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論文:hisashi. - 立命館大学 高性能計算研究室 HPCLab.

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論文:hisashi. - 立命館大学 高性能計算研究室 HPCLab.
卒業論文
ハードウェア記述言語による教育用
マイクロプロセッサの設計(Ⅰ)
氏名
:
中村
学籍番号
:
2210990161-3
指導教員
:
山崎
提出日
:
2003 年 2 月 21 日
立命館大学
理工学部
央志
勝弘
教授
情報学科
内容梗概
本研究では、Verilog HDL を用いて、マイクロプロセッサの最も基本的なアーキテク
チャを理解する目的で、マルチサイクルプロセッサの設計を行った。マイクロプロセッ
サの設計においては、慶応大学と東京工業大学で共同に開発した実験教育用の 16 ビッ
ト幅の命令セットを持つ PICO16 があるが、これは SFL という HDL(ハードウェア
記述言語)を使用している。本研究ではこのアーキテクチャを理解した上で、Verilog
HDL で実際に設計を行った。
また、ハードウェア設計においてトップダウン設計が主流となっており、その設計方
法である仕様作成、動作レベル HDL 作成、動作レベルシミュレーション、RTL レベル
HDL 作成、論理合成、最適化、ゲートレベルシミュレーションまで行い、プロセッサ
の動作検証を行った。テストプログラムでは C 言語記述のシェルソートを PICO16 で
の記述と比較することで、ハードウェアとソフトウェアの相互の理解を目的とする。
目次
1 はじめに...........................................................................................1
2 ハードウェア記述言語によるマイクロプロセッサの設計......................3
2.1
ハードウェア記述言語...................................................................................... 3
2.2
トップダウン設計............................................................................................. 4
2.3
FPGA ........................................................................................................... 5
2.4
プロセッサアーキテクチャの分類 .................................................................... 5
3
マルチサイクルプロセッサ PICO16 のアーキテクチャ ........................7
3.1
PICO16 の命令セット ...................................................................................... 7
3.2
PICO のアーキテクチャ................................................................................... 9
3.3
命令の実行と制御........................................................................................... 10
4
VerilogHDL によるマルチサイクルプロセッサ PICO16 の設計 ..........12
4.1
CAD ツールと設計手順 .................................................................................. 12
4.2
モジュール構成 .............................................................................................. 15
4.3 データ構成....................................................................................................... 18
5
設計した PICO16 の検証 ................................................................20
5.1
シェルソートによるテストプログラムシミュレーション結果 ........................ 20
5.2 プロセッサの評価 ............................................................................................ 21
5.3 シミュレーション結果の考察 ........................................................................... 22
6 終わりに .......................................................................................23
謝辞 ....................................................................................................24
参考文献..............................................................................................25
付録 ....................................................................................................26
1
マルチサイクルプロセッサ PICO16 の VerilogHDL 記述 ..................................... 26
2
シェルソートテストプログラム............................................................................. 36
i
図目次
図 1:全加算器の論理回路図...................................................................................... 3
図 2:全加算器の VerilogHDL による記述................................................................. 3
図 3:トップダウン設計のフローチャート ................................................................... 4
図 4:PICO の命令形式 ............................................................................................. 7
図 5:PICO16 のデータパス...................................................................................... 9
図 6:トップダウン設計におけるツールの領域........................................................ 12
図 7:NC-Verilog..................................................................................................... 13
図 8:Signalscan Waves.......................................................................................... 13
図 9:入力信号の設定 .............................................................................................. 14
図 10 :回路の最適化................................................................................................ 15
図 11 :シェルソートの C 言語記述 .......................................................................... 20
図 12 :C 言語の for 文における PICO16 命令記述 .................................................. 20
表目次
