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記者会見記録(PDF形式, 39.77KB)

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記者会見記録(PDF形式, 39.77KB)
市長記者会見記録
日時:2007年5月15日(火)
場所:本庁舎2階
午前11時∼11時45分
講堂
議題:第10回BUYかわさきフェスティバルの開催について
アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会プレイベント等の
実施について
クロアチア・リエカ市訪問を終えて
<内 容 >
司会:それでは、これより市長記者会見を行います。
本日の議題は3点ございます。まず1点目が、第10回BUYかわさきフェステ
ィバルの開催についてでございます。2点目が、アメリカンフットボールワールド
カップ2007川崎大会プレイベント等の実施についてでございます。3点目が、
クロアチア・リエカ市訪問を終えてということでございます。
なお、本日はそれぞれの議題に関わりがございます川崎商工会議所の長澤明彦(な
がさわ
あきひこ)会頭にお越しいただいております。3点目の議題につきましては、
川崎市観光協会連合会の齋藤文夫(さいとう
ふみお)会長にもお越しいただいており
ますので、よろしくお願いいたします。
それでは幹事社さん、よろしくお願いします。
幹事社:おかえりなさい、市長。では、よろしくお願いします。
《第10回BUYかわさきフェスティバルの開催について》
市長:それでは最初に、第1点のBUYかわさきフェスティバルについて、説明い
たします。
第10回「BUYかわさきフェスティバル」の開催でございます。今回、第10回
目という節目の開催を迎えることになりました。このフェスティバルは、市内の優れ
た名産品を掘り起し、広く市内外に紹介し、川崎市のイメージ向上を図り、市民の
方々に購入していただくことを目的に開催をいたしております。
開催日時は、5月26日(土)午前10時30分から午後8時まで、川崎地下街ア
ゼリアにて開催いたします。
フェスティバルには、26店舗が40のワゴンを使用して出店していただくことに
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なりますけれども、その中には、今年7月に川崎で開催される、第3回アメリカンフ
ットボールワールドカップ2007の出場6か国のお酒フェアや物産展、さらにグッ
ズ・チケットの販売もございます。また、新たに、川崎で生まれたガラス工芸品の展
示即売や制作体験コーナーを設けるなど、新たな力がBUYかわさきフェスティバル
をより一層盛り上げてくれるものと期待しております。
また、今回のフェスティバルは、第10回という節目の開催でございますので、こ
のフェスティバルのイメージキャラクターであります、「ばいぞーくん」の人形と携
帯ストラップを作成いたしました。フェスティバルでお買い物をしていただいた方の
中から、抽選でプレゼントいたします。ここにありますけれども、とても可愛いキャ
ラクターですので、「ばいぞーくん」と川崎の名産品が相乗効果となって、全国的に
有名になればと期待いたしております。
本日は、川崎商工会議所の長澤会頭にもお越しいただいております。このフェステ
ィバルについてお話をいただきますので、よろしくお願いします。
川崎商工会議所会頭:商工会議所の長澤でございます。
ただいま市長のご説明にございましたとおり、今回から、従来の東西自由通路から
アゼリア地下街に場所が変わります。ご存じのとおり、東西自由通路もラゾーナで非
常に混雑しておりますので、こちらに場所が移るということ、それから先ほどの市長
のお話にもございましたように、アメリカンカップとの関連もございまして、非常に
賑わいを見せると期待しております。特にこのBUYかわさきにつきましては、市と
私ども商工会議所で連携しまして、市の商品の売り上げを増やしていこうと、あるい
は名産品を内外にPRしていこうということでやっておりまして、特に私どもの商工
会議所でも、今年から商工会議所の1階に展示場を設けまして、この名産品で認定さ
れましたものの中からいくつかを展示しております。あわせまして、ものづくりブラ
ンドでも認定をやっておりますので、そういったものもピックアップいたしまして、
1階のところで展示しております。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ぜ
