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慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喫煙感受性規定遺伝子

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喫煙感受性規定遺伝子
慶 慮 医 学 ・81(i):23∼30,2004
座
講
慢性 閉塞性肺疾 患(COPD)と
喫煙感受性規 定遺伝 子
慶晒義塾大学医学部内科学教室
や ホ くち か ず ひ ろ
山 口 佳寿博
Key words:COPD, smoking sensitivity, gene polymorphism, cathepsin S, MMP-9, CYP2Afi
れ る61.不 可 逆 性 が 強 い気 流 制 限 は 短 時 問 作 用 型 気 管 支
緒 論
拡 張 剤 を 吸 入 さ せ た 後 に測 定 され た1秒 率(FGV,%=
1秒 量/努 力 肺 活 紐)が70%未
満 の 場 合 を も って 診 断 さ
本 邦 に お け る 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患(COPD:chronic
れ る6:,吸 入 原 困 物 質(環
obstructive pulmonary disease)の
の は喫 煙 で あ るが 職 業 性 粉 塵/化 学 物 質.大
8.5%,喫
煙 者 の15%で
COPD患
有 病 率 は総 人 口の
あ り,現 時 点 で 約530万
人の
者 が 本邦 に 存 在 す る と推 定 さ れ て い るD.こ
の
内,室 外),感
境 因 子)と
して最 も重 要 な も
染 微生 物 な ど もCOPDの
従 来,COPDは
慢 性 気 管 支 炎,細
気 汚 染(室
原 因 物 質 とな る.
気 管 支 炎,肺
気腫
患 者 数 は成 人気 管 支 喘 息 よ り も多 い.こ の 傾 向 は世 界 各
に分 類 され て き たが,実 際 に は肺 組 織 全 体 に及 ぷ 病 態 で
国 で 同 様 で あ り.COPDの
あ り,気 道(中
%,喫
有 病 率 は世 界 総 人 ロの4∼9
煙 者 の10∼is%と
COPDの
推 定 され るz3P.本 邦 にお け る
死 亡 率 は 人 ロ10万
15.7人,女
性5.3人)で
倣
あ り明 らか に 男 性 の 方 が 高 い`'.
世 界 的 に み て もCOPDの
2020年
に 対 し て10.4人(男
死 亡 率 は現 在 第6位
に は虚 血 性 心 疾 患,脳
枢,末 梢),気
循 環 も傷 害 さ れ る.そ
胞)に
の 意 味 で,COPDの
型 は気 道 病 変 優 位 型(中
肺 実 質 優 位 型(気
腔(肺
枢 気 道 病 変,末
腫 性 病 変),肺
加え肺微 小
臨床 的表 現
梢 気 道 病 変),
微小血管 優位型 に分頬
され な け れ ば な らず,従 来 の 慢 性 気管 支 炎,細 気 管 支 炎,
で あ り,
血管 障 害 に 次 い で 第3位
肺 気 腫 と言 う表現 は 妥 当 で は な い.
に ラ ンク され る もの と 予 測 され て い るS/.以 上 の よ うに
COPDは
全疾患 の中で今後益 々重要 な位圃 を 占め るよ
う に な る もの と推 察 さ れ,COPDの
病 態 解 明,そ
喫 僅 関運COPDの
対 す る早 期 診 断法 な らび に確 実 な 治 療 法 の 確 立 を急 が な
COPD発
け れ ば な らな い.本 論 文 で はCOPDの
あ る.そ
分 子 病 態,特
に
遺 伝 子 レベ ルの病 態 にっ いて 筆 者 らの 解 析 結 果 を 中心 に
り 上 げ,そ
紹 介 す る と共 に.そ れ らを応 用 したCOPDに
る.気
対 す る新
た な早 期 診 断 法 の可 能 性 につ い て 述 べ る.
