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CMPファンドリーサービス

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CMPファンドリーサービス
第6編 半導体製造装置
●第6編●第14章●第6節●
CMPファンドリーサービス
Entrepix
1. はじめに
米Entrepixは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスおよび関連プロセスのアウトソーシング/
設備サービスの大手である。米アリゾナ州Tempeにあ
るISO 9001:2000認証を得たファンドリーからIDM
(垂直統合型デバイスメーカー)、OEM(相手先商標製
造会社)
、CMP消耗品サプライヤーおよびMEMS、ナノ
テクノロジーの研究・製造現場に対して生産、エンジ
ニアリングならびに技術開発サービスを提供している。
また、CMP装置および計測機器の他、各種のアプリケ
ーション、スペアパーツ、フィールド(現場出張)サ
ービスを提供し、ユーザーの社内加工要件に対応して
いる。当社は加工・設備機能を備えており、初期統合
段階、最適化からパイロット生産および大量生産まで、
包括的なCMPソリューションをユーザーに提供してい
る。
2. 設備部門
当社はOEM各社とともに、200mm以下のウェーハ用
ツールプラットフォームの性能向上と長寿命化に特に
注力している。
また、当社が提供している設備サービスおよびプラ
ットフォームには、以下のものがある。
2.1 設備・装置
①CMP研磨装置
②CMP後洗浄装置
③薄膜・表面形状計測関連システム
④設備・装置のリファービッシュおよびサポート、
OEM製品としての認定保証
2.2 設備サービス
①リファービッシュ、設置、検定ならびに保証
②プロセスの開発および移行
③スペアパーツ、サブアセンブリの再製造、フィー
ルドサービス
④ツールのアップグレード
392
2009 半導体工場・装置・設備
⑤設備・装置およびプロセスの研修
3. ファンドリー部門
当社が注力しているもう1つの重要部門は、CMPなら
びにウェーハ表面コンディショニングアプリケーショ
ンを含めた広範なファンドリーサービスの提供である。
本稿では、CMP消耗品の開発、競合ベンチマーク比較、
ユーザー/ファブ合否判定試験の効率化を提供している
当社独自の研究施設について説明する。また、これら
の重要なファブ作業の一部を半導体メーカーにアウト
ソーシングする利点に注目した例、および当社が提供
する以下のようなファンドリーサービスについても説
明する。
①CMP(直径200mm以下および300mmウェーハ)
②表面処理/コンディショニングプロセス(直径
200mm以下および300mmウェーハ)
③ラッピング
④エンジニアリングおよび技術開発
⑤コスト削減調査
⑥新材料の導入
⑦プロセス/性能強化
⑧材料ベンチマーキング
⑨パイロット生産および量産デバイスのアウトソー
シング
そして最後に、MEMS、3Dパッケージング、代替メ
モリなどのモア・ザン・ムーア(More than Moore)/メ
インストリーム市場セグメントにおける多くの高機能
製品に適したCMPの開発と導入、ならびにこれらの重
要市場分野で当社がユーザーに提供している高付加価
値製品とその役割について見ていく。
4. EntrepixのCMPファンドリーサービス
当社は、専任のCMPプロセス専門家による設備・装
置のリファービッシュ(リファブ事業)とサポートサ
ービスを組み合わせた、この業界でもユニークな立場
第6編 半導体製造装置
1995
Qty≦2
Glass(Oxide)
Tungsten
2001
Qty≦5
Glass(Oxide)
2007
Qty≧24
Glass(Oxide)
Doped Oxides
Tungsten
Tungsten
Nitrides
Copper
Copper
NiFe & Magnetics
Shallow Trench
Shallow Trench
Polymers
Poly-Si
