Comments
Description
Transcript
~突撃 ドメーヌ最新情報!!~ VCN°33 ドメーヌ・ド・ベル・ヴュー 生産
2015 年 8 月吉日 ~突撃★ドメーヌ最新情報!!~ ◆VCN°33 ドメーヌ・ド・ベル・ヴュー 生産地方:ロワール 新着ワイン 3 種類♪ AC ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ 2014(白) 2014 年は、 品質的にミュスカデの当たり年!ジェローム曰く、2010 年から一部ビオディナミを取り入れ、2012 年から本格的に実践した成果が徐々に出始めているとのこと。確かに、最初の頃のミュスカデに比べて、近年の ミュスカデは輪郭がはっきりしていてワインに勢いがある。いつものように白い花や潮の風味もしっかり感じら れ、定番ではあるが生ガキと合わせたいワインだ! VdF ラ・ジュスティス 2013(白) 100%アンフォラで仕込んだ、初リリースのシャルドネ!ジェローム曰く、1500 本リリースして 1 週間も経た ないうちに一瞬で売れてしまったようだ!今回試飲したワインも彼の持つ在庫の最後の 1 本だった!ウイヤージ ュは 1 週間に一回行い、18 ヶ月で目減りした約 300 L 付け足している!口当たり柔らかく上品でフィネスがあ りとても完成度が高い!ブラインドで飲んだらジュラのワインと間違えてしまいそうな緻密で洗練されたミネラ ルがワインに溶け込んでいる! IGP ヴァル・ド・ロワール キュヴェ・ミャム・ミャム 2014(赤) 前年同様に、セミマセラシオンカルボニックをしているが、2014 年は、やさしく抽出するためにルモンタージ ュを 1 日1回だけで、ピジャージュを一切していない。前年よりも味わいはタイトでスパイシーだが、良い意味 でカベルネらしからぬみずみずしい果実味は健在。ジェローム曰く、味わいがフレッシュで軽やかなので、どん な魚料理とも相性が良いとのこと! 美味しくなったモヌリー♪ IGP ヴァル・ド・ロワール赤 ラ・モヌリー 2012(赤) 初リリースの「ラ・モヌリー」はアンフォラと古樽熟成のアッサンブラージュという珍しいワインだ!2012 年 のメルローは、開花の前に花が流れてしまい、収量が例年の半分に落ちた上に、さらにワインの目減りの早いア ンフォラ熟成でワインの約半分の量をウィヤージュに使うことになってしまい、結果的にヘクタール当たりのワ インの量は 20 hL にも達しなかった。初めてのアンフォラの仕込みで、使い勝手がわからず、結果採算の合わな い赤字ワインとなってしまったようだ…。しかしワインの品質はエキスが詰まっていて、文句なしの出来栄えだ! こんなにピュアで上品なメルローは飲んだことがない。清涼感がありバランスも良く、それでいてミネラルエキ スのパワーをダイレクトに感じる。 ミレジム情報 当主ジェローム・ブレトドーのコメント 2012 年は、4 月初めの霜や春が寒かった影響で、開花の前に房になりかけたブドウの多くが蔓になり花が流れ てしまった。その後は、7 月中旬まで雨の降らない乾燥した天候が続き、7 月後半から 8 月上旬にかけて雨が降っ たが、全体的には水不足で、平均収量も 30 hL/ha にも届かない不作の年だった。だが、ブドウの収量が少ない分 品質は非常に高く、房もコンパクトにまとまっていて、どれも中身がしっかりと凝縮していた! 2013 年は、幸いにも霜や雹、ブドウの病気などの大きな被害がなく、収量平均は 37 hL/ha と、フランス全体 が 2 年連続厳しいミレジムだった中では、大いに健闘した年だった! 春のスタートは低温多湿で、寒さのため房になりかけたブドウが開花前に蔓になり、この時点で約 2 割ブドウが減 ってしまった。だが、開花が始まった 6 月中旬から天気は一気に回復し、収穫終わりまで良い天候に恵まれた。収 穫したブドウも見た目がきれいでどれも健全なものばかり取り入れることができた!ただ、最初のスタートで成長 にブレーキがかかってしまったためなのか、例年よりもブドウの粒は小さく、糖度の上がり方も非常にゆっくりだ った。