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【液晶パネル】液晶パネル供給過剰、上半期解消は困難 回復は下半期 【液晶
2012 年 2 月号
828 号 2 月 1 日
【液晶パネル】液晶パネル供給過剰、上半期解消は困難 回復は下半期
2012-1-29 半導体制造
昨年 10-12 月から中国内地の春節商戦関連の大型液晶パネルの出荷量が増えたことから、
液晶パネル価格が若干持ち直したことについて、ディスプレイ市場調査機関
DisplaySearch は、液晶パネルの供給過剰は今年前半は解消されることは難しく、液晶
パネル価格の大幅上昇も難しい、したがって液晶パネルメーカーが今年 1-3 月に赤字か
ら抜け出すことは極めて困難との見方を示した。
DisplaySearch アナリストは、今年の液晶パネルの需給バランスに影響を及ぼす大きな
要因として、世界経済の回復、中国内地液晶パネルメーカーのテレビ用液晶パネルの歩
留まりの改善を挙げているが、仮に液晶パネル価格が 2012 年 4-6 月から 7-9 月に上昇に
転じることになれば、友達光電(AUO)、奇美電子(Chimei Innolux)等の大手液晶パネル
メーカーの第 5 世代、第 6 世代生産ラインの減価償却終了に寄与する、減価償却が早期
終了すれば、友達光電、奇美電子等の大手液晶パネルメーカーが黒字転換する可能性が
出てくると分析する。
DisplaySearch の調査によると、液晶パネルメーカーの平均設備利用率は昨年 4-6 月に
70%前後に落ち込んでから底這いが続いているが、今年 4-6 月には 80%、今年下半期には
85%まで上昇する可能性があるという。
ただ、業界内では液晶パネル価格が嘗てのピーク時の水準を回復することはないと考え
ており、今後高世代液晶パネル生産ラインを建設するとすれば、中国内地以外に考えに
くいといわれている。
DisplaySearch は、長期的には世界の液晶パネル産業は 2015 年以降、緩やかに有機 EL
パネル産業にシフトしていくと方さえ指摘する。有機 EL パネルへのシフトがあくまで緩
やかに進むとしているのは、有機 EL パネルの量産化が技術的に非常に難しく、実現には
10 年近くの時間を要すると見られているため。
【液晶パネル】パナソニック、奇美から TV 用液晶パネル調達 今年 450 万枚
DIGITIMES、Commercial Times 30-1-2012
日本のパナソニックは、これまでのテレビ用液晶パネルを 100%自社生産する方針を転換、
今年から台湾の奇美電子(Chimei Innoulux)から液晶パネルを調達することが明らかに
なった。
パナソニックの今年年間の奇美電子からのテレビ用液晶パネル調達量は 450 万枚、金額
270 億 NTD(9 億米ドル)以下とされており、パナソニックの今年の液晶テレビ出荷目標が
1200-1500 万台とされているが、うち 40%の液晶パネルを自社で生産、30%を LG Display
から調達、残り 30%を奇美電子から調達する計画。
なお、シャープは既に 40 インチ以下の液晶テレビ用パネルを奇美電子から調達、鴻海
(Foxconn)には液晶テレビのアッセンブリを発注している。
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【ノート PC】ノートパソコン ODM、春節後の農民工復職率 9 割以上を確保
2012-1-30 台湾経済日報
中国国内に生産拠点を展開している主要ノートパソコン ODM メーカーは、旧正月に当た
る春節後に毎年大量の農民工が離職することに悩まされてきたが、広達(Quanta)、仁宝
(Compal)、英業達(Inventec)、緯創(Wistron)の 4 大ノートパソコン ODM メーカーが
明らかにしたところによると、成都や重慶などの中国内陸部に一部生産拠点をシフトし
ていることもあって、今年の農民工復職率は 9 割以上に達する見通し。
一方、沿海部の広東省では、今年の春節に広東省以外の省・自治区に帰省した農民工は
約 1000 万人に上るが、そのうち 10%が復職しない見通しで、今年も 2-3 月に農民工不足
に悩まされることが予想されている。また、外資進出が増えた内陸部の都市が春節時の
農民工帰省のタイミングを捉えて大規模な農民工募集を行っていることから、沿海部の
農民工不足は例年以上に厳しくなる可能性が出ている。
英業達は、中国国内の労働力不足は依然厳しいものの、復職率 9 割以上を確保できれば、
操業に大きな影響が出ることはないとの見通しを示している。英業達の主力工場は上海
浦東にあるが、重慶に建設した工場が既に量産を開始していることから、これまでに比
べ、農民工不足は緩和されるという。
また、ノートパソコン ODM メーカー各社は、これまでの経験も生かして、重慶、成都等
の内陸部に生産基地を建設する際に農民工不足が生産活動に与える影響を最小限に抑え
る体制を取り入れたことから、今後は農民工不足に伴う深刻な事態は発生しないとも指
摘する。
中でも、緯創では、成都等の内陸部の市政府が春節時には人員を配置して農民工確保の
