...

赤羽の集合住宅プロジェクト - 平成24年度木造建築技術先導事業

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

赤羽の集合住宅プロジェクト - 平成24年度木造建築技術先導事業
採択事例
22
プロジェクト名
(平成 24 年度)
補助種別
提案の
概要
木 造 化
提案者(事業者)
赤羽の集合住宅プロジェクト
個人
設計者
株式会社 KUS 一級建築士事務所
施工者
株式会社スリーエフ
建設地
東京都北区赤羽 2 丁目 28-8
A. プロジェクト全体の概要
●東京都北区赤羽の防火地域に、1階を店舗、2~4階を共同住宅とする4階建て木造1時間耐火建
築物を建設する。
B. 提案する木造化・木質化の取り組み内容の概要
●高強度の木質接着複合パネルを使用して、1時間耐火性能を有する木造4階建ての集合住宅を実現
する。
C. 提案のアピールポイント
●本プロジェクトは、住宅以外の用途に供する中層建物の建築において、一般の設計者や施工者がハ
ウスメーカーと連携することにより、木質接着パネル工法を採用できる新しい仕組みを提案する。
●高強度な木質接着複合パネルを使用することにより、在来軸組構法建物よりも窓が多く開放性の高
い木造4階建ての集合住宅を実現する。
●工場生産される高品質な木質接着複合パネルを使用し工期短縮をはかる。
●各部材は小さく軽量で運搬が容易なため、狭隘な地域での施工に対応できる。
北側道路からの北および東面の外観(模型写真)
評価の
ポイント
防火地域において木造4階建ての店舗兼共同住宅を建設する計画。主体構造として高強度の木
質接着複合パネルを用いた工法を採用することにより耐力壁を少なくすることができ、開放性と
プランニングの自由度の高さを実現するものとなっている。また、パネルは工場生産品のため一
定の品質確保と同時に工期短縮が図れるものとなっている。中層建築物において一般の設計者・
施工者とハウスメーカーとが連携する新しい仕組みを提案するものでもあり、今後の普及が期
待される。
赤羽の集合住宅プロジェクト—1
133
プロジェクトの
全体概要
赤羽2丁目集合住宅(仮称)は、防火地域に建つ木造4階建ての集合住宅。
高強度な木質接着複合パネルを使用することにより、在来軸組構法建物に比べ開口部が多く、
室内には柱や壁といった構造体が現れず住戸内の平面計画の自由度が高い木造耐火建築の集
合住宅を実現する。なお、外壁、床、屋根など使用する構造体は1時間耐火の大臣認定を取
得済みである。
1階は店舗、2 〜 4 階は 12 戸の賃貸住戸からなる4階建て木造共同住宅の提案である。2
〜 4 階には各階4つの住戸があり、互いに壁を共有せず廊下や屋外階段等を挟んでそれぞれ
が独立した配置となっている。躯体は高強度な木質接着パネルによって作られているため、
●壁量を少なくでき、住戸内に柱や壁が現れず将来の間取り変更にも対応しやすい。
●在来軸組構法と比較すると開口部を多く設けることができる。
基準階平面図
断面図
赤羽の集合住宅プロジェクト—2
134
木造化・木質化の
取り組み
内容
先端性・先進性
●高強度な木質接着複合パネルを使用することにより、在来軸組構法建物よりも窓が多く開
放性の高い木造4階建ての集合住宅を実現する。
●各住戸に現れる耐力壁を少なくできるので、住戸内のプランニングの自由度が高く、将来
的な時代のニーズに合せた間取りの変更にも対応しやすい。
波及性・普及性
●本プロジェクトは、住宅以外の用途に供する中層建物の建築において、一般の設計者や施
工者がハウスメーカーと連携することにより、木質接着パネル工法を採用できる新しい仕
組みを提案する。
●人力での運搬が可能な軽量で高強度の木質接着複合パネルを採用し、また、1時間耐火の
大臣認定を取得した構造体を用いることにより、建て替えの難しい木密地域での中層建築
物の可能性を広げる。
●パネルを外販する仕組みと設計マニュアル等の整備によるオープン化を目指している。
使用する木材、木質建材の特徴
●工場生産の、構造・断熱性能・寸法精度等において高品質な木質接着複合パネルを用いて
