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使用上の注意改訂のお知らせ

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使用上の注意改訂のお知らせ
―― 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。――
使用上の注意改訂のお知らせ
2015年9月
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
日本イーライリリー株式会社
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること
謹啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は,弊社製品につきましてご愛顧を賜
り厚く御礼申し上げます。
さて、この度、ジャディアンスⓇ錠 10mg・25mg の【使用上の注意】を厚生労働省医薬食品局安全
対策課長通知(平成 27 年 9 月 15 日付)により改訂いたしましたので、お知らせ申し上げます。
つきましては、今後のご使用に際しまして、ご参照くださいますようお願い申し上げます。
謹言
-1-
改訂内容
(
改
訂
後
部 追加・改訂,
改
訂
部 削除)
前
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(中略:現行のとおり)
(3)脱水を起こしやすい患者
(中略:現行のとおり)
(4)尿路感染、性器感染のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。
(「重要な基本
的注意(7)」の項参照)]
(5)高度肝機能障害患者
(中略:現行のとおり)
(6)中等度腎機能障害患者
(以下略:現行のとおり)
(中略)
(3)脱水を起こしやすい患者
(中略)
(4)高度肝機能障害患者
(中略)
(5)中等度腎機能障害患者
(以下略)
2.重要な基本的注意
2.重要な基本的注意
(中略)
(中略:現行のとおり)
(7)尿路感染を起こし、
腎盂腎炎、敗血症等の重篤な (7)尿路感染及び性器感染を起こすことがあるので、
感染症に至ることがある。また、腟カンジダ症等
症状及びその対処方法について患者に説明する
の性器感染を起こすことがある。十分な観察を行
こと。 また 、腎盂腎炎等の重篤な感染症を起こ
うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、
すおそれがあるので、
十分な観察を行うなど尿路
発症した場合には適切な処置を行うとともに、
感染及び性器感染の発症に注意し、
発症した場合
状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染
には適切な処置を行うとともに、状態に応じて
休薬等を考慮すること。
及び性器感染の症状及びその対処方法について
[「重大な副作用」
、「その他の副作用」の項参
患者に説明すること。
照]
[「慎重投与」、
「重大な副作用」、
「その他の副作
用」の項参照]
(8)(中略)
(8)(中略:現行のとおり)
(9)本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進 (9)本剤の作用機序により、血糖コントロールが
作用により、血糖コントロールが良好であって
良好であっても尿中ケトン体陽性又は血中ケ
も脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、
トン体増加がみられることがある。患者の症
ケトアシドーシスに至ることがある。
著しい血糖
状、血糖値等の臨床検査値を確認し、インス
の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に
リンの作用不足による ケトン体増加と区別
留意すること。
して糖尿病の状態を総合的に判断すること。
1) 悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦
[
「その他の副作用」の項参照]
怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められ (10)インスリン分泌能が低下している患者では、糖
た場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む
尿病性ケトアシドーシスの発現に注意するこ
検査を実施すること。異常が認められた場合に
と。
は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(11)排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈
2) 特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製
する患者においては、その治療を優先するとと
剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取
もに他剤での治療を考慮すること。
不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシド
(以下略)
ーシスを発現しやすいので、観察を十分に行う
こと。
3) 患者に対し、ケトアシドーシスの症状(悪
心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦
怠感、呼吸困難、意識障害等)について説明
するとともに、これらの症状が認められた場
合には直ちに医療機関を受診するよう指導す
ること。
[「重大な副作用」の項参照]