9 月上旬の時点でミュスカデの潜在アルコール度数が 8 度にも達しなかった時は、内心かなり心配だったが、 収穫時期を最大限に待ち 12 度前後まで持って行くことができた! 2014 年は当たり年だった!スタートは順調で霜もなく、開花もうまく行ったのだが、6 月の終わりから一転天候 が崩れ、気温の上がらない雨の日が続いた。7 月に入り天気が一瞬戻ってきたが、8 月に入ってからは再び雨の多 い天候に悩まされた。通常は、8 月にはヴェレゾンが始まり、畑の散布も終わりなのだが、2014 年は 8 月から畑 にミルデューが蔓延し始めたため、バカンス抜きでボルドー液散布を続けなければならなかった。だが、9 月に入 り再び太陽が戻ってきて、気温も夏日のように上昇し、ブドウの成長の遅れも無事取り戻すことができ、結果しっ かりと完熟したきれいなブドウを収穫することができた! 「ヨシ」のつ・ぶ・や・き ビオディナミを本格的に取り入れ、また、卵型のセメントタンクで仕込んだミュスカデ「ガイア」で、ミュスカ デのイメージを一段高いステージに押し上げたジェローム!(残念ながら 2013 年は購入できず、変わりに新キュ ヴェのジュスティスをわけてもらった)彼のところに訪問する度に新しい発見があるので、話題には事足りないが …でも、今回はちょっと驚き!何と!彼が BIO のスキンケア化粧品のプロジェクトに参加しているという情報を入 手!小規模だが、ブドウの素材から作る化粧品で注目されている「コーダリー化粧品」のように、ブドウの種や蔓 の成分からボディクリームやシャンプー、ボディーソープ、化粧品などを製品化しているようだ! ジェローム曰く、彼の手掛けるものは、パラフィンなどの石油を精製した原料は一切含まれていないビオのブド ウを原料とした 100%ナチュラルなコスメで、現在、地元の薬局やアンボワーズ城のお土産売り場、ナチュラル思 考の民宿などで扱われているようだ。 「もちろん、私が化粧品をつくる訳ではない。私は参加者の一人で、原料と なるブドウの皮や種、蔓や枝を提供しているだけだが、このような形で私のブドウが再生されるのは喜ばしいこと だ!」と彼は言う。もし軌道に乗ったら、ぜひ新しく建てたドメーヌや卵形のタンク、アンフォラなど資金にまわ したいそうだ。 (2015.6.11.のドメーヌ突撃訪問より) テロワールを感じるワインの真髄は土壌をしっかりと耕すところにある! ジェローム・ブレトドー (ドメーヌ・ド・ベル・ヴュー) 生産地 ロワール河左岸、ナント市から南東へ 40 km ほど下ったセーヴル川沿いの町クリソン。セーヴル・エ・メーヌの 地区の中でもヴァレに次いで「復活祭を祝うワイン」をつくることで有名なミュスカデの主要産地だ。そのクリソ ンの隣のこじんまりした村ジェティニエにジェローム・ブレトドーのカーヴがある。彼の所有する畑はヴァレの町 からジェティニエ村の間に所々点在し、総面積 8 ha のうち 4 ha がミュスカデの畑、他はヴァン・ド・ペイ(val du Loire)の畑で、全て南向きの日照に恵まれた場所に位置している。この地域の気候は、大西洋から 100 km ほど しか離れていないため、海洋性気候の影響を受けやすい。そのため、気温は穏やかに安定しているが、他のワイン 産地に比べて比較的雨が多く、毎年ベト病の心配がある。 歴史 現オーナーであるジェローム・ブレトドーは、ヴィニョロンとは全く無縁の家系で育ったが、彼の父親が大のワイ ン好きということもあって、なんと!5 歳の時から毎回食事の時に彼の父親からワインを味見させてもらっていて いたそうだ!彼が本格的にワインに興味を持ち始めたのは 15 歳の時!彼の誕生日に、父親から何気なくプレゼン トされたボルドーワインの教本が彼のワイン人生に火をつけた。以来、アルバイトで貯めたお金を全て、本に掲載 されているボルドーワインに注ぎ込み、独学でワインをマスターしていく。18 歳の時に、ヴァレの隣村ランドロー にある醸造学校で 2 年間醸造学を勉強し、そして卒業後、今度はナントのワイン学校で 2 年間栽培学を学ぶ。