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食トレンドニュース
速報
食TRENDNEWS
2015年(平成27年)11月
トレンド
食のトレンドをサキドリでお届けします!!
2015.NOV
日本人平均寿命 最高を更新
女性
男性
86.83歳 3年連続世界一
80.50歳 3位タイに上昇
Vol.
2014年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳で、ともに
過去最高を更新(厚労省調査)。女性は3年連続世界一、男性は前年4位
から3位になり世界有数の長寿国。14年生まれの半数近くは90歳の卒寿
を迎えると試算。
☆要因は「がんや心臓病、肺炎、脳卒中などによる死亡率の改善」と分析。
医療技術の進歩や健康志向への高まりで「今後も平均寿命は延びる余地
がある」としている。厚労省試算では14年生まれの子どもで、75歳まで生
きる人の割合は女性が87.3%、男性は74.1%。90歳では女性が48.3%、
男性24.2%。仮にがん、心臓病、脳卒中で亡くなる人がいなければ、平均
寿命は女性が6.02歳、男性は7.28歳延びると推定。厚労省は平均寿命と
別に健康上の問題で日常生活が制限されない期間を示す「健康寿命」も
算出。13年は女性が74.21歳、男性が71.19歳。
出典:日経15.7.31/厚労省HP
◇平均寿命
各年齢の人が平均してあと何年生きられるかの期待値を「平均余命」といい、
その年に生まれた0歳児の平均余命を「平均寿命」という。日本人の推計人口
や人口動態統計を基に、
その年の各年齢の人の死亡率が今後も変わらないと
仮定して算出。厚労省は毎年、平均余命を「簡易生命表」として公表。
■ 2014年 国・地域別の平均寿命
04
( )内は13年順位 ※13年データ
女性
男性
1(1) 日本
86.83歳
1(1) 香港
2(2) 香港
86.75歳
2(2) アイスランド※
3(3) スペイン※
85.60歳
3(4) 日本
4(4) フランス
85.4歳
3(3) スイス
80.5歳
5(6) 韓国
85.1歳
3(5) シンガポール
80.5歳
※
81.17歳
80.8歳
80.50歳
※
◇健康寿命が重要(東北大大学院 辻教授の話)
男女とも平均寿命が過去最高を更新したのは喜ばしいことだが、介護など
が必要だと、本人も家族などの周囲の負担も大きいので、日常的な介護を
必要とせず、自立した生活が続けられる「健康寿命」を延ばすことが重要。
平均寿命と健康寿命の差が10歳前後ある。生活習慣病対策や病気の早
期発見・治療などの拡充が求められる。
伸び率、高齢者で際立つ 14年度世帯平均月6505円
拡大するネット利用支出 総務省:2014年家計消費状況調査年報
インターネットショッピング
◇1世帯(2人以上)/1カ月当たりのネット利用支出は前年比12.1%増で
6505円。特にシニア世帯の伸びが際立つ。調査開始の02年1105円の5.9
倍。世帯年収別にみると、年収500万円未満では5千円に満たないが、800
万円以上では1万円を超え、1500万∼2000万円では1万9264円になる。
◇年代別(世帯主)
70歳以上2477円と少額だが伸び率は24.3%と高い
金額では40∼49歳が8.0%増の1万261円と最も高い
◇支出額地域別
全9地方で前年を上回り、北海道と東北を除く7地方で伸び率10%超え
関東が12.5%増で金額も最高額の8139円
九州・沖縄は10.1%増だが4506円
電子マネー
◇電子マネー所有世帯の割合(単身を含む総世帯)
46.7%(前年比3.5ポイント増)、同利用世帯40.4%(〃4.0ポイント増)
08年調査開始(24.4%、18.0%)以来、20ポイント以上高まる。
◇1世帯当たりの平均利用額
1カ月1万1410円(前年比5.6%)
1カ月1万円以上利用世帯17.9%(3.4ポイント上昇)
し、電子マネー利用額も着実に増。
◇電子マネー利用回数
最多は「交通機関」46.6%(前年比2.2ポイント減/08年70.6%比24.0ポ
イント低下)上昇は「スーパー」27.7%、
「コンビニ」20.7%と上昇
出典:日経MJ15.8.14
機能性表示食品 約7割の認知度
矢野経済研究所(東京・中野)の消費者対象調査(6月中旬:店頭に商
品が並ぶ直前)でも、機能性表示食品の認知度が約7割(機能性表示食品
「知っていた」13.4%、
「聞いたことはあるが詳しくは知らない」55.1%)
と高かった。特定保健用食品(トクホ)の定期利用者では86.7%、「トク
ホを食したことがない」人64.4%より20ポイント高く、トクホの利用度が
高いほど機能性食品表示に強い関心あり。
