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(ヒブ)の話
1 感染症について 感染症について みずか いつく 私たちの健康は自らが守り,慈しんでゆかねばな りません。世界の中には,さまざまな感染症(伝染病) まわ むしば が常に私たちの周りに存在し,健康を蝕もうとして います。現在の日本では衛生状態も良く,予防接種 が普及していることからあまり心配することはあり ません。しかし,日本の衛生状況がいくら良いといっ ても,すべてのウイルスや細菌による感染までは防 ぐことができません。また、海外渡航時や災害時に は感染症のリスクがあがります。特にウイルスに対 する特効薬は少なく,いったん流行しますと多くの ひさん 患者や死者が出て,悲惨な結果を招くことがありま す。将来にわたって感染症の心配の少ない生活を送 るためには,予防接種をよく理解し,乳児から大人 まで予防接種を計画的に受けるようにしましょう。 1 3 ジフテリアの話 2 百日せきの話 百日せきの話 ジフテリアの話 ひまつかんせん 百日せきは百日せき菌の飛沫感染でおこり,普通 ジフテリアは,国内ではほとんど発症をみていま のかぜのような症状で始まり,続いてせきがひどく せんが,ロシアなどで以前流行がありました。かか なり,小児の典型例では,顔をまっ赤にして連続的 ると重い病気で,呼吸困難をおこし死亡に至る場合 にせきこむようになります。熱はあまり出ません。 もあります。心臓や神経がおかされ心臓麻痺や神経 乳幼児はせきで呼吸ができず,けいれんがおこるこ 麻痺をおこすことがあり,大変危険です。ワクチン とがあります。肺炎や脳症などの重い合併症をおこ で予防できます。 ま ま ひ ひ し,乳児では命をおとすこともあります。大人の症 状は長引くせき程度ですが,乳幼児への感染源にな ることがあります。 ◎ワクチンの接種対象 * 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が可 能で,生後 3 カ月からの定期 ◎ワクチンの接種対象 接種となっています。また, * 百日せきは DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が DT ** 二種混合トキソイドを 可能で,生後 3 カ月からの定期接種となっています。 11 歳から 12 歳のときに追加 接種回数が合計 4 回と多いので,接種もれに注意し 接種します。 てください。 * DPT-IPV:沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化 ポリオ混合ワクチン 2 ** DT:沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド 3 3 ジフテリアの話 2 百日せきの話 百日せきの話 ジフテリアの話 ひまつかんせん 百日せきは百日せき菌の飛沫感染でおこり,普通 ジフテリアは,国内ではほとんど発症をみていま のかぜのような症状で始まり,続いてせきがひどく せんが,ロシアなどで以前流行がありました。かか なり,小児の典型例では,顔をまっ赤にして連続的 ると重い病気で,呼吸困難をおこし死亡に至る場合 にせきこむようになります。熱はあまり出ません。 もあります。心臓や神経がおかされ心臓麻痺や神経 乳幼児はせきで呼吸ができず,けいれんがおこるこ 麻痺をおこすことがあり,大変危険です。ワクチン とがあります。肺炎や脳症などの重い合併症をおこ で予防できます。 ま ま ひ ひ し,乳児では命をおとすこともあります。大人の症 状は長引くせき程度ですが,乳幼児への感染源にな ることがあります。 ◎ワクチンの接種対象 * 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が可 能で,生後 3 カ月からの定期 ◎ワクチンの接種対象 接種となっています。また, * 百日せきは DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が DT ** 二種混合トキソイドを 可能で,生後 3 カ月からの定期接種となっています。 11 歳から 12 歳のときに追加 接種回数が合計 4 回と多いので,接種もれに注意し 接種します。 てください。 * DPT-IPV:沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化 ポリオ混合ワクチン 2 ** DT:沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド 3 4 破傷風の話 5 ポリオの話 破傷風の話 ポリオの話 破傷風は,ケガをしたときに傷口から破傷風菌が 入っておこる病気です。傷口が小さくても感染の危 険性はあります。東日本大震災のときには,被災者 の方で破傷風にかかられた方もいました。破傷風菌 ま ひ の出す毒素は,神経麻痺,筋肉の激しいけいれんや 呼吸困難などをひきおこします。発病した場合は, 死亡率が高い病気で,予防はワクチン接種が最も有 効です。早めに予防接種を受けて免疫をつけること が大切です。 ◎ワクチンの接種対象 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が可 能で,生後 3 カ月からの定期接種になっています。 ** し ま ひ ◎ワクチンの接種対象 * また,DT し ポリオはポリオウイルスによって四 肢に麻 痺を おこす病気です。子どもがかかることが多く,かつ ては「小児まひ」とも呼ばれていましたが,実際に は成人でもかかる可能性があります。わが国ではワ クチンの高い接種率により自然感染による患者発生 はありません。しかし,一部の国では今でもポリオ の流行があり,このウイルスがいつ国内に入ってく るかわかりません。また,それらの国々に出かける 時に抗体がないと感染する危険があります。そのた め,現在でもポリオワクチンによる予防は欠かせま せん。 二種混合トキソイドを 11 歳から 12 歳 のときに追加接種します。ワクチンを受けていない 場合やワクチンを受けてから 10 年以上たったとき にケガをした場合の予防に,任意接種として沈降破 傷風トキソイドを受けることをお勧めします。 4 * 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチン(場合によっ ては単独不活化ポリオワクチン)で予防が可能で, 生後 3 カ月から定期接種として受けることができま す。接種回数が 4 回と多いので,接種もれに注意し てください。 なお,不活化ポリオワクチンは接種から時間がた つと感染を予防する力が低下してくるため,就学前 に任意接種として単独不活化ポリオワクチンの追加 接種を受けることをお勧めします。 5 4 破傷風の話 5 ポリオの話 破傷風の話 ポリオの話 破傷風は,ケガをしたときに傷口から破傷風菌が 入っておこる病気です。傷口が小さくても感染の危 険性はあります。東日本大震災のときには,被災者 の方で破傷風にかかられた方もいました。破傷風菌 ま ひ の出す毒素は,神経麻痺,筋肉の激しいけいれんや 呼吸困難などをひきおこします。発病した場合は, 死亡率が高い病気で,予防はワクチン接種が最も有 効です。早めに予防接種を受けて免疫をつけること が大切です。 ◎ワクチンの接種対象 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチンで予防が可 能で,生後 3 カ月からの定期接種になっています。 ** し ま ひ ◎ワクチンの接種対象 * また,DT し ポリオはポリオウイルスによって四 肢に麻 痺を おこす病気です。