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報告書 - 日本クリエイター育成協会

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報告書 - 日本クリエイター育成協会
平成26年度文部科学省
成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業
ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム
開発実証
報告書
平成27年3月
学校法人 中央情報学園
目次
第1章
本事業の概要
1.1 本事業の概要と目的
P2
1.2 実施計画
P9
第2章
調査
2.1 ゲーム CG 企業の状況
P15
2.2 職業訓練の状況
P24
2.2.1 職業訓練の概要
P24
2.2.2 職業訓練の内容
P27
2.3 ゲーム CG 講座の意義
第3章
P30
実証講座
3.1 講座概要
P33
3.1.1 企画検討
P33
3.1.2 実施状況
P40
3.2 カリキュラム
P47
3.2.1 カリキュラム・ユニット
P47
3.2.2 講座カリキュラム
P54
3.2.3 達成度評価指標
P61
3.3 講座実施評価
P64
3.3.1 受講生アンケート
P64
3.3.2 企業ヒアリング
P86
第4章
今後の展開
3.1 社会人講座の有効性改善点
P97
3.2 今後の展開
P99
第1章
本事業の概要
第1章
本事業の概要
1
第1章
本事業の概要
1.1 本事業の概要と目的
本事業は、平成26年度文科省委託事業「成長分野等における中核的専門人材
養成の戦略的推進事業」の一環であるゲーム・CG コンソーシアムの配下にて、
「ゲ
ーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム開発実証」
(職域プロジェクト)
として実施した。まずは、当初の事業計画を記載する。
(1) 事業の目的・概要
当事業は、平成25年度文部科学省委託事業IT産学連携コーソーシアムの職
域プロジェクト「ゲーム教育に関する産学連携組織の構築とゲーム教育カリキュ
ラム開発・導入」を引き継いで実施する事業である。
■事業の目的
当事業は、平成25年度IT産学連携コーソーシアムの職域プロジェクト「ゲ
ーム教育に関する産学連携組織の構築とゲーム教育カリキュラム開発・導入」
の成果を活用し、地域人材を育成するための短期プログラム開発実証を行う。
過去3年間で構築したゲーム分野カリキュラムを社会人向けにユニット化し
なおし、実証講座を行うことでカリキュラムの有効性、および学習者の社会的
評価の確立を検証する。
2
第1章
本事業の概要
(2) 事業の実施意義や必要性について
① 当該分野における人材需要等の状況、それを踏まえた事業の実施意義
日本においてゲーム企業は大都市集中型(東京・大阪・福岡)となっており、
地方にはゲーム企業は殆どないと言ってよい状況である。過去の委託事業で調査
した全国ゲーム企業数によると、総数 842 社のうち東京は 75%程度を占め、関東
圏・京都大阪圏を含めると 90%以上を占めている。
(平成 25 年度文部科学省委託事業報告書より都道府県別ゲーム系企業数(黒字の県 0))
このことはゲーム・CG 制作人材の多くは地方から大都市圏に流入し、ゲーム・
CG 業界は地域人材により下支えられているということを示している。一方、地
方でゲーム・CG 教育を受ける機会は、専門学校がその役割を担っているのがほ
とんどであろう。地域人材がゲーム・CG 業界へ進むキャリアパスは、高卒~専
門学校~ゲーム・CG 業界というものが一般的である。現状の課題として、地方
においては離職者を含めた社会人がゲーム・CG 業界に転向を考えた際、専門学
校に入学し直す以外に育成機会がほとんどなく、ゲーム・CG 業界へのキャリア
パスを描きにくいことである。
例えば、地方の離職者向けの職業訓練講座の種類を見てみると、オフィスソフ
トを含めた事務処理系・介護系が大多数であり、この傾向は東京都においても同
様であり、ゲーム・CG 系講座となるとほとんど実施されていないのが実情であ
る。
首都圏は一番ゲーム・CG 系企業の多い地域であり、他県よりゲーム・CG 系
企業への再就職の可能性も高く、ゲーム実証講座、CG 実証講座を実施すること
は重要であると言える。また、首都圏は人口も多くコンテンツ制作経験者も多く
存在すると考えられる。ゲーム・デザイン系の専門学校・大学が首都圏には多く
あるが、卒業した学生が一度クリエイター系企業で就職しても、学んだ内容が現
場と異なり、職場から離れ再就職を考えている層も多く存在すると思われる。こ
3
第1章
本事業の概要
れらコンテンツ制作知識の一部を持っている社会人に、安心して働ける制作技術
を学ぶ機会を与える目的で今回の実証講座を実施する。
② 取組が求められている状況、本事業により推進する必要性
日本のゲーム・CG は、Cool Japan と世界に称される分野となっている。さら
にゲーム・CG 制作業界を下支えするために、多様な人材が地域において育成さ
れる機会を作っていく必要がある。そのためには個々の地域の利害にとらわれな
い枠組み、つまり文部科学省委託事業という日本全国を視野に入れた事業に於い
て、中核的ゲーム・CG 人材を育成する機会を構築する必要がある。
本事業は、平成 23 年から IT 分野産学連携コンソーシアム下の職域プロジェク
トに於いて構築したゲーム教育カリキュラム、およびゲーム産業界との連携組織
という資源(ノウハウ・人材)を持っている。特に、平成 25 年度の委託事業の
成果として委員企業・学校を核とした「日本クリエイター育成協会」を立ち上げ
ている。これら資源を最大限に活用することで、地域人材育成に役立てることが
十分可能である。
③ 取組実施にあたっての平成 25 年度までに実施された職域プロジェクト等の
成果の活用方針、方法等
過去の職域プロジェクトにより、
ゲーム分野に関するカリキュラムを構築した。
これを活用してゲーム制作、CG 制作部分を学習ユニット化し、短期講座プログ
ラムを開発し実証する。
4
第1章
本事業の概要
(3) 前年度までの取組概要・成果と本事業との継続性
(平成23年度事業)
■取組概要
平成23年度は、IT 分野産学コンソーシアムの「ゲーム分野」として、5校、
6社が参加し取組を実施した。
・産学連携体制の手配(平成 24 年度より学校 15 校・企業 10 社程度)を実施。
・産学連携イベント GCS2012 を実施(平成 22 年度から開始した)。
・ゲーム標準カリキュラムの検討(平成 22 年度まで実施したものをベースとす
る)。
■事業成果
・平成 24 年度産学連携体制を企業14社、学校16校の参加が確定。
・産学連携イベント GCS2012 により業界の求める人材像を明確にし、今後進
めるための道筋を示した。
・平成 22 年度まで進めていたゲーム標準カリキュラムを現状のニーズに合わ
せたカリキュラムに改変した。
■24年度事業との継続性(成果の活用含む)
・産業界の求める人材像に近づけるため、ゲーム教育に関する検討を平成24
年度プロジェクトにて引き続き推進しゲーム標準カリキュラムの精度を高め、
学校が行う「教育ユニット」と産学連携で行う「産学ユニット」を検討構築す
る。
・産学連携イベトンゲームキャンプ(共同 PBL)を新たに産学にて構築し育
成の新たな取り組みとする。
・産学連携イベント GCS2013 を引き続き実施する。
・当事業の趣旨に賛同する企業、学校をさらに増やし、次年度には産学連携組
織作りを実施する。
(平成24年度事業)
■取組概要
平成24年度は、IT分野産学コンソーシアムの職域プロジェクト「ゲーム分
野」として、企業14社・学校16校が参加し下記の取組を実施した。
・専門学校では多い 2 年制向けゲーム標準モデルカリキュラムを構築する。
・過去年度から実施している産学連携イベント GCS2013 を引き続き実施する
と共に、産学連携イベントゲームキャンプを実施し上位層の学生を更に伸ばせ
る仕組み作りを実施する。
5
第1章
本事業の概要
・産学連携を支える情報共有を推進する。
■事業成果
・専門学校ゲーム 2 年制課程のアンケート結果を参考にゲーム標準カリキュラ
ム(2 年制)を構築し、これをもとにゲーム基礎教材を作成した。これにより「学
習ユニット」「産学ユニット」の基礎を構築した。
・全国の専門学校間のレベルを理解する場として平成23年度に企画した産学
連携イベントゲームキャンプを初めて実施した。また産学連携イベント
GCS2013 も継続して実施した。これらイベントを通してゲーム企業からの評
価を受ける場を積極的に設け、ゲーム教育にフィードバックする仕組みを構築
した。
・産学における情報交換の手段としてコミュニケーションサイト(学生ゲーム
作品投稿サイト)を活用した。
■平成25年度事業との継続性(成果の活用含む)
・産業界の求める人材像に近づけるため、ゲーム教育に関する検討を平成25
年度プロジェクトにて引き続き推進しゲーム標準カリキュラムの精度を高め、
さらにゲーム教材の充実をはかる。
・産学連携イベントゲームキャンプ(共同 PBL)、産学連携イベント GCS2014
を引き続き実施する。
・産学連携を活かす一環として、ゲーム企業講師による教員研修を企画実施す
る。
・当事業の趣旨に賛同する企業、学校をさらに増やし、次年度は産学連携団体
設立を目指す。
(平成25年度事業)
■取組概要
平成25年度は、さらに産学連携の拡大を目指した結果、17社、19校(専
門学校16、大学1、高校2)が当事業に参加することができた。昨年度の取
り組みを継続して行い、産学連携の仕組みを定着化させ強化することを目指す。
■事業成果
・昨年度からの標準モデルカリキュラムを土台にして、学校間の単位制互換や
社会人向けキャリア段位制度を考慮した学習ユニット積上げ方式を構築した。
また、引き続きゲーム応用教材を作成した。
・ゲームキャンプ、学生作品評価イベント GCS2014 を実施し、ゲーム企業か
6
第1章
本事業の概要
らの評価の場を提供した。
・ゲーム企業講師による教員研修を実施した。
・ゲーム企業 842 社、ゲーム学校 146 校の基本情報を収集リスト化しホーム
ページに公開し、情報提供を行った。
・当事業の参加企業・学校からの参加にて「日本クリエイター育成協会」を設
立、産学連携組織を構築した。
■本年度事業との継続性(成果の活用含む)
・平成25年度までに構築したゲーム教育の標準モデルカリキュラムを活用し、
当事業では特にゲーム分野・CG 分野を学習ユニット積み上げ方式にして、地
域版学び直し教育プログラムを開発し実証講座を行う。
・職業実践専門課程を意識した全国教育課程編成委員会、教育育成講座の体系
化、産学連携イベントの継続実施をすると共に充実を図る。
・クリエイター分野における第三者評価指標の構築。
7
第1章
本事業の概要
(4) 事業の成果目標
期待される活動指標(アウトプット)・成果目標及び成果実績(アウトカム)
○期待される活動指標(アウトプット)
・学習ユニット教材、および達成度評価指標の作成
・実証講座の受入数、
○期待される成果実績(アウトカム)
・ゲーム企業に対する実証講座の有効性調査
・講座実施後のアンケートによるゲーム業界へのキャリアパス理解度
8
第1章
本事業の概要
1.2 実施計画
(5) 事業の実施内容(※本事業の運用方針及び基本方針等を踏まえ具体的な取組
内容を記載すること)
① 会議(目的、体制、開催回数等)
■体制・目的
職域プロジェクト全体: 地域人材をゲーム業界に転向させる方法論を検討
する。
学習ユニット開発 WG: 学習ユニット教材、達成度評価指標の内容を検証
する。
学習ユニット評価 WG: 実証講座後の結果を精査して有効性を検証しまと
める。
■開催回数
2 回(8 月、2 月)
② 調査等(目的、対象、規模、手法、実施方法等)
※前年度以前の調査・取組等を踏まえ、さらに調査等が必要な場合に記載するこ
と。
■講座生へのアンケート調査
目的: 実証講座受講生に対しキャリア意識の変化を調査する。
対象、規模: 実証講座に参加した受講生全員
手法: 受講前・受講後にアンケート調査
実施方法: 受講生の受講前イメージと受講後のイメージを総体的に比較し、
業界の仕事に対する正しいイメージをつけさせる。受講後のキャ
リアパスイメージを明確にして業界就職に向けたスキルアップ
出来る様に指導する。
9
第1章
本事業の概要
③ モデルカリキュラム基準、達成度評価、教材等作成(目的、規模、実施体制
等)
■学習ユニット教材の開発
目的: 離職者を含めた社会人を対象に標準モデルカリキュラムの一部をユ
ニット化し、カリキュラム、教材、および達成度評価を作成する。
規模
: 120 時間相当の講座を想定したテキストを作成
実施方法: ②の調査結果等を踏まえ、委員会委員に執筆を依頼
■企業・業界団体等における位置付け・評価
目的
: 実証講座に対するゲーム企業の位置づけを検討し評価手法を作
成する。
規模
: 日本クリエイター育成協会からのスキル証明や履修証明書等の
発行
実施方法: ゲーム企業により実証講座修了生に対し ABC など基準を設け
評価する。
④ 実証等(目的、対象、規模、時期、手法、実施方法等)
■初級ゲーム実証講座、初級 CG 実証講座の実施
目的
: 過去の事業で構築した標準モデルカリキュラムのグラフィック
部分をユニット化する。首都圏は一番ゲーム企業が多い地域であ
り、ゲーム企業へのキャリア転向も他県より身近であるため2回
実施する。
対象、規模: 受講者数 40 人(20 人 2 回)
首都圏における離職者を含む社会人、大学・専門学校卒業生
時期
: 12 月を目途に実施、1回あたり15日間(3 週間、1 日 6 時間)
手法
: ハローワーク・若者仕事館と連携し、離職者向けリーフレット
を設置、広く新聞広告や WEB 上での告知を行い講座受講の募集
を行う。
実施方法: 日本クリエイター育成協会ゲーム企業からの講師派遣による実
証講座の実施
10
第1章
本事業の概要
⑤ 今年度までの取組成果のとりまとめ等
■事業成果報告書(事業の実施内容及び分析結果)の公開、関係機関への配布
規模: ホームページ公開、報告書送付 300 冊
手法: PDF によるホームページ公開、関係教育機関約 100 校・企業等約
200 社へ郵送配布
■成果報告会の実施
IT分野(ゲーム・CG)産学官コンソーシアムの協同による成果報告会に
て発表を行う。
(6) 事業成果及び事業終了後の方針(成果の活用、継続性、発展性 等)
(事業成果物)
① 事業成果報告書(100 頁、300 部)
・地域版学び直しゲームデザイナー用の学習ユニット(カリキュラム・教材・
達成度評価)
・実証講座結果の取りまとめ、地域版学び直しプログラムの課題・問題点の洗
い出し
(成果の活用等)
①事業成果の周知のため HP での公開、関係教育機関 100 校、関係企業等 200 社
へ郵送配布
②社会人向け短期プログラムとして提供予定(1 教科分 120 時間)
③実施校及び連携校の平成27年度正規課程への短期プログラム科目認定制度導
入予定。
③上記正規課程の教材として使用するほか、社会人向け短期プログラム化し、企
業・業界団体等における活用・評価を実施
④日本クリエイター育成協会による短期プログラム履修者に対する継続的な履修
証明の発行
11
第1章
本事業の概要
(7) 「女性の学び直し」に対応した取組内容等
(事業実施体制、プログラム構成、環境配慮等、女性の学び直しに対応する取組
内容等)
特になし。
(当初の事業計画と実際の実施報告)
「第 1 章 本事業の概要」は、今後の文科省委託事業では目指すべき活動を知
ってもらう意味も含め、この第 1 章にて当初の事業計画書を紹介した。
12
第1章
本事業の概要
(参考: プロジェクト体制図)
職域プロジェクト体制図 (ゲーム・CG 分野コンソーシアムに参画)
職域プロジェクト(地域版学び直し:離職者、専門学校生・大学生に適用)
○専門学校・ゲーム企業とのコーディネート
・各WGの進捗把握、情報共有。
・各WGの実施した内容の結果をとりまとめて評価し、コンソーシアムにフィード
バックする。
・平成 25 年度まで設計してきたゲーム教育ユニットの一部を社会人の学び直しに
