金支払方
法等については、所属の部局の図書館・室
29
引用する・参考文献リストを作る
集めた情報を取捨選択し、自分の論文の中で論拠などに活用する際は、他の研究成果を剽窃したことに
ならないよう、自分の文章と明確に区別して引用し、出典を明示しなければなりません。
引用の書き方
■ 引用は正確に書く
引用する際は、原文に書いてあるとおり
に正確に書きます。著者の意図を読み違え
ないように、原文の文脈から趣旨を正確に
読み取ることも必要です。
他人が引用している文章を原文にあたら
ずに引用すること(いわゆる「孫引き」)
は、正確性の観点からも避けるべき行為で
す。
論文の中で引用箇所を示すには、以下の
ような方法があります。
■「 」で括って引用する
この点に関する問題として、「・・・・・」(1)
と述べている。
■ 前後に 1 行空け、段落を下げて引用する
■ 出典の情報は正確に記述する
参考文献リストに挙げた情報(著者名、
誌名、巻・号・ページなど)が間違ってい
ると、それを頼りに文献を探そうとする読
者に、大変迷惑がかかります。論文自体の
信頼性も損なわれますので注意してくださ
い。
この点に関する問題として、次のよう
に述べている。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・。(1)
■ ポイントを要約して引用する
この点について・・・・・という問題
提起がある (1)。
いずれの場合も、引用箇所のすぐ後に、
(1)
、(2) のような一連番号を付け、論文末尾
の参考文献リストの番号と対応させます。
あ る い は、 一 連 番 号 で は な く、( 山
田 ,2005)のように、著者名と出版年を
( )で括って示し、参考文献リストは
著者名順に並べる方法もあります。
引用するときの注意点
引用を明示する目的は、参考にした他の
研究のオリジナリティを尊重することと、
論文の読者に自分の主張を良く理解しても
らうことにあります。
この点に留意すると、以下のことに注意
が必要であることがわかります。
30
■ 第三者が参照できる情報を挙げる
論文の読者のことを考えれば、第三者が
参照可能で、できるかぎり入手しやすい情
報を参考文献として挙げる配慮も求められ
ます。
参考文献リストの書き方
引用箇所での出典の示し方や、参考文献
リストの記述方法は、指定された書式に従
う必要があります。
分野によって標準的となっている書式も
ありますが、完全な統一基準が存在する訳
ではありません。
右のページに、一例として、科学技術情
報流通技術基準からの抜粋を挙げました。
この基準はインターネット上で見ることが
できます。
雑誌に投稿する場合は、それぞれの雑誌
に投稿規定があり、その中で書式が指定さ
れていますので、それに従ってください。
参考文献リストの書き方の一例
科学技術情報流通技術基準 (SIST:Standards for Information of Science and Technology)
・ 参照文献の書き方(SIST 02) (http://sist-jst.jp/handbook/sist02_2007/main.htm)
■ 雑誌の1記事
著者名.論文名.誌名.出版年,巻数,号数,はじめのページ-おわりのページ,ISSN.(言語の表
示),(媒体表示),入手先,(入手日付).
例 (a)花岡菖.戦略的アウトソーシングにともなうシステム監査のあり方について.システ
ム監査.1996, vol. 9, no. 2, p. 2-10.
(b)花岡菖.戦略的アウトソーシングにともなう….システム監査.1996, 9(2),
p. 2-10.
■ 図書1冊を参照する場合
著者名.書名.版表示,出版地,出版者,出版年,総ページ数,(シリーズ名,シリーズ番号),
ISBN.(言語の表示),(媒体表示),入手先,(入手日付).
例 井 手 文 雄. 界 面 制 御 と 複 合 材 料 の 設 計. 東 京, シ グ マ 出 版,1995,250p.,ISBN
4-915666-27-1.
■ 図書の1章又は一部を参照する場合
著者名.“章の見出し”.書名.編者名.版表示,出版地,出版者,出版年,はじめのページ-おわり
のページ,(シリーズ名,シリーズ番号),ISBN.(言語の表示),(媒体表示),入手先,(入手日付).