子どもがかかることが多く,かつ ては「小児まひ」とも呼ばれていましたが,実際に は成人でもかかる可能性があります。わが国ではワ クチンの高い接種率により自然感染による患者発生 はありません。しかし,一部の国では今でもポリオ の流行があり,このウイルスがいつ国内に入ってく るかわかりません。また,それらの国々に出かける 時に抗体がないと感染する危険があります。そのた め,現在でもポリオワクチンによる予防は欠かせま せん。 二種混合トキソイドを 11 歳から 12 歳 のときに追加接種します。ワクチンを受けていない 場合やワクチンを受けてから 10 年以上たったとき にケガをした場合の予防に,任意接種として沈降破 傷風トキソイドを受けることをお勧めします。 4 * 乳幼児は DPT-IPV 四種混合ワクチン(場合によっ ては単独不活化ポリオワクチン)で予防が可能で, 生後 3 カ月から定期接種として受けることができま す。接種回数が 4 回と多いので,接種もれに注意し てください。 なお,不活化ポリオワクチンは接種から時間がた つと感染を予防する力が低下してくるため,就学前 に任意接種として単独不活化ポリオワクチンの追加 接種を受けることをお勧めします。 5 6 麻しん(はしか)の話 7 風しんの話 麻しん(はしか)の話 風しんの話 くうきかんせん ひまつかんせん 麻しんは麻しんウイルスの空気感染によっておこ 風しんは風しんウイルスの飛 沫感染によってお り,感染力が強く予防接種を受けないと多くの人が こり,発しん,発熱,首や耳の後ろのリンパ節がは かかる病気です。麻しんにかかると 39 〜 40℃の れることを主な症状とする感染症です。風しんに 高熱と発しんがみられ,ときに肺炎・中耳炎・気管 かかると,ときに関節痛・血 小板 減 少性 紫 斑病・ 支炎・脳炎などの合併症を併発します。麻しんにか 脳炎などの合併症を併発することがあります。ま かった人は先進国でも数千人に 1 人の割合で死亡す た,免疫のない妊婦が妊娠初期にかかると白内障・ ちゅうじえん し えん きかん へいはつ るといわれています。ワクチン接種による予防が最 けっしょうばん げんしょうせい しはんびょう はく ないしょう しんしっかんなんちょう せんてんせいふうしんしょうこうぐん 心疾患・難聴等の症状をもつ先天性風疹症候群(CRS) も重要です。日本もかつては大きな流行がありまし 児を出生することがあります。予防はワクチン接種 たが,平成 18 年からワクチンの 2 回接種を進めた 以外にありません。 結果,平成 27 年 3 月 27 日,WHO 西太平洋事務局 ましんはいじょじょうたい より麻疹排除状態にあることが認められました。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 入学前 1 年間の小児に,麻しん風しん混合(MR) 定期接種では,第 1 期:1 歳児,第 2 期:小学校 定期接種では,第 1 期:1 歳児,第 2 期:小学校 ワクチンまたは風しんワクチンを接種します。原則 入学前 1 年間の小児に,麻しん風しん混合(MR)ワ として MR ワクチンを接種します。任意接種になり クチンまたは麻しんワクチンを接種します。原則とし ますが,成人の方も予防接種歴を確認し,2 回の接 て MR ワクチンを接種します。国内で麻疹は排除され 種歴のない方はワクチン接種を検討することが重要 ましたが,麻疹排除国であり続けるためには,引き続 です。 き高いワクチン接種率を維持することが重要です。 6 7 6 麻しん(はしか)の話 7 風しんの話 麻しん(はしか)の話 風しんの話 くうきかんせん ひまつかんせん 麻しんは麻しんウイルスの空気感染によっておこ 風しんは風しんウイルスの飛 沫感染によってお り,感染力が強く予防接種を受けないと多くの人が こり,発しん,発熱,首や耳の後ろのリンパ節がは かかる病気です。麻しんにかかると 39 〜 40℃の れることを主な症状とする感染症です。風しんに 高熱と発しんがみられ,ときに肺炎・中耳炎・気管 かかると,ときに関節痛・血 小板 減 少性 紫 斑病・ 支炎・脳炎などの合併症を併発します。麻しんにか 脳炎などの合併症を併発することがあります。ま かった人は先進国でも数千人に 1 人の割合で死亡す た,免疫のない妊婦が妊娠初期にかかると白内障・ ちゅうじえん し えん きかん へいはつ るといわれています。ワクチン接種による予防が最 けっしょうばん げんしょうせい しはんびょう はく ないしょう しんしっかんなんちょう せんてんせいふうしんしょうこうぐん 心疾患・難聴等の症状をもつ先天性風疹症候群(CRS) も重要です。日本もかつては大きな流行がありまし 児を出生することがあります。予防はワクチン接種 たが,平成 18 年からワクチンの 2 回接種を進めた 以外にありません。 結果,平成 27 年 3 月 27 日,WHO 西太平洋事務局 ましんはいじょじょうたい より麻疹排除状態にあることが認められました。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 入学前 1 年間の小児に,麻しん風しん混合(MR) 定期接種では,第 1 期:1 歳児,第 2 期:小学校 定期接種では,第 1 期:1 歳児,第 2 期:小学校 ワクチンまたは風しんワクチンを接種します。原則 入学前 1 年間の小児に,麻しん風しん混合(MR)ワ として MR ワクチンを接種します。任意接種になり クチンまたは麻しんワクチンを接種します。原則とし ますが,成人の方も予防接種歴を確認し,2 回の接 て MR ワクチンを接種します。国内で麻疹は排除され 種歴のない方はワクチン接種を検討することが重要 ましたが,麻疹排除国であり続けるためには,引き続 です。 き高いワクチン接種率を維持することが重要です。 6 7 8 水痘(みずぼうそう) ・帯状疱疹の話 水痘(みずぼうそう)・帯状疱疹の話 すいとう すいとうたいじょうほうしん 水痘は感染力の強い水痘帯状疱疹ウイルスによっ ておこる病気です。発熱,水ぶくれを伴う発しんが 主な症状で,中には重症化し入院する場合もありま す。特に白血病児やステロイド剤などを服用している ネフローゼ患児等,免疫状態の悪い小児がかかると, じゅうとく 重 篤になりやすく大変危険です。妊婦がかかると妊 娠初期では胎児が先天性水痘症候群になったり,分 娩直前では新生児が早期に水痘を発症し重症になる こともあります。ワクチンによる予防が大切です。 水痘が治った後も,ウイルスは体の中に潜んでいま す。帯状疱疹は,体に潜んでいたウイルスが過労や 加齢,病気などで免疫が低下して再び活動を始め, 水ぶくれや痛みを伴う発しんとして,皮膚に帯状に 出てくる病気です。 ◎ワクチンの接種対象 定期接種では,生後 12 カ月から生後 36 カ月に 至るまでの水痘既往歴のない人が対象です。標準的 な接種期間は生後 12 カ月から 15 カ月に至るまで に 1 回目の接種を行い,その後 3 カ月以上間隔を空 け,標準的には 6 カ月から 12 カ月に至るまでの間 隔をおいて 2 回目の接種を行います。また,帯状疱 疹予防として接種する場合は,50 歳以上の方に対 し 1 回の接種を行います(任意接種)。 8 9 日本脳炎の話 日本脳炎の話 ばいかい 日本脳炎は蚊(主にコガタアカイエカ)が媒介す るウイルスでおこる病気です。夏から秋にかけて流 おうと いしきしょうがい 行し,発病しますと高熱・頭痛・嘔吐・意識障害や けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。患 ちかくしょうがい こういしょう 者の約 50%に知覚障害や運動障害の後遺症を残し, 約 15%は死亡するといわれる恐ろしい感染症です。 