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《特別企画》デマンド監視システム
省エネルギー・ 特別企画 コスト削減に貢献 デマンド監視 システム 省エネルギー・コスト削減に貢献 デマンド監視システム 総論 デマンド監視と省エネ 髙橋 文男(たかはし・ふみお) 富士電機機器制御(株) 技術・開発本部 システム技術部 ますます深刻化している地球温暖化防止を目指す国連会議 「COP15」が昨年末に開催されたが、温室効果ガスの削減義 務などを巡って、先進国と途上国の主張に隔たりがあり、 「京 都議定書」に続く「新議定書」の作成は政治合意に至らず閉 総論 デマンド監視と省エネ 髙橋 文男(富士電機機器制御) 会した。しかし、地球温暖化が地球に破壊的なダメージを与 えるまでに残された時間は、あと 40 年もないと言われてお り、世界各国が一丸となって地球温暖化対策に取り組む必要 がある。 日本においては、 「2020 年までに、温室効果ガス排出量 ●GS-YUASA のデマンド・エネルギー 監視装置 ポストネット RMD501、502 梶村 正俊(ジーエス・ユアサ パワーサプライ) ●デマンド監視モニター「D-call シリーズ」 (ムサシインテック) あり、温対法や省エネ法の改正、低炭素社会作りの行動計画 の立案など、さまざまな施策が今後も強化されていくものと 思われる。 改正省エネ法施行における デマンド監視の必要性 1973 年 10 月の第一次石油ショックを契機に、1979 年 6月に「エネルギー使用の合理化に関する法律」 (省エネ法) ●クランプ式通電検知モジュール 「CTT-CS シリーズ」 が制定された。省エネ法は工場・建築物・機械器具に係る各 (ユー・アール・ディー) ●デマンド監視&省エネ支援パッケージ 「でんき当番」 三井 正樹(日置電機) ●デマンド監視装置“MDR-200P” 徳橋 望(ミドリ安全) ●デマンドシステムコントローラ 「スーパーマックス FVP」 を 1990 年に比べ 25%削減する」との表明を行ったことも ® 波田 尚之(大崎電気工業) 分野を対象として、省エネルギーの施策として制定されたも のである。その後、 地球温暖化対策として 1993 年、 1998 年、 2002 年にそれぞれ改定され、対象業種・事業者が拡大され てきた。 2005 年には地球温暖化防止に関する京都議定書の発効、 世界的なエネルギー需給の逼迫など、エネルギーを巡る諸情 勢を踏まえ、各分野におけるエネルギー使用の合理化を一層 進めるために、エネルギー管理指定工場の指定について、従 来の熱と電気の区分を廃止し、熱と電気を合算した使用量 が一定以上(第一種 3,000kL 以上、第二種 1,500kL 以上) の工場・事業場が指定されることになった。 さらに、2008 年の改正では、図 1 に示すように、これま での事業所単位の法体系から、企業単位の法体系に変わり、 企業全体(本社・支店・営業所・工場など合計)の年間のエ ネルギー使用量を把握し、1,500kL 以上であれば、特定指 定事業所となり、経済産業局への届け出が必要となった。特 定指定事業所は1年間のエネルギー使用量を 2010 年4月か ら報告義務の対象となる。この改定により、業務部門に多く 見られる中小規模の事業場を数多く設置する事業者(フラン 特別企画 改正前 改正後 工場・事業場単位の法体系 工場 事業場 事業場 事業場 企業単位の法体系 A社 営業所 工場 1年間の エネルギー 使用量 (原油換算値) 3,600kL ≧3,000kL 1,600kL ≧1,500kL 1,000kL <1,500kL 500kL <1,500kL 50kL <1,500kL 第一種 エネルギー 管理 指定工場 第二種 エネルギー 管理 指定工場 非指定 非指定 非指定 事業場 1,100kL + 600kL 営業所 + 100kL 1,800kL ≧ 1,500kL 特定事業者または特定連鎖化事業者 図1 事業者(企業)単位の規制導入のイメージ 表 1 改正省エネ法により対象となる事業規模の目安 年間のエネルギー使用量が 1,500kL 以上となる事業者の目安 小売店鋪 約3万 m2 以上 コンビニエンスストア 30∼40 店舗以上 オフィス・事務所 約 600 万 kWh/ 年以上 ファーストフード店 25 店舗以上 ホテル 客室数 300∼400 規模以上 ファミリーレストラン 15 店舗以上 病院 病床数 500∼600 規模以上 フィットネスクラブ 8 店舗以上 (注) 事業所の立地条件(所在地、等)や施設の構成(例えば、ホテルの場合ではシティホテルとビジネスホテル、 病院では総合病院と療養型病院)等によってエネルギーの使用量は異なる。