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JBIP2014 事業報告書 - 株式会社 Okatos Hero Real Estate

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JBIP2014 事業報告書 - 株式会社 Okatos Hero Real Estate
JBIP2014 事業報告書
第 3 回ジャパンビジネスインターンシッププログラム
2014 年 12月
発行: ジャパンビジネスインターンシッププログラム実行委員会
御挨拶と御礼
インドネシアのトップ大学人材と日本企業が出会うことによって、日本とインドネシアのビジネスをつなぐ橋
をかけたい―――――。
このような思いで 2012 年 4 月にはじまったインターンシップ・プログラムは本年で第 3 回を迎え、5 月 31
日より 6 月 27 日の日程でこれを無事に遂行することができました。これも受け入れ事業者様をはじめ多く
の皆様のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。ここに謹んで本年度の事業報告書を提出させてい
ただきます。
ホスト事業者の皆様には、生活支援金のご納付をお願いし、かつ、1 か月にわたって実地研修を実施
していただくという大変大きな負担をしていただいております。それにかかわらず、社会福祉法人天宗長吉
園、牛乳石鹸共進社株式会社、小林俊明法律事務所、木村眞敏法律事務所、山本税理士事務
所、株式会社ノーザンライツ、株式会社 Okatos Hero Real Estate には第 1 回から 3 期連続して受け入れて
いただいております。株式会社コアズ大阪事業本部も昨年より 2 期連続となります。また今期より新たに、
株式会社ジェイック、十条ケミカル株式会社、株式会社オリエンタルランド、南海国際旅行株式会社に
もご参加いただき、学生たちのチャンスは大きく広がりました。
在大阪インドネシア共和国領事館様には第 1 回プログラムより継続してご後援を賜っております。この場
をお借りして心より御礼申し上げます。前回プログラムの終了後にインドネシア本国へご栄転されたイブヌ・
ハディ前総領事様、そのあとを受けて引き続き厚いご支援をくださったバンバン・スギアント領事様、またこ
のお二人の元で手続きの労をお取りいただいたスラメット・ウィナルディ様には特にお世話になりました。ここ
に記して御礼申し上げます。
今期はプログラムに大きく二つの変更がありました。
第 1 に、東京での受け入れを開始し、3社にご参加いただきました。そのため、これまで「大阪ビジネスイ
ンターンシッププログラム」としていた名称を「ジャパンビジネスインターンシッププログラム」へと変更いたしま
した。大阪というローカルへのこだわりを大切にしながらも、インドネシアの学生たちと日本のビジネスをつな
ぐチャンスの拡大を選択することとしました。
第 2 に、これまでは日本語教育の最高峰であるインドネシア教育大学からのみ受け入れていたインター
ンについて、ジャカルタ国立大学、ムハマディア大学ジョグジャカルタ校の2校からもインターン募集を行い
ました。インドネシアにおける多様なトップ大学の優秀な学生たちにもチャンスを拡大することにより、日本と
インドネシアを結ぶチャンネルを拡大したいと願っております。
当プログラムではインドネシア学生と日本の家庭文化・地域文化との出会いをつくるためにホームステイ
を実施しております。受け入れにご協力いただきました近藤ファミリー(近藤崇弘様)、西井ファミリー(西
井義典様)、筒井ファミリー(筒井裕三様)、宮崎ファミリー(宮崎清伍様)、平堀ファミリー(平堀剛様)、
近藤ファミリー(近藤浩充様)、石田ファミリー(石田浩司様)、宮地ファミリー(宮地武彦様)、坂原ファミ
リー(坂原いづみ様)、横山ファミリー(横山政司様)、藤森ファミリー(藤森俊介様)、鈴木ファミリー(鈴
木晶子様)、瀧澤ファミリー(瀧澤雄一朗様)、星島ファミリー(星島三徳様)、小出ファミリー(小出了
2
吾様)、関本ファミリー(関本泰和様)にはたいへん手厚いおもてなしをいただきましたことにあらためて感
謝申し上げます。ホストファミリーの募集にご協力を賜りました大阪インザワールド実行委員会様、ならび
に事務局長の中橋政美様に心より御礼申し上げます。
また今期は「ボランティア元年」と位置づけ、多くの学生、社会人のボランティアにプログラムの運営に関
わっていただきました。特に週末のエクスカーションでは、奈良、京都などの観光地への同行、バーベキ
ューパーティーの開催など、インドネシア学生たちを楽しませてくれました。ご参加いただいた学生を以下敬
称略、順不同で掲載し、御礼に代えさせていただきます。Septian Eka Pratama(大阪大学)、藤原真梨亜
(同志社大学)、村上愛美(大阪大学)、中西純菜(甲南女子大学)、芳賀純平(慶応大学)、Okie
Dita Apriyanto(大阪大学)、合田幸平(京都産業大学)、谷岡功基(大阪大学)、藤崎拓海(大阪大
学)、岩本麻世子、星島遙太郎(大阪大学)、伊藤延繁(大阪大学)、根本悠(筑波大学)、井出千絵
(筑波大学)、山脇壮平(同志社大学)、大矢聡美(サウサンプトン大学)、影山ふみか(同志社大学)、
山盛錦(同志社大学)、廣瀬絵里(同志社女子大学)、三田井萌(同志社大学)、辻郷孔明(京都大
学)、仲谷冬香、日比野星蘭。
来期(2015年)も当プログラムは実施する予定です。そして来期も大きなバージョンアップを予定していま
す。第1に、来期の参加大学は9校となります。インドネシアのより多くのトップ大学に参加校を広げ、日本
のビジネス界とインドネシアとの間の多様なチャネルづくりに貢献したいと考えております。
第2に、当プログラムを NPO 法人化いたします。当プログラムは非営利活動として取り組んでまいりました
が、営利企業である株式会社 Okatos Hero Real Estate が非営利活動を推進するのには限界があり、公益
性を高めるためにこのプログラムは NPO 法人として独立させることが必要と感じました。また、昨年から株式
会社ノーザンライツも運営主体となり、今年はボランティアも参加するなど、組織としても幅広くなってまいり
ましたので、共同でプログラムを運営する器という性格を NPO 法人となることにより強化したいと考えており
ます。これにより、従来はサービスの対価という経理上の扱いしかできなかった受け入れ事業者様からの
支援金も「寄付金」として扱うこととなりますので、受け入れ事業者様にとっても非営利活動への寄付・協
力という位置づけをより明確にしていただけるものと考えております。
上記のようにたゆまず改善の努力を続けていく所存でございますので、皆様には引き続きご支援を賜りた
くお願い申し上げます。
2014 年(平成 26 年)12 月吉日
2014 年ジャパンビジネスインターンシップ実行委員会
副実行委員長 岡本啓吾
同
3
八畑政良
目次