(10)排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈
する患者においては、その治療を優先するとと
もに他剤での治療を考慮すること。
(以降,番号繰り上げ)
-2-
改訂内容 (続き)
(
改
訂
後
部 追加・改訂,
改
訂
部 削除)
前
3.相互作用
3.相互作用
(中略:現行のとおり)
〔併用注意〕(併用に注意すること)
臨床症状・
機序・危険因子
薬剤名等
措置方法
(中略:現行のとおり)
利尿薬
(略:現行
(略:現行のと
チアジド系薬剤
のとおり)
おり)
ループ利尿薬等
(中略)
〔併用注意〕(併用に注意すること)
臨床症状・
機序・危険因子
薬剤名等
措置方法
(中略)
利尿薬
チアジド系薬剤
(略)
(略)
ループ利尿薬
4.副作用
4.副作用
(中略:現行のとおり)
(中略)
(1)重大な副作用
(1)重大な副作用
(中略:現行のとおり)
(中略)
注 1)
3)ケトアシドーシス(頻度不明
):ケトアシド
ーシス
(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があ
らわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切
な処置を行うこと。
[「重要な基本的注意(9)」の項参照]
4)腎盂腎炎(頻度不明注 2))、敗血症(頻度不明注 3)腎盂腎炎(頻度不明注))
:腎盂腎炎があらわれる
2)
): 腎盂腎炎があらわれ、敗血症(敗血症性 ことがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら
ショックを含む)に至ることがあるので、観察 れた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う
を十分に行い、異常が認められた場合には投与 こと。
[「重要な基本的注意(7)」の項参照]
を中止し、適切な処置を行うこと。
[「重要な基本的注意(7)」の項参照]
(2)その他の副作用
(2)その他の副作用
0.1〜5%
0.1%未満 頻度不明注 1)
0.1〜5%
0.1%未満
頻度不明注)
(中略)
(中略)
皮膚及び
発疹
そう痒症
皮膚及び
発疹
皮下組織
皮下組織
障害
障害
腎及び尿
頻尿、多
排尿困難
腎及び尿
頻尿、多
路障害
尿、尿量増
路障害
尿、尿量増
加
加
(中略)
(中略)
注 1) 海外において認められている副作用あるいは 注) 海外でのみ認められている副作用のため、頻度
国内自発報告であるため、頻度不明
不明
注 2) 海外でのみ認められている副作用のため、頻
度不明
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、
本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用する
本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用する
こと。
こと。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していな
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していな
い。本剤の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠
い。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠
中期及び後期にあたる期間の曝露及び幼若動物
中期及び後期にあたる幼若動物への曝露によ
への曝露により、出生児及び幼若動物に腎盂及
り、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。
び尿細管の拡張が報告されている。また、動物
また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報
実験(ラット)で胎児への移行が報告されてい
告されている。]
る。]
(以下略:現行のとおり)
(以下略)
-3-
改訂理由
厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(平成 27 年 9 月 15 日付)に基づく改訂
1.「慎重投与」の項
国内において本剤を含むSGLT2阻害剤投与後に尿路感染、性器感染が報告されており、尿路感染あ
るいは性器感染のある患者では症状を悪化させるおそれがあることから、慎重投与に追加記載し
注意喚起することといたしました。
2.「重要な基本的注意」の項
他のSGLT2阻害剤投与後に尿路感染から腎盂腎炎、敗血症などの重篤な感染症に至った症例が認め
られていることから重要な基本的注意の記載を改訂し、注意喚起することといたしました。
また、本剤の作用機序によりケトーシスからケトアシドーシスに至ることがあるため、留意すべ
き事項を追記し,注意喚起することといたしました。
3.「重大な副作用」の項
1)ケトアシドーシス
国内において本剤を含むSGLT2阻害剤投与後に因果関係が否定できない糖尿病性ケトアシドーシス
が認められています。糖尿病性ケトアシドーシスを含むケトアシドーシスを重大な副作用に追加
記載し、注意喚起することといたしました。
2) 敗血症
他のSGLT2阻害剤の投与後に腎盂腎炎があらわれ敗血症(敗血症性ショックを含む)に至った症例
が認められています。SGLT2阻害剤では同様の事象が発現することが考えられることから、クラス
ラベリングとして「重大な副作用」に追記し、注意喚起することといたしました。
自主改訂
1.「相互作用」の項
併用を注意する利尿薬は、チアジド系とループ利尿薬に限定せず、利尿薬全般に対して本剤との
併用においては利尿作用の増強に注意いただきたいことから「等」を追加記載することといたし
ました。
2.