表 1:PICO16 の命令セット...................................................................................... 8
表 2:PICO16 の機能ユニット .................................................................................. 9
表 3:マルチサイクル方式PICO16 の実行ステップ .............................................11
表 4:reg_fire の入出力信号 .................................................................................... 16
表 5:mux1 の入出力信号........................................................................................ 16
表 6:mux2 の入出力信号........................................................................................ 17
表 7:各命令による mux2_in の入力 ....................................................................... 17
表 8:ALU の入出力信号 ......................................................................................... 17
表 9:mux3 の入出力信号........................................................................................ 18
表 10 :シェルソートの命令数の比較(データ 20個)............................................ 21
表 11 :シェルソートの実行結果 .............................................................................. 21
表 12 :PICO16 の最適化......................................................................................... 21
表 13 :最大ゲート遅延時間とクロック周波数 ......................................................... 21
ii
1
はじめに
世界で最初の CPU は Intel 社が 1971 年 11 月に発表したマイクロプロセッサ
「4004」
である。その動作周波数は 108KHz、トランジスタ数は 2300 個であった。これが 30
年後の現在では、Intel 社より「PentiumⅣ」が発表され、動作周波数は 3.06GHz、ト
ランジスタ数は 5500 万個、20 段のパイプラインなどが実装され、CPU の高速化が実
現されている。[8]
1970 年代に初めて IC(集積回路)が誕生してから、一般の人々に普及したのは電卓
や時計、ゲーム機といったパーソナル機器であった。1980 年代に入ると、DRAM が普
及し、半導体の設計規模が増大した。また、従来は単体の機能だけを考慮して設計して
いたものが、家庭用電化製品や携帯電話に組み込まれているシステム全体を 1Chip 化
するといった SoC(System On Chip)設計などに変わってきており、設計規模が非常
に大きくなってきている。
LSI 設計フローは、従来はセル部から設計を始め、最終的に目的の製品を作成するボ
トムアップ設計という手法が用いられていたが、現在では機能の検証からアプローチす
るトップダウン設計に移行している。ボトムアップ設計では、設計が進むにつれ、修正
が困難になり、設計の最終段階まで製品の完全な動作が検証できないのに対し、トップ
ダウン設計では、ハードウェア記述言語を用い、論理シミュレーションによって設計の
初期で仕様の致命的な欠陥を発見でき、タイミングなどの考慮もする必要がなく、設計
時間の短縮化など、設計が容易にできるようになった。
ハードウェア記述言語は VHDL や VerilogHDL などがあるが、本研究に用いる
VerilogHDL に関しては、1990 年代にケイデンスが開発し、1995 年 12 月に IEEE1364
に認定され、業界に浸透していくこととなった。また、C 言語に似ていることや、動作
レベル、RTL レベル、ゲートレベルのすべての記述が同一の言語で実現できるなど、
非常に扱いやすい言語であると言える。また、FPGA(field programmable gate array)
の登場により、論理機能を安価に実際にチップに焼き付けることができるようになった
ため、開発コストの削減と、開発期間の短縮に繋がった。[1]
今回設計した PICO16 は慶応義塾大学と東京工科大学で共同に開発されたマイクロ
プロセッサであり、16 ビット RISC プロセッサである。命令長は 16 ビットで、I 形式、
R 形式、
J 形式の3つの形式と、27 個の命令を持つ。また PICO 自体は SFL(Structured
Functional Language )というハードウェア記述言語を用い、NTT 研究所が開発した
ハ ー ド ウ ェ ア 開 発 環 境 で あ る PARTHENON ( Parallel Architecture Refiner
THEorized by Ntt Original Concept)を用いて設計されている。[3]
本研究では、PICO16 を Verolog HDL を用いて設計することにより、マイクロプロ
セッサの基本的なアーキテクチャを理解すし、HDL によるトップダウン設計の手順を
習得することを目的とする。ローム記念館の立命館大学 VLSI センターで用いられてい
る CAD ツールで設計した。VLSI センターで実際に使用したツールは、NC-Verilog、
1
Verilog-XL(機能設計)、Design Compiler(論理合成)である。トップダウン設計に
基づいて、仕様作成、動作レベル HDL 作成、動作レベルシミュレーション、RTL レベ
ル HDL 作成、論理合成、最適化、ゲートレベルシミュレーションまで行った。
第 2 章ではハードウェア記述言語によるマイクロプロセッサの設計について述べる。
第 3 章では PICO16 マルチサイクルプロセッサのアーキテクチャについて述べる。第
4章では、ローム記念館の論理設計ツールである、NC-Verilog を用いた論理シミュレ
ーション、Design Compiler を用いた論理合成と最適化について述べる。第 5 章では C
言語記述のシェルソートを PICO 16 で記述した上で、そのテストパターンのシミュレ
ーションによる検証、ハードウェア規模、性能などの検証と考察について述べる。
2
2
ハードウェア記述言語によるマイクロプロセッサの設計
2.1
ハードウェア記述言語
ハードウェア記述言語(HDL:Hardware Description Language)とは LSI やシス
テムなどの設計データを記述するための言語であり、ハードウェアの動作を論理ゲート
レベルより抽象度の高いレベルで記述できる言語である。それにより設計時間が短縮で
きることや、設計の変更や再利用が容易であり、設計者がより完成度の高いシステムを
設計することができる。またハードウェア記述言語はC言語に似ているため、言語の習
得と言う意味でも非常に有効である。
代表的な HDL には VHDL、
VerilogHDL 、SFL
(Structured Functional Language)
などがあるが、ここでは VHDL と Verilog HDL の 2 種類についてその特徴を示す。
?? VHDL
−米国防総省にて開発された言語
−通信用 LSI、システム設計の開発に使用
−文法的に厳格な言語
?? VerilogHDL
−パブリックドメインとしてケイデンスが公開
−1995 年に IEEE1364 として標準化
−LSI 設計の記述性を重視した言語
また、図 1 の全加算器における VerilogHDL での記述を図2に示す。
図 1:全加算器の論理回路図
module fadder (a,b,cin,sum,cout);
input a,b,cin;
output sum,cout;
assign cout = (a&b)│(b&cin)│(a&cin);
assign sum = (a& b& cin)│( a&b& cin)│( a& b&cin)│(a&b&cin);
endmodule
図 2:全加算器の VerilogHDL による記述
VerilogHDL では 1 行目でモジュール名の宣言と外部ポートの宣言を行う。1 行目 2
行目の input、output で入出力信号の定義をする。そして、assign 文で実際の出力結
果と一致するようにプログラムを作成する。
3
2.2
トップダウン設計
ハードウェア記述言語の普及により従来のボトムアップ設計からトップダウン設計に移
行した。トップダウン設計とは図3のように抽象度の高い仕様設計から機能記述、回路図
を経て、実際の回路の設計に向かって徐々具体度を高めていく設計手法である。まず最初
に仕様を設計し、動作レベルでの HDL を記述し、テストパターンによって動作レベルシミ
