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6-46 ②舗装構成別基準厚 交通区分、Ⅰ-1、Ⅰ
②舗装構成別基準厚 交通区分、Ⅰ-1、Ⅰ-2、Ⅱ及びⅢ交通の路盤構成を表-6.8.5 表-6.8.5 に示す。 舗装材料 表層・基層:加熱アスファルト混合物(TA=1.00) 上層路盤 :アスファルト安定処理 (TA=0.80) 表-6.8.5 アスファルト舗装道 交通区分別路盤厚 注)Ⅰ-2 交通 H-60・80 火山灰,砂及び H-100 火山灰の場合は、下層路盤厚を増加することにより総体的な転圧回数の 低減を図れるため経済比較し決定すること。 注 1)Ⅱ・Ⅲ交通 H-70・90・110 火山灰、砂の場合は、下層路盤厚を増加することにより総体的な転圧回数の低減を 図れるため経済比較し決定すること。 2)Ⅱ交通 H-70・90・110 粗粒材及びⅢ交通 H-70・110 粗粒材は、総体的な転圧回数の低減を図るため下層路盤厚 を 18cm または 38cm としている。 6-46 注 1)Ⅱ・Ⅲ交通 H-70・90・110 火山灰、砂の場合は、下層路盤厚を増加することにより総体的な転圧回数の低減を 図れるため経済比較し決定すること。 2)Ⅱ交通 H-70・90・110 粗粒材及びⅢ交通 H-70・110 粗粒材は、総体的な転圧回数の低減を図るため下層路盤厚 を 18cm または 38cm としている。 6-47 4)舗装厚の設計例 例-1 項 目 交 通 量 区 舗 装 の 設 計 期 疲 労 破 壊 輪 計 画 大 型 交 通 信 頼 設 計 C B 舗 装 置 換 上 層 路 盤 材 下 層 路 盤 材 設計条件 Ⅲ交通 10 年 150,000 回 70 台/日・方向 90% 4 80cm 瀝青安定処理 切込材 分 間 数 量 度 R 厚 料 料 備 設計期間より 150,000 回 現状路床 CBR3 t=5cm ①目標 TA TA=3.84N 0.16/CBR 0.3 信頼性 90%相当 TA :必要等値換算厚 N :疲労破壊輪数 CBR:路床の設計CBR 0.16 TA=3.84×150,000 0.3 / 4 = 18 (切上げ単位限) ②舗装厚の算定 T A′ =a1・T1+a2・T2+ +an・Tn a1、a2・・・an :等値換算係数 T1、T2・・・Tn:構成各層の厚さ 表層+基層厚:3+4=7cm a) 下層路盤厚 TA18=1.00×7+0.80×5+0.25×X X:下層路盤厚 X=(18-7-4)/0.25 = 28cm b) 凍上抑制層厚 置換厚 80=7+5+28+y y:凍上抑制層厚 y=40cm 6-48 考 6.8.3 軟弱路床に対する改良方法 現状路床土のCBRが3未満の場合は、良質土による盛土工法、置換工法、安定処理工法及びサン ドイッチ工法等により処理する。 1) 良質土による盛土工法 地下水位が高く、路床土が軟弱な場合には、CBRが 3 以上の材料を約 1m 盛上げて新しい路床 を造り、その上に舗装を設けるのが一般的である。ただし、ほ場内農道等において、高盛土が農耕に 支障をきたすおそれのある場合等は、合成CBRが 3 以上になるような材料で盛土し、計画盛土高さ を減ずることができる。このような盛土工法の場合、盛土下部 20cm の部分は現状路床土のCBRを とって設計する。 2) 置換工法 置換工法は、切土部分で軟弱な路床土が現れた場合に、現状路床土に当たる部分を掘削して、CB Rが 3 以上の良質土で置換える工法である。なお置換工法においても、「1) 良質土による盛土工法」 と同様に、合成CBRが 3 以上になるような材料で設計した場合はその置換厚さを減ずることができ る。この場合の下部 20cm のCBRの取扱いは盛土工法と同様とする。 3) 安定処理工法 安定処理工法は、軟弱な路床土の表面に、セメント、石灰等の安定材を散布し、路床土と安定材と を混合し、路床土の支持力の改善を図る工法で、設計CBRが 3 以上になるように設計する。 