ひこれも合わせてPRに協力していただければ、大変幸いでございます。ということ
で、ちょっと付け加えさせていただきました。ありがとうございました。
《質疑》
市長:この「ばいぞーくん」は赤じゃないかという具合に思っている方がいるので
すね。シールは周りが赤なものですから、「ばいぞーくん」は赤じゃないのですけれ
ども、赤のイメージが非常に強くなっていますが、黄色です。
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記者:今回の店舗数、26店舗40のワゴンというお話ですけれども、これは前回
と比べていかがでしょうか。
市長:前回と比べて増えているんじゃないでしょうか。担当の方からちょっと説明
してくれますか。
経済局企画課主幹:ワゴンの数は前回と同様40なのですけれども、今回、6か国
の参加と、1店舗で複数のワゴンを使う関係の催しとか出し物がございますので、ワ
ゴンの数としては前回と同様でございます。
記者:店舗の数は増えているのですか。
経済局企画課主幹:複数使う店舗があり、店舗の数は若干減っているという形です。
ワゴンの数は同じということです。
記者:川崎の名産品というと、具体的にどんなものを扱っているのでしょうか。
市長:食べ物が中心になるのですよね、BUYかわさきの場合。その他にもいろい
ろな工芸品も出てきます。これからアメリカンフットボールの関係で、出場国関連の
展示もやるというのが特色でしょうか。食べ物では、くず餅とかとんとこ飴とか大師
巻等があります。それから新しいものでは太郎最中等が出てきておりますけれども。
記者:来場の見込みというのはどのくらいですか。
市長:来場というか、計算が難しいのですよ。店に立ち寄るか立ち寄らないかで、
通過者は非常に多いのです。一番売れ行きがいいのは農産物なのです。最初にキャベ
ツとか大根とかが売れてしまうのです。
記者:ワールドカップの出場6か国のお酒フェアとなっていますけれども、お酒に
されたというのは何か理由があるのですか。単純に物産展とせずにお酒フェアとされ
たのは。
市長:一番とっつきやすい品物ということですし、現に日本にも出回っております
ので、この際知ってもらうということです。
《アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会プレイベント等の実施
について》
市長:アメリカンフットボールワールドカップのプレイベントの開催についてでご
ざいます。
昨年度から、第3回アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会に向
けて、様々なPRやイベントを行ってまいりましたけれども、いよいよ大会開催まで
あと53日と間近に迫っておりまして、大会気運の盛り上げのために、市内各所で大
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会直前のプレイベントを実施いたしたいと思っております。
まず、大会開催50日前にあたる5月18日の金曜日に、アメリカンフットボール
ワールドカップ実行委員会と協力いたしまして、「ワールドカップ50日前イベン
ト」を行います。全区におきまして、主要駅付近で、選手及びチアリーダー、市民ボ
ランティアの方々による大会開催のPRと、チケットの販売を行います。
二つ目は、大会会場となる中原区と川崎区で、大会開催のPRと、区民自身が大会
を楽しめるようイベントを開催し、アメリカンフットボールの基本的なルールや楽し
み方を映像などでわかりやすく紹介するとともに、ワールドカップ本番の見どころや
楽しみ方を中心に、チアリーディングや、大会オフィシャルサポーター「マーキス」
によるミニライブ、子どもたちに人気のアメフットアニメ「アイシールド21」のキ
ャストによるトークショーなどで会場を盛り上げたいと思っております。
さらに、中原区で開催される「ワールドカップフェスティバルinなかはら」につ
いては、ホームタウンスポーツ推進パートナーである、アメリカンフットボールのチ
ーム富士通フロンティアーズや、中原区を拠点に活躍する学生チャンピオンの法政ト
マホークスに出演を依頼するなど、地元のつながりを重視し、このイベントをワール
ドカップ開催を契機に地域の活性化、地域のスポーツ・文化の振興など、区の発展に
つなげる取り組みの一つとして開催いたしたいと思っております。
また、先ほどのBUYかわさきフェスティバルでも申し上げましたけれども、BU
Yかわさき会場で出場6か国のお酒フェアや物産展を開催し、併せてグッズやチケッ
トの販売を行うなど、この大会を本市の商業・観光の活性化などにつなげていきたい
