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第2章前半 - 永平寺町

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第2章前半 - 永平寺町
 第2章 永平寺町の景観の特性と景観資源
2−1 景観の特性
(1)景観把握のための現況調査
永平寺町の景観の現況把握のために行った調査は以下のとおり。
(2)一次景観調査による景観の類型化
全町域を対象に実施した一次景観調査結果(1200 地点、画像計、約 3700 点)に
基づき対象画像ごとにその景観の類型化を行う。景観類型の区分は表 2-1 に示す。
類型化の基準は、各々の画像の占有度(面積比)の上位 3 位までの景観類型を選
定し、それぞれを景観類型①、同②、同③とよぶ。
表 2-1 景観類型
9
(3)永平寺町全体としてみた景観類型の特徴
以下では、上記の類型 21 区分
を 9 区分に集約した類型により傾
向をみる(図 2-1)。
ア)全般的な傾向を景観類型 1 ~ 3 位計でみると、道路景 観が最多の 23%と多いが、次
いで集落・市街地景観(20%)
が多く、自然景観(16%)、田
園景観(13%)が続いている。
イ)自然景観、河川景観、田園景観は、あわせて4割弱になり、永平寺町の景観構
成上高い要素であることがわかる。これに加えて、集落・市街地景観がそれぞれ
織りなして景観的魅力をかもしだしているといえる。
ウ)さて、占有率順位別にみると、占有率 1 位の景観類型は、道路景観で 4 割近く
を占める。これは視点場を道路上(歩道がある場合は歩道上)に設定して4方向
の撮影という調査方法の制約が要因していると考えられる。
エ)占有率2位では、集落・市街地景観が 32%と最多となり、また、自然景観の比
率が 17%となり、逆に道路景観は 13%に低下する。また、占有率 3 位では自然
景観が 41%と最多になり、集落景観に次いで、緑・樹木景観が3位(13%)に浮
上している。つまり、背景には、自然景観の存在が大きいといえる。
(4)地域別景観類型
地 域(M= 松 岡、E= 永 平 寺、
K= 上志比)別にみると、それ
ぞれの立地条件・土地利用状況
の差異を反映して景観の特徴が
みえてくる(図 2-2)。すなわち、
上流部の上志比地区ほど自然景
観、田園景観の比率が高く、次
いで永平寺地区が続いている。
九頭竜川景観は、永平寺地区で
は最も高く 8%となっているのは、その両岸の地域があるためと考えられる。公園・
樹木景観は、松岡地区、永平寺地区ともほぼ同じ 9%であるが、上志比地区では、
その 1/3 の比率となっていて、田園景観が広いだけに公園を補っているとみられる。
2-2.地区ごとにみた景観の特性と課題
(1)地区区分の目的
地区毎の景観特性をみるため、その前段としてまず、地区区分の検討をする。こ
こで地区とは生活や暮らしの場としての日常生活圏をいう。景観は、大別して大景
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観と小景観とに分かれるが、地区ごとの景観は、この小景観にあたる。景観調査結
果を使って地区ごとに小景観の特性と課題を整理する(これを地区景観カルテとよ
ぶ)。景観カルテの作成は地域に内在する景観形成に資する資源を抽出する意図もある。
(2)区分の基準
自然的条件……地勢 ( 山・川 )、地形(水系、扇状地・段丘、等高線)
社会的条件……市街地、古町割
(藩政時代の町割りを古町割りと呼ぶ)、公共施設、
都市計画(用途地域、区画整理等)
(3)区分
永平寺町域には市販地図(県別マップル)によると 93 の字の表示があり、これ
を上記の区分基準にもとづき 25 のゾーンに集約した。そのうち上志比については、
地形条件から沖積部と段丘部に大きく 2 区分に集約して結局、22 ゾーンになった。
このゾーンの特徴を示すネーミングを付けた(表 2-1、図 2-3)。
図 2-3 地域区分図
注)図中の地区 No は表 2-2 に対応
(4)地区景観カルテの作成
地区(ゾーン)ごとに景観の特性と課題を表す画像を選定し、地図にはりつけ、
画像の位置を番号で示した。特性と課題のコメント情報を地図上に示し、これを地
区景観カルテとよぶ(巻末の資料編参照)。
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表 2-2 地区毎の特性
表 2-2 地区区分表と特性
注)地区 No は表 2-3 に対応
2-3 景観資源の発掘と視点場の抽出
景観形成にむけて活用のできる景観資源(要素)の発掘とその評価、および視点
場の抽出・検討を行う。
(1)前提の整理
1)景観資源とは? 「人間をとりまく環境のながめ」になりうる要素で、良好な景観の形成(創出)
に資する要因(群)を「景観資源」 という。つまり、自然(地形、植生等)、歴史・
文化、土地利用、社会生活(生産、生活等)、人間をとりまく眺め の対象となる
もので、対象資源を含めた周辺の地形や自然、市街地が一体となって景観を構成す
る。また、季節、 天候等の条件によって独特の景観を生むこともあることから、時
間の要素も考慮して景観資源をとらえる必要がある。
図 2-4 視点場モデル
2)視点場とは?