混合の方式には、湿地ブルドーザに混合・撹拌可能なアタッチメントを装着したものや、軟弱土専 用のスタビライザ、ミキシングホーク等の施工機械による混合がある。 この場合、安定処理した層のうち下から厚さ 20cm に当たる部分は、安定処理した層のCBRと現 状路床土の試料によるCBRの平均値をとって設計する。 4) サンドイッチ工法 サンドイッチ工法は軟弱な路床上に砂層を置き、その上に貧配合コンクリートまたはセメント安定 処理の拘束層を設け、この上に交通量に応じた舗装を行う工法であるが、設計CBRや等値換算厚 TA を用いた設計方法が適用できないので、過去の実施例や弾性計算等の方法を参考にして断面を決定す る。 この工法の利点としては、次のようなことが考えられる。 ① 舗装の下部に剛性の高い拘束層を置くことによって支持力が高められ、舗装の総厚を減少させ ることができる。 ② 拘束層の上部に置かれる材料の転圧効果を増す。 ③ 軟弱な路床土の路盤への侵入が完全に防止できる。 ④ 路床土及び路盤のひずみが小さくなり、したがって耐久性が増す。 6-49 5)遮断層の設置 路床土の設計CBR値が、2以上3未満の場合は、遮断層を設けるものとし、その厚さは路床の強 度、地下水の状況、交通量の状況等を考慮して15~30㎝の層とする。 表-6.8.6 遮断層の厚さ 6.8.4 路床が岩盤の場合 設計路床面下に岩盤がある場合、舗装の設計にあたっては岩盤の位置及び性状を把握し、構造設計 を適切に行うことが必要である。 路床が岩盤の場合の取扱いは次の区分による。 1) 局部的(延長おおむね 60m 未満)な個所は前後の路盤厚と同一とし、路盤の計画高まで盤下 げを行うものとするが、盤下げを行わずにすりつけ等が可能な場合には、現場条件、経済性等 を検討して決定するものとする。 2) 路床がけつ岩、風化岩等、凍上のおそれがあるものは岩盤として取扱わない。 3) 岩盤が連続する場合(延長おおむね 60m 以上)はCBRが 20 以上として設計する。 4)岩盤路床におけるアスファルト舗装構成 凍上や風化の恐れのない良質な岩を路床とする場合は、支持力の均等及び不陸の整正を目的と して均しコンクリートを施工する。この均しコンクリートの厚さは 10cm 以上とする。 アスファルト安定処理 均しコンクリ-ト 図-6.8.4 岩盤路床の舗装構成 6-50 10cm以上 表層・基層 6.9 土砂系舗装 6.9.1 一般 土砂系舗装とは、路床の上に、砂利、砕石、砂、粘土等で層(路盤)を造り、その表面を路面とし て用いるものをいい、土砂道と砂利道に区分される。 他の工種に比べて経済的であることから交通量の少ない農道で実施される。 なお、場合によっては路面をアスファルト乳剤等で防塵処理することができる。 土砂道は、天然土壌だけで構築される道路であり、凍上作用を受けやすいことより本指針では、路面 を切込砂利又は切込砕石等の粗粒材で造成する砂利道を採用する。 砂利道の利点は修繕が容易であること、土砂道よりも荷重と風化作用に耐えうること、荷重を広い面 積に分布させ道路の損傷を軽減すること、土砂道よりほこりが生ずることが少ないことなどである。砂 利道においても、土砂道と同様排水には十分に注意する必要がある。 6.9.2 一般砂利道 砂利道のうち通年使用するものを一般砂利道と称する。 1)設計の手順 標準的な設計の手順を図-6.9.1 図-6.9.1 に示す。 現状路床土の支持力評価 置換え深さ Z 路盤厚の想定 H' (15cm以上) 凍上抑制層厚さ Z-H' 設計CBRの計算 No 路盤厚に対する設計 CBRを満足するか Yes 構成決定 図-6.9.1 砂利道の路盤厚決定の手順 6-51 2)路盤厚さ 路盤厚は、路床の設計CBRにより表-6.9.1 表-6.9.1 より決める 表-6.9.1 一般砂利道路盤厚 路床材料別CBR及び凍上抑制層材料別CBRは、「寒冷地における砂利道の構造検討報告書 昭和 55 年 11 月」(北海道開発土木研究所)の調査結果により表-6.9.1 表-6.9.1 のとおり使用する。 