...

第一生命保険株式会社 - 株式会社オープンストリーム

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

第一生命保険株式会社 - 株式会社オープンストリーム
Biz/Browser
Biz/Browser Mobile
PrintStream®
others
Success Story
第一生命保険株式会社
クライアント/サーバに並ぶ操作性とレスポン
スをWebベースで実現。営業担当用から社内業
務に至るまで、6万3千に及ぶ全社クライアント
を支えるフロントエンド基盤 Biz/Browser
“ご契約者第一主義「一生涯のパートナー」”の実現を経営理念として掲げ、日本最初の相互
会社組織の生命保険会社として明治35年に創業以来、100年を超える歴史を誇る第一生
命保険相互会社(以下、第一生命)。競争が激化する保険業界の中で、常に競争力を保ち、お
客さまへ質の高いサービスを提供し続けるために、第一生命では、5~6年ごとの周期で社
内システム インフラの刷新を行ってきました。最新となる次世代システム化計画(通称:
「システムのWeb化」というテーマが挙げられました。
WISE計画)では、
全社規模での業務のWeb化を推進しながら、利用者の利便性やレスポンスを損なわないた
めのソリューションを模索した結果、全社システムのフロントエンド基盤として採用した
のは、リッチクライアント Biz/Browser でした。
導入メリット
導入対象システム
① クライアント / サーバシステムと比較しても遜色がない操作性と高レスポ
ンスの実現
② システム運用・保守性の向上。それに伴う運用コスト削減
③ 3,600を超える既存業務画面を容易に移行
④ 開発ツールの完備による開発期間の大幅な短縮と開発コスト削減
全社システム(事務オンライン、新携帯パソコン「eNavit / イー・ナビット」
)
キーマンの声
「リッチクライアントとしての操作性、
レスポンス、そして開発ツールについても、
すべて満足できるレベルに到達していると
思います」
第一生命保険相互会社
IT企画部 支配人
チーフテクノロジーオフィサー
朝比奈 洋
4
氏
導入
背景
クライアント / サーバからWebシステムへ。
従来システムの操作性とレスポンスを確保
Web化の潮流に対応しつつ、
お話をうかがったお客様
経営の効率化や変化するシステム環境などに対応するために、2002年に発足した WISE(ワ
イズ:win of our IT strategy and efficient system)計画では、生涯設計デザイナー
(営業職
員)が使用する「eNavit(イー・ナビット)」システム、そして社内で使用する事務オンライ
ン システムなどを、クライアント / サーバベースのシステムから Web ベースシステムへ刷新
する計画が立案されました。
「通信やコンピュータ技術が、前回のシステム刷新の際と比べ格段に進歩していました。ま
た、インターネットの普及に伴い、システムの形態もクライアント / サーバから Web ベース
へと変化してきました。これを好機と捉え、過去のシステム運用や開発作業における課題を一
気に解決しようと考えました」-第一生命 IT 企画部 支配人(チーフテクノロジーオフィ
サー:CTO)朝比奈 洋氏。
第一生命保険相互会社
IT企画部 支配人
チーフテクノロジーオフィサー
朝比奈 洋
氏
■コスト削減と場所を問わない業務遂行が当初の課題に
課題の一つはコスト削減でした。たとえば、旧来のクライアント / サーバベースのシステム
では、全国1,700カ所にある支部ごとに1台サーバ機が設置され、お客さまの個人情報などを
管理していました。全社的には2,000を超えるサーバが存在するため、運用負荷が非常に大き
く、このコスト削減が急務となっていました。「サーバの監視、バックアップ作業などといっ
た支部の負荷を軽減し、さらに、ネットワークやサーバの運用に関わるコストを削減する狙い
もありました」(朝比奈氏)。
また、場所を問わない業務の遂行という要件も挙げられました。旧環境では、支社が支部の
