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作文指導展開の 一 例とその反省

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作文指導展開の 一 例とその反省
目
次
口
本校ではその時点まで作文指導を体系的に行なったことはありま
のです。
こうして﹁作文指導﹂のことがわたしたちの念頭に強く浮んできた
何らかの方法をとらなければならないと意見を一致させたのです.
きわたしたろは'二十回生の国語力が予想外に低いことを発見し、
方式でオ-エンテ-シmンを始めたときにさかのぼりますOそのと
国語﹂の学習指導を組塙的・系統的に試みようと企画し'課題学習
そもそもの発端は'一昨年(四十年)四月、わたしたちが﹁現代
論的に可能範囲を探索してきた研究報告も兼ねています。
ますが、同時にわたしたち担当者が﹁場の現実﹂を基盤にして方法
して二年余にわたり作文指導を重ねてきた実践報告を中心としてい
これから申し述べます小論は、本校二十回生五百六十名を対象と
はじめに
I
i
i
i
i
a
i^j思文 よ- 文 へ -
高等学校における
・作文指導展開の一例七その反省
はじめに
一、学校と生徒
二、組織と原則
三、指導展開
1、実態把握
2、表記問題と文の組み立て (短作文)
3'文章叙述(長作文)と主題・構成
4'構想と三段構成
5'主題・構想・叙述
2 生徒の声(アンケート)
四、付録 1 作文指導一覧・
五、あすのために
せんでした。感想文や日記などを散発的に書かせることや、三年生
-10-
の年間授業時数の十分の二以上を作文学習(注1)に充当するのが
ませんでした。三十八年,改訂指導要領が実施されて﹁現代風語﹂
したが、ことさらな作文指導の必要性をそう強く感じる事情はあり
の就職希望者を対象にして集中的に作文指導を行なうことはありま
じます。
申し述べてまいります。肢正な御叱正を賜わりますならば幸甚に存
を起こしたのです。以下試行錯誤的な'稚拙な試みと歩みのほどを
国語力の実態をたしかめよ﹂と四十年の四月下旬、作文指導の行動
わたしたちは意見を一致させたのです。こうして、まず、﹁生徒の
七'次第に男女の差が間-傾向にありますが'昨年と本年は変化し
生徒数は千五百三十四名。三十一学級、男女比は六十三対三十
道三によって寸断されていますO
ります。また'学校の南北周辺は、田の苅西を結ぶ幹線道路二、鉄
る港湾施設へ重工業施設は近年本校の南部一帯まで拡大されつつあ
枢部に属し、中央商店街、官庁街になっていますLtそこに梢接す
側で'住宅地域にあり比較的閑静ですが、校区の西端は神戸市の中
本校の所在地は神戸市東醒区御影町。神戸市の東部へ芦屋市の西
になっています。
ますoこれによって各校の生徒の資質はそれぞれの特徴を生む傾向
本校は神戸層1学区を校区にしています。同学区内には他に四校
の全日制公立普通科高校があり、それぞれ単独選抜方式を採ってい
の実感をたしかめてみたいと思います。
ものです.そして何かを試みる場合、それに適応した方法をとろう
と工夫するものです。以下しばらく諸種の調査を集めてわたしたち
わたしたち教師は、体験的に生徒の資質と傾向を感じとっている
一'学校と生徒
2、兵庫国漢十三号'p39に年間進度状況を示しています。
⑳1、作文の領域が問題になりますが、ここでは触れません。
望ましいということになりました。わたしたちは衝撃は受けました
いろいろな田難をかかえていました.戯大の障害は﹁時間がない﹂
ものの'早急に作文を﹁現代国語﹂の指導計画の中におりこむには
ということでした。生徒にも時間がありませんでしたし'わたした
ちにもありませんでした。改訂指導要領では﹁現代国語﹂の履習は
七単位を標準とすることになっていますから、三年間に二百四十五
時間(標準時数と呼びます)の屈習時間があることになります。本
校の教育課程表には基本的には八単位が示されていますから三年間
の総時数は二百八十時間になるはずです。ところがへ現実の授業場
面になりますと'古文や漢文の学習指導・学校行事などの問題がか
らんできますから'﹁現代国語﹂の実授業時数は、標準時数の三分
の二をわずか上回る程度において得られるということになってしま
います。この限られ、削られた時間(注2)の十分の二以上を作文
にあてることは非常に困難なことにならざるを得ません.しかし、
このような現実的に困難な事情があるにしま七ても二十回生には'
作文指導を避けて通ることも許されないほど国語力が不足している
とわたしたちは1様に感じとったのです.わたしたちにとっては組
紙的・系統的な指導法が、生徒にとっては'主体的・総合的な学習
法が'﹁現代国語﹂学習指導の場に確保される必要があるのではな
いか、そのためには作文指導も可能な限りの方法と昭囲を研究する
ことによって'実施しなければならないのではないか、このように
-ll-
次の図表一は生徒の家庭調査の1部です。
いての調査
2'三十七年より四十1年までの卒業生につ
⑳ 1、二十五周年記念誌より
次の図表三と四は卒共生、大学進学者を学部別にまとめたもので
Y
S
i
n 子
ていません。
⑳ 学校要覧より
薗mm.
女 子
後述しますように作文指導で論説文を重視しなければならないと
ていいと思います。
校の卒業生の大部分は実務的方面に将来の進路を定めていると考え
直してみましても五年間'二百六十名ぐらいにすぎませんので'本
て多数のようにみえますが'その中には短大進学者も含み、実数に
女子の文学部へ社会学部への進学者は女子全体の四十九%を占め
田去 4
わたしたちが知っていたことに基づきます。
考えましたのは、右のEa表一∼四の調査資料で明らかになる事情を
12
つまり、約七割までが大阪'神戸に勤務するサラ--マンの子弟
本校生の過去五年間の進路状況を図表二で示します。
◎ 1、進路部調査より
2、その他は'浪人
または家事従事
&-
他
ということになります。
図 表 2
二十回生の資質とその学習面への反映を図表五でみます。
2、成積調査は三年1学期分
⑳ 1'知能指数調査は一年時東大AS式
ほぼおなじ。
男子ほてれくさいのかどうか、図表でみるかぎり圧倒的に受動型
を示しています。わたしたちの指導はどうしても時間をかけ、懇切
を極めてやらなければならな-なってくるのです。
もう一つ、二十回生が二年時、一週間の学習時問のうち、三割か
ら四割の時間配当をしていた学科は何か、図表七でみます。
注、二十五周年記念誌より。
このEB表から'国語に関する特別の学習をさせるためには'時間
を生み出させる何らかの工夫をしてやらなければならないという考
以上、わたしたちが指導法を具体的に考える場合の資料を不Lt
えになってしまうのです。
二'組織と原則
それから引き出される判断を若干明らかにしました。
L
.
.
.
I
.
.