Poly-Si
III-V and II-VI mtrls
Low-k
Wide Bandgap
Cap Ultra Low-k
Ge and SiGe
Metal Gates
GaN
Gates Insulators
SiC and DLC
High-k Dielectrics
Through Si Vias
Ir & Pt Electrodes
Direct Wafer Bond
MEMS
Ultra Thin Wafers
図1
広範化・複雑化するCMP
にある。プロセス専門技術の維持
High Volume
とユーザー固有のエンジニアリン
Manufacturing
Consumables
Pilot Production
グ・開発の実施のために、当社は
Benchmarking
米アリゾナ州Phoenixにある専用
CMPファンドリーを運用している。
Further Cost
Qualification
CMPは、他の大部分の加工分野と
Reductions
比べて本質的に複雑な作業であり、
業界内に多くの難問が提示されて
Process
Optimization
Enhancements
いるため、この専用ファンドリー
の有無は特に重要である(図1)。
CMPの複雑さは様々な要因が絡ん
Next Generation
Integration
Technology
で生じているが、特に次の点が注
Design
Considerations
目される。
①プロセスに影響を及ぼす入力
:CMP FastForward
変数の数が多いこと
図2 「CMP FastForward」ソリューション
②変数間の全体的な相互依存性
③CMPの利用とアプリケーションの急速な拡大
することによって、CMPを活用するあらゆるレベルの
④異なるアプリケーションで既成のプロセスを使う
ユーザーをサポートするように設計されている。当社
ことによって生じる研磨反応の変化
は最近、オーストリアSEZ社のスピンプロセッサを使っ
⑤産業全体で求められる莫大な研磨作業量
て、補完的な表面処理およびコンディショニングプロ
セスも採り入れている。柔軟性と信頼性に富む長期的
当社の「CMP FastForward」は、半導体業界で最も包
括的なCMPプロセス、ファンドリーサービス、設備提
なCMPソリューションを実現することによって、コス
トとリスクを削減し、最終的にはユーザーの投資回収
供のポートフォリオである。カスタマイズが可能なサ
期間の短縮を目指している(図2)
。
ービス構成は、各種エンジニアリング/プロジェクトの
開発から社内外の生産能力拡大、さらに全く新しい
CMPラインの実現、検定、増強まで、各ユーザーの設
5. 市場のダイナミクス
備、プロセスおよび製品要件の一部または全部に対応
半導体製造に関する様々な決定は、コストに大きく
2009 Semiconductor Fab/Equipment/Facilities
393
第6編 半導体製造装置
394
2009 半導体工場・装置・設備
(Geometrical & Equivalent Scaling)
Baseline CMOS:CPU、Memory、Logic
Scaling(More Moore)
左右される。従来、半導体メーカ
2007 ITRS Executive Summary
ー(特にIDMおよび専業ファンド
Moore's Law & More
リーメーカーを含む)は、ウェー
Functional Diversification(More Than Moore)
ハ直径を拡大させデバイス形状を
縮小させるというスケーリングま
HV
Sensors
Passives
Analog/RF
Biochips
Power
Actuators
たはムーアの法則(Moore's Law)
(nm)
を実践し、最新技術を投入して最
Interacting with People
130
先端技術を維持することにより十
and Environment
分なコスト削減を達成してきた。
90
Co
Non-digital Content
nti
System-in-package
nu