と考えております。
これらのプレイベントを通しまして、市民の皆様に大会を身近に感じていただくと
ともに、ワールドカップ当日も、是非、会場へ応援に来て楽しんでいただきたいと考
えております。
今後も、ワールドカップ支援委員会委員長でもあります長澤商工会議所会頭及び大
会主催者であるワールドカップ組織委員会と連携を図りながら、広報活動などの取り
組みを進め、大会の成功を目指していきたいと、このように思っております。
私からは以上でございます。
《質疑》
記者:今のところ、市民の方の盛り上がりというのはどんなふうに感じておいでで
すか。
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市長:今、ボランティアを募集していまして、600名くらい募集しているところ
で、大体数が揃ってまいりました。チケットの販売がちょっとこれからのところがあ
りますけれども、徐々に盛り上がってきております。
記者:ちなみに、今、チケットというのはどのくらい売れて、何割くらいとか何パ
ーセントくらい売れているとかいうのはわかりますか。
市長:チケットは今現在で何割くらいになっているかな。チケット、今現在で、販
売総数、予定数の何割くらいになっていますか。
総合企画局都市経営部参事:販売総数が9試合で今6万2,000席を予定してお
ります。大体それの1割程度でございます。主催者側からは、こういった大会につい
ては、大会開催の約1か月前から本格的に売れ出すということで、そういうペースと
しても一生懸命これからCMをしていきたいと思っております。
市長:これから本格的になります。大体音楽なんかもそうなのですけれども、1か
月前くらいから、普通の人の行動パターンがそうなのですね。1か月前くらいに決め
るというのは早い方ですよね、どちらかというと。だから当日も相当あるのではない
かと思っております。ただ、買ってもらうためのキャンペーンは、これから本格的に
進めたいと思っております。
記者:やはり試合によっても売れ行きのばらつきというのは当然ありますよね。
市長:あると思います。また、初戦の7月7日の等々力と、決勝の15日の等々力
については、2万1,000くらいの席がありますので、そのうち8割は売りたいと
いう具合に思っておりますので、値段も高いですけれども。日本が残ると残らないと
で、当日の入場者が随分違うと思います。
記者:盛り上がりについては順調にこれから、どのような。
市長:初めての開催だし、それからアメリカンフットボールそのものが、体育協会
の準会員ということで、正式会員にもなっていない中ですから、まあまあというとこ
ろじゃないでしょうか。大体期待どおりということでしょう。
《クロアチア・リエカ市訪問を終えて》
市長:姉妹都市提携30周年記念事業として、クロアチア・リエカ市を訪問してま
いりましたことについて、ご報告をいたします。
リエカ市のヴォイコ・オベルスネル市長からご招待を受けまして、30年にわたる
友情を改めて確認するため、リエカ市を訪問してまいりました。
5月6日に日本を発ちまして、7日から9日までリエカ市に滞在しました。
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10日、11日は、経由地でもありましたウィーンで、音楽・文化関係者と懇談し、
12日朝帰国いたしました。
リエカ市では、両市の交流をさらに発展させるため、「確認書」に署名し、取り交
わしたほか、記念品の交換を行い、本市からは初代・歌川広重作「東海道五十三次・
川崎宿」の浮世絵を贈呈いたしまして、リエカ市からは聖ヴィトゥス教会、一番古い
教会で、300年くらいかけて完成させたという、教会を描いた油絵を頂戴いたしま
した。
また、本市の市民合唱団である登戸混声合唱団の方々が、現地の合唱団と共演する
記念コンサートが開かれ、日本からは30人くらい合唱団が行かれました。その記念
コンサートへ出席し、リエカ市の関係者との懇談、市内視察などを行ってまいりまし
た。また、調印式のときも、リエカ市の合唱団と登戸混声合唱団との合唱がありまし
て、大変盛り上がっておりました。
この調印式には、駐クロアチア白川哲久(しらかわ
てつひさ)大使も参加してくだ
さいました。また、向こうからはリエカ市を包括する県知事も出席して、大変格式の
高い調印式になったわけでございます。
オベルスネル市長との話し合いでは、音楽を中心とした文化交流が今後広がってい
くことを双方で期待しておりまして、そのためにも観光を中心とした市民や、ビジネ
スマンの往来が、いっそう頻繁になることが重要だとの認識で一致いたしました。