症 に か か わ る最 も蟹 要 な環 境 因 子 は 喫 煙 で
れ 故,喫
道,気
煙 の 長 期 曝 露 に 起 因 す るCOPDを
腔.微
小 循 環 の 傷 害 部 位 に 共 通 して 認 め ら
れ る 炎 症 細 胞 は 肺 胞 マ ク ロ フ7一
疾 患概 念 と定 義
取
の 分 子 発 症 機 序 に つ い て 考 え て い くもの とす
球 で あ り,COPD発
COPDの
分子発症機序
れに
ジ とCD8'一Tリ
ンパ
症 にお いて これ らの炎症 細胞 が重
要 な 役 割 を 果 た す こ と が 示 唆 さ れ て い る(第i表)61.
肺 胞 マ ク ロ フ ァ ー ジ は種 々 な る原 因 物 質 に よ って 活 性 化
COPDは"十
分 な る可 逆 性 を 有 さず 進 行 性 の 気 流 制 限
さ れ る.そ
の 結 果,matrix metalloproteinase(MMP・
を特 徴 と し,有 害 粒 子 あ る い は有 害 ガ ス状 物 質 の 吸 入 に
1,2,9,12).cysteine 対 す る肺 全体 の異 常 炎 症 反 応 に 起 因 す る病 態"と 定 義 さ
な ど の 蛋 白 分 解 酵 素 が 肺 局 所 に 過 剰 分 泌 さ れ る7D.こ
protease(cathepsin L, K, S)
れ
ら の 酵 素 に よ っ て 傷 害 さ れ た 組 織 片 を 抗 原 と しT
COPD and Possible Genes Regulating CD8'一Tリ
Smoking
Sensitivity
Kazuhiro Department University. ンパ 球,特
局 所 的 に 免 疫/u反
Yamaguchi. MD.
o[Medicine, Tokyo 160-8582. にcytotoxic T cell-1(Tc1)が
応 な ら び に ア ポ ト ー シ ス を 惹 起 し,
局 所 損 傷 を さ ら に 進 行 さ せ る(第1図).COPD発
School of Medicine, 症 に
Keio
対 し て 肺 胞 マ ク ロ フ ァ ー ジ な らび にCD8'一Tリ
lapan
一23一
ンパ 球
慶 磨 医 学 8亘巻lS(平
第1鋭
COPD肺
の 気 逝,気
成 且6隼3月)
抑 制 し な い こ と に な る.1990年
腔, 微 小血管 に集 積す る炎
r細 胞
COPDに
部 位
・CD8'
一Tリ
ンパ 球 をCOPD発
ンパ 球
・好 中 球(霊
対 す る 高容 量 ス テ ロ イ ド吸 入 の 大 規 模 研 究 の
結 果 は全 て 陰 性 で あ り,マ ク ロ フ ァー ジ とCD8'.Tl」
炎症 細胞の禰頑
・肺 胞 マ ク ロ フ ァ ー ジ
中櫃気道
代 に お こ なわ れ た
症 の 中 心 的 炎 症 細 胞 とす る 考 え と矛
盾 しな い繕 果 とな って い る1。
一m.
症 例)
も う一 つ の 重 要 な 経 路 は気 道/肺 胞 上 皮 を 介 す る もの
・好 酸 球
で あ り喫煙 へ の慢 催 曝 露 に よ ってt:皮 傷 害 が 発 聖 し血1管
・肺 胞 マ ク ロ フ ァ ー ジ
末梢気道
・CD8'
.Tリ
内皮 成 長因 子(VEGF)の
ンパ 球
産 生 が 低 下 す る.そ の 結 果,
肺 胞 上 皮,肺 毛 細 血 管 内 皮 が ア ポ トー シス に陥 り肺 胞 壁
・好 酸 球
破 壊 が 進 展 す る1φ(第1図),以
COPDの
・肺 胞 マ ク ロ フ ァ ー ジ
肺胞領域
・CDS'
一Tl,ン パ 球
・好 中 球(亜
・CD8'
肺微小循環
一Tリ
安 定 期 病 態 形成 に は活 性 酸 素, IFN・r, TNF・ α.