ュレーションを行い、仕様通りの機能が得られるよう修正する。次に動作レベル HDL を
RTL(Register Transfar Level)HDL に変換し、それを論理合成、最適化した上で、ネッ
トリストを出力する。配置配線ツールなどによってゲートレベルシミュレーションを行い、
FPGA(Field Programmable Gate Array)などの Chip に焼き付けて動作検証を行う。
図 3:トップダウン設計のフローチャート
4
2.3
FPGA
PLD(Programmable logic device)と呼ばれるプログラム可能な LSI は、SPLD(Simple
PLD)、CPLD(Complex PLD)、 FPGA(Field Programmable Gate Array)の 3 種類に
分類される。SPLD、CPLD は記録方式として EEEPROM 構造をしており、またゲート数
は少ない。FPGA は SRAM 構造になっており、ゲート数は数百万ゲートで大規模である。
FPGA はプログラム書き換え可能なゲートアレイで、トップダウン設計により設計された
論理機能を焼き付けることで、その LSI が利用できる。従来のボトムアップ設計では大規
模な LSI の作成に多大なコストがかかっていたが、この FPGA によって動作検証ができる
ようになったことでこの問題は解決した。
2.4
プロセッサアーキテクチャの分類
1971 年 11 月に Intel 社が発表したマイクロプロセッサ「4004」が世界で最初のマイ
クロプロセッサである。現在では Intel 社より「PentiumⅣ」が発表されている。様々
なプロセッサが開発される中で命令実行方式にも違いがあり、そのアーキテクチャの分
類と、その動作について述べる。
(1) 単一サイクル方式
単一サイクル方式では、一つの命令を1クロックサイクルで完了する。最も処理の長い
命令に依存するため、高速化ができない。現代のマイクロプロセッサに採用されていない。
また CPI は1となる。
(2)マルチサイクル方式
マルチサイクル方式では、ひとつの命令を命令フェッチ、レジスタフェッチ、EX、メモ
リアクセス、などの複数のステップに分け、それぞれのステップが1クロックサイクルを
占める。また、単一サイクルに比べ CPI は増大するが、1クロックサイクルを短くするこ
とが可能で、クロック周波数をあげることができる。本研究で設計した PICO16 もマルチ
サイクル方式である。
(3) パイプライン方式
パイプライン方式は命令の各実行ステップをステージに分割し、連続した各命令を少し
ずつずらして同時並列的に実行する方式である。命令のスループットが増大し、命令の全
体のクロックサイクルが大幅に減少する。だが、パイプラインステージを増やせば増やす
ほど高速化が期待できるわけではなく、実際は次のクロックサイクルで命令が実行できな
いというパイプラインハザードが起こる。パイプラインハザードにはデータハザード、制
御ハザードなどがあるが、これを考慮するため、制御も複雑になる。現在の Intel 社の
「PentiumⅣ」には20段ものパイプラインが実装されスーパーパイプラインとも呼ば
れる。
5
(4) スーパースカラ方式
スーパースカラ方式とは、フェッチやデコード、実行するためのユニットをそれぞれ複
数用意して、1 クロックサイクルで複数の命令を同時に実行する方式である。また命令実行
時にプロセッサ内部で動的に判断され、空いている実行ユニットがあれば自動的にそれを
使うようにスケジューリングが行われる。
(5) VLIW 方式
VLIW(Very Long Instruction Word)方式とは、ひとつの命令語中に、複数の命令を格
納しておき、それらをすべて同時に実行する方式である。常に決まった数の命令が同時に
パイプラインに投入され、同時に実行される。命令間には依存関係がないように事前にコ
ンパイラによって最適化する。VLIW の性能を最大限に引き出すためにはコンパイラによ
る最適化技術が欠かせない。
6
3
マルチサイクルプロセッサ PICO16 のアーキテクチャ
3.1
PICO16 の命令セット
PICO16 は、慶応義塾大学と東京工科大学で共同に開発した実験教育用のマイクロプ
ロセッサで、利用可能な FPGA のサイズに応じてさまざまなサイズの命令セットを構
築することができる。PICO16 の命令セットは以下のような特徴をもつ。[3]
?? Load/Store マシン(register-register マシン)である。
計算はレジスタ間でのみ許される。計算を行うためにはメモリからレジスタにデー
タをロードする必要がある。
?? 16 ビットの単一命令長を持つ
命令長を固定することで、命令の作り方に苦しい部分がでてくるが、制御が圧倒的
に簡単になり、パイプライン化も容易になる。
?? 単純な命令セット
単純な命令セットを持つことで、簡単な実装ができる。
PICO にはメモリアクセス命令を含むレジスタ間演算命令、immediate(即値)命令、
分岐命令の3種類の命令があり、図4に PICO の命令形式を示す。
R 形式
I 形式
J 形式
5
3
3
5
OP
Rd
Rs
funct
5
3
8
OP
Rd
immediate
5
11
OP
address
図 4:PICO の命令形式
各フィールドの意味を以下に示す
OP(opcode)
: 命令形式の判定
Rd(destination Register) : 格納先レジスタ
Rs(source Register)
: 参照先レジスタ
Function(functional code) : 論理演算用の補助コード
Ad d r e s s
: Rd に対する即値
PICO16 の命令セットはこれらの3つの命令形式をもち、I 形式(即値命令)は
immidiate 命令で、条件分岐命令などに使用する 8 ビットのフィールドデータを格納す
る。R 形式(レジスタ−レジスタ命令)は算術論理演算に利用する。J 命令(分岐命令)
7
はジャンプ命令、サブルーチンコールなどに使用する。命令コード以外はすべてデータ
に使って、できる限り長いデータを格納する。また、PICO16 の持つ命令数は 27 個で
ある。その命令を表1に示す。
表 1:PICO16 の命令セット
命令形式
R 形式
I 形式
J 形式
命令コード
実行内容
00000ddd_sss00000
NOP
有効な操作は行わない
00000ddd_sss00001
MV
s の値を d に格納
00000ddd_sss00010
AND
d と s の AND を d に格納
00000ddd_sss00011
OR
d と s の OR を d に格納
00000ddd_sss00100
XOR
d と s の XOR を d に格納
00000ddd_sss00101
NOT
s の NOT を d に格納
00000ddd_sss00110
ADD
d+s を d に格納
00000ddd_sss00111
SUB
d‐s をdに格納
00000ddd_sss01000
LD
s で示す番地の値を d に格納
00000ddd_sss01001
ST
d で示す番地の値に s を格納
00000ddd_sss01100
SL
s の 1bit 左シフトを d に格納
00000ddd_sss01101
SR
s の1bit 右シフトを d に格納
00110ddd_xxxxxxxx
ADDI
d+X を d に格納
00111ddd_xxxxxxxx
SUBI
d‐X を d に格納
00010ddd_xxxxxxxx
ANDI
d と X の AND をdに格納
00011ddd_xxxxxxxx
ORI
d と X の OR を d に格納
00100ddd_xxxxxxxx
XORI
d と X の XOR を d に格納
11100ddd_xxxxxxxx
LDLI
X を d の下位 8bit に格納
11101ddd_xxxxxxxx
LDHI
X を d の上位 8bit に格納
01000ddd_uuuuuuuu
JALR
戻り番地を格納して d へ分岐
01001ddd_xxxxxxxx
BNEZ
d≠0 ならば相対分岐
01010ddd_xxxxxxxx
BEQZ
d=0 ならば相対分岐
01011ddd_xxxxxxxx
BMI
d<0 ならば相対分岐
01100ddd_xxxxxxxx
BPL
d ? 0 ならば相対分岐
01101_xxxxxxxxxxx
JAL
戻り番地を格納して相対分岐
01110ddd_uuuuuuuu
JR
d の内容に相対分岐
01111_xxxxxxxxxxx
JMP
無条件相対分岐
8
3.2
PICO のアーキテクチャ
本研究で作成した PICO16 のデータパスを図5に示す。
図 5:PICO16 のデータパス
PICO16 は表2に示す機能ユニットから構成されている。
表 2:PICO16 の機能ユニット
プログラムカウンタ(pc)
次に読み込む命令を格納する
命令レジスタ(ir)
プログラムメモリから命令を格納する
レジスタ(reg_file)
命令をデコードして格納する
メモリアドレスレジスタ(mar)
アクセスするメモリのアドレスを格納
メモリデータレジスタ(mdr)
メモリに書き込むデータを格納
データメモリ(data memory)
データを格納
プログラムメモリ(program memory)
命令を格納
ALU(alu)
算術演算を行う
マルチプレクサ(mux)
入力するデータを選択する
9
3.3
命令の実行と制御
PICO16 はマルチサイクルプロセッサであり、命令フェッチと命令実行を繰り返しながら動
作する。メモリアクセス命令を含むレジスタ間演算命令、immediate(即値)命令、分