あくまで一般的な目安として例示 したものである。 チャイズチェーンなど)を新たに義務の対象に加えるととも に、産業部門を含め、事業者の経営判断に基づく効果的な省 一度上がった基本料金は最低1年間は下がらない! エネルギーの取り組みを推進していくことになる。表1に、 基本料金を上げないためには最大電気量が契約電力 をオーバーしないように監視することが重要! この改定により対象となる事業規模の目安を示す。 最大電力 に応じた 基本料金 今後、さらに規制が強化される省エネ法を推進していくた めにはデマンド監視や電力監視を導入し、契約電力を超えな ネ法で定める計画的な削減を実行していくことが必要となる。 デマンド管理の概要 30 分間の最大電力量 いための管理や現状のエネルギー使用量の把握を行い、省エ 30 分間の電気料で 一度上がった基本料金 下がらない基本料金! 現在の電気料金制度は需要家側での負荷平準化による供給 効率の向上を目的とし、デマンド管理や力率の改善を誘導す るものとなっている。契約電力は所定時間(30 分間)の平 均電力である「デマンド」(需要値)の基準となっており、 各デマンドの最大値を「最大デマンド」と言う。 7 8 9 10 11 12 1 [月] 2 3 4 5 6 電力会社は時々刻々変化する瞬時電力を 30 分間積算し 図 2 契約電力の決定方法 て、1 年間の最大デマンドが電力会社との契約電力となる。 よって、電力会社からの請求額は1年間のうちの、わずか 契約電力は現在の契約電力をいったん超えてしまった場合 30 分間の最大瞬間電力(最大デマンド)で、1年間の電力 は、当月の請求額から超過した契約電力となってしまう。一 料金が決まってしまうことになる(図2) 。そのため、需要 度超えてしまった契約電力は、最低でも1年間は見直しされ 家側においては最大デマンドが契約電力を超過しないように ない。 管理することがもっとも重要となる。 59 2010・03 OHM その方法としては、受電点にデマンド監視装置を設置して 企業 LAN(イントラネット)などの環境を利用して、省エ 30 分デマンドが契約電力を超えないように管理を行い、場 ネ活動に関わる関係者が任意に情報を閲覧することが効果的 合によっては負荷の遮断を行うなどのデマンド制御を行う。 である。 また普段から省エネ活動を実践し、使用エネルギーの削減を 図3に企業 LAN 上で、Web 閲覧が容易に可能なシステ 考慮した活動を行い、効率的な原単位管理により、定期的な ムを紹介する。このシステムは受電部の取引用計器からの電 使用エネルギーの削減を行うことが必要となる。 力パルスを Web 監視ユニットに取り込み、デマンド監視を 行うものである。 この Web 監視ユニットにはデマンド監視機能が搭載され デマンド監視システムの構成 ており、あらかじめ契約電力・目標電力・警報電力を設定す 従来のデマンド管理は電気主任技術者などの担当者が行っ ることで、毎時0分または、30 分から開始する1分間隔で ていたが、省エネ活動を考えた場合は担当者などの人手だけ の 30 分デマンド監視を行うことができるもので、1分ごと の努力だけでは困難なものがある。省エネ活動は事業所全体 に警報電力の超過を監視し、もし超過を予測した場合にはメ の取り組みとすることが必要であり、そのためにはデマンド ール発報にて、管理者に連絡を行う。連絡を受けた管理者は 値情報を含めたエネルギー情報を事業所全体で共有すること あらかじめ決めておいた負荷を遮断することで、デマンド超 が必要となる。エネルギー情報を共有することにより、社員 過を未然に防ぐことができる。 の省エネ意識が高まり、最大デマンドや使用電力量を管理・ 抑制するためのアイデア抽出や、そのアイデアの実行による 省エネ活動を行うことができるものとなる。情報の共有には 誰でも・どこでも見える Web 閲覧 Web 閲覧 誰でも・どこでも見える LAN で接続されたパソコンであれば、 場所を選ばずに電力監視できる。 既存パソコンの Web ブラウザで監視 複数パソコンでの電力量監視 受電 LAN で接続されたパソコンであれば、 場所を選ばずに電力監視できる。 