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井戸川かわら版

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井戸川かわら版
13
いろいろとありましたが、結局、旧居南西高校避難所は、
2013年 12
月27日、福島県と双葉町に半強制的に閉所
され、住民は退所させられました。 2年と9ヶ月の共同
生活でしだ。最後まで残っていた人達は高齢者が多く、
借り上げアパートに一人で住むと孤立をしてしまうので、
せめて集合アパートに 絡の住まいをと双葉町行政に頼
みましたが、自分達の気持ちは届きませんでした。
まとめ
耕側﹁
欠かせません。当初はいろんな企業からの支援で銭易の無料
券を頂いて入浴力?でき、毎日のことなんで凄く助かりましだ。
避難所閉鎖
o
会った人ばかりですから、気楽に話をするまでには少し
時間がかかりました。そしてここでち、子供から高齢者
までの生活サイクルを合わせるのに時間がかかりました。
生物室には古い冷蔵庫が1台しかなく、夏が近づくと 8
家族分の食品を入れることは当然無理でした。飲料水に名
前を書いて入れておいてち、同じ部屋の人に飲まれること
が度々ありました。普通の生活では考えられないことです。
一番困ったのはお風呂でしだ。寒くてち暑くてちお風呂は
発行.井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会発行日: 2016
年 11局30日
干3470055l
奇玉県加須市中央2-76 東電原発事故研究所内
E
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i
[email protected] 電話 08048653159(
稲
垣
)
Web
サイト h
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:
//idogawasupport.subjp
川肘r
ている生物室に引っ越すことになり、 8家族 18名で新
たな生活がスター卜しました。同じ双葉町民でも初めて
井戸川かわら版
N
伺ヶ用か過ぎ、汗ばむ季節になりましだ。体育館内ちだ
んだんと暑さが1
習してきで、窓を聞ける回数ちi
習えましだ。
体育館のすぐ前がグランドでしたので、風が強い日仁は砂
ぼこりが凄く、少しの風でも砂が舞って畳や毛布の上仁積
ちるので、毎回の掃隙は砂ぼこりとの格闘で大変で L
t
'
:。
生物室への引越し
さらに暑さが増して、工?コンが必要になりましだ。
しかし、体育館は工アコジの設置ができないため、空い
は、今思い出してち「何でこのような生活をしなくては
ならないのかJと、悔しさでいっぱいです。伺と言って
も、そこは本当は人が住む場所ではないのです。寒くて
も火を使えず、おj
嘉ち出ない。風呂もない。階段が急で、
高齢者には昇り降りが大変です。女の人は着替える場所
も無い。不自由で虐げられた環境での生活に耐えるしか
ないのは、本当に悲しいことです。好き好んでこんな揚
所で生活をしている訳ではありません。誰一人惑いこと
はしていません。なんで、なんで、こんなことが?
弁当の不公平感など、いろんな町民のストレスの矛先
が遣う気がしてなりません。このようなことは全て東京
電力福島第一原発の事故が原因であると思います。
そんな中、 1
8騎西高校避難所では全国からの支援物資
や食事の炊出レやイベットなど、多くの人達に助けられ
ましだ。途方にくれている自分達に、全国の皆さんが本
炉問一﹂
く、ちったいないのですが、食べられない時もありまし
た。そしてある時、福島県内に避難レている町民から、
「
1
8騎西高校の弁当無料は不公平でおかしい」と苦情がき
まレた。災害法で、「避難所では火を使うのは駄 §Jとう
たっているから弁当が支給されるのであって、何も言わ
れることは無いはずなのに、その後なぜか弁当が有料に
なりましだ。
当仁勇気と I~\の支えを下さいまし疋。
着のみ蓄のままで避難して来て、初めての土地での異
常な生活ち、 5年と 7か月が過ぎようとしています。今、
普段の生活を送ることができている家族は情家族ぐらい
いるのだろうか。知人ちなく、右ちさEも解らない全く見
知らぬ土地に家を建て、伺事ちないように生活をしてい
るように見えても、多くの町民は の中仁双葉町への思
いを色濃く残しながらの生活なのです。
多少不{更さはありますが、加須市にも慣れてきまし疋。
しかレ、やはり自分自身の気持ちには、まだわだかまり
があります。個人差はあれ、自分自身は何時になったら
山が晴れるのか分かりまぜん。「避難をする、避難所生
活をする、放射能に対する恐怖、命を守る、故郷を守る、