岐命令の3種類の命令があり、命令フェッチ、レジスタフェッチ、EX、EX2 の 4 つの
ステージに分かれ状態遷移を繰り返す。メモリアクセス命令と JAL 命令のみが EX2 を含
めた 4 つのステージを実行し、その他の命令は EX までの 3 つのステージで実行する。
以下に4つの状態遷移を示す。
?? IF:命令フェッチ
プログラムアドレスである PC で指定されるプログラムメモリの値を ir に格納する。
?? RF:レジスタフェッチ
Ir のレジスタフィールド取ってきた命令中のオペランドフィールド(10∼8bit、7∼5bit)
で指定されるアドレスをレジスタから読み出し、セレクタ(mux1、mux2) に値を代入す
る。immidiate(即値)命令では、pc_add で下位 8 ビットの値を 16 ビット(上位 8 ビ
ットは 0)に拡張する。また 7∼5bit は immidiate の数値の一部であるため、このアド
レスの値は利用されないが、読み出してもは問題はないため読み出しておく。また、こ
のステージで次の命令を読み出すための PC の値を ALU で1加算しておく。ST 命令で
は読み出したレジスタの値をメモリデータレジスタ(mdr)に格納しておく。
?? EX:実行1
メモリアクセス(LD、ST)以外の命令は EX ステージで完了する。レジスタ間演算命
令では、セレクタから ALU に値を代入し、また ir の 4∼0bit は ALU のコマンド(com)
となっているため、そのコマンドを用いて演算を実行し dbus を経由してからレジスタ
ファイルに書き込む。Immidiate(即値)命令では、ir の 15∼11bit が ALU のコマン
ドとなっており、pc_add で符号拡張した値を演算する。LD 命令ではアクセスするメモ
リのアドレスをメモリアドレスレジスタ(mar)に格納する。分岐命令では、判定する
条件の結果によって分岐先アドレスを pc に格納する。
?? EX2:実行2(メモリアクセス)
LD 命令では、mar に格納したアドレスを読み出し、レジスタに格納することで命令を
完了する。ST 命令では、レジスタファイルから読み出したメモリのアドレスに mdr の
値を格納する。
10
また、各命令の実行ステップを表3に示す。
表 3:マルチサイクル方式PICO16 の実行ステップ
R 形式、I 形式
LD 命令
ST 命令
J 形式
JAL 命令
IF
命令フェッチ
RF
レジスタのフェッチ、プログラムカウンタの処理
EX
EX2
演算処理
メモリ
メモリアドレス
分岐処理
分岐元アドレス
アクセス
を読み込む
を格納
レジスタに
メモリに格納
分岐処理
格納
?? 演算処理:演算を実行して、その結果をレジスタに格納
?? 分岐処理:分岐の条件による判断の結果を pc に格納
11
4
VerilogHDL によるマルチサイクルプロセッサ PICO16 の設計
4.1
CAD ツールと設計手順
本研究ではローム記念館の VLSI センターで使用されている CAD ツールを用いて設計を
行った。使用したツールは以下の2つである。
?? NC-verilog、Verilog-XL
ケイデンス社の verilog シミュレータであり、NC-verilog はコンパイラ型の超高速イベ
ント・ドリブン・シミュレータであり、Verilog-XL はインタプリタ型の高速イベント・
ドリブン・シミュレータである。Verilog-XL は業界標準シミュレータとして確立されて
おり、多くの ASIC ベンダからサインオフ・シミュレータとして認定されている。また
NC-verilog と Verilog-XL は互換性があるため、本研究では NC-verilog を用いて、RTL
レベルシミュレーションとゲートレベルシミュレーションまでを行った。
?? DesignCompiler
Synopsys 社の論理合成、最適化ツールであり、verilog による回路記述と NC-verilog
による機能シミュレーションが完了したら,Design Compiler でターゲットの ASIC ラ
イブラリに基づいて論理合成を行い、最適化済みゲートレベル記述を作成する。
本研究で行ったゲートレベルシミュレーションまでのトップダウン設計におけるツールの
領域を図 6 に示す。
図 6:トップダウン設計におけるツールの領域
12
また、このツールはローム記念館の端末でのみ使用可能である。 VLSI センターの端末の
OS は solaris を用いている。NC-verilog による各レベルシミュレーションの手順は端末エ
ミュレータから、
% ncverilog +access+r test_pattern.v logic_ description.v –s +gui
とコマンドを入力することで図7の GUI が立ち上がる。
図 7:NC-Verilog
また、これから波形を表示してシミュレーション結果を確認するには 、図7の左側の
ボタンを押すことで、
navigator ウィンドウで表示したい信号を選択してから右上の
下図のような SignalscanWaves というグラフィック波形表示ツールが起動する。図8に表
示されている波形は図2の全加算器の verilogHDL 記述より用いた。
図 8:Signalscan Waves
13
NC-verilog と Signal Waves を用いて動作レベルの記述に問題がないことがわかれば、次に
Design Compiler を用いて論理合成と最適化を行う。Design Compiler の起動は、
% design_analyser
とコマンドを入力することで、Design Compiler の GUI 版の design_analyser が起動する。
ここでは「File」→「Read」から全加算器の VerilogHDL 記述ファイルを読み込んだ。そ
のときに、ターゲットの ASIC ライブラリに基づいて回路の合成が行われる。
最初にモジュールが2つ以上の場合は回路の平坦化、またはサブ回路の独自化を行う。回
路の平坦化は「Setup」→「Command Window」から開いたウィンドウに ungroup –all
–flatten と入力して実行する。サブ回路の独自化は、トップモジュールを選択して「Edit」
→「Uniquify」→「Hierarchy」を実行する。
次に入出力バッファセルの挿入を行う。まず入力信号の設定は、入力信号を選択して
「Attribute」→「Optimization Directives」→「Input port」から図9のような画面が開
く。Port is Pad にチェックを入れ Port Pad Attributes...を押すとウィンドウが開く。そこ
では Exact Pad to Use にチェックをいれ、Pad Name を VZIBUF としてセルの挿入を実行
する。同様に出力信号の場合は、出力信号を選択して「 Attribute 」→「 Optimization
Directives」→「Output port」から図9と同様にして、Pad Name を VZOBUF とする。
次に、
「Edit」→「Insert Pads」で開いたウィンドウをそのまま OK としてこのセルの挿入
が完了する。そして「Tools」→「Design Optimization」で回路の最適化を行う。
図 9:入力信号の設定
14
次に図9の入出力ポートを全て選択し、「Attributes」→「Optimization Constraints」→
「Timing Constraints」を実行して、タイミングの制御の設定を行う。また、Clock があれ
ば、
「Attributes」→「Clocks」よりクロック周期の設定をする。今回の全加算器では Clock
が な い の で こ の 設 定 は し な い 。 こ れ ら の 設 定 が 完 了 し た 上 で 「 Tools 」 → 「 Design
Optimization」から回路の最適化をもう一度実行することで、design_analyzer による回路
の最適化が完了する。図 10 にファイルを読み込んだときの全加算器の回路図(左)と、手
順を全て完了した後の回路図(右)を示す。
図 10:回路の最適化
4.2
モジュール構成
図5のデータパスにより設計した PICO16 にはモジュールが、reg_fire、mux1、mux2、
ALU、mux3 の5つがある。以下に各モジュールの入出力と動作を説明する。
?? reg_file(レジスタファイル)
命令を実行するためのレジスタのアドレスを受け取り各種演算命令の結果を出力する。
また、その結果を再び格納する。このプロセッサにおいて最も必要なモジュールのひと
つである。その入出力信号を表4に示す。
15
表 4:reg_fire の入出力信号
clk( 1ビット)
クロック信号、全ての動作が clk に同期する。
rst( 1ビット)
clk の立ち上がりに1ならばレジスタファイル
の中身を初期化する。
reg_req(1ビット)
レジスタから読み込むときは1、書き込むとき
は0を入力する。
入力信号
reg_addr1(3ビット)
演算などに用いるレジスタファイルのアドレ
スである ir の 10∼8bit を入力する。
reg_addr2(3ビット)
レジスタファイルのアドレスである ir の 7∼
5bit を入力する。
reg_in(16 ビット)
演算の結果や、分岐元アドレスの保存時にレジ
スタに入力する。
reg_dout1(16 ビット)
出力信号
読み込んだ reg_addr1 のアドレスに入ってい
るレジスタのデータを出力する。
reg_dout2(16 ビット)
読み込んだ reg_addr2 のアドレスに入ってい
るレジスタのデータを出力する。
?? mux1(データセレクタ1)