しかし今日では、工業技術が財務
i
ng
(SiP)
65
S
oC
成績を主導するのではなく、財務
Information
an
dS
Processing
45
成績が工業技術を主導するという
iP:
Hi
Digital
Content
gh
根本的な変化が起こっている。こ
32 System-on-chip
er
Va
lue
の変化は半導体メーカーの、非常
(SoC)
Sy
22
ste
に明確な2つの分野への分化を進め
ms
た。この点は、2008年1月に発表さ
れた「国際半導体技術ロードマッ
Beyond CMOS
プ(ITRS)」にも明示されている。
ITRSはこの先15年間、費用対効果
に優れたデバイスを生産するのに
図3 分化が進む半導体製造
必要な要件を定義して半導体業界
メインストリームおよびモア・ザン・ムーアに分類
に示している(図3)
。
されるアプリケーションには、以下のような市場セグ
CPUおよびメモリ、ロジックなど大量生産されてい
メントが含まれている。
るCMOSデバイスの中には、今後もスケーリングによ
①アナログ/リニアIC
る効果が続くものが少しはあるが、この種のデバイス
を生産して利益を上げられるのは、30∼100億ドルの先
②高電圧/電源用
③RF(高周波)/無線用
行設備投資を行って初めて実現するような収益構造が
④3D/アドバンストパッケージング
財務的に認められる、わずか一握りのメーカーに限ら
れる。しかし、デバイスの大部分は、スケーリングが
⑤MEMS&センサ
⑥代替メモリ
最先端技術の確立に大きく先行する。今日、世界各地
に1000社ほどある半導体製造ファブの約90%が、最先
⑦ナノテク&ナノバイオ
⑧化合物半導体(SiC、GaNなど)
端技術を用いない分野、あるいは“メインストリーム”
⑨太陽電池/光半導体/ LED
または“モア・ザン・ムーア”と呼ばれる部分に分類
されている。つまり、設備投資の全部ではなくても、
⑩ディスクリート
⑪受動素子
その大部分を減価償却して優れた製造コスト構造を構
⑫太陽光
築したこの種のファブは、自社資産を重点的に活用、
製造用ツールだけでなく、プロセス技術、サポート
拡張することによって、その潜在寿命を最大限に延ば
したいと強く望んでいる。その結果、IDMやファンド
サービス、設備の改良など、半導体メーカーの繁栄の
大部分を装置OEMに依存してもたらしてきた歴史があ
リーの多くで主流となっている経営戦略は、性能のア
る。しかし、今日では、メインストリームファブをサ
ップグレード、継続的な保守性、ならびに生産能力の
拡大を目指して漸増的な設備投資を行うことによって、 ポートする経済性は、80%以上という最大の投資収益
最先端技術を用いないこの種のファブの寿命を延ばす
率(ROI)を生み出す最先端ファブに、貴重な経営資源
ことである。
を集中させることを余儀なくされているこれらのOEM
第6編 半導体製造装置
のコスト構造に、完全に見合っていない。
その結果、OEMは、メインストリームファブとツー
ル設置ベースのサポートに適した構造を持つサードパ
ーティとの業務提携に注目している。これらのファブ
は、多くの場合、リファービッシュした設備を活用し
て生産能力を拡大、アップグレードしている。米Gartnerによると、2007年に15億ドル程度と見られるリファ
ブ事業の市場規模は、2011年には35億ドルに拡大する
と予想される。リファブ市場以外にも、最先端技術を
用いないファブを対象とした数十億ドル規模のスペア
パーツ/設備アップグレード市場がある。
6. 市場へのアプローチ
ツールのあらゆる側面がこの戦略計画の対象となるこ
ともある。
OEM各社と協力して、200mm以下のウェーハ用ツー
ルプラットフォームの性能向上と長寿命化を実現した
エコパートナーシップの一例として、米Novellus Systemsとの協力による「AEON472」と「AEON372」が
ある。2007 Semicon Westで発表されたこれらの製品
は、Novellus Systemsと当社がCMP研磨プラットフォ
ーム「Avanti 472/372M」のアップグレードパッケージ