既存パソコンの Web ブラウザで監視 複数パソコンでの電力量監視 企業 LAN 受電 取引用 計 器 電力 パルス パルス パルス RS485 取込器 検出器 集まる 企業 LAN メール 発報 取引用 計器 電力 パルス パルス パルス RS485 検出器 取込器 Web 監視 ユニット VCT 電力監視 Web 画面機能 計測データ 蓄積機能 F-MPC シリーズを 31 台まで接続 集まる Web 監視 ユニット メール 発報 電力監視 Web 画面機能 計測データ 蓄積機能 VCT F-MPCO4 図3 Web によるデマンド監視 FePSU RS485 F-MPCO4 図4 デマンド監視画面の一例 60 2010・03 OHM 図5 電力監視システムの構成例 F-MPCO4P 特別企画 また、企業 LAN に接続されている複数のパソコンから同 時に Web 閲覧することも可能であり、図4に示す画面を閲 デマンド監視から電力監視への機能拡張 覧することができ、共有化が容易にできる。 Web 閲覧するパソコンには専用ソフトをインストールす デマンド監視情報を共有し、有効活用することについて述 る必要がなく、汎用 Web ブラウザである IE による閲覧を行 べてきたが、省エネ推進のためには受電点でのデマンド監視 うもので、コストパフォーマンスの優れたシステムと言える。 だけではなく、デマンドがなぜそうなるのかを把握すること が必要となる。 受電点のデマンドは末端負荷である動力・空調・照明など が使用した合算であり、この末端負荷の使用方法の改善がデ マンドの抑制や省エネ削減に直結するものである。したがっ て、末端負荷までを網羅的に計測・監視することが重要とな る。図5に、デマンド監視システムを末端負荷までを計測す る電力監視システムへと機能拡張したシステム構成例を紹介 する。 このシステム例では、先に述べたデマンド監視のほかに、 (a)エネルギーグラフ 二次変電所の計測や低圧配電盤などの末端負荷計測を行い、 デマンド監視システムと同様に Web 閲覧を行っている。シ ステム内容は先に述べたデマンド監視システムを機能拡張さ せて、二次変電所の各高圧フィーダや各低圧系統と低圧分電 盤までを計測対象として、末端負荷までを監視するシステム となっている。 監視のために収集されたデータは Web 監視ユニットに 集約され、蓄積される。企業 LAN 上に接続されたパソコン で、図6のような各種機能画面が閲覧できる。画面の主な種 類としてはエネルギーグラフ・エネルギー比較グラフ・瞬時 (b)エネルギー比較グラフ 値のトレンドグラフや帳票など、閲覧が可能である。容易に Web 閲覧ができ、関係者全員が状況を把握することができ る(情報共有化)システムとなっている。 さらに、日報・月報などの帳票データを手元のパソコンに ダウンロードもでき、EXCEL での各種解析も可能なシステ ムとなっている。また比較機能も有しており、前年同月を比 較したり、類似設備の比較を行うなどの無駄を見つけるツー ルとして、省エネ活動に最適なシステムとなっている。 このような電力監視システムを構築することで、関係者全 員の情報共有化を図り、積極的な省エネ活動を行っていくこ (c)トレンドグラフ とで、従来のような結果としてのデマンド監視から、生産計 画と連動したデマンド管理に変化されるなどの攻めの省エネ 活動へと変化させていくことができる。電力監視システムを 有効に活用することが、よりよいデマンド管理、省エネ活動 へと繋がっていくものと考えている。 ◆参考文献◆ (1)経済産業省 資源エネルギー庁 :「改正省エネ法パンフレッ ト」(PDF),http://www.chugoku.meti.go.jp/topics/energy/ (d)各種帳票 h210414pnf.pdf 図6 エネルギー監視データの表示機能 61 2010・03 OHM 梶村 正俊(かじむら・まさとし) 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 デマンド監視システム (株)ジーエス・ユアサ パワーサプライ インダストリー事業本部 RMS 事業部 GS-YUASA のデマンド・エネルギ−監視装置 ポストネット RMD501、502 すぐに使える省エネ、電気料金削減、 ■デマンド表示板による省エネ対応 ■デマンドデ−タの帳票作成グラフ作成 エネルギ−計測が可能な、ジーエス・ユ 表示板は、空調機などの負荷制御が可 デマンド表示板に組み込まれた SD カ アサのデマンド監視装置「ポストネットデ 能な、人の居る場所に取り付ける。AC ードは、デマンドデ−タ (30 分ごとの電 マンド」 について紹介する。 アダプター電源で、壁などに引掛けるこ 力値 ) と、警報データが保存される。付 デマンド監視装置は「省エネルギ−対 ともできる。常時は使用電力量 ( 現在デ 属のソフトウエアをパソコンにインスト 策」を目的に、契約電気量の低減 ( 電気基 マンド ) や、予想電力量 ( 予想デマンド ) ールし、負荷曲線グラフ ( 日、週、月、年 )、 本料金削減 ) と、デマンド警報と連携し、 をデジタルで表示し、省エネ活動の啓蒙 デマンドデ−タ帳票、警報一覧を閲覧、 空調機などの自動負荷制御に利用される。 