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シビアアクシデント後の遠隔計測技術
廃止措置工学高度人材育成と 基盤研究の深化 「遠隔計測」研究 のポイント 遠隔計測チーム 東京工業大学原子炉工学研究所 木倉 宏成 東工大の強みは廃棄物処理処分・分析の分野 燃料デブリ実態把握と汚染水漏洩 炉内把握のための温度・放射線量測定 遠隔ロボットを利用 出典:東京電力・福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ参考資料より 教育 シビアアクシデント後の遠隔計測技術に関する人材育成 (東京工業大学 原子炉工学研究所) シビアアクシデント発生後に有用な計測方法や複数の情報から炉心の状態を適切に推定 でき、シビアアクシデントの進展を抑えることのできる人材を育成する。 TMI-2でも用いられた超音波探信技術、ならびにそれを一歩進めた超音波ドップラー 技術による流速分布計測技術が有効、さらにそれを運搬するロボット技術が不可欠 超音波計測例(360°パノラマ、TMI-2実測データ) 出典: L. S. Beller and H. L. Brown (EG&G Idaho), “Design and Operation of the Core Topography Data Acquisition System for TMI-2,” EG&G Idaho, GEND-INF-012, May, 1984. 教育 シビアアクシデント後の遠隔計測技術に関する人材育成 (東京工業大学 原子炉工学研究所) シビアアクシデント発生後に有用な計測方法や複数の情報から炉心の状態を適切に推定 でき、シビアアクシデントの進展を抑えることのできる人材を育成する。 TMI-2でも用いられた超音波探信技術、ならびにそれを一歩進めた超音波ドップラー 技術による流速分布計測技術が有効、さらにそれを運搬するロボット技術が不可欠 超音波計測 ロボット搬送 教育 シビアアクシデント後の遠隔計測技術に関する人材育成 (東京工業大学 原子炉工学研究所) シビアアクシデント発生後に有用な計測方法や複数の情報から炉心の状態を適切に推定 でき、シビアアクシデントの進展を抑えることのできる人材を育成する。 TMI-2でも用いられた超音波探信技術、ならびにそれを一歩進めた超音波ドップラー 技術による流速分布計測技術が有効、さらにそれを運搬するロボット技術が不可欠 シビアアクシデント後の高放射線場での 超音波計測技術とロボット技術の習得を 目 的と して 大学 院授 業 科 目「 シ ビア ア ク シ デント工学実験」を新規に立上げ、東工大で の学生実験用モックアップ模擬施設での実験 および福島に建設予定のモックアップ施設 での実験を大学院生に行わせる。 図1. 実験実施構想図 図2. 学生実験モックアップ施設 ・超音波計測技術の習得 ・ロボットエンジニアとしての基礎技術を習得 スケジュール 平成26年度~28年度:シビアアクシデント工学実験カリキュラムの作成 超音波基礎計測、ロボットシミュレータの活用、ロボット操作基礎訓練 学生実験モックアップ施設を用いたシビアアクシデント工学実験の実施 平成29年度~30年度:福島モックアップ施設での実験カリキュラムの作成 学生実験モックアップ施設を用いたシビアアクシデント工学実験の改良 福島モックアップ施設でのシビアアクシデント工学実験の実施 超音波計測技術のポイント 福島第一原子力発電所の廃炉 汚染水漏えい箇所の調査,補修 カメラ • • 破損箇所の有無 トレーサを用いた漏洩調査 滞留水の様子 (約60cmの透明度) 濁水,高線量 超音波センシング 不透明液体の適用 TMI-2事故後の調査実績 東京電力株式会社,”福島第一原子力発 電所1号機原子炉建屋トーラス室内調査 結果について(R/B1階床配管貫通部から の調査:平成24年6月26日実施)”, 平成24 年6月27日. 濁水環境を克服可能 高線量環境を克服可能 超音波流速分布計測法(UVP法) Takeda, T et al. (1991), “Development of an Ultrasound Velocity Profile Monitor”, Nuclear Engineering and Design, 126, pp. 277-284. を用いたフローマッピング技術 流れの方向性から漏洩箇所の調査 ロボット搬送した機材での漏洩調査イメージ (トーラス室、建屋貫通部) 超音波流速分布計測法(UVP法) t 超音波パルスの送受信を繰り返す パルスリピテーション法 Phase difference:ϕ T0 Δt T1 パルスの送受信を繰り返す間に粒子が移動 受信信号に位相差が発生 測定線方向の 速度成分 c ⋅φ v= 4πf 0 ∆t c : Sound speed ϕ : Phase difference ƒ0 : Basic frequency T2 位置 ct x= 2 : 受信信号 θ Δt : Pulse emission interval t : Traveling time 𝑉𝑉 = 𝑣𝑣/cos𝜃𝜃 測定線上の速度分布 Flow 円管流れ Basic frequency:𝒇𝒇𝟎𝟎 𝑥𝑥 𝑣𝑣 T… Sound speed:c 𝑽𝑽 Ultrasound