として導入した。このパッケージは、以下のコンポー
ネントから構成され、エンドユーザーのニーズや要件
に応じて選択できる。
①新型のコンピュータとOS(Pentium/Windows XP搭
載PC)
②新型の操作インターフェース(フラットパネルタ
ッチスクリーン)
③「Hexazone」キャリア
④「SteadySweep」パッドコンディショナ
⑤HSMSを含むSECS/GEMプロトコルの完全な実現
これらのアップグレードパッケージを全て組み合わ
せることによって、部品の陳腐化による問題を解決し
て設備の長寿命化を実現できる。さらに、エッジエク
スクルージョン(周辺部除外領域)を3mm以下に抑え
て研磨を可能にするHexazoneキャリア、ならびにパッ
ド寿命とプロセス再現性を向上させるSteadySweepパッ
ドコンディショナを導入することによって、最新型の
研磨プロセス性能を実現する。
当社は現在、CMP後洗浄装置「DSS-200」に関して
は米Lam Research、SpeedFam-IPECのCMP研磨プラット
フォームではNovellus Systems、エリプソメータ(偏光
解析器)「AutoEL」ファミリでは米Rudolph Technologies、スピンプロセッサのアプリケーション開発と検証
ではSEZ Americaとの間に、それぞれエコパートナーシ
ップを結んでいる。
当社はすでに、半導体メーカーに貢献するサービス
ベンダー大手としての地位を確立している。これは、
最も基本的なレベルでユーザーニーズを把握し、技術
主導型のアプローチによって達成したものである。フ
ァンドリーと設備部門を併せ持つ当社は、エンドユー
ザーとしてもサプライヤーとしても、この業界でユニ
ークな立場にある。それにより、OEMとIDMの間にあ
るギャップを確実に埋めることができる当社は、メイ
ンストリーム/モア・ザン・ムーア市場へ、付加価値の
高い長期的なサポートと技術を提供することができる。
当社のソリューションは、ユーザー各社の財務上、経
営上ならびに技術的な要件に合わせてカスタマイズす
ることができる。
OEM各社にも適用している当社の市場へのアプロー
チは、市場セグメントによって異なる様々な面に対応
した相互作用型・相互依存型の関係として知られるエ
コシステムパートナー(エコパートナー)のアプロー
チである。業務提携契約は、これらの関係構築の最前
線でエンドユーザーのニーズを捉えながら、その先何
年にもわたって個々のツールセットをサポートするの
に必要な資源および情報の枠組みを決定する。このア
プローチは、システム知的財産権(IP)の利用許可な
らびにOEM限定部品や汎用部品をオリジナルベンダー
7. Entrepixのサービスソリューション
から購入する権利を含む場合が多い。各社は、これら
より一層小型化かつ高速化した、高性能でありなが
の製造ツールセットの長期持続性の確保に向けて、①
ら低価格の半導体を製造するためにはCMPが必要な技
パーツおよびサブアセンブリが陳腐化する問題を見極
術であることは明らかで、この市場には多くのメーカ
めてそれに対処するとともに、②装置が製造仕様を満
ーが参入している。そのCMP市場は一般に、ユーザー
たすことができるように新たな技術を開発・導入する、 (IDMおよびファンドリーデバイスメーカー)とサプラ
という戦略的計画の作成に努力している。ハードウェ
イヤーにより構成されている。後者はさらに、OEMと
ア、ソフトウェア、コンピュータ、プロセスなど製造
消耗品(パッド、スラリー、コンディショニングディ
2009 Semiconductor Fab/Equipment/Facilities
395
第6編 半導体製造装置
写真1 Entrepix工場内風景
スク、洗浄剤、PVAブラシ)サプライヤーに分類され
る。当社は、全ての市場参入者のために、以下のよう
なサービスを用意している(写真1)
。
7.1 設備・装置のリファービッシュ
当社はOEM仕様に準拠した、または特定のユーザー
のニーズに合わせたリファブ事業を展開している。こ
のリファブプロセスには、利用可能な“コア”ツール