家族を守る」なんでこのような言葉を発しなければなら
ないのか。今、自分達と同じ原発事故を起こすかも知れ
ない原発を再稼働しようとレている園、東京電力、そし
て立地自治体に対して、凄<憤りを感じています。私達
がこのような悲惨な体験をしているのにもかかわらず、
何故その体験を生かすことができないのでしょうか。自
分達が普通の生活に戻れるのは何年、伺十年、伺百年先
ω
岬
''
ですかっ自分の気持ちとしては、自分らしく生きた証レ
全て何ち無い状態で始まっ t
c旧騎西高校避難所のこと | を残したいと思っています。(加須市在住双葉町民世話人)
2
0
1
6年 9
月7日 第4
回口頭弁論当日朝、東京地裁前の事前集会で訴える井戸川克隆氏と支援者。
一一一一一一一一一パ穿聴に来て
戸
\ください
一一
ノ
刊二一/
ご案内
V井戸川裁判(福島被ぱく訴訟)
頭弁論期白
平成27
年(ワ)第13562
号福島被ばく損害賠償請求事件
第5回 2017
年 1月18日
(
水
) 10時開廷
第6回 2017
年 3月22日
(
水
) 10時開廷
場所’東京地方裁判所 103号法廷(大法廷)
問合せ。 08048653159(事務局稲垣)
第4回口頭弁論報告会 講演上申書資料!こついては、下記
けPをご覧ください。関連の訴訟団体のリンクちございます。
井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会 HP
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//idogawasup
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一
一一一一一一一一一一一
会員募集・寄付のお願い
I
I
「井戸川裁判(福島被ぱく訴訟)を支える会J
では会員を募集し}
ております。皆様のお力が原告の支えになります。まだ、
!
篭伺によるご支援ち歓迎いたします。何卒よろしくあ軍調い
いたします。
入会を希望される万は、郵便振替用紙仁以下の事項を記入
c
:
i円をお振込ください。
の上、年会費 1o
通信欄振込の名目「会費j「寄付jなど
郵便番号住所。氏名電話番号メールアドレス
口座番号 C:J110-6-361267
口座名義井戸川裁判(福島被ぱく訴訟)を支える会
特集匝井戸川裁判(福島被ばく訴訟)第 4回口頭弁論
福島被ばく損害賠償請求事件*注
ι
ー
井戸川裁判とは、被告東電・国の過失責任を問う裁判であり、
裁判の核心となるのは「責任 J
f注意義務J
「保護法益 j
の3
点である。(口頭弁論報告より)
第 4回口頭弁論/報告集会
関雀報告・傍聴記・上申書概要
古川元晴弁護土講演
井戸川克隆氏 講 演
P.3
P.4
P.2 コラム
*注訴訟の正式名称
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
6
井 戸 川 jJ、わら版 N
c
.
3
2
0
1
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1
井戸川かわら版
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3 2
0
1
6
.1
1
コラム傭の詰を聴け!
同対策協議会の召集と開催をレなければならなしりとい
属轄と腰欝事醜l
ま幽ウソ輔の草書
うことです。
この会議には、浪江町・双葉町大熊町富岡町俗葉
町広野町の 6町の副町長が集い、スピーディ情報を基
に下屋内退避避難の決定及び解除j、「ヨウ素剤服用の指
示の決定」、「飲食物摂取制限の決定及び解除j、「事故収
束のために取るべき措置j、「緊急事態解隙宣言を出すべ
きとの具申 J
、その他現地対策本部長が!脳裏と認めた事
項を協議することとなっていました。もうお分かりにな
られたでレょう。事故発生以来、官邸が発表レてきたこ
とは勝手な発表だったのです。官邸は伺を血迷つ疋のか、
決められた手順還りにはやらなかったのです。このため、
多くの国民県民は正しい情報の提供なしに「直ちに影響
がありませんJという、伺の根拠ちない官房長官の発言
に迷わされてしまったのです。この発言の落としどころ
は見つかりません。福島県民とボランティア活動をされ
た方々には、底なしの被ばくの推奨がされてしまったの
です。広島長崎で起った入境被ぱくが福島でち起きて
しまいまし疋。
私達は、「原子力災害対策特別指置法第 13条(防災訓
練に関する国の計画)」に基づいて、総合的な防災訓練を
∼ 第4田口頭弁論報告会講演より∼
井 静J
I語障
おかげさまで、ようやく第4回口頭弁論が実行できま
し疋。支援者の皆様には大変ご1
!