視点の存在する「場」を意味し、視点近傍の空間を表す(図 2-4)。 3)視点場の設定
良好な景観を得られる上で視点場の設定が景観形成におけるポイント。
視点場は、
「点」だけでなく、主要道路などの「線」や面的な広がりの
場合もある。
(2)山地景観の可視領域と眺望点の抽出
1)山地の分布
景観として町の輪郭を形づくるのは、山の頂きとそこから伸びる尾根(稜線)で
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あり、これらは風景として見ると遠景あるいは中景をなす要
図 2-5 町域レベルの山地分布
素といえる。町域は、その大半を越前中央山地と加越山地で
占めている(山林・原野面積で約 75%)。町域では標高はせ
いぜい 800 m~ 1,000 m級であるが、白山連峰の 2,000 数百
mの高さは際立ち、こうした白山連峰をはじめとする山地は
町域の東方に望見できる景観的特徴といえる。
町界付近にある山地としては浄法寺山(1,053 m)を筆頭
に冠岳、鷲ヶ岳、経ヶ峰、剣ケ岳、吉野ケ岳で、町域内にあ
る山地は大仏寺山(807 m)、城山、および二本松山(273 m)
である(図 2-5)。
浄法寺山は町域では標高 1,000 m級で最も高く、他は 800
m級、仙尾山(国土地理院の地形図には呼称表示はないが、
地元で呼ばれている名称、823 m)、大仏寺山、鷲ケ岳(769 m)、経ケ岳(764 m)、
剣ケ岳(799 m)等の高さが一定に揃っていることから安定感がある。
その下の級は、300 m未満の二本松山で、松岡古墳群がある。これは山というよ
りもむしろ丘陵に近い。
図 2-6 白山連峰周辺図
2)白山連峰など東方の山々の眺望点
ア)小舟渡橋からの白山の望見
白山とは、御前峰(2,702 m)
、剣ヶ峰(2,677 m)
、
大汝峰(2684 m)の白山三峰(図 2-6)の総称である。
景観計画の視点から白山連峰という場合、白山国立公
園(特別保護地区)に含まれる山並み全体をさすもの
とする。したがって南の岐阜・福井県境の尾根まで含
まれる。
白山三峰が望見できる町域内の最適な視点場は、
小舟渡橋といわれている。小舟渡駅近くの断崖上に
「白山遥拝松(注 1)」があるが、この付近から白山が幅広く眺めることができた
(注 1)写 1-9
とされる。白山信仰もあってこの地に大勢の庶民が来場し賑わいのあったと想像
される(注 2)。
(注 2)上志比村教育委員会
「ふるさと探求」2002 年
小舟渡橋北詰は、行政的には勝山市北郷町になるが、ここからは白山三峰は視
界の外になり、目前に大きく勝山スキージャムのゲレンデ、すぐその背後に大長
山の山並みが望見できる。一方橋の南詰に移動すると、白山三峰が主対象になる。
一方、町域の最西端にある県立大学付近に転ずると、そこから冬期に東方を望見
すると、勝山スキージャムのゲレンデと連なって白山連峰とみまがうほどの美し
い雪景色の山々がながめられる。
ところで、景観計画にあたって白山連峰が町内のどこから望見できるかは景観
資源の評価にあたり重要なポイントになる。そこで、地図上において図形的方法
で山地の可視領域の検討を行う。以下にその方法を述べる。
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図 2-7 小舟渡橋から大汝峰の方角
イ)図形的方法による山地の可視領域の検討
ⅰ)視点場
①小舟渡橋(北詰、南詰)から望見でき
る東方の山々
②最西端(県立大学付近)ら望見できる
東方の山々
ⅱ)方法
1/25,000地形図
(国土地理院発行)
を使用。
設定した視点場は、①は上記のとおり、②については県立大学グランドの西南端
(公道上)とする。測定方法は、視点場と望見対象の山地とを図形的に直線で
結び、対象山地との間にある稜線の標高を読み、その高さを比較し望見対象が