1レ6,IL・u,1し13, 症 例)
上 の 諸 物 質 に加 え.
surfactant protein D, TIMP・3,
TGF・Pの 関 与 が 報告 さ れ て い る1ト戦
好 中 球,好
ンパ 球
・好 中 球
酸 球 な ど の 多 核 白血 球 も気 道/気 腔 に築 鎖
す る(第1表).こ
れ らの 多核 白 血球 がCOPD慢
性安定
期 に お け る傷 害 の 進 展 に 対 して どの 程度 関 与 して い るか
は明 らか で は な い.現 在 まで に 集 積 され た知 見か ら判 断
が 如 何 な る関 与 を して い るか を 分 子 レベ ル で 明 らか にす
す る と,好 巾 球 〆好 酸 球 はCOPDの
る こ と はCOPDの
して 気 道 過 分 泌(慢 性 気 管 支 炎 症 状)を 惹 起 して い る も
存 在 す る炎 症 の 中 心 的 役 割 を 果 して い る な ら
の と 考 え られ るxv.好 中 球/好 酸 球 が 重 要 な一 次 的 役割
ば ス テ ロ イ ドはCOPDの
病 態 を 形 成 す る肺 組 織 砺 害 を
回
を果 す の はCOPDの
噛
れら
細胞が
治 療 を 考 え る時 垂 要 で あ る.こ
の 炎 症 細 胞 は ス テ ロ イ ド抵 抗 性 で あ り&91両
COPDに
慢性安定 期において
肺 組 織 の 破 壊 よ りも気 道 分 泌 細 胞 の 過 形 成 に 関 与 し主 と
急 性 増 悪 時 で あ る.急 性 増 悪 は 主
有官 物皿Aの 吸入
呂露(瑚塊 因子)
ム
マクロ
7ア ージ
\ 回
.........1.._........
TNFa [鐙 〕1
i
SP-D, INFI,
IL-13, TGFp
●
i肺 胞上 皮1
亜]
・MMP⊂1,2,9,12)
・caNepsln L ,K騨S
な どの 盃 白 分 解酵 楽
1
盃自分僻酵 翻
囲啓物更 の不均衡
修笛
網織破壊
・細 腕 傷 習
⊂自 己 抗 原?1
・ア ポ トーシ ス
u
・
気道優位(中 楓 末禍 》
型傷 害
・
肺実 震優 位星傷 害
・
肺微 小血盟優位 型傷 害
酸 化物質'
杭酸 化物質
の 不均衙
第1図
安 定 期COPDの
ク ロ77一
ジ,CD8●
卜1優位
気道過分 泌
V巳GF↓
肺胞上 即 血管 内皮
のアポトーシス
飾 胞壁確壌
喫煙感 受性
(遣伝的 因子}
分 子 生物 学 的 発 症機 序.理 境 因 子 〔
喫 煙 な ど 〕 に対 す る 炎疲 細 胞(肺 胞 マ
一Tリ ンパ 球 な ど)の 反 応 の み/jら ず そ れ らの 反 応 を規 定 す る内 的/遺 伝 子
レベル の 影轡 が 複 雑 に絡 み 合 っ てCOPDの
安 定 期病 態 が 形 成 され る,辞 細 は 本文 参 照.
一24一
山 口:慢 催 閉 塞 性 肺 疾u:(COPD)と
喫煙感受性規定遺 伝子
灘噸 纈 蠣
性
活
酸 素 ↑ ↑ 【
非6染 魅ウイルス6餓 ⊃
ola81幽801
ca伽 叩81nG,
,i濤
protelnase-3,
MPO?
麗興
ECP, EPO
♂rNFα
GSHな どの
抗 酸 化酵 素 ↑
. IL-8, RAN'「ESfdt'の
炎 産 性 サ イ トカ イ ン ↑↑
・撞 着 分 子{巳CA闇 ・1
,8●IOCOO8}↑
抑鯛
・IL・10な
どの 抗 炎 窪 性
●●鱒.,■
… ●レ
開 開.・
瓢i慧野 の→
レ
サ イトカイン ↑
窮2 COPD急
性 増 悪 の 分 子 機 序.詳
細 は本 文 A,f{. COPDの
急 性 噌 悪 は好 中 球,好 酸 球 の 浸 潤 ノ
築穣 に よ って も た らさ れ る 気 道 炎 症 の 増 悪 で あ り他 の 急 性 炎 症 の 場 合 と1司様 にNFK・B. AP・ 且な
どの 炎 症性 サ イ トカ イ ン関 連 転 写 閃 子 のDNA ft,合濡 性 の 冗進 が 重 要 な役 割 を 果 す.
