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2016/11/4
横浜支店 情報部
横浜市中区弁天通 4-51
TEL: 045-641-0380
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画 : 神奈川県 本社移転に関する企業調査
2005 年~2015 年で県内への転入超過 811 社
~転入元・転出先ともに、東京都が最多~
はじめに
安倍内閣は 2015 年度を「地方創生元年」と位置づけ、人口急減・超高齢化という今後の日本が
直面する課題に対し、各種政策を打ち出し始めた。他方、企業の本社(本社機能)の大都市圏へ
の転入が地方への転出を上回る傾向が続いている。
こうした状況を踏まえて、帝国データバンク横浜支店では、2005 年から 2015 年の 11 年間で「本
社所在地の「神奈川県への転入が判明した企業」や、
「神奈川県からの転出が判明した企業」を自
社データベース・企業概要ファイル「COSMOS2」
(146 万社収録)から抽出。移転年別、転入企業の
移転元、転出企業の移転先、業種別に分析を行った。
※
本店所在地は本社機能を有する事業所の場所を指し、商業登記の本店所在地と異なるケースもある
調査結果(要旨)
1.2005 年~2015 年の 11 年間に、神奈川県へ転入した企業は 2996 社。神奈川県から転出
した企業は 2185 社判明した。神奈川県への転入企業は 2005 年の 326 社が最多で、2015
年の 233 社が最少。神奈川県からの転出企業は 2008 年の 225 社が最多で、2007 年の
172 社が最少
2.神奈川県への転入企業の移転元、
『東京都』
(構成比 86.8%)が最多。神奈川県からの
転出企業の移転先も『東京都』
(同 76.8%)が最多
3.業種別では、転入・転出ともに『サービス業』が 3 割以上を占めてトップに
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2016/11/4
特別企画 : 神奈川県 本社移転に関する企業調査
1.2005 年~2015 年の間、811 社の転入超過(転入 2996 社、転出 2185 社)
○県外から神奈川県へ転入した企業社数
■転入・転出社数の年別推移
2005 年から 2015 年の 11 年間で、県外から神奈川県
へ転入した企業は 2996 社判明した。年別でみると、神
奈川県に転入した企業が最も多かったのは、2005 年の
326 社。また、2008 年 9 月のリーマン・ショックの影
響が強かった 2009 年も 300 社超となった。その後は、
ほぼ一貫して減少傾向を辿り、2015 年は 233 社と最少
となった。
○神奈川県から県外へ転出した企業社数
判明年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
計
転入(社数) 転出(社数) 転入-転出
326
211
115
274
196
78
246
172
74
269
225
44
319
178
141
291
188
103
250
190
60
273
215
58
272
190
82
243
218
25
233
202
31
2,996
2,185
811
2005 年から 2015 年の 11 年間で、神奈川県から県外へ転出した企業は 2185 社判明した。年別で
みると、神奈川県から転出した企業が最も多かったのは 2008 年の 225 社。一方、最も少なかった
のは 2007 年の 172 社だった。リーマン・ショックを契機として、景気の冷え込みに伴う自社業績
の悪化などを要因に、より安い賃料を求めて転出が増加した 2008 年以外は、総じて 200 社前後の
推移となっている。
○転入・転出の比較
神奈川県では、2005 年~2015 年の 11 年間、いずれの年も転入社数が転出社数を上回る「転入
超過」の状態が続いた。
「転入超過」が最も多かったのは 2009 年で、転入超過は 141 社(転入 319
社、転出 178 社)となり、転出社数に対しておよそ 2 倍の企業が転入した。直近の 2015 年の転入
超過は 31 社(転入 233 社、転出 202 社)で、この 11 年間では 2014 年に次いで少なかった。この
11 年間での転入社数から転出社数を差し引くと、811 社の転入超過となった。
社
■2005年~2015年 神奈川県「転入・転出企業」社数推移
350
転入社数
300
250
200
150
100
リーマン・ショック
50
0
転出社数
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
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特別企画 : 神奈川県 本社移転に関する企業調査
2.転入企業の移転元、転出企業の移転先ともに『東京都』が大幅に占める
○神奈川県へ転入した企業の移転元
神奈川県への転入移転元 上位都道府県
都道府県別でみると、2005 年から 2015 年の 11 年間で県
外から神奈川県へ転入した企業の移転元をみると、『東京
都』