ちなみにリエカ市は、クロアチアの中でもアドリア海に面しておりまして、イタリ
ア風の非常に古いしゃれた町でございます。人口は15万人くらいであまり大きな町
ではありませんけれども、港町としては、あの近辺で一番大きい都市ということであ
ります。
市内視察につきましては、石畳の街並みや、ウィーン国立歌劇場を模したといわれ
るリエカ・クロアチア国民歌劇場など、歴史を感じさせる美しさが印象的でありまし
た。リエカ市民は大変フレンドリーで、どこでも私たちを温かく迎えてくださいまし
た。
また、クロアチアは現在、EUへの加盟を目指して国を挙げて努力しているところ
でありまして、リエカがクロアチア最大の港湾都市として、経済発展の一翼を担って
いるということであります。
今回の訪問には、川崎市観光協会連合会会長で、港湾振興協会の会長もお願いして
いる齋藤文夫(さいとう
ふみお)氏、川崎商工会議所会頭の長澤明彦(ながさわ
あき
ひこ)氏に同行していただきました。お二人とも、大規模な拡張工事をしているリエ
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カ港や、新しく開通したハイウェイなど、クロアチアの新しい時代への躍動を印象深
く感じておられるということでありました。
そして、1980年に川崎市から贈った、2メートルくらいある大きな石灯籠も公
園にあり、そこも訪問いたしてまいりました。
リエカ市からの帰路、経由地のウィーンに立ち寄りまして、音楽を中心とした文化
振興策を勉強するために、関係者と懇談をいたしました。ウィーンは県と市が一緒に
なっているオーストリア最大の都市で、810万人の人口のうちの160万人の大都
市で、県・市一体になっている都市です。議員が局長を務めるという形になっており
まして、ポコルニー文化・科学局長と懇談をいたしました。世界中から観光客や国際
会議を誘致するため、魅力づくりを行うということで、音楽や歴史博物館などの文化
振興策を行っているということでありました。都市経営上の長期的な投資として、そ
ういったものを位置づけて、積極的に展開しているというお話でありました。
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで有名な「黄金のホール」といわれ
るホールを持っている楽友協会の事務総長・芸術監督トーマス・アンギャン博士とも
懇談を行いまして、ホールの運営についていろいろと聞いてまいりました。会員が
1万人ということで、年間約730公演を行って、そのうち自主公演が約450公演
ということで、採算については95%が自前の収入で、5%が公的な補助ということ
でありました。経営について大変参考になりました。そこでは、ウィーン・フィルや
ウィーン交響楽団が定期的に公演を行うということでありまして、楽団と協会とが一
体になって運営をしているということです。
楽友協会ホールでは、ウィーン交響楽団の演奏を聴きました。また、国立歌劇場で
は、小澤征爾(おざわ
せいじ)氏の指揮するワーグナーの楽劇「さまよえるオランダ
人」を鑑賞してまいりました。終演後、小澤征爾氏にお目にかかり、ご自身がお住ま
いだった川崎での「音楽のまちづくり」の取り組みについてお話ししてまいりました。
会うと真っ先に、「ああ、川崎市長さん」ということで、「親父が死んだ町だから
ね」とおっしゃっていました。音楽のまちづくりについては、誰かから話を聞いてら
っしゃったみたいで、「音楽のまちづくりを進めています」と言うと、「ああ、そう
だったよね」という話でございました。非常に気さくな方で、「いずれ小澤さんに川
崎に来ていただきたい」とお願いをしてまいりました。
懇談はいずれも限られた時間でしたが、音楽ホールや劇場の公演とウィーンのまち
づくり全体とが、ウィーン市民の生活にしっかり根付いていることを実感いたしまし
た。川崎での「音楽のまちづくり」を一層進める上で、貴重な示唆を得ることができ
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たと考えております。
それでは一言ずつ。
川崎商工会議所会頭:今回、阿部市長に同行させていただきまして、大変有意義な
訪問でございました。特にリエカ市の感想は、一言で申し上げますと、商工会議所と
いう立場から見ますと、人口が15万人くらいで小さいのですが、港町で、非常にイ
ンフラの潜在能力がある町だというふうに感じております。特に船の出入りが非常に
活発でございまして、バラ積み船で15万トン級の船が入るということ、これは素晴
らしい設備でございますし、さらに、コンテナが現在取り扱われておりまして、これ