※トクホに対するイメージでは「国の許可があり効果がありそう」は定期
利用層38.3%、無経験層14.9%。
「生活習慣病に一定の予防効果があり
そう」も26.7%と8.0%で大きな差あり。
出典:日経MJ15.8.14
∼心で結ぶ食づくり∼
〈 本紙制作協力 〉
日本外食流通サービス協会
食TRENDNEWS
トレンド
2015年(平成27年)11月
平日PB/週末プレミアム MJ1000人調査
平日はプライベートブランドで週末はプレミアム―。日経MJは消費者アン
ケートや街頭インタビューを通じて4∼6月の景況感や暮らし向きの実態調
査でこれまで以上に選別が厳しい「極端消費」の姿が浮かび上がった。アン
ケートでは景気回復を実感している人14.2%、実感できていない85.8%。
食料品については「購買意欲が高まっている」12.5%だが、
「増えてい
る」のは40.8%。値上げを実感は67.2%と断トツに高くこの状況が消費者
を生活防衛に走らせる。ただ平日は節約で週末は少し高い商品。昼の外食
は節約し夜に使うなどメリハリ消費志向が目立つ。ヤオコーでは平日と週末
の客単価の差が拡大傾向。週末は比較的高価な商品が売れ鮮魚などでは
「週末の販売額は平日の2∼3倍」という。地方では節約傾向がさらに色濃い
が、そこでもメリハリ志向は共通。プチ贅沢を求める柿安ダイニングのコロッ
ケは1個200∼300円台だが、
1個税込108円を販売したところ地方店で爆
発的に売れたという。
◇4∼6月の個人消費について企業と個人では温度差あり。今後の家計支
出について「変わらない」5割、
「減らす」35%、
「増やす」14%にとどまる。
支出が1年前比で減ったもの「衣料品」32.9% 、
「外食」32.2%など
支出が1年前比で増えたもの「食料品」16.9%につぎ「教育費」11.4%など
出典:日経MJ15.7.24 調査:7月8・9日マクロミルでインターネット調査/1030人
国産牛肉の「赤身」の卸価格が上昇し一段と「霜降り」に近づいている。消
費者の健康志向により肉の選び方が若干変わり赤身は1年で3割高となった。
脂肪分であるサシが豊富な肉よりも2倍のペースで上昇。全国的に黒毛和牛
などの子牛が足りないことも影響しており赤身が高級品になりつつある。
◇牛肉は1頭からどれだけの肉が取れるかでA∼Cランクを付け、さらに「サ
シ」の量で1∼5等級に分かれる。和牛(去勢)では代表的な赤身A-2等級の
東京市場卸値が8月に入り1kg2100円を超える日も。ここ1年で3割高で
1990年以降では最高値。これまで最高級として定着していた霜降りはA-5
肩肉
ランプ
ヒレ
バラ
外モモ
健康志向で「霜降り」に迫る 熟成肉の外食人気も背景
サーロイン
肩ロース
リブロース
国産牛赤身 卸値3割高
内モモ
シン
タマ
の卸値が同2500円前後で推移。年
間の上昇率は15%前後。赤身と霜降
りの卸値では約4年前まで1kg当た
り1000円近い差だったが、今は赤身
の上昇によって300円台半ばで、
3分の1近くに縮小。従来は霜降り肉を評
価してきたが、ここ数年熟成肉(エイジング・ビーフ)の外食店などが流行し、
赤身を求める消費者が増えた。時間をかけ熟成すると赤身でも軟らかく旨み
出典:日経MJ15.8.10
増す。希少だが赤身の多い「あか牛」も人気。
団塊世代の生活に変化 弁当・惣菜を家で「中食」拡大
近年中食市場が伸びている。リクルートライフスタイル調査によると男性
は30代、40代と60代、女性は60代で中食のシェアが大きい。注目は男女
とも60代が活発に利用している点。背景には人数の多い団塊世代のライフ
ステージの変化がある。
リビングくらしHOW研究所調査
① 退職に伴う「自宅引きこもり夫」の増加─6割以上が「自宅引きこもり派」
夫が退職した50、60代女性 1週間のうち夫が家にいる割合は?
「ほぼ毎日」38.5% 「家にいる方が外出より多い」25%
5年前に比べ自分の時間が増えたと思うか?「減った」と回答した女性は
◇夫現役の場合18.6% ◇夫退職の場合31.6%
妻の自由時間が減るのは、退職した夫が自宅に長くいるために食事の世話
に時間を取られるから。これが中食需要拡大の背景の1つになっている。
② 一人暮らしの「単独世帯」と「夫婦のみ世帯」の増加
国立社会保障・人口問題研究所の推計では都市型の東京都では既に「単独
世帯」
「夫婦のみ世帯」が他の世帯数を上回っており、今後も増加が予想。
地方型の新潟県や秋田県でも現時点では大家族世帯の「その他世帯」が最
も多いが、2025年ごろには「夫婦のみ世帯」
「単独世帯」が上回る見通し。
このように家族構成員のライフステージの変化が家庭内の消費需要の変化
■1週間のうち夫が家にいるのは?