2014 年プログラム受け入れ事業者ならびにインターン一覧
2012 年―2013 年プログラム受け入れ事業者一覧
1. 事業の目的と開催要項
A) 開催経緯
B) 3年目を迎えるまで
C) OBIP から名を改めて 新たな取り組み
2. 出発に至るまで 学生の社会経済的背景についての考察
A) インドネシア教育大学、ムハンマディア大学、ジャカルタ国立大学について
B) インドネシアの大学進学率
グラフ インドネシア共和国 19 歳-24 歳学校在籍率
3. 企業の支援金 費用負担についての考察
A)
B)
C)
D)
E)
企業支援金は稀
インターンシップ運営
それでも大きい学生自己負担
大学側の負担と努力
為替格差とインドネシアルピアの動向
グラフ 過去 5 年間のインドネシアルピアの対円レート変動
F) インフレ進行下でのインターンシップ経営
4. JBIP2014 いよいよ日本へ。運命の 1 ヶ月
A) 日本に対して抱くイメージ
表 日本語学習者の多い国・地域
B) 出発と到着
C) 1 ヶ月のスケジュール
5. 各事業者による研修内容
A) 事前研修
B) 受け入れ事業者における開始時の座学
C)オンザジョブトレーニング(OJT)
【プログラムの例】
6. ホスト事業者の声
7. ホームステイ
8. エクスカーション
9. フェアウェルパーティー
10. JBIP2015 に向けて 反省と展望
4
2014 ジャパンビジネスインターンシッププログラム
受け入れ事業者ならびにインターン一覧
(順不同・敬称略)
事業者名
氏名
Host Companies
Name of Interns
社会福祉法人天宗長吉園
Eliz Rosiana
Mia Kharina
Ruslan Abdul Gani Surawijaya
Aulia Raversa
Nussha Mahardhika
Faisal Syah
Tenti Juita Putri
Annisa Nurul Fitri
Tri Kurniyawaty
Regine Melansyah
Pamela Dianita Puteri
Indah Islami
Hani Isnaeni Hanafiah
Mita Assifa Resti
Nur Afifa Fajarina
Lanni Anggun Puspita
Elizabeth Nova Rahayu
Pramudio Laksono Saputro
Maulana Mughnil Labib
Indri Puji Permatasari
(支援金ご寄贈)
株式会社コアズ大阪事業本部
Corps
Co.,Ltd.
小林俊明法律事務所
牛乳石鹸共進社㈱
株式会社ジェイック
十条ケミカル株式会社
Jujo
Chemical Co., Ltd.
木村眞敏法律事務所
株式会社オリエンタルランド
南海国際旅行株式会社
Nankai International Travel Agency Co., Ltd.
株式会社 Okatos Hero Real Estate
株式会社ノーザンライツ
Northern Lights Inc.
山本隆久税理士事務所
5
2012 年~2013 年度各プログラムの受け入れ事業者一覧
(順不同、敬称略)
■
2012 年
第 1 回大阪ビジネスインターンシッププログラム
株式会社サラヤ
(2 名)
山本隆久税理士事務所
セーバー技研株式会社
浦谷商事株式会社
大和ハウス工業株式会社
吉川化成株式会社
木村眞敏法律事務所
牛乳石鹸共進社株式会社
(2 名)
小林俊明法律事務所
社会福祉法人天宗社会福祉事業会天宗長吉園 (2 名)
株式会社マシン三洋
福島工業株式会社
株式会社ノーザンライツ
社会福祉法人 和貴会
株式会社 Okatos Hero Real Estate
■
2013 年
(3 名)
第 2 回大阪ビジネスインターンシッププログラム
株式会社 コアズ大阪事業本部
(2 名)
株式会社 ノーザンライツ (4 名)
山本隆久税理士事務所
木村眞敏法律事務所
小林俊明法律事務所
社会福祉法人天宗社会福祉事業会天宗長吉園 (3 名)
新開興産株式会社
株式会社松井製作所
社会福祉法人和貴会
京阪高速出版印刷株式会社
株式会社 Okatos Hero Real Estate
(3 名)
株式会社竹中製作所 (支援金ご寄贈)
牛乳石鹸共進社株式会社 (支援金ご寄贈)
大和ハウス工業株式会社 (支援金ご寄贈)
株式会社オリエンタルランド (支援金ご寄贈)
6
1 事業の目的と開催要領
A) 開催の経緯
このプログラムは、インドネシア人材が日本企業においてビジネス体験を得る機
会を創出し、維持し、発展させる組織的な活動を行い、これによって日本とインド
ネシアのビジネス分野ならびに人材育成分野における交流を深めることを目的とし
て開催しております。
第 3 回ジャパンビジネスインターンシッププログラムは、2014 年 5 月 30 日より 6
月 28 日の 1 ヵ月にわたり、11 の事業者により受け入れられ、1 ヵ月にわたって研修
が実施されました。
これまではインドネシア教育大学だけであった派遣大学も、ジャカルタ国立大学、
ムハマディア大学ジョグジャカルタ校を加え、合計 20 名のインターンが 11 の日本の
事業者にてインターンシップを行いました。
このプログラムは受け入れ事業者により、インターン一人当たり 20 万円の生活支
援金が支払われて実施されています。20 名分約 400 万円の予算によって当プログラ
ムは運営されております。この場をお借りして受け入れ事業者の皆様に心より御礼申
し上げます。
また、在大阪インドネシア共和国総領事館様には、第 1 回より継続してご後援を
賜り、厚く御礼申し上げます。(写真中央、在大阪インドネシア総領事館バンバン・
スギアント領事、右から 2 番目、スラメット・ウィナルディ教育文化担当官)
7
8
B) これまでの歴史
当プログラムは 2012 年 4 月に第 1 回大阪ビジネスインターンシッププログラ
ムとして誕生しました。当初はインドネシア教育大学と株式会社 Okatos Hero
Real Estate の 2 者による合意のもとに事業を進めました。
2013 年 7 月の第 2 回プログラムでは、プログラム運営者に株式会社ノーザンライ
ツを加えて運営体制を強化いたしました。またこの回から東京での受け入れが開始
されましたが、これが原因でビザの発給審査に時間がかかることとなり、予定され
た期間を縮小し、また受け入れ事業者も半減することとなりました。
C) OBIP から JBIP へ・・
新たな取り組み
第 3 回からは名称もジャパンビジネスインターンシッププログラムとあらため、
東京での受け入れ事業者を本格的に増やし、派遣大学もこれまでインドネシア教育
大学1校であったところを、3校に増やすなど抜本的な改善を行いました。第2回
でのビザ発給の遅れという事態の反省から、ビザ申請業務はこれまで派遣大学に任
せていたやり方を株式会社 Okatos Hero Real Estate の現地法人である PT. Okatos