に役立つ。また、13 段階の負荷率レベル プリントアウトできる (図1) 。 また、改正省エネ法の実施により、エ メ−タは予想電力量の契約電力量に対す ■デマンド、エネルギ−の遠隔監視 ネルギ−の計測にも利用されている。 る余裕を表示できる ( 写真1) 。 パケット通信機 (FOMA) を内蔵した ■ポストネットデマンドの特長 取付工事費用が少ない省配線システム ( 無線オプション ) 事務所でデマンド管理できる A4 大型 表示板 電気使用量が増え、予想電力量が契約 デマンド監視装置 RMD501F、502F と、 以下の目標電力量を超える場合には、表 WEB(インターネット)で監視可能なポ 示板が警報出力を行う。ブザ−が鳴動し、 ストネット(POST-NET)サービスに加入 「余裕」から、 「注意」もしくは「警戒」ラン プが点灯する。 「注意」の場合は目標電力、 デマンド警報をブザ−、ランプで通知 デマンド警報端子と空調機を連携し、 負荷制御可能 することで、遠隔でのデマンド監視、デ マンドデ−タを取得し各種負荷グラフや 「警戒」の場合は契約電力が警報レベルに 帳票を出力ができる(図2) 。また、複数 なる。 「注意」警報と同時に、リモコンで 箇所のデ−タ比較や、一括集計、デ−タ 空調機などの温度を調整するか、停止す 取得の他、デマンド警報の設定変更など SDカードでエネルギ−計測 ることにより、ピ−ク電力を抑制できる。 ほとんどの操作が実施できる。 付属ソフトとパソコンで、エネルギ− デマンド表示板は複数取り付けできる ■手軽に取り付け、省配線工事 報告書を簡単作成 ので、 一斉警報通知が可能である。本体お 本体装置と表示板間の接続は、シール よびデマンド表示板には、デマンド警報 ド付ツイストペアーケ−ブル、LAN ケー 載機種を準備 WEB で手軽にデマンド に連動した 3 回路の警報出力端子があり、 ブルの有線配線、オプションの無線機、 監視・集計可能 ( サービス加入必要 ) 空調機室外機の負荷制御も可能である。 PLC( 電力線搬送 ) が利用できる (図3) 。 遠隔で複数の監視ができる FOMA 搭 工事が簡単な、電柱への取付金箱、延 機種、オプションの豊富なジーエス・ユアサ デマンド監視装置の詳細は、弊社ホームページでご案内している。 長パルスケーブル、無線機 アンテナ 屋外収納箱などオプション で用意 集中監視サーバ FOMA網 FOMA 内蔵 複数の機種(次頁を参照)か インタ−ネット デマンド装置本体 ら選択可能 拡大図 写真1 デマンド表示板 双方向通信 パルス 変換機 CT/CDM エネルギー使用状態 をすぐに報告!! 電気代節約状態 警報データ デマンドデータ WEB閲覧 WEB閲覧 WEB閲覧 WEB閲覧 報告書負荷グラフ 図2 POST-NET サービスを利用した監視システム 接続は建屋に合わせて選択 LANケーブル 市販高速PLC デマンド 装置本体 特 長 事務所の表示板内 のSDカードで、デマ ンドデータを収集。 カードを抜いて、 すぐ にパソコンでデータ 加工が可能。 ■デマンドデータ ■警報データ 1GB 約1,000円のメディアで 約10年分のデータを保存 電力計量器 パルス 変換機 アプリケーション ソフトで SDカードから グラフ、帳票 図1 デマンド帳票ソフトで、らくらく報告 62 2010・03 OHM RS485ケーブル 400MHz帯 無線機 デマンド表示板1 CT/CDM デマンド表示板2 図3 RMD 501 本体と表示板配線例 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 デマンド監視システム (株)ムサシインテック 営業本部 デマンド監視モニター「D call シリーズ」 ● D-call シリーズの概要 電力量計からのパルス入力を計測、 月別稼働日平均電力使用量 15 か月分 「改正省エネ法」の施行に伴い、エネ 電力量計と連動して正確に計測、取 月別電力量前年同月比率 15 か月分 ルギー使用状況の届出が「事業所」単位 り付けが簡単。 月別電力量目標値比率 15 か月分 から「事業者」単位に変更された。 ③ D-call Ⅲ ● D-call シリーズの使用例 このことにより、これまでエネルギー 電力量計からのパルス入力を計測、 使用状況の届出の必要がなかった小規模 簡単取付、 USB メモリ対応(写真2) 事業所を多数保有する企業では、全社 でデータ管理が簡単、改正省エネ法 で統括したエネルギーの使用量が年間 のデータ収集に最適。 