ナン トの学校を出た 1995 年~2005 年までヴァレにあるワイン農協(アランゴベール)で栽培醸造責任者として働く。 当初から「自分のワイナリーを立ち上げる!」という確固たる目標をもっていたジェロームは、農協でサラリーマ ンをしながら、同時に自らのワイナリー立ち上げの準備を着々と進めていく。1996 年~1997 年には親の所有して いた土地に VDP のブドウを植樹し、また、暇を見つけてはミュスカデ自然派ワインの大御所ジョー・ランドロン のドメーヌでスタージュをしてビオロジックの実践を積む。2005 年に 4 ha のミュスカデ畑を購入し、その年の 12 月からドメーヌ・ド・ベル・ヴューをスタートさせる。 生産者 現在、ジェロームは 8 ha の畑を1人で管理している。 (繁忙期は季節労働者が 2~3 人を雇う。 )彼の所有するブド ウ品種は、ミュスカデ、グロ・プラン、ソービニヨン・グリ、ピノグリ、シャルドネ、ガメイ、カベルネソービニ ヨン、カベルネフラン、メルロ、ピノノワールで、樹齢は VdP で 7~12 年。ミュスカデは 20 年平均、古樹のミュ スカデは樹齢が 50 年を越える。彼にはたいへんユニークなアイデアがあって、ミュスカデ以外の品種でその土地 のテロワールの特徴や可能性を引き出すという試みを 10 年前から続けている。4 ha しかない VdP の畑面積に 9 種類もの異なる品種を植えているのはそのためで、今後も積極的に新しい品種を植えて、将来的にはミュスカデの 産地でアッと驚くようなスーパーVdP ワインをつくることを夢みている。 ドメーヌ・ド・ベル・ヴューの+α情報 <もっと知りたい畑のこと> 土壌:アルジロ・グラニット(花崗岩) 総面積:8 ha 品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ) 、グロ・プラン、ソービニヨン・グリ、ピノ・グリ、シャルドネ、 ガメイ、カベルネソービニヨン、カベルネフラン、メルロ、ピノノワール 樹齢:7~70 年 剪定方法:ギュイヨ・ナンテ(左右真ん中と 3 つの短い新梢を残すゴブレの変形版) 生産量:45 hL/ha 収穫方法:収穫者 15 人前後で手摘み。畑で房レベルの選果(VdP は機械収穫) ビオの認証:無し <もっと知りたい醸造のこと> 醸造方法:白はシュール・リー(ヴィエイユ・ヴィーニュはバレルファーマンテーション)、赤はトラディショナル。 白は手摘みで収穫。畑で房レベルでの選果後、プヌマティック圧搾機で 2 時間かけて圧搾。圧搾されたジュー スをいったんイノックスタンクに移し、温度 10 度の状態で 24 時間かけてデブルバージュを行なう。澱引き後、 清澄されたジュースを別のイノックスタンクに移し自然発酵。(ヴィエイユ・ヴィーニュは古樽へ移し自然発 酵。 )発酵後は澱引きせずシュール・リーの状態で約 7 ヶ月熟成。 (ヴィエイユ・ヴィーニュはその後イノック スタンクに移し、再び 10 ヶ月、合計 17 ヶ月近く熟成させる)熟成後、澱引きをして瓶詰め。 赤は、機械収穫後、除梗破砕にかけそのままイノックスタンクへ。マセラシオンの期間は 10 日~14 日間。そ の間、1 日 1 回のルモンタージュを施す。フリーランとプレスをアッサンブラージュし、タンク熟成のワイン は再びイノックスタンクへ。また樽熟成のワインは古樽に移し、共に約 1 年の熟成を経て瓶詰め。 酵母:自然酵母 発酵期間:赤はイノックスタンクで 10~14 日間。白はイノックスタンクまたは古樽で約 30 日間。 熟成方法:VdP と普通のミュスカデ白はともにイノックスタンク。ヴィエイユ・ヴィーニュは古樽。 SO2 添加:プレス時、マロラクティック醗酵終了時、ビン詰め時に少々。 熟成樽:2~3 年樽(樽はシャトー・マルゴーとスミス・オー・ラフィットから直接購入) フィルター:白は目の粗いメンブランシート、赤は卵白でコラージュ&テールブランシュ。 ちょっと一言、独り言 「僕は 5 歳の時から、食事中に飲む親父のワインを毎日味見させてもらっていたよ。