Hero Mandiri で請け負うこととし、万全の体制を敷きました。
D) インターンシップ・プログラムの社会的意義
学生たちにとって逃げ場のない日本語環境の中に1ヵ月身を置くことの効果はた
いへん大きく、当プログラムを巣立っていった学生たちは日本企業に就職し、日本
の大学や大学院に進学するケースがたいへん多くなっています。
一方、受け入れ事業者にとっては、これまでの国際交流事業にはなかった、人口
の多数がイスラム教徒である開発途上国からのインターンの受入は、従来では得ら
れなかった経験を蓄積する機会や、従来とは異なった視点での社会貢献活動につな
がるとして喜んでいただいております。
9
2 出発に至るまで 学生の社会経済的背景についての考察
A)
インドネシア教育大学、ムハマディア大学
ジョグジャカルタ校、ジャカルタ国立大学につ
いて
■2 億 4000 万人を牽引する大学
1954 年 10 月 24 日、インドネシア教育大学(UPI)
は産声をあげました。第 2 次世界大戦を経てよう
やく独立を果たしたインドネシアでは、1950 年代
に大学創設がはじまりました。UPI は唯一の国立
の教育大学として、18,000 もの島々から成る広大
バンドンのフセインサストラヌガラ
国際空港を出発する学生たち
な国土と膨大な人口と多様な文化を牽引する役割
を担って誕生しました。現在インドネシアの人口は 2
億 5000 万人で、2050 年には 3 億人を超えていると
推計されています。
■学問の街バンドン
UPI のある都市バンドンは、300 年にわ
たるオランダ統治時代の首都として発展
しました。当時からインドネシアの学問
の中心地であり、1955 年にアジア・アフ
リカ会議(バンドン会議)が開催された
都市として日本をはじめ世界各国の歴史
教科書に登場します。この街には 12 の
総合大学があり、首都ジャカルタに肩を
並べます。さしずめインドネシアのボス
トンといったところでしょうか。
■エクセレンス
2004 年に行政法人に改組され
オランダ統治時代に建設された美しい建物が現在も UPI の本部として使
われています。大学の所在地は以下の通り:
Jl. Dr. Setiabudhi No. 229 Bandung 40154 Jawa Barat, Indonesia
UPI は国が経営する唯一の教育大学としての地位に加え、様々な産業領域のリーダーを養
成する機能も期待され、インドネシアでもっとも優秀な学生を集める大学のひとつとなっ
ています。日本でいえば、教育系高等教育の草分けとなった東京師範、東京文理の流れを
くみ、幅広く産業社会にリーダーを送ってきた筑波大学によく似たポジションにあります。
10
■日本との交流
UPI の言語文化学部には 5 つの外国語学科があります。英語、
ドイツ語、フランス語学科は欧米との関係で、アラビア語学科は
イスラム教国としての必要性から設置されています。それと並ん
でインドネシアで最も優れていると言われる日本語教育学科が
JICA の事業で建設され
た数学・理学部棟の中庭。
設置されています。日本に一度も来たことがないという学生たち
が流暢な日本語を操る姿には心をうたれます。それ以外にも日本
との関係は深く、数学・理学部の校舎は JICA の事業で建設されたたいへん美しい建築物で
す。
■古都ジョグジャカルタの名門校
ジョグジャカルタは日本でもボロブドゥール遺跡(世界遺産)で知られるジャワ島の古都で
あり、有名大学が集積しています。その中で国立ガジャマダ大学と人気実力を二分するの
が私立のムハマディア大学ジョグジャカルタ校(UMY)です。7 学部を
擁したこの総合大学に 2 年前に加
わったのが言語学部であり、日本
語学科はその中心を担っていま
す。
■6,187 の学校教育機関の頂点に立つ私立大学
UMY を運営するムハマディアという団体は、1912
年に創立されたイスラム教の慈善団体であり、インドネシアでは最大のイスラム教団体の
一つです。創立当初から教育機会に恵まれない庶民や女性の教育に力を注ぎ、現在では 3370
の幼稚園、2903 の小学校、1716 の中学校、934 の高校、そして 167 の大学をもつ巨大な
教育団体となっています。UMY はこれらムハマディア 6,187 の学校教育機関の頂点にたっ
て、インドネシア人の教育水準向上をけん引する使命を担っています。今回 UMY の新しい
日本語学科から 3 名のインターンを受け入れる予定です。
■巨大都市ジャカルタを支える教員養成学校
かつて IKIP と呼ばれ全国に配置された教員養
成大学は、教員養成の使命を
継承しつつ現在はそれぞれ独
立した総合大学として運営さ
れています。そのひとつであるジャカルタ国立大学(UNJ)は人口 950
万人、都市圏人口 2224 万人の巨大都市の学校制度を支えるべく、日々優
秀な教員を養成しています。
11
■ジャカルタのど真ん中にあるキャンパス
首都ジャカルタのど真ん中にあるそのキャンパスには 7 学部があり、その言語芸術学部に
日本語学科は 10 年前に設置されました。
インドネシアの大学教育はバンドンやジョグジャカルタの方が有名で、首都ジャカルタは
その点ではあまり目立つ存在ではありませんでした。しかし近年はここ UNJ とインドネシ
ア大学(UI)が頭角を現してきています。両大学とも大学のレベルアップにあたって日本
語学科を設置してきたのは、教育・研究の質の向上にあたって日本との関係性が重要だと
いう認識によるものでしょう。UNJ の卒業生たちは拡大する日本語学習の需要を満たすべ
く主に高校教員として働いています。当プログラムでは UNJ の日本語学科からも 3 名の優
秀な学生をインターンとして受け入れる予定です。
B) インドネシアの大学進学率
図に見るように、インドネシア共和国における大学進学率は日本のそれと比べるとかなり
低い水準です(Badan Pusat Statistik Republik Indonesia, 2014)
。
19 歳から 24 歳年齢層の学校在籍率を見ると、2013 年では 20.04%となっており、若者の
5 人に一人しか大学へは進学できていない実態が浮かび上がってきます。とはいえこの数字
はこの 5 年間に急激に拡大しており、インドネシアが国をあげて高等教育の普及に努めて
いることがわかります。
私たちのプログラムで日本にやってくる学生たちは、5 人に一人しか大学に入れない社会
における、しかもトップ校の学生たちですから、社会経済的にみるとかなり高い層の人た
ちだと言えます。
しかしそれでもまだ、中流層の中核をなす職種である教員や公務員の月給が 5 万円に満
たない状況ですので、一人 20 万円の企業支援金はインターンたちにとって得難いたいへん
大きな金額であることはまちがいあ
%
25
インドネシア共和国
19歳から24歳の学校在籍率
りません。
また、生活水準の格差は 5 倍から
20.04
20
10 倍程度ありますので、日本での
100 円は、インドネシアでは 500 円
15
から 1000 円ほどの価値と感じます。
10
