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美し、やまなし、パワー! 山梨の女性アーティストたち
1 美し、やまなし、 やまなし、パワー! パワー! 山梨の 山梨の女性アーティストたち 女性アーティストたち 2 〈本展について〉 本展覧会では、山梨県にゆかりのある、明治時代から現代に至るまでの女性アーティストたちに 焦点を当て、さまざまなジャンルの作品を紹介します。 明治時代に帝室技芸員となった南画家の野口小蘋や、大正から昭和時代に女性初の二科会会友と なった洋画家の埴原久和代など、本県には時代をリードした優れた女性アーティストが存在してき ました。しかし一方で、時代背景や社会通念、家庭環境など、様々な原因によって創作活動の継続 を断念せざるを得なかったアーティストも存在したと考えられます。 本展では、そうした時代に「女流」として男性と区別され、制約を受けながらも活動を行った女 性たちの作品や歴史を紹介するほか、男女平等が謳われ始め女性アーティストの立場にも変化が起 こり始めた戦後以降の作品、そして新しい表現や技術を通して 2000 年代に活躍する作家の作品など を展示します。油彩や日本画など明治時代までに確立したジャンルの他にも、空間との関係性に立 脚した立体作品やインスタレーション作品、マンガやデザインといった現代社会において極めて重 要になってきている表現手法による作品なども展示することで、時代とともに変化していく芸術表 現についても紹介します。 女性アーティストという切り口で美術作品や美術史を再考する展覧会は、日本では 90 年代以降い くつか開催されています。県立美術館では 30 数年にわたる歩みの中で、 「山梨県新人選抜展(のち 山梨県新進作家選抜展) 」や「山梨の近代美術」、 「山梨の現代作家たち」などのグループ展や「生誕 100 年 萩原英雄」といった個展によって、郷土の芸術家たちを多数紹介してきました。しかし、女 性アーティストの歴史と作品をテーマとした展覧会は初の開催となります。 個性的でダイナミックなパワーに満ちた約 80 点の作品を通して、多様な山梨芸術の一面を紹介し ます。 3 〈開催概要〉 名 称 : 美し、やまなし、パワー! 山梨の女性アーティストたち 会 場 : 山梨県立美術館 南館 2 階 特別展示室 会 期 : 2016 年 6 月 25 日(土)~8 月 21 日(日) 休 館 日 : 月曜日 ※7 月 18 日(月)・8 月 8 日(月)・15 日(月)を除く 開 館 時 間 : 9:00~17:00(入館は 16:30 まで) 主 催 : 山梨県立美術館 後 援 : 山梨日日新聞社・山梨放送、テレビ山梨、テレビ朝日甲府支局、朝日新聞甲府 総局、毎日新聞甲府支局、読売新聞甲府支局、日本経済新聞社甲府支局、産経新聞社甲府支局、 共同通信社甲府支局、時事通信社甲府支局、山梨新報社、日本ネットワークサービス、エフエム 富士、エフエム甲府、女流画家協会 協 力 : 山梨交通株式会社 〈観覧料〉 一般:1,000 円(840 円)、大学生:500 円(420 円) 高校生以下の児童・生徒は無料となります。 *( )内は 20 名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金 *山梨県内在住の 65 歳以上の方は無料(健康保険証等持参) *障害者手帳をご持参の方は、ご本人と介護の方 1 名が無料 *前売券は山梨県立美術館にて、 5 月 25 日(水)~6 月 24 日(金)まで販売 〈オープニングセレモニー&プレスツアー〉 【オープニングセレモニー】 日時:6 月 24 日(金)午後 2:00~ 場所:県立美術館 講堂(旧、総合実習室) 【プレスツアー】 日時:6 月 24 日(金)午後 1:00~1:45 場所:県立美術館 特別展示室入口 4 第 1 章: 「女流」の時代 明治時代から昭和時代にかけて活躍した、山梨県にゆかりのある女性アーティストの作品を中心に 展示します。当時は「女流」として男性作家から区別され、アーティストとして生きることがきわ めて難しい時代でした。おそらくごく一部の女性たちにしか道は開かれておらず、また現在知られ ているよりも多くの女性たちが作品を制作していたとしても、作品が残ることは少なかったのでは ないかと考えられます。第 1 章では、そのような困難な時代に作家への道を切り拓いた女性たちに よる日本画や油彩を展示します。 野口小蘋 埴原久和代 《西王母図》1890 年 《無題(臨海風景) 》1929 年 絹本着色 油彩・麻布 株式会社十一屋蔵 山梨県立美術館蔵 5 第 2 章: 戦後から現代へ おもに第二次世界大戦以降から現代にかけて活躍してきた、山梨県にゆかりのある女性アーティス トによる作品を展示します。第 1 章の作家たちが生きた時代と比較すれば、戦後以降、女性が活躍 できる場は格段に増え、作家としての立場を貫くことも不可能ではなくなりました。その変化は自 然に訪れたのではなく、作家ひとりひとりの個人的な挑戦があったからこその成果でしょう。