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PDF形式/10KB - 北海道産業保安監督部
災害事例及び措置情報(平成22年:北海道) 番号 1 2 3 4 管内 県名 発生年月日 北海道 北海道 北海道 北海道 北海道 北海道 北海道 北海道 鉱種 2010.05.28 石炭 21:30 2010.06.11 金属 13:30 2010.08.27 金属 19:50 2010.09.19 石炭 15:00 鉱山労働者数 A: 9人以下 B:10~49人 C:50~99人 D:100人以上 D C C C 罹災者数(人) 重傷 災害事由 原因となった装置・施設等 死亡 ハザード(危険の内容) 災害概況 軽傷 計 リスクマネジメント実施状況 (発生前) 原因 対策 詳細情報 4週間 4週間 以上 未満 坑内:落盤 1 1 SD切羽天盤 坑外:火災 坑内:落盤 坑外:火災 (自然発火) 0 堆積場の落ち葉、雑草 1 1 掘進引立の岩盤 0 石炭一時置場(石炭山) SD切羽天盤からの落石 侵入者による煙草の不始末等 5月28日2番方、SD切羽(自走枠の全150セット)の採炭作業は班長2名を 含む 17名で15時50分頃から開始した。罹災者のAはドラムカッターのオペ レーターとして配番され、断層際の風坑側の山固め作業を挟んで数度切削を 行っていた。 途中、ロング長Bも136セットから140セットの山固め作業には参加している。 20時頃から中食は2班に分かれて取るため、Aは先に中食に行き、その間も1 30セットから135セットの山固め作業は継続していた。21時過ぎに中食後に 現場に戻ったAとBの2名に対し、班長Cが127セットから129セットの山固め 作業を2名で行うこと。Aが監視人となることを指示した。AとBは127セットのI ビームを0.8m延長し、3.6mの板材3枚上げる作業終了後、2名で相談し1 25セットでの山固めも必要と判断し、段取りのためAは126セットのトラフ上を 歩行していた。その時、126セットのフォアポールの上より硅石(1.0m×0. 8m×0.3m程度)が剥離落下し、左足下腿部に当たり罹災した。(左脛腓骨 骨折) 6月11日13時30分頃に付近住民が、堆積場(S41年たい積終了)付近から煙 が上がっているのを発見して、消防に通報。当時、係員2名が廃水処理場で保 守作業を行っていたが、煙もなく、臭いもしていなく、消防隊が来るまで火災に は気がつかなかった。 14時00分頃に消防車が出動し、係員2名は、廃水処 理場付近で消防隊員が消火準備をしているところを発見し、堆積場内で火災 が発生しているのを知った。 火災現場付近は、消火活動のため、消防と警察により立入禁止の措置がとら れて、現場に立ち入ることは出来できなかった。消火活動後、14時40分頃に鎮 火した。火災の延焼範囲は約1haで、落ち葉及び雑草が延焼したもの。この火 災(野火)による罹災者、隣地への延焼、物損等の被害はなかった。 8月27日2番方、A(作業監督者)とB(罹災者)は、掘進現場の引立(108m 位置)の三つ留枠(H型鋼150×150mm)の枠足留付け作業に配番された。当 方の作業内容は枠足の留付けのための発破施工から作業を始め、ズリ積み、 枠足の留付け後、山固めのための矢木掛け作業を行っていた。Bは、Aからの 指示で左天盤際の側壁部の矢木掛けを梯子に乗って行っていた。Aが、右側 壁側で器材の片付けを行いながら、引立を見たところ岩盤の亀裂が広がって 掘進引立岩盤の剥離 いくのが見えたので、AはBに「逃げろ」を叫んだ。ほぼ同時に引立から岩盤 (幅2.6m、高さ2.8m、厚さ0.4m)が剥がれて倒れてきた。岩盤はいくつかに割れ ながら倒れ、Bは、梯子からすぐに飛び降りたが、割れた岩石4個に脚の膝下 が下敷きになり、罹災した。 (全身打撲、左足関節捻挫、左下肢筋挫傷及び腫張) 9月19日15時頃、鉱山労働者は当該石炭一時置場の公道(市道)を車両で 通行した際、当該石炭一時置場の石炭山から発煙しているのを発見し、直ち に鉱山宿舎に居た宿直の作業監督者に連絡した。 