1
,
1
1
!
2をおかけしましだ。
お礼を申し上げます。
かねてより、|日弁護団とは信頼関係が築けないまま、
裁判を開始してしまいましだ。何事ち周到な準備が整な
わないと、継続し結果を出すことができません。
この悩みを抱えながら閉塞状態でいたところ、古川元
日青弁護士との出会いが私を愛えましだ。悩みを聞いてく
ださった古川先生が、後を引き受けることを快諾してく
ださり、口頭弁論に繋がりました。古川先生を中山仁 7
名で構成されだ弁護団で、今後の裁判を継続することに
なりまレた。新しい弁護団と共仁手を携えて、 !
0勝の構
えで遭進レてまいりますので、一層のご支援、ご指導を
お願いします。
皆さんは原発事故の名称の不確かさにお気づきですか。
事故そのちのを「発災j「事象1とする表現を多く目にした
と思います。ま疋東電は、 f
メルトダウン」を[炉l
山損傷」
と言い続けました、事故直後からj
主水不能になり、メル
トダウンを想定していだのに、東電は隠すことにしだの
でしょうか。
事故前には、毎日、原発の多数のトラブルの報告を受
けていましだ。軽微なものは国、県、地元立地町だけに
なりますが、重大なちのはマスコミに知らせます。いわ
ゆる公表です。この公表には順番があり、最初に国の規
制機関と協議をしていたようです。了解が出れば県仁報
告します。次に私の町仁説明仁来ます。この時には、上
部機関の了解済みですので、私は報告を受けるどけ仁な
ります。通常は、午後4時頃仁記者会見をしていました。
逆算すると、町には大体午後3時頃仁報告に来だので、
県にはその前仁、冨にはちっと前仁報告と文言の協議が
なされてい疋ように記憶しています。県民と国民の皆さ
んがトラブルを知らされだのは、だいぶ遅れてから報道
機関仁よって周知されていましだ。
今回の東電福島第原発事故の大きな特徴は、この流
れを踏襲しただめに、非常事態仁ち関わらずパニックに
なっていた官邸と県庁の作為的な判断で、正しい情報が
示されていなかったことです。その表れが有名な枝野発
言です。「直ちに影響がありません」と発信したのは、正
しい表現ではありません。菅総理が原子力緊急事態宣言
を発令したら、官房長官が「直ちに影響はありませんj
と発表する前に、速やかにやらなければならない事があ
りました。それは、原子力災害対策特別措置法第23条
に明記されている「オフサイトセンターに原子力災害合
2
井戸川かわら版
Nn.3 2
0
1
6
.1
1
井戸川裁判{福島被ば〈訴剖
欝4田口頭弁論/報告襲重量
開催報告
していましだ。その法について記述レます。
条には、
第 13
I
第28条第1頂の規定により読み替えて適用される災害
対策基本法第48
条第 1J
真の防災訓練 (中路)・・は、主務
大臣が主務省令で定めるところにより作成する計画に基
づいて行うちのとする。
前項の規定により作成する計画は、防災訓練の実施のた
めの事項であって次に掲げるちのを含むちのとする。
①原子力緊急事態の想定に関すること
② 第 10
条、第 15条及び第23
条の規定の運用に関する
こと
③ 前2号仁掲げるちののほか、原子力災害予防対策の
実施を図るだめ必要な事項j
となっています。
訓練ではこれを準用していまレた。 2010
年 11月25、
26日は、双葉町を会場にして、 j
去の下に町民の避難訓
練を実施しまし疋。
条の通りオフサイトセンターには、国
当然、法第23
の原子力現地対策本部と県の現地対策本部が設置され、
当然、原子力災害合同苅策協議会を開催して、それぞれ
に情報収集と協議および指示を出じましだ。
困惑しているのは、実際の事故では、被害が最も大き
い地元6町の参加のないままに、いろいろ決められだこ
とで、東電と国が言う想定外を越えた「想定外」になって
いることです。
支援者の皆さんは、「想定外」「直ちに影響がありませ
の言葉仁騎されないようにレてください。
んJ
原発と原発事故は“ウソ”の塊です。
2016年9月7日(水)、第4