視野内かどうかを判定する。
これから得られた結果は以下のとおり。
上記図測法はさまざまな前提をおいているため作業精度上の限界があることか
ら、杉本智彦著「カシミール3D入門」により国土地理院による各山地の標高ベー
スで改めて可視領域のチェックを行い、また展望図を作成した。
その結果に基づいて以下訂正する。ただし、このカシミールによる場合でも現実
に対象山地が望見できるかどうかは、山地の樹木等、天候の条件により必ずしも望
見できるとは限らない。ある意味で理論的アプローチであり、今後、実務的には、
実践的登山者から教示をいただいて修正をしていくことが課題である。
小舟渡橋南詰からは、白山三峰が望見されるが、北詰からはスキージャム勝山、
大長山(1,671 m)、がみられる。(図 2-7)
県大から望見できる山は、左手(北方)にスキージャム勝山が、右手には、その
背後にある赤兎山(1,629 m)と推定される。(図 2-8)白山連峰の南の連山(三ノ峰、
二ノ峰、一ノ峰)はさらに 4㎞ほど背後にあるが、前方の山々(法恩寺山等)の影
になり見えない。
図 2-8 県大西南角から法恩寺山の方角
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3)景観からみた山地の特性
景観において輪郭は、山の稜線が大きいが、実は山以外の要素として、東西を流
れる九頭竜川の要素を見落としてはならない。川は西に開き他の三方は山で囲われ
た空間構造をなしているが、越前中央山地と加越山地が接近する鳴鹿付近は狭窄し
閉鎖感があり、町域中央低地部では四周が山で囲われた、いわば「盆地的」様相を
みせているのが注目される。
ア)九頭竜川右岸では、加越山地を構成する冠岳(838 m)と浄法寺山(1053 m)
が連峰をなし、やや南に下がり九頭竜川に近く鷲ケ岳(769 m)がある。これら
はトロイデ(鐘状)型火山地形の特徴があると言われてきたが、今日トロイデと
いう言葉は学問的には死語化し溶岩ドームと称する(注1、注 4)
。
浄法寺山周辺の植生は「福井県のすぐれた自然(編)」であげられている。
青少年旅行村・キャンプ場(面積約 4ha、昭和 60 年開設)、近
(注1)トロイデは釣鐘のような、急
傾斜で上に凸の山腹を持つ火山。
1911 年、ドイツのカール・シュナ
イダーは、トロイデをはじめとする
火山地形を現在の地形だけで定義し
た。しかし、この分類はその後、火
山の研究が進むにつれて、その成因
を全く考慮しない分類で不都合であ
ることが明らかとなり、現在では破
棄され世界的には死語となっている。
日本では観光地の看板などにこれら
の名称が残っている場合があるが、
修正が望まれる。(フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』)
(注 4)福井県「土地分類基本調査」
(永平寺)1998 P14
図 2-9 青少年旅行村利用者の利用目的
くに「福井のおいしい水」に選ばれている浄法寺山清水小場がある。
冠岳展望台からは、日本海が見渡せる。旅行村の利用者の利用目
的では、登山(34%)、その他(25%)、バーベキュー(20%)、バ
ンガロー(14%)となっている(図 2-9)。緑の中での町民の健康、
ふれあい、交流等の効果が期待される。町民グループの自主的な
陶芸活動の場もある。
イ)鷲ケ岳は、浄法寺山よりやや低く、西方面からみると、上半分は釣り鐘のき
れいな姿形を示す。
写 2-1 大仏寺山のブナ林
ウ)一方、九頭竜川左岸の越前中央山地は平均標高 600 ~ 800 mで加越
山地よりも一段と低い。同北西部では、地形はかなり複雑で、仙尾山
(823 m)を最高に順次西方に階段状に低下し、城山に連なっている。
大仏寺山には、永平寺が現在地にうつされる前の大仏寺の跡がある。
寺の東側の標高 800 m付近の尾根部にブナ林が残存している。ブナが
