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1.LPC2388 の USB 機能 相澤智樹, 芥川克己

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1.LPC2388 の USB 機能 相澤智樹, 芥川克己
LPC2388 には最大 2 ポート使用可能な USB ホスト・コントローラが搭
載されている.ここでは USB フラッシュ・メモリを差し込み,WAVE ファ
イルを D-A 変換しスピーカから再生したり,マイク入力を A-D 変換して
WAVE ファイルに録音したり,録音した音声をその場で再生できる USB
ホストのデモ・プログラムを作成する.スピーカ出力やマイク入力には先
月号で紹介された拡張ベースボード CQBB-EL を使用する. (編集部)
相澤 智樹,
芥川 克己
ゲットとして使用できます.ただしポート 1 とポート 2 の
はじめに
双方を USB ターゲットとしては使えません.表 1 に LPC
USB ホスト・コントローラ搭載の代表例としてはパソコ
2388 の USB ポート構成の組み合わせを示します.
ンやプリンタ製品があります.また最近は,MP3 やオー
LPC2388 が内蔵する USB コントローラは,オランダ
ディオ機器のような身近な家電製品にも,USB が搭載さ
Philips Semiconductors 社(現: ST-NXP Wireless 社)の
れているケースを非常に多く見受けられるようになりまし
USB ホスト・コントローラ・デバイス ISP1362 とほぼ同様
た.その構成には,ASIC や今回使用する LPC2388 内蔵
の構成となっています.違いは,CPU に接続するバス・
USB ホスト・コントローラ,USB ホスト・コントローラ
インターフェースが LPC2388 内の AHB バスになっている
単体 IC などを使用しています.
かどうかだけです.
USB ホストやターゲットの機能についてはすでに多くの
● OTG とターゲット機能
記事が掲載されているので詳細な説明はしません.ここで
OTG は一つの物理的なポートが USB のホストとター
は LPC2388 の USB ホスト機能を活用し,WAVE ファイ
ゲットを自動認識で切り替えて使用することができます.
ルの音楽再生や音声記録に関して,そのしくみやソフト
OTG デバイスは,機能が限定された USB ホストと USB
ウェアの構成について説明します.
ターゲットの両方の役割をこなせる一台 2 役(デュアル・
ロール)のデバイスになります.OTG デバイスが USB ホ
1.LPC2388 の USB 機能
ストとして機能しているときは,ターゲット・デバイス・
リストにあるデバイスと通信できます.ホストとして機能
● LPC2388 の USB ポート構成
する場合は,フル・スピードの実装は必須要件ですが,
LPC2388 に搭載されている USB ホスト・コントローラ
は 2 個の USB ポートを持ち,それぞれ USB ポート 1,USB
ロー・スピードやハイ・スピードは必須ではありません.
また,ハブを経由した通信も必須ではありません.
ポート 2 と呼ばれています.ポート 1 は On-The-Go(OTG)
,
OTG 対応をうたうには,電源周辺を制御する外付け IC
あるいはホストもしくはターゲットとして使用するかを選
が必要です.付属 ARM マイコン基板では OTG 対応を考
択することができます.ポート 2 はホストもしくはター
慮していないので,後述のようにポート 1 を USB ホスト
として使用するときは,OTG 機能をディセーブルにして
表1
LPC2388 の USB
ポート構成
82
ポート1
ポート2
OTG
ホスト
ホスト
ホスト
ターゲット
ホスト
ホスト
ターゲット
初期化します.
また,USB ターゲット機能については第 4 章を参照して
ください.
KEYWORD ―― USB ホスト,Open HCI,Philips HCI,USB On-The-Go,ディスクリプタ,
エンドポイント,エンドポイント・ディスクリプタ,TD(トランスファ・ディスクリプタ)
June 2009
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