適応できるかを検討し講座を実施する。その後講座実施の効果を測定し実施内容の
改善を検討する。
・CG分野がゲーム系の開発を多く手掛けている状況からゲーム系のCGデザイナ
ーを社会人の学び直しに適応出来るか検討する。
学習ユニット開発 WG
○ゲームカリキュラムを初級 CG デザイナー向け教材にユニット化する。
・社会人向けの短期教育プログラムの開発(ユニット化)を構築する。
・業界の具体的イメージができるようゲーム職種に関するキャリアパスを検討す
る。
・ユニット化した教材を用いて実証講座を実施する。
・実証講座の結果をとりまとめ、全国的な標準カリキュラム(コンソーシアム)
にフィードバックする。
学習ユニット評価WG
○ユニット化した教材で学習した後、学習者の社会的評価の確立を検討する。
・修得したスキルの評価項目、評価手法を検討する。
・日本クリエイター育成協会等、業界団体による履修証明書の活用を検討する。
・専門学校に再入学した際、履修単位として正規課程上の位置付けを検討する。
・ゲーム企業にアンケートを行い実証講座の有効性を調査する。
13
第1章
本事業の概要
今回は、専門学校生向けの基礎系カリキュラムを社会人向けにユニット化して
の下記の2つの実証講座を実施する。
・ゲーム実証講座
・CG 実証講座
実証講座を受講した社会人の中から希望により、クリエイターキャンプ等への
参加を促す。
14
第1章
本事業の概要
第2章
調査
15
第1章
本事業の概要
2.1 ゲーム CG 企業の状況
昨年度(平成25年度)の文科省委託事業にてゲーム CG 企業 842 社、ゲーム学
校 146 校をリスト化し、ホームページに公開し情報提供を行った。下記にゲーム
CG 企業一覧のホームページを掲載する。
■ゲーム CG 企業URL:
http://company.growing-creators.jp/
16
第1章
本事業の概要
ゲーム CG 企業一覧サイトは、現在「日本クリエイター育成協会」のURLに移行し公
開している。また以下のとおり、ゲーム学校一覧も下記のURLに移行して公開して
いる。
■ゲーム学校一覧URL: http://school.growing-creators.jp/
17
第1章
本事業の概要
(1) ゲーム・CG 系企業分布
ゲーム CG 企業一覧ホームページ検索絞り込み機能により、
各都道府県のゲーム
CG 系企業の分布を調査することとした。当ホームページで日本全てのゲーム CG
企業を掲載している訳ではないが、ピックアップしたほとんどが東京に集中して
おり、約8割程度を占めていることが分かる。
日本におけるゲーム CG 産業を俯瞰すると、首都圏(東京)を中心に、北海道圏
(札幌)
、近畿圏(大阪・京都・兵庫)、北九州圏(福岡)の3つが衛星圏として
存在している状況である。日本クリエイター育成協会のゲーム CG 系企業も、衛星
圏、首都圏に支店や取引先をもち連携しながら仕事を進めているところも多い。
※絞込可能な項目は下記となっている。それぞれAND検索であり、項目をクリックす
るごとに徐々に絞込を行う。
・業態、プラットフォーム、CG ツール
・地域
・フリーワード
18
第1章
本事業の概要
ゲーム CG 企業を地域分類した円グラフを掲載する。首都圏と近畿圏で、日本の
ゲーム CG 企業のほとんどを占めている。
また、国内ばかりでなくフィリピンなど労働力の安いアジア圏に、CG 等作業の
一部を依頼する取引先を持っているゲーム CG 企業もある。今後は、これら海外地
域と連携した動きも多くなってくると考えられる。
19
第1章
本事業の概要
(2) ゲーム・CG 系企業の動向
今回、ゲーム CG 企業一覧をメンテナンスした。ゲーム企業の動向は変化が激し
く、再度一覧を精査した結果、統廃合になった企業があった。また、ゲーム系企
業では、統廃合のほとんどが東京圏(27)であり、東京圏の企業における流動性
の高さを示している。
各系
ゲーム系企業
CG 系企業
サウンド系
状態
廃止、HP 閉鎖
企業数
各系割合
26
4.5%
合併
4
0.7%
廃止、HP 閉鎖
5
1.4%
合併
1
0.3%
廃止、HP 閉鎖
1
5.9%
平成 24 年経済センサス活動調査(確報)産業横断的集計(存続・親切・廃業別
集計編)日本における各産業の廃業率を参考にすると、ゲーム系が含まれる情報
通信産業の 2.1%となっている。これに比較してみると、ゲーム系企業の廃止率
4.5%であり、やや高めであることが分かる。
20
第1章
本事業の概要
逆に CG 系企業は、廃止率が 1.4%であり低い率で収まっている。ここ数年の動
向として、3DCG を含めた CG 系分野のニーズが高まっているかもしれない。
(3) 人材流動性に対する当事業の役割
上記(1)、(2)からゲーム CG 産業は、東京集中でやや企業の統廃合が多いという
ことが分かった。ゲーム CG 業界においては、プラットフォームや技術などの変遷
が激しいことが、特に中小において企業流動性(統廃合)が高い理由ではないか
と思われる。これに伴い求められる人材も、その時々により変遷することが容易
に想象できる。特に、首都圏においてこの流動性を支えているものが、東京の人
口の多さ、多様な人材だと考えられる。
将来的に日本のゲーム CG 産業全体の発展のためには、
首都圏集中型産業から地
方への分散型産業への移行は必須だと考えられる。一時期の情報処理産業でもあ
ったオフショア傾向
(首都圏から地方を飛ばして海外へ仕事が流れてしまう動き)
が、ゲーム CG 産業でも本格化し固定する前に、ある程度の地方分散化は必要かと
思われる。
以上のように、ゲーム CG 発展のためには、地方においてもその産業特性(技術
的変遷)
から人材流動性を十分確保しなければならないと言える。
そのためには、
新卒採用だけでなく中途採用の間口を広く構え人材流動性を確保することが重要
であり、以下の2点のスキームを考える必要がある。
・首都圏以外の衛星圏をさらに発展させる。
・中途採用の可能性を高めるためゲーム CG 教育の機会を提供する。
① 首都圏以外の衛星圏をさらに発展させる。
首都圏および北海道圏、近畿圏、北九州圏の衛星圏は、ゲーム CG に関連する専
門学校数が多く、新卒からの人材排出機能を担っていると考えられる。
21
第1章
本事業の概要
北九州圏でゲーム CG の産業が成り立っていることを考えると、
この専門学校一
覧のみからではあるが、東海圏(愛知・静岡)、山陽圏(広島・岡山)あたりも、
ゲーム CG 系企業が発展する余地があると思われる。
もちろん、人材を受け入れる企業がその圏内に存在する必要があり、福岡の例
を見てみても、株式会社レベルファイブ等ビックゲームタイトルを抱えた企業が
存在している。しかしながら鶏と卵ではないが、
「鶏」は企業誘致政策など他省庁
に任せるにしても、当事業としては「卵」である人材育成に焦点を当てた活動を
していくことが重要である。
日本クリエイター育成協会は、衛星圏に地盤を持つ学校があり、これを軸にし
てゲーム CG 産業を下支えする役割を担うことができる。日本クリエイター育成協
会の活動を通して、企業と学校の繋がりが深まることで、優秀な学生が企業へ流
入しやすくなる環境を提供することが重要である。
22
第1章
本事業の概要
② 中途採用の可能性を高めるためゲーム CG 教育の機会を提供する。
ゲーム CG に関するスキル習得機会は、地方では新卒採用向けに専門学校がその
役割を担っている。
中途転職者に対しては職業訓練でもほとんどゲーム CG に関す
るスキル習得機会なく、ゲーム CG 開発系人材においては他業種からの職種転向は
難しいと言わざる得ない状況である。職業訓練の状況は「2.2職業訓練の状況」
で調査結果を記載する。
そのため今回の事業では、他業種からの職種転向に対して少しでも間口を広げ
るため、社会人向けにゲーム CG 系の講座を短期間であるが実施した。講座の詳細
は「第3章」に記載する。
23
第1章
本事業の概要
2.2 職業訓練の状況
2.2.1 職業訓練の概要
現在の日本における職業訓練は、主に以下の2つがある。雇用保険を受給して
いるか否かで2つに分けられており、いずれも受講料は無料となっている。
・公共職業訓練
雇用保険を受給中の方
・求職者支援訓練
雇用保険を受給できない方
※厚生労働省 HP:http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/safety_net/a3.html
(1) 公共職業訓練
厚生労働省のホームページによると、公共職業訓練とは下記の法律により実施
されている訓練である。
国及び都道府県は、離職者、在職者、及び学卒者に対する公共職業訓練を実施していま
す。
*国及び都道府県の責務:
「職業を転換しようとする労働者その他職業能力の開発及び向
上について特に援助を必要とする者に対する職業訓練の実施」
、
「事業主、事業主団体等
により行われる職業訓練の状況等にかんがみ必要とされる職業訓練の実施」に努めなけ
ればならない。 (職業能力開発促進法第 4 条 2 項)
公共職業訓練の平成24年度実施状況・就職率は下記のとおりである。
※厚生労働省 HP:http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/kousyoku/
24
第1章
本事業の概要
離職者訓練は、各都道府県のテクノスクール等で実施しているもの、民間に委
託して実施しているものに別れる。地方(都道府県)での離職者訓練では民間委
託が9割を占めており、就職率は7割前後となっている。
また過去の公共職業訓練の推移から、リーマン・ショック以降、国が不況によ
る離職者対策として公共職業訓練のあり方を劇的に変えたことが分かる。
(2) 求職者支援訓練
厚生労働省のホームページによると、求職者支援訓練とは下記のものを指す。
 求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方(※1)に対し、
1. (1)無料の職業訓練(求職者支援訓練)を実施し、
2. (2)本人収入、世帯収入及び資産要件等、一定の支給要件を満たす場合は、職業訓練の
受講を容易にするための給付金( 職業訓練受講給付金)を支給するとともに、
3. (3)ハローワークが中心となってきめ細やかな就職支援を実施することにより、安定し
た「就職」を実現するための制度です。
(※1 雇用保険の適用がなかった方、加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなか
った方、雇用保険の受給が終了した方、学卒未就職者や自営廃業者の方 等)
 求職者支援訓練の認定基準、給付金の支給要件や支給額等は、審議会での議論及び所
要の手続きを経て定められています。
(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支
援に関する法律施行規則(平成 23 年厚生労働省令第 93 号)
) [244KB]
25
第1章
本事業の概要
就職者支援訓練の推移、平成25年度実施状況・就職率は下記のとおりである。
求職者支援訓練 受講者推移
80000
H24年度, 72285
70000
60000
H25年度, 51941
50000
40000
H23年度, 36875
H24年度, 26256
30000
20000
H25年度, 22997
H23年度, 13883
10000
0
H23年度
H24年度
基礎
H25年度
実践
平成 25 年度に開講した求職者支援訓練の修了者等の就職状況(訓練終了3か月)
コース数
受講者
修了者
就職者数
就職率*1
*2
基礎
1,819
20,081
18,227
15,210
83.4%
59.8%
実践
3,540
42,984
39,575
33,351
84.2%
66.2%
*1:就職者数÷修了者
*2:就職者のうち雇用期間の定めがない就職者の割合
26
第1章
本事業の概要
2.2.2 職業訓練の内容
次に職業訓練(公共職業訓練、求職者支援訓練)の訓練内容を確認する。多く
の訓練が実施されているが、総じてゲーム CG 関連の訓練は、ほぼ存在しない。
各地域で実施されている職業訓練は地元就職が目的であり、地元にゲーム CG 企
業が存在しないところでは、ゲーム CG に関連する訓練がないのも当然である。
(しかしながら首都圏でもゲーム CG 関連の訓練は存在しない)
現状の職業訓練では、ゲーム CG 系業界への転職機会は提供されていないとい
える。
(1) 公共職業訓練の内容
平成25年度の東京都の公共職業訓練(主に IT 系、デザイン系)の一例を掲
載する。下記講座からも分かるわかるとおり、公共職業訓練の IT デザイン系に
おいては、プログラム、WEB、スマートフォンが主な内容となっている。
・Java プログラマー養成科
・Java プログラミング実践科
・Java・Web プログラミング科
・Java プログラミング・Android アプリ開発・基本情報科
・Android アプリ作成科
・iPhone アプリ開発科
・Java・C#・Android プログラミング科
・スマートフォンアプリ開発
・Web プログラミング実践科
・WEB クリエイター養成科
・WEB サイトクリエータ科
・Web サイト制作科
・Web サイトデザイン科
・IT キャリアエキスパート科
・ネットワーク管理・運用科
・ネットワーク管理者養成科
・ネットワークシステム実践科
・ネットワークシステム構築科
・ネットワーク・クラウドコンピューティング科
27
第1章
本事業の概要
同じコンピュータを使うという意味で、下記のように IT デザイン系とゲーム
CG 分野で必要なスキルは重なる部分があることは確かである。しかしながら、
ゲーム CG 制作は特異なスキルを必要とする部分もあり、上記講座ではゲーム CG
そのものを学ぶことはないと想像される。
・プログラミング言語(Java、Web 系スクリプト、C#)
・プラットフォーム開発(スマートフォン、Android、iPhone)
・WEB 系スキル(HTML, CSS)
・Illustrator、Photoshop などの画像処理ソフト
・ネットワーク系スキル
(2) 求職者職業訓練
平成26年度の東京都の求職者支援訓練の IT 分野・クリエート(企画・創作)
分野の内容の一部を掲載する。(求職者支援訓練認定コース情報検索:
http://nintei.jeed.or.jp/kyushokushien/search/)
下記講座からも分かるわかるとおり、求職者支援訓練の IT デザイン系において
も、プログラム、WEB、スマートフォン、DTP が主な内容となっている。また、
講座名は公共職業訓練よりバラエティーに富んでいる。
・DTPデザイナー養成科
・DTP・広告・グラフィックデザイン科
・Webマーケッター育成科
・ITネットワーク科
・電子書籍(E-PUB3.0)クリエイター科
・基礎から学ぶJavaとAndroidプログラミング科
・WEBクリエイター科
・WEBクリエイティブデザイン科
・Web&モバイル総合デザイン科
・Web制作スキルマスター科
・WEBサイトクリエイティブ科
・Androidプログラミング科
・ネットワーク構築科
・Androidアプリ開発科
・Java・基本情報・Web科
・PHP・Webプログラミング技術者養成科
28
第1章
本事業の概要
・基礎から学ぶWeb制作科
・Web総合マスター科
・Java・Webプログラミング科
・Web制作スキルマスター科
・Web&モバイル制作科
・Androidプログラマー養成科
・VBAプログラミング技術者養成科
・サーバ構築技術者養成科
29
第1章
本事業の概要
2.3 ゲームCG講座の意義
「2.2.2 職業訓練の内容」でみたとおり、各県で実施する職業訓練はハ
ローワークと直結しており、訓練の効果測定として就職率が求められる。特に、
各県で実施する以上、地元就職が前提となるであろう。そうなると、職業訓練の
内容は、必然的に地元に存在する業種・分野に合わせた内容が選択される傾向が
ある。
またそれ以前に、数か月の短期訓練で、免許の伴わない職種で、かつ主に座学
で実施できる訓練を前提とし、多くの業界・分野で就職できる可能性を高めるこ
とを考えると、どうしても業界分野横断的な職種(事務、営業など)となり、
「2.