「その他の副作用」の項
本剤のCCDS 注)に「そう痒症」及び「排尿困難」が記載されたこと、及び国内においてもこれ
らの副作用症例が報告されていることから追加記載し、注意喚起することといたしました。
3.「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項
動物(ラット)におけるエンパグリフロジン投与試験の結果が得られ、CCDS
から、現行の類薬の記載を改訂し、注意喚起することといたしました。
注)
が改訂されたこと
注)CCDS(Company Core Data Sheet:企業中核データシート)
CCDS には、安全性情報に加えて、効能・効果、用法・用量、薬理学及び製品に関するその他の情報が含ま
れています。ドイツ ベーリンガーインゲルハイム社は、収集した安全性情報を評価し、必要に応じて、
CCDS の改訂を行っております。
P.5~6 にジャディアンスⓇ錠 10mg・25mg の改訂後の【使用上の注意】全文を掲載しておりますの
で、併せてご参照ください。
改訂内容につきましては日本製薬団体連合会発行の「DRUG SAFETY UPDATE(DSU)医薬品安全対策情報
No.243」(2015 年 10 月上旬発行予定)に掲載されます。
ま た 、 PMDA ホ ー ム ペ ー ジ 「 医 薬 品 に 関 す る 情 報 」 (http://www.pmda.go.jp/safety/infoservices/drugs/0001.html)に最新添付文書、並びに DSU が掲載されます。
-4-
改訂後の【使用上の注意】
( 部変更)
*2015年 9 月改訂
(3)本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療
法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に
限り考慮すること。
(4)本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確
かめ、本剤を 3 カ月投与しても効果が不十分な場合には
他の治療法への変更を考慮すること。
(5)投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や減量する
必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の
合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合が
あるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意
の上、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注
意すること。
(6)本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低
下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査す
ること。腎機能障害患者においては経過を十分に観察し、
継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投
与の中止を検討すること。
[
「慎重投与」
、
「その他の副作用」
の項参照]
*(7)
尿路感染を起こし、腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感染症に
至ることがある。また、腟カンジダ症等の性器感染を起
こすことがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性
器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を
行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿
路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患
者に説明すること。
[
「慎重投与」
、
「重大な副作用」
、
「その他の副作用」
の項参
照]
(8)本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。
また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補
給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧
低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切
な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者
(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)
においては、
脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候
群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。
[
「慎重投与」
、
「相互作用」
、
「重大な副作用」
、
「その他の
副作用」
、
「高齢者への投与」
の項参照]
*(9)本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用によ
り、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢
進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至る
ことがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるた
め、以下の点に留意すること。
1)悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼
吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中
又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が
認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)
特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量
や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、
脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいの
で、観察を十分に行うこと。
3)患者に対し、ケトアシドーシスの症状
(悪心・嘔吐、食欲
減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害
等)
について説明するとともに、これらの症状が認められ
た場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。
[
「重大な副作用」
の項参照]
(10)排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者