予防はワクチン接種を受けて免疫をつけることが最 も効果的です。 ◎ワクチンの接種対象 定期接種では,基礎免疫は生後 6 〜 90 カ月に接 種しますが,標準的には 3 歳児に 6 日から 28 日ま での間隔で 2 回,翌年 4 歳児に 1 回追加接種を受け, その後標準的には 9 歳児に 1 回追加接種を行います。 このワクチンは,平成 17 年 5 月 30 日に積極的な 接種勧奨が控えられていましたが,平成 22 年より 順次勧奨を再開しています。くわしくは,各自治体 等の担当窓口にお問い合わせください。 9 8 水痘(みずぼうそう) ・帯状疱疹の話 水痘(みずぼうそう)・帯状疱疹の話 すいとう すいとうたいじょうほうしん 水痘は感染力の強い水痘帯状疱疹ウイルスによっ ておこる病気です。発熱,水ぶくれを伴う発しんが 主な症状で,中には重症化し入院する場合もありま す。特に白血病児やステロイド剤などを服用している ネフローゼ患児等,免疫状態の悪い小児がかかると, じゅうとく 重 篤になりやすく大変危険です。妊婦がかかると妊 娠初期では胎児が先天性水痘症候群になったり,分 娩直前では新生児が早期に水痘を発症し重症になる こともあります。ワクチンによる予防が大切です。 水痘が治った後も,ウイルスは体の中に潜んでいま す。帯状疱疹は,体に潜んでいたウイルスが過労や 加齢,病気などで免疫が低下して再び活動を始め, 水ぶくれや痛みを伴う発しんとして,皮膚に帯状に 出てくる病気です。 ◎ワクチンの接種対象 定期接種では,生後 12 カ月から生後 36 カ月に 至るまでの水痘既往歴のない人が対象です。標準的 な接種期間は生後 12 カ月から 15 カ月に至るまで に 1 回目の接種を行い,その後 3 カ月以上間隔を空 け,標準的には 6 カ月から 12 カ月に至るまでの間 隔をおいて 2 回目の接種を行います。また,帯状疱 疹予防として接種する場合は,50 歳以上の方に対 し 1 回の接種を行います(任意接種)。 8 9 日本脳炎の話 日本脳炎の話 ばいかい 日本脳炎は蚊(主にコガタアカイエカ)が媒介す るウイルスでおこる病気です。夏から秋にかけて流 おうと いしきしょうがい 行し,発病しますと高熱・頭痛・嘔吐・意識障害や けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。患 ちかくしょうがい こういしょう 者の約 50%に知覚障害や運動障害の後遺症を残し, 約 15%は死亡するといわれる恐ろしい感染症です。 予防はワクチン接種を受けて免疫をつけることが最 も効果的です。 ◎ワクチンの接種対象 定期接種では,基礎免疫は生後 6 〜 90 カ月に接 種しますが,標準的には 3 歳児に 6 日から 28 日ま での間隔で 2 回,翌年 4 歳児に 1 回追加接種を受け, その後標準的には 9 歳児に 1 回追加接種を行います。 このワクチンは,平成 17 年 5 月 30 日に積極的な 接種勧奨が控えられていましたが,平成 22 年より 順次勧奨を再開しています。くわしくは,各自治体 等の担当窓口にお問い合わせください。 9 10 結核の話 11 インフルエンザ菌 b 型 (ヒブ) の話 インフルエンザ菌 b 型(ヒブ)の話 結核の話 結核は決して過去の病気ではありません。現在で イ ン フ ル エ ン ザ 菌 b 型( ヒ ブ ) は ヒ ト か ら ヒ も日本では毎年 2 万人弱の人が発病し,約 2 千人が トに飛 沫感染します。感染すると中 耳炎や肺炎を 死亡しています。油断できない重要な感染症です。 おこすことがあり,まれに脳と脊 髄を包む膜に炎 特に,乳幼児がかかると予後が悪い結核性髄膜炎や 症(髄 膜炎)をおこすことがあります。ヒブワク けっかく せいずいまくえん ぞくりゅうけっかく ひまつかんせん ちゅうじえん せきずい ずいまくえん 粟 粒結核をおこすことがあるので注意が必要です。 チン導入以前は,日本ではヒブによる髄膜炎は一 自然感染による発病を防ぐため,BCG ワクチンの接 年間に 400 人くらいが発症し,そのうち約 25%に 種を早めに受けましょう。 永続的後遺症が残り,約 5%が死亡すると考えられ えいぞくてきこういしょう ていました。しかし,ヒブワクチンの導入によりヒ ブ髄膜炎の発症率は公費助成前 3 年間と比べて大幅 ◎ワクチンの接種対象 BCG ワクチンは,生後 1 歳に達するまでに定期接 種として受けることができますが,標準的な接種期 間は生後 5 カ月から 8 カ月に達するまでの間です。 に減少したと報告されています。診断・治療が非常 に難しい感染症ですが,ワクチン接種で予防するこ とが可能です。 なお,後に述べるインフルエンザとは別の微生物 による病気です。 ◎ワクチンの接種対象 生後 2 カ月から定期接種として受けることができ ます。標準的スケジュールは,初回免疫 3 回,追加 免疫 1 回の計 4 回接種ですので,接種もれに注意し てください。 10 11 10 結核の話 11 インフルエンザ菌 b 型 (ヒブ) の話 インフルエンザ菌 b 型(ヒブ)の話 結核の話 結核は決して過去の病気ではありません。現在で イ ン フ ル エ ン ザ 菌 b 型( ヒ ブ ) は ヒ ト か ら ヒ も日本では毎年 2 万人弱の人が発病し,約 2 千人が トに飛 沫感染します。感染すると中 耳炎や肺炎を 死亡しています。油断できない重要な感染症です。 おこすことがあり,まれに脳と脊 髄を包む膜に炎 特に,乳幼児がかかると予後が悪い結核性髄膜炎や 症(髄 膜炎)をおこすことがあります。ヒブワク けっかく せいずいまくえん ぞくりゅうけっかく ひまつかんせん ちゅうじえん せきずい ずいまくえん 粟 粒結核をおこすことがあるので注意が必要です。 チン導入以前は,日本ではヒブによる髄膜炎は一 自然感染による発病を防ぐため,BCG ワクチンの接 年間に 400 人くらいが発症し,そのうち約 25%に 種を早めに受けましょう。 永続的後遺症が残り,約 5%が死亡すると考えられ えいぞくてきこういしょう ていました。しかし,ヒブワクチンの導入によりヒ ブ髄膜炎の発症率は公費助成前 3 年間と比べて大幅 ◎ワクチンの接種対象 BCG ワクチンは,生後 1 歳に達するまでに定期接 種として受けることができますが,標準的な接種期 間は生後 5 カ月から 8 カ月に達するまでの間です。 に減少したと報告されています。診断・治療が非常 に難しい感染症ですが,ワクチン接種で予防するこ とが可能です。 なお,後に述べるインフルエンザとは別の微生物 による病気です。 ◎ワクチンの接種対象 生後 2 カ月から定期接種として受けることができ ます。標準的スケジュールは,初回免疫 3 回,追加 免疫 1 回の計 4 回接種ですので,接種もれに注意し てください。 10 11 12 子宮頸がんの話 の接種が推奨されています。また,接種を希望する 27 ~ 45 歳の女性にも勧められています。 平成 25 年 4 月1日から HPV ワクチンが定期の 子宮頸がんの話 しきゅう けい 子 宮頸 がんは子宮の入り口付近にできるがんで, 最近は 20 〜 30 代の若年層で増加傾向にあります。 子宮頸がんは,発がん性のヒトパピローマウイルス (HPV)というウイルスの感染によってひきおこさ れます。HPV は性交経験があれば誰でも感染する可 能性があるウイルスで,感染自体は決して特別なも のではありません。また,感染してもほとんどの場 合は自然に排除されます。ウイルスが排除されずに 長期間感染が続く場合,5 〜 10 年以上の年月をへて, 子宮頸がんを発症します。HPV は,子宮頸がんのほ がいいん せんけい かにも,外陰がん,腟がん,尖圭コンジローマ(性 とさかじょう 器に出来る鶏冠状のイボ)などの病気もひきおこし ます。 