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日清オイリオ・ISF 社 クアラルンプール視察研修レポート
日清オイリオ・ISF 社 クアラルンプール視察研修レポート 2015/8/31 レポート作成 森給食(株)松戸営業所 河手 日時 ・ 2015/7/7 ~ 2015/7/11 参加者 ・ 日清オイリオ 3 名 東亜商事 4名 流通業者 10 名 目的 ・ パーム油の圃場、搾油現場、精製工程の見学 【パーム】アブラヤシの実 マレーシアでは年間 2,000 万tのパーム油が生産されて います。生産量は年々増加傾向。 写真のように小さな実が集まって 1 つの形になります。 これを「フルーツバンチ」と呼びます。 1 つの実は 5~6cm、フルーツバンチ 1 つが約 5kg ほどの 重さです。 中には種があり、外側の黄色部分が主なパーム油の原料 (パーム原油)となり、種の部分も同じパーム油(パーム 核油)となります。 この実は食べられなくはないですが、美味しいものではあ りません。 種はココナッツと似ているらしい。 【パームの搾油】JAGRA PALM OIL 社(マレーシア) この搾油工場では 1,200t/日のパーム油を生産 しています。 パームの実は約 50%が原油となり、残った絞り カスも加熱処理を行い肥料などに利用。 (廃棄無 し) 敷地内はかなり油臭い。 < 搾油工程 > 原料入荷 ⇒ スチーム加熱 ⇒ スクリュー ⇒ 圧搾 ⇒ 精製 ⇒ 充填 (種を落としやすく) (果実の分離) 次から次へとパーム農園から原料が運ばれ てきます。 高台からパームを落とし、トロッコへ入れま す。 ↓ ↓ 運ばれてきたフルーツバンチ ← トロッコに入ったパームはそのまま スチーム加熱されます。 トロッコのままスチーム加熱(120℃~140℃) 加熱されたパームをドラム式の機械で果実を分離。 圧搾された後の絞りカス ↓ ここまでがパーム原油の圧搾工場。 【パーム油の精製】ISF 社(Intercontinental Specialty Fats Sdn Bhd) 日清オイリオがパーム製品製造の為に子会社化。社員 10 名は日本人。 その他、インドやタイからの従業員が約 400 名。 ここでは静置、加熱、冷却、フィルターなど、さまざまな方法でパーム原油を約 100 種類 の製品にしている。 処理能力 ⇒ 2,000t/日 撮影 NG で写真が無くわかりづらいですが、 日本企業なので管理体制は良く出来ています。 【総括】 搾油工場に関しては、かなり原始的な部分が多数あり衛生的とは言えないが、1,000t以上 のパーム原料処理を行うには仕方ないと感じる部分もあった。 システム管理がされている訳ではないが、無駄な作業員は配置せず最低限の人数で作業を 行っている印象を受けた。 精製工場 ISF 社は、衛生・品質など日本人の考え方で作業を行っていた。 精製方法を多数使用することで、ユーザーが求める製品作りを行っている。 菜種油・パーム油・大豆油が世界の 98%を占めているが、近年パーム油がシェア 1 位の菜 種油を抜いてトップになった。 精製の度合いによっては現在学校などで使用されている油より高品質の商品もある。 学校で使用する為の品質や衛生管理の面では、十分に整っていると思われる。 給食業界では大豆・菜種・米油が主力だが、この先原料の高騰が続くと給食費の圧迫に繋 がる。そこでアレルギーも無く、安価なパーム油が使用される日が来るかもしれない。 これからも各分野の情報を収集し、それに対応していかなければならないと感じた。 以上