結婚 や出産などの大きなライフイベントを迎えながら制作を続けるアーティスト、日本の枠から出て海 外で活躍するアーティスト、後進たちの育成や地域の文化振興のために尽力するアーティストなど、 さまざまな人生に裏打ちされて制作が継続されました。第 2 章では、油彩、日本画、版画、立体の ジャンルごとに展示を行います。草花や動物といった日常生活を思わせるモチーフが目立ちますが、 そのような身近なものに対する鋭い観察の中に、作品に昇華されうるような普遍性を見出した作家 が多いと言えるでしょう。 佐野智子《原》1962 年 油彩・麻布 韮崎 韮崎大村美術館蔵 鈴木美江《春宵》1990 年 紙本着色 山梨県立美術館蔵 窪咲子《循環》1995 年 堀内洋子《夏の名残り》 合板、断熱材、和紙、アクリル絵の具、顔料 作者蔵 2012 年 油彩・麻布 作者蔵 6 第 3 章: 女性へのまなざし 芸術と女性の関係を考える際に、作家としての女性という側面の他に、もうひとつの重要な面が存 在すると考えられます。それは、作品のテーマやモチーフとしての女性です。女性は古くから様々 な地域の造形表現のモチーフとして用いられ、そこには様々な意味が付されてきました。それらは、 多産や豊穣、繁栄、美、芸術、純潔、貞節、善といったものから、儚さ、脆さ、そして誘惑や官能、 悪といったものまで、じつに多岐にわたります。第 3 章では山梨県ゆかりの女性アーティストが手 がけた、女性がモチーフとなった作品を展示します。 小川リヱ《アダムとイヴ》 2008 年 油彩・麻布 作者蔵 松田百合子《La prière》 1988 年 陶 作者蔵 7 第 4 章: 表現の可能性 近年、すでに確立されたジャンルに分類されるような作品だけでなく、インスタレーションやデザ イン、マンガといった、新たに芸術のジャンルとして認知されるようになった表現手法による作品 や、複数の要素を併せ持ち既存のジャンルに分類することが難しいような作品、また、伝統的な技 法を用いながらも新しい表現を追究している作品などが数多く登場しています。第 4 章では、山本 鈴美香『エースをねらえ!』や、プロダクトデザイナー・柴田文江によるソファなど、ジャンルに とらわれない様々な作品を展示し、新しい表現の可能性について紹介します。 丸山純子《無音花畑》 秋山泉《静物ⅩⅣ-2012》 インスタレーション・レジ袋、ワイヤーなど 2012 年 作者蔵 鉛筆・紙 作者蔵 8 関連イベント ※日時やタイトルは、変更になる可能性がございます。 記念講演会「日本の女性アーティストたち、その評価の歴史と活動について」 講師 小勝禮子氏(近現代美術研究、ジェンダー論。前栃木県立美術館学芸課長) 日時 6 月 25 日(土)14:00~15:30 場所 県立美術館講堂 ※申し込み不要、聴講無料 銅版画の刷り実演とギャラリー・トーク 銅版画家のナカノ163氏による、銅版画の一版多色刷りの実演とギャラリー・トーク。 講師 ナカノ163氏(本展出品作家) 日時 7 月 3 日(日)13:30~15:00 場所 県立美術館工房、特別展示室 ミュージアム・シアター「劇場版 ※申し込み不要、参加無料 エースをねらえ!」(アニメーション・1979 年) 日時 7 月 16 日(土)13:30~(約 88 分) 場所 県立美術館講堂 ※申し込み不要、入場無料 みんなでつくる美術館ワークショップ「音の色、音の形 ~図工オーケストラ~」 音を探して、その音の色や形をいろんな素材で作って展示します。 講師 丸山純子氏(本展出品作家) 日時 7 月 29 日(金)13:30~15:30 場所 県立美術館ワークショップ室 大人のための美術講座 ※申し込み不要、参加無料 「美術史と女性(仮題)」 日時 8 月 14 日(日)13:30~14:00 場所 県立美術館講堂 ※申し込み不要、聴講無料 担当学芸員によるギャラリー・トーク 日時 8 月 14 日(日)14:30~ 場所 県立美術館特別展示室 ※特別展チケットが必要です。 9 【交通アクセス】 ●中央自動車道甲府昭和インターチェンジより ・料金所を昇仙峡・湯村方面へ出て 200m 先を左折、徳行立体南交差点左折、 アルプス通りを約 2km 直進、貢川交番前交差点を左折、国道 52 号を約 1km 左側。 (駐車場:乗用車 345 台、バス 16 台、障害者専用 6 台 いずれも無料) ●JR 中央本線甲府駅より ・甲府駅バスターミナル(南口)より御勅使・竜王駅経由敷島営業所・大草経由韮崎駅・貢 川団地各行きのバスで約 15 分、「県立美術館」下車。 ・タクシーで約 15 分(料金 1,700 円程度) ●昇仙峡より ・敷島営業所行バスで「県立美術館」下車。 【お問合せ先】 〒400-0065 山梨県甲府市貢川 1-4-27 TEL:055-228-3322 FAX:055-228-3324 ●取材等の問合せ 山梨県立美術館 指定管理者 広報担当:五味(ゴミ) SPS・桔梗屋グループ 金原(キンパラ) ●展覧会内容・画像使用に関する問合せ 山梨県立美術館学芸課:森川(モリカワ)、高野(タカノ)