予防接種となりましたが,対象は 12 歳となる日の 属する年度の初日から 16 歳となる日の属する年度 の末日までの間にある女子で,13 歳となる日の属 する年度の初日から当該年度の末日までの間が標準 的な接種期間とされています。 なお,HPV ワクチンでは,接種後に認められた持 とうつう 続的な疼痛について,専門家による再評価が行われ ています(平成 28 年 8 月時点)。この再評価の結論 が出るまでの間は接種の積極的な勧奨は延期されて います。ただし,定期接種を中止するものではない ことから,対象者のうち希望者は接種を受けること は可能であり,接種にあたっては,HPV ワクチン接 種の有効性とリスクを十分に理解した上で受けてく ださい。 ◎ワクチンの接種対象 HPV ワクチンは性交渉を開始する前の年齢で接 種するのが最も効果的であると考えられます。接種 対象は 2 価ワクチンで 10 歳以上,4 価ワクチンで 9 歳以上の女性で,10 ~ 14 歳の女性に対する接種 ※ワクチンを接種する場合には,厚生労働省「ヒト パピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防ワク チン) 」をご参照ください。 (http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkakukansenshou28/) が最も推奨されており,次に 15 〜 26 歳の女性へ 12 13 12 子宮頸がんの話 の接種が推奨されています。また,接種を希望する 27 ~ 45 歳の女性にも勧められています。 平成 25 年 4 月1日から HPV ワクチンが定期の 子宮頸がんの話 しきゅう けい 子 宮頸 がんは子宮の入り口付近にできるがんで, 最近は 20 〜 30 代の若年層で増加傾向にあります。 子宮頸がんは,発がん性のヒトパピローマウイルス (HPV)というウイルスの感染によってひきおこさ れます。HPV は性交経験があれば誰でも感染する可 能性があるウイルスで,感染自体は決して特別なも のではありません。また,感染してもほとんどの場 合は自然に排除されます。ウイルスが排除されずに 長期間感染が続く場合,5 〜 10 年以上の年月をへて, 子宮頸がんを発症します。HPV は,子宮頸がんのほ がいいん せんけい かにも,外陰がん,腟がん,尖圭コンジローマ(性 とさかじょう 器に出来る鶏冠状のイボ)などの病気もひきおこし ます。 予防接種となりましたが,対象は 12 歳となる日の 属する年度の初日から 16 歳となる日の属する年度 の末日までの間にある女子で,13 歳となる日の属 する年度の初日から当該年度の末日までの間が標準 的な接種期間とされています。 なお,HPV ワクチンでは,接種後に認められた持 とうつう 続的な疼痛について,専門家による再評価が行われ ています(平成 28 年 8 月時点)。この再評価の結論 が出るまでの間は接種の積極的な勧奨は延期されて います。ただし,定期接種を中止するものではない ことから,対象者のうち希望者は接種を受けること は可能であり,接種にあたっては,HPV ワクチン接 種の有効性とリスクを十分に理解した上で受けてく ださい。 ◎ワクチンの接種対象 HPV ワクチンは性交渉を開始する前の年齢で接 種するのが最も効果的であると考えられます。接種 対象は 2 価ワクチンで 10 歳以上,4 価ワクチンで 9 歳以上の女性で,10 ~ 14 歳の女性に対する接種 ※ワクチンを接種する場合には,厚生労働省「ヒト パピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防ワク チン) 」をご参照ください。 (http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkakukansenshou28/) が最も推奨されており,次に 15 〜 26 歳の女性へ 12 13 14 成人肺炎球菌感染症の話 13 小児肺炎球菌感染症の話 小児肺炎球菌感染症の話 さいきんせいずいまくえん 肺炎球菌がひきおこす主な感染症は,細菌性髄膜炎, きんけつしょう ちゅうじえん 菌 血 症, 肺 炎 な ど の 重 い 全 身 性 の 感 染 症 や 中 耳 炎, ふくびくうえん 副 鼻腔炎などの気道感染症があります。特に,肺炎球 菌による子どもの細菌性髄膜炎は,初期症状がかぜに こういしょう 似ているため判別が難しいだけでなく,後遺症を残し やすく,死亡例も多いことが知られています。細菌性 髄膜炎にかかる子どもの半分以上は 0 歳児であり,生 後 6 カ月を過ぎると発症が増え,5 歳ごろまでリスク こうきんやく があります。近年は,ペニシリンなどの抗 菌薬が効き にくい肺炎球菌が増えているため,治療が困難になっ てきています。そこで,ワクチンによる予防が特に大 切になってきています。 成人肺炎球菌感染症の話 肺炎球菌がひきおこす主な感染症としては,肺炎, ずいまくえん きんけつしょう きかんしえん ちゅうじえん 髄膜炎,菌血症,気管支炎,中耳炎などがあります。 ひんど 肺炎球菌は,肺炎の原因となる細菌として頻度が高 まんせいこきゅうきしっかん く,高齢者や慢 性呼吸器疾患などを有する人では, 肺炎にかかりやすく病状も重くなりやすいことが知 こうきんやく られています。近年は,ペニシリンなどの抗菌薬が 効きにくい肺炎球菌が増えているため,治療が困難 になってきています。そこで,ワクチンによる予防 が特に大切になってきています。 ◎ワクチンの接種対象 日本で発売されている成人の肺炎球菌感染症を予 たとうたい ◎ワクチンの接種対象 定期接種としては,13 価肺炎球菌結合型ワクチンが 使用されています。対象年齢は 2 カ月齢以上 5 歳未満 の子どもで,年齢により接種回数は異なり,標準的な スケジュールでは 2 カ月齢以上 7 カ月齢未満で接種を はじめて,合計4回の接種を行います。 たとうたい また,任意接種として 23 価多 糖体ワクチンがあり ひ ぞ う ます。23 価多糖体ワクチンは,脾臓をとってしまった 人など肺炎球菌感染症のリスクが高い 2 歳以上の子ど もを対象に接種できます。 14 防するワクチンには,23 価の多糖体ワクチンと 13 価の結合型ワクチンの 2 種類があります。23 価多 糖体ワクチンは,高齢者のほかに,呼吸器や心臓 に病気のある人,糖尿病の人,また,病気やけがで ひぞう 脾臓をとってしまった人なども対象となります。13 価結合型ワクチンは,65 歳以上の高齢者が対象と なっています。 たとうたい また,平成 26 年 10 月 1 日より 23 価多糖体ワク チンについては,高齢の方を対象として定期接種と なっています。くわしくは各市区町村にお問い合わ せください。 15 14 成人肺炎球菌感染症の話 13 小児肺炎球菌感染症の話 小児肺炎球菌感染症の話 さいきんせいずいまくえん 肺炎球菌がひきおこす主な感染症は,細菌性髄膜炎, きんけつしょう ちゅうじえん 菌 血 症, 肺 炎 な ど の 重 い 全 身 性 の 感 染 症 や 中 耳 炎, ふくびくうえん 副 鼻腔炎などの気道感染症があります。特に,肺炎球 菌による子どもの細菌性髄膜炎は,初期症状がかぜに こういしょう 似ているため判別が難しいだけでなく,後遺症を残し やすく,死亡例も多いことが知られています。細菌性 髄膜炎にかかる子どもの半分以上は 0 歳児であり,生 後 6 カ月を過ぎると発症が増え,5 歳ごろまでリスク こうきんやく があります。近年は,ペニシリンなどの抗 菌薬が効き にくい肺炎球菌が増えているため,治療が困難になっ てきています。