Comments
Description
Transcript
資料No.5 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階爆発に関する疑問
資料 No.5 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階爆発に関する疑問 1.4階(5階)の爆発による爆風は、開口部から3階以下には達しないのか 【動画:6:00~6:30、写真:11、18】 2.ダクトは内部からの爆発により膨れるているところと、外部からの圧で凹 んでいるところがあるが、その関連を検討するべきでは 【動画:15:30~16:00、写真:35、36、37】 3.爆風によって、4階天井や梁のモルタルは剥げるのか(鉄骨や鉄筋が見え ているのは5階天井の落下によるものか) 【動画:21:30~22:30、写真:62、67、70】 4.IC タンクの北側と南側での損傷の違い(南側で損傷が激しいのは) 【動画:26:30~27:00、写真:76】 5.IC タンク(及び天井ダクト)から見た爆発の方向(右から左) 【動画:36:40~37:00、写真:69、71、72】 6.4階南側通路の3つある蛍光灯が、真ん中だけ割れていないのは何故か。 【動画:38:30~39:00、写真:115、116】 7.ダクトのサポート(支持)状況の確認が必要 【動画:22:00~24:00、写真:62、69】 資料 No.5 福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階爆発に関する疑問(対応状況) 1.4階(5階)の爆発による爆風は、開口部から3階以下には達しないのか →[考察] :爆風はそれほど強くなく、3階以下は水素の濃度も低かったため、 損傷がほとんど見受けられない。 (田中)議事録 P4 蓋が閉まっていたことを考えた時に爆発を4階で考えた方がいいのでは、東京電力は 5階での爆風が大物搬入口から吹き込んで4階がやられているという話をしている。そ れならば(開口部となっている)3階2階1階へも爆風が行くのではないか。 (緒方)P8 爆風としては多分そんなに大きな爆風ではなくて、どちらかというと爆発という燃焼 がそのまま伝わったのではないかという気がしています。 濃度が多分均一であるという事はまずありえないので、そういう意味では下のほうは 非常に薄くて燃焼がなかったのかなというのも考えられないことはないと思います。 2.ダクトは内部からの爆発により膨れているところと外部からの圧で凹んで いるところがあるが、その関連を検討するべきでは →[考察]:ダクト内の状況による(擾乱及び負圧) (緒方)P33、19 真ん中のところ継ぎ目があるが、その横から燃焼が伝わってきたらそこで擾乱が起き て威力が大きくなるのです。その影響で外れて、中が燃えた後負圧になってこういう状 態になったとも考えられるし、反対側抜けなかったので破裂したという気もしますし、 想像としては中でそういう燃焼とか爆発が起きたのかなとは思われます。 中でもし爆発が起きてそれが急激に冷えると負圧になります。少なくとも内側のほう の圧力が外側よりも小さかったというのは間違いない現象でして、負圧になって潰れた のかなという気がします。 (藤澤)P31 最初どこかで内部で爆発という事もありますけど、結構速い速度で爆風が流れて行っ て、それで耐え切れないところまで行ったところで破裂すると。破裂した後は速度が増 速しますから負圧が出て、こういうふうに圧縮された状態になるのではないでしょうか。 3.爆風によって、4階天井や梁のモルタルは剥げるのか(鉄骨や鉄筋が見え ているのは5階天井の落下によるものか) →[考察] :爆風原因とは考えにくい。5階からの圧力の可能性が高い(天井 落下を含む)。 (緒方)P23 基本的にはガスの爆発でこれくらい厚いコンクリートだと、それで壊れるということ は非常に考えにくいのではないか。表面が剥げているということですので、上からそう いう衝撃が掛かってスポールが起きたのかなというのが一番考え方が近いとは思います。 4階でもし爆発が起きたら、いわゆる圧縮の波になるはず。コンクリートはどうして も引っ張りに弱いので、そういう意味では多分持つだろうと思う。ガスの爆発に対して。 4.IC タンクの北側と南側での損傷の違い(南側で損傷が激しいのは) →[考察]:水素の濃度のばらつきによる。 (緒方)P8 多分水素は量的には大きいのですが、どこかの1点で着火して燃焼を、爆発というの はかなり難しい条件だと思っていて、たぶんここも通路も含めて4階も5階も水素があ って、どこかで着火して、それが燃焼が伝わっていって爆発現象になったということ。 (鈴木)P8 その建屋の空間に水素の濃度のバラつきがありましたと。あるところで可燃限界に達 したところで燃焼が生じて、他に伝わっていって、あるところでは急激な燃焼、つまり 爆発を起こしたけど別なところでは単なる爆燃といいますか、あまり圧力の急激な上昇 を伴わないような燃焼で終わったと。 