mux1 では、reg_fire から受け取った reg_dout1 と pc(プログラムカウンタ)が入力さ
れ、どちらかを選択して出力する。ステージの初期値が与えられたときはクロックの立
ち下がりで pc を選択する信号が入力される。入出力信号を表5に示す。
表 5:mux1 の入出力信号
mux1_sel(1 ビット)
1ならば mux1_in1 の値を出力し、0ならば
mux1_in2 の値を出力する。
入力信号
mux1_in1(16 ビット)
レジスタファイルから出力された
reg_dout1 のデータを入力する。
出力信号
mux1_in2(16 ビット)
pc の値を入力する。
mux1_out(16 ビット)
mux1_sel の信号から値を出力する。
?? mux2(データセレクタ2)
mux2 では reg_dout2 と pc を加算する値または ir から符号拡張された値が入力され、
どちらかを選択して出力する。mux1 と同様にステージの初期値が与えられたときは
クロックの立ち下がりで pc を加算する値を選択する信号が入力される。
16
表 6:mux2 の入出力信号
mux2_sel(1 ビット)
1ならば mux2_in1 の値を出力し、0ならば
mux2_in2 の値を出力する。
入力信号
mux2_in1(16 ビット)
レジスタファイルから出力された
reg_dout2 のデータを入力する。
mux2_in2(16 ビット)
pc を加算する値や、immidiate 命令で加算す
る数値を拡張して入力する。
出力信号
mux2_out(16 ビット)
mux2_sel の信号から値を出力する。
特に mux2_out の出力が mux2_in2 の時は、表 7 のように命令によって入力される値
が変わる。
表 7:各命令による mux2_in の入力
ir に入力された命令
mux2_in2(16 ビット)に入力される値
LDLI 、ADDI、SUBI
ir[7]を上位 8 ビットに拡張、下位 8 ビットに ir[7:0]
LDHI
上位 8 ビットに ir[7:0]、下位 8 ビットは 0
ANDI、ORI、XORI
上位 8 ビットは 0、下位 8 ビットに ir[7:0]
JAL、JMP
上位 5 ビットに ir[10]を拡張、下位 10 ビットに ir[10:0]
BPL 、 BNEZ 、 BEQZ 、 BMI
が条件を満たす場合
上の命令が条件を満たさない
場合とステージが IF のとき
ir[7]を上位 8 ビットに拡張、下位 8 ビットに ir[7:0]
16 進数「0001」
?? ALU(論理演算ユニット)
mux1 と mux2 のそれぞれからの出力を受け取り、ir から受け取った opcode によって
決められた演算を実行する。RF ステージでは pc のカウントに使われ、EX ステージで
は ir から読み取った演算を実行する。
表 8:ALU の入出力信号
com( 4ビット)
入力信号
出力信号
opcode が入力され、その code によって行う演算
を決定する。
reg1(16 ビット)
mux1 の出力から入力される
reg2(16 ビット)
mux2 の出力から入力される
alu_out(16 ビット)
演算結果を出力する。
17
?? mux3(データセレクタ 3)
alu からの出力を受け取り、また LD 命令でロードする値を受け取る。
表 9:mux3 の入出力信号
mux3_sel(1 ビット)
1ならば mux3_in1 の値を出力し、0ならば
mux3_in2 の値を出力する。LD 命令の時のみ
入力信号
0となる。
mux3_in1(16 ビット)
ALU から出力された alu_out が入力される。
mux3_in2(16 ビット)
LD 命令の時のみ、データメモリの値が入力さ
れる。
出力信号
mux3_out(16 ビット)
mux3_sel の信号から値を出力する。
4.3 データ構成
図5のデータパスにある中で、モジュールではないユニットの動作を以下に示す。
?? pc(プログラムカウンタ)
プログラムカウンタであり、次に読み込む命令のアドレスをプログラムメモリに送る。
また、pc の加算の時には mux1 に出力される。
?? program memory (プログラムメモリ)
pc からプログラムアドレスを受け取り、prog_read の立ち上がりに ir へデータを出力
する。
?? dbus
mux3 から入力され、値を保持するためのバス、pc を加算した値が入力され、再び pc
に出力する。また ALU の演算結果も dbus に保持される。
?? ir
プログラムメモリから受け取ったデータを 10∼8bit と、 7∼5bit を reg_file へ出力す
る。またプログラムカウンタで加算する値を mux2 に出力する。
?? mar(メモリアドレスレジスタ)
LD 命令時に reg_file の reg_dout2 を受け取る。データメモリからロードするアドレス
が入力される。また ST 命令時には dbus から格納するデータメモリのアドレスが入力
される。
18
?? mdr(メモリデータレジスタ)
ST 命令時に reg_file の reg_dout2 を受け取る。データメモリに格納するデータが入力
される。
?? data memory
dmem_req が1の時は、S T 命令時の mdr と mar から受け取ったデータを書き込む。
dmem_req が0の時は、LD 命令時の mar から受け取ったアドレスを dmem_out とし
て、mux3 に出力する。
19
5
設計した PICO16 の検証
5.1
シェルソートによるテストプログラムシミュレーション結果
本研究で作成したテストプログラムは図 11 の C 言語記述によるシェルソートを用いた。
これを PICO16 の命令セットで記述をして動作確認を行った。データ数は 5 個、20 個、
50 個の場合で行った。
1: void shell_sort(in a[], int n)
2: {
3:
int h, i, j, t;
4:
5:
for(h = 1; h < n/9; h * 3 + 1)
6:
;
7:
8:
for( ; h > 0; h = h/3){
9:
for(i = h; i < n; i++ ){
10:
j = i;
11:
while (j >= h && a[j-h] > a[j]){
12:
t = a[j];
13:
a[j] = a[j-h];
14:
a[j-h] = t;
15:
j = j ? h;
16:
}
17:
}
18:
}
19: }
図 11:シェルソートの C 言語記述
またその C 言語の 5 行を実際に PICO16 の命令セットに変換した命令を図 12 に示す。
C 言語の for 文の 1 行が PICO16 の命令だと 18 行になっている。
//5:
1:
2:
3:
4:
5:
6:
7:
8:
9:
10:
11:
12:
13:
14:
15:
16:
17:
18:
for(h = 1; h < n/9; h * 3 + 1)
11100000_00010100 //LDLI r1 #20
11100010_00000001 //LDLI r2 #1
11100101_00000000 //LDLI r5 #0
00111001_00001001 //SUBI r1 #9
00110101_00000001 //ADDI r5 #1
01100001_11111110 //BPL r1 #-2
00111101_00000001 //SUBI r5 #1
01010101_00001010 //BEQZ r5 #10
11100100_00000010 //LDLI r4 #2
00000011_01000001 //MV
r3 r2
00000010_01100110 //ADD r2 r3
00111100_00000001 //SUBI r4 #1
01001100_11111110 //BNEZ r4 # -2
00110010_00000001 //ADDI r2 #1
00000110_10100001 //MV
r6 r5
00000110_01000111 //SUB r6 r2
01100110_11110111 //BPL r6 #-8
00000111_01000001 //MV
r7 r2
n の値 20 を r1 に格納
h の初期値 1 を r2 に格納
r5 に 0 を格納
r1 - 9 → r1
r5 + 1 → r5
r1>0 ならば命令 4 に分岐
r5 - 1 → r5
r5=0 ならば命令 18 に分岐
r4 に 2 を格納
r2 を r3 にコピー
r2 + r3 → r2
r4 - 1 → r4
r4≠0 ならば命令 11 に分岐
r2 + 1 → r2
r5 を r6 にコピー
r6 - r2 → r6
r6>0 ならば命令 9 に分岐
r2 を r7 にコピー
図 12:C 言語の for 文における PICO16 命令記述
20
C 言語と PICO16 との命令数の比較を表 10 に示す。
表 10:シェルソートの命令数の比較(データ 20個)
C 言語
PICO16
静的命令数
19
55
実行命令数
422
1436
また、論理シミュレーションレベルでのクロックサイクルと実行命令数を表 11 に示す。
ソート数が 5 個の時に CPI が下がっているが、これはデータの入れ替えが少なかったこ
とで、クロックサイクルが多い LD、ST 命令が少なかったからである。シェルソートす
るデータの並び方によって CPI 数が変化する。
表 11:シェルソートの実行結果
データ数
5
20
50
実行命令数
226
1436
5164
クロックサイクル数
716
4574
16460
CPI
3.168