例 井手文雄.“3 界面制御の技術”.界面制御と複合材料の設計.東京,シグマ出版,1995,
p. 12-43, ISBN 4-915666-27-1.
■ 電子雑誌の1論文
著者名.論文名.誌名.出版年,巻数,号数,はじめのページ-おわりのページ,ISSN.( 言語の
表示 ),(媒体表示),入手先,(入手日付).
例 荒 川正幹ほか.Hopfield Neural Network を用いた新しい分子重ね合わせ手法の 3D-QSAR
への応用.Journal of Computer Aided Chemistry.2002,vol.3,p.63-72.http://
joi.jlc.jst.go.jp/JST.JSTAGE/jcac/3.63,( 参照 2002-12-03).
■ Web サイト、Web ページ
著者名.“Web ページの題名”.Web サイトの名称.更新日付.(言語の表示),(媒体表示),入手
先,(入手日付).
例 斎藤彬夫."DME(ジメチルエーテル)燃料普及のための提言 ".日本機械学会.2003-1-11.
http://www.jsme.or.jp/teigb01.htm,( 参照 2003-02-24).
文献管理ツール
参考文献リストの作成・管理にかかる
労力を軽減するためには、文献管理ツー
ルを活用するのも1つの方法です。文献
管理ツールには、パソコンにインストー
ルして使用するソフトと Web 版の 2 種
類 が あ り ま す。 現 在、 東 京 大 学 で は、
RefWorks、EndNote Web の 2 種 類 の
Web 版を利用することができます。
ツールによって使える機能は異なります
が、一般的に、文献管理ツールを使うと、
次のようなことができます。
31
■ 文献データベースの作成
各種の文献データベースを検索して、得
られた情報(著者名、論文名、誌名など)
を、文献管理ツールに取り込み、いわば自
分にとって必要な文献だけのデータベース
として保存・管理しておくことができます。
■ 参考文献リスト作成の自動化
文献管理ツールに保存しておいたデータ
は、論文の原稿を書いているときに検索し
て呼び出し、文中の引用箇所に付ける番号
と論文末尾の参考文献リストを、自動作成
することができます。投稿する雑誌の投稿
規定に対応した書式での自動作成も可能で
す。
論文を発表する
論文を投稿する雑誌を選ぶ際に参考となるデータベースを紹介します。また、論文を広く公開する
方法として「オープン・アクセス」について紹介します。
投稿する雑誌を選ぶ
■ Ulrichsweb を検索する
【学内限定】
Ulrichsweb ■ JCR を検索する
http://www.ulrichsweb.com/ulrichsweb/
JCR: Journal Citation Reports
- ISI Web of Knowledge
【学内限定】
http://isiknowledge.com/JCR
Ulrichsweb は、世界 200 カ国の出版
社から刊行される逐次刊行物(雑誌、年
鑑、会議録、一般誌、学術誌、ニュースレ
ター、新聞)の情報を収録しています。
主題分野やキーワード、査読の有無など
の条件を指定して、どんな雑誌があるかを
検索できます。
JCR は、学術雑誌の重要度、影響度を
測るための指標を提供する、学術雑誌評価
ツールです。
雑誌の評価指標の1つである「Impact
Factor」を調べられるだけでなく、学術
雑誌の引用関係を知ることもできます。
論文の投稿先を決める際、同じ分野の複
数の雑誌を比較する判断材料にすることが
できます。
■ データベースの収録対象誌から選ぶ
投稿する雑誌が主要なデータベースの収
録対象誌になっていれば、論文が掲載され
た後、より多くの人に自分の記事を探して
もらえる可能性が高まります。
第2章で紹介したようなデータベースの
収録対象誌になっているかどうかを1つの
判断材料にしたり、データベースを自分の
論文のキーワードで検索してみて、関連す
るテーマの論文が多く掲載されている雑誌
を探すのも1つの方法です。
Impact Factor とは