'
:
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わたしたちの作文指導は 学年全員、五百六十名を対象に行なう
ものだけに'個人的プレーは成り立ちませんOそこでわたしたち
は,いかなることがあっても二十回生の﹁現代国語﹂の学習指導は'
学年﹁国語科﹂担当の三名だけで行なうことをまず決意しました。
経験との差を生かし、指導者I、推進者二の粗相を作りました.描
年時より三十才代が二十才代に変わりました。この年齢差と学識、
三名の年齢構成は、当初、四十才代一﹂二十才-四+才二でしたが二
4、 〇でかこんだのは、女子が圧倒的に多い場合。
3、 △印は男子が多い場合。・
5、 質問事項は﹁本校の生徒全般についてどう思いますか。﹂
-13-
成紙俊良者も不振者も指数百十∼百一十の所に集中しています。
これは生徒の性格が学習成績に強く影響していることを示している
と考えるべきだと思います。
◎1'
項
2、 二十回生、男女合計の比率で、印のないのは'男女比が
二十五周年記念誌より。
生符は、自分の性格をどうみているか'図表六に示します。
悶」6
せんでしたo推進者の企画、立案は指導者によって是正、確認さ
導者は校務その他に多忙を極め、推進者は経験を豊かに持っていま
でしたが、第六項以下は逐次整備していったのです。
したのではありません.第1項から第五項までは当初に決定したの
以上十項目ですが、しかし'この十項の原則をみな当初から設定
ますo理由は、構想と叙述の統一が非常に弱かったからですo
ロ、考えはしましたが実行しなかったことに﹁構想練習﹂があり
に代えました。(注6)
め'誤った部分を生徒自身に訂正させ、再閲を求めさせる方法
文では、誤った箇所の指摘とその原因を不してやるだけにとど
イ'第1回作文は放正、細密に添削を加えたのですが、第二回作
第十項の﹁その他の処置﹂とは次のようなものです。
ことにしました。
性を感じ、基準細目を定めてそれに従って第四回作文から評価する
の実態が複雑化してきているのを確認し、﹁評価基準﹂設定の必要
した。しかし'第三回作文の資料整備が終了したとき、生徒の作文
四十点、戯低二十点の平常点配点.担当者三名の比例配分o﹂としま
第九項に関しては'当初へ ﹁a・ja・O.>aの四段階評価へ塁尚
の連係指導が可能になり、二年時には定期考査の問題に取り入れる
<
*
>
)
までに発展し'以後いろいろと工夫しました。(注5)
第八項に関しては'一年時後半からようや-﹁現代国語﹂学習と
たからです。
行なったときです.その必要性と可能性を認め、客観的資料も整っ
(注3)
第七項﹁論説文﹂を目標に確定したのは第三回作文の資料編集を
集はありません。
の必要性を認めて原則としたものです.従って、第1回作文の資料
第六項﹁資料集の作成﹂は'第二回作文を点検していたときにそ
れ'それから後は三名共同して実施しました。この人的構成の通切
さとチ﹂ム・ワークの堅さがあったため、わたしたちは組縛的、体
系的に作文指導を行なうことができたのだと思います。
開削一
わたしたちは﹁作文指導﹂の原則を次のようにきめ'実施に移し
ました。
を諾かせ'各自の作文力進展の状況がわかるようにすること。
1、装頓のしっかりした百ページ輝度の作文帳に課題作文の全部
① (注1)。作文指導の方向へ進度は'生徒の国語力の実態に
応じて決定すること。
ること。
3 原則として、作文は、春休み'夏休みなどの休暇時に書かせ
(注2)
4 読むべき本を指定し、それに資料を求めて古かせることO
⑤、適切で'徹底した添削指導を行なうこと。
⑥、﹁作文資料集﹂を作ってその時点における問題点を明らかに
Lt これに基づいて指導計画を立てること。
7'二十回生に対する作文指導の目標を﹁論説文の完成﹂におく
こと。この場合、三段構成を基本型にすること。
8'作文学習をできるだけ﹁現代国語﹂の読解学習に開通させ'
教科書の作文単刀を効果的に利用すること0
9、評価方法を統tすること。
10、生徒の実態に応じて適切な処置をすることo
- 14-
構想をそのまま叙述化する過程を学習させるとき、構想の練習
も行なわせた方がよいと判断したからですO (注7)
◎1、〇印をつけた項は'特に基本的なものです0
2㌧Uれは、読古不足の解消。読宙習慣の賛成も勘案して
◎1、以下、引用は次のように略記します。
KQ
ィ、﹁--&-cux﹂は﹁資料集1-Ⅳの何ページ﹂の
ロへ﹁兵国PX﹂は﹁兵蹄国漢十三号の何ページ﹂の意0
﹁現代国語﹂巻一∼巻三の単元二のH﹁題目﹂﹄
ハ'﹃教二∼三。単二、のH﹁題目﹂﹄は﹃三省堂、
の意。
のことです。
3 本稿第〓卑 図表ニー四に関連。
学習のオリエンテ-シmンで二十回生の国語力不足に気付いたこ
ねらいは、読容能力'作文能力の実態調査.動機は、﹁現代国語﹂
ヘミングウェイ(福田恒存訳)﹁教1、単二の臼-の読書感想文。
t年時四月下旬 - 五月上旬の連休時o課題は、﹁老人と悔﹂-
< :蝣蝣:::.上
1、実態把握(第一回作文)
付録としてまとめます。
2、それぞれの場合の指導事例の一覧は、本章の末尾に
4,兵肺国技 十三号、p二十七、二十八0
5 ホht'-^T三ォ・ 指噂腿間に詳述。
6,中等教育資料首六十三号・p二十三O練習的な学習
7'前同。
三 指導展開
わたしたちの作文指導は'現実に作文(長作文)を宙かせたこと
に限定しますと'二十回生の入学以来、現在までに五回になりま
す。それらを中心に指導展開の概要を申し述べたいと思います。そ
れぞれの時期・学年・目標は次の図表八の通りです。
と。事前指導はしていませんo
提出された作文を見て'わたしたち一同呆然自失。その間の事情
B
'
.
.
i
T
・
.
i
L
L
i
.
を資料集Iから引用します0
の雷き出し方﹂へ ﹁行のかえ方﹂、﹁段落の切り方﹂へ ﹁句読点の
- その作文を読みながら強く感じたことは、現1年生には、﹁作
文以前﹂の問題が少しも解決されていないということだった。﹁文
い。誤字'脱字'あて字など文字の使用が乱れている。格の呼応'
打ち方﹂'﹁諸記号の使い方﹂など文事作法の去本が守られていな
-15-
接続の方法、文意の1貰性など文の組み立て方が理解されていない。
極言すればl個のセンテンスが国語の文苛としての姿と格調を与え
られていなかったのである。内容理解の深浅、論旨の発展、展開の
可否へ主題把捉とその提示に関する当否など作文指導で通常行なわ
れることがらに触れようとしても触れられなかったのである。われ
われは﹁作文以前﹂の問題、つまり表記法の問題から改めて指導を
始めなければならないことに気づき、長嘆息をもらしてしまったの
である。1(注、資 -Ok-1)
c I矧圃[
⑳ 四クラス分
右のような状態でしたから表記法の当否に基準を置いて評価しま
したが'その結果は図表九の通りです。
・
U
-
中 学 時 代
◎後述アンケートより
Q KSH
まず一人1人の作文に厳正・細密な添削・批評を加えて返却しま
したが この作業は1学期中続きましたo ﹁時間に二人分を見るの
ておりにふれて言及し、夏休みの課迫を示唆しました。そして'さ
がようや-のことでした。次に﹁現国﹂の授業中[作文欠陥につい
らに読串指導に開通して'教一・単二の二﹁新しい読宙﹂-阪本丁
^
*
・
'
*
・
"
.
2'表記問題と文の組み立て (短作文)
那-を読解学習し、本の読み方からも指導を加えました。
・
第t回作文の添削・批評を個人別に完了し、第二回作文の課題を
① 三四郎(滑石)、阿部I旅(鴎外)へ破戒(藤村)へおめで
一年時の夏休みに出しました。その要項は'
たき人(実篤) のうちから1つを選び.読古感想文を宙-こと。
① 夏休みの生活記録、三日分を書くこと。
ねらいは、﹁作文以前﹂の問題を解消させることが主で、それに
の二箇条でした。
加えて敬二・単冗二の0﹁新しい読召﹂の内容的実践を求めるこ
とに置きましたo
B f矧風樹f
第二回作文を点検し'あらためてわかったことは、次の通りでし
た。
いない。
① 生徒は、個人別に加えた添削・批評を充分には消化しきって
② ﹁文の書き出し﹂、﹁改行の方法﹂'﹁句読点の打ち方﹂な
-16-
・二リー, - -蝣;f-j 蝣ォ
jy
㌃㌃Tr。
つまり'九十%までは﹁作文以前﹂の段階にあったわけです。次
の図表十の事情をわれわれは知らなかったのです。
図表10
どには進歩がみられるが'用字法・文の組み立て方などには'
までは﹁文章読解﹂に重大な支障の生じる懸念が強い。
椎敵、苦心の跡がないo
㊥ ﹁学歴十年﹂の生徒の宙-国語の文とは受仇取れず、このま
-
-
-
-
◎ 新しい、徹底した指導法を打ち出さなければならない。
0
評価糸準は前回同様、表記法上の問題点に置きましたが'表現
珊一aLPTT
m f-X M
同じ四クラス
◎ 対象は第一回に
法 - 文の組み立ての当否も加味しました.図表十が評価結果です。
.10
画一
表
これによりますと'表記法・表現法 - 文の組み立て・1の段階
に低迷する者が、まだ六割弱もいることになりますが'叙述法の段
階へ指導重点を進め得る者も四割程度にふえてきたことになりま
す。
そこで、次のように処置をすることを相談しました。
D︰.・ユい I/
① 誤った作文例を集め'誤っている現象やその原因を指摘した
﹁作文資料集﹂を作りへ全員に配布して二十回生会員の共通問
題として検討させよう。
◎ 個人別.63添削に関しては、作文例の誤った箇所を指摘し'あ
るいは重大な欠陥原因を指示するだけにとどめ、添削自体は生
徒自身の手によって考察させ、再閲を求めさせよう。
◎ ﹁現代国語﹂の学習指導において'教・1・単元七の日、
﹁青い目の太郎冠者﹂の指導重点を﹁悪文﹂是正に切り替えよう0
ています。
⑳ 同単元の四﹁モゴール族探検﹂においても関連指導をし
E L旧聞l
第二回作文の点検へ評価の結果、表記法l表現法l叙述法と
いう1亀の遺がようや-見えてきたことになります.第三回作文は
事後指導の⑧生徒自身の﹁恋文補正﹂は﹁文の組み立て﹂の練習
この筋道に沿って進めることになります。
J
S
J
H
j
・
L
^
l
◎ 中等教育資料百六十三号t p二十三
的学習(荏)として課したのですがへ その徹底度については後述L
*
資料集Iの内容を次に摘記します.
o
o
o
°
ィ、よみ方のみにあわせて書いた誤字
1、文字の音・訓など読み方に従って字義を忘れた例
1'文字の誤り(注、。印が誤字)
.