と し て 感 染(細
菌 性,ウ
イ ル ス 性,異
型 性)に
筆 者 らを含 め 世 界 で 多数 の グ ル ー プが 喫 煙 感 受 性 規定 遺
よ って 惹
起 さ れ る 気 道 炎 症 の 増 悪 で あ り 気 道 過 分 泌 を3r要 な 臨 床
伝 子 の同 定 を巡 っ て しの ぎを 削 って い る.
所 見 と す るi.SCI.活 性 化 さ れ た 好 中 球 ノ好 酸 球 か ら は 多 量
5.000人
の 活 性 酸 素 が 産 生 さ れ(酸
に は家 族 集 積 姓 が 認 め られ る こ とが 報 告 され たM%.さ
子NF・KBな
化 ス ト レ ス の 充 進),転
ら び にAP-1とDNAと
さ せ る(第2図).そ
ン(IL・8, TNF-a,接
ECP)が
着 分 子(1CAMI, 白(NE, EPO,
肺 機能
ら
者 の家 系 調 査 か ら も肺 機 能 の 家 族
卵 性 双 生 児 で は この よ う な 傾 向 が認 め られ ない こ とが 明
らか に さ れ た:xi.こ れ らの 疫 学 調 査 の 結 果 はCOPD発
症 性 物 質 と共 に 抗 炎 症 性 物 質(1L・10、 GSH
過 剰 に 産 生 さ れ,両
年 性COPD患
studyで
起 因 す る肺 機 能 の 低 下 が 同 程 度 で あ るに もか か わ らず 二
E・selectin)
MPO, を 対 象 と し たFramingham #a'1性
が 証 明 され たzn.ま た,一 卵 性 双 生 児 で は喫 煙 に
々 の炎 症 性 サ イ トカイ
過 剰 産 生 さ れ 気 道 炎 症 は さ ら に 増 悪 す る.こ
の 場 合,炎
な ど)も
に,若
の精 合活性 を増加
の 結 果,種
な ら び に 組 織 障 害 性 酵 素!蛋
写因
症 に か か わ る喫 煙 感 受 性 に は 週 伝 的 素 因 を基 礎 と す る個
者 の バ ラ ンス に よ って 急 性
体 差 が 重 要 な 要 囚 と して 関 与 す る こ と を示 唆 す る.日 本
人 は 人 種 差 が 少 な い民 族 で あ るの で 遺 伝 的 素 因 の解 析 に
増 悪 の 程 度 が 決 定 さ れ る.
は比 較 的適 した コホ ー トで あ る.東 京近 傍 に在 住 す る人 々
COPD発
を 対 象 と した 箪 者 らの 横 断 的 調 査 結 果 を第3図
症 と喫 煙 感 受 性 規 定 遺 伝 子
生 涯 喫 煙 億(環 境 因 子)とCT画
喫 煙 関 述COPDに
お け る疫 学 調 査 の結 果 で 最 も注 目
され る もの は習 慣 的 重 喫 煙 者 の10∼20%に
しか 臨 床 的
に示 す.
像 に よ って定 鼠 化 され
た気 腫 病 変 の程 度 に は正 の 相 関 を認 め る もの の 著 明 なバ
ラ ッ キが 存在 す る こ とが 判 明 した.こ の 結 果 は 日本 人 に
に問 題 とな るCOPDが
発 症 しな い こ とで あ る 同'.こ の
お い て も喫 煙 関 連COPDの
疫 学 的 事 実 はCOPDが
環 境 因 子 の み に よ って 発症 す る
明 で きず 内 的 要 因 が 説 明 因 子 と して 必 要 で あ る こ と を 示
の で は な く各 個 体 の 内 的 因 子 がCOPD発
症 を 規定 す る
唆 す る.