2.2 職業訓練の内容」で掲げた訓練内容とならざるを得ないという実情も伺
える。(コンピュータ技術者も、WEB 系などよほど専門的でなければ、現在で
はどの業界分野でも必要とされる職種となりつつある。)
(1) ゲーム CG 講座の目的
今回の「ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム開発実証」
(職域
プロジェクト)は、根本的に厚生労働省の行う職業訓練とは決定的に異なる点が
ある。
それは就職を目的としていない点である。あくまでこの講座は、専門学校が培
っている教育ノウハウを使って、社会人向けの学び直しプログラムを提供し、ス
キルを高めるという点である。ある意味、地元および就職率に縛られない前提で
講座を実施することが可能となる。今回は東京で開催したので問題にはならない
が、地方で開催して東京にて就職するという地域に縛られない講座を実施するこ
とも可能である。
今回の文科省会議では、講座内容について企業からどういう位置付けで講座を
実施するのか明確にする必要があると指摘された。企画では3週間であったので、
この期間だけ学んでゲーム CG 分野への転職は、かなり難しいという指摘である。
以上により、今回の講座は「ゲーム CG 分野へ転職のきっかけとする講座」とする
こととした。できれば、この講座をきっかけとして可能性のある方が、さらに学
び直しのため専門学校に入学して、本格的にゲーム CG 業界への道を進むことがで
きれば、この講座も目的も達成されたと考えられるのではないか。
・地域の特性に縛られない講座
・ゲーム CG 業界への転職のきっかけとする講座
30
第1章
本事業の概要
(2) ゲーム CG 講座の展開
次年度以降、再度、この事業を実施することがあれば、首都圏ばかりでなく、
衛星圏(札幌、大阪、福岡)に加え、東海圏(愛知・静岡)、山陽圏(広島・岡山)
でも実施することが考えられる。ゲーム CG の専門学校を卒業し、地元にて別業界
で働いている数の多さを考えると、再度、この種の講座を受けて再びゲーム CG
業界に転職したいと考える層が多いと想像されるからである。この講座を継続す
ることで人材流動性が増し、地方にもゲーム CG 企業が根付きやすい環境を作って
いくことがこの事業の重要な点であると思われる。
次章の
「第3章 実証講座」では講座の実績と受講生のアンケートを掲載する。
実際に受講した方々が、どのような思いでこの講座を受講したのか、またこの講
座は就職率以外の成果を何に求めるのか、実際に受講した方々の状況を観察する
ことで、今後の展開を考えていく必要がある。
31
第3章
実証講座
第3章
実証講座
32
第3章
実証講座
3.1 講座概要
今回の文科省委託事業「ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム開
発実証」では、ゲーム CG 業界の発展のため人材流動性を下支えする目的で、主に
社会人向けにゲーム CG 講座実施を企画した。
3.1.1 企画検討
(1) 講座検討
文科省委託事業の打合せにおいて、今回の講座企画に対し企業側から下記のよ
うな多様な意見が出された。下記に「講座に対する意見」、
「募集方法に対する意
見」を掲載する。
【講座内容に対する意見】
・社会人向け講座であれば、働いている方も考慮すると「平日昼間3週間」の期
間設定は難しいのではないか?無職であれば参加可能だとは思うが、それ以外
(就
職していて転職を考えている方)は対象外なのか。
・学生などは時期的に授業があると考えられるが、将来的な進路について悩んで
いる学生、さらに実力をつけたい学生なども対象となるのではないか。
・社会経験があるとは言え、3週間で講座を学んで転職しすぐに実務に耐えられ
るとは考えられない。
・ゲーム CG 業界未経験者も対象とするなら、転職のきっかけ作りとしての講座
が妥当ではないか。きっかけ作りであれば、3週間でなくとも、数日(2~3日)
、
夜間実施など工夫の余地はあると思う。
・この講座を学んだ後に、職種転向を本気で考える方には、専門学校に入学して
本格的に学ぶ道もある。
【募集方法に対する意見】
・今回の講座が一般層向けではないので、新聞掲載による募集ではターゲットが
絞り切れないので、費用対効果はかなり低いと思われる。
・ターゲットとする層が閲覧しているネットのサイトに掲載すると良いのではな
いか。例えば、CG ワールドやファミ通など。
33
第3章
実証講座
・募集方法によって、応募する年齢層が変わってくると想定される。企業側とし
ては、転職の際には明確な年齢制限はないが、一般的にもより若い方が好まれる
傾向にある。
・費用はかかるが、ネットのプレスリリース・サイトを利用する手もあると思う。
・SNS(Face Book や Twitter)なども利用すると若者向けにはよいと思う。
・東京都のハローワークにチラシを作って設置してもらう予定とのことだが、無
職者を対象とするには良いが、
ゲーム CG 希望というニッチ層を捕まえられるかは
未知数だと思われる。
上記(1)の企業側の意見を参考に、
今回の講座は下記の方針で実施することとし
た。
・CG 系、プログラム系の2つの講座を実施する。
・期間は、12月の3週間(平日昼間)とする。
・対象は、ゲーム CG 業界に興味のある方。ゲーム CG 分野へ興味をもってもら
うきっかけとする講座とする。
・受講条件として、講座内容の前提である基本的技術を持っていること。
-
CG 系講座: Illustrator、Photoshop 基本操作可
-
プログラム系講座: 何かしらのプログラミング経験あり
・募集方法は、
「日本クリエイター育成協会および CG ワールドのサイトに掲載」、
「東京都のハローワーク数か所にチラシ設置」とする。
34
第3章
実証講座
(2) 募集講座
具体的な講座内容は、日本クリエイター育成協会のホームページに掲載したの
で、下記にその講座案内ページを示す。
--以下[日本クリエイター育成協会ホームページより抜粋]-------------------日本クリエイター育成協会では、ゲーム制作に関する下記の講座を開講いたしま
す。
講座の受講条件を備えていれば、どなたでも応募可能です。ゲーム制作に興味の
ある方、将来的にゲーム業界に就職・転職したいと考えている社会人や学生、未
就職の方は、是非、ご応募下さい。
下記の 2 講座は、平成 26 年度 文部科学省委託事業「成長分野等における中核的
専門人材養成等の戦略的推進」事業、
「ゲーム・CG 分野における学び直しプログ
ラム開発実証」の一環として、早稲田文理専門学校が主幹となり実施します。
■クリエイター講座【ゲーム制作講座】
会場
TKP 渋谷会議室
日程
平成 26 年 12 月 1 日(月)~12 月 19 日(金)※土日は除く
時間
10:00~17:00 ※変更になる場合があります。
参加費
受講料無料 ※別途テキスト代等(4,000 円程度)が必要
募集定員
20 名程度
受講条件
・プログラム経験が多少ある方 ※個人的な趣味等での経験も可能
・応募者多数の場合は、企業による受講者選定をする場合があります。
■クリエイター講座【CG 制作講座】
会場
早稲田文理専門学校
日程
平成 26 年 12 月 1 日(月)~12 月 19 日(金)※土日は除く
時間
10:00~17:00 ※変更になる場合があります。
参加費
受講料無料 ※別途テキスト代等(4,000 円程度)が必要
募集定員
20 名程度
受講条件
・Illustrator や Photoshop の経験が多少ある方 ※個人的な趣味等での経験も可能
・応募者多数の場合は、企業による受講者選定をする場合があります。
35
第3章
実証講座
文科省委託事業 協力企業及び 当協会 協力支援企業
【企業】 19 社(順不同)
ツェナネットワークス株式会社(東京)
日本マイクロソフト株式会社(東京)
株式会社ソニー・コンピュータエンタテイメント(東京)
株式会社スマイルブーム(札幌)
株式会社カプコン(大阪)
グリー株式会社(東京)
株式会社フロム・ソフトウェア(東京)
株式会社 fuzz(東京)
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社(札幌)
株式会社ランド・ホー(東京)
株式会社トライクレッシェンド(東京)
株式会社 ブービートラップ(大阪)
株式会社ヘキサドライブ(大阪)
株式会社アール・インフィニティ(東京)
株式会社ボーンデジタル(東京)
株式会社モリパワー(新潟)
アドビ システムズ 株式会社(東京)
オートデスク株式会社(東京)
株式会社バンダイナムコスタジオ(東京)
--以上[日本クリエイター育成協会ホームページより抜粋]--------------------
36
第3章
実証講座
下記に東京都のハローワークに配布したチラシを掲載する。
【チラシ表】
37
第3章
実証講座
【チラシ裏】
38
第3章
実証講座
上記の講座募集により、クリエイター講座【CG 制作講座】が開講となり、ク
リエイター講座【ゲーム制作講座】は募集人数が少なく中止となった。
1つの講座が中止となったので、日程、期間を変えて下記のゲーム制作系の講
座を募集することとした。広報手段は、主に駅前のポスター掲示とした。
■第2回募集
2015/1/26 ~ 2015/1/28
5日
学校では教えてくれない本当のゲーム制作方法①
2015/1/26 ~ 2015/1/28
3日
まだ間に合うゲーム会社を受ける前に①
2015/1/29 ~ 2015/1/30
2日
学校では教えてくれない本当のゲーム制作方法②
2015/2/2 ~ 2015/2/4
3日
まだ間に合うゲーム会社を受ける前に②
2015/2/5 ~ 2015/2/6
2日
クリエイター育成講座【初心者向けゲーム開発講座】
■第3回募集
■第4回募集
執筆段階では、まだ上記講座は終了していなが、次年度以降への反省を踏まえ
て、文科省委託事業会議にて募集方法について企業側からヒアリングを行った。
・プログラム系は、もともと技術的素養がないと転職は難しいとおもわれるので、
IT 業界にターゲットを絞って募集することも良いのではないか。
・ゲーム制作講座というより、もっと広い技術的講座で募集したほうが良いので
はないか。例えば「アプリ講座」など。
・Google Adwords などインターネット有料の広告手段を使うのも一考すべきで
ある。
39
第3章
実証講座
3.1.2 実施状況
(1) 募集状況
予定通りの募集方法で受講生を集めた結果、下記の応募となった。
・クリエイター講座【ゲーム制作講座】
・クリエイター講座【CG 制作講座】
1名
22名
クリエイター講座【ゲーム制作講座】は、応募人数が1名のみだったので中止
とした。クリエイター講座【CG 制作講座】は最終的に16名で予定通り実施す
ることができた。
募集方法は、前述の通り下記の2つから行ったが、CG ワールドサイトの告知
からクリエイター講座【CG 制作講座】に応募した方がほとんどであった。クリ
エイター講座【CG 制作講座】の応募者数が多かったのは、ターゲット層に適
した募集方法が、結果的に CG ワールドサイトでの告知であったからだと考えら
れる。
・CG ワールドサイトで告知 ⇒ 日本クリエイター育成協会サイトで応募
・東京都のハローワーク数カ所にチラシ設置
クリエイター講座【ゲーム制作講座】は1名のみ応募であったが、これがゲー
ムプログラマのニーズがないとう事ではないと思われる。クリエイター講座【ゲ
ーム制作講座】の応募はかなり少なかったのは、ターゲット層に適さなかった募
集方法だったとも考えられる。
文科省の会議にて、例えば下記のような「ファミキャリ」求人サイトなど、プ
ログラマ向きのサイトに掲載する意見もでたが、今回実現はできなかった。どの
ような募集方法が効果的か、今後、試行錯誤する必要がある。次回以降は、今回
の結果を参考に募集方法を十分に検討し選択したい。
40
第3章
実証講座
■「ファミキャリ」求人サイト
41
第3章
実証講座
(2) 実施状況
クリエイター講座【CG 制作講座】は下記の通り予定通り実施した。
クリエイター講座【CG 制作講座】
・場所: 早稲田文理専門学校
・期間: 平成 26 年 12 月 1 日~平成 26 年 12 月 19 日
・時間: 10 時~17 時
・参加人数: 16 名
・使用ソフト: Maya
・講師: 株式会社ボーンデジタル 村田 智洋
株式会社ボーンデジタル 細見 龍一
下記に、講座実施時の写真を掲載する。
■講座開始にあたっての挨拶
初日に、委員長から受講生の方に対し、今回の講座の開催経緯(文科省委託事
業の一環として実施)
、講座の目的等を説明した。
42
第3章
実証講座
■使用機材パソコンは、最新の iMac(OS は windows8)を使用した。
■使用ソフトは、Maya を使い 3DCG の概要から使用方法までを学習した。
43
第3章
実証講座
■講師2名で講座を実施し、遅れが出た方を随時フォローする体制をとった。
■受講生へのフォロー、操作に馴れるように十分な制作時間を確保
44
第3章
実証講座
■講座でのモデリングの様子
■講座の全体の様子、プロジェクターを使用して説明
45
第3章
実証講座
クリエイター講座【プログラム講座】は中止となってしまったが、5日間コースで想定
していたプログラム系の社会人講座の一部資料を掲載する。
(3日目~4日目の資料は割愛)
46
第3章
実証講座
3.2 カリキュラム
昨年度の文科省委託事業において、ゲーム CG 系のモデルカリキュラムについ
て検討した。企画書にもある通り、今回の講座は、これを社会人向けに適用して
講座を実施している。下記に昨年のモデルカリキュラムを示し、今回の講座の位
置づけを確認する。
3.2.1. カリキュラム・ユニット
(1) プログラム系カリキュラム
今回の講座は、下記モデルカリキュラムの【2年次スキル】の一部を切り出し
て基礎的なカリキュラムとして企画した。
(実際は受講生が集まらず未開講)
3D プログラミング
プラットフォーム別開発
・XNA、DS、携帯など
カリキュラムモデルの科目系レイアウト
イベント
後期
海
旅
エンタテインメント
卒業制作
M
S
スキル
知識・技術
IT系知識
・開発マネジメント論
・ITストラテジ論
・企業法務論
インターンシップ
4年
前期
T
G
S
就
職
活
国 動
試
国
試
3年
ゲーム理論
・AIシミュレーション
・物理シミュレーション
基本情報
試験対策
3Dプログラミング
プラットフォーム別開発
・XNA、DS、携帯など
進級制作
M
S
後期
ゲーム職種別スキル
・DB、NW、ネットワークプログラム、システムプロ
グラム、Web管理など
ゲームコンテスト制作
T
G
S
前期
後期
M
S
前期
U
2
0
IT系スキル実習
・DB、NW
・セキュリティ
就職系科目
・業界研究
・一般常識
・英会話など
専
門
基本情報
試験対策
各種フォーマットプロ
グム技法
ゲームコンテスト制作
構造化プログラム
・オブジェクト指向
(C#、Java)、UML
・デザインパターン
3Dプログラミング
プラットフォーム別開発
・XNA、DS、携帯など
進級制作
応
