...

Rudi Picheler ルーディ ピヒラー オーストリー/ヴァッハウ

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

Rudi Picheler ルーディ ピヒラー オーストリー/ヴァッハウ
Ru di Pich eler
ルーディ
ピヒラー
オーストリー/ヴァッハウ
ルーディのワイン造りの基本は、完璧なブドウを育てること。
カビの発生した実は取り除くだけではなく、その跡をひとつひとつ
綿棒でアルコール消毒する。貴腐果は全て排除し、健康なブドウの
生理学的成熟を最大限待つ。そのため年にもよるが、多い時には
1 本のブドウを 5 回にわたって収穫したりもする。
「最大限の生理学的熟成を待ってからの収穫」について彼は以下のように考えている。
「最近は生理学的熟成を待たずに収穫をするのが正しい、という言い方をする生産者がい
るが、ここヴァッハウの特に中部以西では成熟期から収穫期にかけて朝晩の気温はかなり
低く、十分な生理学的成熟を待っても、ブドウの酸が極端に下がったり過熟でテロワール
のディフィニションを失うような事態は起こらない。むしろ、待てば待つほどテロワール
の個性を蓄積する、と言える。ただし、風味の豊かさよりエレガントさを重視するリース
リングではアルコール度が 13%を超えることは避けたいので、近年はリースリングをグ
リューナー・ヴェルトリーナーより若干早めに収穫している。
彼の完璧主義は徹底して畑に注がれ、醸造は至ってシンプルだ。基本的にグリューナーも
リースリングも、フェーダーシュピールもスマラクトも、造りに変わりはない。ブドウは
全て除梗。可能な限り天然酵母による発酵を待ち、MLF とバトナージュを行わないこと、
完璧に健全な果実のみだからこそ許される長いスキンコンタクトにより、ブドウの皮から
もテロワールの個性を引き出すのが特徴と言える。
2007 年
06 とともに 01 年以来の超優良年とされます。ただし両者の性格は大きく異なり、
06 は成長期が温暖で、このためアルコールが高く構成も大柄です。
一方 07 は夏まではどちらかと言えば涼しかったのですが、秋から収穫期に好天が続き、
果実は非常に健康な状態で収穫されました。
結果としてアルコールは 06 よりは低目ですが、酸に勢いがあり、長い秋が風味の成熟
が完璧を助けたため、味わいがコンパクトに凝縮し、「いかにも Wachau らしい、或い
は Wachau ならでは」「オーストリア好きにはたまらない」味わいの年となりました。
また、Rudi は 07 年以来 Riesling についてはアルコールが 13.5%以上にならないよう、
しかし果実の生理学的熟成を犠牲にすることのなくこれを達成するために、各畑を従
来より細かいプロットに分けて収穫回数を増やし、より細かいバッチでの醸造をして
います。
ですから、ヴィンテージ自体の個性として、07 年はアルコールが決して高くはなく、
豊満でスケールの大きい 06 年より締まった味わいなのですが、彼の場合はさらに、収
穫バッチを増やしたことの効果で、よりテロワールの個性がコンパクトな風味の中に
凝縮されている、と言えます。
1
グリューナー ヴェルトリーナー
フェーダーシュピール 2007 希望小売価格
グリューナー ヴェルトリーナー
スマラクト テラッセン 2007 希望小売価格
¥3,000¥4,000-
テラッセンは複数の Terrassen、つまり急斜面のテラス状畑からのワインです。極々少量の単一畑
のワインを沢山造っても商品構成上複雑を極めるだけなので、それらを全てブレンドしたのがテラ
ッセンです。
ですから、各畑のテロワールのディフィニションをより明確に表現する、という意味では彼の
Achleiten や Kirchweg に劣ると言えますが、ワインの味わい上の質という意味では全くこれらに劣
ることなく、しかも価格は前者より抑えられるため、お買い得と言えます。
グリューナー ヴェルトリーナー
スマラクト コルメッツ 2007 希望小売価格
¥5,000-
リースリング フェーダーシュピール 2007
希望小売価格 ¥3500畑
単一畑からの格落ちブドウと、ヴェーゼンドルフとヴァイセンキルヒェン村の急斜
面の複数畑のブドウをブレンド。特に斜面の一番高度の高い部分が多い。
土壌 :原成岩、片麻岩、堆積土、スレート、シスト
向き :多様
標高 :230∼420mの急峻な斜面にあるテラス状畑
密植 :3,500 本/ha
収穫 :10 月中旬から 11 月末
醸造
完璧に適正な生理学成熟を待っての遅い収穫。貴腐果を徹底的に排する。100%除梗。味
わいに真正さをもたらしテロワールの個性を表現する皮からの風味を果肉に移すために、
タンクを二酸化炭素で満たし、6 時間から 12 時間に及ぶスキンコンタクトを行う。プレ
スの後にステンレスタンクにて自然発酵、期間は 2∼4 週間。最初の粗い澱引きの後、4
ヶ月オリと触れた状態で熟成。フィルターの後でボトリング。清澄はしない。ヴァッハウ
特有の伸びやかな酸と透明感のあるミネラル、アプリコットなどの涼やかな果実味が相俟
って、最高のフードワインとなる。リリース直後から飲み頃だが、5 年以上の熟成に耐え
る。
希望小売価格
¥4,500-
リースリング スマラクト キルヴェーグ 2007
希望小売価格
畑 Wösendolfer Kirchweg の 0.5ha
土壌 :原成岩上に堆積土
向き :南及び南西
標高 :240mの斜面の麓に忽然と現れる、原成岩土壌の緩斜面
樹齢 :35 年
密植と収穫は、フェーダーシュピールと同じ
¥5,500-
リースリング
スマラクト
テラッセン 2007
2
醸造 他
概ねフェーダーシュピールと同じであるが、18 時間から 30 時間に及ぶ長いスキンコンタ
クトを行う。原成岩土壌特有の繊細な酸とミネラル感を持ちながら、柔らかさもある。
比較的に若いうちから開きやすい特性があるユニークなワイン。しかし、15 年以上の熟
成にも耐える。
リースリング スマラクト アハライテン 2007
希望小売価格 ¥6,500畑
Weissenkirchner Achleiten の 0.5ha
土壌 : ゲフューラー・クナイス (花崗岩の一種)と原成岩
向き :南西および西
標高 :230∼320mの極めて急峻な斜面にあるテラス状の畑
密植と収穫は、フェーダーシュピールと同じ
醸造他 キルヴェーグと同じ
南西∼西向き斜面という不利な条件を美点に転じた、ピヒラーを象徴するワイン。
日照量のハンデは地熱を利用、加えて入念なキャノピー・マネジメントと長いハンギング
タイム、収穫時の厳しい選果も施す。足がすくむ猛烈な急斜面から地中のミネラルを可能
な限り吸い上げた驚くべきワインを生む。リリース直後(収穫の翌年夏∼秋)はミネラル
がやや固いが、2∼3年を経て、この膨大なミネラルが、ルーディのアハライテンにしか
ない、独特の深い陰影と緊張感を与える。ヴィンテージにかかわらず 20 年以上の熟成に
耐える、通人向けのワイン。
普通は白ワインには無理と思われる、重いソースの肉料理や、ジビエ、内臓料理、川魚な
どクセの強い素材にぶつけてこそ、その真価を発揮する。
3
Fly UP