三十八例。
O
i
j
辺事(近)へ大鵬(盟)、決局(結)、以外な(悲) など
O
ロ、字画を無視した誤字
有意議(義)、不輸快(愉)'故哲(那)--など十七例。
:*^^^^^^^^^^H*^^^^^^H^^^K^^^Bl
2、字画が似通っ七いるために、偏へ勇などをあいまいにした
.
例
O
九時傾(頃)、自巳(己)へ禁標(煙)-Iなど三十1例0
O
O
3、字義が似ているためにあてた例o
O
走早に (足)、取らえる (醍)'眠まき(痩) など七例O.
17
VA
4'5'6--省略。
-'必要語の脱落による誤り
二へ文の誤り(注、文疎の⑧は文例番号)
・
<
-
-
H
・
=
p
H
1
-
揃 正 文
ィ、必要語の脱落(十七例)
原 文
I
I
-
り
っ
い
( r-
蝣L-工∵ ∵∵71-'.':(い上)
節
ホ、必要文
り(いろいろ)関係(連)して ハ、必要語
(語の筋は発展して)行-のか 二、必要文
節
と思って読んでいたが'最後ま
の女が三四郎と1緒に行動をと
⑤汽車の中の爺さんと ⑤(この小説は'三四郎と)汽車 ィ、文節主
女との会話から始ま の中の爺さんと (や)女との会
語
話から始まるが'(ので)、こ ロ、必要文
節
るがt.この女が三四
郎とl緒に行動をと
り'この女が'関係
していくのかと思っ
て読んでいたが'最
後まで'関係がなか
K・G
がなかった(ので意外に思った)
へ'述語
⑳∼緯語は'表現不通、
重複'用語不通、
( )はその補正
ロ'呼応の性質より見た脱落(七例)
蝣
c
=
⑳きのう寝るのが遅か
⑳きのう(は)寝るのが遅かった ィ、格呼応
ったので'朝少しね
B ︰ り
むったがすぐに身の
まわりの整理をして
=
こ、格呼応
ので朝(になって)少しねむっ ロ、文節呼
D
.
.
.
.
応
た (だけだった)が'(起きて)
ハ、文節呼
すぐに身のまわりの整理をして
応
=
いたら、もう広間にみんな(は)
I
集まって朝食の用意が (ち) で
蝣
んな集って朝食の用
いたらもう広間にみ
意ができていた。
2、_不適当な蓑現
イ'呼応の不適当
( )はその栢正。
きていた。
⑳-緩語は表現不通。
a、格呼応の不適当(十例)
㊤三四郎は東京へ行- ㊨三四郎は東京へ行-途中の汽車
途中の汽車の中で、
の中で新しい経験が矧割引馴o
新 し い 経 験 が 始 ま (をした。)
る。
-r
.
-
-
い
い
/
i
しに(いつとはなしに)立ち上
気持ちの持ちようでなんとはな
B
れて (たけれども)'それでも
紗主人公が(は)八年間恋して破
b、いろいろな呼応の不適当(三例)
旬主人公が八年間恋し
て破れてそれでも気
持のもちようでなん
とはなしに立ち上っ
た。
(が) った。
◎∼語は、表現不通、表記
.不通。
( )はその補正。
ロ'その他の不適当な表現(九例)
ノ
*r__ - ︰ B_
がって殉死した。
(別TD)屈辱を受けるのをいや
分の発意と (により)、他人の
飼長十郎は前にもあげ F。=長十郎は、前にもあげたが、自
たが自分の発意と他
人の屈辱を受けるの
をいやがって殉死し
た。
ィ、格呼応
ロ、接続呼
応
ィ、用語
ロ、用語
-18
ハ'語法上誤りはないが表現が未熟な例(十例)
た。
Jつ.
が、( - )たいへん偉いと思っ
B
剰
(-)削除
(-)削除
ロ、表現過
い。
イ'観念の
ことを恐れないといった( - )
あいま
㊧作者は鶴を愛して夫 ㊥作者は、鶴を愛して夫婦になり
たいと思った時、近所の人々に
冷笑されたり'話の種化される
婦になりたいと思っ
た時近所の人々に冷
笑されたり、話の稀
にされることを恐れ
ないといった方が世
間の事を気にしない
でいるのはたいへん
偉いと思った。
3'長文による文意のよじれ--略
⑳ 1クラス四十一名9作文例より採録'
3'文章叙述(長作文)と主題・構成
^
-;
.
T
C
.
二年当初の春休みに第三回の作文課題を出しましたが、この回よ
り事前指導に意を用いるようにしました。
01年三学期、作文資料集Iを使って生徒の文例欠陥とその原因を
指摘し、あわせて補正法を指導。
⑧続いて、敬二・単八のfI﹁叙述の方法﹂によって文章の構成と
叙述の過程を学習させました。
明しました。
㊥さらに、学年集会の時に'第三回作文の要項とねらいを会員に説
ばとは何か﹂ - 服部四郎 - 教・1・単九の0 - を
⑳ 関連学習として'それより前、テレコに録音した﹁こと
C
│
蝣
-
:
・
.
聞かせへ構成的に要旨をまとめる学習指導を行なってい
蝣
﹂
ます。
:
要項は次の通りです。
らば﹂ (へ,,,ングウェイ)、﹁怒りの葡萄﹂(スタインベック)、
① ﹁狭き門﹂ (ジイド)'﹁嵐が丘﹂ (プロンテ)へ ﹁武器よさ
﹁人間の粋﹂ (モーム) の中から-つを選んで読容感想文にまと
めること。
この作文課題のねらいは'従前の表記法へ表現法の欠陥を克服し
① 主題および文章の構成・展開に留意し、工夫しながら事-こと.
ながら'教・一﹁叙述の方法﹂で学習した事項 - まず書こうと
する主題を設定し'続いて素材から題材を選び、それから構成へ
展開を考えて叙述にかかること ー を意識して叙述することにあ
-
;
:
蝣
'
-
-
'
・
-
れに-い長篇の外国文学に親しむ習慣をつけたかったからです0
ります.また、指定読宙に外国文学を選んだのは教科書に採録さ
0
評価共準は、事前学習した主舷および構成・展開を文章叙述上
イ'評価
に生かし得ているかどうかということと'表記法、表現法の適否
⑳ 対象は四クラス
に置きましたO図表十1がその結果です。
ロ、諸調査
- 19-
作文課題のねらいが多様化するにつれて作文事例の実態が複雑
化してきましたので、点検の方法も細密になってきます。
① 文字の誤りについては、あて字は激減しましたが'字画の不
正確なものはかえって増加しています。しかし、全体的に見ま
すと半減したことになります。 ⑳ 資-p2
が四割近くもいるのには驚きましたO ⑳ 資-pI
⑧ 主題、構成、展閑の把握を、読んだ作品のそれと誤解した者
◎ 表現法 (文の組み立て) に関し、まだ不充分な者が相当にい
試みに、一文章例について表現法上の欠陥事例をまとめてみ
ます。評価C段階の者は大部分それに該当します。
ますと次のようになります。
⑳
資aPhC0--OhOO
④文章叙述については'断片的、羅列式叙述が目立ちます。こ
れは無関係型叙述とでもl亭っべ-、何でもかまわない'頭にひ
らめいたものをせっせと取り集める型ですOもう一つは突然変
異型で、あら節を述べながら瞬間的、反射的に短い感想をさし
はさんだり'時には延長して脱線Ltあわてて再びあら筋に復
帰するというものですo◎1、資-noco。
^cMCM
中等教育資料百六十三号・p十五。
⑤ 主題設定については'表題(題目)と主題との関係を理解し
ていない事例と'主題文にまとめあげていない事例が注目され
ます。 図表十三は、その件数です。
資
a
&
,
a
>
(
l
,
:
◎ 構成・展開の型は次の通りです。
⑳ 資-^﹂-8
多段式構成のほとんどは、無関係型叙述です。
① 主題と構成・展開との統1性・関連性を検討してみますと'
次のようになっています。.
⑳ 資-a﹂-a,-
す。しかし、まだ、構造的に若干の弱さが見られます。
◎ ﹁主題・構想・叙述﹂と順序を踏んだ作文も出はじめていま
⑳資It Oh﹂-EuS(補注) 以上の作文点検は、一クラス五十一名の作文例を
対象にしました。
主題および椛成・展開を形に示した者は、うち二十
九名でした。
前項の諸調査に見られるような実態と次第に明らかになってくる
Dl
薗
生徒の資質、傾向および'進路、諸種の可能性などを考えあわせ、
次のように原則を加え、方策を考えました.