ある雑誌の一論文あたりの平均被引用数
です。特定の 1 年間に、ある雑誌に掲載
された論文が平均的にどれくらい頻繁に引
用されているかを示す尺度で、雑誌の影響
度を表す1つの指標です。
Impact Factor の算出方法は以下のと
おりです。(例:2010 年の場合)
■ 出版社や学会の Web サイトを見る
出版社や学会の Web サイトには、発行
している雑誌の投稿規定、その雑誌がカ
バーする分野、対象読者層などの情報が掲
載されていますので、投稿する際の参考に
なります。
A = 2008-2009 年のある雑誌の掲載論
文総数
B = A の論文が 2010 年中に引用された
総回数
2010 年の Impact Factor = B / A
JCR は、個々の論文や著者の評価ツー
ルではありません。Impact Factor の数
値の意味を理解し、使い方にご注意くださ
い。
32
オープン・アクセスについて
すでに多くの出版者が、査読済みの論文
を、出版後に、著者が自分の Web サイト
に掲載することや、著者が所属機関の「学
術機関リポジトリ(下記コラム参照)」に
保存すること(セルフ・アーカイビング)
を認めるようになってきています。
また、初めから、雑誌そのもの(あるい
は雑誌の中の一部の論文)を、無料公開し
て発行するオープン・アクセス雑誌と呼ば
れる雑誌も出てきています。
発行後、一定期間を経たものについて
オープン・アクセスにする雑誌もありま
す。
より多くの読者に読んでもらうために論
文を広く公開する方法として、「オープン・
アクセス」を紹介します。
現在、オープン・アクセスと呼ばれる学
術論文の新しい提供の仕組みが、出版者、
図書館、研究者などの間で、世界的な話題
となっています。
オープン・アクセスとは、学術論文を、
インターネット上で無料公開し、読者が障
壁なくアクセスできるようにする仕組みで
す。この背景には、学術雑誌の価格高騰に
よって、研究に不可欠な論文の入手が困難
になっている状況があります。
東京大学学術機関リポジトリ http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
学術機関リポジトリ(Institutional Repository)とは、大学などの学術機関で生産された、学
術雑誌掲載論文、学位論文、図書など、さまざまな研究成果を電子的な形態で集中的に蓄積・保存
し、学内外に公開することを目的とした、インターネット上の発信拠点(サーバ)です。
学術機関リポジトリは、いわば、インターネット上に置かれた公開保存書庫と言えます。インター
ネットに接続できる環境があれば、誰でもアクセスでき、研究成果を利用することができます。
学内研究者
電子的形態で
蓄積・保存・発信
学術研究成果
(コンテンツ)
・学術論文
・学位論文
・紀要掲載論文
・図書、図書の一部
・プレプリント
・会議録
・科研費報告書
・テクニカルペーパー
・学会発表資料
・授業用教材 など
登録
一般利用者
自由な利用
東京大学
学術機関リポジトリ
システム運用管理
登録支援
附属図書館および
情報基盤センター
世界には、すでに 1,000 を超える学術機関リポジトリがあります。東京大学では、附属図書館
と、情報基盤センター図書館電子化部門が中心となって、東京大学学術機関リポジトリの構築を進
めています。
東京大学学術機関リポジトリへ研究成果を登録し、世界に発信することにより、研究者にとって
は、研究成果の可視性を向上させ、研究活動の価値を高めることができます。
33
4.付録
検索のヒント
検索のヒントや便利なテクニックをご紹介します。データベースは、収録している情報に合わせて
もっとも効率的な検索を行っているため、使えるテクニックが異なり、使用する記号も異なります。
初めてご利用のデータベースは、最初に“help”等を確認することをおすすめします。
検索語の入力
論理演算
■ ストップワード
冠詞(the, an など)や be 動詞(be, is,
was な ど )、 人 称 代 名 詞(he, she, we,
they など)のような単語は、入力しても
検索の対象にならないことがあります。