3.185
3.187
5.2 プロセッサの評価
4.1章で述べた design_analyzer を用いて最適化を行い、表 12 のような結果が得られ
た。入出力のポート数は変化しないが、特に配線の数が大幅に最適化されていることがわ
かる。
表 12:PICO16 の最適化
最適化前
最適化後
ポート数
84
84
配線数
1486
796
セル(ゲート)数
763
671
また、最適化が完了した後のゲート遅延時間、クロック周波数を表 13 に示す。
表 13:最大ゲート遅延時間とクロック周波数
最大ゲート遅延時間
クロック周波数
38.98 ns
25.62 MHz
21
5.3 シミュレーション結果の考察
本研究では、マルチサイクルプロセッサである PICO16 を VerilogHDL で記述し、トッ
プダウン設計におけるゲートレベルシミュレーションまで行った。また最適化では、配線
数が大きく減少したことなどから、最 適化の過程が理解できた。ゲートレベルシミュレー
ションは動作の確認は取れ、遅延などの情報も得ることができた。また、それを想定した
VerilogHDL 記述ができるようになった。ただ、トップダウン設計の途中までしか完了し
ていないことを踏まえると、このマイクロプロセッサの設計はまだ完了したとは言えない
ので、VLSI センターでのトップダウン設計を完全に理解する必要がある。
シェルソートのテストプログラムでの実行結果から、C 言語による記述と PICO16 の命
令を比較して、C 言語と命令語の違いを確認することができた。
また PICO 16 では 27 命令あるが、2 つのレジスタのデータを比較して分岐する命令が
ないため、この命令を追加することでシェルソートなどの比較分岐が多いプログラムなど
には特に有効な効果が得られると考えられる。
22
6
終わりに
本論文では、ハードウェア記述言語によるマルチサイクルプロセッサ PICO16 の設計につ
いて述べた。VLSI センターのツールを使用して、論理レベルシミュレーションからゲート
レベルシミュレーションまでを行った。テストパターンは C 言語のシェルソートを PICO16
の命令セットに記述したことにより、ハードウェアとソフトウェアの両方に対する理解を
深めることができた。
現在ハードウェア記述言語が普及してきていることから、ハードウェア設計はよりソフト
ウェア開発に近いものになっている。その中で我々のようにソフトウェアを学んできた者
がハードウェアの知識を学ぶことで、ハードウェアとソフトウェアの双方のより深い知識
が得られ、双方のことを踏まえた開発ができる能力が身につくと信じている。
今後の課題として、FPGA 上へ実際にダウンロードして動作検証を行い、トップダウン設
計の完全な習得を目指したいと考えている。
23
謝辞
本研究の機会を与えてくださり、貴重な助言ご指導をいただきました山崎勝弘教授、小柳
滋教授に深く感謝いたします。また、本研究に関して貴重なご意見をいただきました、Tran
So Cong氏、池田修久氏、大八木睦氏、同じハードウェアに関する研究を行った藤原淳平氏、
古川達久氏、及び様々な面で貴重な助言と励ましを下さった研究室の皆様に深く感謝いた
します。
24
参考文献
[1]立命館大学 VLSI センター:社会人向け VLSI 設計セミナー レクチャー用マニュアル、
2001
[2]John L.Hennessy, 、David A .patterson 著、成田光章訳:コンピュータの構成と設計
(上)(下)、日経 BP 社、1999
[3]天野英晴、西村克信 著:作りながら学ぶコンピュータアーキテクチャ、培風館、2001
[4]近藤嘉雪 著:C プログラマのためのアルゴリズムとデータ構造、ソフトバンク社、1998
[5]池田修久:ハードウェア記述言語による単一/パイプラインマイクロプロセッサの設計、
立命館大学理工学部情報学科卒業論文、2002
[6]大八木睦:ハードウェア記述言語によるマルチサイクル/パイプラインマイクロプロセッ
サの設計、立命館大学理工学部情報学科卒業論文、2002
[7]上平 祥嗣:KITE マイクロプロセッサを用いたハードウェア/ソフトウェア・コデザイン、
立命館大学理工学部情報学科卒業論文、1998.
[8] 田中義久: ハードウェア記述言語による FPGA 上への教育用マイクロプロセッサの
実装、立命館大学理工学部情報学科卒業論文、1998
[9] インテル:http://www.intel.co.jp/、2002
[10] VLSI 設計技術研究専門委員会:ディジタル集積回路設計、電子情報通信学会、2002
[11]藤原純平:ハードウェア記述言語による教育用マイクロプロセッサの設計(II)、立命
館大学理工学部情報学科卒業論文、2003
[12]古川達久:マルチサイクル・パイプライン方式による教育用マイクロプロセッサの設計
と検証、立命館大学理工学部情報学科卒業論文、2003
25
付録
1
マルチサイクルプロセッサ PICO16 の VerilogHDL 記述
`timescale 1ns/100ps
module
new_pico(rst,clk,prog_in,pc,prog_read,data_addr,mdr,dmem_out,dmem_req);
input
rst, clk;
input [15:0] prog_in,dmem_out;
output
dmem_req,prog_read;
output [15:0] pc,mdr,data_addr;
wire [15:0] reg_dout1, reg_dout2;
wire [15:0] dmem_out,reg_in,alu_out,
reg1,reg2,data_addr,
regi,prog_in;
wire [15:0] mux2_in1,mux2_in2;
wire [3:0] com;
wire [2:0] addr1,reg_addr2;
wire
rst, clk;
reg [15:0] pc,dbus,mar,mdr,ir;
reg [3:0] stat;
reg
mux1_sel,mux2_sel,mux3_sel,
reg_req,dmem_req,prog_read;
parameter
ROP = 5'b00000,
LDLI= 5'b11100,
LDHI= 5'b11101,
BNEZ= 5'b01001,
BEQZ= 5'b01010,
BMI = 5'b01011,
BPL = 5'b01100,
JR = 5'b01110,
JMP = 5'b01111,
JAL = 5'b01101,
ADDI= 5'b00110,
SUBI= 5'b00111,
ANDI= 5'b00010,
ORI = 5'b00011,
XORI= 5'b00100,
HALT= 5'b11111,
LD = 5'b01000,
ST = 5'b01001,
SL = 5'b01100,
SR = 5'b01101;
parameter
IF = 4'b0001,
RF = 4'b0010,
EX = 4'b0100,
26
alu16
EX2 = 4'b1000;
alu1(.ina(reg1),
.inb(reg2),
.com(com),
.y(alu_out));
reg_file regf1(.reg_addr1(reg_addr1),
.reg_addr2(reg_addr2),
.reg_in(reg_in),
.reg_dout1(reg_dout1),
.reg_dout2(reg_dout2),
.reg_req(reg_req),
.rst(rst),
.clk(clk));
mux1
mu1(.mux1_in1(reg_dout1),
.mux1_in2(pc),
.mux1_out(reg1),
.mux1_sel(mux1_sel));
mux2
mu2(.mux2_in1(mux2_in1),
.mux2_in2(mux2_in2),
.mux2_out(reg2),
.mux2_sel(mux2_sel));
mux3
mu3(.mux3_in1(alu_out),
.mux3_in2(dmem_out),
.mux3_out(regi),
.mux3_sel(mux3_sel));
assign
com = ((ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] != ST &&
ir[4:0] != LD) &&
rst == 0 &&
stat != IF)? ir[3:0]:
((ir[15:11] == ADDI ||
ir[15:11] == SUBI ||
ir[15:11] == ANDI ||
ir[15:11] == ORI ||
ir[15:11] == XORI) &&
rst == 0 &&
stat != IF)? ir[14:11]:
(rst == 1)? 4'bx:
(stat == IF)? 4'b0110:
((ir[15:11] == BPL ||
ir[15:11] == BNEZ ||
ir[15:11] == BEQZ ||
ir[15:11] == BMI ||
ir[15:11] == JMP) &&
stat != IF)? 4'b0110:
((ir[15:11] == LDLI ||
ir[15:11] == LDHI ||
ir[15:11] == JAL) &&
27
stat != IF)? 4'b0001: 4'b0000;
assign
mux2_in1 = (rst == 0)? reg_dout2: 16'bx;
assign
mux2_in2 = ((ir[15:11] == LDLI ||
ir[15:11] == ADDI ||
ir[15:11] == SUBI) &&
rst == 0 &&
stat != IF)?
{ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7:0]}:
(ir[15:11] == LDHI &&
rst == 0 &&
stat != IF)? {ir[7:0],8'h00}:
((ir[15:11] == ANDI ||
ir[15:11] == ORI ||
ir[15:11] == XORI) &&
rst == 0 &&
stat != IF)? {8'h00,ir[7:0]}:
(((ir[15:11] == BPL &&
reg_dout1[15] == 1'h0)||
(ir[15:11] == BNEZ &&
reg_dout1 != 16'h0000) ||
(ir[15:11] == BEQZ &&
reg_dout1 == 16'h0000) ||
(ir[15:11] == BMI &&
reg_dout1[15] == 1'b1)) &&
rst == 0 &&
stat != IF)?
{ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7],ir[7:0]}:
((ir[15:11] == JAL ||
ir[15:11] == JMP) &&
rst == 0 &&
stat != IF)?
{ir[10],ir[10],ir[10],ir[10],ir[10],ir[10:0]}:
(((ir[15:11] == BPL &&
reg_dout1[15] == 1'b1) ||
(ir[15:11] == BNEZ &&
reg_dout1 == 16'h0000) ||
(ir[15:11] == BEQZ &&
reg_dout1 != 16'h0000) ||
(ir[15:11] == BMI &&
reg_dout1[15] != 1'b1)) ||
stat == IF)? 16'h0001: 16'bx;
assign
reg_in = (rst == 0)? dbus: 16'bx;
assign
data_addr = (ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == ST &&
rst == 0 && stat != IF)? regi:
(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == LD &&
rst == 0 && stat != IF)? mar:
16'bx;
28
assign
assign
reg_addr1 = (rst == 0)? ir[10:8]: 3'bx;
reg_addr2 = (rst == 0)? ir[7:5]: 3'bx;
always @(posedge clk) begin
/* STATE */
if(rst == 1) begin
stat <= 4'b0000;
end
if(stat == 4'b0000 && rst == 0) begin
stat <= IF;
ir <= prog_in;
end
if(stat == IF && ir[15:11] == HALT && rst == 0) begin
stat <= 4'b1111;
end
if(stat == IF && ir[15:11] != HALT && rst == 0) begin
stat <= RF;
end
if(stat == RF && rst == 0) begin
stat <= EX;
end
if(stat == EX && rst == 0) begin
if((ir[15:11] == ROP && ir[4:0] == LD) ||
(ir[15:11] == ROP && ir[4:0] == ST) ||
ir[15:11] == JAL) begin
stat <= EX2;
end
else begin
stat <= IF;
ir <= prog_in;
end
end
if(stat == EX2 && rst == 0) begin
stat <= IF;
ir <= prog_in;
end
end
always @(negedge clk)
begin
/* REQUIRE */
if(rst == 1) begin
pc <= 16'h0000;
prog_read <= 1'b0;
dmem_req <= 1'b0;
29
end
if(stat == 4'b0000 &&
rst == 0) begin
mux2_sel <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b0;
reg_req <= 1'b0;
prog_read <= 1'b1;
mux3_sel <= 1'b1;
end
if(stat == IF && rst == 0 &&
(ir[15] == 0 || ir[15] == 1))
begin
prog_read <= 1'b0;
if(ir[15:11] == ADDI ||
ir[15:11] == SUBI ||
ir[15:11] == ANDI ||
ir[15:11] == ORI ||
ir[15:11] == XORI ) begin
dbus <= regi;
mux2_sel <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b1;
end
else if(ir[15:11] == LDLI ||
ir[15:11] == LDHI ||
ir[15:11] == JAL) begin
dbus <= regi;
end
else if(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == LD) begin
dbus <= regi;
mux2_sel <= 1'b1;
mux1_sel <= 1'b1;
end
else if (ir[15:11] != BPL &&
ir[15:11] != BNEZ &&
ir[15:11] != BEQZ &&
ir[15:11] != BMI &&
ir[15:11] != JMP &&
ir[15:11] != JR) begin
dbus <= regi;
mux2_sel <= 1'b1;
mux1_sel <= 1'b1;
reg_req <= 1'b0;
end
end
30
/*IF stage*/
if(stat == RF && rst == 0) begin
/*RF stage*/
if (ir[15:11] == BPL ||
ir[15:11] == BNEZ ||
ir[15:11] == BEQZ ||
ir[15:11] == BMI ||
ir[15:11] == JMP ||
ir[15:11] == JR) begin
dbus <= regi;
end
else if(ir[15:11] == JAL) begin
reg_req <= 1'b1;
end
else if(ir[15:11] == ADDI ||
ir[15:11] == SUBI ||
ir[15:11] == ANDI ||
ir[15:11] == ORI ||
ir[15:11] == XORI) begin
reg_req <= 1'b1;
pc <= dbus;
dbus <= regi;
end
else if(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == LD) begin
mux3_sel <= 1'b0;
dmem_req <= 1'b0;
mar <= reg_dout2;
pc <= dbus;
end
else if(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == ST) begin
mdr <= reg_dout2;
pc <= dbus;
end
else begin
pc <= dbus;
dbus <= regi;
reg_req <= 1'b1;
end
end // if (stat == RF)
if(stat == EX && rst == 0) begin
if(ir[15:11] == ROP) begin
if(ir[4:0] == LD ) begin
// pc <= dbus;
dbus <= regi;
reg_req <= 1'b1;
end
else if(ir[4:0] == ST) begin
pc <= dbus;
dmem_req <= 1'b1;
/*EX stage*/
31
end
else begin
mux1_sel <= 1'b0;
mux2_sel <= 1'b0;
reg_req <= 1'b0;
prog_read <= 1'b1;
end
end
else if(ir[15:11] == ADDI ||
ir[15:11] == SUBI ||
ir[15:11] == ANDI ||
ir[15:11] == ORI ||
ir[15:11] == XORI)
begin
mux2_sel <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b0;
reg_req <= 1'b0;
prog_read <= 1'b1;
end
else if(ir[15:11] == BNEZ ||
ir[15:11] == BEQZ ||
ir[15:11] == JMP ||
ir[15:11] == JR ||
ir[15:11] == BPL ||
ir[15:11] == BMI)
begin
pc <= dbus;
mux1_sel <= 1'b0;
mux2_sel <= 1'b0;
prog_read <= 1'b1;
end
else if(ir[15:11] == JAL) begin
reg_req <= 1'b0;
dbus <= regi;
end
else if(ir[15:11] == LDLI ||
ir[15:11] == LDHI) begin
reg_req <= 1'b0;
prog_read <= 1'b1;
mux2_sel <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b0;
end
end // if (stat == EX && rst == 0)
if(stat == EX2 && rst == 0)begin
prog_read <= 1'b1;
if(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == LD) begin
mux2_sel <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b0;
mux3_sel <= 1'b1;
reg_req <= 1'b0;
/*EX2 stage*/
32
end
else if(ir[15:11] == ROP &&
ir[4:0] == ST) begin
dmem_req <= 1'b0;
mux1_sel <= 1'b0;
mux2_sel <= 1'b0;
end
else if(ir[15:11] == JAL) begin
mux1_sel <= 1'b0;
mux2_sel <= 1'b0;
reg_req <= 1'b0;
pc <= dbus;
end
end
end // always @ (negedge clk)
endmodule
module alu16(ina, inb, com, y);