用
2年
T
G
S
3DCGツール
アニメーション
ゲームコンテスト制作
ゲームプログラム基礎
・ゲームアルゴリズム、
WindowsAPI、DirectX
進級制作
後期
国
試
1年
前期
ゲーム理論基礎
・ゲーム数学
・ゲーム物理
ゲームグラフィック基
礎、CG概論
Linux基礎
基
礎
基本情報 試験対策
情報リテラシー
・Office操作、企画技法
・プレゼンテーション技法
【基本情報午後】プログラミング一般
・C言語基礎プログラミング
・アルゴリズム
【基本情報午前】コンピュータ知識
・コンピュータ基礎
・標準化と経営
・データベース、ネットワーク
赤枠は、学校教育ユニットを示す。1 年から 4 年までの
ユニットに分かれている。
青枠は、産学連携ユニットを示す。1 年から 4 年までの
ユニットに分かれている。
47
第3章
実証講座
クリエイター講座【ゲーム制作講座】の予定時間数は90時間(6時間×15
日)である。これは、2年前期の「3D プログラミング30時間」
、2年後期の
「プラットフォーム開発60時間」と同じ時間数となっている。
年間スケジュール
カテゴリ名
科目
1年
2年
3年
4年
合計
コード
プレゼンテーション
Office操作
企画技法
ヒューマンスキル
ゲームコンテスト制作
ゲームコンテスト制作
コンピュータ基礎
プログラミング一般
コンピュータ知識
ゲーム基礎
ゲームプログラム
ゲームグラフィック
オブジェクト指向プログラミング
構造化プログラミング
ゲーム数学・物理
OS環境
ゲーム応用
プラットフォーム開発
3Dプログラミング
各種フォーマット技法
ゲーム理論
ゲーム職種別スキル
システムプログラマ
開発環境制作エンジニア
サーバプログラマ
Webプログラマ
IT知識応用
テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
進級卒業制作
ジュニア進級制作
レギュラー進級制作
シニア進級政策
就職課題作品制作
インターンシップ
インターンシップ
就職対策
業界研究
一般常識
英語
OE1
OE101 OE102 OE103 GE1
GE101 IS1 or IK1
IS101 IK101 GS1 or GK1
GS101 GS102 GK101 GK102 GK103 GK104 GS2 or GK2
GS201 GS202 GK201 GK202 GS3
GS301 GS302 GS303 GS304 IK2
IK201 IK202 IK203 OS1
OS101 OS102 OS103 OS104 OS2
OS201 OK1
OK101 OK102 -
コース名
01
02
03
01
02
01
前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期
Word実習
10
Excel実習
10
PowerPoint実習
10
プレゼンテーション実習
10
企画実習
30
コミュニケーション・ネゴシエーション・リーダシップ
10
01 ゲームコンテスト制作A
02 ゲームコンテスト制作B
03 ゲームコンテスト制作C
30
10
10
10
10
90
10
30
300
330
01
02
01
02
03
04
C言語基礎プログラミング
アルゴリズム
コンピュータ基礎
標準化と経営
データベース
ネットワーク
120
80
80
30
30
30
01
02
01
02
01
02
03
01
05
01
01
ゲームアルゴリズム基礎
Windowsプログラミング
ゲームグラフィック基礎
3DCG
Java基礎プログラミング
C++基礎プログラミング
C#基礎プログラミング
オブジェクト指向、UML
デザインパターン入門
ゲーム数学・物理基礎
Linux
30
01
02
03
01
02
01
01
02
XNA Game Studio開発
ニンテンドーDS開発
携帯電話ゲーム開発
DirectX基礎
3Dプログラミング
フォーマット知識とプログラミング
ゲームAI理論
物理シミュレーション
01
01
01
01
システムプログラミング
開発環境制作プログラミング
サーバプログラミング
Webプログラミング
120
80
80
30
30
30
60
120
60
90
120
60
30
60
60
30
30
30
30
30
30
60
60
30
30
30
30
30
60
120
120
80
90
60
120
1年次進級制作
2年次進級制作
3年次進級制作
卒業制作
01
02
01
02
OK103 - 01
- 02
120
240
20
20
20
20
20
20
150
60
60
60
150
(450)
0
0
60
60
60
01 インターンシップ
02 早期研修
(80)
就職のための業界研究
講演会
ビジネススキル
簿記
英会話Ⅰ
コンピュータ英語
48
30
10
10
20
30
30
20
10
450
450
450
450
450
450
50
30
30
450
30
30
30
30
30
30
30
60
300
80
120
60
90
60
120
60
01 技術要素テクノロジ実習
01 プロジェクトマネジメント概論
01 システム戦略・経営戦略概論
01
01
01
01
300
300
330
300
450
30
90
30
3600
第3章
実証講座
(2) CG 系カリキュラム
今回の講座は、下記モデルカリキュラムの【1年次スキル】の一部を切り出し
て基礎的なカリキュラムとして実施した。
3D グラフィック基礎
カリキュラムモデルの科目系レイアウト CG系
イベント
後期
エンタテインメント
卒業制作
M
S
海
旅
スキル
知識・技術
IT系知識
・開発マネジメント論
・ITストラテジ論
・企業法務論
インターンシップ
4年
T
G
S
就
職
活
動
前期
ゲーム職種別スキル
・モデリング、テクスチャ、モーションなど
ゲームコンテスト制作
デッサン実習
就職系科目
・業界研究
・一般常識
・英会話など
専
門
3Dグラフィック応用
進級制作
M
S
後期
2Dグラフィック応用
3年
T
G
S
前期
デッサン実習
ゲームコンテスト制作
3Dグラフィック応用
後期
M
S
前期
U
2
0
グラフィック理論
・DTP概論
・映像理論
応
用
プログラミング一般
・プログラミング基礎
・アルゴリズム など
進級制作
2Dグラフィック応用
2年
デッサン実習
T
G
S
ゲームコンテスト制作
進級制作
3Dグラフィック基礎
CG概論、デザイン概
論
コンピュータ知識
後期
検
定
1年
前期
CG検定、色彩士検定
試験対策
情報リテラシー
・Office操作、企画技法
・プレゼンテーション技法
2Dグラフィック基礎
・Photoshop、Illustratorなど
基
礎
デッサン実習
赤枠は、学校教育ユニットを示す。1 年から 4 年までの
ユニットに分かれている。
青枠は、産学連携ユニットを示す。1 年から 4 年までの
ユニットに分かれている。
クリエイター講座【CG 制作講座】の予定時間数は90時間(6時間×15日)
である。これは、1年前期の「3D グラフィック基礎」モデリング基礎60時間、
マテリアル基礎50時間、
モーション基礎50時間の初歩的な部分を再構成して、
90時間にして実施したものである。
49
第3章
実証講座
年間スケジュール
カテゴリ名
科目
1年
2年
3年
4年
合計
コード
プレゼンテーション
Office操作
企画技法
ヒューマンスキル
ゲームコンテスト制作
ゲームコンテスト制作
コンピュータ基礎
プログラミング一般
コンピュータ知識
グラフィック基礎
グラフィック知識
デッサン
ゲームグラフィック基礎
2Dグラフィック
3Dグラフィック
ゲームグラフィック応用
2Dグラフィック応用
3Dグラフィック応用
グラフィック理論
ゲーム職種別スキル
モーションデザイナ
テクスチャデザイナ
モーションデザイナ
エフェクトデザイナ
メニューデザイナ
IT知識応用
テクノロジ系
マネジメント系
ストラテジ系
進級卒業制作
ジュニア進級制作
レギュラー進級制作
シニア進級政策
就職課題作品制作
インターンシップ
インターンシップ
就職対策
業界研究
一般常識
英語
OE1
OE101 OE102 OE103 GE1
GE101 IS1 or IK1
IS101 IK101 IS201 -
コース名
01
02
03
01
02
01
前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期
Word実習
10
Excel実習
10
PowerPoint実習
10
プレゼンテーション実習
10
企画実習
30
コミュニケーション・ネゴシエーション・リーダシップ
10
01 ゲームコンテスト制作A
02 ゲームコンテスト制作B
03 ゲームコンテスト制作C
30
300
300
300
330
300
330
01 C言語基礎プログラミング
02 アルゴリズム
01 コンピュータ基礎
01 デザイン概論
02 CG概論
IS202 - 01 デッサン実習
GS1 or GK1
GS101 - 01 Photoshop基礎
- 02 Illustrator基礎
GS102 - 01 モデリング基礎
02 マテリアル基礎
03 モーション基礎
GS2 or GK2
GS201 - 01 キャラクターデザイン
- 02 背景デザイン
GS202 - 01 モデリング応用
- 02 マテリアル応用
- 03 モーション応用
GK202 - 01 DTP概論
- 02 映像理論
GS3
GS301 - 01 モデルデザイン
GS302 - 01 テクスチャデザイン
GS303 - 01 モーションデザイン
GS304 - 01 エフェクトデザイン
GS305 - 01 メニューデザイン
IK2
IK201 - 01 技術要素テクノロジ実習
IK202 - 02 プロジェクトマネジメント概論
IK203 - 03 システム戦略・経営戦略概論
OS1
OS101 - 01 1年次進級制作
OS102 - 01 2年次進級制作
OS103 - 01 3年次進級制作
OS104 - 01 卒業制作
OS2
OS201 - 01 インターンシップ
- 02 早期研修
OK1
OK101 - 01 就職のための業界研究
- 02 講演会
OK102 - 01 ビジネススキル
OK103 - 01 英会話Ⅰ
- 02 コンピュータ英語
30
10
10
10
10
90
10
30
30
30
60
60
60
60
50
50
30
30
20
30
30
60
60
60
50
0
30
60
180
60
60
60
60
60
120
120
120
110
110
30
30
60
60
60
30
30
30
30
30
30
20
30
20
20
90
80
120
110
110
30
30
120
120
240
20
20
20
20
20
20
150
90
90
90
150
30
30
90
90
90
80
80
0
30
10
10
20
10
60
450
450
450
450
450
450
30
450
450
30
30
30
30
30
30
30
30
30
30
20
60
30
3600
参考までに、モデルカリキュラムで設計した下記の3つの科目のシラバスを次
頁に掲載する。
・モデリング基礎 60時間
・マテリアル基礎 50時間
・モーション基礎 50時間
50
第3章
実証講座
カテゴリ:サブカテゴリ
ゲームグラフィック基礎: 3Dグラフィック
科目コード:科目名
GS102-01: モデリング基礎
概要
3Dモデリングに関する基礎を学ぶ
開講時期:総時間数
1年前期(60時間)、1年後期(60時間)
教材
e-Learning教材
副教材
参考図書: 3ds maxの教科書
受講条件
・デザイン概論、CG概論を理解していること。
学習目標
・3DCGの基本概念を理解する。
・簡単な3Dモデリングができるようになる。
授業計画
第1章 インターフェース基礎
第1回・3ds maxのインターフェース解説
第2回・ロボットの作成
インターフェース課題
第2章 モデリング基礎
第1回・座標系と基点
第2回・ティーセットの作成 ~その1~
第3回・ティーセットの作成 ~その2~
モデリング課題
第3章 ポリゴンモデリング基礎
第1回・ポリゴンモデリング基礎 ~その1~
第2回・ペンギンの作成 ~その1~
第3回・ペンギンの作成 ~その2~
ポリゴンモデリング課題
第4章 ポリゴンモデリング実践Ⅰ
第1回・ポリゴンモデリング基礎 ~その2~
第2回・車の作成 ~その1~
第3回・車の作成 ~その2~
ポリゴンモデリング課題
第5章 パッチモデリング基礎
第1回・サーフェスツール基礎
第2回・懐中時計の作成 ~その1~
第3回・懐中時計の作成 ~その2~
パッチモデリング課題
第6章 ポリゴンモデリング実践Ⅱ
第1回・人体の作成 ~その1~
第2回・人体の作成 ~その2~
第3回・人体の作成 ~その3~
ポリゴンモデリング課題
評価方法
・期末テストの得点、確認テストの得点と授業態度、出席率などから評価する。
・作成したモデリングは、各トピックごとに課題を出すので必ず提出すること。
履修上の注意事項
・実習はパソコンを使用するため、各マシンに3ds max8以上の環境を整えておくこと。
51
第3章
実証講座
カテゴリ:サブカテゴリ
ゲームグラフィック基礎: 3Dグラフィック
科目コード:科目名
GS102-02: マテリアル基礎
概要
3DCGのマテリアル(質感設定)・テクスチャに関する基礎を学ぶ
開講時期:総時間数
1年前期(50時間)、1年後期(60時間)
教材
e-Learning教材
副教材
参考図書: 3ds maxの教科書
受講条件
・デザイン概論、CG概論を理解していること。
学習目標
・3DCGの基本概念を理解する。
・簡単なマテリアル設定・テクスチャ設定ができるようになる。
授業計画
第1章 マテリアル基礎
第1回・マテリアル基礎
第2回・マテリアル設定基礎 ~その1~
第3回・マテリアル設定基礎 ~その2~
マテリアル課題
第2章 マッピング基礎
第1回・テクスチャ制作基礎
第2回・テクスチャの設定
第3回・ティーセットの質感設定
マッピング課題
第3章 マテリアル&マッピング実践Ⅰ
第1回・ペンギンのテクスチャ作成
第2回・車のテクスチャ作成
第3回・UVWアンラップによるマッピング基礎
第4回・テクスチャレンダリング基礎
マテリアル&マッピング課題
第4章 マテリアル&マッピング実践Ⅱ
第1回・懐中時計のテクスチャ設定 ~その1~
第2回・懐中時計のテクスチャ設定 ~その2~
第3回・人体のテクスチャ設定 ~その1~
第4回・人体のテクスチャ設定 ~その2~
マテリアル&マッピング課題
第5章 ライティング
第1回・ライティング設定基礎
第2回・3点照明でのライティング
第3回・室内のライティングと屋外のライティング
ライティング課題
評価方法
・期末テストの得点、確認テストの得点と授業態度、出席率などから評価する。
・作成したテクスチャ及び作成したモデルは、各トピックごとに課題を出すので必ず提出すること。
履修上の注意事項