路盤の最小厚は、施工性及び品質管理性を考慮して 15cm 以上とする。 路盤厚と凍上抑制層を計算した結果は、表-6.9.2 表-6.9.2 による。 表-6.9.2 一般砂利道 路盤厚及び凍上抑制層一覧表 海 ・ 山 砂 山 CBR 6% 砂 火 CBR 9% 山 灰 粗 CBR 10% 粒 材 CBR 20% 凍上抑制層厚 路盤厚 凍上抑制層厚 路盤厚 凍上抑制層厚 路盤厚 凍上抑制層厚 路盤厚 (㎝) (㎝) (㎝) (㎝) (A)15 (㎝) (㎝) (㎝) (A)15 (B)25 凍上性 (B)25 (A)15 (B)25 路床土 (C)30 (D)35 (㎝) (A)15 25 25 25 (C)30 (C)30 (B)30 (D)35 (D)40 (C)35 20 25 CBR3% (E)45 (F)50 (E)50 (E)50 20 (D)45 (E)55 20 15 (F)55 (F)55 (F)60 (A)20 20 (B)35 (C)40 15 (A)20 (B)30 海・川砂 (C)35 (D)40 20 同 左 20 同 左 20 CBR5% (D)45 (E)55 (E)50 (F)55 15 (F)60 (A)25 (B)35 (A)25 (B)35 火山灰 (C)40 (D)45 15 同 左 15 (C)40 (D)45 15 CBR8.5% (E)55 (F)60 (E)55 (F)60 粗粒材 同 上 CBR12% 注)置換厚(A)4Ocm(B)50cm(C)55cm(D)60cm(E)70cm(F)75cm (例)1 路床材料……凍上性路床土 ① 置換厚(C)55cm の場合 ② 〃 (E)70cm 〃 2 路床材料……凍上性路床土 ① 置換厚(B)50cm の場合 ② 〃 (D)60cm ” 凍上抑制層材料……粗粒材 路盤厚 20cm 凍上抑制層厚 〃 15cm 〃 35cm 55cm 凍上抑制層材料……山砂 路盤厚 25cm 凍上抑制層厚 〃 6-52 20cm 〃 25cm 40cm 15 3)置換厚の設定 一般砂利道の置換厚さは、表-6.9.3 表-6.9.3 による。 一 般 砂 利 道 の 置 換 厚 さ 振興局 (A) 40㎝ (B) 50㎝ 渡島 (B)を除く 全市町村 長万部町 檜山 (B)を除く 全市町村 せたな町のうち旧 瀬棚町・旧北檜山 町 今金町 胆振 室蘭市 後志 島牧村 寿都町 岩内町 泊村 神恵内村 積丹町 石狩 空知 (C) 55㎝ (D) 60㎝ (B)(D)を除く 全市町村 安平町のうち旧早来町 むかわ町のうち旧穂別 町 厚真町のうち道々平 取厚真線より内陸、国 立公園内(旧伊達市・登 別市 ・洞爺湖町・壮瞥 町・白老町) 全市町村 (D)(E)を除く (D)を除く 全市町村 日高 夕張市 芦別市 赤平 市 滝川市 砂川市 妹背牛町 雨竜町 沼 田町 歌志内市 深川 市 上砂川町 新十津 川町 秩父別町 北竜 町 全市町村 (E)を除く全市町村 上川 宗谷 礼文島 利尻町 利尻富士町 (D)(E)を除く 全市町村 (C)(E)を除く 全市町村 平取町のうち道々平取 静内線より内陸、新冠 町のうち新和より内 陸、旧静内町(新ひだ か町)のうち御園より 内陸、浦河町のうち 道々高見西舎線より内 陸 釧路 根室 名寄市のうち旧名 寄市 南富良野町 占冠村 美深町 音 威子府村 幌加内町 中頓別町 枝幸町 のうち旧歌登町 日高町のうち旧日 高町 (F)を除く 全市町村 十勝 オホー ツク (F) 75㎝ (B)を除く 全市町村 全市町村 留萌 (E) 70㎝ (D)(E)を除く 全市町村 北見市のうち旧北見 市・旧端野町・旧留辺 蘂町 美幌町 津別町 遠軽町 訓子府町 滝 上町 足寄町のうち道々 清水谷足寄線より 北部 陸別町 更別 村 中札内村 置戸町 釧路市のうち旧釧 路市 釧路町 浜 (C)を除く全市町村 中町 (D)を除く 全市町村 別海町 中標津町 注)市町村名は、平成 23 年 12 月現在(179 市町村)の市町村名で記載している。 