三段構成を基本型にしよう。
① 作文指導の目標を﹁主題・構想・叙述﹂の完成に定めよう。
③ 指導の重点をまず'主題の設定、構成、展開のくふう、および
両者間の統一性'関通性の把握を理解させることに置こう。
③ 生徒の設定した主題例、構成'展開例を集めてへその具体的欠
陥とその原因を指摘しょう。あわせて主導およ.b構成、展開に
関するわかりやすく'くわしい解説を資料集に用意しよう。
⑳ 資-、p*2-^3
① 表現法も文章叙述(長作文)の立場から、いっそうくふうさせ
よう。 ⑳ 資-、DhCO Oh。。
⑤ ﹁現代国語﹂の学習課題に、表現'構成'叙述に関するものを
多く示して意識と思考力を深めさせよう。⑳ 兵国。*﹂-&<8
(補注) 素材から主題を把挺Lt表現へ移行する学習として
短詩型の文学(特に俳句)を考えましたが、二学期へ
f
c
j
一
-
・
-
i
継続しました。
過去三回の作文課題によって、生徒はようや-表記法の問題に解
決の見通しを立てへ表現法'叙述接の問題を、主題、柄恋の意識の一
中で考える状態になってきたようです。そこでわたしたちは'二十
回生作文指導の最終目標を﹁主題・構想・叙述の備わった論説文の
完成﹂に置こうとへこの時点においてはっきり定めました0日分の
意見を持ち、構想を繰り、明断に叙述する力を持って卒業させよ
う。こう考え、こう相談しました。次の作文課題は、コ二段構成の
u.
論説文﹂になるわけです。
一'文字の誤り 1、2へ略
資料集-より必要事項のみ摘記します。
o
O
O
3、字画が不正確な誤字の例
一例
逃亡・暗い・備えるなどの文字の字画を誤ったもの--二十
二、文章表現について 略
三、主題について(解説・略) ⑳ 兵国&<﹂-0-8
a、題目型=人間の愛、人間の環境について
移住労働者=農民たちの悲惨な生活--など十三例
b、主磁文型=人間は逆境にあっても耐えへ打ち破るだけの気
塊を持つものだ--など十例。
ct混合型=自己犠牲に対するさびしい批判--など六例
四へ構成・展開について(解説、略) ◎ 兵国e-^-P-g
a'三段式(鵠増、主題と構成.展開との問に連関性完
21
主題 ア-サとジェローム
糾自分の考え
◎ 主題を定めへそれが主題文になるまで繰り上げること。
すること。
とめ、さらに﹁表現﹂に発展させるため、素材をメモし、整理
⑧ 問題をTつ設定して深-考えへそれについて自分の思想をま
ること。
① 後述の五冊のうち、T冊をえらび、読んで内容をよく理解す
二年時の夏休みに次の要項で第四回作文課題を出しました。
T間組鳳園一
し、二時限余の時間を配当しました。
指導するという方法で実施しました。教材には資料集Iを使用
校内放送によって各教室へ説明し、他の二名の担当者が巡回、
◎ 1学期末の特別授業の一日を作文指導にあて、担当者t人が
二学期への継続学習としました。
-'表現の体験を重ねさせるつもりでしたが'時間不足のため、
二・三の﹁短詩型の文学﹂では、俳句実作によって素材1主題
よう配慮し'授業もその綾に沿って展開しましたoまたへ教・
の課題設定で文章の表現・構成・叙述に特に関心と理解を示す
す。そこでまず、二年這†期前半'教二1・1の﹁論説文撃冗﹂
て作文指導との開通を強化しようと考えたのは前述の通りで
① 第三回作文を点検した結果、﹁現代国語﹂の学習指導におい
・
L
.
・
.
I
.
i
I
4'構想と三段構成
五'六、 略。
㈲最後のまとめ
B
構成・展間 川﹁狭さ門﹂とジェロームとア-サの変のつな
がり。
脚ジェロLムとア-サとジュリエットに対する
私の意見。
川三人の主人公から読みとった﹁狭き門﹂。
。'四段式・KjQ盟一紺縞To相互間および主管の問
主題 ア-サ、ジュロームに対して私は何もいうことができ
ない。
構成・展関 川ア-サの愛についての考え、
脚ジェロームへの私の考え.
川宗教の神秘さ
川ア-サ、ジュロームに対して何もいえない。
。'多段式(㍑醐p-H'主警構成.竃との関係がはっき
主題 年上の女(アリサ)'ジェロ∼ムの清純な恋と、この
二人の心理変化。
構成・展開 〓物語の説明
はジェロームの気持ちに対してのア-サの真理
とアリサの心の説明。
川第二段落の説明を裏づける具体例.
糾ア-サが天上の幸福を求め出したということ。
脚四段落を裏づける説明。
糊ア-サの心の変化。
22-
えへまとめ、下宙きし、椎叙すること.
① 三段構成(序論・本論・結論)にするため、論旨の展開を考
⑤ 作文帳に四頁∼五百の範囲で格調正しく叙述すること。
さらに指導の便宜を計るため、それぞれに。とIを加味した
が評価基準は﹁構成の成否﹂に置いたO
◎﹁愛と憎しみ﹂
◎﹁心で見る世界﹂
武者小路実篤
島崎敏梯
t-:城首班
新潮文辞
岩波新古
岩披新書
小
石
f
'
新
か
d、構成・内容・表現ともによろし-ないもの。
C、構成は不完全であるが、内容・表現はまずまずのもの。
bt構成は完備と認めるが'内容・表現に難点のあるもの。
基準細目
a'構成・内容・表現・完備と認めるもの。
◎﹁人生論﹂
河盛好蔵
角川文庫
◎ 九月一日、提出のこと。
◎﹁愛・自由・幸福﹂
垣層jsm.
◎⑧は女子の数
・2'引用は、資JIN"
と判断したものもある。
◎ It cの場合、形式化していなくても構成的
◎﹁ものの見方について﹂
ョ.
17
ゥ
4
わけです。
ります。表現がやさしいからといって'読み取り得るとは限らない
とって、﹁とりつきにくいが'まとめやすい本﹂であることがわか
めにくい本﹂であり'﹁愛、自由、幸福﹂ ﹁愛と憎しみ﹂は生徒に
次の妾から﹁ものの見方﹂、﹁人生論﹂は﹁読みやすいが'まと
ハ、本選択と評価分布との関係
と判断された者が十%強へ いることがわかります。
この表から、三段構成を理解していない者が六割弱'表現法未熟
36
ロ、評価分布
8
⑳ 本は、生徒の興味と能力を勘案してえらびました。
0
⑨
ねらいについては、次のように述べています。
計
1この作文の狙いは﹁論理を主とする文﹂の作成に置いたo前
三回の作文が読書感想文で、君たちの思うところを書き連ねてもら
ったのに対し、今回は主題を定め、構想をたてて、論理の筋道に沿
って叙述を進めてもらうよう指示したのである。資料集-で主題'
構成、展間の教示はすませているLt一方'君たちの作文がともす
ので、あくまで冷静に'論理的にまとまりのある文章を作ってもら
れば非統t的な感想事項の羅列に終わってしまう傾向が新著だった
⑳ 引用は資mPlより
おうと思ったのである。
C㌦∵了⊥
イ'評価基準
今回より評価基準を設定して'基準細目を生徒にも公表するこ
とにしました。それは次の通りです。
◎ 作文評価は従前のように'a、b、C、dの四段階にわけ、
23
100
51 上49
可
理
文
*4
a (り
-
計
◎ ㊧は理科系・Ⅹは文科系
二へ構想設定老数
⑳ a-bは、本文上に構成が整っ
ている場合。
主題・構想の設定を明示し、 本文上に構成が整っている者は三
十。主題・構想を設定しながら本文中にそれを生かしていない者二
十四。構想不設定四十六。またへ文科系の者がルーズである傾向も
うかがわれます。
ホ'文章欠陥
◎論理不全
論it^E'﹂析論
内容遊離'素材倒れ
)∼
追求途絶など
構成不全
磨
形式的構成、本論のみ
序、結びが弱いなど
(本論1部欠、
自己の主張なし
素材平凡
内容幼稚
用語の誤り、 呼応不通
論理単純
表現不全、未熟
脱落'過剰へ よじれなど
右は'それぞれの文例にみられる欠陥のうち、 もっとも顕著なも
のを各評価段階ごとにまとめて記したものです。次のような事項が
① 極端な表記面の誤りを犯す者がいなくなったことに喜びを感
問題になります。
24
腰caas
目立ちます。叙述の混乱へ叙述のひずみへ 叙述の不足といった
ものが多いのです。それらは'思考が行きづまったり、よじれ
たりすることから起こるものであり、解釈力や思考力の不足に
ってきます。しかし'ここではそれに触れず、表現・論理・構
些つくものと思いますo従ってへ作文力以外の要素が問題にな
d段階のそれは注意を要します。
◎ 各段階にわたって表現法に問題のある者がいます。特に、C、
⑨ 論説文に感想文を省いている者が1割強います。
ただし、◎の轄栄は未無理です。
事前学習、確認学習として制限作文を課しました。
◎ 三学期当初'教二・単五のH﹁生まれいずる悩み﹂で、
導も行ないました。
らに録音を聴取して内容を構成的に把握しまとめる学習指
叙述に関し'文章分析を中心にした叙述検討を行ないへさ
② 二学期後半、教二・単四﹁思索と行動﹂で、主題・構成
を編集しましたO秀句を資料集Ⅲに収録してありますo
せ、その中から十句を日.選'さらに精選して'句集﹁旅路﹂
そこで十月中旬の修学旅行中、俳句五十句の創作を試みさ
を短詩型表現に発展させることはおもしろいことです。
の素材の中から中核としての主情(主題)を抽出し'それ
現への高揚ということを考えました。感興を催させる多く
関連するものとして'素材から主情への集約へ 主情から表
文学-現代俳句へ近代短歌(敬二・単三) で'作文学習に
① ﹁現代国語﹂における1学期からの継続学習、短詩型の
(補注)関連学習を次のように行ないました.