そこで,ワクチンによる予防が特に大 切になってきています。 成人肺炎球菌感染症の話 肺炎球菌がひきおこす主な感染症としては,肺炎, ずいまくえん きんけつしょう きかんしえん ちゅうじえん 髄膜炎,菌血症,気管支炎,中耳炎などがあります。 ひんど 肺炎球菌は,肺炎の原因となる細菌として頻度が高 まんせいこきゅうきしっかん く,高齢者や慢 性呼吸器疾患などを有する人では, 肺炎にかかりやすく病状も重くなりやすいことが知 こうきんやく られています。近年は,ペニシリンなどの抗菌薬が 効きにくい肺炎球菌が増えているため,治療が困難 になってきています。そこで,ワクチンによる予防 が特に大切になってきています。 ◎ワクチンの接種対象 日本で発売されている成人の肺炎球菌感染症を予 たとうたい ◎ワクチンの接種対象 定期接種としては,13 価肺炎球菌結合型ワクチンが 使用されています。対象年齢は 2 カ月齢以上 5 歳未満 の子どもで,年齢により接種回数は異なり,標準的な スケジュールでは 2 カ月齢以上 7 カ月齢未満で接種を はじめて,合計4回の接種を行います。 たとうたい また,任意接種として 23 価多 糖体ワクチンがあり ひ ぞ う ます。23 価多糖体ワクチンは,脾臓をとってしまった 人など肺炎球菌感染症のリスクが高い 2 歳以上の子ど もを対象に接種できます。 14 防するワクチンには,23 価の多糖体ワクチンと 13 価の結合型ワクチンの 2 種類があります。23 価多 糖体ワクチンは,高齢者のほかに,呼吸器や心臓 に病気のある人,糖尿病の人,また,病気やけがで ひぞう 脾臓をとってしまった人なども対象となります。13 価結合型ワクチンは,65 歳以上の高齢者が対象と なっています。 たとうたい また,平成 26 年 10 月 1 日より 23 価多糖体ワク チンについては,高齢の方を対象として定期接種と なっています。くわしくは各市区町村にお問い合わ せください。 15 15 インフルエンザの話 16 おたふくかぜの話 インフルエンザの話 おたふくかぜの話 インフルエンザは普通のかぜとは違います。感染 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイ 力が非常に強く症状の重い呼吸器の病気で,ときに ルスの感染によっておこる発熱と耳下腺のはれを特 世界的な大流行をおこします。肺炎・急性中耳炎・ 徴とする病気です。ウイルスが全身の臓器や神経組 脳症等の合併症をおこして重症化する場合もありま 織に感染して無菌性髄膜炎・脳炎・難聴,思春期以 す。予防にはワクチン接種が一部有効で,重症化を 降の成人では精巣炎・卵巣炎・睾丸炎等の合併症を 防ぐことができます。そのため,特に乳幼児や高齢 おこしますので注意が必要です。 おたふくかぜワクチ 者,慢性疾患を持つ人たちに接種が勧められていま ンで予防することが大切です。 きゅうせいちゅうじえん まんせいしっかん じ か せ ん む き ん せ い ずいまくえん せいそうえん らんそうえん なんちょう こうがんえん す。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 おたふくかぜワクチンは 1 歳になれば任意接種と 流行する前に,13 歳未満の人は 2 回,13 歳以上 して受けることができます。わが国では従来 1 回接 の人は 1 回または 2 回接種(接種間隔は 4 週間が望 種でしたが,より確実な効果を得るためには 2 回接 ましい)を受けてください。また,定期接種の対象 種が勧められています。(多くの先進国では 2 回接 者は,65 歳以上の人および 60 歳以上 65 歳未満の 種が行われています。) 人で心臓,じん臓,呼吸器などに重い病気のある人 おたふくかぜは 3 〜 6 などです。 歳に発病することが多 いため,できるだけ早 期に接種することが勧 められます。 16 17 15 インフルエンザの話 16 おたふくかぜの話 インフルエンザの話 おたふくかぜの話 インフルエンザは普通のかぜとは違います。感染 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイ 力が非常に強く症状の重い呼吸器の病気で,ときに ルスの感染によっておこる発熱と耳下腺のはれを特 世界的な大流行をおこします。肺炎・急性中耳炎・ 徴とする病気です。ウイルスが全身の臓器や神経組 脳症等の合併症をおこして重症化する場合もありま 織に感染して無菌性髄膜炎・脳炎・難聴,思春期以 す。予防にはワクチン接種が一部有効で,重症化を 降の成人では精巣炎・卵巣炎・睾丸炎等の合併症を 防ぐことができます。そのため,特に乳幼児や高齢 おこしますので注意が必要です。 おたふくかぜワクチ 者,慢性疾患を持つ人たちに接種が勧められていま ンで予防することが大切です。 きゅうせいちゅうじえん まんせいしっかん じ か せ ん む き ん せ い ずいまくえん せいそうえん らんそうえん なんちょう こうがんえん す。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 おたふくかぜワクチンは 1 歳になれば任意接種と 流行する前に,13 歳未満の人は 2 回,13 歳以上 して受けることができます。わが国では従来 1 回接 の人は 1 回または 2 回接種(接種間隔は 4 週間が望 種でしたが,より確実な効果を得るためには 2 回接 ましい)を受けてください。また,定期接種の対象 種が勧められています。(多くの先進国では 2 回接 者は,65 歳以上の人および 60 歳以上 65 歳未満の 種が行われています。) 人で心臓,じん臓,呼吸器などに重い病気のある人 おたふくかぜは 3 〜 6 などです。 歳に発病することが多 いため,できるだけ早 期に接種することが勧 められます。 16 17 17 A 型肝炎の話 A 型肝炎の話 B 型肝炎の話 A 型肝炎ウイルスに汚染された水や食べ物などに けいこうかんせん よる経口感染によって発症します。小児では症状が ふ け ん せ い かんせん 出ない不 顕性感 染で終わることが多いですが,成 人ではほとんどの例で発病します。症状としては 38℃以上の発熱・全身倦怠感・下痢・黄疸が現れ, ち 18 B 型肝炎の話 ゆ 治癒するまでには 1 〜 2 カ月間ほどかかります。ま げきしょうかんえん れに劇症肝炎をおこすこともあります。 ◎ワクチンの接種対象 任意接種として受けることができます。2 〜 4 週 間の間隔で 2 回接種し,初回から 24 週の間隔をお いて 3 回目を接種します。免疫を急ぐ場合は,2 週 間間隔で 2 回接種しても免疫は得られますが,3 回 目を接種することで,より長期の免疫が得られます。 途上国では常に感染の機会がありますが,国内でも 食物などによる感染がおきていますので注意が必要 です。 18 B 型肝炎ウイルスに感染しておこる肝臓の病気で かい す。ウイルスに汚染された血液や体液などを介して 感染します。成人が感染すると,倦怠感や黄疸など の症状が出る一過性の急性肝炎をおこすことが多い のですが,ときに持続感染をおこすことがありま す。ウイルスの持続感染者をキャリアと呼び,将来, まんせいかんえん かんこうへん かんがん 慢性肝炎・肝硬変・肝癌になる可能性が高く,5 歳 未満の乳幼児期に感染するとキャリアになる率が高 いことも知られています。ワクチンによる予防が大 切です。 ◎ワクチンの接種対象 キャリア(HBs 抗原陽性)の母親から出生した新 生児は,健康保険などでワクチンが接種できます。 現在は,医療従事者やキャリア家族,消防隊員など, 汚染された血液や体液に触れる可能性のある人に任 意接種として強く勧められています。