ほとんど外出
5.2
ほぼ毎日家にいる
家にいるより
外出が多い
9.4
38.5
%
家にいるのと
外出半々
家にいる方が
外出より多い
21.9
25
に影響を及ぼす例は多く、
シニアの消費行動は、シニ
ア個人だけを見ていると見
誤るので注意が必要。東北
出典:日経15.7.8
大学村田氏
家飲み支出、1回平均940円 1000人の家計簿
家でお酒を飲む「家飲み」需要の拡大が続いている。日経産業地域研究所
調査によると1年前比で頻度、金額が「増えた」人は共に2割程度で「減っ
た」人よりも多い。
1人当たりの1回の支出は平均940円。
◇飲む酒トップ5
ビール51.6%・発泡酒/第三のビール40.5%・焼酎30.0%・
男性
チューハイ/カクテル25.9%・プレミアムビール20.5%
チューハイ/カクテル43.6%・ビール38.3%・ワイン35.2%・
女性
発泡酒/第三のビール29.6%・梅酒/果実酒28.7%
◇おつまみの調達先
①手作り46.8% ②「スーパーの惣菜」38.4% ③「コンビニの惣菜」29.6%
インターネット調査:マクロミル依頼 7/17∼19日 全国20∼60代男女1000人
◇家飲みの理由
①外で飲むより安い52.4% ②周囲に気兼ねする必要がない47.0%
◇お酒とおつまみにかける1人1回あたりの支出
「500円未満」21.6%・
「500∼1000円未満」29.7%で「1000円未満」51.3%
平均は940円 〈男性〉880円 〈女性〉1000円
◇1年前比の支出 「増えた」
「やや増えた」18.0%「減った」
「やや減った」
出典:日経MJ15.8.21
12.4% 家飲みシフトはしばらく続きそう。
∼心で結ぶ食づくり∼
〈 本紙制作協力 〉
日本外食流通サービス協会
食TRENDNEWS
トレンド
2015年(平成27年)11月
スーパー、サラダの陣
スーパー各社がサラダ商品の売場
に注力。西友はレンジ調理の温野菜
を加えた品ぞろえを充実し、イトー
ヨーカ堂は高品質サラダシリーズを
増やす。消費者の健康志向や調理の
手間が少ない食材のニーズ拡大で各
社のサラダ商材は好調。コンビニな
ども商品を充実させており異業種間
出典:日経MJ15.7.27
の競争が激化。
■ サラダ売り場を充実する動きが広がる
イトーヨーカ堂
240∼350円ほどの高質総菜サラダ「iキッチン」を約120店に展開
※「iキッチン」
:生野菜にサーモンや肉類を加え食べ応え出す
西友
レンジ調理の温野菜パックなど品揃え拡大で売上5%以上UP
ライフコーポレーション 小容量パックの店頭訴求を強化。
「簡便野菜」の販売額は前年実績を2割増で推移
サミット
新店、改装店中心に店内加工できる設備を導入。
「サラダステーション」
:
青果、鮮魚、精肉と連携し店内加工でサラダにプラス
ヤオコー
顧客が自分でトッピングなど選べる売り場を設置
いなげや
食べ応えのある品ぞろえ強化で売上1.2倍に
店内加工にこだわり ヨークベニマルつくば竹園店
1月オープンのつくば竹園店ではヨークベニマルとして初のガラス越
業後2∼3年かけてじわじわ客が増えるのが通例。この店では生鮮品と総
しに店内加工する様子が分かる「対面売り場」を果物売場に導入。単身世
菜が売上の約6割。ベニマルの平均約50%を大きく上回る。単身者の利
帯などの需要を見込み、店内で果物を食べやすく加工する設備を設けた。
用に配慮した「台所の代わり」機能を提 供。各 社独自性を出すためにこ
他のスーパーは人件費を抑えるためパック詰めなどは工場で集中加工の
ぞって生鮮や総菜分野を強化。ベニマルでも人手不足が進むなかで「手作
比率が高いが、同社はパック商品の8割以上を店内で加工。
「 店内加工商
り感の演出」とコスト抑制をどう両立させるかが重要。付加価値を出すの
品は見ただけでは特徴がわかりづらいが、一度試して味や鮮度の違いを
は1つの手法で、ニーズにあった商品の開発力が成否をにぎる。
実感してもらうと、リピーターになる確率が高い」という。ベニマルでは開
出典:日経MJ15.7.29
弁当4000種を社内で販売 スターフェスティバル
法人向け弁当宅配サービス「ごちクル」展開のスターフェスティバル(東
ランチ環境を提供できる点をアピール。2016年6月末までに1千社との契約
京・渋谷)は食堂を持たない企業の社員対象に弁当を販売するサービス
を目指す。最低20人から最大1千人規模の企業にも配達。価格は1個500∼