連絡を受けた作業監督者は、保安管理者代理者に火災が発生した旨、連絡を 入れ、保安管理者代理者からの指示で現地に向かったところ、第3者からの通 報を受けた消防署及び警察署が15時30分頃に現地に到着し、消防車による 消防活動を開始していた。 作業監督者は、鉱山宿舎にもどり、鉱山労働者3名を連れて現場に取って返 し、15時50分頃から消防署の指揮の下、石炭山を被っていたポリエチレンU 石炭一時置場の石炭山の自然発火 Vシート及びシート押さえの古タイヤの消火並びにタイヤショベルとパワーショ ベルを使用して蓄熱した石炭約20tの移動と転圧作業を行った結果、火災は 鎮火。消火活動は、16時00分頃に終了した。 石炭の蓄熱によりポリエチレンUVシート及び古タイヤの一部が燃焼したが、 集積していた石炭は、燃焼に至らなかった。 当該作業に関する現況調査 (1) 山固めが施工され半割材が掛かっていたが、落盤(り災 6月14日付けで、保安対策を策定するとともに、従来の保安対策を強化した。 の実施及び作業手順の作成が 原因となった1.0m×0.8m×0.3m及び約1.5m×約 ① 「SD切羽断層部及び旧坑部山固め時の保安対策」を策定し、関係者全員に周知徹底を図った。 行われていた。 1.5m×厚さ計測不能)により折損し、落石が自走枠内の ② 従来の「SD切羽山固め時の保安対策」を強化し、関係者全員にに周知徹底を図った。 トラフ上まで達したため。 (2) り災者が、自走枠のトラフ上に居たため。 概要図1 立入禁止警標の措置が行われ 火災の範囲は堆積場の上部及び法面上部であり、火元と 現況調査を実施し、次の今後の対策を実施した。 ていた。 なるような設備が存在せず、当日は作業も行っていないこ ① ペットボトル等の可燃物を排除するため、一斉清掃を実施した。 とから、警察と消防によると、火元を侵入者による煙草の不 ② 外部からの侵入者を抑制するため、立入禁止警標を増設した。 始末、若しくは、捨てられたペットボトルのレンズ効果による もの、と推定している。 概要図2 当該作業に関する現況調査 災害が発生した掘進現場の引立(108m位置)は、亀裂・ の実施及び作業標準書の作成 粘土・適水等の介在により岩盤状況が悪く、テコ棒、LHD が行われていた。 (ロードホールダンプ)のバケット及びスケーラー等での浮石の点 検除去を実施していたが、発見できなかった浮盤があり、こ れが剥がれて、倒れて落ちたため、岩盤が倒れてくる途中 でいくつかに割れた岩石に、逃げ遅れた作業員が下敷きに なり罹災した。 「平成22年8月27日に発生した災害についての対策」を樹立。 対策の内容は以下のとおり。 ① スケーラーによる浮石除去 ② 鏡押さえ ③ 掘進方向にケーブルボルト打設(9m×10本) 保安規程に基づき、温度測定 等自然発火防止対策(集積高 さ、温度観測、巡回等)を実施 するとともに、温度管理表を策 定して操業していた。 同種災害の発生を防止する観点から現況調査及びリスク評価を実施した結果、下記の対策を図るととも に、保安規程の改定、要領書(温度管理基準)・作業手順の見直し並びに関係者に対する再教育する。 1)石炭の堆積について ①自然発火のおそれのある石炭(S分、水分を考慮)を一定期間(4ヶ月)たい積した場合は積み替えを行う。 ②石炭山の払い出しは、積替え時期の古いものを優先する。 2)温度観測管について ①たい積量の多い石炭(500t以上)には2箇所以上挿入 ②挿入位置は、原則としてたい積時期の古い箇所とする ③デジタル温度計の導入を検討する 3)観測頻度について 概要図4 ①温度管理基準を次のとおり改訂する ・要注意炭層を全層へ強化 ・観測頻度の強化 ②臭気及び触手等により確認を行う。 4)たい積過程での締め固めについて ①たい積時には転圧、締固め等の適切な実施 ②現場作業責任者による転圧、締固め等の状況確認 1.たい積した石炭が長期間であった。 2.観測管の位置が不適切であった。 3.観測頻度が少なかった。 4.たい積過程での締固めが不十分であった。 概要図3