重 要 な 要 因 と して 作 用 す る こ と を 意 味 す る.喫 煙 関 連
COPD発
COPDに
お い て 内 的 因 子 は 喫 煙 感 受 性 と定 義 され.遺
症 の 分 子 機 序 を 規 定 す る諸 物 質 の 崖 生 遺 伝
子 の 異 常(変
伝 子 レベ ル で規定 され る問 題 と考 え られ て い るxs.現 在,
一25一
発 症 を 環 境 囚 子 の み で は説
異/多 型)は
如 何 な る もの で も喫 煙 感 受 牲
を 規 定 す る可 能 腔 が あ る.そ の 意 味 で 喫 煙 感 受 性 を 規 定
慶 慮 医 学 8且巻1号(平
成16`ド3月)
r-0.24(p=0.003)
●
●
..『
●
∫ ●N
●
●
●
●
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●
● ●
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40
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10
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●
●
15
●
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2 00ω ︽ー
コ
ジ∴
譲
20
a
●●
80
120
160
生 涯 喫 煙 量{pack・years)
第3図
生 涯 喫 婬 黛 と肺 野k[Rd!h4変 の 柑 関.生
涯喫 煙 騒(packヴears):一H喫
煙 最(補)x喫
隼 数(無).LAA:CT画
像 に お け る低 吸 収 頷域.しAA score l全 肺 野 に お け るLAAの
合(za点
でz肺 野 が 気 蹴 化 して い る もの と4,i.).
Promoter z
1
3
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煙
占 め る割
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會:変異
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^7500by
Tranalatlon
Jfv.w
113(ArQITrp)
..r'
17
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…
98
217amino Procathep-
acids
2
3
3
115
…3
垂
Sin$
亀=⋮
ξ ξξJ
f
17
3
r:
13
銭
CathepsinS
Signal Propiece
P9凶de【prote3so活
第4図Calhepsin prOmoter領
Protease 性 阻 害1
【protease活
domain
性{十)]
S遺 伝 子 の 構 造 と筆 暫 らが 見出 した 変rt/多 型 の 部u .変 異/多 型 は 主 と して
域 あ る いは その 近 傍 に 存在 す る,
一zs一
i4口:慢
す る 候 補 遺 伝 子 は 多 種 多 様 に 及 ぷ.葦
性閉 塞 性 肺疾 患(COPD)と
喫傾感受性 規定遺伝子
者 ら はCOPD発
";p<O
症 関 連 物 質 の 中 で 肺 胞 マ ク ロ フ ァー ジに よ って 産 生 され
る 蛋 白 分 解 酵 素 に 注 目 し,こ
10
れ らの 酵 素 発 現 に関 連 す る
種 多 様 の 遺 伝 子 変 異 とCOPD,特
変 と の 関 迎 を 解 析 して き た が,そ
(染 色 体]q2])とMMP-9(染
子 変 異 がCT画
色 体20q12・13)の
S
遺伝
8
4
z
像 上 の 気 腫病 変 の 程 度 と有 意 に相 関 す る
こ と を 見 出 し たM.bl. Cathepsin のpromoterと6っ
に はA/G変
のexonか
異,CA反
exon 1に
に肺 野 気 腫 病
の 中 でcathepsin 8
2 00ω ︽ く一
遺 伝 子 異 常 を 内 的 喫 煙 感 受 性 規 定 因 子 と 仮 定 し た(第i
図).多
はT/C変
S遭
伝 子 は7,500 bp
ら な り, promoter 復 変 異, TCCC欠
異, A/G変
a
YYIId
(C/C/
nh域
Va凶ar臆
{crt◎Tm
損 変 異,
異, exon 4に
はC/T
第5図
変 異 が 存 在 す る こ と を 見 出 し た(第4図).Promoter
領 域 な ら び にexon .OJ ve. wild
lに 存 在 す る 変 異 はAP-1, MMP-94)promoter"nh域
に お け る 一1562C/T変
異 と 肺 野 気 腫 病 変(LAA 型(wild), GATA,
score)と
C/T+T/T=変
の 関 係. C/C:野
異 型(variant).肺
生
野 気腫
病 変 は 変 異 型 の 人 で 有 意 に 強 い.
GAS. C/EBP, deRa・Eな
ど の 転 写 因 子 との 結 合 部 位
の 変 異 で あ り 転 写 活 性 を 修 飾 す る こ と が 予 想 さ れ る.