「シャショクル」開始。社員数や嗜好に合わせた弁当で会社員らのランチ需
700円台を中心に有名店や行列店の弁当など800∼1500円台商品も2割
要をつかむ。約4千種類の弁当(和食・洋食・中華・エスニックなど)を用
あり。社内の空きスペースを活用し専門の販売員が販売。弁当のラインアッ
意。品数の豊富さで競合他社と差別化。食堂運営に比べ低コストで社員の
プは社員の好みや特色に合わせて日々変更。最低5日から契約可能。
出典:日経MJ15.8.3
災害時、食料配達で協定 スターフェスティバル/京葉ガス
全国約800店の宅配弁当を扱い国内約600カ所の弁当製造拠点と連携
のインフラ復旧作業員向け弁当などを調達。弁当価格は1個500∼1千円程
のスターフェスティバルはインフラ支援サービスを開始。第1弾は京葉ガス
度。東日本大震災時に京葉ガスに約4万6千食の弁当を届けた経験あり。今
(千葉県)
と災害時などに食料品配達で相互強力の協定を結んだ。地震など
後も自社の製造ラインを活用したインフラの支援サービスを広げる。
出典:日経MJ15.8.19
「ご当地弁当」 ほっともっと 地域限定メニュー初!
プレナスは全国の弁当店「ほっともっと」で地域限定メニューを8月21
テーマで「ご当地弁当」の名称。例えば九州・山口では「九州醤油仕立て
日から順次販売。全国を9地区に分け地域に根差した特徴のある弁当を
のビーフ弁当」490円、沖縄は「麩ちゃんぷるー弁当」460円など。
用意。地域ごとに好みの味が異なることに対応。「日本の味力再発見」が
出典:日経MJ15.8.21
「高齢者に弁当宅配」 ほっかほっか亭
「ほっかほっか亭」運営のハークスレイがシニア市場の開拓を急ぐ。高
ける。弁当は日替わり。専任の栄養 士が塩分 やカロリーを計算したメ
齢者向弁当宅配サービス「ほっか食楽」で一人暮らしのシニアを中心に需
ニューで、1食あたり540∼920円の4種類から選択。利用者の多くはほっ
要を取込む。現在は近畿・中国・関東の約30店で、9月九州にも展開。毎日
かほっか亭を利用していた人で、手作りや地域密着などの強みをいかす。
同じ時間帯に同じスタッフが弁当を宅配し、利用者との会話で気配りも届
出典:日経MJ15.8.14
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日本外食流通サービス協会
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トレンド
2015年(平成27年)11月
「スーパーフード」浸透 アロエ・アサイー再び脚光
小売り・食品卸、続々参入
一般の食品に比べ、ビタミンやミネラルなどの栄養素を多く含む「スー
パーフード」が日本に浸透してきた。1980年代に米国で生まれた概念で、
スピルリナやチアシードが代表格。栄養を多く含むだけでなく、食品に振
りかけるなどして使える手軽さもスーパーフードの特徴。従来の健康食に
ない話題性で若い女性を中心とした支持が集まり、卸会社や小売店の参
入も相次いでいる。80g約500円のチアシード、40g約100円のココナツ
チップス、1本約1200円のエゴマ油など価格帯は様々。専門売場設置で
男性や若い世代を呼び込むなど、客層拡大にもつながっている。いち早く
取扱いを始めた成城石井ではチアシードやスピルリナ、ユーグレナ(ミドリ
ムシ)が人気。
「美容や健康に関心があるのは女性が中心だったが、ここ1
∼2年で男性客も増えている」という。ダイエーもスーパーフードの専門売
場を含む「フード・スタイル・ストア」を2014年11月から展開。6月改装
オープンの赤羽店では「改装前は来店客の7割が50代以上だったが、30
∼40代が目に見えて増えた」という。食品卸の国分では「1年前にほぼゼ
ロだったスーパーフードの取扱高が、今は数億円規模」という。アマニ油や
出典:日経MJ15.7.27
エゴマ油など油類の扱いも多いという。
スーパーフード知ってる? 高い栄養価
単品NG/料理にアレンジ
「スーパーフード」は一般の野菜や果物よりビタミン、
ミネラル、アミノ酸な
どの成分を多く含む食品。食物繊維やポリフェノールも豊富で、内臓脂肪を
防ぎ、老化を遅らせることができるのではと期待される。主に木の実の油、
果実、種などの食品。産地特有の伝統食。
「スーパーフードは多くの栄養素
を含んでいるが、栄養成分は単独で働くのではなく、他の成分や体の働きと
