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主要構造材に関する木の伐採から建築施工までに排出される CO2を

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主要構造材に関する木の伐採から建築施工までに排出される CO2を
主要構造材に関する木の伐採から建築施工までに排出される
CO 2 をオフセットする植林事業
住友林業では2009年4月から、主要構造材に関する木の伐採から建築
施工までに排出されるCO2を植林によって吸収する取り組みを開始しまし
た。住宅の主要構造材に使用する木の伐採から、建築施工までに排出す
るCO2は1棟あたり約6トン。これを、住宅の延べ床面積の2倍相当の土地
に植林し、10年間にわたって育てることで、オフセットが可能となります。
2009年度からの5年間に販売するすべての注文住宅・分譲住宅のCO2を
オフセットするため、5年間に延べ1,500ヘクタール、約200万本を植林し、
その後10年間の管理・育林を行う計画です。
植林形態については、立木を伐採しない「環境植林」と、成長した木を伐
採し木材加工品の原料として利用し、再植林する「産業植林」の2つの手
法を用います。
■カーボンオフセットのしくみ
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2009年度は、インドネシアのブロモ・トゥングル・スメル国立公園内の保
護林に60ヘクタールの環境植林を行いました。標高1,700m~2,500mと
いう高地に広がるこの公園では、度重なる森林火災やブロモ山が噴出
する亜硫酸ガスの影響により荒廃が進み、大部分が草原となっていまし
た。ここに、豊かな森林環境を再生することをめざし、ヤマモクマオウ、ヒ
メツバキなど、もともとその土地に生育する自生種を植栽しました。
また、植林活動における生物多様性への影響を調べるため、インドネシア
の大学や研究機関と連携し、動物や昆虫、植物のモニタリングを開始しま
した。本調査は、国立公園内に残る天然林においても同時に実施してお
り、植林による森林回復の影響を周囲の環境とともに把握します。これま
で実施した調査では、天然林、植林対象地で、オナガザルなどの哺乳類
や鳥類が生息していることが確認されました。今後もモニタリングを続け、
植林活動と生物多様性の関係を明らかにしていきます。
2010年度以降は、上記国立公園の保護林以外の植林地においても、地域住民と協働した持続可能な産業植林も進
めていきます。ここでは数年後に伐採した木材の収益の一部を住民に分配し、残りを再植林や育林費用に充てること
で、地域住民に新たな収入を生み出します。持続可能な森林経営を実現し、地域社会に貢献する植林活動に取り組
みます。
こうした活動の進捗状況を、実際に住宅を購入されたお客様にお伝えす
るため、オーナー専用のWEBサイト「club forest(クラブフォレスト)
(https://clubforest.com/syokurin/03.html)」で定期的に情報を発信して
います。お客様にも地球温暖化防止やインドネシアの森林保全の意義を
感じていただきながら、オフセットの取り組みを推進 していきます。
植林活動によるカーボンオフセットの実施に期待している。(学生)
世界の荒廃地を植林によって蘇らせ、地域の雇用創出につながるというのは、現代の世界経済でも大変重要だ
と思う。(学生)
エコポイントの住宅版も始まるので、こうした家作りが広がることに期待する。 ここで紹介されているような家が
日本中に広がれば、地球にも未来があるかもしれない。(その他(消費者))
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営業推進部の声
太陽光発電の新買取制度や、住宅エコポイントなど、住宅に関わる環境
政策が活発化する中、家づくりのパートナーであるメーカー選びにおいて
も環境配慮を意識されるお客様が増えています。
住友林業では、太陽光発電やエネファーム等の省エネ設備のご提案を
はじめ、自然の力を上手に活かし、冷暖房機器に頼り切らない暮らしを
叶える涼温房(りょうおんぼう)設計や国産材の積極活用など、環境に配
慮した家づくりを進めています。さらに、当社では住宅の基本性能はもち
ろんのこと、プラスアルファの価値をお客様に提供することも必要である
と考えています。
その取り組みの一つが「カーボンオフセットの家づくり」です。家づくりをすることで環境に貢献する、長期にわたり森づ
くりに携わってきた当社だからこそできる、住宅メーカー初の取り組みです。こうした企業姿勢が、お客様の当社に対
する信頼感や安心感向上につながると考えています。
営業推進部では「カーボンオフセット」の取り組みも含め、「住友林業の家」の環境取り組みについて営業社員へ情報
発信、研修を行うとともに、カタログやパンフレットを通じてお客様に情報発信を行っています。今後も当社の取り組み
を積極的に伝えていきたいと思います。
有識者の声
安心できる持続可能な暮らしを誰もが望んでいます。しかしそれは与えら
れるものではなく、私たちが賢明な生き方をすることでつくっていくもので
す。環境を考えたもの選びはそのひとつであり、それは消費者の役割で
す。
家は暮らしの基盤であり、そのお付き合いはとても長く、だからこそ賢明
な選択が求められます。家の一生を考えた時、資源調達時、建築時の負
荷削減は、ハウスメーカーでしかできないものです。住友林業さんの建築
時のCO2オフセットはストーリーとして新発想を伝えるものであり、心が動
かされます。
お客様にどのように伝えているのか気にかかり、展示場を訪ねました。説明員の方にCO2オフセットのことを質問する
と詳しく説明いただけましたが、良い取り組みですので、関心を持ってもらえるよう、説明員の方からもっと積極的に紹
介されたら良いのではないかと感じました。私たちは、知らなければ想像することもできませんので、伝えてくださるこ
ともCSRです。
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