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主な略歴・業績等
2009年 度 大 川 賞 受賞者 The WinnerS Ofthe Okawa Pri2c 受 賞理 由 視覚系の生物物理と行動研究から 計算論的神経科学の創設に関する際だった貢献と、 視覚理論とヒトおよび機械 の学習理論におよぶ先駆的研究 トマツポッジオ 博士 現 学 職 マサチューセッツエ 科大学 脳・認知科学部 マクガヴァン脳研 究所 コンピュータ科学・人工 知能研究所 ユージンマクダーモット教授 位 Ph D(ジ ェノヴァ大学 1970年 生 年 月 日 1947年 9月 11日 (62才 略 歴 1970年 1971年 ) ) ジェノヴァ大学 博士号取得 マックス・プランク研究所 助手 1981年 マサチューセッツエ科 大学 心理 。 人工知能研 究所 准教授 1984年 同大学 脳・認知科学部、 コンピュータ科学・人工知能研 究所 、 ウイタカー 教授 主 な 受 賞 等 1979年 1990年 1992年 1997年 マックス・プランク協会 オットー・ハーン・メダル 米国人工 知能学会 創立 フェロー アレキサ ンダー・フォン・フンボルト財 団 マックス・プランク研 究賞 MIT50Kア ントレプレナーシップ賞 20031F 米国芸術科学 アカデミー フェロー パビア大学名誉学位 国際 ニューラルネットワーク学会 20094F ガボール賞 全米科学振興協会 フェロー 1997年 20004F 主 な 業 績 トマ ソ ポッジオ博 士 は、ジェノヴァ大 学 で、1971年 に理 論 それを行動研 究や生理 学 と結 びつ けることにより、 後 に視覚野 の研 究 にも役 立 てられ ることになる正 規 化 回路 に関す る 先駆 的な研 究 を行 い ました。博 士 は、計 算論 的神 経 科 学 に お い て 必 要 とされ る解 析 のレベ ルを特 徴 付 け るとともに、 立 体 視 アル ゴリズムを考 案 されました (D・ マー博 士 との共 同 研 究 )。 この アル ゴ リズムは、立 体 視 の主 要 モ デルとして、 また他 の視 覚 アルゴリズムの原 型 として、関連 の研 究分野 で 利 用 され てお ります 。生 物 物 理 学 分 野 にお い ては 、他 の 研 究 者 と共 同 で 、樹 状 突 起 およびシナプスが 計 算 論 的 に 主 要な役 割 を果たしていることを示 唆す るモデルを開拓 され ました。樹状突起およびシナプスの計算論 的役割については、 現在 、実験 的 に検 証 が進 められてい ます 。さらに計 算 論 の 分野 では、 視 覚 の不 良設定 問題 を解 決す るための全 般 的な て みと し 正則化理論を導入 しました。 、 枠組 ポッジオ博 士が発 表 された論 文 の 中でも、最 も頻繁 に引用 されて い るのは、正 則 化 ネットワー クの 数 学 を考 案 し、学 習 理論 に多 大 な影 響 を与 えることになった論 文 です 。博 士 は 学 習 手 法 をバ イオインフォマ テイクス (生 物 情 報 科 学 )、 コンピュータグラフイックス、コンピュータビジョンヘ 応 用 され、 神 経 科 学 へ の応 用 では 、例 えば情 報 技 術 (IT)に おける 神経 コードの解読 があります。 最 近 の 十 年 間 は 、学 習 の 階 層 的 拡 張 に 関 す る研 究 に 取 り組 み 、視 覚 野 にお け る視 覚 認 識 の 定 量 的 フイー ド フォワードモデルを開発 されました。このモデルは、い くつ かの 生理学 的実験 の進展・解釈に役立 つ ツールとして利用 されると ともに、ヒトにお け る瞬 時 的 カテ ゴ リ認 識 とも一 致 しており、 さらにコンピュータビジョンの分野 において、 視 覚神 経 科学 に 基 づ く新 たなアーキテクチャを提案す るものとなっております。 このような業績が評価 され、ポッジオ博 士は、 神経科学研 究 プ ログラム名 誉 会 員 、アメリカ芸 術 科 学 アカデミー 会 員 、 物 理 学 の博 士号 を取 得 された後 、1972年 から1981年 まで、 ドイツの マ ックス・プランク生 物 サ イバ ネテイクス研 究 所 で 研 究助 手 を務 められました。1981年 にマ サチューセッツエ 科 2000年 以 降 はマ クガヴァン 大学 (MIT)の 准教授 に就任 され、 で れており ま 教鞭を執ら す。 現在 は、 脳・認知科学部 脳研 究所 米 国人 工 知 能 学 会 (AAAI)創 立 フェローや全 米 科 学振 興 協 会 フェローに選 ばれています。また、マ ックス・プランク協 会 オットー・ハーン・メダル、アレクサ ンダー・フォン・フンボルト財 団 ユージンマ クダーモット教授 であるほか 、生物 学 的・計 算論 的 学 習 センターの共 同所 長 、MITコ ンピュータ科 学・人 工 知 能 マックス・プランク研 究賞 (M・ ファーレと共 同受賞 )、 MIT50K アントレプレナーシップ賞、パビア大学名誉博 士 号 (2000年 )、 研究所 で研 究活動 を続けられております。 ポッジオ博 士 は、ハエ の視 覚系 モデルおよびヒトの立 体 視 モデルに関す る研 究 の先駆者 であり、 視覚 の計算論 に正則化 ガボール賞 (2003年 )な ど、 数 々の賞や栄誉を受賞されています。 このように、トマ ソ ポッジオ博 士 は計 算 論 的神 経 科 学 の 理 論 を導 入 す るとともに、計 算 生 物 物 理 学 や学 習 理 論 に 多大 な貢 献 をされてきました。博 士 が 開発 された視 覚 野 に おける認識 モデルは、 その後 の研 究 に大きな影響 を及ぼしてお 22 ります。また、ハエ の視 覚運動 制御 系 を定量 的 に特 性 化 し、 ハエ の追跡・固視行 動 を予 涸1で きる方程式 を導 きました (w・ ハエ において運 動 ライヒャルト博 士 との 共 同研 究 )。 さらに、 境 界 検 出 の 基盤 となってい る神 経 回路 のモデル化 も行 い 、 倉1設 に 関 し際 だった 貢 献 をされ ると共 に、視 覚 系 の生 物 物理 と行動研 究 から視 覚理論 とヒトおよび機械 の学習理論 に およぶ 先 駆 的な研 究 を行 ってこられました 。ここに大 川賞 を 贈呈 してその功績 をたたえるものであります。