協力することによって初めて有効活用される」と、東京大学の佐藤教授は指
摘。スーパーフードの利点を最大限生かすなら「いろいろな食品と一緒に少
しずつ食べるのがコツ」と話すのは人間総合科学大学の熊谷教授。
〈取り入れる時のポイント〉
①まずは普段の食事で肉、魚介、卵、牛乳、大豆、大豆製品、緑黄色野菜、
海藻、イモ、果物、油脂の10品群を毎日取る。
②その後体調に合わせて適宜取る。同じ物を長期に取り続けると栄養が偏る。
③安全情報、何にいいのか調べることも必要。
出典:日経15.7.18
「スーパーフード」に熱視線 売場拡充や商品開発も
食品スーパー(SM)やコンビニは、一般的な食品より栄養価が高い食品
という「スーパーフード」に関心を強めている。
SMではスーパーフード関連
商品の品揃えを増やしてコーナー化するなど売場展開を強化するほか、コ
ンビニはスーパーフードを使用したオリジナル商品の開発に着手。話題性の
高いスーパーフードで消費者の高まる健康志向に対応。
◇首都圏のマルエツは健康関連商品の売場作りを積極展開。スーパーフー
ドも専用コーナー化。加工食品の売場などでゴンドラやエンドで展開し、シソ
科の植物で栄養素を多く含むチアシードやライスミルク、アーモンドミルクの
ほか、ココナツオイル、アマニ油、エゴマ油なども揃える。ヨークベニマルは
健康関連の商品をサプリメント、スムージー、栄養補助食品、美容・ダイエッ
ト、ココナツオイル、健康茶、酢などを用途やカテゴリーでくくり、それぞれに
POPをつけて3尺1本ごとにわかりやすく訴求。それらの売場にスーパー
フード商品も陳列。コンビニは商品開発でスーパーフードを生かす。ローソ
ンはナチュラルローソンで6月30日からおにぎりやサラダ、スープ、エクレア
に雑穀のキヌア、グラノーラなどスーパーフード使用の4品を投入など。ファ
ミリーマートもココナツオイル使用の「ココナッツパインドーナツ」128円
出典:日本食糧新聞15.8.5
(税抜)を全国で発売など。
■ 主なスーパーフード
スピルリナ
藻の一種で、タンパク質の含有率が高い
ココナツオイル
ココヤシの実から採れる。52∼85%は中鎖脂肪酸
チアシード
ミントの一種チアの実で、
タンパク質やαリノレン酸が豊富
アロエ
食用の品種「アロエベラ」は
ムコ多糖類やビタミンを多く含む
アサイー
ポリフェノールや鉄分が多く含まれる
アマニ油
亜麻の種子から抽出した油で、
αリノレン酸が豊富
キヌア
サポニン類。種子が穀物。高たんぱく、低炭水化物
レジ待ち時間半分に スーパー大手
「セミセルフ」型導入 店員入力→客が専用機で精算
スーパー大手がレジでの待ち時間が半分程度になる「セミセルフレジ」
を導入。客が商品バーコードの読み取りまでする「フルセルフレジ」と異な
り、店員がバーコード入力をして客が専用機で精算する仕組み。イオンリ
テールが6月までに大阪府と東京都の計2店で導入し実験を始め、効果が
確認でき次第他店への展開を検討。いなげやは7月末までに4店に導入し
ていたフルセルフ型レジを全てセミセルフ型に置き換えた。マルエツは6月
までの3カ月で計10店にセミセルフ型を導入。運用はまだ実験段階とし効
果検証を急ぐ。いちやまマートも15年2月末に2店だった導入店を9月末ま
でに13店に増やす。フルセルフ型を導入しているライフやベイシア、東武
ストアなどもセミセルフ型の導入を検討。フルセルフ型の機器はレジ従業
員の削減につながるとされ、既に多くの小売店が導入している。ただバー
コードがないばら売り商品など「処理方法がわからない」といった客の声
多く、
「思ったより効果がない」という意見も。読み取りミスなどから正し
い金額が支払われないケースもある。セミ型はフル型に比べレジ人員が必
要になる一方来店客が使いやすい利点あり。メーカーでは「セミセルフの
レジ通過時間はフル型の半分以下」という。顧客満足度を高め固定客をつ
かむ。店舗運営の効率が上がる一面には人手不足に悩む小売企業が注目
出典:日経MJ15.8.5
を集めている。
∼心で結ぶ食づくり∼
〈 本紙制作協力 〉
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2015年(平成27年)11月
ベジタリアン 食文化 ニッチ逃がさず/インバウンド消費
海外旅行の楽しみのひとつ「食」は宗教や文化によって様々な制限あ
り。イスラム教徒向けのハラルが注目されているが、欧米アジアの多くに