みで使用できる応援者専用の ID を発行しており、支部から支社へ接続してメールや OA ファ
イルの閲覧をすることができませんでした。このため、支部へ支社の担当が応援に行く場合に
不便な状況が発生していました。WISE 計画では、約2,000台のサーバを廃止し、システムの
全機能を都内にある情報センターに集約することで、場所を問わない業務遂行の実現を図るこ
とになりました。
第一生命情報システム株式会社 基盤システム本部
コンサルタント
岡崎 宏昭
氏
しかしながら、Web 化の方向が決定した段階で大きな問題が浮上します。
■ Web ベースシステムの課題が露見
Web ベースのシステムは、コストや運用管理面でメリットがあるものの(サーバ集中型の
基本的なメカニズムにより)
、ブラウザ上に展開される画面の操作性やレスポンスなどは、ク
ライアント / サーバベースシステムに比べ劣ってしまうという事実があります。
「Web 化によってブラウザベースとなった入力スタイルが事務処理に使えるだろうかという
点が最大の懸念事項でした。第一生命のクライアントシステムは、豊富な入力ガイダンス機能
など、充実した機能を持っていました。これを Web ベースになっても引き継ぎたいと考えま
した」(朝比奈氏)。
求められるのは、Web ベースシステムでありながら旧来のクライアント / サーバが持って
いる操作性やハイレスポンスといったメリットも享受できるようなソリューションです。
DHTML*1)による開発、Flash*2)や Java アプレット*3)の使用などと共に、Biz/Browser が
クライアントプラットフォームの候補となりました。「リッチクライアント」という概念がま
だ一般的でなかった2002年当時、Web ベースで高度なクライアント機能とレスポンスを実現
する Biz/Browser には競合と呼べる製品もなく、最終的には DHTML によるインハウスでの
開発か Biz/Browser 採用かという二者択一の判断が加えられました。第一生命とそのシステ
ム開発、運用を担当する第一生命情報システム株式会社(以下、DLS)による慎重な検討が
重ねられた結果、Biz/Browser の採用が決定、WISE 計画のクライアントプラットフォーム
として導入が実施されました。
第一生命情報システム株式会社 オープンソリューション本部
上席アナリスト
山根 六男
氏
第一生命情報システム株式会社 業務システム本部
上席アナリスト
逸見 正文
氏
5
採用
理由
高い操作性、ハイレスポンスを実現し
容易な移行が可能な製品アーキテクチャと
製品ベンダーとしての企業姿勢への評価
Biz/Browser 採用のポイントとしては、次のような内容が挙
げられました。
*ブラウザベースでの操作性、表現力の高さ
*クライアント / サーバと比較しても遜色ないレスポンス
*膨大な画面移行を容易に実現できるアーキテクチャ
*製品ベンダーとしての企業姿勢への評価
Biz/Browser は、操作性の高いハイレスポンスなクライアン
ト環境を実現しています。これは、画面定義情報と動的なデータ
を切り分け、画面定義は PC 上にキャッシュし、動的なデータの
みをサーバとやり取りするというメカニズムによるものです。
WISE 計画で求められるクライアントの操作性とパフォーマンス
を実現するためには、DHTML による開発や Java アプレットな
どよりも、Biz/Browser が適していると評価された重要なポイ
ントでした。また、画面に関わる移行作業が容易な点も大きな評
価ポイントでした。第一生命では、以前のクライアント / サーバ
ベースのシステムの段階から既に、画面定義をパラメータ化する
ことで効率化を図っていました。このパラメータを引き継ぐこと
ができれば、移行作業を大幅に短縮することができます。
「全部で3,600を超える業務画面が対象となっているため、す
べての画面を再開発すると膨大な移行コストが発生してしまいま
す。既存の画面パラメータを Biz/Browser スクリプト(CRS)
へ変換するコンバータを作成する事で、大部分の画面はコンバー
タを通すだけで移行することができました」-DLS 基盤システム