して検討へ 是正させることにしました。
成面からの現象的欠陥を追求し、作文例に具体的へ細密に指摘
① 論理の乱れと、a-b段階における構成不全が目立ちます。
⑤ 主題設定に欠陥例の四割が集中しています。
資料集Ⅲ、PhCO 0,ooより引用0
ス計石名分より採録。.
(補注) 以上の分析調査は'文系一クラス、理系1クラ
3
'
:
*
:
ド
.
;
一
・
.
① 前項のロ、ホによって主題、構想'三段構成はまだ充分に理
つを考えました。
解、把捉されていないことがわかりました。対策として次の二
ィ、﹁主題﹂は主題文として雷-ようになったものの構想や叙述
本文と対照して枚討してみると、統t性、関連性の上から明際
に把握しているとはいいがたい。しかし'これは主題の把握そ
のものを問題とするよりも、構想や叙述本文との開通において
是正して行かねばならない。そこで﹁主題・構想﹂の事例や作
文例を資料集に採録してへ この方面から反省・検討を加えさせ
よう0 ◎ 資mt O,00-0<﹂jに詳述
ロ、﹁構想﹂'﹁三段構成﹂についてはへ序・本論・結論の関係
や内容へおよびそれぞれにおける叙述形式に関する知識が乏し
⑳ 資Ⅲt Pito-CUc-、P8に詳述
いから'資料集にわかりやすい説明を用意しよう.
◎ 叙述本文を検討しますと、表現不全、論理不全、構成不全が
-25-
u
"
蝣
-
.
蝣
:
一
一
第四回作文の目標は'﹁三段構成﹂を持つ﹁論説文﹂を古くこと
でした。﹁主題・構想﹂をたて'﹁叙述﹂を繰りながら書くことで
した。その結果から、わたしたちは第1に主題・構想・叙述の統1
性'連関性が'どの程度扱密に意識され'表明されたかを分析調査
し、第二に'三者の統合体としての文章の中に現われる新しい現象
と今後の方向づけを明確に把握しようと努力しました。そしてわた
したちは'﹁主題・構想・叙述の統一、連関﹂という前回からの課
題をさらに推し進めながら'﹁論理へ思考の一貫﹂、﹁叙述面の充
足﹂という新しい課題を提出しなければならないという結論を得ま
主題 国家意識を持て。
構想
序 中共を見ての感じ
本箪 日本の現状
結 青年の生き方
ハ、﹁主題・桔想﹂設定の不成功例
主題をまとめる
世間における一般例
問題提示
からない。
さっぱりわ
イ'結論の内容不明
ロ、表現不通
4、主題 人間の1生の仕事は個々の環境の中で
自己を最大限にいかし'かつ'進歩させ
ることである。
(女子)
構想
序
本論
結
主題・構想・叙述
した。二眼を配当しています。
対照法などの手法を用いるべきであると具体的に徹底をはかりま
伴わなければならない、叙述の効果を高めるためには、比較法・
の学習指導の目標を文章叙述法(資料集Ⅲの構成内容の説明で触
れています。)の理解を深めることに移し'主張には補説・例証が
① 二年三学期末、教・二・単六の二・﹁説明の方法﹂-友情1-
行すべき時機になっていることがわかります。そこで次のように事
前指導を行ないました。
まだ問題を残しますものの、﹁叙述﹂の銃城に学習指導の重点を移
第四回作文の作文例を研究分析しますと'﹁主題・構想﹂の面に
<ittsssaH
5、
した。第五回作文は形式的には﹁三段構成﹂、内容的には﹁論理と
叙述﹂に重点を指向することになります。
F r側聞L
ママ
﹁主題と梯想﹂の設定例のみ摘記します。
ィ、﹁主題・構想﹂設定の成功例
対する疑問。
﹁ものの見方について﹂の中での作者の意見とそれに
らない。 (男子)
It主題 日本人はもっと民主々義を発展させていかなければな
構想
序
ママ
本論a、封建制皮と民主々義の中での思想の相違。
ママ
bt キリスト教と仏教の中での思想の相違。
結日本人はもっと民主々義を発展させなければならない。
ロ、﹁主題・構想﹂設定の不充分な例。
26
6
① 資料集Ⅲを使って'作文事例にみられる欠陥の指摘へ是正や全
したことは'﹁主題・構想﹂と﹁叙述本文﹂との内容的統一性、
体的傾向に関する注意・方向づけを行ないました㌣特に強調しま
(主題は主題、構想は構想'叙述内容は叙述内容とそれぞれが分
離・独立していてはいけない) に関すること、﹁叙述本文﹂にお
ける論理の1貰性(独断的な論理展開や論理の行きづまりによる
叙述放棄'あるいは、用いた素材間の相互矛盾などはよ-ない)
に関すること'﹁構成﹂の各部分における叙述のくふう(主張は
例証で裏づけ'説明は充分に、入念にしなければならない)に関
することなどでした。これにも二時限配当しています。
三年当初の春休みに次の要項で第五回作文を課題しました.
n輔茂蛸 Z'"・-fi研H
蘭胤閲湘l
の余裕はないだろうとわたしたちは考えていたからです。
C
イ'評価其準
四段階評価および指導の便宜を計るため。やIを付加すること
は前の通りですがへ今回は﹁構成﹂面のほかに﹁叙述﹂面も重視
して'基準の程度を高くしました。基準細目は次の通りです。
蝣^蝣*
a、構成・内容・表現ともに良好と認めるもの。
b、構成・内容はよろしいが、叙述・表現に不足の認められるも
れるもの。
の。
00
C、構成は'いちおうできているが、内容・表現に不備を認めら
d、構成のないもの。
三%は﹁表現・叙述﹂面に問題を残している
成もな-'表現・内容ともに不備のものとが含まれます。
⑳・tj段階には、表現・内容はよくても構成のないものと'構
ロ、評価分布
C段階二十八
者、d段階十二%は不注意による精成欠如者が大部分です。
評価分布を前回のそれに比べてみます。
27-
I
.
・
・
・
・
.
.
:
.
.
.
.
I
i
① 論説文で'三段構成をとること。
◎ 作文帳に六ページ内外で書くこと。
③ 主趨・構想を明示することO
① 叙述に-ふうをこらすこと。
イ'﹁出家とその弟子﹂ 倉田百三 角川文庫
⑤ 次の四mの本を資料とすること。
﹁孔子﹂
W-K'カー 岩波新吉
ロ'﹁科学i)社会﹂ 中谷宇吉郎 岩波新書
﹁歴史とは何か﹂
清水幾太郎
にとりかかって三回日でありますLt 三年時にはとても作文指導
ねらいは﹁論説文﹂の仕上げにおきました。﹁主題・構想・叙述﹂
◎ 四月十日提出のこと。
ニ ノヽ
a段階において倍増t b段階において漸増、?段階において激
械t d段階変化なし、となります。d段階に変化がないのは気に
入りませんが'わたしたちの諸調査ではいかなる場合でも'十%
﹁歴史とは何か﹂を選んだ者のうちt b段階二十三の数字は著
﹁科学と社会﹂を遥んだ者のうちのb段階二十七の数字は著者
者のことばにひきずられて﹁叙述不足﹂の現象を起こした者'
の豊富な具体例に困惑して窃き手の主体性を明際にしえなかっ
た者が大部分です。
一九一文章例全部について'﹁主題・構想﹂が設定されてい
二'構想について、
るかどうか、設定されていても'﹁主題・構想﹂と﹁叙述内容﹂
が1致しているかどうか、﹁主題・構想﹂は論理的にまとまっ
ているかどうかtについて調査しました.その結果が次の図表
程度の不通応者は出ることになっています。
です。
﹁主題・構想﹂の設定を怠っている者が三割います。
第四回作文の場合(図表十八)は四割六分ですから、減少はし
ていますものの感心しません。
図表二十に﹁構成﹂のない者が十二蟹ホされていますから、﹁構
想﹂不可の十六%とあわせて二十八%の者が﹁構想﹂'﹁構成﹂
に関して学習不充分と考えねばならないと思います.