・実習はパソコンを使用するため、各マシンに3ds max8以上の環境を整えておくこと。
52
第3章
実証講座
カテゴリ:サブカテゴリ
ゲームグラフィック基礎: 3Dグラフィック
科目コード:科目名
GS102-03: モーション基礎
概要
3Dアニメーションに関する基礎を学ぶ
開講時期:総時間数
1年前期(50時間)、1年後期(60時間)
教材
e-Learning教材
副教材
参考図書: 3ds maxの教科書
受講条件
・デザイン概論、CG概論を理解していること。
学習目標
・3DCGの基本概念を理解する。
・簡単な3Dアニメーションができるようになる。
授業計画
第1章 アニメーション基礎Ⅰ
第1回・モーション制作の基本ツール
第2回・キーフレームアニメーション
第3回・フライングロゴの作成
アニメーション課題
第2章 カメラ設定
第1回・カメラ設定の基礎
第2回・基本的なカメラの構図
第3回・被写界深度
第4回・モーションブラー
カメラ設定課題
第3章 アニメーション基礎Ⅱ
第1回・基点の修正とリンク設定
第2回・パスアニメーション
第3回・カメラのアニメーション
アニメーション課題
第4章 ボーン設定
第1回・ボーン設定基礎
第2回・キャラクターリグの設定
第3回・ボーンによるキャラクターセットアップ
第4回・スキンモディファイアの設定
ボーン設定課題
第5章 アニメーション実践
第1回・歩行アニメーション ~その1~
第2回・歩行アニメーション ~その2~
第3回・モーファーによるフェイシャルアニメーション ~その1~
第4回・モーファーによるフェイシャルアニメーション ~その2~
アニメーション課題
評価方法
・期末テストの得点、確認テストの得点と授業態度、出席率などから評価する。
・作成したモーションは、各トピックごとに課題を出すので必ず提出すること。
履修上の注意事項
・実習はパソコンを使用するため、各マシンに3ds max8以上の環境を整えておくこと。
53
第3章
実証講座
3.2.2. 講座カリキュラム
前述の「3.2.1.カリキュラム・ユニット (2) CG 系カリキュラム」の一
部を活用して、今回の社会人向けのクリエイター講座【CG 制作講座】カリキュ
ラムを構築した。
カテゴリ:サブカテゴリ
グラフィック基礎:3D グラフィック
科目名
Maya による 3DCG 基礎
概要
Maya ソフトを使用して、3DCG の概念を理解し
基本操作を修得する。
総時間数
90 時間
教材:副教材
Autodesk Maya トレーニングブック3
受講条件
Illustrator や Photoshop の経験が多少ある方
※個人的な趣味等での経験も可能
学習目標
3DCG の概要や用語を理解し、Maya の基本操作を学ぶ。
モデリング、マテリアル、モーションを学習して、最終的に 3DCG アニメーシ
ョンを作成することができる。
カリキュラム
01
6H
基本及び全般機能の紹介
下記の概念と基本操作について概要を理解する。
・モデリング、マテリアル、アニメーション、レンダリング
02
6H
モデリング基礎
ポリゴンモデリング、カーブモデリング
マテリアル応用
03
18H
モデリング実践
課題を与えモデリングを完成させる。
04
6H
アニメーション基礎
キーフレームアニメーション、カーブエディタ
歩行アニメーションの作り方
05
Mudbox トレーニング
6H
54
第3章
実証講座
基本操作
スカルプティング、ペイント
Maya との連携
06
18H
アニメーション実践
課題を与えアニメーションを完成させる。
07
24H
作品制作
テーマを与え各自アニメーションを制作する。
08
6H
作品制作発表及び総評
制作した作品を発表、各自相互評価、講師からの総評
(1) 使用ソフト
今回の講座で使用した 3D ソフトは、Maya である。Maya は数年前まで 3D ソ
フトのなかでは高価な部類であったが、最近ライセンス体系が変わり以前より手
軽に活用できるようになった。特に、アカデミックライセンスでは学生は無料で
使用可能となり、今後、専門学校にも普及することが考えられる。
Maya ライセンス価格 http://www.autodesk.co.jp/products/maya/overview
日本クリエイター機能限定版の Maya LT が発売され、また期間限定ライセン
スが新設されるなど、用途に応じた使い方が可能である。
55
第3章
実証講座
Maya LT ライセンス価格 http://www.autodesk.co.jp/products/maya-lt/buy
また講座では Mudbox を使い、最近の傾向であるモデリング補助ツールを使っ
た制作工程も学んだ。
・MudBox
http://www.autodesk.co.jp/adsk/servlet/pc/index?id=14944035&siteID=1169823
3D デジタル スカルプティングおよびデジタル ペインティングソフトウ
ェア Autodesk® Mudbox™ を使用すると、そのまま制作で使用できる 3D
デジタルアートワークを作成できます。
ゲーム開発、ビジュアル エフェクト、ポストプロダクション、プロダク
ト デザインの各業界で活躍するプロのアーティスト向けに設計された
Mudbox は、直感的なユーザインタフェースとステンシルやブラシなどの強
力なクリエイティブ ツールセットを搭載しています。強力な機能セットと
高パフォーマンスの環境で、非常にリアルな 3D キャラクタ、魅力的な環境、
詳細なプロップ、説得力のあるコンセプト デザインを短時間で作成できま
す。
56
第3章
実証講座
(2) 前提について
今回の講座の前提として、Illustrator、Photoshop を使用した経験のある方と
している。Maya はもちろん 3DCG 未経験でも構わないこととした。
前述の「3.2.1.カリキュラム・ユニット (2) CG 系カリキュラム」でも、
2D ソフトである Illustrator、Photoshop の経験が前提となっており、これを踏
襲した形となっている。
実際に応募した方は、そのほとんどが、Illustrator、Photoshop 経験者であっ
た。一部、映像系業界で働いていた方で AfterEffect 経験者がいた。
(3) 受講生作品
今回の講座の最後4日間で、テーマ制作および発表・総評を行った。次ページ
以降に受講生が制作した作品を何点か掲載する。実際の作品はアニメーションで
あるが、紙面の都合上、動画のスナップショット画像を掲載する。
テーマ: ボール、階段、ドミノ倒しを使ったアニメーションを制作する。そ
の他に関する要素、表現は自由とする。
テーマ制作の作品をみると、今回の受講生のほとんどが作品を最後まで制作で
きていたようである。テーマ制作は、細かな動作の指示まではないので、各々の
個性が出る作品となっているが、Maya の基本的な操作は理解していると思われ
る。最終日の発表では、他者の作品を見て評価しあうことでお互いに刺激があっ
たようだ。
57
第3章
実証講座
【受講生 A】
【受講生 B】
58
第3章
実証講座
【受講生 C】
【受講生 D】
59
第3章
実証講座
【受講生 E】
【受講生 F】
60
第3章
実証講座
3.2.3. 達成度評価指標
「3.2.1.カリキュラム・ユニット」、「3.2.2.講座カリキュラム」
でモデルカリキュラムから今回の講座カリキュラムの構築、実際の受講生作品を
紹介した。最後に、講座修了後には受講生評価が必要になる。今回の文科省委託
事業の会議を通して、下記の達成度評価指標を考察した。
カリキュラムモデル
評価指標
切り出し・再編成
適用
社会向人向け講座
■達成度評価の内容
下記の資料により、「受講生の達成度を評価」し、「評価を日本クリエイター
育成協会が保証する」形式とした。これら資料は、職業訓練で使用されている資
料を参考にしている。
・研修評価シート
・・・ 達成度評価表
・修了証
・・・ 履修証明書
■達成度評価の目的
達成度評価指標と履修証明書により、日本クリエイター育成協会が受講生の技
能レベルを証明することで、
「専門学校に2年次・3年次に途中編入する際の単位
認定(科目認定)
」や「業界企業への転職の際のスキル証明で活用する」ことを想
定する。
専門学校編入・転職
達成度評価指標
学校・企業
61
第3章
実証講座
■達成度評価表
講座で学んだ詳細を一覧にし、自己評価と講師評価(協会評価)を記載して達
成度を評価した表を渡す。
研修評価シート
研修参加者氏名 (氏 名)
東京 太郎
上記の者の研修期間における達成度(当協会としての評価)は、以下のとおりですので、今後のキャリア形成の
参考にしてください。
平成26年12月19日
研修実施企業 (評価責任者氏名・印)
(代表者氏名・代表者印)
日本クリエイター育成協会
会長 佐野 浩章
Ⅰ 企業研修概要
期 間
区分
2014年12月1日
~
2014年12月19日
研 修 内 容
Mayaによる3DCG基礎(90時間)
・Mayaソフトを使用して、3DCGの概念を理解し基本操作を修得する。
Ⅱ 職務遂行のための基本的能力 (「職務遂行のための基準」ごとに、該当する欄に○を記載)
A:常にできている B:大体できている C:努力が必要 「評価を行わなかった」場合は/(斜線)で欄を消す。
自己評価
協会評価
職 務 遂 行 の た め の 基 準
能力ユニット
A B C A B C
3DCG概念
モデリング機能
アニメーション機能
補助ツール
総合理解
(1)
3DCGの概要について理解している。
(2)
3DCGの専門用語を理解している。
(3)
3DCGの用途、必要とする業界を理解している。
(1)
モデリングの工程を理解している。
(2)
ポリゴンモデリング、カーブモデリングを理解している。
(3)
マテリアル、レンダリングを理解している。
(4)
物体モデリングを自力で制作することができる。
(1)
アニメーションの工程を理解している。
(2)
キーフレームアニメーションを理解している。
(3)
カーブエディタを理解している。
(4)
ボーンによるキャラクター操作を理解している。
(5)
歩行アニメーションを自力で制作することができる。
(1)
Mudboxの概要を理解している。
(2)
スカルプティング、ペイントを理解し操作することができる。
(3)
Mayaとの連携方法を理解している。
(1) テーマに沿ったアニメーションを構想し工程手順を考えることができる。
(2)
テーマに沿ったアニメーションを自力で制作することができる。
(総評・コメント)
62
第3章
実証講座
■履修証明書
日本クリエイター育成協会が受講生の技能を証明するため、講座を修了した受
講生には下記の修了証を渡す。
修了証書
東 京 太 郎
昭和 62 年 1 月 1 日生
本協会が実施する下記の講座を修了
したことを証する。
講座名:Maya による 3DCG 基礎(90 時間)
Maya ソフトを使用して、3DCG の概念を理解し基本操作
を修得する。
平成 26 年 12 月19 日
日本クリエイター育成協会
会長
佐野 浩章
63
第3章
実証講座
3.3 講座実施評価
講座終了後、受講生にアンケートの協力をお願いした。アンケートは下記の2
種類を用意した。
・講座運営に関するアンケート(チェック式:定量的アンケート)
・講座に関する意識調査(記述式:定性的アンケート)
3.3.1.受講生アンケート
まずは、今回使用したアンケート用紙2種類を掲載し、その後にそれぞれの集
計結果をまとめたものを記載する。
■講座運営に関するアンケート用紙
【調査項目】は、下記のとおりである。
問1 あなたのことについてお伺いします。
・性別、年齢
問2 あなたが受講した当講座の内容を振り返ってみて、次の質問に答えて下さ
い。
① 講座の難易度
② 講師の教え方
③ 改善が必要な事項と理由
問3 講座全体を振り返って、次の項目について、あなたの考え意見を答えて下
さい。
① 希望する職種に活用できる基本的な能力が習得できた。
② 実務につながる専門的な技能・知識が習得できた。
③ 受講の仲間がいて心の支えになった。
④ 全体として満足のできる内容だった。
問4 今回受講した講座は、全体としてあなたの就職に役立つと思いますか。
・上記3,4と回答された方にお伺いします。それは何故でしょうか。理
由を記入して下さい。
実際のアンケート用紙を示す。(次頁のアンケートは記載例である。)
64
第3章
実証講座
平成26年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業 ゲーム・CG分野における東京版学び直しプログラム開発実証
講座実施調査
文科省委託事業の関連講座を受講した皆様に、文科省委託事業の成果報告で利用する目的で状況調査を
実施します。この調査は無記名となっています。お答え頂いた内容については、上記以外の目的では使用しま
せん。さらに、この回答により個人の評価に影響を及ぼすことは一切ありません。
以上を踏まえて、当調査のご協力お願い致します。
【対象講座】
講座名
クリエイター講座(CG制作講座)
実施期間
平成26年12月1日(月)~12月19日(金)
実施機関名
早稲田文理専門学校
担当者
副校長 丸山一彦
連絡先
03-5960-2611
【調査項目】
問1 あなたのことについてお伺いします。
性別
1.男
2.女
年齢
53 歳 問2 あなたが受講した当講座の内容を振り返ってみて、次の質問に答えて下さい。
項目
回答
① 講座の難易度
1.難しかった
2.適切だった
3.やさしかった
② 講師の教え方
1.大変分かりやすい
2.適切だった
3.分かりにくかった
③ 改善が必要な事項と
その理由
講座募集時にもう少し内容が分かる資料が見たかった。
問3 講座全体を振り返って、次の項目について、あなたの考え意見を答えて下さい。
項目/回答
あてはまる どちらでもない あてはまらない
①希望する職種に活用できる基本的な能力が習得できた。
3
2
1
②実務につながる専門的な技能・知識が習得できた。
3
2
1
③受講の仲間がいて心の支えになった。
3
2
1
④全体として満足のできる内容だった。
3
2
1
問4 今回受講した講座は、全体としてあなたの就職に役立つと思いますか。
1.大変役立つ
2.役に立つ
3.役立たない
4.全く役に立たない
上記3,4と回答された方にお伺いします。それは何故でしょうか。理由を記入して下さい。
ゲームCG業界について詳しくないので良くわからないが、業界就職するには更に技術力を身につける必要があると思うから。また業界
で働いた経験も必要だと思う。
65
第3章
実証講座
■講座に関する意識調査用紙
受講アンケート調査
今回、クリエイター講座をご受講頂きありがとうございます。次年度も文部科学省委
託事業の活動として、同様な講座を開催する予定です。
つきましては、皆さんのご意見をお聞かせ頂き、今後の講座運営に役立てたいと考
えております。どのような些細なことでも結構ですので具体的に書いて頂けると助かり
ます。是非ご協力お願いします。
Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故ですか?