そうした生活実感の差はインターン
5
たちにとっては日本で暮らす上で数
ある壁の一つとなっています。
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
12
3企業の支援金 費用負担についての考察
A) 企業支援金は稀
JBIP を運営する経費は、学生の渡航費、生活費などを含めて現金は受け入れ企業が負担
する支援金と学生自身の負担によって成り立っています。企業負担金の会計はすでに各受
け入れ企業様にご報告させていただいている通りで、残金についてはすべての企業様に今
後の資金に繰り越すことをご承認いただき、心より感謝申し上げます。
古今東西、インターンシップは様々な形態で行われてきましたが、日本において企業が
これだけの金額を拠出して海外から学生を受け入れるインターンシップは他に例がありま
せん。その点でこのインターンシップは画期的な事業であるということができます。この
たびお受入れいただいた事業者の皆様にはあらためて心より感謝申し上げます。
その貢献がいかに大きいものであったかはインターンたちが一番よく理解しています。
自分の親の世代ではとうていかなわなかった機会をいただき心から感謝しています。これ
らの学生は受け入れていただいた事業者のもっとも熱心なサポーターになってくれていま
す。
B)
インターンシップ運営の隘路
受け入れ企業が直接に資金を出して海外からインターンシップを受け入れる事業がほと
んど例をみないのには理由があります。それは、このたび受け入れた企業が来年も受け入
れてくれるとは限らず、ホスト事業者の確保が安定的して見通すことができないからです。
そのため、一度財団や基金にお金をストックし、それを徐々に吐き出すかたちのインター
ンシップが多くなります。
他方、財団・基金型のインターンシップの場合、受け入れ企業のプレゼンスがたいへん
低くなります。インターンたちにとって受け入れ企業は財団や基金が割り振った先にしか
すぎないからです。JBIP の場合、受け入れ事業者は受け入れ人数に応じて支援金を負担し
ていますから、学生にとっては受け入れてくれた企業へのロイヤリティが非常に高くなり
ます。企業にとってもインターンを通じた人脈や信頼の拡大は少なからぬ資源になります。
JBIP はお金を払ってくれる受け入れ事業者を探すというたいへん高いハードルを背負っ
て推進するインターンシップです。しかしそれだけに受け入れ企業とインターンとの絆は
深いものとなり、ひいては日本とインドネシアの絆も深いものになると確信しています。
13
C)
それでも大きい学生自己負担
ところで、実際に学生が日本で滞在するにあたって行った支出は実は企業による支援金
の額を超えております。企業からの支援金はその使途を厳格に管理するため、学生が使う
携帯電話の料金については 3000 円まで、交通費を含めた生活費は、宿泊費、渡航費、旅行
保険費用を含めて合計 15 万円と定額で支給しています。渡航費、宿泊費、保険だけで約 12
万円かかっておりますから、実質の交通費、昼食、夕食、その他生活費に充てられた金額
は約 3 万円です。これらの範囲を超えた分については自己負担となっています。支援金の
残りは運営上どうしても必要な経費や緊急対応費、余裕があればインターンたちのレクリ
エーションに使っています。これらも個人支給されることはありません。
学生によってどのくらいの自己負担が発生したかはまちまちでした。生活費を節約する
ためにお弁当を毎日つくった学生もいれば、電話をよく利用したために、携帯利用料を余
分に支払った学生もおります。特殊なケースを除いて交通費は一人平均 1.5 万円、食費 2
万円、その他雑費が 1 万円ほどかかっています。また、お土産や観光地等での出費がこれ
に加わります。実質的に一人 3 万円くらいは自己負担していたと思われます。
D)
大学側の負担と努力
大学側も事前研修プログラムへの教員の手配、同行教員の派遣などインターンシップを
バックアップするために多くの負担をしています。
JBIP の運営経費は、企業、学生、大学の出費をすべて合算して最低でも 500 万円と見積
もることができます。JBIP は 500 万円規模の事業だということができます。
日本とインドネシアの物価格差は 2012 年 4 月の時点で約 5 から 10 倍くらいあります
ので、たとえば 100 万円という金額はインドネシア側の負担は日本での 500 万~1000 万円
に匹敵するものということができます。JBIP は多くの人が負担しあうことによって成立す
る共同事業を追求しており、今後もその考え方は変わりません。
E)
為替格差とインドネシアルピアの動向
このような負担感は今後の日本とインドネシア双方の経済動向によって大きく変動する
可能性が高いと考えられます。
まず念頭におかねばならないのは為替リスクです。現在はやや円安へと振れてきている
ので円建て費用は前回、前々回と比べてやや不利な状況にありました。ところで、通信費・
生活費の足が出た分や、お土産や遊興費など支援の対象ではない自己負担分は円高局面で
14
はたいへん大きな圧迫になります。
これが逆にルピア高の局面になるとどうでしょうか。日本の物価が現行水準と変わらな
いとすれば、費用の大部分は日本で使うことになりますのでむしろインターンにとっては
やりやすくなるといえます。保険などの出国費用が割高になりますが、それも全体に占め
る割合は小さいのでさほど気にならないでしょう。ただ、円安で航空運賃が高くなるとた
ちまち困ったことになります。大きな為替リスクは航空運賃の値上がりだと考えられます。
逆にアジア通貨危機の時のように急激なルピア安が進行した場合、大学にとっても学生
にとっても外国への渡航はとうてい無理な事態になります。この場合、インターンシップ
を継続することは残念ながらできません。通貨体制の安定は国際インターンシップを継続
する上で重要な環境だといえます。
ルピアの対円レート
2009 年 11 月~2014 年 9 月
F)
インフレ進行下でのインターンシップ経営
他方、インドネシアでインフレが進行するとどうなるでしょうか。出国費用が高騰する
ことにより、全体の経費が圧迫される可能性はあります。また、同行教員の待遇面でも大
学の負担は増大するものと思われます。日本での滞在費用負担に加えて、その教員の手当
などの負担が増大すると考えられます。インフレの進行は大学側の経費負担を大きくする
という点でリスクとなります。急激で破壊的なインフレの進行は先に述べたルピア暴落の
シナリオとなるので、インターンシップの継続が無理であることは言うまでもありません。
検討すべきなのは経済成長にともない必然的な物価の上昇、賃金の上昇です。この場合、
一方では出国する経費の値上がりなどによる負担増がありますが、成長によるインフレの
場合、大学の財政規模の拡大や学生とその家庭の可処分所得の増加もまた見込めます。こ
15
のような場合、インターンシップ事業経費に占める大学や学生による負担を拡大して対応
するのがよいと思われます。