が年間4万TEUといいましょうか、こういう単位がございますが、4万個のコンテ
ナが取り扱われていると。ちなみに、今、川崎が2万4,000くらいじゃないかと
思いますが、そういった意味からも、非常に港町として栄えているところでございま
した。これから鹿島建設がさらに拡張工事をやるようでございます。さらに一層コン
テナターミナルは強化されるということで、将来的には川崎もコンテナターミナルと
の相互利用というようなことも期待できるのではないかと思います。アドリア海に面
した港でございますので、内陸の運搬、ハイウェイも完備されておりますし、港で揚
げた荷物を内陸に運び込んでいくということでは、非常に大きなメリットがあるので
はないかと感じました。そんなことで、特に物流の面からも、リエカ市と川崎市とい
う関係がこれからも一層盛んになるのではないかと期待できます。
それから、2点目は、リエカ市長にお聞きしたところでは、今後の産業政策として、
ハイテクに力点を置いていきたいという意向表明がございました。特にハイテクとい
う分野では、川崎市は日本でも先端を行っているわけでございますので、これから交
流が期待できるのではないかなというふうに感じた次第でございます。
川崎市観光協会会長:このたび、阿部市長に随行いたしまして、リエカを初めて訪
問いたしました。どうして30年前にあんな遠いところと姉妹都市を結んだのかと思
いましたが、川崎との共通点は、クロアチアを代表する素晴らしい港湾施設を有して
おりました。同時に、石油化学、造船といった重化学工業都市でもありまして、人口
は15万人の小さな都市ではございますけれども、歴史・文化の輝いている市であり、
加えてもう一つ、多摩川ほど大きくはございませんが、小さな川の河口にございまし
て、こういうような点が川崎と共通するところと思いました。今、会頭からもお話が
ございましたが、スエズ運河や喜望峰を回って、日本からヨーロッパへ物流が行われ
ておりますが、これがリエカへ直行いたし、リエカからヨーロッパ各国へ陸路で輸送
するようになりますと、1週間輸送期間が短縮される、そのメリットは非常に大きい
と、リエカ市長が力説いたしておりました。ただ、今のところ国内交通、高速道路も、
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2車線ずつ4車線の道路を建設中でございますが、お隣の国との接点がなかなかうま
くいかない。国と国との広域道路を、中部ヨーロッパの国々が了解をするか。特にE
U加盟は、ご案内のようにユーロが日本円に対して高いわけでございます。ウィーン
に6年ぶりに参りましたけれども、当時の印象と比べると物価が非常に高い。簡単に
ご説明しますと、絵葉書1枚、郵便切手を貼って日本へ出すと350∼360円かか
る。びっくりいたした状況でございまして、統一通貨ユーロによる物価高は、それぞ
れの国の経済力の格差と同様に、市民生活には大きな影響があるのではないか。来年、
クロアチアはNATOに加盟いたしますが、2010年を目途にEU加盟ということ
を国家的な目標として努力をしておられるということですが、それがあの国にとって
経済的にどうなるのかなと、極めて興味を持って話を聞いてまいりました。
いずれにしても、音楽を通じ、あるいはまた文化を通じ、観光客がお互いに行き来
できるように、そしてもっとリエカを川崎と近づけていくような努力をしていきたい
と思いました。先ほど市長から説明のありました大きな石灯籠をお贈りした30年前
は、伊藤三郎(いとう
さぶろう)市長時代でございますが、その10年後、日本の彫
刻界第一人者である圓鍔勝三先生、ご他界されましたが、その「友情」という少年少
女像が、街のど真ん中に、噴水と一緒に飾られておりまして、川崎との深いつながり
というものをしみじみと感じた次第でございます。我々に対しても極めて友好的でご
ざいまして、あちらは議員内閣制といいますか、市長も副市長も議長も、33人の議
員の中から互選で選ばれているところでございまして、予算等についても日本の地方
分権時代とは逆に、比較にならないくらい小さい、限られた範囲の市の行政ではござ
いますが、非常に文化の感度の高い町だという印象を特に受けて帰って参った次第で
ございます。
《質疑》
記者:秋に、今度はリエカから来られる方なのですが、こちらの方は予定通りとい
うことですか。それとも規模が大きくなったりということは特に、そんな話は出なか
ったですか。
市長:リエカ五重奏団ということで、弦楽四重奏とピアノの演奏家が、こちらにみ
えます。その斡旋をしてくれたリエカ国立歌劇場の芸術監督という方にお会いいたし