においては、その治療を優先するとともに他剤での治療
を考慮すること。
(11)本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の
体重減少に注意すること。
(12)低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の
運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。
[
「重大な副作用」
の項参照]
(13)本剤とインスリン製剤又はGLP-1受容体作動薬との併用
における有効性及び安全性は検討されていない。
3 .相互作用
本剤は投与後血漿中には主に未変化体として存在するが、
一部はUGT2B7、UGT1A3、UGT1A8及びUGT1A9によるグ
ルクロン酸抱合により代謝される
(グルクロン酸抱合体とし
て血漿中放射能の3.3~7.4%存在する)
。また、本剤はP-糖
蛋白
(P-gp)
及び乳癌耐性蛋白
(BCRP)
の基質である。
[
「薬物動態」
の項参照]
【 禁忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者
[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必
須となるので本剤の投与は適さない。
]
(3)
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の
投与は適さない。
]
【 効能・効果 】
2 型糖尿病
<効能・効果に関連する使用上の注意>
(1)
本 剤は 2 型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、
1 型糖尿病の患者には投与をしないこと。
(2)
高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤
の効果が期待できないため、投与しないこと。
[
「重要な基本的注意
(6)
」
、
「薬物動態」
の項参照]
(3)
中等度腎機能障害患者では本剤の効果が十分に得られない
可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。
[「重要な基本的注意
(6)
」
、
「薬物動態」
、
「臨床成績」の項
参照]
【 用法・用量 】
通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを 1 日 1 回朝
食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、
経過を十分に観察しながら25mg 1 日 1 回に増量することがで
きる。
【 使用上の注意 】
1 .慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1)
次に掲げる患者又は状態
[低血糖を起こすおそれがある。
]
1)
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
2)栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂
取量の不足又は衰弱状態
3)
激しい筋肉運動
4)
過度のアルコール摂取者
(2)他の糖尿病用薬(特に、スルホニルウレア剤又はインスリ
ン製剤)
を投与中の患者
[併用により低血糖を起こすおそれがある。
(
「重要な基
本的注意
(1)
」
、
「相互作用」
、
「重大な副作用」及び
「臨床
成績」
の項参照)
]
(3)脱水を起こしやすい患者
(血糖コントロールが極めて不良
の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)
[本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。
(
「重
要な基本的注意
(8)
」
、
「相互作用」
、
「重大な副作用」
、
「高
齢者への投与」
の項参照)
]
*
(4)
尿路感染、性器感染のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。
(
「重要な基本的注意
(7)
」
の項参照)
]
(5)
高度肝機能障害患者
[使用経験がなく安全性が確立していない。
(
「薬物動態」
の項参照)
]
(6)
中等度腎機能障害患者
[
「重要な基本的注意
(6)
及び
(8)
」
、
「薬物動態」
の項参照]
2 .重要な基本的注意
(1)本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びそ
の対処方法について十分説明すること。特に、インスリ
ン製剤又はスルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖
のリスクが増加するおそれがある。インスリン製剤又は
スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するた
め、これらの薬剤と併用する場合には、これらの薬剤の
減量を検討すること。
[
「慎重投与」
、
「相互作用」
、
「重大な副作用」
の項参照]
(2)糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮す
ること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿
病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾
患があることに留意すること。
-5-
〔併用注意〕
(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
糖尿病用薬
糖尿病用薬との併用時に 血 糖 降 下 作 用 が
ス ル ホ ニ ル ウ レ は、低血糖が起こるおそ 増強される。
ア剤
れがある。特に、スルホ
速 効 型 イ ン ス リ ニルウレア剤又はインス
ン分泌促進薬
リン製剤による低血糖の
α-グ ル コ シ ダ ー リスクを軽減するため、
ゼ阻害薬
これらの薬剤と併用する
ビ グ ア ナ イ ド 系 場合にはスルホニルウレ
薬剤
ア剤又はインスリン製剤
チ ア ゾ リ ジ ン 系 の減量を検討すること。
薬剤
低血糖症状が認められた
DPP-4阻害薬
場合には、通常はショ糖
GLP-1受 容 体 作 を投与し、α-グルコシダー
動薬
ゼ阻害薬との併用時には
イ ン ス リ ン 製 剤 ブドウ糖を投与すること。
等
[「重要な基本的注意」の
項参照]
血糖降下作用を増
強する薬剤
β遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸化
酵素阻害剤等
さらに血糖が低下するお 血 糖 降 下 作 用 が
それがあるため、併用す 増強される。
る場合には、血糖値その
他患者の状態を十分観察
しながら投与すること。
血糖降下作用を減
弱する薬剤
アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン
等
血糖降下作用の減弱によ 血 糖 降 下 作 用 が
り血糖が上昇するおそれ 減弱される。
があるため、併用する場
合には、血糖値その他患
者の状態を十分観察しな
がら投与すること。
* 利尿薬
チアジド系薬剤