本部コンサルタントの岡崎宏昭氏は、業務画面の移行の容易さに
ついて強調しました。さらに、製品ベンダーとしての姿勢につい
ても、「製品の機能だけではなく、ユーザニーズに対応し、製品
としてそれらの機能を取り込んでいくという企業姿勢が高く評価
できました。また、サポート体制が十分であることも選定の重要
なポイントでした」
(岡崎氏)と語ります。
パッケージ製品などにおける課題として挙げられる、製品機能
とユーザニーズの乖離という問題は、新システムのクライアント
プラットフォームのコアとして長期間の使用を考える第一生命に
とって死活問題と言えます。ユーザニーズを標準機能として検討
するアクシスソフトの姿勢は大きく評価されました。
ペンパッド入力、キー入力、両クライアント
システム
全6万3千台にBiz/Browserを搭載。Web
概要
ベースの一元化されたシステムを実現
WISE 計画により生まれ変わった新システムは、生涯設計デザ
イナーと呼ばれる営業職員が使用する新携帯パソコンの「eNavit
(イー・ナビット)
」、そして社内で使用する事務オンラインの2
つに大別できます。
eNavit では、営業職員の業務スタイルに対応し、キーボード
を使わないペンパッドでの入力も可能です。また、その端末は、
社内の無線 LAN やモバイル通信機能を経由してサーバ側からの
各種情報参照や更新を実施します。一方、事務オンラインでは、
逆にキーのみを使用した高速なデータ入力が実施されています。
ここでは、旧システムで提供されていた約3,600にもおよぶ業務
画面が新システムへ移行されました。新システムは、約4万5千
台の営業端末と約1万8千台の事務オンライン端末、合計6万3千
台すべてに Biz/Browser が搭載され、情報センターにあるサー
バへ接続されるという非常に大規模なものとなっています。
Web 化により運用管理が一元的に行え、大幅な効率アップを実
現できると共に、お客さま情報などセキュリティ対応がより重要
となる各種データを、安全に集中管理できるという点も大きなポ
イントとなっています。
導入
効果
実用機能の完成に加え保守性および
コスト面でもメリットを享受
Biz/Browser の導入により得られたメリットは少なくありま
せん。機能面では、Web ベースシステムでありなが
ら、クライアント / サーバベースシステムと比べても
遜色のない操作性とレスポンスを実現できました。
「過去、C++ で開発していた機能の9割以上は実現で
きたと思っています」(岡崎氏)
。また、高いレスポン
スが要求される事務オンラインで目標とされた数秒で
の画面表示もクリアーすることができました。重要と
なるのは、WISE 計画の前提であった Web 化という
流れの中で、通常のアプローチをとった場合には、こ
のような要件を満たせなかったという点です。Biz/
Browser により、Web ベースシステムを採用しなが
ら、旧来のクライアント / サーバが持っている操作性
やハイレスポンスといったメリットも確保することが
できました。
一方、運用面、開発面でも大きなメリットが見られ
ました。DLS オープンソリューション本部上席アナ
リストの山根六男氏は、
「保守性が格段に良くなった
点を挙げることができます」と語ります。
「以前のシステムでは、開発言語として C++ が使
6
われていましたが、プログラマによって品質のバラツキがありました。メンテナンスという視
点から見ても扱い難いコーディングが少なくありませんでしたが、Biz/Browser 導入により
コーディングの質が均一化され、メンテナンスの効率を上げることができました」
(山根氏)
。
さらに、山根氏は、メンテナンス作業で発生する引継ぎ作業やテストも容易になったことを付
け加えました。
開発におけるコスト削減について岡崎氏は、「開発ツールを作成する必要がなかったことで、
時間、コスト面で大きなメリットがありました。期間的にも数ヶ月というレベルでの短縮が図
れたと思います」と語ります。Biz/Browser では、画面定義などの開発に GUI ベースの開発
ツール Biz/Designer が用意されています。このため、各部署の開発担当に提供する開発ツー