またがるベジタリアン、ユダヤ教徒のコーシャなど日本での対応が遅れた
分野は多い。ウラを返せば未開拓の有望市場で確かな商機が眠っている。
ベアバーガー自由が丘店ではビーガン対応のバーガーが人気。ソラノイ
ロ・NIPPONの野菜からだしを取るベジソバ(ビーガン)は訪日外国人客の
間でブームになりつつある。
JR東京駅構内の「Ts`たんたん」は大豆製の
疑似ひき肉等で作った担々麺で来店客の4割は外国人という。新横浜ラー
メン博物館でも今は5店でビーガンやオボ・ベジタリアン向けラーメンの提
供があるなど。
※「コーシャ」
:主な決まり
(一部)
①肉で食べていいのは、ひづめが分かれ反すうする動物のみ。豚はだめ。
②ヒレとウロコのある魚介類のみOKで、
イカやタコ、エビ、貝はだめ。
③乳製品と肉を一緒に料理してはいけな
いなど。ルールが厳格ゆえ「フロンティ
ア」市場になっている。
出典:日経MJ15.8.14
「大阪王将」出店 ミャンマー 「大阪王将 タムエ店」
中華料理店「大阪王将」展開のイートアンドはミャンマーのヤンゴン市
に初出店し年内をメドに多店舗化に踏切る。特徴は主力商品のギョーザに
加え日本風カレーなども提供。値頃な日本食レストランとして現地中間層
など向けに売込む。席数は44席で中心価格帯は日本円で250∼650円程
度。シンガポールなどにも進出しており東南アジアで今後も出店方針。
出典:日経MJ15.8.19
新業態ラーメン店 タイ 「NEO KOUR AKUEN」
ラーメン店運営の幸楽苑HDは8月28日タイに新業態のラーメン店を開
く。
カフェ風のおしゃれなイメージの店。
和食人気の高いタイで独自性を打ち
出し、
新興ファミリー層や女性客を取り込む。
店名は
「NEO KOURAKUEN」
デザイナーでデザイナー家具販売のリグナ
(東京・中央)
が店舗デザイン。
日
本で人気のラーメンやスイーツを充実。
タイには既に4店あるが、
競合激しく、
出典:日経MJ15.8.24
イメージ一新の新店で競争力を高める。
今どきのネーミング「戸惑い」が目を奪う
商品のネーミング力が問われている。コンビニでは狭い陳列棚を奪い合
い、逆にインターネット通販では膨大な商品群に埋もれてしまう。ライバルに
勝つには消費者が思わず手に取る、検索して探したくなる名前が欠かせな
い。
「二度見」を誘うツボとは。
◇「茂木和成(洗剤)」…「いい野菜は生産者の名前を出す」がヒントブラン
ド化、まずは社長自身の名前で勝負
◇「ニューヨークマヨネーズ(和菓子)」…8月にセブンイレブンで大量陳列
された菓子。名前と包材のイメージに反して中身は予想を裏切る和風の
ひねり揚げ。説明も一切なく、棚で目を引き話題に
◇「水曜日のネコ(ビール)」…消費者に考える余地
◇「肉ソン大統領(弁当など)」…肉がテーマの商品を企画する肉ソン大統
領(札幌市)は、社名とキャラ力で「一人ライセンスビジネス」を実現など
時代を彩った名ネーミングは、その都度新しいパターンを開拓。最近の
ネーミングの潮流は「オーソドックスでしっかりしたもの」に回帰している。
「遊ぶ余裕がないのかも」創造開発研究所の高橋代表。
「和風」が存在感を
増すと評価するのは、コピーライターの岩永氏。ただ基本は覚えやすい、音
がいい、意味が伝わる、がネーミングの基本。一方商標登録件数は年間約
10万件にのぼり「3∼4文字の名前は既にほぼ抑えられている」
(高橋氏)の
出典:日経MJ15.9.11
で、年々厚くなる「前例」をかいくぐるのは難しいよう。
インバウンド(訪日外国人旅行者)消費
「九州沖縄」のインバウンド消費
訪日客はすでに最多更新
近年訪日外国人旅行者(インバウンド客)の増加と共に「爆買い」は新
語として根付く。日本銀行福岡支店による「九州沖縄」調査には、訪日外
国人旅行者の旅行消費額は前年比43%増で2兆円を突破。インバウンド
客は全国1341万人に対して九州・沖縄では232万人で全国比17%と全国
平均を上回り、消費額は2385億円(推計)で1割超。宿泊、飲食サービス
業への業況判断も全国を上回る改善。外国クルーズ船の寄港回数が昨年
出典:日本食糧新聞15.8.26
過去最高を記録したが今年も大幅な更新が予想。
■訪日外国人旅行者消費額
25000
億円
10000
10849
11490 8135
前年比 同33%
14167
(2014年:1341万人)
同43%
7
▲29%