ための支援を提供する体制を取っている、農民工不足は報道されているほど深刻ではな
い、復職率が低い地域は沿海部に集中していることを指摘。また、成都市政府が緯創の
成都工場で勤務する農民工の研修にも協力しているため、成都工場の農民工のスキル向
上にもつながっているという。
【タブレット】タイ政府、90 万台のタブレット PC 調達 聯想/中興/華為受注
2012-1-30 精実新聞、Bangkok Post
タイ政府が近く中国政府と総額 22 億バーツ相当の 90 万台のタブレット PC を調達する契
約を結ぶことが明らかになった。市場は、中国政府は同 90 万台のタブレット PC を聯想
(Lenovo)、中興(ZTE)、華為(Huawei)3 社に発注すると見ている。
中国政府はタイの大水害に対する支援の一環でタブレット PC を低価格で提供すること
を表明、タイ政府の教育委員会が、タイ政府が中国政府と来月にも正式に契約を締結す
ることになる、1 台 75 米ドルの低価格でタブレット PC を 90 万台調達することを明らか
にした。
児童への低価格タブレット PC 支給計画は、タイのタイ貢献党(Pheu Thai Party)が選
挙公約で掲げたものであり、今般調達される 90 万台のタブレット PC は主にタイ国内の
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小学生に配給されるが、支給対象を中学生まで拡大すれば、調達予算は 33 億バーツに膨
らむ見通し。
タイ政府は中国政府に対してタブレット PC の提供価格を 7 インチスクリーン、8-16 ギ
ガバイトのメモリ、WiFi 機能搭載スペックで 3400 バーツ以下にすること、保証期間を 2
年とすることを求めているという。
市場では、両政府が正式に契約を調印すれば、中興、華為、聯想 3 社が共同受注するこ
とになり、先ず試験的にそれぞれが 1000 台ずつを納入することになると見られている。
【パソコン】パソコン需要、下半期に反転 ただ年間出荷量 2%成長止まり
2012-1-29 中国 PCB 産業協会
証券大手のモルガンスタンレーが発表したレポートによると、昨年 10-12 月のパソコン
産業の各種指標から今年上期のパソコン需要は昨年からの低調な状況から回復すること
はなく、Windows 8 投入、Ultrabook 価格の下落に伴って今年下期になってようやく需要
の回復が見込めるとの見通しを明らかにした。そのため、今年通年の出荷量は前年比 2%
程度の増加にとどまるとしている。
パソコン出荷量が今年上期に伸び悩む要因については、タイ洪水によるハードディスク
の供給不足、タブレット PC によるパソコン市場の侵食、新興市場の成長鈍化を挙げてお
り、上期のパソコン出荷量は前年同期比 3%減になると予想。下期については、昨年下期
の実績が低いこと、ハードディスクの生産が正常化すること、Windows 8 投入、Ultrabook
価格下落などにより、例年に比べ需要は増加、出荷量は前年同期比 6%増を予測している。
Ultrabook については、大きな需要を喚起するには価格が現在の 1000 米ドルから少なく
とも 800 米ドル以下に下がることが必要で、今年 4-6 月には 800 米ドル以下に下落する
が期待できるとの見方を示した。
【ODM】鴻海/宸鴻等、アップル好業績発表で期待感から株価大幅上昇
台湾経済日報 2012.01.30
アップル、インテル、IBM 等が好業績を発表する中、中華圏の関連サプライヤの業績も
好調が続いており、中でもアップルのアッセンブリ ODM パートナーである鴻海(Foxconn)、
静電容量式タッチパネルの主力サプライヤである宸鴻(TPK)は過去最高の業績を記録し
ている。
アップルが先週、昨年 10-12 月に 3700 万台の iPhone、1543 万台の iPad、520 万台の Mac
ノートパソコンを販売、売上高が前年同期比 73%増の 463 億米ドル、純利益は同 118%
増の 131 億ドルだったことを発表したが、その内容が市場予想を大幅に上回るものであ
ったことから、中華圏のアップル関連サプライヤの株価を大きく押し上げているという。
アップルのサプライヤチェーンには、上記の鴻海、宸鴻のほか、アッセンブリの広達
(Quanta)、和碩(Pegatron)、コネクタの正崴(Foxlink)、パワーサプライの康舒(AcBel)、
台達(Delta)
、受動部品の国巨(Yageo)
、周辺部品の達方(Darfon)、晶技(TXC)、タッ
チパネルの勝華(Wintek)、友達(AUO)、奇美(Chimei Innolux)、PCB の嘉聯益(Career)、
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華通(Compeq)、台郡(FLEXium)、南電(Nanya)、欣興(Unimicron)、LED の光宝(Lite-on)
が参画している。
また、半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)董事長の張忠謀(Morris Chang)氏