回口頭弁論当日、 9
時40
分仁東京地裁前にて事前集会を実施。世話人育芯が掲げ
る幕と織の下、通行人と約50名の支援者l
こ、原告の井
戸川克隆氏と共同代表の川根氏亀屋氏が、被ばくや原
発再稼働の問題、今なお続く避難の窮状を訴えだ。
10
時から第 103
号法廷にて開廷。
閉廷後 11時半から、衆議院第一議員会館にて、川根
員也共同代表の進行で報告集会を次のように実施し疋。
@開会挨}皐・木村結共同代表「小泉元首相 e
l
士、友達作戦
による被ぱくで米軍の海兵隊員が苦しんでいる事実を直
に聞き、原発を推進してき定自分は間違っていだと気づ
き、全国の保守層に向け講演を行っている。きっかけは
何であれ、私疋ちと到達点は緒。新潟の泉田知事は、
新潟日報の船舶売買契約に絡む損害賠償の記事が元で立
候補を止めだが、新潟日報のスポンサーに東電がいるこ
とや、売買契約に新潟日報の子会社ち絡むことから、脅
かしゃ仕組まれたものとの推測ができる。全国の東電と
国を相手取る被ばく裁判が、この新潟や鹿児島の主反園
知事の応援にちつながる。皆で戸を上げていきましよう」
@口頭弁論の報告
(
1)古川元日青弁護士による上申書説明「井戸川さんが住
民の権利義務について考えてきた意向を汲み取り、これ
く
。
までの主張を再構成して説得力のある主張を行ってし 1
いよいよ具体的な準備書面を作成していく段階j
(2)古川史高弁護士による進行協議の説明「当方原告か,
らの準備書面を3、4回に分 て1年程かけて順次提出
していくことを、裁判所および国・東電が了解。年度内
d 期日は、第5
回が1月 18白、第6固が3月22日
」
(3)井戸川克隆氏(原告げ最ち許せないのは、原子力安
全保安院が解体され、わけの分からない規制委員会がで
きたこと。事故後、町長として精一杯頑張っ疋が、議会
の不信任で辞職。これは不合理な事故、事件だと分かつ
て欲しい。原子力賠償審査会(原賠審)のあり万ちエネル
ギー庁ち問題。原賠審は私たち被害者抜きで勝手に賠償
基準を決めた。私たちの現在の姿が皆さんの反面教師と
なるはず。この戦いは野球ならまだ1
回の表。これから
裏の攻撃が始まり 9回裏まである。テントが不法白拠な
ら、私だちの土地を放射能が不法占拠しているのはどう
なのだ。町民の{号表として訴訟を行い、町民が本当の被
害に気づいて続くよう、露払いとして進んでいきたいJ
休憩を挟み 1
38
奇から、次の講演と挨拶があつだ。
c
l
:
p
4
講演報告参照
@講演古川元陪弁護士 *詳細 l
φ講演・井戸川克隆氏
*詳細はp2コラム参照
φ挨拶’菅野5
喜一氏(南相馬・避難20ミリシーベルト基
年 12月28日に、「南相
準撤回訴訟原告団団長)「2014
馬 避 難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会jを立
1
7
,
'
口頭弁論報告。左から、井戸川克隆氏、古川元晴弁護士、
古川史高弁護士。
ち上げた。強制解除後、我々の行政区仁は子どもは誰一
人戻っておらず、学校ち開校していない。原発事故は恐
ろしい。それにより地域ち家族も崩壊し、人間の力では
どうする事ちできない。皆さん、脱原発にレまレょう J
φ挨拶小宮山泰子衆議院議員(会湯確保にこ協力)
φ閉会挨拶亀屋幸子共同代表「経産省前テント広場は、
9月の最高裁判決で敗訴し撤去されだ。テツト広場の人
達がいなければ、今の私はいない。国有地に数千万円を
支払うのはおかしな事。テント広場は世界のいろいろな
情報が入る所で、なくなっては駄目な場所。自主避難は
とてち辛い。福島県にいる子ども達を甲状腺がん、白血
病から守るため、皆さん共に頑張りましょう」
(篠崎幸悪さいたま市在住世話人・加須市在住世話人)
傍聴記
2016年9月7日、東京地方裁判所 103号法廷の傍聴
席は満席で、 10時ぴったりに始まりました。今回は、
原告側が提出した上申書の全体像について裁判長より説
明を求められ、原告代理人である古川元晴弁護士が説明