新振興局区分で記載しているため、旧熊石町(八雲町)は渡島、幌加内町は上川、幌延町は宗谷に属している。 表-6.9.3 一般砂利道 地域別置換厚さ 6-53 4)一般砂利道における設計CBR ①砂利道における設計CBRの考え方 砂利道の場合の設計CBRは舗装道路ほど安全側に考えなくても良いものと考える。 すなわち舗装道の場合は、設計CBRはそれを下廻るものが 16%となる確率値であるが、凍上抑 制層と路床の両方で行い、これを合成するという安全側の設計を行うことにしている。 これは寒冷地においては凍上に関する不確定要素があり、これに対する安全を見込む必要がある。 砂利道の場合は路床と凍上抑制層の合成後の合成CBR値で設計CBRを考えることとする。 すなわち、 a) 各調査地点で凍上抑制層上の合成CBRを求め、これから設計CBRを求める。 b) 同様に路床の設計CBRを求める。 c) 凍上抑制層上の合成CBRと路床の設計CBRから凍上抑制層の設計CBRを逆算する。 d) 凍上抑制層の実測平均CBRに対して c)で求めたCBR値は約 73%に相当する。それゆえ 凍上抑制層の設計CBRは実測平均値の 73%とみなすこととする。 ②凍上抑制層材料毎の設計CBR a) 海、川砂 国道での調査結果の平均CBR8.5%の評価率 73%とし、6%とする。 b) 火山灰 火山灰は凍結融解の繰り返しにより粒子が細粒化し、融解期の支持カが大きく低下 する。開発局ではCBR保存率はほぼ 20%~70%の範囲にあることから平均 45%を考え、実測 平均CBR31%に評価率 73%、保存率 45%を見込み設計CBR=10%とする。 c) 山砂 山砂の場合の調査結果は火山灰の 90%になるので山砂の設計CBRは 9%とする。 d) 粗粒材 国道での調査結果の平均CBR37%、これに評価率 73%、CBR保存率 85%を考慮す ると 23%となるが「舗装設計施工指針」(日本道路協会)では「20%を限度とする」としてい ることから設計CBR=20%とする。 ③路床の設計CBR a) 砂路床 国道の調査結果を採り 5%とする。 b) 火山灰路床 開発局の調査結果から火山灰路床では 10.7%であるが、今後の凍結融解の繰り返 しに対する安全を見込んで 20%減とし、80%を有効値とすれば 10.7×0.8=8.5%となる。 c) 粗粒材路床 国道での調査結果では設計CBRは 14.1%であるがこれにCBR保存率を 1.0~ 0.7 の中間値 0.85 を考え、粗粒材路床の設計CBR=14.1×0.85=12%とする。 6-54 6.9.3 特殊砂利道 砂利道のうち冬期使用しないものを特殊砂利道と称する。 1)路盤厚さ 特殊砂利道は路盤のみで構成される。 特殊砂利道路盤は、路床の材料別に表-6.9.4 表-6.9.4 による。 表-6.9.4 特殊砂利道 路盤厚 特殊砂利道の路床は融解期にこねかえしをうけないこと、また凍結深も浅いことから支持力も 一般 砂利道よりも低下が少ない。 ①凍上性路床土 CBR=3.5 ②海 ・ 川 砂 CBR=6 ③火 山 灰 CBR=10 ④粗 粒 材 CBR=15 2)特殊砂利道の路床CBRの考え方 ①路床支持力 非除雪道路の路床支持力を利用上からみれば、 利用が始まる 5 月下旬ごろに最も低下している。 しかしながら、非除雪道路では融解期にこね返し作用を受けないことと凍結深が浅いことから、 支持力は除雪道路よりも低下が小さいと考えられる。そこで、非除雪道路の支持カを、凍結影響 がない場合と、凍結影響が大きい除雪道路の場合の中間で考えることにする。なお、路床の材料 は除雪道路の場合と同様に、凍上性路床土、火山灰、砂、粗粒材の4種別に区分することにする。 a)凍上性路床土 文献によれば、粘土、シルト分が多くても含水量の比較的少ない土、含水量のあまり多くな い火山灰の土の現場CBRは 3~5%といわれる。これらは、北海道での融解直後の調査では設 計CBRを 3%としている。いま、凍上影響を受けない場合を 4%とし、非除雪道路の凍上性 路床土の設計CBRは 3.5%を考えることにする。 