日本とインドネシアでは成長率に 5 ポイントほどの格差があります。これを考慮した場
合、インドネシア側に来年度は 5%増しの負担をお願いし、インフレ分を吸収していただく
のが妥当でしょう。とはいえ、為替変動の問題もありますので、物価と為替の両面をにら
みながら最適な負担分担を探ることとなります。
(写真は、インターンたちの宿舎にての自炊生活の様子。日本人ボランティアも交えて自炊
講習会です。ご指導はボランティアの藤原真梨亜さんのお母様です。スラバヤのご出身で、
日本の食材を使ってインドネシア風の料理をつくるコツを伝授していただきました。)
16
4
JBIP2014
いよいよ日本へ。運命の 1 ヶ月
A) 日本に対して抱くイメージ
インドネシア人が日本に対して抱くイメージは、
おそらく世界でも最も好意的なものだと思われます。
写真はインターンたちが日本で観光しているときの
様子ですが、このようなコスプレはインドネシアの
若者の間でブームとなっています。
2005 年以来日本で毎年開催されている世界コス
プレチャンピオンシップは、世界で総動員数 120 万
人を誇る世界で一番大きなコスプレイベントです。イ
ンドネシアのチームはこの大会で 2012 年と 2014 年に
3 位に入賞し、近年そのプレゼンスはますます大きく
なっています。
アニメ、マンガのほかに日本のサブカルチャーでは
J-POP もインドネシアでは人気が高く、AKB48 のイ
ンドネシア版である JKT48(JKT はジャカルタの略称)
は、ジャカルタ中心部の FX モールという大型商業施
設に JKT 劇場を構え、連日多くの若者を集めて公演が行われています。
当プログラムの運営事業者である Okatos Hero Real Estate が大阪府からの受託事業と
して 2013 年、2014 年にインドネシアで開催した留学フェアには、毎年 4000 人の学生がつ
めかけて大盛況です。
サブカルチャーから
日本語へ、日本語から
留学へとインドネシ
アの若者の関心はま
すます深まっていま
す。写真は日本語スピ
ーチコンテストの様
子です。
またこの留学フェ
アでは、JBIP のプロ
グラムに参加した歴
代のインターンたちがボランティアとして通訳や会場運営を手伝ってくれています。
日本や日本語への関心は、様々な機関による調査にも現れています。
17
下の表は、日本の国際交流基金(ジャパンファンデーション)が 3 年に一度世界各国で
実施している『日本語学習者調査』の 2012 年度の結果です。2009 年には 3 位だったイン
ドネシアは韓国を抜いて 1 位になりました。
オーストラリアの研究機関であるローウィ-研究所は、隣国インドネシアの世論調査を
いくつもてがけていますが、2012 年に行った調査によれば、インドネシアが「もっともフ
レンドリー」と感じる外国は、断トツで日本であったそうです。若者だけではなく、国民
全体として日本に対してたいへん関心と親しみの情が高いということができるでしょう。
当プログラムはこのような日本とインドネシアの関係が、ビジネス面でも促進されるこ
とを願い、そのための人的な関係とビジネスの現場におけるインドネシア人とのコミュニ
ケーションスキルをストックすることを大きな目標としています。
国際交流基金、2012 年調査
B) 出発と到着
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C) 1 ヶ月のスケジュール
インターンたちの来日 1 ヵ月のスケジュールは下記の表のとおりです。
2014年ジャパンビジネスインターンシッププログラム このスケ ジュールは2014年1月1日現在のも のであ り、変更されることがあ りま す。
午前
5月30日
金 UMY,UNI参加者の移動
5月31日
土 バンドン10時00分
行動予定
午後
夜
壮行会(バンドン)
関空22時55分
備考
6月1日
日
事前研修ならびに生活指導
はじめての大阪散策、
東京組は東京へ移動
6月2日
月
オリエンテーション(大阪会場、東京会
場、未定)、初出勤
実地研修
6月3日
火 実地研修
実地研修
6月4日
水 実地研修
実地研修
6月5日
木 実地研修
実地研修
6月6日
金 実地研修
実地研修
6月7日
土 ホームステイ
ホームステイ
6月8日
日 ホームステイ
ホームステイ
6月9日
月 実地研修
実地研修
6月10日
火 実地研修
実地研修
6月11日
水 実地研修
実地研修
6月12日
木 実地研修
実地研修
6月13日
金 実地研修
実地研修
6月14日
土 エクスカーション
エクスカーション
6月15日
日 エクスカーション
エクスカーション
6月16日
月 実地研修
実地研修
6月17日
火 実地研修
実地研修
6月18日
水 実地研修
実地研修
6月19日
木 実地研修
実地研修
6月20日
金 実地研修
実地研修
6月21日
土 エクスカーション
エクスカーション
6月22日
日 エクスカーション
エクスカーション
6月23日
月 実地研修
実地研修
6月24日
火 実地研修
実地研修
6月25日
水 実地研修
実地研修
東京組大阪へ移動
6月26日
木
リキャッププログラム
フェアウェルパーティー
パーティーは午後6
会場未定 参加費5000円 時開始
6月27日
金 関空 11:00 出発
6月28日
土 UMY,UNJ参加者の移動
リキャッププログラム
ホスト事業者担当者
の参加 9時
ホームステイへ
ホストファミリー宅の
最寄り駅へ
宿舎に午後3時帰着
バンドン着20:20
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5 各事業者による研修内容
職種が大きく異なる受け入れ事業者様での職業体験プログラムはそれぞれに個性的です。
職業体験の目的は、
「日本のビジネスマインド、ビジネス文化を理解する」ことですから、
いわばそれぞれの事業者様の特定の職務スキルを通じて、日本に独特のビジネスマインド
やビジネス文化をインターンたちがメタ認知することが理想と言えます。したがって、当
プログラムでは創立当初より受け入れ事業者様に特定のパターンを押し付けるということ
にならないよう配慮してまいりました。
しかしその一方で、当プログラムの目的の達成のために事業者としてやるべき基本を提
示してほしいというご要望は強くありました。ここでは、各事業者様の創意工夫をあとづ
けることで、来年以降の各事業者様の受入体制づくりに材料を提供したいと思います。
A)事前研修
インターンたちは全員、インドネシアにおいて日本語の特別研修を約 20 時間、各大学に
よって課されると同時に、実行委員会の主催により、日本のビジネスマナーについての講
座を 4 時間受講しています。
実行員会主催の事前プログラムは株式会社 Okatos Hero Real Estate の鍋島が独自に開
発した教材をもとに進めます。事前プログラムで理解すべき焦点は以下の 4 点です。
①ビジネスの様々な場面で使われる日本語は特殊な日本語です。
②ビジネスで日本語を使うためにはビジネスの知識が必要です。