1,500kL 超える場合、事業者単位での (2) 小型・軽量で裏面のマグネットに 届出が必要となり、小規模事業所でもエ より、盤面などに簡単に取り付けが ネルギー使用量のデータを収集・管理す できる。 ることが必要となる。 (3) 省エネに役立つ月別の電力使用量 「D-call シリーズ」は、小型・安価・ を 15 か月分、日別の電力使用量を 簡単なデマンド監視モニターとして開発 35 日分、時間別の電力使用量を 192 され、デマンド・電力使用量のデータを 時間分記憶可能。 計測・表示するとともに、接点出力によ (4) 大型のバックライト付き液晶表示 りデマンド超過警報を出力する。 器を採用、暗い場所でも表示をしっ 電力料金削減のためのデマンド管理は かり確認できる。 もとより、新製品の「D-call Ⅲ」 (写真 1) (5) デマンド超過警報接点出力により、 では、本体に記録したデータを市販の 警報ブザー、無線通報器など各種通 USB メモリへ簡単に保存することがで 報器と組み合わせてデマンド超過警 き、付属の管理ソフトによりパソコンで 報システムを簡単に構築できる。 簡単にデータ管理が行えるため、改正省 (6) デマンド警報は、1分ごとに最終 エネ法のデータ収集にも有効に使用でき デマンド値を予測し、予測値が設定 る。 したデマンド目標値を 30 分間のデ ● D-call シリーズの特徴 マンド時限内に超過すると判断した (1) D-call シリーズ商品 場合に発報。 (1) 電気主任技術者 デマンド電力監視でデマンド超過警報 を発報。 監視王Ⅰと組み合わせることで絶縁監 視に加え、 デマンド超過警報を実現でき、 需要家へ付加価値として提案ができる。 (2) 省エネ推進会社 電力量を自動測定し、推移を記憶。 毎日の生産数量に対する電力使用量の 傾向や、設備の省エネに欠かせない電力 使用量の把握に活躍。 (3) エネルギー管理指定事業所 ① ISO14001 を取得している事業所 電力使用量の記録・報告資料作成がラ クラク 。 1か月ごとの電力使用量を記憶し、液 晶表示画面に現在月と過去2か月のデー タ3か月分を一括表示が可能。さらに 15 か月分の電力量データを記憶。 データ分析にも大活躍 月々の電力使用量はもちろん、1日・ 1時間ごとの電力使用量など、データ分 析に役立つ数値を収集。 目的に合わせて3機種をラインナップ。 ●液晶表示およびデータ記録量 ① D-call (1) 液晶表示 PT・CT の二次側で電力を計測、 瞬時電力 1秒周期更新 の電力使用量測定も可能。 バンクごとの個別管理に最適。 デマンド現在値 1秒周期更新 このデータをもとに、最もお得な契約 ② D-call Ⅱ (2) 各データの記録量 ②フランチャイズ流通店舗 時間帯別電力量表示機能で、時間帯別 (選択約款)を選ぶことができる。今ま 月毎最大デマンド 13 か月分 で通り電気を使いながら、電気代を抑え 時間別電力使用量 192 時間分 たいユーザ−にお勧め。 日別電力使用量 35 日分 月別電力使用量 15 か月分 月別積算電力量 15 か月分 月別1日平均電力使用量 15 か月分 【お問い合わせ】 (株) ムサシインテック 東京支店 〒180 − 0022 東京都武蔵野市境1− 16 − 34 TEL:0422 − 55 − 7702 FAX:0422 − 55 − 7379 Email:[email protected] 写真 1 D-call Ⅲ 64 2010・03 OHM 写真2 便利な USB コネクタを装備 (D-call) 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 デマンド監視システム (株)ユー・アール・ディー 営業部 クランプ式通電検知モジュール 「CTT CS シリーズ」 できる。 CTT-CS シリーズの概要 CTT-CS シリーズの特徴 参考価格 3 000 円から(税別) 既存の設備に簡単に取り付けできる 動作電流は高感度の1A 固定型をはじ 【お問い合わせ】 クランプ式電流センサのパイオニア、 め1∼ 10 Aの1A 単位設定型、10 ∼ (株) ユー・アール・ディー (株)ユー・アール・ディーより新製品が 100A の 10A 単位設定型の3機種をラ 〒230 発売になった。簡易クランプ構造の電流 インアップ。動作電流が1A 未満の場合 横浜市鶴見区末広町1 1 52 センサにトランジスタ出力型の通電検知 は計測対象電線をセンサに(n)ターン TEL:045 回路を内蔵。無電源で計測対象電線にク すれば感度も(n)倍で使用可能である。 ランプするだけで通電検出が可能である。 