ルの作成が不要となりました。さらに、岡崎氏は、当初考えていた DHTML ベースの開発と
の比較でも Biz/Browser のメリットを挙げ、「DHTML で開発した場合より明らかに安く開発
できたと思います」と強調しました。
4万5千人の営業職員が利用する eNavit 用端末では、大量データの取り扱いで Biz/Browser
のメリットが表れました。
「 営 業 系 シ ス テ ム で は、 当 初 DHTML に よ る 開 発 を 考 え て い ま し た。 た だ し、
Visual Basic*4)や Access*5)を使用した以前のシステムでは大量のデータを使用しており、
これを DHTML で実現することに限界を感じていました。Biz/Browser では、一時的にダウ
ンロードしキャッシュしたデータを使用できるため、以前のシステムと同様に大量データを使
用することができました」DLS 業務システム本部上席アナリストの逸見 正文氏はこう語りま
す。
そして、営業端末でも重要とな
「eNav!t」システムを新聞の全面広告でアピール
る操作性について「ほぼ100%実
ユーザプロフィール
■ 第一生命保険相互会社
■ 設 立:明治35年9月15日
■ 代表取締役会長:森田 富治郎
■ 代表取締役社長:斎藤 勝利
■ 契約者数:873万9,015名
■ 関連会社等:国内23社、
海外5社、
海外駐在員事務所4
(平成17年4月1日現在)
■ 従業員数:54,829名
(内勤職員9,409名、
営業職員45,420名)
(平成17年9月末現在)
■ 第一生命情報システム株式会社
■ 設 立:平成11年6月1日
■ 代表者名:田中 賢一
■ 従業員数:1,665名
(平成17年4月1日現在)
現できた」
(逸見氏)と付け加え
ました。
■リッチクライアントの標準とな
ることを期待
全社システムのクライアント環
境を刷新するという大きな局面に
お い て、Biz/Browser の 全 面 採
用を決定し第一歩を踏み出した第
一生命。キーマンである朝比奈氏
は、今後の展開も視野に入れなが
ら、「リッチクライアントとして
の操作性、レスポンス、そして開
発ツールについてもすべて満足で
きるレベルに到達していると思い
ます。第一生命のシステムで問題
な く 稼 動 す る こ の Biz/Browser
が、日本国内における標準的なブ
ラウザになることを願っていま
す。」と締めくくりました。
第一生命では生涯設計パソコン「eNav!t」
とシステムを全面に押し出した新聞広告を掲
載しました。ここにも、システムの活用によ
りサービスレベルを向上していくという同社
の意気込みがあらわれています。
1)DHTML ダイナミック HTML。Web コンテンツを容易に作成できるようにすることを目的とし Web ページ
*
に容易に対話性を持たせることができる HTML の拡張仕様。HTML 文書の中に JavaScript や VBScript でス
クリプトを埋め込むことにより、プラグインや ActiveX コントロール、Java アプレットなどの、容量が大きく
処理が重い技術を使うことなく、動きがあって対話性を持った Web ページを作成することができる。
*
2)FLASH Macromedia 社が開発した、音声やベクターグラフィックスのアニメーションを組み合わせて
Web コンテンツを作成するソフト。
*
3)Java アプレット ネットワークを通じて Web ブラウザにダウンロードされ、ブラウザのウィンドウに埋
め込まれて実行される Java プログラムのこと。
*
4)Visual Basic Microsoft 社によって開発されたプログラミング言語。アプリケーションソフトが容易に開
発できるよう工夫された独特の開発環境と共に提供されたため、これも含めた呼称として用いる場合が多い。
*
5)Access Microsoft 社のデータベースソフト。同社のオフィスソフト Microsoft Office の一部を構成する。
本ドキュメントの掲載内容は、取材当時のものです。
7
Fly UP