近年は,キャ リアの父親からの父子感染や,保育園などでの水平 感染のリスクを考慮し,任意接種として乳幼児に接 種されることも多いです。また,海外では全ての出 生児に接種するユニバーサルワクチネーションも行 われており,わが国においては乳幼児への定期の予 防接種に向けた議論がなされ,平成 28 年 10 月か ら定期接種化される予定です。 19 17 A 型肝炎の話 A 型肝炎の話 B 型肝炎の話 A 型肝炎ウイルスに汚染された水や食べ物などに けいこうかんせん よる経口感染によって発症します。小児では症状が ふ け ん せ い かんせん 出ない不 顕性感 染で終わることが多いですが,成 人ではほとんどの例で発病します。症状としては 38℃以上の発熱・全身倦怠感・下痢・黄疸が現れ, ち 18 B 型肝炎の話 ゆ 治癒するまでには 1 〜 2 カ月間ほどかかります。ま げきしょうかんえん れに劇症肝炎をおこすこともあります。 ◎ワクチンの接種対象 任意接種として受けることができます。2 〜 4 週 間の間隔で 2 回接種し,初回から 24 週の間隔をお いて 3 回目を接種します。免疫を急ぐ場合は,2 週 間間隔で 2 回接種しても免疫は得られますが,3 回 目を接種することで,より長期の免疫が得られます。 途上国では常に感染の機会がありますが,国内でも 食物などによる感染がおきていますので注意が必要 です。 18 B 型肝炎ウイルスに感染しておこる肝臓の病気で かい す。ウイルスに汚染された血液や体液などを介して 感染します。成人が感染すると,倦怠感や黄疸など の症状が出る一過性の急性肝炎をおこすことが多い のですが,ときに持続感染をおこすことがありま す。ウイルスの持続感染者をキャリアと呼び,将来, まんせいかんえん かんこうへん かんがん 慢性肝炎・肝硬変・肝癌になる可能性が高く,5 歳 未満の乳幼児期に感染するとキャリアになる率が高 いことも知られています。ワクチンによる予防が大 切です。 ◎ワクチンの接種対象 キャリア(HBs 抗原陽性)の母親から出生した新 生児は,健康保険などでワクチンが接種できます。 現在は,医療従事者やキャリア家族,消防隊員など, 汚染された血液や体液に触れる可能性のある人に任 意接種として強く勧められています。近年は,キャ リアの父親からの父子感染や,保育園などでの水平 感染のリスクを考慮し,任意接種として乳幼児に接 種されることも多いです。また,海外では全ての出 生児に接種するユニバーサルワクチネーションも行 われており,わが国においては乳幼児への定期の予 防接種に向けた議論がなされ,平成 28 年 10 月か ら定期接種化される予定です。 19 19 ロタウイルス胃腸炎の話 ロタウイルス胃腸炎の話 20 髄膜炎菌感染症の話 髄膜炎菌感染症の話 しんしゅうせいずいまくえんきんかんせんしょう ロタウイルス胃腸炎は,乳幼児に多くおこる感染 性胃腸炎のひとつで,ロタウイルスというウイルス が原因です。日本でのロタウイルス胃腸炎の発症は 冬~春に多く,主に生後 3 ~ 24 カ月の乳幼児にお こりますが,ピークは生後7~ 15 カ月です。生後 3 カ月以降に初めて感染すると重症化しやすくなりま おうと す。ロタウイルス胃腸炎の多くは突然の嘔吐に続き, 白っぽい水のような下痢をおこします。発熱を伴う こともあり,回復には 1 週間ほどかかります。また, ほとんどの場合は特に治療を行わなくても経口での 水分や電解質補給だけで回復しますが,時に脱水, じんふぜん 腎 不全,脳炎・脳症などを合併することもあり,症 状が重く脱水が強い場合には入院が必要となること もあります。 侵 襲性髄膜炎菌感染症は髄膜炎菌が髄液または血 液に侵入することで発症する感染症です。髄膜炎菌 には少なくとも 13 種類の血清群があるといわれて いますが,ほとんどの感染症は血清群 A,B,C,Y, W-135 の 5 種類によるものです。髄膜炎菌はせきや くしゃみによって人から人に感染します。症状とし しゅうめい ては発熱,頭痛,羞 明(強い光に不快感,痛みを感 じること) ,筋肉痛,倦怠感などがみられますが,発 症後は急速に症状が進行し,24 〜 48 時間以内に死 亡に至るケースもあります。回復した場合も難聴, 神経障害,手足の切断などの後遺症が残るケースも あります。侵襲性髄膜炎菌感染症の初期症状は風邪 のような症状で診断が難しい病気ですが,進行が速 く重症化しやすいため,早期の診断,治療が重要です。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 ロタウイルスワクチンには,1 価ワクチンと 5 価 ワクチンの 2 種類があります。どちらのワクチンも 任意接種で,口から飲むワクチンです。1 価ワクチン は生後 6 週から 24 週までの間に 4 週間以上の間隔 をおいて 2 回接種し,5 価ワクチンは生後 6 週から 32 週までの間に 4 週間以上の間隔をおいて 3 回接種 します。いずれのワクチンも 1 回目は生後 14 週 6 日までに接種することが推奨されています。 20 現在日本で承認され,接種できるワクチンは髄膜 炎菌の血清群 A,C,Y,W-135 に対する予防ワクチ ンです。学生寮や部活動などで集団生活をされる 10 歳代の方や年齢にかかわらず髄膜炎菌の流行地へ旅 行される方などへ接種をお勧めします。また,海外 留学をされる方は海外の学校から髄膜炎菌ワクチン の接種証明を求められるケースもあります。 21 19 ロタウイルス胃腸炎の話 ロタウイルス胃腸炎の話 20 髄膜炎菌感染症の話 髄膜炎菌感染症の話 しんしゅうせいずいまくえんきんかんせんしょう ロタウイルス胃腸炎は,乳幼児に多くおこる感染 性胃腸炎のひとつで,ロタウイルスというウイルス が原因です。日本でのロタウイルス胃腸炎の発症は 冬~春に多く,主に生後 3 ~ 24 カ月の乳幼児にお こりますが,ピークは生後7~ 15 カ月です。生後 3 カ月以降に初めて感染すると重症化しやすくなりま おうと す。ロタウイルス胃腸炎の多くは突然の嘔吐に続き, 白っぽい水のような下痢をおこします。発熱を伴う こともあり,回復には 1 週間ほどかかります。また, ほとんどの場合は特に治療を行わなくても経口での 水分や電解質補給だけで回復しますが,時に脱水, じんふぜん 腎 不全,脳炎・脳症などを合併することもあり,症 状が重く脱水が強い場合には入院が必要となること もあります。 侵 襲性髄膜炎菌感染症は髄膜炎菌が髄液または血 液に侵入することで発症する感染症です。髄膜炎菌 には少なくとも 13 種類の血清群があるといわれて いますが,ほとんどの感染症は血清群 A,B,C,Y, W-135 の 5 種類によるものです。髄膜炎菌はせきや くしゃみによって人から人に感染します。症状とし しゅうめい ては発熱,頭痛,羞 明(強い光に不快感,痛みを感 じること) ,筋肉痛,倦怠感などがみられますが,発 症後は急速に症状が進行し,24 〜 48 時間以内に死 亡に至るケースもあります。回復した場合も難聴, 神経障害,手足の切断などの後遺症が残るケースも あります。侵襲性髄膜炎菌感染症の初期症状は風邪 のような症状で診断が難しい病気ですが,進行が速 く重症化しやすいため,早期の診断,治療が重要です。 ◎ワクチンの接種対象 ◎ワクチンの接種対象 ロタウイルスワクチンには,1 価ワクチンと 5 価 ワクチンの 2 種類があります。どちらのワクチンも 任意接種で,口から飲むワクチンです。1 価ワクチン は生後 6 週から 24 週までの間に 4 週間以上の間隔 をおいて 2 回接種し,5 価ワクチンは生後 6 週から 32 週までの間に 4 週間以上の間隔をおいて 3 回接種 します。いずれのワクチンも 1 回目は生後 14 週 6 日までに接種することが推奨されています。 