配線経路の途中での通電検知も簡単に D E 0045 502 3111 2×M3 ネジ端子 (カバー付) 89 567 図1 CTT-CS シリーズ X1A 12 10 34 形式 CTT-10-CS1 CTT-16-CS10 CTT-16-CS100 B A φ d C A 50 55 55 B 37 40.5 40.5 C 23 29.5 29.5 D 26 31 31 E 14.5 19 19 図2 外形図 表1 CTT-CS シリーズの仕様 形 式 CTT-10-CS1 CTT-16-CS10 CTT-16-CS100 動 作 電 流 1.0A 固定型 1∼10A、1A刻みの設定可 10∼100A、10A刻みの設定可 動 作 精 度 ±0.1A 設定値の±5% 復 帰 電 流 動作点−5%で出力OFF 量 120A(連続)/ 240A(1 秒) ー 0.2秒以内/ 0→120%(但し、CTT-16-CS10の1A設定のみ0.4秒以内) 過 電 流 耐 O N デ レ O F F デ 出 力 レ 仕 構 耐 環 境 ー 0.2秒以内/ 120%→0 様 エミッタ接地・オープンコレクタ出力(MAX30V / 30mA) 造 ナイロンケース簡易閉鎖型 ナイロンヒンジ/ナイロンスプリング方式 性 UL94-VO準拠・RoHS指令対応 許 容 脱 着 回 数 約100回 出 2×M3ネジ端子・端子カバー付 力 端 150A(連続)/ 300A(1 秒) 子 ネ ジ 締 付 ト ル ク 0.3N・m 絶 抗 DC500V / 100MΩ以上(コア∼出力端子間) 圧 AC2000V / 1分間(コア∼出力端子間) 量 45g 縁 耐 抵 電 重 75g 使 用 条 件 −20℃∼+50℃ 85%RH以下 結露のないこと 保 存 条 件 −30℃∼+90℃ 85%RH以下 結露のないこと 取 付 方 式 盤内組込電線吊り下げ、取付け方向フリー [注意事項] (A)接合面に衝撃的な力がかかると、内部のフェライトコアが折損することがある。 (B)出力端子に取り付けられているネジは専用のものを使用する。 66 2010・03 OHM φd 10 16 16 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 デマンド監視システム 三井 正樹(みつい・まさき) 日置電機(株) 環境事業推進グループ デマンド監視&省エネ支援パッケージ 「でんき当番」 製品概要 する分析機能を搭載。このパッケージに のパソコンを分離し、その間のデータ転 は省エネ支援 e-Book・設置工事費・立 送に免許不要の特定小電力無線を利用し ち上げ費用も含まれている。従来のよう ているため、取引用計器の設置場所が事 無線型パルス測定器(ロードカーブ測 に高額な設備投資を必要としないため、 務所などから離れていても通信線工事が 定器)と電力使用監視ソフト(デマンド 少ない負担で、きめ細かな省コスト、省 不要といったメリットがある。無線では 監視ソフト) を組み合わせたシステム エネルギー対策が可能となった。 常時監視し、電気の使いすぎを検知した 場合に警告を発し、契約電力の超過を防 設置場所や障害物の状況に応じて中継機 (最大4段)を設置することで対応する (図1)。電力使用状況(デマンド値)を ことができる。 特長 (2) データ分析機能により省エネ施 ぐ監視機能と、過去との使用状況比較に (1) 無線によるデータ通信 策をサポート より、さらなる省エネ対策のサポートを 小型のパルス測定器とデマンド監視部 パソコンの監視画面は、デマンド値表 示、使用電力量表示、負荷テスト表示に 取引メータ 分け、それぞれ目的を持った表示構成と 無線通信 データ 受信装置 した。 「デマンド値表示」は基本料金を、 「使用電力量表示」は電力量料金を削減 するため、 「負荷テスト表示」は負荷の 制御についてテストする目的とした。ま パルス 測定器 た、省エネする上で重要な“比較”とい う概念を画面に導入し、過去のデータと プラボックス内 リアルタイムで比較することにより無駄 を強調させた。 分析画面は、日報、週報、月報、年報 という表示形態を選択できる。そのうえ、 Eメールでお知らせ 図1 システムイメージ ブザー内蔵 USB型警告灯 各画面の表示手法も選択できる。時系列 的な傾向をみる“推移表示” 、1日の波 形を重ね合わせることで1日の電気の使 われ方の傾向確認の“重ね合わせ”。時 間ごとの省エネ施策の確認のための“時 間指定”などが可能である(図 2)。以 上の分析機能で過去のデータと比較する ことにより、使用電力量低減活動の確認 と指標にすることができる。 