の市場からの調達、当社施設におけるツールの換装、
ベースラインシステム試験の実施、ツールの解体およ
び再製造(不良部品の修理または交換を含む)、ツール
専用の消耗部品およびプロセス部品の取り付け、あら
ゆるプロセス表面やコンポーネントの洗浄およびコン
タミネーションの除去、トレーサビリティ規格に則っ
たアライメントとキャリブレーション(校正)の実施、
品質保証テスト、ウェーハのマラソンテスト、ユーザ
ー側の品質担当者による出荷前テスト、ユーザー施設
での取り付け、合意された仕様や部品・作業標準保証
の認定などがある。アフターセールスサービスとアプ
リケーションサポートも別途提供可能である。
代表的なユーザーは、デバイスメーカーを中心とす
る設備エンドユーザーの他、大学や研究所などの研究
開発機関である。
7.2 フィールド(現場出張)サービス
フィールドサービスは、設備またはプロセス技術に
対するニーズに応じて、ユーザー側の施設で提供して
いる。設備サポートエンジニアは定期的な保守点検、
非定期の保守点検、予防的な保守点検などの要求に応
じて契約ができる。設備関連のフィールドサービスは、
短い場合で数時間、長い場合は6∼12か月にわたること
もある。同様に当社のプロセスエンジニアは、ファブ
内におけるプロセスの問題解決や開発にもあたってい
396
2009 半導体工場・装置・設備
る。
代表的なユーザーはデバイスメーカーを中心とする
設備エンドユーザーの他、大学や研究所などの研究開
発機関である。
7.3 部品サポート
当社は、OEMパートナー各社と共同でスペアパーツ
の供給を行っている。パーツの供給は通常、OEM各社
のオリジナルベンダー、またはその代わりの認定ベン
ダーから受ける。それ以外のパーツ/コンポーネントサ
ポートには、サブアセンブリのリファービッシュ(ロ
ボット、研磨ヘッド、スクラブブラシボックスなど)
の他、製造準備に必要な主要プロセス関連コンポーネ
ントの付加価値再製造や慣らし運転などがある。
代表的なユーザーは、パーツ販売とサービスについ
て一括してデバイスメーカーを中心に設備エンドユー
ザーに供給しているが、研究開発機関の他、大学や研
究所にも対応できる。
7.4 技術アップグレード
設備のハードウェアやソフトウェアのアップグレー
ドは、パーツやコンポーネントの陳腐化に対応するた
めに、またツールの運転性能と技術的性能を改善する
目的で開発・提供されている。特に市場から要望が多
いのは、コンピュータをアップグレードして運転寿命
を延ばすハードウェアの問題の他、故障や消耗品への
対応である。ハードウェア対策は結局はウェーハ上の
測定でも良い結果をもたらすものであり、それによっ
て特定のツールセットのプロセス性能をアップグレー
ドできる機会は非常に多い。その上、これはハードウ
ェアの運転効率や安定性の向上にも良い機会になる。
技術的なアップグレードは、開発中のプロセス技術に
関わることも多く、それにより歩留りまたは信頼性が
向上し、製造コストを削減し、さらに製品を次世代材
料に対応させ、または性能を改良することができる。
代表的なユーザーは、デバイスメーカーを中心とす
る設備エンドユーザーの他、大学や研究所などの研究
開発機関である。
7.5 要員研修
当社の施設またはユーザーの施設の両方で、実践的
な設備・プロセス研修を実施している。当社の研修講
師は、OEMまたはIDMで働いた経験のある有資格者で、
受講者はエンドユーザーのエンジニアである。レベル1
∼3の研修クラスがあり、基本的な操作方法や日常的な
保守点検から詳細なトラブルシューティングや修理手
第6編 半導体製造装置
順まで、受講者はクラスを選んで受講することができ
る。プロセス研修は、受講生であるユーザーの技能レ
ベルや要件、そのユーザー固有の製品やアプリケーシ
ョンに合わせてカスタマイズできる。プロセスエンジ
ニアと技術者は、保守点検の研修と同様に、CMPの基
礎から、最先端の技術まで教わることができる。当社
のエンジニアは、設備の運転、保守、リファービッシ
ュの他、プロセス性能に関する開発、維持、改善など
で長年の経験がある。そのため、リファービッシュし