ましたが、35歳の女性で、大変魅力的な素晴らしい方でございまして、ぜひ来てい
ただくようにお願いしました。大分こちらにいらっしゃる意向を持たれている印象で
はありましたけれども、まだはっきりいたしません。もちろん市長はじめ、国際局の
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関係の方々は一緒におみえになるという予定でございます。
記者:音楽関係の施策で、川崎に取り入れられそうな点というのは具体的にはあり
ましたか。
市長:やはり交流でしょうね。登戸混声合唱団は、これまでにも何回か海外を訪問
して現地で合唱をしているのです。そういうようなことで、合唱交流ができると思い
ます。ジョイントコンサートでは、リエカの合唱も素晴らしい合唱でした。言葉はわ
からないのですけれども、非常に楽しい、工夫された合唱で、本当に楽しめました。
ああいう音楽を日本の人たちも聞くというのは、非常にいいことではないのかなと思
います。ちなみに駐日クロアチア大使は、宮前区に住んでいる都倉氏というフラワー
アレンジメントの「現代の名工」、大変親しくて、お嬢さんがドゥブロヴニクで世界
遺産の町に花を飾ってそれを写真に記録しているという交流がある人でありまして、
そういう意味ではこれからもいろんな形の交流ができるのではないかと思っておりま
す。
記者:ウィーンの視察では、当然ミューザのことを意識されていろいろお話を聞か
れたと思いますけれども、その中ですぐにということはないでしょうけれども、こう
いった点は活かせそうだなというところは何かあったでしょうか。
市長:やはりこれからミューザで取り組むべきことは、自主公演を採算取れるよう
な形でどれだけやるかでしょう。自主公演でかなり楽友協会は儲けているのです。補
助金が全体の収入の5%で、あとは全部自前でやっている。会員が約1万人で、会費
も約1万円なのです。そういう運営の仕方です。もちろんあそこは世界中からお客さ
んが来るから成り立つのだと思うのですけれども、そういった運営の仕方は大変参考
になります。ただ、驚いたのは、ミューザではアンコールが多く、小澤さんに、「ワ
インヤードになっていて、周りがみんなお客さんだから拍手が4倍になるのですよ」
という話と、「アンコールがものすごく多いのですよ」という話をしたらびっくりし
ていました。その楽友協会でのコンサートでは、アンコールがないのです。びっくり
しました。みんな拍手してるんだけれども、さーっと終わっちゃうのです。それで年
配のお客さんなんかささっと出て行ってしまうのです。後で聞いたら、地元ではいつ
もそうなのだというのです。いつもお目当ての曲だけ聴くと、慣れているので帰って
しまう。そういう意味では、アンコール、アンコールとやるのは、ある意味では音楽
の分野では田舎なのかもしれませんね。そんな感じもしました。もっと聴く機会が多
くなると、拍手が多くてもアンコールなしで、また次の機会というような公演の仕方
が定着するかもしれません。だからその点は非常に意外でした。私はアンコールが多
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いということを自慢していたのですけれども、逆でした。
これがリエカ市から送られた絵です。リエカ発展の原動力になったような教会です
ね。300年くらいかけて造られ、時代によって部分的に違うんだそうです。脇にピ
サの斜塔みたいな斜めになっている塔がありまして、少し出ていると思います。
川崎市観光協会会長:1638年にでき上がったのです。
記者:作者は有名な方なのですか。
市長:もちろん、向こうでは有名な画家です。ちょっと読めないけれども、ウラジ
ミール・ミホコビッチェミエハという人です。
記者:今回の訪問では、費用はどのくらいかかっていますか。
総務局交流推進課長:今回の訪問にかかった経費でございますけれども、総額で約
375万円でございます。この中には訪問団の往復の旅費ですとか、交換した記念品
の記念品代等が入っております。
記者:今回の成果をもうちょっと具体的にどうしていくかとか、そういうプランみ
たいなものは今現在ありますか。
市長:あります。やはり芸術・文化関係の多様化ということす。音楽を中心とした
芸術の交流を促進することで、川崎市の文化に厚みを増すということです。それから、
観光について、クロアチア全体で450万くらいの人口ですから、向こうからの観光
客というのはそんなに期待はできないのですけれども、こちらから観光客が行くとき
に、港の交流を中心にしていろんな仕組みがこれからできるということです。特にさ