Exon 4の 変 異 はproca[hepsinの
在 し,蜜
白 分 解 能 を 有 す るcathepsinの
飾 す る.Mono C/T変
切 断部 位の近 傍 に存
産 生効 率 を修
異 に よ っ て 野 生 型(C/C)と
TIT)に
変 異 型(C〆Tor
分 類 す る と両 群 間 で 年 齢,生
涯喫煙 魔 に有意
な差を認 め ない に もかか わ らず一酸 化 炭素 肺拡 散能 力
Mac 6細 胞 を 用 い た 検 討 か らpromoter
rr域 の 変 異 は 転 写 活 性 を 減 少 さ せ る こ と を 証 明 で き た.
(DLco)な
臨 床 的 表 現 型 と の 関 連 検 討 か ら,こ
重 症 度 は 変 異 群 で 有 意 に進 展 して い た(第5図),以
れ らの 変 異 を 有 す る
らび に肺 野 気 腫 病 変 を 指 標 と したCOPDの
の結 果 よ り,MMP・9遣
喫 煙 者 で は 肺 野 気 腫 病 変 の 程 度 が 弱 い こ と が 判 明 し た,
伝 子 のpromoter領
上
域の 変異は
cathepsin S遺 伝 子 の 場 合 と 異 な りCOPD促
進 因子 と
を 中 心 と した 種 々 の 変 翼 は 喫 煙 に 伴 う 肺 実 質 傷 害 を 抑 制
して 作 用 す る もの と 考 え られ た.Cathepsin Sな らび
す る 内 的 因 子 と し て 作 用 す る も の と 結 論 し た.
にMMP・9の
以 上 の 結 果 か ら,cathepsin Cathepsin typeを
S i1Y伝 子 のpromoter領
示 す 人 の 割 合 は非 喫 煙 者 と喫 煙 者 で 有 意 差 を認
てca[hepsin Sの
る刺 激 に よ っ
発 現 量 は 変 異 型 の 人 に 較 べ て 高 くな
ち,cathepsin S遺 伝 子 に 関 す る 野 生 型 は 肺 案 質
病 変 の 進 展 因 子 と し て 作 用 す る.Cathepsin 関 して 野 生 型genotypeを
S遺 伝 子 に
示 す 人 の 割 合 は 且7%で
疫 学 調 査 に よ っ て 示 さ れ た 喫 煙 関 COPDの
(喫 煙 者 の10∼20%)と
MMP・9は
伝 子 のpromoter領
(一1562C/T)は
者 らの グル ー プ で は非 喫煙 者 な ら び に習 慣 的 喫
野 気 腫 病 変 の 関 連 を 解 析 し,以.ド
(17%)で
ら に,
域 に 存 在 す る 変 異
伝 子 の 一1562C〆T変
CT(HRCT)を
早 期 診 断 は高 分 解 能
用 いて お こな わ れ て い る,肺 機 能 検 査
は確 立 したCOPDの
診断 には有用 で あるが初 期診断 に
は適 さ な い.何 れ の 方 法 に お い て も気 腫 を 中心 と した病
変 が 少 献 か らず 存 在 し な い 限 りCOPDの
い.即
ち,従 来 のHRCT,肺
診断 がで きな
機 能 を 用 い た診 断 は喫 煙
な どの 環 境 因 子 に曝 露 され た結 果,出 来 っ っ あ るCOPD
す る もの で は な い.一
方,cathepsin 予測
S, MMP・9な
ど
の 遺 伝 子 変 異 検 査 はあ る個 体 の 内 的 喫 煙 感 受 性 を 検 出 す
転 写 活 性 を 促 進 す る こ とが 示 さ れ て い
煙 者 を 対 象 と してMMP-9遺
早 期診断法 と して臨床応 用が 可能で は ない
に 対 す る診 断 法 で あ り,出 来 る前 か ら のCOPDを
癌 浸 潤 因 子 と し て も量 要 な 役 割 を 果 すaxi,
MMP-9遺
一1562Tア
発症 率
動 脈 硬 化 な らび に大 動 脈 瘤 形 成 を 促 進 す る
種 々 のMMPは
る3D.華
あ り,
よ く一 致 す る.