優占する林分は、頂上付近の尾根からすこし下った緩斜面にもみられ
る。樹高 18 m以上の高木で自然林に近い(注 2)(写 2-1)。
(C) 福井県自然保護課 出所「福井県のすぐれた自
然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999 年 福
井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)
エ)松岡古墳群は約 150 基からなる古墳群で標高は 150 m~ 300 mにあり山とい
うよりも丘といえる。北は九頭竜川を眼下に見下ろすことができる風光明媚な
場所にある。松岡の市街の背景として、と同時に、永平寺川沿いの集落(谷底
(注2)福井県みどりのデータバン
クすぐれた自然データベース(福井
県自然保護課、出典「福井県のすぐ
れた自然(動物編、植物編、地形地
質編)(1999 年 福井県自然環境
保全調査研究会監修 福井県発行)
平野)からは、あたかも屏風のように集落に落ち着きを与えている。
オ)吉野ケ岳(547m)は 泰澄大師縁の越前五山(注 3)の 1 つとされ、別名、 蔵王山といわれる社殿をもつ霊場が山頂付近にある
(注 3)「越前五山」とは、白山・ 越知山・文殊山 ・蔵王山 ・日野山
4)山地ごとの可視領域の抽出
永平寺町域で望見できる9つの山・連峰のうち隣接する山地を連山として扱うと
7つの山地・連峰になる。これらの山地のうち可視領域を抽出するため景観2次調
査(平成 19 年 10 月~ 11 月)を実施した。公道上に 10 ルート、300 ~ 500 mピッ
チで視点場を設定し上記の7つの山地景観を撮影した。撮影地点は現地における追
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加の結果、地点数は 169 点、画像数は合計 872 枚となった。
山地ごとの可視領域を図 2-10 に示した。各々の山が町内のどこ(公道上)から眺望
できるかを示したものである。
図 2-10 可視領域図
ⅰ)白山連峰をはじめ東方の山々(以下、白山連峰等)の可視領域(図 2-11)
白山連峰等の可視領域は、大きく2つあり、1つは、上志比地区の小舟渡橋から
越前竹原駅までの一帯、416 号沿いの清水までの一帯、および、北島鮎大橋の付近
であり、いまひとつは、町西端に位置する五領地区(県立大学)からの東方の山々
の眺望である。
写 2-2 白山望見(小舟渡橋から)
小舟渡橋付近からの眺望が卓越しているのは、白山に最も接近した
位置にあること、また、中景に九頭竜川が入ることで、緑と水という
2大要素が存在し、良好な風景の条件であること等から見応えのある
白山連邦の眺望となっている(写 2-2)。
なお、このとき視点場を橋の手前に移動すると、近景に小舟渡橋が入り、
人間の生活文化的要素が加わり自然と社会との複合景観として面白みが出
る。写真家中村継夫氏の風景写真は、この典型であり、さらにそこには、
偶然鳥が飛んでいることで動きのある風景になっている(表紙参照)。
なお、五領地区からの白山連峰等というのは、先述したように、白
山連峰の手前の勝山市の連山(赤兎山等)を見ていることになる(写
2-3)。したがって厳密には、白山連峰をさすわけではない。
16
写 2-3 県大グランド南道路から
東方の赤兎山方面の眺望
ⅱ)鷲ケ岳の可視領域(図 2-12)
鷲ケ岳の可視領域は、松岡地区および永平寺川沿岸の地域を除く広
写 2-4 鷲ヶ岳望見
い地域にみられる。鷲ケ岳が九頭竜川に最も近接した位置にあること
から、その両岸において広く全町にわたって可視領域が存在する。もっ
とも二本松山や城山により影になる地域は、眺望は困難であるが、町
内の7つの橋を視点場として眺望できる。鷲ケ岳は、視点場が多く、
永平寺町民を見守っている、身近なシンボル的な山といえる(写 2-4)。