そして、その頃からすでに ワインは美味しいと思っていた!」 これは私が、最初にワインに興味を持ったきっかけについてジェローム・ブレトドーに質問した時に返ってきた答 えだ。 「ん~さすがはフランス人!」と素直に感心してよいのかどうかは…年齢が年齢なので迷いどころだが、でも 当時から本当にワインが好きだったのだろう。極めつけは、彼が 15 歳の時にボルドーワインに興味を持ち、以来、 バイトで稼いだお金を全てボルドーワインに注ぎ込んだことだ!彼の話では、ボルドーのクリュクラスのワインの ほとんどを自腹でテイスティングして学んだそうだ。15 歳といえば…えっまだ中学生じゃないの!!?って!こん なに若い頃からお酒に味をしめるなんてさぞかし不良少年だったのでは!?と思いきや、実際は逆で、16 歳の時に はすでに自分のワイナリーを持つことを目標に決めていたような至ってまじめな青年だったようだ。若い頃から「と にかくたくさんの地域のワインを知りたかった」という彼。ワインの学校に入ってからは、本を読みつつ、他国の ワインなども含めて貪欲にテイスティングして違いを学んだそうだ。そして、ナントのワイン学校で栽培学を学ん で以降、彼は、醸造学よりもむしろブドウ品種や土壌、テロワールの可能性にどんどん傾倒していくようになる。 「基本的に、ブドウの栽培できる地域であればどんな品種であれ、土壌次第では偉大なワインたり得る可能性があ ると思っている」 。現在、ミュスカデの他に VdP で約 9 種類もの異なる品種を植えているのも、この考えがベース にあるようだ。彼にとって、ワインづくりで一番大切なもの、いや、興味のあるものはスバリ土壌で、 「しっかりと 耕された健康な畑に、しっかりとしたブドウの根が根づけば、すばらしいブドウができる。そして、すばらしいブ ドウからは上質のワインができる」と確信している。現に、彼のつくる VdP ワインはフランス国内で全て即完売と いう人気ぶりで、また、近年はこの VdP を購入したクライアントがジェロームのミュスカデを初めて知り、そして、 彼のミュスカデを通じてあらためてミュスカデ本来の良さを再認識し始めるという相乗効果を生んでいるそうだ! (格下げした VdP ワインが本来の AOC ワイン評価を牽引するなんて…自然派ワインでは良く起こりがち!?) 当時、彼がまだ農協で働いていた時、彼はありとあらゆるミュスカデを試飲し、気になるドメーヌがあれば直接自 分の足で訪問してまわった。その結果、彼の中で明らかにテロワールの違いを感じとれたワインがひとつあったそ うだ。それが、以降、彼に多大な影響を与えるジョー・ランドロンのミュスカデだった。今では自然派ワインの直 接の先輩にあたるジョー・ランドロンも、当時、彼に教えたことはこの「土壌を耕すこと」の大切さだった。 「ジョ ーのワインづくりは自分の考えを一歩確信に近づけた」というジェローム。彼が言うに、 「このミュスカデという地 域の土壌は二重構造になっていて、大陸から来る花崗岩とその下に大西洋プレートから来る片麻岩が重なり合って いる。土壌がしっかりと耕され、ブドウの根が地中奥深くにあるミネラルをたっぷり含んだ片麻岩に届いた時に、 初めて複雑なテロワールの個性がワインに反映される」とのことだ。確かに、彼のつくるワインは、ミュスカデに しても VdP にしても、味わいの中になにかやさしい海のミネラルを想像させるようなある共通した個性が感じられ る。この共通した個性はもちろん彼自身が一番実感していることで、また、土壌から来るテロワールの可能性を追 求する彼の動機にもなっている。 「僕のミュスカデはまだまだポテンシャルを引き出せる!」と最後まで情熱的に語ってくれた若干 32 歳の若きビ ニョロン、ジェローム・ブレトドー!これからも彼は、+αのポテンシャルを引き出すためにビオディナミの導入 等、貪欲に新しい方法をとり入れていこうと考えている。 たかがミュスカデ…とお思いの皆さん!彼のコストパフォーマンス高い「テロワールを感じる」ワインをとくとご 賞味あれ!