Velocity Profiler UVP Duo (≒100,000 $) Ultrasound Velocity Profiler 2.0 U / Um 96 D 1.0 0.0 2.0 -0.5 0.0 0.5 r/D U / Um 8D UVP Duo (≒100,000 $) 1.0 0.0 -0.5 0.0 r/D 0.5 東工大計測システム(UVPシステム) 高速デジタイザ (PXI-5114, National Instruments) 得られた信号の収録 超音波パルサ・レシーバ (JPR-10C-KB-2CH, Japan probe) 超音波の送受信 PC (LabView, C++) 波形解析・速度算出 ・超音波ドップラ法(FFT,自己相関法) ・超音波相互相関法 ベトクル場(フローマッピング) で流れの方向が知りたい 超音波トランスデューサ ・基本周波数:8MHz センサ径: 3mm ・基本周波数:4MHz センサ径: 5mm ・基本周波数:2MHz センサ径:10mm UVP法を用いたフローマッピング Ultrasonic transducer 測定線方向の速度値が計測可能 UVP法を用いたフローマッピング • 複数のトランスデューサ • 機械的にトランスデューサを移動 Flow 和田守弘ら, “超音波ドップラ法を用いた環境流動場計測”, 日本流体力学会年会講演論文集 2002, 490-491. • 位置決め精度 • 装置の大型化 漏えい箇所の調査にはセンサー部分の小型化が必要 • 超音波の発信方向を自在に変更可能 • 一つのセンサーで複数の測定線を計測可能 フェイズドアレイ技術 フェイズドアレイ技術を用いた速度ベクトル算出原理 ドップラー周波数 配列された振動素子からなるアレイセンサーを用い,素子毎に一定 の遅延時間をかけて超音波を発信することで,任意の方向に合成 波面を作ることが可能 𝑓𝑓0 𝑓𝑓𝐷𝐷𝐷 = 𝑒𝑒𝑒𝑒 + 𝑒𝑒1 𝑉𝑉 𝑐𝑐 𝑓𝑓0 𝑓𝑓𝐷𝐷𝐷 = 𝑒𝑒𝑒𝑒 + 𝑒𝑒8 𝑉𝑉 𝑐𝑐 𝑐𝑐 𝑒𝑒𝑒𝑒 + 𝑒𝑒1 𝑉𝑉 = 𝑓𝑓0 𝑒𝑒𝑒𝑒 + 𝑒𝑒8 −1 𝑓𝑓𝐷𝐷1 𝑓𝑓𝐷𝐷8 アレイセンサー 8ch 1ch 𝑓𝑓0 + 𝑓𝑓𝐷𝐷𝐷 一つのセンサーで測定線上の速度ベクトルを算出 フェイズドアレイ法で測定線の方向を走査 速度ベクトルのフローマッピング 超音波素子 𝑓𝑓0 𝑓𝑓0 + 𝑓𝑓𝐷𝐷 𝑓𝑓0 + 𝑓𝑓𝐷𝐷𝐷 𝒆𝒆𝑒𝑒 𝒆𝒆1 粒子 𝒆𝒆8 𝑽𝑽 ƒ0 : 中心周波数 ƒD1 : ドップラー周波数 𝑒𝑒𝑒𝑒 : 単位ベクトル c : 音速 𝑒𝑒𝑖𝑖 : 単位ベクトル 𝑉𝑉 : 粒子の速度ベクトル 検証実験 センサーの搬送 壁面に漏洩がある状況を模擬 ロボット搬送 ロボット移動技術 Leakage ロボットアーム技術 東工大機械系 • 機械系3専攻 機械物理工学専攻,機械制御システム専攻, 機械宇宙システム専攻 – 60名の教員,30以上の領域に広がる広範な研究分野 • ロボット研究 – 機構要素・制御理論などの基礎から,社会ニーズを解決する応用まで, 精力的に研究開発を展開 原発事故対応ロボット,医療ロボット, – スーパーメカノシステム創造開発センター 福祉ロボット等 基礎 制御 材料 アクチュエータ,機構,機械要素 応用 スポーツ 医療,福祉 シミュレーション 移動 加工,生産 ロボット移動技術の例 • 東工大機械系は移動ロボットの研究開発において 世界のトップランナーとして活躍 ロボットアーム技術のポイント • 東工大/医科歯科大との共同研究 • 空気圧/ワイヤ駆動による腹腔鏡手術システム – 微細な手技を実現できる柔軟かつ高精度な手先位置制御 – ユーザビリティの高い遠隔操作技術 • 化学合成繊維ワイヤを用いた長尺アーム – 軽量高剛性の化学合成繊維によるワイヤ駆動技術 廣瀬茂男東工大名誉教授との共同開発 腹腔鏡外科手術用ロボット 廃炉作業用ワイヤ干渉駆動型超長尺アーム シビアアクシデント後の遠隔計測技術 研究 (東工大原子炉研、東工大機械系専攻、東京医科歯科大) TMI-2でも用いられた超音波探信計測技術を一歩前進させ、デブリ形状を把握するとともに、 超音波ドップラー技術を用いて汚染水漏洩箇所を特定するためのロボット搬送計測システ ムを開発し、この搬送計測システムを利用してデブリ特性を同定する技術の構築を目指す。 東工大機械系専攻:移動プラットフォームの検討とロボット搬送計測システムの統合開発 東京医科歯科大 :高強度化学合成繊維を用いた軽量超冗長多関節アームの設計開発 東工大原子炉研の 超音波計測技術 東工大機械系専攻の ロボット移動技術 東京医科歯科大の ロボットアーム技術 汚染水漏洩 箇所の特定 トーラス室 ロボット 壁面 ワイヤ S/C デブリ形状の把握 図1. 模擬デブリと超音波形状把握例 図2. クローラーロボットとアームの開発 超音波 センサ 建屋貫通部 図3. 汚染水漏洩箇所特定 スケジュール 平成26年度~28年度:超音波ドップラー技術によるデブリ形状把握と漏洩箇所特定技術の確立 クローラ型ロボットの製作と評価、ワイヤ駆動型アームの設計と製作 ロボット搬送計測システムの構築 学生に 学生実験モックアップ施設での計測実施 夢のある研究 平成29年度~30年度:ロボット搬送計測システムの改良 を提供したい 福島モックアップ施設での計測実施