H11
H12
H13
H14年
韓国
20
%
タイ
5
H10
その他
22
米国
同43%
5000
0
■ 国籍・地域別構成比
20278
20000
15000
資料:日本銀行福岡支店
香港
7
中国
18
台湾
21
2015.9.10時点(推計)1342.4万人
田村観光庁長官記者会見で今年の訪日外国人旅行者が9月10日時点で
1342.4万人と過去最多を更新したと発表。2020年までに年間2千万人
の政府目標の早期達成が現実味。1∼8月推計では前年同時期比49.1%増
の1287.5万人。国別では中国が334.7万人で最多。韓国255.4万人、台
湾246.8万人。中国からの旅行者増が目立つ。好調の要因は円安傾向の
継続、航空路線やクルーズ寄港の増加、昨秋からの免税品目拡大など。
中国人訪日客伸び続く
8月、株価低迷でも2倍超
アジアからの訪日観光客数の伸び加速。8月アジア主要11カ国・地域の
前年同月比伸び率72.8%で高水準。株低迷などの影響が懸念された中国
が2倍以上に増え60万人に近づく。アジア各国・地域では9月も休日が多
く、10月に控える中国の国慶節に向け各地で販促強化の考え。
出典:日経MJ15.9.21
∼心で結ぶ食づくり∼
〈 本紙制作協力 〉
出典:観光庁HP15.9.16
日本外食流通サービス協会
食TREND
トレンド
2015年(平成27年)11月
総合スーパー転機
2020年2月までにイトーヨーカ堂は不採算店や老朽化した地方のスー
パーなどが対象に2割、3∼5年でユニーHDは50店を閉店方針。西友は昨年
10月に数年内に全店舗の1割弱の約30店の閉店を発表。イオンも国内の新
規出店を中心とする規模拡大から改装による収益改善を進める。ダイエーを
子会社化して食品特化店を強化するなどの立て直しも強化。ヨーカ堂などで
は衣料品を中心に業績が低迷。消費多様化の対応遅れが否めず。2017年4
月の消費税率の再引き上げが迫っており、地域密着で再建をめざす。規模や
品揃えを武器に集客してきた店舗運営は転機を迎えている。
出典:日経:15.9.18
「GMS」構造不況20年
国内に約1850ある総合スーパー(GMS)に大量閉店の波が押し寄せ
ており、地域での存在感などが問われている。背景にあるのは、この10年
でGMSを取り巻く外部環境が大きく様変わりした。00年に米アマゾンが日
本に進出して以降、インターネット普及に比例して業務拡大。衣料品を筆
頭にネット通販業者が数多く誕生。ユニクロなどの衣料専門店も台頭。大
手メーカーの加工食品などで価格を主導する立場にあったGMSだが、
ド
ラッグストアやコンビニなどとの競争が激化。人口減少なども影響。一方
スーパー店頭では生鮮品や惣菜など、スケールメリットが働きにくい商材
が中心となっている。
足元では人手不足が深刻。厚労省発表の7月有効求人倍率は1.21倍と
23年ぶりの高水準に。総合スーパー各社、成長・再編がなかなか見えにく
いなかで、資本を集約させ有効活用したり、小型の食品スーパーを強化、
あるいは地域密着の店作りをするなどの対応を急ぐ。※GMSで比較的健
闘しているのはイズミ。同社はフォーマットを持たず、自前の売場にもこだ
わらず、外部のテナントを巧みに組み込む。GMSが経営の生命線だけに
「手間をかけ、地域の実情に応じた店作りを進めるしかない」
(同社幹部)
と話す。チェーン志向を緩め、買い手の立場で新たな成長モデルを見つけ
ることができるのか。動向が注目される。
出典:日経MJ15.9.21
夕方限定で量り売り コンビニに対抗 ライフ惣菜
ライフは夕方の時間帯に限り店内で出来立ての揚物や炒め物などの惣
菜量り売りを一部店舗で始める。子育て世帯やシニアなど幅広い需要に
対応。9月2日改装の「さいたま新都心店」では午後4時に毎日2種類の惣
菜を大皿で販売。他店でも人気のメニューが中心で「牛肉と山芋の黒酢胡
椒和え」などの炒め物や「コンソメチキンカツ」といった揚物。価格は100
g158∼198円。商品は当面週3回変え、今後は煮豚など1個あたり50∼
100円程度のメニューも作る。提供した量は、売切り終了で追加なし。売場
には店内でやりくりした従業員が1人付き計量して値札をつける。今月改
装の2店に導入し、他店や新店などへの展開を検討する。スーパー各社は
コンビニなどとの競合対策で惣菜強化。出来立て商品の量り売りはその一
環。惣菜量り売りは「オリジン東秀」を傘下に持つイオングループのスー