いる。
●接着技術により木材の強度を最大限に活かしている。
住宅以外の用途に供する中層建物の新しい仕組みの提案
●新しい仕組みの提案
意匠設計者
現在、ミサワホームグループでは、部材は本社メーカーが生産・
供給し、それをディーラーが各地域の条件に合わせて設計・施工
するシステムを採用している。本プロジェクトは、住宅以外の用
途に供する中層建物の建築において、一般の設計者や施工者がミ
サワホームグループと連携し、木質接着パネル工法を採用する新
しい仕組みを提案する。
構造設計者
ミサワホーム
グループ
構造設計
構造設計協力
パネル生産
施工【躯体工事】
施工【躯体工事以外】
住宅以外の用途に供する中層建物の新しい仕組みの提案
●工場生産による躯体
木質接着複合パネルは、床・屋根・壁を工場にて生産している。
そのため、構造や断熱、製品の寸法精度などに関して、一定の品
質確保がなされている。同時に工期の大幅な短縮にもつながる。
●軽量な躯体パネル
コンクリートや鉄骨、あるいは大断面集成材と異なり、人力運
搬が可能な軽量 (910mm×2,730mm のパネルで重量約 40kgf)・
高強度な木質接着複合パネルは、現場施工性も高く、建て替えの
難しい狭隘な木造密集地域などでも建設可能であり中層耐火建築
物の選択肢を広げるものである。
一般の設計者や施工者にも開かれた生産の仕組みを構築するこ
とで、より一層その可能性が広がる。
躯体パネルの工場生産
●高強度・高品質な躯体で実現する新しい木造建築
高強度な木質接着複合パネルの使用によって、在来軸組構法の
建築物よりも開口部を大きくつくることができ、光や風を充分に
取り込める住環境に優れた木造4階建ての集合住宅が可能とな
る。高強度なパネルの使用は、住戸内には柱や壁といった構造体
が現れず、内部の平面計画の自由度が高いというメリットにもつ
ながる。
構造躯体は耐火被覆材で覆われるため「木」の肌が現れないが、
内部仕上や開口部まわりの造作、共用廊下や屋外階段の手すりや
目隠しで木質化を積極的にはかり、建築のさまざまな部分から街
へと「木」の雰囲気があふれる集合住宅を目指す。
軽量な躯体パネル
赤羽の集合住宅プロジェクト—3
135
施工会社
意匠設計
北面外観(模型写真)
プロジェクト
データ
提案者(事業者・建築主)
、設計者・施工者、建設
赤羽の集合住宅 事業実施体制図
地は扉頁参照
事業の実施体制
設計チーム
建物名称:赤羽2丁目集合住宅(仮称)
統括及び意匠設計 :株式会社KUS一級建築士事務所
建物用途:店舗・共同住宅
構造設計 :株式会社 MID 研究所
設備設計 :長谷川設備計画 長谷川博
構造設計協力 :株式会社ミサワホーム総合研究所
主要構造:■木造( □軸組構法 □枠組壁工法 □丸太組構法 ■その他(木質プレハブ
工法 )
)□鉄骨造 □鉄筋コンクリート
株式会社 KAP
発注者
岩瀬きよ子
(個人)
東京大学生産技術研究所腰原研究室 腰原幹雄
照明プラン :株式会社フォーライツ 稲葉裕
造□鉄骨鉄筋コンクリート造 □その他
防火地域等の区分:■防火地域 □準防火地域 施工会社 :株式会社スリーエフ
□法 22 条区域 □その他の地域
躯体工事 :ミサワホームグループ
パネル生産 :ミサワホームグループ
耐火建築物等の要件:■耐火建築物 □準耐火建築
物(60 分 耐 火 )
□ 準 耐 火 建 築 物(45
分耐火)□その他の建築物
敷地面積: 282.26㎡ 建築面積: 194.25㎡
延べ面積:605.09㎡ 軒 高:13.4m
最高の高さ:15.6m
階 数:地上4階
事業期間:平成 24 年度∼平成 26 年度
補助対象事業:209,200 千円
道路からの外観
補助金額: 44,000 千円
(うち平成 25 年度分 19,650 千円)
事業スケジュール
22. 赤羽
平成24年
平成25年
平成26年
5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7
基本設計
実施
設計
施工期間
136
竣工
着工
赤羽の集合住宅プロジェクト—4
Fly UP