対象 対象メータ:6.6 kV、50,000 パル ス /kWh の電力需要用複合メータ(監視 ポイント数:1 か所) 【お問い合わせ】 日置電機 (株) 営業本部 販売企画課 〒386 − 1192 長野県上田市小泉 81 TEL:0268 − 28 − 0560 図2 分析画面「重ね合わせ」 68 2010・03 OHM FAX:0268 − 28 − 0569 E-mail:[email protected] 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 徳橋 望(とくはし・のぞむ) デマンド監視システム ミドリ安全(株)電気計測事業部 デマンド監視装置“MDR-200P” 電気料金の仕組み LCD、LED により表示する。 うことができる。 “MDR-200P”の仕様を表1に、導入 ●サービスパルス取り込み用 CT、搬送 効果を図1に示す。 注入トランスは、分割型で取り付けが 簡単。 電気料金は基本料金と電力量料金から 構成されており、基本料金は 30 分ごと “MDR − 200P”の特徴 の使用した電力量の平均値により決定さ 【お問い合わせ】 れる。一か月のうちの最大値が、その月 ●電気料金のうちの基本料金を決めるデ ミドリ安全 (株) 電気計測事業部 のデマンド値となる。 マンド値を管理することにより、電気 〒143 − 0025 このデマンド値が契約電力量を超過す 料金を削減することができる。 東京都大田区南馬込 2 −29−1 3F ると、当月から一年間の契約電力として ●信頼性の高い大地帰路搬送方式により、 TEL:03 − 5742 − 7211 使用されることになる。このデマンド値 正確に警報を知らせることができる。 FAX:03 − 5742 − 7214 を管理することで、契約電力量が上がる ● USB でパソコンに接続することによ E-mail:[email protected] ことを防ぐことができる。 って、最大 120 日分のデータを管理 することができる(日報、 月報、 年報) 。 ●2段階警報により、計画的な管理を行 “MDR − 200P”の概要 表1“MDR − 200P”の仕様能 デマンド値を管理するためには、デマ ンド監視装置が必要となる。ここでは、 ミドリ安全で開発したデマンド監視装置 “MDR-200P”について紹介する。 “MDR-200P”は、まず、発信装置付 電力計から出力されるサービスパルスを 専用 CT にて検出し、得られたパルスを もとに、時間単位で演算を行う。その情 報とユーザー設定値を比較して、その結 果発生したデマンド警報に対応した搬送 波を送出し、対地帰路方式により警報器 へ情報を送る。設定情報、警報などは 項 目 電源電圧 消費電力 使用温湿度 外形寸法 本体質量 パルス定数 MDR‐200P MDT‐200(受信機) AC100V ±10%50/60Hz 20VA 以下 5VA以下 −10℃∼+60℃ 85%RH以下(無結露) W120×H168×D50mm 1.3kg以下 50,000パルス/kWh 用電力量計(CTパルス出力タイプ) 波高値9∼15mA 1 ∼999kW 20:5、50:5、200:5、500:5 6,600:110 注意 設定電力×70、80、90%/警戒 設定電力×100% 設定電力 CT 比 VT 比 警報設定値 (契約電力) 導入効果 警報発報時にあらかじめ決めて おいた負荷を停止するなど、使用 電力を抑えることにより、使用電力 が契約電力を超過するのを防ぐこ とが可能です。 監視装置設置前のデマンド値 監視装置設置後のデマンド値 700kw 500kw 警報設定値 当月 削減例 契約電力を700kWから500kWに下げた場合 基本料金 = 契約電力 × 基本料金単価× 力率割引 デマンド監視前 928,200円 = 700kW × l,560円 × 0.85 デマンド監視後 663,000円 = 500kW × l,560円 × 0.85 一か月の削減金額 265,200円 年間 3,182,400円 図1 “MDR − 200P”の導入効果 70 2010・03 OHM −0℃∼+40℃ 85%RH以下(無結露) W120×H168×D50mm 850g以下 (月) 波田 尚之(はだ なおゆき) 省エネルギー・コスト削減に貢献 特別企画 デマンド監視システム 大崎電気工業(株) 営業本部 営業企画管理グループ デマンドシステムコントローラ 「スーパーマックス FVP」 平成 22 年度より施行される改正省エ 上げ、顧客に対してインターネット経由 これら諸問題を解決できる製品として、 ネルギー法では、これまで事業所単位で 当社では「デマンドシステムコントロー でデータを提供する。