を行いました。古川弁護士は、下記上申書概要にある基
本的な3つの主張について述べました。(「上申書概要j
第2頃 1
.2
.3
. 参照) その後、今後の裁判を進める
にあたっての事務的な確認があり、あっという間に閉廷
となりました。今回は、新弁護団に代わって初めての口
頭弁論です。前回と今回の2回傍聴しましたが、やっと
これから裁判が始まるのだという感じがしましだ。
(小中本宏子加須市在住世話人)
上申書概要*別紙「上申書」参照
第 1 はじめ仁
原告は、被告東電及び被告国が、原告に苅し連帯して
不法行為に基づく損害賠償責任を負うことを主張。その
法的構成については変更しない。基本的には従前の主張
を維持する。
今後は、従前の主張において法的構成が不明確であっ
た部分は明らかにし、また主張及び立証が不十分であっ
た点については補充する。
井戸川かわら版
Nn.3 2
0
1
6
.1
1
3
原告が原発事故当時、地元自治体の首長であったとい
う立場観点を十分に踏まえ、損害論についての新たな
主張を追加する。具体的には下記に分類、各項目につい
被告東電国の過失責任を問う裁判であり、裁判の核\
I
白
となるのは I
責任」「注意義務jf
保護活益J
の3点である。
て従前の主張を補充追加し、被告らの主張(各準備書面
「責任Jには、「事故発生前の未然防止上の責任jと「事
記載)に対する反論を行う予定である。
第2 原告が今後予定する主張の具体的内容
1
. 被告東電及び園の原発事故の未然防止に関する責任
(
1)被告東電の本件事故に起因する原子力損害の賠償
責任仁関して、民法709
条が適用されないとの主張に
故発生後の事故防止の賞任1
があり、この2
つの責任問
題について、東電固に課された「注意義務J
が、核l
白的
ついて、反論を補充。
(2
)被告東電の①高度の注意義務がない、②予見弓能
性がない、③S
B
0
1
S
t
a
t
i
o
nB
l
a
c
k
o
u
t
:
原子力施設における全電
源喪失)対策に落ち度がない、との各主張仁反論を補充。
(3)被告国の①国家賠償法上の違法性判断の基本的
枠組み、②予見司能性及び被告国が講じてきだ行政上の
措置、 G作為義務の前提としての予見司能性の各主張に
ついて、反論を補充。
(4
)被告国の経産大臣の電気事業法上の停止等権限に
ついての主張への反論を補充。
2
. 被告東電及び被告国の原子力災害対策仁関する責任
(事故後の対応)
け)①高度の注意義務がない②事故前の備え事故後
の対応に落ち度がないとの各主張に反論を補充。
(2)被告国の国賠法の違法性判断の基本的枠組みの主
張について反論を補充、及び求釈明事項ヘ回答。
3
. 被告東電及び被告国の損害賠償義務
(
1)被告東電の中間指針等が定める賠償基準の合理性
の主張について、反論を補充。
(2
)被告東電の被ばくリスクの許容値関係の主張につ
いて、反論を補充。
(3)原告の従前の損害論の補強と新たにけ加する損害
(町長としての職務執行に伴う損害等)の主張。
尚、次期期日までに、前記第2、 1I
頁の被告東電及び
被告国の原発事故の未然防止に関する責任のうち、「( 1
)
被告東電の平成28年4月 13日付準備書面(2)に対する
反論J、及び「(4)被告国の平成28年6月8日付第6準備書
面に苅する反論Jについては、準備書面にて主張する予
定である。
(佐尾和子川崎市在住世話人)
報告集会古川元晴弁護士講演
第4回口頭弁論の報告に続いて、古J
I
I元晴弁護士によ
る講演が行われ疋。その内容を報告する。
まず、「上申書の概略説明」として、原告の主張のあり
方、基本的な方針について、以下4点を述べた。
1
. 基本的に、従前の主張を継続
2
. 法的構造の不明確な部分は明らかに、まだ立証不十
分な点は補充する
3
. 原告の主張に沿った文書に直す
4
. 損害論の見直し、責任論を付け加える
次仁、 I
具体的説明jについて述べた。井戸川裁判とは、
4
井戸川かわら版
N
o
.