20 現在日本で承認され,接種できるワクチンは髄膜 炎菌の血清群 A,C,Y,W-135 に対する予防ワクチ ンです。学生寮や部活動などで集団生活をされる 10 歳代の方や年齢にかかわらず髄膜炎菌の流行地へ旅 行される方などへ接種をお勧めします。また,海外 留学をされる方は海外の学校から髄膜炎菌ワクチン の接種証明を求められるケースもあります。 21 21 海外に出かけるときの予防接種 海外に出かけるときの予防接種 世界には多くの感染症があります。日本で行える 予防接種をきちんと受けておく必要があります。特 ●日本で承認されているワクチン 黄熱 黄熱の流行地域は,アフリカと中南米の一部で, にお子さんの留学や家族で海外に長期赴任をする場 赤道を中心とした南北約 20 度の範囲内です。黄熱 合は,あらかじめスケジュールを作り,日本で接種 の病原ウイルスは黄熱ウイルスです。黄熱ウイルス を受けて行くことをお勧めします。更に,渡航先に を保有しているネッタイシマカなどに吸血されるこ よっては蚊に刺されることで感染するマラリアやデ とにより感染します。 ング熱などにも注意が必要です。くわしくは,渡航 潜伏期は通常 3 ~ 6 日で,頭痛,めまい,発熱, 先の各国大使館,全国の検疫所もしくは下記のホー 筋肉痛,吐き気がみられ,その後,黄疸,吐血,下血, ムページ等で,ご確認ください。 蛋白尿などの症状が現れ,重症例では昏睡状態とな り, 死亡します。致死率は 5 ~ 10%といわれています。 ・厚生労働省検疫所(FORTH)の 海外で健康に過ごすために (http://www.forth.go.jp/) ・外務省在外公館医務官情報 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html) ・外務省海外安全ホームページ (http://www.anzen.mofa.go.jp/) ◎ワクチンの接種対象 検疫所などでの接種になります。1 回 0.5mL を皮 下に接種します。9 カ月未満の乳児は接種が受けら れません。国によっては黄熱予防接種の国際証明書 がないと入国できないところもあります。接種証明 書は接種後 10 日目から 10 年間有効でしたが,平 成 28 年 7 月より有効期限が生涯有効に延長されま した。 22 23 21 海外に出かけるときの予防接種 海外に出かけるときの予防接種 世界には多くの感染症があります。日本で行える 予防接種をきちんと受けておく必要があります。特 ●日本で承認されているワクチン 黄熱 黄熱の流行地域は,アフリカと中南米の一部で, にお子さんの留学や家族で海外に長期赴任をする場 赤道を中心とした南北約 20 度の範囲内です。黄熱 合は,あらかじめスケジュールを作り,日本で接種 の病原ウイルスは黄熱ウイルスです。黄熱ウイルス を受けて行くことをお勧めします。更に,渡航先に を保有しているネッタイシマカなどに吸血されるこ よっては蚊に刺されることで感染するマラリアやデ とにより感染します。 ング熱などにも注意が必要です。くわしくは,渡航 潜伏期は通常 3 ~ 6 日で,頭痛,めまい,発熱, 先の各国大使館,全国の検疫所もしくは下記のホー 筋肉痛,吐き気がみられ,その後,黄疸,吐血,下血, ムページ等で,ご確認ください。 蛋白尿などの症状が現れ,重症例では昏睡状態とな り, 死亡します。致死率は 5 ~ 10%といわれています。 ・厚生労働省検疫所(FORTH)の 海外で健康に過ごすために (http://www.forth.go.jp/) ・外務省在外公館医務官情報 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html) ・外務省海外安全ホームページ (http://www.anzen.mofa.go.jp/) ◎ワクチンの接種対象 検疫所などでの接種になります。1 回 0.5mL を皮 下に接種します。9 カ月未満の乳児は接種が受けら れません。国によっては黄熱予防接種の国際証明書 がないと入国できないところもあります。接種証明 書は接種後 10 日目から 10 年間有効でしたが,平 成 28 年 7 月より有効期限が生涯有効に延長されま した。 22 23 22 接種時の注意事項 狂犬病 ◎接種時の注意事項 狂犬病は,狂犬病ウイルスに感染している動物に 予防接種の前後は,お子さんの体調など健康状態 咬まれたりすることで感染し,発病した場合には, に常に気を配ってください。気にかかることがあれ ほぼ 100%死亡します。昭和 32 年以降,国内感染 ば,あらかじめかかりつけの先生や市区町村の担当 の報告はありませんが,平成 18 年に国外で動物に 者と相談しましょう。 咬まれ帰国して発症した 2 例が報告されました。ワ ばくろ クチンには,咬まれる前の予防的接種(曝露前免疫) と動物に咬まれた後の発病予防(曝露後免疫)の使 ◎接種前の注意 よしんひょう ①市区町村からの通知やお知らせ,予診票などを い方があります。子どもが咬まれる割合が高いので, よく読んで接種を受けましょう。わからないこ 渡航地によっては注意が必要です。 とがあれば接種を受ける前に質問しましょう。 ②接種前日は入浴をさせ,身体を清潔にさせましょう。 ◎ワクチンの接種対象 ③清潔な着衣をつけさせましょう。 曝露前免疫では,4 週間隔で 2 回皮下に接種し, よしんひょう ④予診票,母子健康手帳,市区町村からの通知や 6 カ月後に 3 回目を皮下に接種します。曝露後免疫 お知らせなど,市区町村の指示に従い,忘れな では,初回接種日を 0 日として,以降 3,7,14, いように持って行きましょう。 30 および 90 日の計 6 回皮下に接種します。 ⑤ 当 日 は お 子 さ ん の 健 康 状 態 を よ く 観 察 し, よしんひょう 予診票に必要事項を記入しましょう。医師,看 護師,市区町村の担当者などの指示に従って接 種を受けましょう。 24 25 22 接種時の注意事項 狂犬病 ◎接種時の注意事項 狂犬病は,狂犬病ウイルスに感染している動物に 予防接種の前後は,お子さんの体調など健康状態 咬まれたりすることで感染し,発病した場合には, に常に気を配ってください。気にかかることがあれ ほぼ 100%死亡します。昭和 32 年以降,国内感染 ば,あらかじめかかりつけの先生や市区町村の担当 の報告はありませんが,平成 18 年に国外で動物に 者と相談しましょう。 咬まれ帰国して発症した 2 例が報告されました。ワ ばくろ クチンには,咬まれる前の予防的接種(曝露前免疫) と動物に咬まれた後の発病予防(曝露後免疫)の使 ◎接種前の注意 よしんひょう ①市区町村からの通知やお知らせ,予診票などを い方があります。子どもが咬まれる割合が高いので, よく読んで接種を受けましょう。わからないこ 渡航地によっては注意が必要です。 とがあれば接種を受ける前に質問しましょう。 ②接種前日は入浴をさせ,身体を清潔にさせましょう。 ◎ワクチンの接種対象 ③清潔な着衣をつけさせましょう。 曝露前免疫では,4 週間隔で 2 回皮下に接種し, よしんひょう ④予診票,母子健康手帳,市区町村からの通知や 6 カ月後に 3 回目を皮下に接種します。曝露後免疫 お知らせなど,市区町村の指示に従い,忘れな では,初回接種日を 0 日として,以降 3,7,14, いように持って行きましょう。 30 および 90 日の計 6 回皮下に接種します。 ⑤ 当 日 は お 子 さ ん の 健 康 状 態 を よ く 観 察 し, よしんひょう 予診票に必要事項を記入しましょう。医師,看 護師,市区町村の担当者などの指示に従って接 種を受けましょう。 24 25 23 接種間隔 ◎接種後の注意 生ワクチン ①予防接種を受けたあと 30 分間程度は,接種場 所でお子さんの様子を観察しましょう。