③ビジネス日本語の上達には、ビジネスで成功するための態度が必要です。
④ビジネス日本語は、日常生活の日本語とは異なる方法で学ぶ必要があります。
また、プログラムの 4 つのゴールとして下記を設定しています。
1 「ビジネス日本語」の基本をマスターすること。
2 ホスト事業者に関する基本的な情報を獲得すること。
3 実地研修で必要な基本的な知識と習慣を身につけること。
4 インドネシアと大阪のビジネスを結ぶスキルと態度を身につけること。
プログラムは、営業訪問、電話応対、自己紹介など、日本で必ず直面するであろうビジ
ネス場面のシナリオを中心に練習を重ねる構成となっています。インターンたちは前の日
のうちにシナリオを覚えてくることを宿題とし、教室では身振り手振りで自己表現ができ
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るようアクティビティを繰り返します。
事前研修の合言葉は〝Yes, I try!"です。インターンたちは日本ではわからないことに
多々直面することになるのですが、臆して学習機会を逃すことがないよう、どんどん前に
出る姿勢を大切にしてほしいという気持ちを、このプログラムにこめています。このよう
な事前研修を経て、受け入れ事業者にバトンタッチします。
B)受け入れ事業者における開始時の座学
受け入れ事業者様によっては新人研修、中途採用研修などの緻密なプログラム体系を有
しておられるところがあり、そうしたところでは最初の 5 時間から 10 時間くらいを「オリ
エンテーション」
「導入研修」などの名称で座学を実施されています。
こうしたプログラムを普段はされていない事業者さまでも、JBIP のためにわざわざ 5 時
間程度の座学プログラムを開発していただいているところがあります。
これらのプログラムに共通する内容は、以下の通りです。
①企業の理念やビジョンを伝える。
②企業の事業の全体像を伝える。
③企業内の様々な業務について紹介し、実際に従事することとなる業務について解説す
る。
④安全、衛生面での遵守事項、注意事項を伝える。
⑤企業内でのマナーやルール、基本的なビジネスマナーを伝える。
上記の学習の推進にあたってはビデオなどを活用されるところもあります。
ただ、小規模な事業者の場合や、業務内容が実践的である事業者の場合は、受け入れ時
の座学に時間をかけているより、業務体験を経ながらの方が理解されやすいという面があ
りますので、座学に最低どのくらい必要かということも一概にお答えするのはむつかしい
と思います。まずは上記①~⑤の内容を網羅するに必要十分な時間を最初にとっていただ
ければ幸いです。
C)オンザジョブトレーニング(OJT)
研修期間中の大部分時間は、実際に業務に従事させながら指導を行う、いわゆるオンザ
ジョブトレーニング(OJT)となります。
OJT に対する考えた方として主に二通りあります。一つは、期間中ずっと同じ職務につ
かせて、1 か月間にわたるスキルの成長を実感させることを目標とするもの。もう一つは、
企業内の様々な職務を巡回して体験し、幅広い経験を得ることを目標とするものです。
特定の職務に特化している事業者様の場合は前者で実習を行うこととなりますが、様々
な部門を有する事業者様では後者を選択されることが多いと言えます。後者を選択される
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場合、巻き込む職員の数も多くなりますので、事業者様のご負担は大きいと思われます。
巻き込む職員が多くなるだけでなく、複数の職務を経験させる場合にそれぞれの職務ごと
に事前の学習が必要になることがありますので、その面でも手間のかかる選択と思われま
す。メーカー様では、複数の工場での就労体験をさせていただているところもあり、その
都度工場長様をはじめ現場の担当者の方から様々な事前、事後の指導をいただいているよ
うです。
このような場合のモデルプランを下記に示しておきます。
【プログラムの例】
第1週
オリエンテーション
第 1 日 午前
(JBIP オリエンテーション)
午後
本社にて諸注意ならび
に案内
第2日
午前 ビジネスマナー研修
午後
営業部にて営業同行
第3日
午前 ビジネスマナー研修
午後
営業部にて営業同行
第4日
午前 商品知識研修
午後
営業部にて営業同行
第5日
午前 インドネシア・ワークショップ(本社20代社員の参加)
(昼食、歓迎会)
午後
ビジネスマナー、商品知識の復習と感想
文執筆
第2週
第3週
第4週
製造工程研修1
第 1 日 午前 製造工程研修(本社)
午後
A 工場の案内、視察
第 2 日 午前 A 工場実地体験
午後
A 工場実地体験
第3日
午前 A 工場実地体験
午後
A 工場実地体験
第 4 日 午前 A 工場実地体験
午後
A 工場実地体験
第 5 日 午前 体験の振り返りと感想文執筆
午後
A 工場近隣観光地案内
第 1 日 午前 製造工程研修(本社)
午後
B 工場の案内、視察
第 2 日 午前 B 工場実地体験
午後
B 工場実地体験
第3日
午前 B 工場実地体験
午後
B 工場実地体験
第 4 日 午前 B 工場実地体験
午後
B 工場実地体験
第 5 日 午前 体験の振り返りと感想文執筆
午後
B 工場近隣観光地案内
午後
インドネシア市場につ
製造工程研修2
事業企画
第1日
午前
マーケティング研修(本社)
いて討論
第2日 午前・午後
インドネシアでの模擬販売計画づくり
第3日 午前・午後
インドネシアでの模擬販売計画づくり
第4日 午前 発表会(本社20代社員の参加)午後
執筆(第4日終業後、送別会実施)
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全体振り返りと感想文
D) 写真紹介
それぞれの受け入れ事業者様でのインターンたちの様子を写真でまとめてみました。(事
業者様により写真の多寡がありますが、ご理解ください。)
株式会社コアズ
Ruslan
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小林俊明法律事務所 Aulia
24
木村眞敏法律事務所 Pamela
25
南海国際旅行株式会社 Lanni
26
株式会社ジェイック
Putri & Annisa & Waty
27
社会福祉法人天宗長吉園
28
Eliz & Mia
牛乳石鹸共進社株式会社 Faisal & Nussah
29
株式会社 Okatos Hero Real Estate
Nova & Rabib & Dio
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十条ケミカル Regine
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株式会社ノーザンライツ Indah
【各種写真キャプシ
ョン一覧】
①学習塾でお子様達
にインドネシアの遊
びをレクチャー。み
んな大喜びでした!