(「フレーズ検索」参照)
複数の検索語を組み合わせて検索したい
ときは、論理演算を使います。検索語を結
ぶ「論理演算子」は、データベースによっ
て異なるので注意しましょう。
■ 化合物や特殊文字の入力
下付き文字やアクセント文字などを、普通
の文字に置き換えて入力する場合がありま
す。
例)H2O ⇒ h2o
Fürst ⇒ furst, fuerst
■ AND 検索(論理積)
入力した検索語を全て含むものを検索し
ます。
A
B
A AND B
シソーラスの活用
データベースによっては、同義語、関
連語、上位概念、下位概念の用語などを、
分野や内容ごとに整理した「シソーラス
(thesaurus)」 を 持 つ も の も あ り ま す。
決められた統制語を利用することで、効率
的に検索をすることができます。
例)医中誌 Web(p.22 参照)
■ OR 検索(論理和)
入力した検索語の少なくともどちらか一
方を含むものを検索します。
A
B
A OR B
■ NOT 検索(論理差)
入力した検索語の一方を含み一方を含ま
ないものを検索します。
A
B
A NOT B
34
論理演算の優先順位
部分一致検索(トランケーション)
AND 検 索、OR 検 索、NOT 検 索 を 組
み合わせるときは、論理演算の優先順位に
気をつけましょう。
論 理 演 算 の 優 先 順 位 を NOT → AND
→ OR の 順 と す る デ ー タ ベ ー ス や、 検
索欄に入力した順とするデータベース、
( ) を 使 っ て 優 先 順 位 を 指 定 で き る
データベースなどもあります。
変化が予想される検索語は、変化する文
字列の部分に「ワイルドカード」と呼ばれ
る記号(* , ? , $など)を入力します。
■ 前方一致 gene*
⇒ gene, genes, generation
■ 中間一致 *sea*
⇒ sea, seat, disease, undersea
例)A NOT B AND C OR D
(A NOT B)AND(C OR D)
■ 後方一致 *net
⇒ internet, cabinet, planet
近接演算
■ 語中変化 behavio$r
⇒ behavior, behaviour
複数の検索語の位置関係を指定します。
AND 検索をした場合、入力した検索語の
位置が離れてすぎているものもヒットして
しまい、思い通りの検索結果が得られない
場合があります。
近接演算を利用すると、検索語が出てく
る順番や検索語間の語数を指定することが
できます。「近接演算子」はデータベース
によって異なるので注意しましょう。
例)A SAME B , A W/s B
⇒同一センテンス内
A W/n B , A NEAR/n B
⇒最大 n 語以内
部分一致検索の活用例
参考文献表を読むと、欧文の雑誌タイト
ルが省略形(略誌名)で書かれている場合
があります。このような場合、「前方一致」
のテクニックを使えば、フルタイトルがわ
からなくても検索できます。
例 参考文献リストに J. Biol. Syst. と書か
れ た 雑 誌 を、E-JOURNAL PORTAL で 探
す場合
【入力例】
J * Biol* Syst*
フレーズ検索
このように入力すると、JOURNAL OF
BIOLOGICAL SYSTEMS というフルタ
イトルを知らなくても探すことができま
す。
略誌名は、いくつかの決められた方法に
従って省略されていますので、自分の論文
で利用する際にはご注意ください。
複数の検索語をフレーズとして検索する
方法です。ストップワードを含む文字列を
検索する際にも活用できます。
そのまま入力する場合や、“ ”を使
う場合があります。
例)information literacy
“information literacy”
35
カスタマーサポート
情報基盤センター学術情報リテラシー係では、講習会の開催、教材の配布・公開など、情報検索の
サポートメニューをご用意しています。
情報探索ガイダンス
情報基盤センター学術情報リテラシー係
では、データベースを使った情報検索に関