パーで常設。ただ常設では売れ行きが鈍い商品の廃棄リスクも高まるの
で、ライフは需要の高い夕刻に限り実施。導入店は廃棄ロスを抑えながら
惣菜売場で10%程度売上増を目指す。
出典:日経MJ15.9.7
サラダ惣菜、
10年前の1.4倍 2013年度消費量 緑黄色は ➡ 根菜は➡
野菜の消費量は減少傾向が続いているものの若干明るい兆しも。農水省
によると13年度国民1人当たりの野菜の年間消費量は92.3㎏で、20年前
に比べると約10.0%減少。12年度までは2年連続で前年を上回り、13年度
比で微減。健康志向の高まりで野菜への関心が高まっているが、人口減や
高齢化による胃袋の縮小、若者の野菜離れ、家庭での調理離れなどが影響
とみられる。品目別では緑黄色野菜の消費量が3年連続で増加。
トマトは1世
帯当たりの購入量は5年前比で約6.1%増。他の野菜に比べ単価が高く存在
感あり。減少しているのは根菜類で5年で4.8%減。大根は約7.5%減少。里
芋は約24.4%減。1人/1日当たりの消費量は高齢者の消費量が多い。12年
度は60代が317g、30代257.9g、20代は243.9g。若年層などの間で野
菜の消費量が減っているよう。一方コンビニやスーパーで販売のサラダ惣
菜などの需要は増加。家計調査では1世帯当たりのサラダ購入額は3849
円で10年前の1.4倍。世帯人数の減少や共働き世帯の増加などで青果を丸
ごと購入することを敬遠する層が拡大。需要の受け皿になっている。
出典:日経MJ15.8.26、
総務省家計調査(13年度/03年度)
高級弁当配達を本格化 コープさっぽろ
コープさっぽろは冠婚葬祭や企業の会議などで食べる高級弁当の配達
サービスを本格展開する。6月に始めた試験販売が順調で、10月にも札幌市
内の工場で体制を整え1日の生産量を従来の20倍にする。主に高齢者向け
の弁当を配食する生協が増えているが、高級弁当の取り扱いは極めて珍し
い。既存の配達網を生かして収益を上げる。高級弁当「匠シリーズ」という名
称。和食の「旬彩の膳」
と中華の「華膳」が1620円。2700円でメニューがより
充実した「豊穣の膳」
と
「波華」などもそろえた。高級弁当を手掛けるのは道内
の有名ホテルや和食店などで経験を積んだ調理師歴40∼50年の和食・中華
シェフ2人。10月をめどに、通常の配食弁当を製造の白石工場(札幌市)
で1
日当たり1000個程度を生産できる体制に。高級弁当の宅配は高級料理店や
百貨店などが都市部を中心に展開するが、配達網を築くのが難しい。
コープ
さっぽろは既存の配達網の活用で、余分な投資をかけずに事業を拡大する。
出典:日経MJ15.9.11
契約社員800人、
バイトから すき家 飲食業の人材確保は困難さが増している!
ゼンショーHDは17年3月までをメドに契約社員を1千人採用。牛丼店「すき
家」対象でアルバイトらを登用。店舗運営の中心を担う人材を契約社員として
囲い込み人手不足の解消を図る。接客水準が上がり売上が増え、人件費の増
加を吸収できると判断。深夜営業の全店再開の道を開きたい考え。
◇低価格のファーストフードの店舗運営は多くをアルバイトに頼る。すき家も
アルバイトに業務の多くを任せてきた。だが昨春過重労働問題で批判。一方
国内の人手不足で一部店舗が営業休止に。営業継続店も人手が減り、接客レ
ベルが低下し客数減を招いていた。サービス向上と営業時間確保に向け社
員を厚く配置する運営に方針転換する。
※すき家の契約社員は約500人。正社員と併せ約1000人が店長。全国に約
2000店舗あり1人で複数店舗の店長を兼務していた。現在チーフと呼ばれ
るアルバイトを積極的に契約社員に採用。700∼800人程度を見通す。残り
は外部から採用。正社員にステップアップする制度も用意。一時は1200店
あった深夜休業店が、7月末で400店強。全店再開を急ぐが、人手不足に悩む
外食各社は雇用条件の見直しに動いており人材獲得競争の行方は不透明。
日本ケンタッキー・フライド・チキン
(東京・渋谷)
は今年度、アルバイトから正社
員への中途採用数を前年度の倍の60人にする。すかいらーくもアルバイト学
生を積極的に新卒採用する。
出典:日経15.9.2
∼心で結ぶ食づくり∼
〈 本紙制作協力 〉
日本外食流通サービス協会
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