5.IC タンク(及び天井ダクト)から見た爆発の方向(右から左) →[考察]:4.と同じ 6.4階南側通路の3つある蛍光灯が、真ん中だけ割れていないのは何故か。 →[考察]:原因は不明だが、高圧の水蒸気が通過したためとも推察される。 (増井 東京電力)P47 3つある蛍光灯のうち大物搬入口側に近い側、階段に近い側が落ちていて、真ん中だ け生き残っているという事は、大物搬入口というのは爆発ないし爆風の事象で影響を受 けている、一方階段に近い側は階段自体もやはり開口部になっているので、そこから風 が吹いてきて落ちたのではないかと思います。 (鈴木)P48 参考になるのは2号機5階。2号機の5階は高温のガス(水蒸気、水素)が噴き出し て、水素爆発はしていないので、1号機内部はこれと似た感じになっている。つまり、 高温の水蒸気が噴き抜けていきでこうなったというふうに見ることができる。というこ とは4階には相当高温の水蒸気が噴き抜けて行ったという1つの証拠だと。 (増井 東京電力)P48 その事故後時間が経過して、しばらくは建屋はカバーもなかった状態で、水分が入り やすい状態だったので、それで湿度が上がって塗膜が剥がれたという可能性はないと…。 (鈴木)P49 というふうに考えると、壁全体にこうなっていていいはずなのだけど、上のほうだけ。 ですから高温のガスが通って行って、短時間でこうなったという推理が成り立つと思う。 特に2号機5階の様子はこれとよく似た状況が見えます。 7.ダクトのサポート(支持)状況の確認が必要 →(議論せず) 追加1.大物搬入口の蓋は横からの風で飛ぶのか。 →[考察]:5階の爆風だけが原因では考えにくい。4階でも爆発が起こり、 それが蓋を上に押し上げたという想定が考えやすい(ウインチに 引っ張られたことをも含む)。 (田中)P59 (爆風が5階から)上から来た場合、ここに鉄板の壁があり、そこにウィンチをそこで 支えている。そうすると爆発が起きた時にこの西壁がすっ飛んでしまいます。そうする とこの蓋を開くように動作したと(東京電力は)おっしゃるのですけど、ここは圧力が かかって引っ張るので、結局このロープが衝撃力に耐えられず切れると思う。だから蓋 が開く暇があったらば、開けられなくてロープが切れるだろうと。 (緒方)P59 多分先生のご指摘どおりだと思っていまして、当然圧力は均等にかかっているはずで すので、蓋自体も上から圧力がかかっているという想定のほうが正しいと思います。 (た だ薄いやつで全体で受けると飛ばないことはないと思うが、ただ上からだとどうかなと いう気がして、下からだともちろん上がっていくとは思うのですけど。 ) 追加2.着火地点(階)について →[考察] :東京電力の主張(5階の金属着火)は難しい。電気のスパークが 一番考えやすいが、確証はない。 (緒方)P9 金属が落ちて着火する、いわゆる火花着火というのも考えられないことはないが、火 花着火というのは基本的には非常に温度が低く点きにくいだろうと。難しいのだが、電 気の火花、いわゆるスパークで点くというのが一般的には一番考えやすいと思います。 (ただ、配電盤がどこまであったとか、そういうのがわからないとどこでスパークが飛 んだかというのはわかりにくいのではないか。) (緒方)P38 (水素は)上に上がってきて、空気と混ざって対流が起きるのだと思いますけど、それ に合わせて多分4階に繋がっていれば4階に行っても別におかしくはないと、あくまで も想像だが、可能性としては4階になかったという事は言えないと思います。 (緒方)P32 着火源という問題があるので、可能性としては4階のほうに近い。4階でも爆発現象 は起きているのが推定できる。5階だけではなく、少なくとも4階でも爆発は起きている。 追加3.IC 蒸気管ベント弁の動作について (増井 東京電力)P57 AO弁なので、空気の供給がなくなるとこの弁が閉まる。 追加4.トップフランジ脇のダクトから4階ダクトへの流入の可能性 →[考察]:ダクト内が爆発していることから流入の可能性が高い。ただし、 それ以外の範囲の爆発は対流による水素の攪拌も考えられる。 (市川 広報監)P39 トップヘッドフランジから水素が漏れてきただろうということで、トップヘッドフラ ンジに一番近い排風機ダクトが繋がっているが、ここの状態はどうなっていたか。 (増井 東京電力)P39 定検中はここのウェルに水を張るので水が漏れてこないような形になっていて、この 弁は通常運転中は通常は開いていて、AO弁なのでエアーがなくなったら閉まるという 構造。3月11日は電源がなくなってエアーが供給されなくなるというような状態だっ たと認識していますので、おそらく弁は閉まっていたのだろうというような状況です。 (緒方)P38 (水素は)上に上がってきて、空気と混ざって対流が起きるのだと思いますけど、それ に合わせて多分4階に繋がっていれば4階に行っても別におかしくはないと、あくまで も想像だが、可能性としては4階になかったという事は言えないと思います。