(2600 社・構成比 86.8%)から転入した企業が最も多
く、9 割に迫った。次いで、
『埼玉県』
(58 社・同 1.9%)
、
『静岡県』
(51 社・同 1.7%)
、
『千葉県』
(47 社・同 1.6%)
、
『大阪府』
(45 社・同 1.5%)と、上位にはいわゆる一都三
県をはじめとする近隣県に加え、大都市圏からの転入が多
い。
○ 神奈川県から転出した企業の移転先
都道府県別でみると、2005 年から 2015 年の 11 年間で神
奈川県から県外へ転出した企業の移転先をみると、『東京
都』
(1679 社・構成比 76.8%)
へ転出した企業が最も多く、
8 割に迫った。次いで、
『埼玉県』
・
『千葉県』
(各 70 社・同
3.2%)
、
『静岡県』
(49 社・同 2.2%)
、
『福岡県』
(27 社・
同 1.2%)となった。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
都道府県
東京都
埼玉県
静岡県
千葉県
大阪府
山梨県
愛知県
茨城県
長野県
北海道
全体
社数
2600
58
51
47
45
20
18
16
13
12
2,996
構成比
86.8%
1.9%
1.7%
1.6%
1.5%
0.7%
0.6%
0.5%
0.4%
0.4%
-
神奈川県からの転出移転先 上位都道府県
1
2
2
4
5
6
7
8
9
9
都道府県
東京都
埼玉県
千葉県
静岡県
福岡県
大阪府
茨城県
栃木県
愛知県
福島県
全体
社数
1679
70
70
49
27
25
24
22
21
21
2,185
構成比
76.8%
3.2%
3.2%
2.2%
1.2%
1.1%
1.1%
1.0%
1.0%
1.0%
-
○ 転入・転出の比較
転入移転元、転出移転先ともに『東京都』が最多となり、転入では 9 割弱、転出では 8 割弱を
占めている。また、ランキング上位をみると一都三県に含まれる『埼玉県』、『千葉県』が入り、
加えて神奈川県西と隣接する『静岡県』が上位に入った。
また『大阪府』
、
『愛知県』をはじめとした大都市圏の地域も上位にランクしている点も、転入、
転出ともに見られる傾向である。
転出ランキングの 5 位の『福岡県』は、神奈川県と同様に近年人口が増加している自治体であ
ることから、転出ランク上位に入っている県は商圏として魅力の高い地域と言えよう。
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特別企画 : 神奈川県 本社移転に関する企業調査
3.業種別、転入・転出ともに『サービス業』が 3 割以上を占める
○県外から神奈川県へ転入した企業
神奈川県への転入企業
業種別
社数
入した企業 2996 社を業種別でみると、
『サービス業』
が 1045 サービス業
1,045
卸売業
754
社(構成比 34.9%)で最も多かった。次いで、
『卸売業』が
製造業
432
754 社(同 25.2%)
、
『製造業』が 432 社(同 14.4%)
、
『小 小売業
285
建設業
247
売業』が 285 社(同 9.5%)
、
『建設業』が 247 社(同 8.2%)
不動産業
109
で続いた。
運輸・通信業
88
その他
36
計
2,996
2005 年から 2015 年の 11 年間で、県外から神奈川県へ転
○神奈川県から県外へ転出した企業
2005 年から 2015 年の 11 年間で、神奈川県から県外へ転
出した企業 2185 社を業種別でみると、
『サービス業』が 764
社(構成比 35.0%)で最も多かった。次いで、
『卸売業』が
381 社(同 17.4%)
、
『製造業』が 350 社(同 16.0%)
、
『建
設業』が 245 社(同 11.2%)で続いた。
神奈川県からの転出企業
業種別
社数
サービス業
764
卸売業
381
製造業
350
建設業
245
小売業
231
不動産業
96
運輸・通信業
86
その他
32
計
2,185
構成比
34.9%
25.2%
14.4%
9.5%
8.2%
3.6%
2.9%
1.2%
100.0%
構成比
35.0%
17.4%
16.0%
11.2%
10.6%
4.4%
3.9%
1.5%
100.0%
まとめ
神奈川県は商圏としての魅力もあるほか、横浜市を中心とした県内自治体が積極的な企業誘致
活動を推進してきたこともあり、2005 年以降は企業の転入超過の状態が続いている。しかし、今
後は本社機能を地方に移す企業を税制面で優遇したり、地方自治体が独自で地方税の減免や補助
金制度の拡充を図る動きが強まることが想定される。
政府が推進する地方創生の実現には、雇用と産業を創出する「企業」の存在を無くしては語る
ことはできない。神奈川県が今後も転入超過を維持し、安定した雇用の維持と産業発展を確保で
きるよう、各種施策の実行が求められる。
【内容に関する問い合わせ先】
(株)帝国データバンク横浜支店情報部
担当:遠峰 英利
TEL 045-641-0380 e-mail [email protected]
当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。
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