因 子 と し て 作 用 す る こ と が 報 告 さ れ て い る]ll.さ
をCOPDの
か と 考 え て い る.現 在,COPDの
Sに 関 し て 野 生 型genotypeを
有 す る 人 は 転 写 活 性 が 維 持 さ れ て お り,あ
遺{云子 変 異 に 関 す る解 析 結 果 は 示 唆 に冨 む
もの で あ り,筆 者 らは これ ら の遺 伝 子 に 関 す る変 異 検 査
S遺 伝 子 に 全 く変 異 を 認 め な い 野 生 型geno・
め な か っ た.Cathepsin る.即
域
異 と肺
る もの で あ り,そ の 個 体 が喫 煙 を開 始 した とす る と臨 床
的 に 問 題 と な るCOPDに
き る.即
ち,遺 伝 子 変 異 検 査 は 喫 煙 開 始 前 か らCOPD
の 発 症 を 予 測 す る"ゼo"か
づ け る こ と が で き る,現
MMP-9に
の 結 果 を 得 た 勘.1)
まで進展 す るか 否か を予測 で
らのCOPD診
断 法 と位 置
時 点 で はcathepsin Sと
関 す る遺 伝 子 変 異 解 析 を終 了 した ば か り で あ
レ ル 頻 度 は 非 喫 煙 者(16%)と
喫煙 者
り,喫 煙 感 受 性 硯 定 遺 伝 子 は これ ら以 外 に 多数 存 征 す る
有 意 な 差 が 存 在 し な か っ た.2)喫
煙 者 を
もの と予 想 さ れ る.今 後 さ らに 標 的 遺 伝 子 の 幅 を広 げ 喫
一27一
慶 慮 医学 81巻1.号(平
成 ユ6年3月)
煙 感 受 腱 規定 遺 伝 子 の 全 貌 を明 らか に した い と考 え て い
の 割 合 は非 喫 煙 者 で36%。
る.
で 有 意 差 を 認 め なか った,生 涯 喫 煙 量 あ る い は一 日喫 煙
量 は野 生 型genotype(W 喫煙量規定遺伝子
喫 煙 者 で30%で
group)を
意 に 多 く欠 慣 型genotype(D 有 す る喫 煙 者 で 有
group)を
少 な か った(第6図),CYP2A6det変
COPDの
発 症 を 考 え る 時,喫
示 す喫 煙 者 で
異に よってニ コ
チ ン代 謝 が 阻 害 され 喫 煙 後 の血 中 ニ コチ ン濃 度 は比 較 的
煙感受 性規 定遺伝 子 と
共 に 喫 煙 風 規 定 遺 伝 子 に 対 す る取 り組 み もT[で
あ り両 者 間
あ る.
高 く維 持 さ れ る.そ
の結 果,Dgroupに
所属 する喫煙
筆 者 らの グ ル ー プ で は ニ コ チ ン代 謝 酵 素 で あ る
者 で は 生体 が 次 の 喫煙 を要 求 す る まで の時 間 が長 くな り,
cytochrome 喫煙 凪 が相 対 的 に少 な くな る もの と考 え られ る.し か し
P柵 所 属 のCYP2A6に
注 目 し,そ
の遺 伝
子 変 異 と 喫 煙 量 と の 関 係 を 解 析 し たai. CYP2A6の
伝 子 変 異 に はexon 3に お け るT/A変
CYP2A6とCYP2A7がexon 遺
鍵(CYP2A6'2),
3,6,8の
ら に はCYP2A6 損 変 異(CYP2A6del)が
存 在 す る3亀』am.こ れ ら の 遺 伝
れ るMI. CYP2A6に
CYP2A6●2ア
度 は0.3%.CYP2A6d「1の
方,白
の と 考 え られ る.即 ち,CYP2A6dei IE異 を 有 す る喫 煙
者 の 禁煙 に は ニ コチ ン置 換 療 法 あ る い は抗 うっ剤 投 与 な
あ る こ
人 で はCYP2A6。3の
属 する人が喫煙 を開始
す る と喫煙 昼 は比 較 的 少 ない も の の 巾 々 禁煙 で き な い も
ア レル頻
ア レ ル 頻 度 は18%で
上 の 結 果 よ り,CYP2A6
は喫 煙 鰍 の 増 加 を 抑 制 す る反 面 禁煙 を困 難 化 す
る 作 用 を 有 す る の でDgroupに
本 入 にお け る