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
Q5.実際に、この受講していかがですか?
ご協力ありがとうございました。
学校法人早稲田文理専門学校 副校長 丸山 一彦
※当アンケートで取得したお客様の個人情報は厳正に管理いたします。
66
第3章
実証講座
(1) 講座運営に関するアンケート結果(チェック式:定量的アンケート)
問1 あなたのことについてお伺いします。(性別・年齢)
性別
人数
性別
年齢
男
12
男
20
女
4
男
23
男
24
女
26
男
29
女
29
女
30
男
30
男
31
男
31
男
33
女
35
男
36
男
39
男
48
男
52
年齢分布
20 ~ 24
25 ~ 29
30 ~ 34
35 ~ 39
40以上
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1 1 1
1
⇐ 年齢は適度に分散している。
※上記のアンケート以外に、応募者リストから居住地の分布を掲載する。
居住県
人数
埼玉
7
東京都
5
神奈川
2
千葉
1
愛知
1
合計
近県、特に埼玉県からの応募者が多かった。
次回開催する場合は、告知の際の参考にしたい。
16
67
第3章
実証講座
問2 あなたが受講した当講座の内容を振り返ってみて、次の質問に答えて下さ
い。
① 講座の難易度
・受講の前提条件を備えている方がほとんどだったので、難易度が「適切」
の回答が多い。事前の告知が適切であったといえる。
② 講師の教え方
・講師への評価は高かった。現場経験者ということと、2人体制で望んだ
のが高評価の要因だと思われる。
68
第3章
実証講座
③ 改善が必要な事項と理由
・簡単なマニュアルがあった方が進みやすいと思いました。
・マニュアルは必要かと思いました。
・各自の紹介がなかったので、すこし一体感を感じられませんでした。
・個々の技術レベルにかなり差があった。本当の初心者、ほぼ初心者~
熟練者の様な人もいた。
・少しスピードが早くついていけない所があった。自主時間を少し短く
しても、もっとゆっくり教えてほしいと思う事は何度かあった。
・受講する人によって事前知識があるかないかで差がでるので、物足り
ない人もいるだろうと思いました。
・他の人と会話する機会が特になかったので、簡単なグループ制作があ
ってもいいかもしれない。
・内容につきましては特にありません。
・特に不満はないが、当講座は 3DCG に関して初心者を主に対象として
いることもあり、補助の方がもう一人いらっしゃると、もう少しスム
ーズに進んだかと思います。
・学校等ですでに経験している人との差が大きかった。
・もう少し期間が欲しい。
69
第3章
実証講座
問3 講座全体を振り返って、次の項目について、あなたの考え意見を答えて下
さい。
① 希望する職種に活用できる基本的な能力が習得できた。
・ほとんどの方が、基本的な操作は習得したと実感している。
② 実務につながる専門的な技能・知識が習得できた。
・高評価であるが、「すぐに実務で使えることはないという認識を持ちつ
つ、次のステップのきっかけになった」という意識がヒアリング結果から
も想象できる。
70
第3章
実証講座
③ 受講の仲間がいて心の支えになった。
・講座では、特に受講生間で交流を深める取り組みはなかった。しかしな
がら、同じ目標を持つ仲間がいるという意識があれば習得率も高まるかも
しれない。次回以降の検討材料である。
④ 全体として満足のできる内容だった。
・全体としては、受講生の全てが満足している。講座の趣旨を理解し、そ
れぞれが十分この講座から得るものがあったと思われる。
71
第3章
実証講座
問4 今回受講した講座は、全体としてあなたの就職に役立つと思いますか。
受講生ほとんどが、今後の就職活動に役立つと感じている。ただし、問
3の②と同じく「次のステップへの第一歩を踏み出せた」という意識も持
っている。
■上記3・4(役立たない・全く役立たない)と回答された方にお伺いし
ます。それは何故でしょうか。理由を記入して下さい。
※3・4の回答はなかったが、あえて感想を記載していたので掲載する。
・ゲーム制作に参加できた事
・基本的な習得ができた。
・実務にまで使える内容ではなかった。
・無料なのが助かった。
・仕事の時間調整などをして講座を受けているので、自習時間が多いのは
少しイラつく部分がある。自分で手を動かさなければ上達しないとは分
かっているが、限られた時間の中で受講しているため、とにかく技を詰
め込みたかった。でも無料講座のレベルでは考えられない位、たくさん
勉強になったので満足です。
・ソフトの習得時間を大幅に短縮できた。
・講師の現場の声を聞けたのも大変良かった。
72
第3章
実証講座
(2) 講座に関する意識調査(記述式:定性的アンケート)
受講生の心情を把握するため、文章回答による定性的アンケートを実施したの
で回答内容を掲載する。このアンケートは、Q1~Q5まで意味的に連続してい
るので、何名かそれぞれ掲載する。
このアンケート結果から下記の人物像が浮かび上がる。
・将来的な職種の備えとして、前から3DCGに興味をもっていた。
・今まで身近に適切(費用、内容、期間)な講座がないと感じていた。
・基礎的な講座だと理解しており、講座には満足している。
・将来的に CG 系職種を目指す際に、良いきっかけとすることができた。
--【受講生A】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・Maya の基本的な操作はできるものの、一部のツールの使用方法やアニメーショ
ンの作り方が分からなかったことがあり、独学だけでは苦しいと思っていたため
受講しました。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドの定期購入時に登録したメルマガで募集があったので応募しまし
た。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・すぐに決めました。3DCG関連の仕事に就きたく、もっと技術を磨いておき
たかったこともあり、迷わずすぐに応募しました。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・企業の方が講師をすると聞き、就職へのヒントを少しでも聞けないかと思いま
した。CG講座についてはもともと探していたこともあり、折角の良い機会だと
想って受講しました。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・自身が専門学校で学びきれていなかったものも学べたので、全体的によかった
73
第3章
実証講座
と思います。ただ欲を言えば基本操作だけでなく、応用的なものも、もう少し見
たかったと思っています。
--【受講生B】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・時間関しては 10 時~17 時とぎっしりだったので、仕事ができなくなるという
ことで悩みました。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・メールマガジン。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・やはり時間の都合で決めかねていました。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・ちょうど転職活動をしていて、
3Dソフトが使えれば有利だと思っていたから。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・難しかったけど知りたかった事を知ることができ、
色々な話を聞けて良かった。
--【受講生C】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・CGを以前からやっていたものの独学での限界を感じており、今回のセミナー
に参加。将来、不動産業を行う予定であり、CG制作のスキルUPを考えていた
ため。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドの記事
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・はい。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・自身の将来展望の中で必要と考えていたスキルだったため。
74
第3章
実証講座
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・実際の作業において非常に参考になりました。
--【受講生D】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・全日制学校などで学ぶには仕事を減らし費用も高いため難しい。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドの広告
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・3週間、朝から夕方まで使うので仕事との調整。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・無料。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・大変満足した。特に3週目のゲーム制作に参加できたこと。
--【受講生E】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・転職活動中なので、とにかく自分のスキル向上について悩んでいました。3D
CG系の学校は学費も高いし、独学ではなかなか分からない所が多いので、やり
たいが難しいと思っていました。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールド。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・無料とあったのですぐに決めました。3週間も 10 時~17 時までやるので仕事
とのかねあいは悩みました。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
75
第3章
実証講座
・無料であること。10 時~17 時までなので、たくさんのことを学べるだろうと思
いました。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・想象よりハイレベルでした。少しだけ Max をやった事があったので、なんとか
ついていけましたが、全く3Dソフトを触った事がなかったら、ついていけない
と思いました。でも質問もしやすく、先生方が優しかったので良かったです。欲
を言えば、制作の時間をもう少し短くし、もっとソフトの使用方法や技を教わり
たかったです。でもソフトに馴れることが出来て良かった。
--【受講生F】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・講座内容についていけるか不安でした。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドの WEB サイト。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・平日会社勤務があるので難しいかもしれないと思った。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・イラストレーターやフォトショップを多少使える人でも受講できる点と新しい
ソフトの使い方を覚えたいと思ったからです。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・最初は内容についていけるか不安でしたが、それなりに扱いになれると楽しん
で作業できました。ありがとうございました。
--【受講生G】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・映像系の就職先を探しています。特に3Dの需要が多くなってきているので、
その知識不足に対する不安がありました。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG-JOBS ホームページの広告バナー。
76
第3章
実証講座
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・決めました。でもプログラミングの講座と迷いました。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・3週間である程度基礎がつくかと思いました。無料講習、社会人向け。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・3週間、しっかりツールを使うことができてとても良かった。アニメーション
を作るにはちょっと時間が足りない気がする。3週間で覚える基本操作としては
十分に活用できた。現場で活躍している人が教えてくれるので、とても貴重だっ
たと思う。
--【受講生H】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・学びたいことがあっても年齢や経済的な理由などから、諦めざる得ない状況が
あり悩んでいました。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・FaceBook で知りました。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・自宅が遠方なため多少迷いましたが、内容が私の学びたいことそのものでした
ので、すぐに受講を決めました。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・無料であることと社会人向けと銘打たれていること、そして講座の内容が独学
では難しい Maya であることが決めてとなりました。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・講師の方の教え方が丁寧で、1人1人の実力に合わせて教えて下さるので、と
ても分かりやすかったです。今後もこのような機会があれば、ぜひ参加させてい
ただきたいです。
77
第3章
実証講座
--【受講生I】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・3DCGの勉強を始めたのは良いが、何から手を付ければよいか分からず、悩
み、取り敢えずオンラインで公開されているチュートリアルに取り掛かったもの
の、余り理解が進まなかったこと。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドのカンファレンスの参加のため、CG ワールドの HP を見た際に知っ
た。
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・すぐに受講を決めた。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・講座内容が自分に合っていると感じたため。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・Q1 で書いた悩みを解決する一歩になったと感じ、また現場で実際に働いている
講師から技術的な事だけでなく業界の話も聞くことができて、とても有意義だっ
た。
--【受講生J】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・年齢的、ブランクが有り悩んでいた。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドの HP
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・すぐに決めた。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・3DCG の制作に興味を持ったのと、講座を知ったタイミングが良かったから。
78
第3章
実証講座
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・ここまで熱心に教えてもらえるとは思わなかったので、大変ありがたく想って
おります。自分が CG の中でも一番興味のあるものを見つけられたと思います。あ
とは自分次第ですので、本当に受講して良かったです。
--【受講生K】---------------------------------------------------------Q1.今回の講座を受講する前に、どんなことで悩んでいましたか。
・Maya を学ぶのに独学では厳しいと思っていた。
Q2.何がきっかけで、この講座を知りましたか?
・CG ワールドのサイト
Q3.この講座を知ってすぐに受講を決めましたか?しなかったとしたら何故で
すか?
・知ってすぐに決めた。
Q4.何が決め手となって、この講座を受講しましたか?
・3DCG に関わる仕事の足がかりにしたいのと、Maya 初心者なので習得の足がかり
にしたかった。
Q5.実際に、この受講していかがですか?