実数。
2、残り十五
した。
容﹂の四つの部面にしぼって、各評価段階ごとにまとめてみま
一九1文章例全部の持つ問題点を﹁柄想・叙述・表現・内
ホ、文章の問題点
名は自由作
次の図表二十五がその結果です。
28
a段階十七・八%は実人員に直しますと三十四名です。
および不明者。
◎残り二名は、転入者、
⑳1'図表二十
可
文。
三の数字は
図表 24
この三十四名が1年節l回作文でどんな評価であったか調べてみ
ます。
d段階の四名が特に目立ちます。
計
ハ'本選択と評価分布との関係
Eg表 23
右の図を見ますとt b段階の叙述不足がもっとも既著であり'
◎1、同-文章の持つ問題点は'そのうちでもっ
とも顕著なものに限定。2'各文章例の持つ各種
の具体的問題を共通した要素にまとめて備考欄に
摘記。3'数字は実数
の不統一などが目立ちます。ただし、C段階の文章例は全部が
続いて、b段階の内容不充分、C段階の主題不明'表題と内容
表現性に欠陥を持つものであることを考慮に入れなければなり
﹁表現法﹂'﹁構想設定﹂に弱点を持っていることが明らかに
ません。
へ、C、d評価段階の文例が持つ文章欠陥の原因、
評価益準および図表二十五から、C'J評価段階の文章例は'
なります。そこでそのような弱点-欠陥を生ぜしめる原因は何
かと研究してみました。
次がその結果です
思考力、理解力の不足がもっとも多く、論理力、表現力の不
足がそれにつぎ'不注意がその後に続いています。換言します
と'資質へ指導法、自覚性という順序になるかと思います。
ト'文例の示す長所
もともと文章は読者に感動を与え、共鳴を起こさせるもので
-29-
図表 27
主題・主張を示せるようになっていること,内容が豊かになって
きていること、独創性が生まれてきていることなどが目立ちます。
反面、論理性へ理解力に長所を示す者が少ないこと,叙述・表現の
すぐれた者も多くないこと。.-長所不明が相当にあることなどは
(補注) 以上は'作文資料集Ⅳより引用しましたが,それは
考えねばならないと思います。
二'''蝣'.I蝣 ∨ :蝣i蝣.--・・
aIb段階における﹁叙述不
しました。その中に、女子は文系十七へ理系七'計二十四
名含まれています。
D㌦吉・⊥
前項のロ、ニ'ホを検討の結果t
足﹂へ。-d段階における﹁表現不備﹂へ全体に散在する﹁構想・
構成設定不充分﹂の三項目を指導、是正の重点にとりあげるべきで
ないと考え、次のようにいたしました。
あり'特に﹁叙述不足﹂の問題を重視して対策を進めなければなら
採録していろいろな角度から検討させ学習させよう。また,す
① 資料集作成の中心を﹁叙述指導﹂にあて,研究文章例四岩を
にさせよう。
ぐれた作文を'資料にした本ごとに二欝ずつ計八請のせて参考
① 教三・単五・﹁論理の運び﹂を自習させ,今までの作文経験
⑳ その内容は'既習のものばかりですO
を総括させよう。
◎ 発展学習として夏休みに自由課題の作文をE=かせよう.
w ∵.
-30-
すo生徒の文苛例にもそれはあるはずです.そう考えて'それ
ぞれの長所を研究してみました。
2'践著なものに限定
⑳1'数字は実数
たもの。
3、C・d段階の項は、 そ の よ う な 傾 向 が あ る と 判 断 し
前
2、Eg衰二十・d段階十図表二十四・不可
◎ 1、図表二十・C段階
3'図表二十・b段階
第五回作文の検討・整理も終わりました。今、思い浮かぶままに
数字をならべてみることにします。表現不備の者が二十八%(注-)
4'図表二十・a段階
ましたように'この問題には、生徒の資質や自覚性という外部的要
け少なくするにはどうすべきかという問題です。C項﹁へ﹂で触れ
﹁歴史﹂というものに対する考え方は時代によ
る。ではなぜ現在と過去との対話であるのだろうか。
﹁歴史とは'現在と過去との対話である。﹂と述べてい
とを主張したかったのだろうか7本の中で作者は
﹁歴史とは何か﹂の本の中で、作者はどういうこ
載します。
資料集Ⅳの研究文例の中から、叙述不足の例文〓朋を本文のみ転
5、西尾実﹁作文の教育﹂
残っていますO構想・構成不充分の者も二十八%(注2)います.叙
F
[
働
閲
-
述不足の者は四十二R(注3)に達します。しかし、論説文記述の目標
(注3)います。わたしたちは、ここで二つの問題をかかえているこ
を達成した者は十八%(注4)へもう1歩で達成できる者も四十二%
とに気付きます。
・その1つは、わたしたちの学習指導を通じて、目標1-期待水準
素が関退しています。C-J段階の六十R.全体から見ますと二十
に到達しなかった者に関する問題でありそのような存在をできるだ
四%の者がそれに該当します。この問題も含めて、学習不適応者を
代であった。しかし二十世紀になって﹁歴史は﹃現
=表記不通
1'たいへん
代史﹄である﹂というクローチェの宣言によって、
って異なってきた。十九世記は大変な事実尊重の時
の問題です。C項﹁-﹂では、内容・独創性に長所を示す者が多く
を準えた者'あるいはそれに近い者に関する問題であり、次の段階
少なくする工夫をしなければならぬと思います.もう-つは、目標
みられます。わたしたちは、表記問題から始めて叙述の問題に到達
r
a
i
世紀の歴史観が二十世紀になって否定されたのだろ
へ移行しなければならないことを不します。﹁省き読む文章生活は
的事実﹂とは歴史のバックボーンになる事実を意味
3. _
していた。しかしかれらにとって歴史的事実とは単
貴重なものであった。また'かれらにとって﹁歴史
十九世紀の歴史家にとって歴史的事実とは非常に
こ
・・・-1方また言語文化というべき完成領域の基盤をなす、過程的段、
なる基礎的事実にすぎなかったoまた、歴史的事実
-表現不通
3 、 の
﹁すべての歴史は思想の歴史である。﹂というように
2、いったい
歴史に対する考え方が変わってきた。 2月叫なぜ十九
-表現不通
しました。次の段階では当然、内容と独創性が問題になるはずです。
こうして作文は指導者の手を離れて書き手自身に帰って行きます。
同時に'それは指導者にとっても、作文指導が作文指導中心の領域.
階でもあるO﹂(注5)といわれます。五回にわたる作文指導の結果、
から批れて'人間性'文化'社会という高い次元を背景に持つ世界
到迂したのは、作文を越えよということでした。
-31-
▲
-
.
I
は'歴史家の先天的な決定で作られていた。ここに
二十世紀になってから否定された原因があった。
明
4、7意味不
次のアンケートは'きみたちの高等学校における作文学53を検討
一までは困難である。
し'反省資料として新しい学習方法を研究するために行なうもので
作文学習に関するアンケ--(質問)
2'生徒の声(アンケート)
﹁歴史的事
実と歴史家
す。よく考えて記入して-ださい。 20回生 42年7月
5'叙述不足
との関係﹂
二十世紀に入ってからの歴史観とは、﹁現在の目
﹁歴史的事実というむのはもともとからあるのでは
は'さらに、
を通して過去を見る。﹂ということであった。つまり
なく'歴史家がこれを創造してはじめて'この世に
At ある (8.0) ffl、ない (91.3)
⑤ 外部の作文コンクールなどに出品したことは、
した﹁5.7)Oへまった-使用しなかった (88.5)
A、学校で指定して使用した(4.8) mt個人で購入して使用
◎ 作文の教科書(参考昏) などは、
評をうけた (33.5) Ut校閲の印をもらっただけだった(43.5)
A、いつも添削、批評を受けた(17.0)ffl、ときどき添削'批
③ 作文を提出した場合、
﹁小説ふう﹂と文章の種類を指定された場合が多かった(39.3)
指定された場合が多かった(24.3)O、﹁感想文﹂ ﹁説明文﹂
Aへ自由作文が多かった (34.6)mt ﹁Iについて﹂と題目を
◎ 作文の課題は、
Fへ ほとんどないといってよい (9.4)
(13.5)Q、6回ぐらい (33.9) W、3回ぐらい (33.9)
A、15回ぐらい (3.1) ォ、12回ぐらい(4.6)Ot 9回ぐらい
① 三年間に何回ぐらい作文を提出したか。
- 中学校における作文学習について'
%になっていないものもある。
⑳'( ) の中の数字は%を示す。ただし、合計してー00
叙述を展開
して行って
つまり十九世紀においては事実中心の考え方へま
躍してしま
り結論に飛
それなの
に、いきな
のである。
かになるも
始めて明ら
存在するものである。﹂という考え方である。
た二十世紀においては歴史家中心の考え方である。
そうすると問題は歴史的事実と歴史家との関係とい
V.