レ ル 頻 度 は ゼo, CYP2A6。3の
と が 判 明 し た.一
こ とが 判 明 した(第7図).以
de!4 ニ コ チ ン代謝 活 性 が 抑 制 さ
者 ら の 解 析 か ら,日
異
を有 す る人 の 禁 煉率 は低 く禁煙 阻 害 因 子 と して 作 用 す る
iO伝 子 の 全 欠
関 す る;Hip:子 変 異 の 頻 度 は 人 種 に
よ っ て 異 な る.筆
異 に起 因 す る ニ コチ ン代 謝 異常
は喫煙 阻害 因 子 には な ら ない.反 対 にCYP2A6de1変
間 で 変 換 され
た 変 異(CYP2A6'3),さ
子 変 異 に よ っ てCYP2A6の
なが ら,CYP2A6de1変
ど 稿 極的 な 禁 煙 指 導 が 必 要 と な る.喫 煙 は 肺 癌,COPD
変異頻度
な どの 肺 疾 患 の み な らず 全 身 の悪 性 腫 瘍,心
臓/脳1血管
が 高 い と 報 告 さ れ て い るK。 以 上 の 基 礎 的 解 析 を も と に
病 変,塘 尿 病 な ど 多疾 患 の危 険 因 子 と して 作 用 す る.そ
CYP2A6del変
の 意 味 で 禁煙 運 動 を積 極 的 に推 し進 め る こ とは こ れ らの
異 に焦 点 を絞 り生涯 喫 煙 量 を 中 心 と した
喫 煙 習 慣 と の 関 係 を 解 析 し た]31.如 何 な る変 異 も有 さ な
疾 患 に対 す る 予 防策 と して 童 要 で あ る.CYP2A6del遺
い 場 合 を 野 生 型(Wgroup=CYP2A6.1)と
定 義 し た.
俵 子 変 異 検 査 は各 個 体 に 合 った きめ 細 か い禁 煙指 導 を計
示 した 人
画 す る上で 新 たな基 礎 的 知 見 を与 え る もの と考 え て い る,
欠 掘 型 変 異(Dgroup:'1/det+de!/d「1)を
(A>:9垂 璽
司
1(Bl・旧 難
(pack-years)
量
(packs/day)
禽:P《0
.{⊃5りs.補
朔ld
80
2.0
嚢
sa
.,.
40
1.0
zo
0
第6図
Wild Hetaro Homo
r1門} r1'dO④
(deUdeq
CYP2A6iB伝
(B}:一
子 の 欠 損 変 異(mar.)と
日 嘆 煙 騒(packs!day)..1/。1:野
が{f(r(hetcro). る 人 の 方 が 喫!$Ht3少
del/de!1二
本 のDNAに
O W
IId Hetero {輔門} ("1'dgO 喫 煙 量 と の 関 係.(A):生
生 型(wild),'且
〆def:一
欠 揖 変 異 が 存 在(homo}, な い.
一28一
Homo
lde,'d曙吻
涯 喫 煙 母(pack・years).
本 のDNAの
CYP2A6欠
みに欠損変異
揖 変 異 をfi4'
山 ロ:慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患(COPD)と
(雰 )⋮
巴匪}
e 皓50﹂0 0
0 0
4 2層
非喫煙者の
D褒 異顛度
の:P《0 .01鴨
。
喫煙続行者
且
喫 煙 感 受 憾 規定 週 伝r
ment !Respir of chronic 10)Vestbo 喫煙綾行皆
禁煙成駒轡
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Postma ment chronic smoking. 伝 子 の 欠 損 変 異(d「1}と
係.Dgroup='1/de!+del/de!の
のDNAにCYP2A6欠
DS, Pride with New 禁 煙 成 功 者 に あ っ てDgroupに
double・blind. 人 で 少 な く と も一 本
propionate chronic trial. BMJ 所 属 す る人 の 割 合 は 育意
に 低 い.
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Fly UP