する講習会を実施しています。
ス ケ ジ ュ ー ル や 内 容 に つ い て は、
GACoS(p.25)の「情報探索ガイダンス」
ページをご覧ください。
■ 出張講習会
ご希望の内容、日時、会場などに応じた
オーダーメイドの講習会も承っています。
卒論指導や進学予定者のガイダンスなど、
授業の 1 コマや、ゼミなどにご活用くだ
さい。
講習会は予約不要ですので、お気軽にご
参加ください。(コースによっては、要予
約の場合もあります。)
講習会コーナー 案内図
講習会コーナーは、本郷キャンパス 総合図書館 1 階、玄関を入って右奥にあります。
総合図書館1階
講習会コーナー
参考図書
・Windows 端 末 で 実 習 し ま
す。
・ECCS 無 線 LAN 対 応 の PC
を持込んで実習することもで
きます。
玄関
36
オンラインマニュアル
リーフレット
東京大学で利用できるデータベースのマ
ニュアルを公開しています。
自分の研究活動に合ったデータベースが
見つかったら、ぜひマニュアルも活用して
ください。
東京大学で利用できるデータベースにつ
いて、特徴や検索方法を紹介しています。
それぞれ、日本語版・英語版をご用意して
います。
各図書館・室にて配布しています。
オンラインサポート
以下のコンテンツは、学内・学外のどち
らからでも利用可能です。情報検索に困っ
たときなどにご活用ください。
【リーフレット メニュー】
・目的に合ったデータベースを探すには?
(GACoS) / データベースの検索結果で
本文へのリンクが無かったら?
(UT Article Link)
・本や雑誌論文を入手するには?
(東京大学 OPAC)
・自 宅からデータベースや電子ジャーナ
ル を 使 う に は? (SSL-VPN Gateway
サービス)
メールマガジン「Litetopi」のご案内
データベースに関するニュースや、講習
会のご案内などをメールでお知らせしま
す。
お申込みは、学術情報リテラシー係までご
連絡ください。
[email protected]
37
文献表に出てくる略語一覧
注や文献表では、繁雑さを避けるために略語を使用することがあります。なお、類似の意味でも利
用方法が異なる場合がありますので、利用する際にはご注意ください。
略語
完全形
意味
Ann.
Annales
年報、紀要
Annu.
Annual
年報、年鑑
anon.
anonymous
作者不詳の、匿名の
app.
appendix
付録
Arch.
Archives
記録集
art.
article
論文、記事
Aufl.
Auflage
版
Bd.
Band
巻
Beil.
Beilage
追録、補遺
Bull.
Bulletin
会報、報告、紀要
c., ©
copyright
著作権
c., ca.
circa
約、略
cf.
confer(=compare)
比較、参照、参照せよ
ch., chap.
chapter
章
col.
column
欄
comp.
compiler
編纂者
compiled by ~
~により編纂された
conf.
conference
会議
corr.
correction
校正、訂正版
d.
died
没
Diss.
Dissertation
学位論文
do.
ditto
同前
doc.
document
文書、書類
Einl., Einleitg.
Einleitung
序論
ed.
editor
編(集)者
edition
版
edited by ~
~により編集された
e.g.
exempli gratia(=for example)
例
enl.
enlarged
増補された
et al.
et alii, et aliae(=and others)
およびその他
etc.
et cetera(=and so on)
など
ex.
exanple, example
用例
fac., facsim.
facsimile
複写、複製
fasc.
fascicle
分冊
fig., figs.
figure(-s)
図、図解、挿絵
front.
frontispiece
とびら、口絵
Hft.
Heft
分冊、号
Hg.