input [15:0] ina, inb;
input [3:0] com;
output [15:0] y;
wire [15:0]
wire [3:0]
assign
ina, inb, y;
com;
y = (com == 4'b0000)? ina:
(com == 4'b0001)? inb:
(com == 4'b0010)? ina & inb:
(com == 4'b0011)? ina | inb:
(com == 4'b0100)? ina ^ inb:
(com == 4'b0101)? ~inb:
(com == 4'b1100)? inb << 1:
(com == 4'b1101)? inb >> 1:
(com == 4'b0110)? ina + inb:
(com == 4'b0111)? ina - inb:16'bx;
endmodule
module mux3(mux3_in1,mux3_in2,mux3_out,mux3_sel);
input [15:0] mux3_in1,mux3_in2;
input
mux3_sel;
output [15:0] mux3_out;
wire [15:0]
wire
mux3_out,mux3_in1,mux3_in2;
mux3_sel;
assign
mux3_out = (mux3_sel == 1'b1)? mux3_in1:
(mux3_sel == 1'b0)? mux3_in2: 16'bx;
33
endmodule // mux3
module mux2(mux2_in1,mux2_in2,mux2_out,mux2_sel);
input [15:0] mux2_in1,mux2_in2;
input
mux2_sel;
output [15:0] mux2_out;
wire [15:0]
wire
mux2_out,mux2_in1,mux2_in2;
mux2_sel;
assign
mux2_out = (mux2_sel == 1'b1)? mux2_in1:
(mux2_sel == 1'b0)? mux2_in2: 16'bx;
endmodule // mux2
module mux1(mux1_in1,mux1_in2,mux1_out,mux1_sel);
input [15:0] mux1_in1,mux1_in2;
input
mux1_sel;
output [15:0] mux1_out;
wire [15:0]
wire
mux1_out,mux1_in1,mux1_in2;
mux1_sel;
assign
mux1_out = (mux1_sel == 1'b1)? mux1_in1:
(mux1_sel == 1'b0)? mux1_in2: 16'bx;
endmodule // mux1
module reg_file
reg_req,rst,clk);
(reg_addr1,
reg_addr2,
reg_in,
input [2:0] reg_addr1, reg_addr2;
input [15:0] reg_in;
input
reg_req,rst,clk;
output [15:0] reg_dout1, reg_dout2;
reg [15:0]
wire
wire [2:0]
wire [15:0]
register0, register1,
register2, register3,
register4, register5,
register6, register7;
reg_req,rst,clk;
reg_addr1, reg_addr2;
reg_dout1, reg_dout2,reg_in;
// read req=0
assign reg_dout1 = (reg_addr1 == 3'b000 &&
reg_req == 0)? register0:
(reg_addr1 == 3'b001 &&
34
reg_dout1,
reg_dout2,
reg_req == 0)? register1:
(reg_addr1 == 3'b010 &&
reg_req == 0)? register2:
(reg_addr1 == 3'b011 &&
reg_req == 0)? register3:
(reg_addr1 == 3'b100 &&
reg_req == 0)? register4:
(reg_addr1 == 3'b101 &&
reg_req == 0)? register5:
(reg_addr1 == 3'b110 &&
reg_req == 0)? register6:
(reg_addr1 == 3'b111 &&
reg_req == 0)? register7:16'bx;
assign
reg_dout2 = (reg_addr2 == 3'b000 &&
reg_req == 0)? register0:
(reg_addr2 == 3'b001 &&
reg_req == 0)? register1:
(reg_addr2 == 3'b010 &&
reg_req == 0)? register2:
(reg_addr2 == 3'b011 &&
reg_req == 0)? register3:
(reg_addr2 == 3'b100 &&
reg_req == 0)? register4:
(reg_addr2 == 3'b101 &&
reg_req == 0)? register5:
(reg_addr2 == 3'b110 &&
reg_req == 0)? register6:
(reg_addr2 == 3'b111 &&
reg_req == 0)? register7:16'bx;
//write reg_req=1
always @(posedge clk)
begin
if(reg_req) begin
case (reg_addr1)
3'b000: register0 = reg_in;
3'b001: register1 = reg_in;
3'b010: register2 = reg_in;
3'b011: register3 = reg_in;
3'b100: register4 = reg_in;
3'b101: register5 = reg_in;
3'b110: register6 = reg_in;
3'b111: register7 = reg_in;
endcase // case(reg_addr1)
end
if(rst == 1) begin
register0 = 16'b00000000_00000000;
register1 = 16'b00000000_00000000;
register2 = 16'b00000000_00000000;
register3 = 16'b00000000_00000000;
register4 = 16'b00000000_00000000;
register5 = 16'b00000000_00000000;
35
register6 = 16'b00000000_00000000;
register7 = 16'b00000000_00000000;
end
end
endmodule // reg_file
2
シェルソートテストプログラム
0:11100000_00010100
1:00000001_00000001
2:11100010_00000001
3:11100101_00000000
4:00111001_00001001
5:00110101_00000001
6:01100001_11111110
7:00111101_00000001
8:01010101_00001010
9:11100100_00000010
10:00000011_01000001
11:00000010_01100110
12:00111100_00000001
13:01001100_11111110
14:00110010_00000001
15:00000110_10100001
16:00000110_01000111
17:01100110_11110111
18:00000111_01000001
19:00000010_11100001
20:01010010_00100011
21:01111000_00001001
22:11100110_00000000
23:11100001_00000011
24:00000010_00100111
25:00110110_00000001
26:01100010_11111110
27:00111110_00000001
28:00000010_11000001
29:01100010_11110111
30:00000011_01000001
31:00000001_00000001
32:00000001_01100111
33:01011001_11110101
34:01010001_11110100
35:00000100_01100001
36:00000101_10000001
37:00000100_01000111
38:01011100_00001111
39:00000110_10101000
40:00000111_10001000
//LDLI r0 #20
//MV r1 r0
//LDLI r2 #1
//LDLI r5 #0
//SUBI r1,#9
//ADDI r5 #1
//BPL r1,#-2
//SUBI r5,#1
//BEQZ r5 #10
//LDLI r4 #2
//MV r3 r2
//ADD r2,r3
//SUBI r4,#1
/BNEZ r4 #2
//ADDI r2 #1
//MV r6 r5
//SUB r6,r2
//BPL r6,#-8
//MV r7 r2
//MV r2 r7
//BEQZ r2 #35
//JMP #+9
//LDLI r6 #0
//LDLI r1 #3
//SUB r2,r1
//ADDI r6 #1
//BPI r2,#-2
//SUBI r6,#1
//MV r2 r6
//BMI r2,#-8
//MV r3 r2
//MV r1 r0
//SUB r1 r3
//BMI r1 #-11
//BEQZ r1 #-12
//MV r4 r3
//MV r5 r4
//SUB r4 r2
//BMI r4 #15
//LD r6 (r5)
//LD r7 (r4)
36
41:00000001_11100001 //MV r1 r7
42:00000001_11000111 //SUB r1 r6
43:01011001_00001010 //BMI r1 #10
44:01010001_00001001 //BEQZ r1 #9
45:00000001_11000001 //MV r1 r6
46:00000110_11100001 //MV r6 r7
47:00000111_00100001 //MV r7 r1
48:00000101_11001001 //ST (r5) r6
49:00000100_11101001 //ST (r4) r7
50:00000100_10100001 //MV r4 r5
51:00000100_01000111 //SUB r4 r2
52:01111111_11110000 //JMP #-16
53:00110011_00000001 //ADDI r3 #1
54:01111111_11101001 //JMP #-23
55:11111111_11111111
//HALT
37
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