6-55 b)火山灰路床 除雪道路の火山灰路床の現場CBRの調査結果から火山灰路床のCBRは 10.7%であった。 非除雪道路ではこれをほぼそのまま用いてよいと思われるので、火山灰路床の設計CBRは 10%とする。 c)砂 路 床 文献によれば、粒度分布のよい砂の現場CBRは 10~30%といわれる。砂路床となる道路は 一般に海岸や河川敷に建設されるものであり、これらの海、川砂の粒度分布は普通あまりよく ない。したがって、このような場合のCBRは 10%以下と考えられる。一方国道での除雪道路 における融解直後の調査では、設計CBRは 5%である。砂の場合凍上はあまりなく、膨軟化 も若干と考えられるので、砂路床の設計CBRは 6%を考えることにする。 d)粗粒材路床 国道における除雪道路での融解直後の調査結果では、粗粒材路床の設計CBRは 14.1 であ る。粗粒材の場合も凍上はあまり発生せず、したがって膨軟化も若干と考えられる。これらの ことから粗粒材路床の設計CBRは 15%を考えることにする。 ②参考・引用文献 ・戸田光晴:農村道路、昭和 43 年 11 月、地球出版株式会社 ・久保 宏:融解期の現場CBRとそれに基づく設計CBRについて、土木学会論文報告集、 第 383 号、1979-3 6-56 6.9.4 防塵処理 砂利道(一般砂利道、 特殊砂利道)における砂利飛散、粉塵、収穫作物の運搬中の荷傷み等によ り一般畑作物、 野菜等に及ぼす被害を防止するために、路面を瀝青材により処理する工法をいう。 1)適用範囲と条件 地域における道路網体系を総合的に考慮し、次の条件を満たす路線に適用する。 ① 当面舗装計画を有しない路線を対象とする。 ② 農道設計指針に基づく砂利道としての機能をもち、路面処理の必要がある路線について適用 する。 ③ 交通量が少ない支線的性格の路線であり、構造及び耐用年数に見合う交通量であること。ま た凍結融解期に大型車が少ないこと。 ④ 工法の性格上、経年変化における路面の破損は避けられないため砂利道及び路面処理のもつ 機能が保てる維持管理が出来ること。 ⑤ 完全な除雪がおこなわれない路線、又は凍上の現象がみられない路線であること。 2)適用工法 設計する工法は次の三工法を標準とする。 ① アーマーコー卜三層式標準型工法(略して「アーマーコートタイプ」とも云う) ② アーマーコート三層式改良型工法(略してアーマーコー卜改良タイプ」とも云う) ③ 加熱混合型工法(アスファルト混合物) (略して「合材タイプ」とも云う) 6-57 3)構造 ①概 況 支持路盤を補強する工法としてセメント、アスファルト乳剤安定処理工法を用いることとする。 表層はアーマーコート又はアスファルト混合物を用いる設計とする。 なお、標準的な構造を図-6.9.2 図-6.9.2 に示す。 (密粒度アスコン or 密粒度ギャップ) 図-6.9.2 標準構造図 ②表 層 表層は砂利飛散、粉塵を防止し、快適な走行を可能とする路面を確保するとともに雨水を下層 に浸透するのを防ぐ機能を有したものである。 表層には大別するとアスファルト乳剤PK-1 と骨材を互層に散布、転圧したアーマーコ一ト タイプと密粒度アスコン等の加熱混合物を敷設する加熱混合タイプとがある。アーマーコートタ イプは骨材に砕石を用いる標準型とブラックチップ、ブラックサンドを用いる改良型の2工法に 区分される。加熱混合型の表層に用いられる材料は数種みられるが密粒度アスコン、密粒度ギャ ップアスコンを標準とする。表層の工法は現場の諸条件に合致し経済的な工法を選定する。 ③路 盤 路盤上層の一部をセメントアスファルト乳剤安定処理工法により支持路盤を補強する。 特殊砂利道の路面処理については路盤層が一般砂利道に比して薄いものとなっているため、冬期 間の積雪が年によって変動がある場合、あるいは、春先きに大型交通車の通行が予想出来る場合 等は表層の安定から路盤厚を増し一般砂利道に準じた構造にすることが望ましい。 (注)特殊砂利道とは冬期利用しない道路をいう。 6-58