やむを えず帰る場合は,すぐに先生と連絡がとれるよ うにしておきましょう。急な副反応はこの間に おこることがあります。 ②接種後,生ワクチンでは 4 週間,不活化ワクチ MR,麻しん,風しん, BCG,水痘(水ぼう 27 日(4 週間) そう) , おたふくかぜ, 以上あける ロタウイルス(1 価, 5 価) ,黄熱 不活化ワクチン 生ワクチン (生ワクチンを接種した日の翌日から起算して,別の種類 の予防接種を行う日までの間隔は,27 日以上あける) ンでは 1 週間は接種した箇所や腕,健康状態に 注意し,気になることがあれば医師,看護師, 市区町村の担当者に聞きましょう。 ③接種当日は接種前も含め,はげしい運動をさせ ないようにしましょう。 さ つか ④接種当日の入浴は差し支えありませんが,接種 した部分をこすらないように注意しましょう。 正しい知識を持って予防接種を受け, お子さんの健やかな健康を守りましょう。 不活化ワクチン DPT,DT, 日 本 脳 炎,インフルエンザ, インフルエンザ菌 b 型(Hib) ,肺炎球 菌(13 価,23 価) , ヒトパピローマ(2 価,4 価 ) ,A型肝 炎,B型肝炎,ポリ オ(IPV) ,DPT-IPV, 狂犬病,髄膜炎菌 6 日(1 週間) 以上あける 不活化ワクチン 生ワクチン (不活化ワクチンを接種した日の翌日から起算して,別の 種類の予防接種を行う日までの間隔は,6 日以上あける) 注:ただし,あらかじめ混合されていない 2 種以上のワクチンについて, 医師が必要と認めた場合には,同時に接種を行うことができます。 26 27 23 接種間隔 ◎接種後の注意 生ワクチン ①予防接種を受けたあと 30 分間程度は,接種場 所でお子さんの様子を観察しましょう。やむを えず帰る場合は,すぐに先生と連絡がとれるよ うにしておきましょう。急な副反応はこの間に おこることがあります。 ②接種後,生ワクチンでは 4 週間,不活化ワクチ MR,麻しん,風しん, BCG,水痘(水ぼう 27 日(4 週間) そう) , おたふくかぜ, 以上あける ロタウイルス(1 価, 5 価) ,黄熱 不活化ワクチン 生ワクチン (生ワクチンを接種した日の翌日から起算して,別の種類 の予防接種を行う日までの間隔は,27 日以上あける) ンでは 1 週間は接種した箇所や腕,健康状態に 注意し,気になることがあれば医師,看護師, 市区町村の担当者に聞きましょう。 ③接種当日は接種前も含め,はげしい運動をさせ ないようにしましょう。 さ つか ④接種当日の入浴は差し支えありませんが,接種 した部分をこすらないように注意しましょう。 正しい知識を持って予防接種を受け, お子さんの健やかな健康を守りましょう。 不活化ワクチン DPT,DT, 日 本 脳 炎,インフルエンザ, インフルエンザ菌 b 型(Hib) ,肺炎球 菌(13 価,23 価) , ヒトパピローマ(2 価,4 価 ) ,A型肝 炎,B型肝炎,ポリ オ(IPV) ,DPT-IPV, 狂犬病,髄膜炎菌 6 日(1 週間) 以上あける 不活化ワクチン 生ワクチン (不活化ワクチンを接種した日の翌日から起算して,別の 種類の予防接種を行う日までの間隔は,6 日以上あける) 注:ただし,あらかじめ混合されていない 2 種以上のワクチンについて, 医師が必要と認めた場合には,同時に接種を行うことができます。 26 27 *1 2008 年 12 月 19 日から国内での接種開始。生後 2 カ月以上 5 歳未満の間にあ る者に行うが、標準として生後 2 カ月以上 7 カ月未満で接種を開始すること。 接種方法は、通常、生後 12 カ月に至るまでの間に 27 日以上の間隔で 3 回皮 下接種(医師が必要と認めた場合には 20 日間隔で接種可能) 。接種開始が生後 7 カ月以上 12 カ月未満の場合は、通常、生後 12 カ月に至るまでの間に 27 日 以上の間隔で 2 回皮下接種(医師が必要と認めた場合には 20 日間隔で接種可 能) 。初回接種から 7 カ月以上あけて、1 回皮下接種(追加) 。接種開始が 1 歳 以上 5 歳未満の場合、通常、1 回皮下接種。 *2 2013 年 11 月 1 日から 7 価結合型にかわって定期接種に導入。7 価を 1 回受け ている人は残り 3 回を 13 価で。7 価を 2 回受けている人は残り 2 回を 13 価 で。7 価を 3 回受けている人は残り 1 回を 13 価で受ける。7 価を 1 回も受け ていない人は生後 2 カ月以上 7 カ月未満で開始し、 27 日以上の間隔で 3 回接種。 追加免疫は通常、 生後 12 ~ 15 カ月に 1 回接種の合計 4 回接種。接種もれ者には、 次のようなスケジュールで接種。生後 7 カ月以上 12 カ月未満の場合:27 日以 上の間隔で 2 回接種したのち、60 日間以上あけてかつ 1 歳以降に 1 回追加接 種。1 歳:60 日間以上の間隔で 2 回接種。2 歳以上 6 歳未満:1 回接種。なお 60 月以上は、任意接種。 *3 D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオを表す。IPV は 2012 年 9 月 1 日から、DPT-IPV 混合ワクチンは 2012 年 11 月 1 日から定期接 種に導入。回数は 4 回接種だが、OPV( 生ポリオワクチン ) を 1 回接種してい る場合は、IPV をあと 3 回接種。OPV は 2012 年 9 月 1 日以降定期接種として は使用できなくなった。IPV で接種を開始した場合、DPT-IPV で接種を開始し た場合は、それぞれ原則として同じワクチンで接種を完了。 *4 原則として MR ワクチンを接種。なお、同じ期内で麻疹ワクチンまたは風疹ワ クチンのいずれか一方を受けた者、あるいは特に単抗原ワクチンの接種を希望 する者は単抗原ワクチンを接種。 *5 2014 年 10 月 1 日から定期接種導入。 *6 互換性に関するデータがないため、同一のワクチンを 3 回続けて筋肉内に接種。 接種間隔はワクチンによって異なる。 *7 6 カ月〜 13 歳未満:毎年 2 回(2 ~ 4 週間隔) 。13 歳以上毎年 1 または 2 回(1 ~ 4 週間隔) 。定期接種は毎年 1 回。 *8 2014 年 10 月 1 日から定期接種導入。脾臓摘出患者における肺炎球菌感染症予 防には健康保険適用有。接種年齢は 2 歳以上。 *9 健康保険適用: 【HB ワクチン】通常、0.25mL を 1 回、生後 12 時間以内を目安 に皮下接種(被接種者の状況に応じて生後 12 時間以降とすることも可能。そ の場合であっても生後できるだけ早期に行う) 。更に、0.25mL ずつを初回接種 の 1 カ月後及び 6 カ月後の 2 回、皮下接種。ただし、能動的 HB s抗体が獲得 されていない場合には追加接種。 【HBIG(原則として HB ワクチンとの併用) 】 初回注射は 0.5 ~ 1.0mL を筋肉内注射。時期は生後 5 日以内(なお、生後 12 時間以内が望ましい) 。また、追加注射には 0.16 ~ 0.24mL/kg を投与。2013 年 10 月 18 日から接種時期変更(厚労省課長通知) 。 *10 ロタウイルスワクチンは初回接種を 1 価で始めた場合は『1 価の 2 回接種』 。 5 価で始めた場合は『5 価の 3 回接種』 。1 回目の接種は生後 14 週+ 6 日まで に行うことが推奨されている。 *11 2015 年 5 月 18 日から国内での接種開始。発作性夜間ヘモグロビン尿症に用 28 いるエクリズマブ(製品名:ソリリス点滴静注)投与対象者は健康保険適用有。 *12 一般医療機関での接種は行われておらず、検疫所での接種。 29