②介護施設訪問。日
本のお年寄りとお話しさせていただきました。
③クライアント先のイベントに参加。和食店の店員になりきってお仕事体験しました!
④ピザーラでも職業体験! 弊社社員と一緒にピザを焼きました。良い笑顔です!
⑤休日は弊社社員とお台場でバーベキュー!! 外でみんなと食べるご飯はおいしいですね。
⑥集大成は、日本語でのプレゼン。テーマはインドネシアでの新規事業について。がんば
っています!
⑦インドネシアの大学から弊社社長へ贈呈品をいただきました!
⑧一ヶ月のビジネスインターンを終え、修了証を受け取りました。
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株式会社オリエンタルランド
Indah & Hani & Mita & Afifa
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6 ホスト事業者の声
1.オリエンタルランド
今回の受入れを通じて、非常に多くの貴重な体験をさせていただきました。留学
生と関わった社員からは、異文化に関する理解の深まりや関心の高まりを実感した
等の声が挙げられました。また、これまで外国籍の方を社内に受け入れる機会が少
なかったことから、外国籍の方を受け入れる際の課題等も把握することができたと
感じています。
この度は貴重な機会を頂戴し、ありがとうございました。
2.十条ケミカル(弊社の社内報掲載記事より)
6 月 2 日から 6 月 25 日まで、インドネシアからラデン・レジーン・メランシャーさんを、
研修生をとして迎えました。インドネシアでの事業展開を検討していた時にインターンシ
ップ・プログラムを知り、応募した結果十条に紹介されたのが、大学の日本語教育学部で
学ぶレジーンさんでした。
研修目的は、輸出の基本的な仕事を覚えていただくことでした。スクリーン印刷やイン
キの説明を受けたあと、羽生工場・大宮調色センターで、実際に十条の製品がどんなもの
かを見学し、輸出作業の実習へとすすみました。最初は初めての用語や規則が難しそうで
した。それでも、研修の最後には、注文書をみてインボイスを作れるようになりましたの
で、研修目的はクリアーです。運送業者さんへ電話をかけたり、メールを書いたりする実
践的な研修内容が、緊張しながらも、楽しかったようです。国内営業事務も体験し、連絡
の仕方や挨拶、接客方法など、日本の会社のマナーも楽しみながら沢山学んでいました。
最後の週末は、宮地さんのお宅でホームステイ。「超楽しかった!」そうです。
レジーンさんの感想の一つが、日本の会社の挨拶の多さでした。朝の挨拶、外出・帰社
時の挨拶、退社時の挨拶のみならず、対外的には「いつもお世話になっています」や「宜
しくお願いします」などなど。また、日本に来て最初に驚いたのは駅で、人の多さと歩く
速さだったそうです。私たちが当たり前にしていることも、こうして聞いてみると、外国
の人の受け止め方の違いが分かりますね。
イスラム教徒のレジーンさんは、豚由来の食品は食べられません。レジーンさんに何か
食べてもらう前には、めったに見ることのない、あの小さな字で包装の裏に書かれた成分
をチェックするのが、きまりになりました。日本のラーメンを食べたいというレジーンさ
んのため、岸本主任が手作りした豚成分ゼロのラーメンは、大好評でした。また、昼のお
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祈りも、私たちにはなじみのない、レジーンさんの欠かせない習慣でした。
この経験がいつか、レジーンさんの役にたってほしいと願うと同時に、外国人を始めて
迎えた私たちにとっても、文化や習慣の違いに触れる良い機会だったと思います。
3.ジェイック
今回、初めて、インドネシア留学生をインターンシップ生として 1 カ月受け入れました。
海外学生を受け入れること自体初めてで、どんな仕事を任せようか、日本語レベル、
PC のレベルはどの程度なのか、宗教上、気を付けてあげた方がいいことはどんなことか、
はじめは分からないことだらけでした。
しかし、受け入れた 3 名が明るく、とても前向きに、どんなことにも楽しそうに取り組ん
でくれたので、指導をする社員をはじめ、関わる社員から可愛がられていました。
業務としては、書類の整理や入力作業、資料の発送業務等を依頼しました。
(日本語レベル、PC レベルについては、一から教えることはありませんでしたが、
漢字を読み取り入力することについては苦戦していました。)
その他にも、彼女たちが「日本のビジネスマナーを学びたい」ということだったので
弊社がお客様向けに開催しているセミナーの中で、ビジネスマナーを学べるセミナーに参
加をしてもらいました。
社員と交流を持つ場として、お昼を一緒に食べたり、全社朝礼の場でスピーチをしてもら
ったりと
社内の異文化交流や、多様性を受け入れる風土をつくるきっかけとなりました。
最終的には会社の雰囲気にも溶け込み、社内の雰囲気を明るく盛り上げてくれました。
最終日は、学生も社員も涙する場面もあるほど、たった 1 カ月ですが、お互いに色々な思
い出をつくることができました。
来年も引き続き是非受けいれたいと思っています。
(株式会社ジェイック人事部 轡様)
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7 ホームステイ
2014 プログラムにおけるホームステイは 6 月 6 日金曜日の夜から 6 月 8 日日曜日のお昼
まで 2 泊 3 日で実施されました。受け入れていただいた近藤ファミリー(近藤崇弘様)、西
井ファミリー(西井義典様)
、筒井ファミリー(筒井裕三様)、宮崎ファミリー(宮崎清伍
様)
、平堀ファミリー(平堀剛様)
、近藤ファミリー(近藤浩充様)、石田ファミリー(石田
浩司様)、宮地ファミリー(宮地武彦様)、坂原ファミリー(坂原いづみ様)、横山ファミリ
ー(横山政司様)
、藤森ファミリー(藤森俊介様)、鈴木ファミリー(鈴木晶子様)、瀧澤フ
ァミリー(瀧澤雄一朗様)
、星島ファミリー(星島三徳様)、小出ファミリー(小出了吾様)、
関本ファミリー(関本泰和様)にはあらためて心よりお礼申し上げます。
ホームステイの方法は、6 日金曜日に原則としてインターンが自力でホストファミリー宅
の最寄り駅へ出向き、8 日日曜日のお昼に同じ駅まで送っていただくというかたちで実施し
ました。
3 日間の間に日本の家庭料理をいただき、はじめての和室での宿泊などを経験したものが