た設備・装置の販売をサポートする目的で要員研修の
実施が求められる場合も多い。
代表的なユーザーはデバイスメーカーを中心とする
設備エンドユーザーの他、研究開発機関などの大学や
研究所である。企業はこのサービスによって、社内加
工・設備要件をサポートできる高度な技能を持ったエ
ンジニアを定期的に社内の人材プールに補充すること
ができる。
7.6 プロセス開発
当社は、1300以上の独自のプロセスデータセット、
様々なアプリケーション、腕時計の電池サイズから直
径300mmまで、大小様々のウェーハや基板を研磨して
きた豊富な経験を併せ持ち、CMP加工処理および材料
に関して業界で最も豊富かつ広範な知識を持っている。
当社は、これらの技術と経験を以下の目的でユーザー
のために活用、応用している。
①製品に合わせたプロセスの最適化
②消耗品のベンチマーキング
③プロセスコスト削減の実現
④プロセス性能の改良
⑤次世代プロセス技術の開発
これにより、ユーザーの学習サイクルは大幅に短縮
される。プロセス開発は、特にCMPの経験が少ないユ
ーザーだけでなく、コスト、性能、投資回収において
速やかな改善を実現するために高度リソースを必要と
する熟練ユーザーにとっても差別化要因となる。この
サービスには、SEZのスピンプロセッサを使った表面処
理とコンディショニングなども含まれている。
この種の提供サービスは、市場にアピールする範囲
が大きいため、ユーザープロファイルに対しても非常
に多様性に富んでいる。その中で最も急速に拡大して
いる最大のユーザー層は、消耗品材料の開発者やサプ
ライヤーである。この種のユーザーは、当社を活用し
て市場に出ている競合製品のベンチマーキングを行い、
自社製品を改良し、独自のユーザーデモや評価を行う
ことができる。ファブレスメーカーの製品開発者は、
当社のサービスを定期的に利用してCMPリスクの低減
と投資回収期間の短縮を図っている。当然、最先端技
術を有するデバイスメーカーもそうでないメーカーも、
すでに大きな生産負荷が掛かっている自社のツールと
エンジニアリング要員を補うために当社のリソースに
信頼を寄せている。
7.7 研磨サービス
当社のファンドリー作業では、CMP研磨およびSEZ
のスピンプロセッサを使った表面コンデショニングを
含めて、量産中またはパイロット生産段階のユーザー
の完成品の研磨を行っている。生産ベースの研磨サー
ビスは、以下の2つの異なるシナリオの帰結である。
①前述のプロセス開発サービスで研磨を行ったユー
ザー製品へのサービスの継続
②減価償却が済んでいる大規模なファブが、生産能
力の追加を必要としながら、フロアスペースまた
は資本的な制約があって、または需要充足の必要
またはストライキなどの予定があって、生産能力
を緊急に要する場合
当社の研磨サービスは、各地にある当社の施設でア
ウトソーシングサービスとして、または当社が設備と
要員をユーザーの施設に派遣するインソーシングサー
ビスによって提供される。
この研磨サービスは主に、デバイスメーカーやファ
ブレスメーカーが生産能力の拡大の他、社内で生産上
の問題が万一発生した場合のバックアップ能力増強の
ために利用している。当社は、90nm以上の製品でもユ
ーザー認証を受けている。研磨サービスはこの他にも、
一部の材料サプライヤーが製品認定や出荷前の品質保
証テストに利用している。
8. おわりに
業界に広く認められたCMP技術大手である当社は、
幅広い技術全般にわたって様々なユーザーを獲得して
いる。そのユーザーリストには、IDM、ウェーハ専業
ファンドリー、OEM、材料サプライヤー/開発者、部品
メーカー、ファブレスメーカー、有力な技術系大学の
他、各種研究開発コンソーシアムもある。また、成功
を加速させる重要なパートナーとして当社を信頼して
いる550のユーザーの中には、一流企業や有力企業の社
名も多数存在するのが現状である。
2009 Semiconductor Fab/Equipment/Facilities
397
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