うところに焦点がしぼられてくる。
ところで作者は﹁歴史とは過去と現在との対話で
ある﹂ということを述べる前に﹁歴史家と事実との
関係は1方を他方よりも重要に考えることは不可能
である﹂と述べている。なぜならこの二者の関係と
る。
うのは乱立
至極であ
z?^^ms
いうものは﹁ギブ・エンド・テ-ク﹂の関係である
イの文から
8'叙述不足、
7'削除
=文意混乱
=表現不足
6、である。
から'(いいかえると﹁歴史家は自分の解釈によっ
て事実を作る。﹂と いうことである。)つ ま り 歴 史 家 と
事 実 と い う も の は 平 等 の 位 琵 にあるからこの二者は
お互いに作用しあっている。そこ
了 、-..'・>・,i-
考え方 - 現在と過去とは相互関係をもっていると
ロの文への
論旨の推移
いう考え方11から作者は歴史とは'﹁現在と過去
との対蒜である﹂と主張したのであろうと私は考え
は、このま
′
るのである。
32
付録1、 二十回生作文指導1覧
第 二 回
第 三 回
午
第 四 回
四十1年夏休み
二 年 当 初
四十一年春休み
構想と三段構成
午
四十年夏休み
文章叙述と主題構成
(長作文)
第 五 回
三 年 当 初
四十二年春休み
一一.-I
○資料作成
○評価基準細目公表
○添削・批評
○資料説明(二眼)
○敬二、単六﹁説明
の方法﹂ (二眼)
l#?て
第 一 回
午
表記問題と文の組み
立て (短作文)
資料説明=放送
(二限)
○添削・批評
○資料作成
○評価基準細目公表
○資料説明(二限)
○敦1、単八﹁叙述
の方法﹂ (二眼)
○添削・批評
○資料作成
am
O こ.1三.請
○教一'単二﹁新し
い読書﹂
○添削・批評
○資料作成
○短文練習
["1 0' '
へ'作文帳を持つ。
① 上記の原則で行なったのは全体的にみて'
m
!7U
作 」単
文 の玉
.の 自r
にする。 ホ、生徒の実情に応じて進度、方向を決定する。
由 課理
〈主
論題
説・
文構
○ ○
諜第題の教
題六 道三
四十年五月迫休
添削・批評
W
I
○俳句創作五十句
○敬二、単四﹁思索
蝣
限い、 めよ動
作ず単 _るび」
文る五(学、で
悩の二習聴文
み「限 い章
」生、J て分
O
S=i教
刷れ二
A
九の二
とは何か﹂
を聴いてまとめる
学習(二眼)
○教二、単lの﹁歴
史と風土﹂の課題
学習に配慮
と行
析お
○教一、単七﹁青い
目の太郎冠者﹂の
悪文是正 (四限)
○同﹁モゴール族探
検﹂の悪文是正
(四限)
ハ'添削指導を行なう。 こ、資料集を作って問題点を明らか
本校における作文学習は次の原則に準拠して行なった。
ィ、課題読書にあわせて作文を古く。 ロ、休みの間に書-0
〇
一「教
こと'
ば単
A、たいへんよかった(19.4) ォ、適当であった(75.2)
C、まずかった (5.0)
(1年時 叙述の方法。二年時 説明の方法。,)
イ'教科宙で読解学習とあわせてO
ロ、資料集を教室で説明(第1集。第三集)
これはt A、多すぎた(12.6) M、適当であった(70.4)
ハ、資料集を放送で説明(第二集)
② 課題読古を中心にしてむいたのはt
A、たいへんよかった (9.4) m'過当であった (63.2)
A、自由であった方がよかった(45.2) ォ、適当であった
五回) にしぼったが、それは、
③ 課題の出し方を読書感想文(一回'二回)、論説文(三'四、
C、少ないと思う(10.9)
A、多すぎた(20.4) Pa、適当であった (68.3)
① 作文の提出回数は二年間に五回であったが、それは、
C、もっとやってはしかった(16.4)
C、まずかった (27.4)
A、読雷の意欲や習慣ができた(9.1) ffl'読書の必要性を感
③ 本を指定されて読んだ結果'
じた(46.3)Ot別に何とも思わない (44.3)
◎ 休暇中に作文をむいたのはt
A、よかった(40.7) CQ、まあまあであった(53.1)
C、学期中に台いた方がよかった(5.9)
(49.8)
B、あたりまえと思う
A、長すぎた(16.5) ォ'適当であった(77.0)
C、もっとしぼった方がよかった (∽.〇)
④ T回の作文の分立は、五頁∼十百程度であったが、それは
C、短かすぎた (6.3)
本校における作文学習を全体的にみて、
① 作文学習をしたことは、
Ⅳ
A、たいへんよかったと思う(47.4)
(ll.3)
-34-
◎ 添削指導を受けたのはt
った(49.1)Ot効果はなかった(32.0)
At たいへん効果があった(16.7) mt そうとうに効果があ
A、よく活用した(5.4) ォ、過度に利用した(50.0)
◎ 資料集をもらって'
C、ほとんど読まなかった (26.0)
At適切であった(30.2) P3'まあまあであった(60.0)
9.資料集の内容は、
C、むずかしかった (9.3)
(40.7) O、つまらォかったと思う
A、めやすがつくようになった (37.2)
① 作文学習をした結果、文章を書く場合、
くなった(32.0) O、前と全然かわらない (30.4)
A、たいへんよかった (42.7) CQ、過当であった (50.2)
◎ 作文帳にまとめて召いたのは、
C、よくなかった(6.5)
◎ 作文学習をしたのは﹁現代国語﹂の学習に、
B、あまり気にしな
本校における作文学習の実際指導面について、
① 授業としての作文指導は次のように行なった。
Ⅲ
A、たいへん役立ったdo.o) ォ'少し役立った(49.4)
C、関係ない (40.7)
④ 作文学習の成果を、
⑦主題へ㊥構想・構成、㊦叙述法・表現法をなっと-すること
においたが'それは、
A,だいたいなっと-できた(15.2) ォ'わかったような気
がする(58.5) Otまだまだなっとくできない(26.5)
五、あすのために
現場における作文指導は、短期間に、集中的に行なっては、その
本来の目的を達成し得るものではないようですo目標は遠-、広-I
深く、古き手の実態は柁雑だからです。そこには、宙き手の実態に
対する細密な観察、時宜に応じ'現実に即して行なう適切な指導'
基本事項が常に必要と思いますOしかもそれは'指導者のチーム・
目標を見失わず'筋道をゆがめない実践を支える研究という三つの
ワークと根気に支えられたものでなければならないと思います。し
かし、いちばんだいじなことは、現場において実施されなければな
まずへわたしたちのとった原則とその実践の結果をまとめます。
をしたいと思います。
原則は、
行なう。
① 休暇の期間を利用して長作文を省かせ'関連指導は学期問に
◎ 添削、批評を適切へ徹底的に行なうことによって書き手個人
の文章を指導する。
◎ 資料集を作成することによって全体的な問題点を発見し、只
せる。
体的な方向づけをするとともにへ古き手に理解とmハ味を深めさ
① 現実の実態を把握しながら段階的に目標へ進む。
構成(長作文)、総合(主題・構想・叙述)0
ィ、段階は、表記・表現(短作文)へ文章叙述と構想'主迫・
ロ'目標は'感想文を経て論説文の完成へ。
① 最終回の評価へ 調査より、
以上を実践した結果は、
到達不充分の者約四割。
イ'全体的にみると、目標達成者約二割'達成寸前の者約四割、
bt構成・構想で停Ep:している者約三割(全休の)
a、表現法で停間している者約三割(全体の)
ロ'到達不充分の者を内容的にみると、
きました。わたしたちとしてはできるだけのことをしたつもりで
C、資質・性格に原因を求められる者 二割五分(全体の)
わたした渇は'実行できることを'できる範閥を求めて実行して
らないということではないかと思います。
す。しかし'それだけで事をすませていいものではないと思います。
約三割。
イ'文章になじむようになった者へ約七割へ前に変わらない者
⑧ 生徒アンケートより、
わたしたちの方法が、定められている諸準則に適応しているかどう
か'学問的諸研究に些つ-ものであるかどうか、提示されている現
実の諸問題に反応しているかどうか、それらのことを反省し'検討
しなければならないと思います.わたしたちは、あすGLためにそれ
35
ロ、目標到達度合は、
完全 1割五分へほぼ 約六割、不充分 三割五分。
次に三十八年改訂の指導要領との関連を調べます。
現代国語﹁書ぐこと﹂については次のようにあります。
川 指導事項
△ア、正確な観察力と判断力へ生き生きとした感受力'豊かな想
偉力など'書-ことの基磯となる能力を高めること。
川 考慮すべき点
メモ'要約、抜粋'詳述などの機会をも適宜利用するように
◎ア'聞くことへ話すことおよび読むことの指導で行なう
くふうする。
練ることが習慣となるように指導する。
△ィ、読み手に与える印象や効果を考えて'じゆうぶんに表現を
右の諸項目の中、わたしたちが原則と実践で直接あるいは全面的
をつけましたo右の項目の中には、重点的に選択して実施すべきも
に触れているものに◎'関接あるいは部分的に触れているものに△
のもありますLt基礎的、関連的に触れ得るものもあります。﹁社
△ィ、豊富な題材を用意すること。
△ウ、目的や場に即して、主題や要旨を明確にすること。
課題読書とあわせて指導してきましたoこのことは現実的な要請に
わたしたちは、﹁作文﹂の分野を感想文から論説文へと展開し'
されるか﹂ (国語教育研究第三号)
と思います ◎'高森邦明﹁作文教育はどういう角度から問題に
活動を進めて行きますと'自然に右の各項目に関連するようになる
古きことばの訓練において作り出す﹂ (注)目的のもとに'計画的
的確な使用の力、国語知識、さらに明際に考える秩序ある心などを
会における言語生活に必要な力、すなわち'自己表現の力や言語の
◎工へ主題や要旨に沿って、材料を適切に撃見ること.