っき齋藤会長がおっしゃったように、日本からの荷物をヨーロッパに陸揚げするのに、
リエカ港を使うと時間的に1週間くらい短縮できるということで、将来性が非常に豊
かであるということですので、いろんな生産物を輸出している川崎市にとっては交流
は大変意味があると思っております。それと、もう一つ付け加えて申し上げるならば、
産業面では、特に工業面では、クロアチアはヨーロッパの中ではやはり立ち遅れてお
り、日本からの進出企業が非常に少ないのです。ザグレブという首都は人口80万人
で、そこに滞在する日本人が26人だそうでございます。そのうちの半分くらいが大
使館関係者ということですので、もう少しヨーロッパの拠点として、クロアチアを産
業交流の拠点として、川崎に関連する企業の事業所を作るという可能性はあると思い
ます。
記者:今おっしゃったようなことについては、今後どんどん進めていこうというこ
とですか。
市長:そうです。だから今度、市長をはじめ関係の人たちが来ますので、音楽交流
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はもちろんでありますけれども、企業の関係者との会合なんかも仕組んでいきたいと
思っております。
川崎商工会議所会頭:一点、訂正させていただきたいのですけれども、川崎港の平
成18年のコンテナの扱い量は4万223TEUだそうです。2万4,000TEU
というふうに先ほど申し上げたのですが、4万TEUくらいということで、現在のリ
エカの港と川崎の港とコンテナ取扱量はほぼ同じでございます。今後、300メート
ルコンテナターミナルも造るようですから、発展の可能性を秘めております。訂正さ
せていただきます。
《市政一般》
(ふるさと納税構想について)
記者:続いて市政一般ですけれども、市長が出られているときのことだったのです
けれども、ふるさと納税構想というのが出てきたということで、これについて市長は
どのようにお考えでしょうか。
市長:全然評価しませんね。要するに地方の取り分をどう分けるかだけの話であっ
て、むしろふるさと納税というより地方分権納税という制度をつくってもらいたい。
それから国税を納めているうちの、最低限の5対5になるまで、国に納める分を自治
体に納めるという選択ができるような制度を作ってもらいたいと思っています。だか
ら、ごまかされるのですよね。地方間のやりとりだけで議論が沸騰すると、それで終
始しちゃう恐れがあるので、私はある意味ではあまりやるべきではないと思っていま
す。
記者:これを持ち出されたのが……。
市長:だからそれは、何らかの形で税収の多い都市部と地方部の調整は必要なので
すけれども、ああいう話題を呼ぶようなやり方で議論が収束するという危険性を、私
は一番心配しています。
(保育料と保育所の待機児童数について)
記者:例の保育料のその後、面接等は。
市長:面接は今週またお2人とお会いする予定にしております。
記者:それでは最初のお2人の後はずっとなくて……。
市長:そうです。しばらく留守にしましたので。
記者:それと、保育所の待機児童の数値がそろそろまとまる時期かと思いますが。
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市長:そうですね、400という具合に大体申し上げていたのですが、460くら
いありました。
記者:それについては大体吸収できるという……。
市長:いろんな形がありますから、何らかの形で働きに出ている方だから、何らか
の形で子どもさんはどこかで面倒見てもらえるようになるんだと思うんだけれども、
公的なお世話が十分できないという意味では非常に残念なことだと思っています。何
らかの形で自分たちの工夫、おじいちゃん、おばあちゃんとか、あるいは第三者にお
願いするとか、いろんな形で皆さん方が解消されるとは思うのですけれども、その苦
労は大変だと思いますので。ですから、できるだけ早く待機児童がなくなるように努
力していきたいと思っています。
幹事社:よろしいですか。では市長、どうもありがとうございました。
市長:どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
司会:それでは、これで市長の記者会見を終わります。どうもありがとうございま
した。
(以上)
この記録は、重複した言葉づかい、明らかな言い直しや質問項目などを整理した
うえで掲載しています。
(お問い合わせ)川崎市役所総務局市民情報室報道担当
電話番号:044(200)2355
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