Herausgeber
編者
ibid.
ibi’dem
前掲誌、同誌
38
id.
idem
同上、同書
i.e.
id est
すなわち
ill., illus.
illustration
挿絵
inc.
including
含む
incorporated
組み込まれた
inf.
infra
下に、以下に
intro., introd.
introduction
序文
J., jour.
journal
雑誌、学会誌
l., ll.
line(-s)
行
l.c., loc.cit.
loco citato
上記引用文中に
m.s., mss.
manuscript(-s)
原稿、写本
n., nn
note(-s)
注釈
n.d.
no date of publication
出版年記載なし
no.
number
号
n.p.
no place of publication
発行地記載なし
n.s.
new series
新シリーズ
NS
New Style
新暦
op.cit.
opera citat
前掲(引用)書に
p., pp.
page(-s)
ページ
par.
paragraph
節、段落
pl.
plate
図版
plural
複数の
pref.
preface
序文、前置き、はしがき
proc.
proceedings
議事録、会報
pseudo.
pseudonym
雅号、ペンネーム
Pt., pt.
part
部、部分、分冊
pub., publ.
publisher
出版者
publication
出版物、逐次刊行物
published by ~
~の出版
rev.
review, reviews
評論誌
rpt., repn.
reprint, reprinted
重版、翻刻
sec., sect.
section
節、段落、欄
ser.
series
双書、シリーズ
supp.
supplement
補遺
tr., trans.
translator, translation
翻訳
trans.
transaction
会報、紀要
v., vid.
vide
~を見よ
viz.
videlicet
すなわち
v., vol., vols.
volume(-s)
巻
Z.
Zeitschrift
雑誌
39
データベース、電子ジャーナルに出てくる用語一覧
データベースによって、使える機能や用語が異なりますのでご注意ください。ご利用の際は、それ
ぞれのデータベースの“help”を見ることをおすすめします。
用語
意味
abstract
摘要、要約
address, affiliation
著者などの所属機関
alert
あらかじめ設定した条件に合う情報が搭載されたとき、メールなど
で知らせてくれる機能。例として以下のようなアラートがある。
・登録した雑誌の新しい号が搭載されたことを知らせる。
・登録した検索条件に合致した論文が追加されたことを知らせる。
・指定した論文が他の論文に引用されたことを知らせる。
archive
電子ジャーナルサイトなどで、過去の巻・号リストを示す場合がある。
browse
情報の一覧表示から、必要な情報を探す方法。
citation
(table of)contents
export
引用、引用文
目次情報
「文献管理ツール(p.31 参照)」などに適応した形式で情報を出力
すること。検索結果を保存する際に表示されることが多い。
full text
全文、全文表示
help
データベースの概要や、検索方法が表示される。新しいデータベー
スを利用する際や検索がうまくいかない場合には、help を確認す
るとよい。「tips」などと表記されることもある。
HTML
論文のフルテキストなどを閲覧する際に提供される表示形式のひと
つ。文章中にリンク機能が付いていることもある。
in press
雑誌に受理されたが、まだ冊子体で発行されていない論文。
「Early view」「Online First」などと表記されることもある。
issue
第…号。「back issues」は、電子ジャーナルサイトなどで、過去
の巻・号リストを示す場合がある。
log out / log off
セッション終了時にクリックすることで、検索履歴などの個人情報
を保護することができる。また、同時アクセス数の制限があるデー
タベースの場合には、ログアウト後、次の利用者が利用できるよう
になる。「sign out」「sign off」などと表記されることもある。
PDF
論文のフルテキストなどを閲覧する際に提供される表示形式のひと
つ。紙媒体の雑誌と同じレイアウトで閲覧することができる。閲覧
用ソフト「Adobe Reader」のインストールが必要。
register
クリックすると、ユーザ登録画面が表示される。
save to file
パソコンや電子媒体に情報を保存すること。検索結果や電子ジャー
ナルを保存する際に表示されることが多い。
sort
検索結果を並べ替える機能。
summary
概要、要約
volume, vol.
第…巻
40
ネットでアカデミック
発行日 2011 年 3 月
編集・発行 東京大学情報基盤センター 図書館電子化部門
学術情報リテラシー係
〒 113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1 総合図書館3階
Tel 03-5841-2649 Email [email protected]
URL http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/
41
twitter
2011. 3
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