◎オ'主題や要旨が明確に表わされるように'全体を論理的に効
果的に構成して書くこと。
◎カ、適切な語句を選んで、照応が正しく、意味の明らかな文で
古くこと。
△キ、事実と意見との区別を明らかにして書くこと。
ク、生活に必要な各種の文書を、目的や場に応じた形式に従っ
基づ-ものでもありますが'このことの意義を﹁作文教育の理念﹂
て、読みやすいようにくふうして畜くこと.
他の当用漢字の中のおもな撰字が正しく書けるようになるこ
◎ケ、当用漢字別表の漢字の使い方を身につけるとともにへその
の面から考えてみることも必要になります。西尾実博士は次のよう
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であるところに特質がある ー 中略1-人間形成のための古くこと
0
いの1手段としての、はっきりした文章を古く能力を体得すること
単なる自己表現でもない。社会的存在としての自覚に立った通じあ
o
﹁1いまの﹃書くこと﹄は、単なる実用的準備でもないoまた、
に言っておられます。
と。
は 学習活動
△ア'通信へ 記録などを古く.
ィ、説明、報告などを書く0
◎ウ、論説などを書-0
◎エ'感想、感動などを文章に古き表わす.
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の学習とともに、成人社会の生活にそなえた社会形成のための容-
0
ことの学習を含み、さらに、.人類の文化を継承し'発展させる、い
わば文化形成のための書くことの学習に及ばなくてはならぬ。
1﹂ (注-)
o
わたしは、高等学校における作文学習の意義をここに求めたいと
0°
きる能力も養い得ないままで卒業してもらいたくない﹂と述べまし
考えます。資料集Ⅳに﹁自分の思想、感情をまとまった形で表現で
o
l
文字による記録・表現1設問解答文(不断の授業)-,課題
1、作文の概念規定と現場における実践との関係(岩手)
作文(三種)-,規定時間数消化。
2、作文における構文上の欠陥(静間)
欠陥類型と原因分析-・指導の方法(題材・主題・構想)
きる基礎的'基本的表現能力を養う。(奈艮)
3'﹁苔-﹂実践、﹁普く﹂修練によりへどんな条件にも適応で
作文メモ (取材メモ、構想メモ)の使用によって克服する。
興味と必要感も﹁書くこと﹂によって0
4'作文能力の実態(題材の貧困、主題意識、構想能力の不正を
たことや、小説や論説を読ませ'主題を定めへ構想を練り'叙述に
進むよう指導しましたことは、﹁社会的存在としての自覚に立ち、
ですからやむえないかも知れませんが、﹁理念に支えられた現場
実態と指導方法の問題が中心になっています。改訂初年度のこと
これらでは、指導要領の意図や通用範凹をめぐる問題'現場の
Dt評価の問題(四十1年度教研・山梨提出)
後) などが問題になっている。
の学校Oティーム・ティーチング。指導の時頼(事前・事中・事
C、研究協議より
独創力か実用化か。作文能力テス-の方法。個人差。進学中心
was
助的学習)へ読苔指導・作文教科書などの問題が取り上げられて
考え方)と人間形成・添削学習方式(総合学習・練習的学習・栢
Bt パネル討議より
興味・指導の系統化(段階的指導)・基礎能力(ものの見方・
習的学習によって効率的に指導する。
(大分) 指導系統を撃見て'指導事項を段階的に押さえへ練
-・・・人類の文化を継承し、発展させる﹂ (注2)意図を内在itJせて
いると考えます。
そしてこのような理念は、﹁文芸、哲学、科学等を形成する契機
としての言語﹂ (注3)活動に当然発展する(これに関しては後述
します)のですが、それはまた'作文の技術的指導に関し'﹁われ
われの談話や文事をもっと、相手にわかるように、はっき㌣させる
ために、論理的に撃見る自己訓練﹂ (注4)を必要とLt ﹁文章を
はっきりした文章にするために、論理的な思考の確立を提言し'中
心があり、まとまりのある、したがって読者にはっきりわかる文章
を日ざす革新的努力﹂ (注5)を必要とさせるようになって-るの
です。
⑳1-⑳5は'西尾実﹁作文の教育﹂ (習文社)。傍点は論者
最後に'三十八年度高校教育課程研究大会発表概要(江)に明ら
方法と関連的に検討します。⑳ 中等教育資料百六三号
かにされている作文指導の問題点を取り出し、わたしたちの原則や
A、研究発表より
37
の姿勢﹂が弱いようにみえるのはさびしいと思います。
さて、右の教研発表概要は﹁現場の実践﹂を反映しています。
わたしたちの原則と方法も現場における実践の産物です。当然へ
3'しっかりした構成と効果的な叙述を捕えた'
4'文化を継承し、社会の進展に寄与する、
5'個性的な'
わたしたちは、結果的に三割∼四割の未習熟者を残していま
すoこれは'前記発表概要t A項の4、B項の学習方式の導入を
けでは意義がないことになります。
わたし七ちの方が時間的に新しいのですo単に同じことの反復だ
しかし'次のことを加えたいと思います。
4、現実を把握しながら段階的に目標に進む。
3、資料集によって全体的な方向づけを行なう。
1、休み中に長作文をLIpかせ'学期問に指導する。
わたしたちは、わたしたちの四つの原則を維持したいと思います。
文章を古-ことだと思います。
-ふうすることによってある程度解消できると思います。一方、
両者には共通の現象'問題点へ意識があるはずです。けれどもへ
わたしたちは'前記発表概要の問題点のほとんどに触れ、わたし
1、省き手の個人差を明確に把接し'個人に適応した指導が加え
⑳ これはへ次のことから考えました。
説・創作)を自由にえらばせる。
哲学へ科学などそれぞれの分野の作文(記録・報告・広告・論
2'第四の段階を完了した者は、書き手の個性に応じて'文芸、
クする。
ンルの五段階を設け、古き手個人がどの段階にあるかをチカツ
具体的には'①表記、①表現、③梢想、①叙述、0文体ジャ
られるようにする。
2、添削、批評を個別に行なう。
たちなりに解決しながら'新しい試みを提起しています。作文の
理念に去づ-具体的目標の設定や、書き手の実態と実践の検討か
ら-ふうした指導の方法などがそれです。
以上、わたしたちは二年余にわたる作文指導の展間とその結果
を明らかにLt指導安孤、作文教育の理念へ現実的問題点の三方
面から検討を加えてきました。
わたしたちの原則と方法の長所は、作文教育の一つの理念に沿
って'現実の場と実態を把握しっつ'目標を設け、共同して、体
It論説文のみに不適応を示した者が1四%いたこと。
系的へ継続的に実践してきたことにあると思います。もちろん、
たことに欠点を感じますが、わたしは、高等学校三年間における
目標を論説文のみに限定したことや三割∼四割の未習熟者を残し
3、学期問指導に、練習的学習のとり入れをくふうする。
こと。
3、西尾博士の﹁書くことの形髄心と方法﹂に示唆された
こと。
2'指導要領、指導事項ア'イに充分にはふれていない
作文指導展開の目安をたて得たと思います.
高等学校における作文とは'
1、国語としての格調を持ち'
2、表現意図の明断な、
-38-
ィ、三年前半期にも作文指導ができるようくふうする。(補注)
4'その他
る。
ロへ評価についてへ基準細目の設定、相互評価について研究す
ハ'指導者間の分担と協力を再検討する。
ニ'﹁現国﹂学習との関辿意識を持たせるよう留意する.
連を意識していない老 四十%。
注、アンケ1-によると、作文学習と現国学習との関
ホ、作文の理念と書き手の興味とが結びつくようくふうする。
以上、巨視的にすぎましたが申し述べました。いつかまたこまか
い検討もすることになると思いますが、厳正な御批判へ御指導をお
願いいたしますo
読解学習に関連させて、作文指導を行ない得ることを実
(補注)その後、三年後半期においてもへ表現力充実の面から、
証しましたが、この件に関しては稿を改めます。
追記 右の論稿は昭和四十二年八月十二日へ第八回広島大学教育
高等学校教育課程研究集会に資料として提出したものです。
学部国語教育学会で研究発表し'同年八月二十五日、兵挿県
39
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