ループ利尿薬等
0.1~ 5 %
機序・危険因子
代謝及び栄 高脂血症
養障害
感
染
体液量減少
血液及びリ 血液濃縮
ンパ系障害
神 経 障 害 めまい、味覚異常
胃 腸 障 害 便秘、腹部膨満
* 皮膚及び皮 発疹
下組織障害
そう痒症
* 腎及び尿路 頻尿、多尿、尿量増
障害
加
排尿困難
一般・全身 口渇、空腹感
障害
臨床検査
体重減少、尿中ケト 血中ケトン体陽
ン体陽性
性
注1)海外において認められている副作用あるいは国内自発報告で
あるため、頻度不明
注2)海外でのみ認められている副作用のため、頻度不明
5 .高齢者への投与
(1)一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の
状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、国内外
の臨床試験の併合解析において、75歳以上の患者では75
歳未満の患者と比較し、本剤25mg群で体液量減少の有害
事象の発現割合が高かった。
[
「重要な基本的注意
(8)
」
の項参照]
(2)高齢者では脱水症状
(口渇等)の認知が遅れるおそれがあ
るので、注意すること。
6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与
*
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、本剤を投
与せず、インスリン製剤等を使用すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。本剤
の動物実験
(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあ
たる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張
が報告されている。また、動物実験
(ラット)で胎児へ
の移行が報告されている。
]
(2)
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。
[動物実験
(ラット)
で、乳汁中への移行が報告されている。
]
7 .小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない
(使用経験がない)
。
8 .臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清
1,5-AG
(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖
及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考
とはならないので注意すること。
9 .適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよ
う指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺
入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併
症を併発することが報告されている。
]
10.その他の注意
雌雄マウスを用いた 2 年間反復投与がん原性試験
(100、
300及び1000mg/kg/日)
において、1000mg/kg/日の雄で腎腫
瘍の発生頻度の増加が認められた。雌雄ラットを用いた
2 年間反復投与がん原性試験
(100、300及び700mg/kg/日)
に お い て、300mg/kg/日 以 上 の 雄 で 精 巣 に 間 細 胞 腫、
700mg/kg/日の雄で腸間膜リンパ節の血管腫の発生頻度の
増加が認められた。マウスに本剤1000mg/kg/日
(雄)及び
ラットに本剤300mg/kg/日
(雄)を反復経口投与したときの
( 1 日 1 回25mg)の
曝露量
(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量
それぞれ約33倍及び約19倍であった。
4 .副作用
国内で実施された臨床試験では、1834例中277例
(15.1%)
に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主
な副作用は頻尿70例
(3.8%)
、低血糖43例
(2.3%)
、口渇29
例
(1.6%)
、便秘25例
(1.4%)
等であった。
(1)
重大な副作用
1)
低 血糖
(2.3%)
:他の糖尿病用薬
(特にスルホニルウレ
ア剤)との併用で低血糖が報告されている。また、他の
糖尿病用薬を併用しない場合でも低血糖が報告されて
いる。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む
食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。
[「慎重投与」、
「重要な基本的注意
(1)
」
、
「相互作用」
、
「臨床成績」
の項参照]
2)
脱水
(0.1%):脱水があらわれることがあるので、適度
な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水
が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行
うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等
を発現した例が報告されているので、十分注意すること。
[
「慎重投与」
、
「重要な基本的注意
(8)
」
、
「相互作用」
、
「そ
の他の副作用」
、
「高齢者への投与」
の項参照]
ケトアシドーシス
(頻度不明注1))
*3)
:ケトアシドーシス
(糖
尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあ
るので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に
は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[
「重要な基本的注意
(9)
」
の項参照]
、敗血症
(頻度不明注2))
:腎盂腎炎
腎
盂腎炎
(頻度不明注2))
*4)
があらわれ、敗血症
(敗血症性ショックを含む)
に至るこ
とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場
合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[
「重要な基本的注意
(7)
」
の項参照]
(2)
その他の副作用
0.1%未満
頻度不明注1)
亀頭炎、陰部そう痒 亀頭包皮炎、外
生殖系障害 症
陰腟不快感、外
陰腟そう痒症
利尿作用が増強されるお 利 尿 作 用 が 増 強
それがあるため、必要に さ れ る お そ れ が
応じ利尿薬の用量を調整 ある。
するなど注意すること。
0.1~ 5 %
0.1%未満
頻度不明注1)
膀胱炎、尿路感染、 ト リ コ モ ナ ス 腟モニリア
症 無症候性細菌尿、外 症、細菌性腟炎、 症
陰部腟カンジダ症
外陰部腟炎
-6-
013024
JAD-N006(R0)
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