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83号 - 株式会社窪治組
人の和通信 ( 窪治 83号 ) 「モンブラン」と聞いて先ず思い浮かべるのは何でしょう。最近では大方の人が栗のペー ストがタップリのった甘いケーキの「モンブラン」を思い描くのではないでしょうか。 「いや あ、モンブランと言えば何といっても万年筆」という方は少なくなってしまったと思います。 そして本家本元のヨーロッパアルプスの「モンブラン」を連想する方はいったいどのくらい いらっしゃるでしょう。 日本でも雪国からは初雪の便りも届き始めました。それでは、年間を通してその頂が「純 白」で覆われている「モンブラン」としばしお付き合いください。 ① まずはヨーロッパの最高峰 Mont Blanc フランス語で Mont は「山」 、Blanc は「白」。つまり Mont Blanc とは「白い山」のことです。 フランスとイタリアの 国境に位置する、ヨーロ ッパアルプスの最高峰。 標高は 4810.9m。 かつてモンブランは 「魔の山」として恐れら れ、人々を寄せ付けませ んでした。ところが 1786 年 8 月シャモニーの町の猟師「ジャック・パルマ」と医師の「ミッ シェル・パーカル」の二人が「モンブラン」の登頂に成功したのです。 アルプスの 4000m 級の山々の谷間、モンブランの北側にある小さな保養地「シャモニー」 は突然脚光をあびることになりました。静かだった 村にはアルピニストやスキーヤーが次から次へと 訪れるようになり、「シャモニー」はモンブランへ の入り口として 1 年中賑わうようになりました。 なんと今ではロープウェイとエレベーターを乗 り継げば、かつての「魔の山」のすぐそばまで簡単 に行けて、間近に「モンブラン」を見ることが出来 るのです。 ② 次にドイツの高級万年筆 MONTBLANC 最近はボールペンが主流になってしまい、万年筆を使う人は少なくなってしま しました。かつてボールペンは略式。本式には万年筆とされていたようでした。 万年筆のブランドと言えばヨーロッパでは「MONTBLANC」アメリカでは 「PARKER」。どちらかを持っていることがステータスの時代もありまし た。国産でもプラチナ萬年筆、パイロット、セーラー万年筆、などが競っ て万年筆を販売していました。モンブラン社の創業当初の社名は「モンブ ラン」ではなく、「シンプロ・フィラーペン・カンパニ ー」というものでした。当時はインク容器とペン本体が 別々でした。ペン先をインク瓶に浸し署名をするシーン を映画などで見かけたこともあると思います。そこで、 文房具店経営者、銀行家、エンジニアの三人の創業者は ペンをインク容器とペンを一体化させ携帯可能な「万年筆」を開発したの です。三人は「最高の物」には「最高の名前」をと考えヨーロッパ最高峰の山「モンブラン」 を社名とし、キャップトップにはロゴとしても使われている「ホワイト・スター」と呼ばれ る氷河を象った六角形の白いマークを。またペン先にはモンブラン山の標高である「4810」 の刻印がされています。 ③ それではお待ちかね、甘いケーキのモンブラン 先日、NHK の 鑑賞マニュアル「美の壺」という番組 で「モンブラン」がテーマとして取り上られていました。 左の写真のように現在では多種多様な「モンブラン」 が存在します。その素材も定番の「栗」だけでなく様々 です。 小紙前号の主役だった「かぼちゃ」、古くから大学芋や スイートポテトで人気の「さつま芋」、同じさつま芋で すが、色がきれいで最近では素材の芋自体も一般に流通するようになった「むらさき芋」、和 菓子には欠かせない緑鮮やかな「抹茶」など様々な素材がすでに「モンブラン」の定番にな っています。 「モンブラン」は新栗の取れる秋が旬ですが、最近では春は「いちごのモンブラン」、夏は 「マンゴーのモンブラン」なども登場しているようです。 モンブランはその形状にも特徴があり、トップが丸くドーム型をしているのが「フランス 版」鋭く尖っているのは「イタリア版」やや不揃いの栗のペーストの上に栗の甘露煮を乗せ たのが「日本版」なのです。これには理由があります。モンブランはフランスとイタリアの 国境に位置しているのですが、フランス側とイタリア側からでは見え方が違うのです。 フランス フランス側から見たモンブラン は優しいドーム型。その山頂を真 似てマロンクリームが丸みを帯 びた形になっています。上にかけ られた粉砂糖がアルプスの雪を 表しています。 イタリア 日 イタリア側から見たモンブランは 頂上のとがった険しい雪山。高く 積み上げた生クリームは雪に覆わ れた山頂を、ひも状のマロンペー ストは山のふもとに鬱蒼と茂る森 を表しています。 本 黄色の和栗のクリームを和菓子道 具「小田巻」で絞ると、ひも状の クリームが自由に動きまとまらず 広がります。このふわっとしたク リームと頂上の甘露煮。洋と和が 見事に融合されています。 物事の由来を尋ねてみるのも面白いものです。 「温故知新」。今年の締めくくりと、新年に向けて。 窪目修一 編集後記 モンブラン。 行ったことはないですけど、持ってはいます。最近ずっ と見かけないけど。どうしているかしら?たまには使っ てあげないと・・・。じゃあ、一念発起して小説でも・・・ 書くわけないか・・・まして手書きなんて・・・。する と残るは「栗」。これは OK!今年の X’mas ケーキはノ エル型のモンブランなんてどうかしら? おいしそ う! そうだ。お正月の栗きんとんも奮発して「栗」増 量しちゃおうかな?甘みを抑えた栗きんとんに生クリ ームを添えて・・・これぞ洋と和の融合よ! 渡邉由美子 179-0076 東京都練馬区土支田 4-12-22 鳶・土工・建設業 株式会社 窪治組 TEL 03-3925-1773 FAX 03-3925-1796 Mail [email protected] http://kuboharu.jp