3 2
0
1
6
.1
1
未だ起きていなくてち、起きる可能性が否定できない事
について、「合理的・科学的根拠がある危験(合理的危験)」
の予見回避義務を認める。つまり、政府機関が出し疋
地震予測に基づく津波予測は不可避な危隙であり、事故
1
. 「責任」について
が起さることを想定して事前に準備する義務、即ち「高
度の注意義務」があるはずである。
3
. 「保護法益Jについて
被告東電国仁は、被害者の権利・利益を守る義務が課
せられている。主要な論点は、「被ぱくをさせられない
権利I
であり、この根拠となるのが「健康に生きる権利j、
いわゆる憲法上の「人格権J
である。国は被ばくについて、
一般公衆の基準値は「年 1msv
以下jとして、法体制をき
ちんと作り上げている。しかし事故後、緊急事態を理由
に、社会的許容値として基準値を「年20msv
以下」に引
き上げ、避難指示区域の範囲を決めてしまった。
な論点である。
(
1)事故発生前の未然防止の責任
被告東電ー国は「この事故は予見できなかっだ想定外の
事故Jだと主張するが、政府機関である「新調査推進本部j
による地震予測に基づいた津波予測が、既に出されてい
だ。それには「最大 15.7mの津波が福島第一原発に押し
寄せるjと予測数値力t
記載されていた。従って「予見する
義務及びそれを回避する義務があったjと原告側が主張。
しかし、この政府機闘が出した地震予測は、経で起きだ
地震が福島第原発でち起きうるという説で、確実では
ない。予見する確実危険説として非科学的で、責任はな
いjと被告側が主張。つまり「確実的危険説」をとると、「ま
だ確実じゃない事を予見することは、非科学的で責任は
ない」ということになる。
(2
)事故発生後の事故対応上の責任
注意義務の程度について、高度の注意義務と普通の注
意義務のどちらを認めるのか。前述の政府機関が出しだ
「地震及び津波予測」は不可欠な危険であり、「高度の注
意義務」を取れば、事故を想定レて事前に準備する義務
があるはずだが、「普通の注意義務jを取れば「高度の注
意義務jは否定されることになる。
(3
)「責任jの論点
経産省大臣には「原子炉の停止の権限」はあるのか。
原発の新設を許可する隠は、その日寺の許弓基準に基づ
いて許可している。ところが、時代と共仁科学的知見が
高まり、新しい基準になろうがその影響は及ばないと、
I
既に許可し疋原発について、停める権限は行政法規に
はないjと国は反論している。国民には到底納得のでき
ない主張であるので、適切に対応していく考えである。
2
. 「注意義務jについて
被告東電国には「事故の事前防止或いは事故発生上の
刻応jでどのような「注意義務」が課せられ、その程度は「高
度か?普通か?」が論点の具体的内容である。注意義務
の程度の考え方としては、「確実危険説jと「合理的危険
説」がある。
(
1)「確実危険説」とは、如何なる危隙業務についてち、
普通の注意義務のみ認める壱え方。既に起きた事があり、
具体的確実に予測できる危験(確実的危険)についての
み、責任を問えるということ。つまり、地震・津波は過
去に起きても、今後確実に起きるという科学的知見が固
まっていないと、予見義務がなくなってしまうというの
が「確実的危験説」である。
(2
)「合理的危隙説jとは、危隙業務の性質によっては、
高度の注意義務が課せられる場合があるとする考え方。
続いて次のことを述べた。
@「事故発生後の事故対応上の責任jと「保護法益Jとの関連
放射能の恐怖不安から逃れるだめの国民の権利につ
被ばくから避難する二自分の命は自分で守るj
いて、 I
ことを当然の権利として主張し明確にすることが、住民
主体の対応の基礎を作ることとなる。住民が避難する際、
適確な情報がなかったことが問題である(スピーディ情
報などちさまれる)。情報がなければ住民は逃げない。
逃げるにしても、何処にどのような手段を用意するのか
が、被告に課せられている。
@「民法J
「原子力損害賠償法J「国家賠償法jが掲げる過失
被告は、「緊急事態で社会的許容値が引き上げられだ
から、損害賠償の責任はないjと主張している。裁判は
“
j
去と証拠”によって行われる。この解釈次第で“権利’\
が認められるならば、裏(甘け る事実を証拠仁問題を進め
ることができる。例えば、「高度の注意義務」が被告東電−
固に課せられているとすると、当然のことながら、被告
東電・国は「そんな義務は書いてない。普通の義務だけし