また、現地事務所 あったエネルギー管理が、事業者(企業) ラ には警報表示器を設置し、デマンド情報 単位での管理に変わる。 を開発し、好評を得ている。 個々の店舗としては対象外であった多 表1は本製品の主な仕様である。 線を利用する電力線通信を採用しており、 店舗展開をするチェーン企業でも、本部 「スーパーマックス FVP」は、単体と ローコストでの導入が可能である。 において全店舗のエネルギー使用量の合 しての活用だけでなく、柔軟なシステム このように本製品の利用により、省エ 算を管理しなければならなくなるケース 構築が可能である。別途契約などを要す ネルギーの専門家を持たない物販などの が多くなる。つまり、新たにエネルギー るが、 「デマンド・マネジメント・サービ チェーン店舗においても、本部一括での 使用状況の「見える化」が求められるの ス 」として、 遠隔監視による「見える化」 エネルギー管理を実現できるのである。 である。 と、それによる運用改善にまで踏み込ん ここで紹介した事例は、本製品活用の スーパーマックス FVP」 (写真1) をお知らせする。通信方式に既設の電力 当社では、主要なエネルギー源である だコスト削減を可能にする発展性を持っ 一例であり、顧客の状況に応じたさまざ 「電気」の見える化と、そのコスト削減に ている。そのため、当社では「デマンド まなシステム構成、展開が可能であるの 貢献できる製品として、信頼性の高いデ システムコントローラ」との名称を与え で、まずはご相談いただき、本製品を省 マンドコントロール装置を提供してきて ている。 エネ対策にお役立ていただきたい。 【お問い合わせ】 いる。 次に、本製品を用いた遠隔管理手法の デマンドコントロール装置は、電気の 事例を紹介する。図1はシステムの構成 大崎電気工業 (株) 営業本部 システム機器部 使用量を常に監視し、電力会社との契約 例である。 TEL : 03 − 3443 −7176 電力を超過しないよう、たとえば夏場の 本構成のシステムにおいては、FOMA FAX : 03 − 3443 − 0265 空調の使い過ぎなど、必要に応じて負荷 端末を利用し計測データをサーバに吸い E-mail : [email protected] を遮断するピークカット制御を行い、使 用電力量の平準化を図る装置である。こ れは電力会社から見ても、需要家側でピ ークカットを行うことで、安定した電力 を供給するための設備負担を抑えられる メリットがある。また地球温暖化対策と して、CO2 の排出量削減にも役立つ。 表 1 スーパーマックス FVP(デマンド・マネジメント・サービス タイプ)の主な仕様 項 目 入 力 出 力 このように、デマンドコントロール装 置は多くのメリットを持つが、従来製品 その他 の問題点として、 AC100V ± 10% 50/60Hz 共用 20VA 以下 外形:W255 × H180 × D60mm 質量:本体:約 1.3kg、パルス検出部:約 50g パルス検出部 1点:分割形 CT または電力量パルス 移報またはパルス入力 (選択) 4点:1点ごと選択し設定可能 遮断・警報出力 (選択) 4点:決められた組合せの中から1つ選択 通信ポート RS 232C:2ch および RS 485:1ch データ保存容量 デマンドデータ:日報(15 日) 、 月報(2か月)、年報(1年) 各種警報:1 000 点、停電履歴:50 点 など PC による設定・制御 データモニター、データダウンロード機能など USB メモリによるデータ管理 (オプション)データの読み出し、書き込み、本体設定など ①装置設置時、面倒な設定作業が必要。 電気室 ②導入してからの運用の継続が難しい。 ③システムの発展性に乏しく、店舗の 改装など、状況に応じた活用ができ ない。 などが指摘されている。 内 容 電源 一般仕様 外形寸法・質量 取引用 VCT 電力需給用複合計器 (電力会社殿設備) インターネット サーバ バケット 通信 分割形CT パルス検出部 FOMA モジュール 電力量パルス ユーザー RS-232C デマンドシステムコントローラ 事務所 スーパーマックスFVP AC100V 電力線通信 (PLC) 電力線通信を利用し、 遠方でのデマンド値の 確認や警報の発報が行えます。 写真 1 「スーパーマックス FVP」 72 2010・03 OHM 警報表示器 (オプション) 接点出力(2回路) 図1 遠隔デマンド管理システム構成 *デマンドシステムコントローラ、デマンド マネジメント * FOMA は、 (株) NTT ドコモの登録商標です。 サービスは、大崎電気工業 (株) の登録商標です。