・集中的に基礎が学べて良かった。クリエイターキャンプに参加せきたのも良い
経験になった。
79
第3章
実証講座
(3) 受講生ヒアリング調査
全員ではないが、受講生の細かな意識も調査するため、1人1人直接ヒアリン
グを行い生の声を聞くことにした。
回答としては、「(2) 講座に関する意識調査の結果」を裏付ける内容とはなっ
ているが、講座受講の背景は多様であることが理解できた。特に、職種がアニメ
ーターで、将来的にゲーム業界に転向したいため3DCGを学ぼうと考えている
方が数名いたことが印象的である。2Dから3Dへスキルアップすることで、立
場や待遇などを向上させたいと考えているようであった。
最後の3名(受講生F、G、H)は、講座の最終週に関東ゲームキャンプに参
加した受講生である。ちょうど同時期に関東ゲームキャンプがあり、希望制でゲ
ームキャンプへの参加を促したところ3名の参加があった。この受講生には、関
東ゲームキャンプへの参加意識もヒアリングしている。
ゲームキャンプでは学生と混じってチーム編成をしたが、違和感なく自分の担
当をこなしゲーム制作に関わっていた。今回参加した3名はある程度、過去の経
験を生かしてかして2D系の担当をしていたようだが、それ以上に多々刺激・情
報を得ることができたとのことである。
(下記、
受講生A~Hは、
前述(2)の受講生A~Hと人物として対応していない。)
■受講生A
・地方のテレビ局の映像編集をしていた。
・現在は販売系の会社で働いている。有給&昼休みで夜働くことで講座に参加し
た。
・CG の経験はないが、ひと通り講座を受けてみて、これならやれるという自信に
なった。
・今回の講座項目にあったモーションに興味を持った。動くものを作ることに興
味がある。
・将来的に CG 系職種に興味があるが、今回の講座は就職につなげる意味で、きっ
かけとして役立った。
・同じような人がいて安心した。
・講師は2にメイン、アニメーション1人、助手2名で十分な体制で良かったと
思う。
80
第3章
実証講座
■受講生B
・CG を触ったことがなく難しかった。
・昨年、大学卒業後に先輩の紹介でアルバイト的にアシスタントとして働いてい
る。
・マンガやフィギュア原型などで、3DCG が使われ始めているので、他の業界でも
役立つと思った。
・講師の教え方は分かりやすかった。
・今回はほんとうに内容をかじった程度だと思う。
・職とするには、今後、自分で勉強するなり、専門学校に入り直すということが
必要だと思う。
・周りの人とは接触はあまりなく、1人もくもくと講座を受ける感じであった。
・全体としては、予想していたとおりの講座で満足している。
・就職前のワンステップのものとして役立った。
■受講生C
・講座の難易度は適切だった。
・現在、情報系大学でプログラミングを学び、
4年で IT 系企業に内定をしている。
・卒業研究も早めに終わり、12月は時間的余裕があったので参加した。
・大学3年の時に CG を使い興味を持ち、CG クリエイター検定も取得した。
・就職先は IT 系だが、今後自分で作品を作って、将来的に CG 業界の転職も考え
ている。
・講師は丁寧に教えてくれたと思う。
・基本的な部分を学べたのは良かった。過去には Blender を使っていて、Maya は
始めてである。
・周りの人とは時々話したり、作品を見せ合ったりした。
・全体としては大変満足している。
・自分で勉強するとなると大変なので、現場の方から直接教えて頂くことができ
たのは貴重だと思う。
・将来的な就職を考えても、最初の一歩として良い経験になった。
81
第3章
実証講座
■受講生D
・内容的には簡単だった。
・大学の時に Maya を使っていたし、3月までアニメーションの撮影現場にいて
AfterEffects を使っていた。
・現在30歳、就職活動中で、最新の Maya を学び直したいと思い受講した。
・色々なツールの認識を広げる、仕事で知っていたほうが良いと思う。
・時間があれば今後自分でやっていきたいと思う。
・講師はわかりやすくて非常に良かった。
・他の受講生との交流がまったくなかったので、グループ制作等あると良いので
はないか。
・今回の講座で自分がどの程度、
出来るのか力試しになったし自信につながった。
・当初の目的である、新しい Maya の機能についての基本的理解を得られることが
できたと思う。
・他の業界でも 3DCG は使われると思われるので、就職には役立ったと思う。
■受講生E
・10年以上前に CG を使ったことがある。現在、無職である。
・Maya は業界標準なので、以前から使ってみたいと思っていた。
・他の有料の社会講座など気にかけていたが、今回無料で Maya を学べるというこ
とで応募した。
・始めて Maya を使うのでついていくのがやっとだった。
・入門編としては、なんとかついていけたのでちょうど良いと思う。
・講師はとても分かりやすかった。サブ講師がとても役立った。
・現職の方が講師となり現場の話を聞けたので良かった。
・今回の講座で、基本的な機能を学べたので、今後自分なりに目指していくきっ
かけとなったと思う。
・今回の講座は入門編だと認識しているので、実際の実務で使えるようになるに
は、1年程度は必要だと思う。
・自分のことでいっぱいだったので、周りの人と話す機会はなかった。
82
第3章
実証講座
■受講生F
・グラフィック系専門学校を今年春に卒業。無職。
・専門学校では、Maya、PhotoShop、Illutrator、AfferEffect 等学んでいた。
・講座は難しくなかった。なんとかついていけた。
・何日か休んで分からなくなった時もちゃんとサポートしてもらい教えてもらっ
た。
・Maya の基本的な操作方法を学ぶことができたが、同時に現場の方の効率的な操
作方法も知ることができた。
・受講生同士でお互いに作品を見せ合い、少なからず他の人から学ぶことはあっ
た。
・講座内容としては充実していたと思う。もう少し高度な点も学びたかったが3
週間なので妥当な内容だと思う。
・専門学校では教えられなかった点が、今回学ぶことができた。
・専門学校では教科書にそって学んでいたが、今回、現場の方に1つ1つ教わっ
て良かったと思う。
・いきなり就職できるとは思わないが、今後自分で続けるきっかけになったと思
う。
○ゲームキャンプに参加した目的は?
・専門だけ学んだだけでは視野が狭くなるので、下記の点で視野を広げたい。
- プログラマ、プランナーと連携した仕事の進め方を体験できる。
- グループ制作を体験したことがなかった。
- コミュニケーション的に自信がなかったので、それを高めたい。
- 4日間で自分のしらないやり方を教えてもらうことができた。
○ゲームキャンプで担当した役割について
・Photoshop が使えるので、ゲーム画面の背景を担当した。
・ときどきモデリングを見させてもらっている。
83
第3章
実証講座
■受講生G
・現在2D アニメーターで、スキルアップのため 3DMaya を学ぶ別途スクールに通
っている。
・2D アニメーターの年収が低いため、3D 職種に転向したいと考えている。
- 1年目で年収 100 万、上がっても 200 万~300 万程度では。
- 年収の低さは海外の安い労働市場に引っ張られていると思う。
- 年収の低さは日本の 2D アニメーターのほとんど9割程度は個人事業主形態
が多いことも要因の一つ。
・3D 職種は会社員としての雇用形態が多いと思う。
・講師の教え方は大変わかりやすかった。
・また講師の方の現場の作品を見る機会もあり、大変ためになった。
・今回はチュートリアルなので実務にはつながらないと思う。また 3 週間では実
務までは無理だと思うが、きっかけにはなった。
・スクールでも学ぶことができない、ゲームという違う業界の 3D を学ぶことがで
きた。
・何より無料なのが良かった。スクールではゲームとは無関係なので、違う業界
のことを知ることができた。
○ゲームキャンプに参加した目的は?
・既にある程度の Maya 操作はできていたので、3 週間座学で受講するよりもゲー
ム制作で多くの情報を得ることができると思ったから。
○ゲームキャンプで担当した役割について
・自分の持つスキルを活かし、2D 担当となりチームに貢献できたと思う。
・ゲーム会社への転職でも、今回の作品をポートフォリオとして使うことができ
ると思う。
84
第3章
実証講座
■受講生H
・難易度的には、講座は適切な内容だった。
・Illustrator、Photoshop、AferEffect を使うことはできるので、Maya も十分理
解できた。
・講師は1つ1つ丁寧に進めてもらい分かりやすかったと思う。
・基礎的な講座であった。
・他の方との交流はあまりなかった。
・講座自体は満足できる。
○ゲームキャンプに参加した目的は?
・ゲーム CG 業界に進みたいと考えているので。
・色々な情報を得ることができたので、ゲームキャンプに参加して良かった。
○ゲームキャンプで担当した役割について
・2D グラフィックを担当しておりチームに貢献はできたと思う。
85
第3章
実証講座
3.3. 2.企業ヒアリング
(1) スキル調査
今回のクリエイター講座を受講した方に、スキル調査を実施した。このスキル
調査は、簡単な履歴書に近いもので、経歴、持っている資格、その他できること
を記載する。
スキル調査をした目的は、今回の講座を受講した方がどの程度、ゲーム CG 企業
への転職可能性があるのか、企業にヒアリング調査する際の参考資料とするため
である。企業側にこのスキル調査を見てもらい、意見を聞くためである。
【スキル調査】
あなたの職務経歴・資格・技能を記載して下さい。全て記載する必要はあり
ませんが、ゲーム・CG 関連だけでなく主要なものについて記載して下さい。
問5 主な職務経歴について記載して下さい。
問6 あなたが持っている主な資格について記載して下さい。
問7 あなたが持っている技能・技術、できること(特技)を記載して下さい。
次ページにスキル調査の記載例を書いた実際の用紙を掲載する。
86
第3章
実証講座
【スキル調査項目】
あなたの職務経歴・資格・技能を記載して下さい。全て記載する必要はありませんが、ゲーム・CG関連だけでな
く主要なものについて記載して下さい。
問5 主な職務経歴について記載して下さい。
就業時期
職務の中で学んだこと(知識・技術)、果たした役
割・貢献したこと
職務の内容
平成20年2月~平成22年10月 コールセンターのオペレータ
お客の立場にたって考え回答する重要性
(パソコンのQA対応)
4名のリーダとしてバックヤード的役割を担う
平成22年11月~平成24年10月 プログラマ
より効率よいプログラム手法を学んだ。
問6 あなたが持っている主な資格について記載して下さい。
取得年月
平成24年4月
名称
資格の内容
基本情報処理技術者試験
IT技術者として基本的素養があるか問う試験
問7 あなたが持っている技能・技術、できること(特技)を記載して下さい。
技能名
プログラミング
技能の範囲、レベル
仕事・職務での活用例
C言語、PHP、Java、
主にWebシステム開発でサーバ、クライアント
JavaScript、Jquery
開発で活用
パソコン自作
ディスクトップ型
自宅で使用するパソコンのほとんどは自作
Illastrator、Photoshop
中級レベル
ある程度の画像処理、DTPは可能
英会話
日常会話レベル
英語での打合せ、英語マニュアルを読む
次頁にスキル調査を実施した結果を掲載する。報告書に載せたくない情報は記
載しなくても良いこととしている。
87
第3章
実証講座
A さん(男・20 才)
■主な職務経歴
■持っている資格
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
AfferEffect
一部のエフェクト設定、動作編集
画像を使用した映像編集、映像へのエフェクト設
定
PhotoShop
中級レベル
ある程度の画像編集、テクスチャ作成
Autodesk
中級レベル
ある程度のモデリング、アニメーション、エフェ
クト作成
Blender
初級レベル
一部の流体表現、エフェクトなど
B さん(女・30 才)
転職活動中、3D ソフトが使えれば有利と考え受講。
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
3年
保育士補助
子どもに対する接し方、人間的な部分
3年
接客(施設)
礼儀的な部分
6年
接客(飲食)
礼儀的な部分、コミュニケーション力
半年
映像
撮影、プレミアでの編集技術、グラフィックデザ
イン
■持っている資格
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
フォトショップ
中くらい
イラストレーター
中くらい
プレミア
中くらい
AF
習得中
Maya
習得中
仕事・職務での活用例
88
第3章
実証講座
C さん(男・52 才)
CG を以前から独学で学習。将来不動産業を行う予定であり、CG 制作のスキル
UP をしたく受講。
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
1988~XX 販売
市場開拓、OEM 営業を担当し現在のデジタルア
営業職務
ーツ機器の開発開拓業務を担当
1998~XX 販売
営業管理業務
エリアマーケティングマネージメントを主に担当
2005~XX 販売
財務管理業務
JSOX 対応主管業務を担当
2010~現在に至る
マーケティング、市場開発職
世の中にない物を作ることに約 26 年間情熱を持
って想象してきました
■持っている資格
・宅地建物取扱主任、ファイナンシャルプランナ 2 級、カラーコディネータ 2 級
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
イラレ、フォトショップ
中級レベル
仕事・職務での活用例
D さん(男・30 才)
関東クリエイターキャンプに参加。
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
2008~2010
会社員
社会人心得、共同作業
2010
アニメーター
2D アニメ(手書き)制作
■持っている資格
・駐車監視員
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
パソコン自作
デスクトップ型
自宅用
フォトショップ、RETAS
中級レベル
映像制作
アフターエフェクト
89
第3章
実証講座
E さん(女・35 才)
■主な職務経歴
■持っている資格
■持っている技能・技術、できること(特技)
F さん(女・25 才)
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
H24 ~ H25/4
アニメ制作会社、制作進行
アニメーションの制作過程
H25/7 ~ H26 現
製作会社事務
事務処理
在
■持っている資格
・自動車運転免許証、栄養士免許証
■持っている技能・技術、できること(特技)
G さん(女・29 才)
映像系の就職先を探している。特に3D の需要が多くなってきているので受講。
■主な職務経歴
就職時期・期 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
間
H19/6 ~ H26/3
TV アニメーションの撮影
AfetEffect3(撮影用のツールの修得、画像修正・
合成)
■持っている資格
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
AfetEffect3
業務用(アニメ撮影)
CG 合成、エフェクト作成
簡易エクスプレッション使用
スクリプト制御による操作
90
第3章
実証講座
H さん(男・39 才)
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
‘94 ~ ‘98
警備員
関東地区のコンテストで受賞
’98 ~ ‘00
飲食業
衛生管理
2007 ~ 2014
社会的な活動
貧困、雇用、震災関連
■持っている資格
・自動車運転免許証
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
Illustrator,
実務レベル
チラシ・リーフレットの作成、会議資料、レタッ
Photoshop
HTML, CSS
チ、アルバム作成
HPC 作成
基礎レベル
I さん(男・24 才)
現在、大学4年生。就職先は SE 会社に内定している。将来的に職種転向も考え
ており受講。
■主な職務経歴
■持っている資格
・基本情報処理技術者試験、CG クリエイタ検定エキスパート
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
自作 PC
ディスクトプ、サーバ
自宅での作業に使用する PC・サーバの構築
プログラミング
C 言語、Java
言語取得の際のプログラミングが主
HTML, PHP, OpenSQL
備品管理用のデータベース開発
Photoshop, SAI
基礎的機能の理解
イラストの彩色に活用
Illustrator
基礎的機能の理解
HP 等の素材制作に活用
91
第3章
実証講座
J さん(男・31 才)
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
2005/3 ~
TV 番組制作(アルバイト)
撮影、編集、取付、少人数のため全て
2007 ~ 2008
地方 TV 局(派遣)
HD 化移行、情報番組、生放送、美術
~ 2009
2D ゲーム制作(派遣)
メニュー等の動き、チーム制作の大切さ
2009/10 ~
接客、販売
接客対応、流通・経営、英語
■持っている資格
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
Photoshop,
通常業務
加工・素材制作
通常業務
TV 番組、CM 制作(プレミア・FinalCut)
Illustrator,
AfterEffect
動画編集ソフト
K さん(男・29 才)
Maya を独学で学ぶことは難しいと思い受講。
■主な職務経歴
就職時期・期間 職務の内容
職務で学んだこと、果たした役割
2006/4 ~ 2007/3
遊園地やイベントのキャラクターショーの運営・
キャラクターショー・スタッフ
アフター
2013/4 ~ 2014/4
不動産、企画営業
中古住宅の個人向け営業
■持っている資格
・漢字検定準2級、教員免許(中・高の美術教員)、普通自動車免許(AT)
■持っている技能・技術、できること(特技)
技能名
技能の範囲・レベル
仕事・職務での活用例
Photoshop,
2D グラフィックデザインの作成
加工・素材制作
Illustrator,
AfterEffect
パーティキュラーを使ってのゲ
ームや遊技機のエフェクト作成
Word, Excel, PPT
xCode, Unity
前職での書類や資料作成で使用
iOS のアプリを2本作成
Maya, MvdBox
92
第3章
実証講座
(2) 企業ヒアリング
上記のスキル調査をまとめ、文科省の会議にて企業・学校に見てもらい、今後
ゲーム CG 業界に転職できる可能性について会議にて意見を収集した。
結果として何点か箇条書きでまとめると下記となる。
・第一にセンスと意欲を重視する。ツール使用レベルや年齢は、副次的な要
素である。副次的要素は、企業の状況により重きが変わる。
・何かしら得意なものを持っていること。CG 系では絵が上手に描ける方は、
必要とされる人材になりやすい。
・アニメーターは採用可能性が高い。
■ 企業にスキル調査票を見て頂き、ゲーム CG 業界への転職可能性について意見
を聞いた。このスキル調査票からは十分な判断材料にはならないという前提で、
意見を出してもらった。
・ツールは覚えるまでの時間は人それぞれだが技術は覚えられる。センスは教え
られない。
・こういう講座に積極的に出ていること自体前向きだと思われ、モチベーション
が高いのは評価できる。
・弊社ではデザイナーに厳しく壁がある。このスキルだけでは全員採用はないと
思われる。デザイナーは少人数であり何でも出来る人がほしい。
・中途半端に出来る人は外出しでもよい。中にはコントローラーがあればよい。
・アニメーターの採用可能性は、あるのではないか。結局デッサンが上手い方が
入社しているので、1枚絵を出すなどして絵描きとして絵を書くことがうまいと
いうことが分かれば採用もあり得る。
・イラストがあまり上手くなかったアニメーター2D だった方が、現在3D アニメ
ーターでクリエイターが高く働いている方もいるので可能性は高いのではないか。
それ以外の方は結構シンドイのではないか。
・デザイナーでも、2D、モデリング、映像に別れるので、どこかにハマれば可能
性はある。
・3D モデレーターは、飽和状態で海外に発注したほうか安いこともある。
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第3章
実証講座
・アニメーターと絵をうまく書く方は可能性が高い。
・アニメーターで働いていた方はゲーム業界に転職できる可能性は高いのではな
いか。
・現在、ゲームの表現はアニメが参考になっている。
・UI も需要が高いが人材が少ないので、そうゆうところを狙ったほうか角度が高
い。
・映像系をやっていた方や AfferEfect が使えるのであれば、パチンコ系は引く手
あまたではないか。
■ 専門学校からの質問に対して、企業の回答を交えた意見を掲載する。
○専門学校
・年齢的にはどの程度までゲーム CG 業界は採用するのか?