かない」と主張する。一旦「普通の注意義務でよい Jと解
釈すると、「高度の注意義務J
で保障されている「確実な
危験J
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不確実な危険J
などを保護する法律がなくなる。
つまり、";去と証拠”で主張していく中で、肝山の適用
される法がなくなる。それ故「注意義務の程度j「保護法
益j仁おける権利、これらが被告側の土俵の上での解釈
問題になれば法律は消える。 j
去の解釈が決定的役割を果
たすのである。
(海辺ウメ子関東圏在住4世話λ)
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コラム♂歩 緑
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ちえん〉
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盟難所生}蓄の E
見襲
韓国慎一
皆さん、こんにちは。多くの被災者がどんな思いで悲
惨な避難生活を過ごしているのか。原発事故は、築き上
げた人生全てを奪ってしまうこと。言葉を尽くしても言
い表せない悔しい現実を知って欲しいという思いで、お
話をさせていだだきます。
旧騎西高校避難所への移動
今回は避難所生活についてです。 2011年3月30日から
31日にかけて、一時避難の「さいだまス− HーアリーナJ
か
ら埼玉県加須市にある「旧騎西高校j避難所ヘ引っ越し、双
葉町行政と共に町民 1400
名の避難所生活力明白まりまし疋。
強制避難¢時、ほとんどの町民はパスで移動しました。
運転ができなかったり、車にガソリンがなかったりしたか
らです。この人達は、 30日にパスで移動し、各教室に分
かれて入室しました。自分たちのように自家用車で避難し
だ人達は31日に移動し、体育館が割り当てられました。
広い体育館内では揚所取りが始まっていました。幸い早め
に着いたので好きな場所を確保できましたが、夕方近くに
なると、広いと思っていた体育館が短時間で鮪詰め状態と
なり、約3CO名の人々との生活が始まりまし疋。
体育館での生活
人仁畳3枚、自分の家
体育館には畳が敷いてあり、 1
族は3人なので 9畳がこれから生活するスペースです。
夜、寝る準備をしてふと見ると、隣の人との距離が30cm
位しかないのです。凄いでしょう。隣の女の人(自分よ
り年上の女性でしだ。残怠?)は、元学校の先生とのこ
とでした。このような避難生活がこれから何年間続くの
か、不安で山が押しつぶされるようでしだ。
体育館は大勢の人達が生活するので、班を作って班ごと
に決め事をし、皆で協力しあうようにしました。自分は4
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の班長となり、ゴミ出しゃ室内の掃除を行いました。
体育館は暖房が無いのでとても塞く、ほとんどの人は
毛布が支給されただけで布団ちありません。夜は底冷え
して、疲れているのになかなか眠れない巴が続き、非常
に困難極まりない場所でしだ。しかし、 4月下旬に大手
家具メーカーさんのご厚意で、布団一式が1人ずつに支
給され、やっと温かい布団で安眠できました。あたり前
のことなのに、こんなにち嬉しいのは何故なんだろう。
このような中での、赤ちゃんから高齢者まで300人
位の共同生活です。環境が蛮わったせいで夜j
宣きをする
赤ちゃん、イビキの凄い人など色々です。短期間の避難
所でし疋らそれほどいがみ合いちないと思いますが、
365日同じ人達との生活です。毎夜、消灯で真っ暗に
なって子供の夜泣きが続くと、山無い人がその子供の親
仁向かつて「首を絞めろjと怒鳴り散らすのです。このよ
うにあってはならない事が起きてしまいます。伺が悪い
のか、精神が正常でいられなくなっていたの力、ち知れま
せん。共同生活をしている人達は互いに知らない町民ち
多く、ましてや知らない土地での生活は不安で、皆さん
途方に暮れるI~\情だったと思います。
避難所は火が使えないので、毎日 3食、弁当での食事
が続きましだ。自分は弁当が大好きなんで、 3ヶ月伎は
美味しく食べていました。しかし、おかずは揚げ物が多
井 戸 川J
かわら版
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