冠雪のこの山は、羽を広げた鷲の姿そっくりである(写 2-5)。
鷲ケ岳は、視点位置により見え方が変わる。鮎街道を走ると、西方
写 2-5 冠雪の鷲ヶ岳
面から釣り鐘状の形をなすが、東方面からは通常の山のようになだら
かな稜線形をみせている。また、福井市内(R416、開発交差点付近)
からでもかなり眺望できる特徴的山地である。景観形成においては、
永平寺町のランドマークと位置づけられよう。
ⅲ)松岡古墳群・吉野ケ岳の可視領域(図 2-13)
松岡古墳群の可視領域は、古墳群の足元である松岡地区(志比堺を除く)、永平
寺地区の光明寺、飯島、九頭竜川右岸一帯、永平寺川沿いの諏訪間、京善等で広い
範囲が可視領域となっている。つまり、松岡古墳群は、町の中にある庭といえる存
在である。(写 2-6)
写 2-6 松岡古墳群を望む
①けやき台から見る
②兼定島から見る
古墳群の西にある五領ケ島、福大医学部からみた松岡古墳群は、なだら
③浄法寺から見る
写 2-7 吉野ケ岳を望む
かな山並みとなっている。
吉野ケ岳は、越前山地のなかでは標高はやや高い方であるが、周囲に山々
があるため、その視点場は、松岡吉野などのごく一部に限られる。当該山
地の視点場が特定の地域に限定されるという点で景観的な特質があるとい
える(写 2-7)。
写 2-8 城山連山の山並み
ⅳ)城山の可視領域(図 2-14)
城山は、町内の中にあり、尾根線は、大仏寺山につながりがある(写 2-8)
。
ⅴ)浄法寺山の可視領域(図 2-15)
浄法寺山は、町内で最も高い山であるが、九頭竜川右岸で北部に位置している関係で、
その前面の九頭竜川の左岸側、すなわち永平寺地区の光明寺一帯、諏訪間、志比堺を
除く松岡地区が可視領域となっている。轟からみえる浄法寺山の景観は、稜線の高さ
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がある分、雄大にみえる(写 2-9)
。緑の村や花谷からの眺望は、写真の左手の低い稜
線から急速に上昇している点が特徴的である。浄法寺橋付近からの眺望は、手前に九
頭竜川の水辺があり、山と水の対比が美しい。
写 2-9 轟から見える浄法寺山
写 2-10 山鹿から見た経ヶ岳
ⅵ)経ケ岳の可視領域(図 2-16)
経ケ岳の可視領域の西の限界は鳴鹿橋付近の東古市一帯で、東は市荒川大橋付近
の両岸一帯で、えち鉄軌道付近までが可視領域である。
それぞれの山地の可視領域からの代表的景観を示したのが図 2-17 である。
5)3 以上の山の可視領域抽出
次に、各々の山地の可視領域図をもとに、複数(ここでは3以上)の山地の可視
領域の重なる地域を抽出する。このことの仮説的意義は、複数の山地が可視領域に
あるということは、視点場としての価値を有する可能性があるといえる。また、そ
の図に重ねて白山連峰等の可視領域を示した(図 2-18)。
図 2-18 可視領域図 2
18
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図 2-11 白山連峰等東方へ遠望景観
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図 2-12 鷲ヶ岳遠望景観
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図 2-13 松岡古墳群・吉野ヶ岳遠望景観
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図 2-14 城山連山遠望景観
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図 2-15 浄法寺山遠望景観
24
図 2 ー 16 経ヶ岳遠望景観
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