○企業
・描いてくれた絵が上手ければ年齢は関係ない。
・長く働いてもらいたい、
別の用途として若い子を入れたいということはあるが、
ことスキルに関して、あまり年齢は関係ない。
・逆に1人でマルチにカバーしてもらう必要があるので、それなりに年齢が高く
なる傾向がある。
・大学を出て社会人になり、再度、専門学校入学~卒業し、その後新卒で弊社に
入った30代社員の例もある。
こういう方は良い意味で危機感を持っているので、
新卒で採用する例もある。
・スキル調査票の I さんなどは、もしかしたら行けるかもしれない。
○専門学校
・27際でゲーム業界に入った方がいる。
・周りのことが気にならない方であれば、危機感を持って30歳で入った方もい
る。また、情報系の学科では30歳過ぎの方もいる。
・夜間部で50過ぎの方がいて、自分の会社を持っていて CG を学びに来た方がい
た。
・専門学校に30才で入学した方はモチベーションが高く資格や就活も活発で先
に就職してしまう。企業さんにとってはモチベーションが高いことが重要ではな
いか。
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第3章
実証講座
○企業
・J さんが良い。なぜなら、20年前のゲーム業界に入ったころは、色々な業界
の方が集まってゲームを作っていた。テレビ制作を経験しているということで興
味がある。
・絵心があれば、CG 出来なくても後で学べば良いので、アニメーターの方は興味
ある。
○専門学校
・企業の採用条件では年齢は基本的に関係ないとは言うが、専門学校として全員
が Welcome に受け入れることはしていない。
ゲーム CG 業界に行かせる自信がない
場合の方は、ヒアリングをして、保証はしないのと承知であれば入学してもらう
ことにしている。
■今回の講座に関して、意見があった。
・課題作品をサイトに掲載して、企業・学校皆さんに見てもらうことにする。
(見
たいという意見が多くあった。
)
・講師の方も「3週間みっちりやった方が覚えは早かった。
」とのこと。今回の講
師で、実際に専門学校で教えている講師も、今回の短期間講座の方が上達したと
思うと語っていた。
・今回の講座受講生の中で、専門学校に興味があり入学したいと言っている方は、
3名いる。
・専門学校で学んだときより、分かりやすかったという受講生もいた。
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第3章
実証講座
第4章
今後の展開
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第3章
実証講座
4.1 社会人講座の有効性・改善点
「ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム開発実証」という名目の
もと、今年度の文科省委託事業で初めて専門学校カリキュラムを社会人に適用す
るという試みを実施した。
(1) 社会人講座の有効性
これまでの内容を総括すると、結果的には大筋として下記の効果のある事業で
あったと思われる。
・ニーズはあるか ⇒ 偏りはあったが多く募集のあった講座があった。
・実施内容は
⇒ 短期間であったが非常に満足度は高い。
・業界転向
⇒ すぐ転職ではないが本人にとって十分きっかけとなり、
また企業も可能性があると感じる講座である。
特にこの講座修了後に、3名ほど専門学校入学に興味を示して頂けたことは大き
な収穫であった。
実施の課題としては、募集方法と講師の確保である。ゲーム CG 業界向け講座と
なると、業界に特化した特異な分野に関する講座であり、職種横断的(事務、営
業、販売など)の講座とは異なる。これにより、下記2点の実施上の課題が出て
くると思われる。
① 効果的な募集方法を模索する必要がある。
⇒ ある意味ニッチな業界なので、ターゲットにあった募集方法を考えないと
人が集まらない。
② 講師の確保が難しい。
⇒ 技術レベルも一般的な講座よりも専門的であり、ゲーム CG を教えられる
講師が非常に少ない。
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第3章
実証講座
(2) 社会人講座の改善点
今回の文部科学省の会議をとおして、今後の事業に参考になる要望・意見もあ
ったので掲載する。
・ゲームプログラム講座の集まりが悪かった。CG ワールドで募集をしてグラフッ
ク系の集まりがよかったが、プログラム系の募集方法も考える必要がある。
・CG 系講座の場合、最初の応募数は22名であった。
・来年度以降も「社会人向け学び直し講座」を実施する予定がある。地方開催も
考えているので、開催したい学校さんは早めに申し出てほしい。
・厚生労働省の実施している職業訓練は、ゲーム CG 業界の講座はほとんどないの
が実情である。現場のハローワーク職員は、この点が良く分かっていないという
現状がある。今後、地方開催した時にハローワークと連携はしたいが、各専門学
校からこの講座を実施する状況や意図を理解してもらえるよう説明できるかが心
配である。
・次年度以降は、ハローワークは地元就職が前提なので、まずは地元に受け皿が
ある地域が対象になると考えている。
・人数も20人ではなく、もうすこし少人数で実施しても良いかと思われる。
全部の方が、就職できるかという課題もある。
・文科省事業の職域講座は、就職が前提ではない。スキルを上げることが前提で
ある。
・埼玉、千葉の方も多く、もう少し広げて募集をしても良いかもしれない。
・自分の学生をこの講座に参加してもよいので、これを活用する方法もあるので
はないか。
・単発な講座で、かつ技術内容も特異でレベルも有り、講師の確保がかなり難し
い。
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第3章
実証講座
4.2 今後の展開
次年度以降も同じような事業があれば、企画して実施していくこととする。今
回は首都圏のみの開催であったが、次回は地方展開も考慮したい。また、講座ス
ケジュールを考える際も、世間の就活動向に注視して、講座企画を進めていくこ
とが肝要である。
(1) 地方開催
地方開催のさいに課題となるのは、やはり「募集方法」と「講師の確保」であ
る。これに関しては、今後も試行錯誤する必要は出てくるが、下記のような方向
で検討したい。
■募集方法
地方開催においてもインターネットを活用した募集方法は有効的だと考える。
ニッチな情報収集では、地方の方もゲーム CG 関連サイトを閲覧していると考えら
れる。今回の募集結果からも、東京都だけでなく近県からの参加者が多く、その
傾向が伺える。
地方においては、ハローワークの存在も大きいと思われるので、可能であれば
地元ハローワークと連携して講座募集を行えると良い。もしくは、市や町などの
地方公共団体と連携できないかも模索する必要がある。
■講師の確保
当事業では、日本クリエイター育成協会を中心に実施しているので、協会関連
の企業様に協力して頂く。実施日時や内容を早めに確定し、企業が協力しやすい
運営体制をとっていくことが重要である。
地方開催では、日本クリエイター育成協会の企業が出張しづらい場面も出てく
る可能性があり、専門学校教員による講師も考えていく。
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第3章
実証講座
次年度の文科省委託事業では、調査の結果から地方開催の候補として下記の5
つの地域を考えている。
・北海道圏、近畿圏、北九州圏
⇒ ゲーム企業が集積している地域である。
・東海圏、山陽圏
⇒ ゲーム企業の集積地に隣接しており、
かつゲーム CG 関連の専門学校が多い。
繰り返しになるが、今年度の「ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログ
ラム開発実証」では大きな成果があったので、次年度は上記の地域での開催を考
えて行きたい。
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第3章
実証講座
(2) 講座実施の戦略
次年度の文科省委託事業では、年に2回の講座企画を考えている。
・夏期講座は、主に大学生や第2新卒をターゲットに開催する。大学においても
情報系・デザイン系があり、就職活動が始まる前に、これら学生にゲーム業界へ
の興味を持ってもらう。
・冬期講座は、転職希望の社会人をターゲットに開催し、興味を持ってもらった
方に専門学校への入学を促す。今年度、東京で開催した社会人講座では、受講生
のうち数名が専門学校への入学に興味をもって頂いた実績がある。地方開催にお
いても、学費の面でサポートする提案があれば、専門学校に入学しやすくなるの
ではないか。
平成27年8月頃 夏期講座(ゲームプログラムまたはデザイン講座)
平成28年2月頃 冬期講座(ゲームプログラムまたはデザイン講座)
厚生労働省の教育訓練給付制度を活用して、専門学校へ入学
※教育訓練給付制度
労働者や離職者が、自ら費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講
座を受講し修了した場合、本人がその教育訓練施設に支払った経費の一部を支給
する雇用保険の給付制度である。
平成 26 年 10 月から、教育訓練給付金は、従来の枠組みを引き継いだ「一般教
育訓練の教育訓練給付金」と、拡充された「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」
の 2 本立てになっている。
「専門実践教育訓練」は、職業実践専門課程を受けた学
科がこの制度の対象となっている。
(参考)厚生労働省 URL:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyouno
uryoku/career_formation/kyouiku/index.html
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第3章
実証講座
ゲームCG分野に関連した「専門実践教育訓練」として、現在、認定を受けて
いる学校は次の通りである。
(参考)厚生労働省 URL:
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kyuufu_pdf/senmon_12.pdf
■職業実践専門課程(情報処理)12講座
■職業実践専門課程(デザイン)10講座
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第3章
実証講座
■職業実践専門課程(工業関係その他)8講座
■職業実践専門課程(文化その他)7講座
以上の他にも、他分野で「専門実践教育訓練」として認定されている学校は多
い。文部科学省が行ってきた「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略
的推進」
、
「職業実践専門課程」を、厚生労働省の「教育訓練給付制度」で後押し
した形である。日本政府としても既存の教育インフラ(専門学校等)を活用し、
成長分野へ就労人口構造を変革させる動きであると言える。
(参考)厚生労働省 URL:職業訓練給付制度 検索サイト
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/T_K_kouza
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【実施委員】
*学校法人中央情報学園 早稲田文理専門学校
*学校法人電子学園 日本電子専門学校
*学校法人電波学園 名古屋工学院専門学校
*学校法人湘南ふれあい学園 医療ビジネス観光情報専門学校
*株式会社カプコン
*クリプトン・フュチャー・メディア株式会社
*グリー株式会社
*ツェナネットワークス株式会社
*株式会社スマイルブーム
*株式会社ボーンデジタル
*株式会社ブービートラップ
*モリパワー株式会社
*ハローワーク(東京都)
*日本クリエイター育成協会
平成26年度文部科学省 成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業
~職域プロジェクト:ゲーム・CG 分野における東京版学び直しプログラム開発実証~
ゲーム教育プログラム報告書
2015 年 3 月発行
発行者 学校法人中央情報学園 実施委員会
〒352-0001 埼玉県新座市東北 2 丁目 33 番地 10 号 早稲田文理専門学校
電話 03-5960-2611
FAX 03-5960-2622
URL http://www.wbc.ac.jp
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