多かったようです。また観光地に日本の家族とでかけ、中には農業体験をさせていただい
た者もおりました。一般の観光旅行ではなかなか
体験できない日本の家庭を満喫する 3 日間とな
りました。
最後には日本のお父さん、お母さん、家族とお
別れしなければなりませんでしたが、今もメール
やフェイスブックなどでつながっています。
2015 年もホストファミリーを募集しております。
インドネシアのすてきな若者と出会ってみたい
かたはぜひともご応募ください。
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8 エクスカーション
当プログラムでは、週末は就労体験で
はなく、先に紹介したホームステイのほ
か、観光などのエクスカーションへとイ
ンターンたちを案内しています。
案内はすべてボランティアによるもの
で 、 運 営 事 業者 で あ る㈱ Okatos Hero
Real Estate ならびに(株)ノーザンライ
ツの社員をはじめ、様々なボランティア
のかたに関わってもらっています。
今年のエクスカーションの行き先は京都
と奈良でした。同行してくれた学生ボラン
ティアの名を記して感謝いたします。
Septian Eka Pratama(大阪大学)、藤原真
梨亜(同志社大学)
、村上愛美(大阪大学)
、
中西純菜(甲南女子大学)
、芳賀純平(慶応
大学)、Okie Dita Apriyanto(大阪大学)、
合田幸平(京都産業大学)
、谷岡功基(大阪
大学)
、藤崎拓海(大阪大学)
、岩本麻世子、
星島遙太郎(大阪大学)
、伊藤延繁(大阪大学)、根本悠(筑波大学)、井出千絵(筑波大学)、
山脇壮平(同志社大学)、大矢聡美(サウサンプトン大学)、影山ふみか(同志社大学)、
山盛錦(同志社大学)
、廣瀬絵里(同志社女子大学)
、三田井萌(同志社大学)、辻郷孔凡(京
都大学)
、仲谷冬香、日比野星蘭。
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9 フェアウェルパーティー
研修期間を通じて学習した内容は、当プログラムの最後の夜に実施されるフェアウェル
パーティーにてインターンたちが発表いたします。
このパーティーには、受け入れ事業者様やホームステイのホストファミリーなど多くの
方々にご参加いただいております。中には、大阪で開催されるこのパーティーにはるばる
東京からお越しいただく事業者様もあり、インターンたちにとってはたいへん貴重な振り
返りの時間となります。
最後に修了証書が手渡され、いつ終わるともわからない記念撮影会で別れを惜しんだ後、
インターンたちはいよいよ帰路につくこととなります。
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10 JBIP2015 に向けて 反省と展望
JBIP2014 は事故もなく無事にすべてのプログラムを終え、インターンたちは帰路につく
ことができました。しかしいくつか反省すべき点も残りました。
第 1 に、受け入れ事業者にとって実習計画を作成するのがむつかしいという声をいただ
いております。当プログラムは型にはまったプログラムを受け入れ事業者には押し付けた
くないという考えからできるだけ受け入れ事業者様に自由にしていただくことを優先して
まいりましたが、それがかえってやりにくいという声をいただいています。
2015 年に向けてはモデルプランを提示して、基本的に実施したいただきたい内容を示す
ようにしたいと考えております。
第 2 に、2 週目以降に疲れをうったえるインターンが多く、その原因が週末もエクスカー
ションなどの行事を詰め込んでいるので、ゆっくり疲れをとる時間が手に入りにくいとい
うことでした。これも 2015 年プログラムから改善したいと考えております。
第 3 に、特に東京では宿泊施設の質が悪かったという指摘を受けました。限られた支援
費の範囲で運営しているなかで、東京の物価の高騰はプログラム運営を直撃する問題でし
た。これについては支援費の値上げを検討せざるを得ないタイミングと思われます。
値上げに踏み切る上で、このプログラムの運営の透明性を一層高めていく必要性がある
と考えています。すでに会計の公開など透明性を確保する手段を講じてきているところで
すが、それを徹底するために、現在、このプログラムの NPO 法人化を推進しているところ
です。
NPO 法人化のメリットは、これまでプログラムを運営してきた民間企業(営利団体)と
一線を画し、非営利団体として独立できることです。
これにともなって受け入れ事業者様からいただいている生活支援費は「寄付金」として
会計処理することができます。制度上の上限はありますが、受け入れ事業者様においては
支払った寄付金の税制上の優遇措置がありますので、詳しくはご担当の税理士にご相談く
ださい。
NPO 法人化の第 2 のメリットは、このプログラムにこれまでかかわっていただいたボラ
ンティアをはじめとする善意のコミュニティに対して、法人格を与え、組織的な活動を展
開し、寄付を募り、契約の主体としてもふるまうことができるということです。独自の収
益事業の展開も可能となります。インドネシアと日本の懸け橋となろうとする多くの人々
に、その善意をかたちにする機会と器を提供することができます。
2015 年 3 月をめどに法人化の手続きを進めておりますので、順調に進めば 2015 年度の
ジャパンインターンシッププログラムは「NPO 法人ジャパンビジネスインターンシッププ
ログラム」の主催事業として進めていることでしょう。新たなかたちを得て、ますますプ
ログラムを発展させたいと願っておりますので、皆様におかれましては益々の支援を賜り
ますよう心よりお願い申し上げます。
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====================================================
JBIP2014 事業報告書
第 3 回ジャパンビジネスインターンシッププログラム
発行
ジャパンビジネスインターンシッププログラム実行委員会
〒530-0001 大阪市北区梅田 1-3-1-500
株式会社 Okatos Hero Real Estate 内
電話 06-6348-5550 Fax06-6348-5666
発行日
2014 年 12 月 20 日
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