は、今年の世界の半導体市場の成長率予想を 3%から 2%に下方修正したものの、成長率は
1-3 月に底を打ち、その後は徐々に上昇していく、インテル、IBM の昨年 10-12 月の業績
が好調だったことは、半導体関連メーカーにとっては精神安定剤になっているという。
一方、DRAM メーカーの業績は依然低迷が続いており、台湾プラスチップ傘下の DRAM メ
モリメーカーである南亜科技(Nan Ya)及び華亜科技(Inotera)は 18 日、両社の昨年
の損失が 600 億 NTD を超えたことを明らかにしている。
【PCB】台湾 PCB メーカー株価上昇率上位 3 社、昨年 4Q 業績まちまち
2012-1-30 台湾経済日報
台湾上場のプリント配線基板(PCB)メーカーのうち、昨年の株価上昇率上位 3 社はフレ
キシブル基板の台郡(FLEXium)、液晶パネル/メモリ基板の健鼎(Tripod)
、IC 搭載基板
の景碩(Kinsus)だったが、この 3 社の昨年の業績は、健鼎が液晶パネル、ハードディ
スク(HDD)、DRAM モジュール産業が昨年相対的に不振だった影響で連結売上高が上場後
初めて前年割れしたものの、ほぼ前年並みを維持したのに対し、台郡は昨年 12 月の連結
売上高が単月としては過去最高を記録、昨年 10-12 月の連結売上高は 7 四半期連続で過
去最高を達成、通年の連結売上高も過去最高を記録した。台郡は一昨年に着手した中国
昆山工場の生産拡張が昨年下半期に稼働し始めたことから、今年 4-6 月には生産能力が
現在比 30%増となる見通しで、今年 1-3 月については、昨年 10-12 月を下回るものの、
アップル向けの間接受注が期待できることから、通年の売上高は昨年を上回る見通し。
また、景碩は、アップルのサプライヤでないことが影響し、昨年 11-12 月の売上高が予
想を下回り、ここ数ヶ月続いてきた単月売上高の過去最高更新の勢いは若干鈍化してい
るという。
【半導体】アップル、昨年チップ購買 173 億米ドル チップユーザーでは最多
2012 年 01 月 25 日騰訊科技
大手市場調査機関 Gartner が 24 日に発表したレポートによると、昨年アップルが購買し
た半導体チップ総額が 173 億米ドルに達し、主要チップユーザー10 社中で最も多かった
ことを明らかにした。
昨年はアップルのチップ購買額は三星、HP に次いで 3 位だったが、今年は一気に三星、
HP、2 社を抜いて首位となった。ただ、アップルの昨年の半導体チップ購買額の世界シ
ェアは 5.7%、一方、三星の昨年の半導体チップ購買額は 167 億米ドルで世界シェアは 5.5%、
HP の同購買額は 166 億米ドルで世界シェアは 5.5%と僅差の 1 位であるとしている。
しかし、アップルの昨年のチップ購買額は前年比 34.6%増、前年比増加率でも主要チッ
プユーザー10 社中首位であることから、アップルと三星の差は今後開いていくと見られ
ている。購買額の前年比増加率がアップルに次いで高かったのは聯想(Lenovo)で、聯
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想の昨年の購買額は前年比 23.7%増加し、購買額順位も 8 位に上昇している。一方、昨
年のチップ購買額が前年比大幅減となったのはノキアで、購買額は前年比 20.1%減、購
買額順位は 4 位から 5 位に下がった。なお、主要チップユーザー10 社の昨年の半導体チ
ップ購買額は合計すると 1056 億米ドルで前年比 1.8%増だった。
Gartner チーフアナリストの山路正恒(Masatsune Yamaji)氏は、2011 年の半導体チッ
プ購買をけん引したのはスマートフォン、タブレット PC、フラッシュメモリドライブで、
アップル、三星、宏達(HTC)等のスマートフォン市場シェアを伸ばした企業のチップ需
要が大幅に増加したが、ノキア、LG 等のスマートフォン市場シェアを下げた企業のチッ
プ需要は大幅に減少した。
アップルは iPhone を通じてスマートフォン市場でシェアを拡大するとともに、タブレッ
ト市場では iPad を通じて圧倒的シェア獲得に成功していることから、チップ需要が急増
している。さらにノートパソコン市場で MacBook Air が販売好調であるため、ノートパ
ソコン用チップ需要も伸びている。
Gartner の山路正恒氏は、IT 産業では端末機のモデルチェンジが目まぐるしく短期間で
変化していくため、チップメーカーは市場のヒット商品から目を離さないと同時に、次
世代ヒット商品の胎動にも細心の注意を払わかなければならないいと指摘する。
なお、アップルが急増するチップ需要に対応するため、イスラエルにチップ開発センタ
ーを開設し、アップルが先日買収したイスラエルのフラッシュメモリモジュールメーカ
ーAnobit 社と統合するという観測も出ている。
市場調査機関 IHS iSuppli が昨年 8 月に発表したレポートによると、2011 年のワイヤレ
ス用チップの売上高はパソコン用チップの売上高を上回ったことから、iPhone や iPad
等のモバイル機器に使われる CPU、メモリ、その他チップの需要規模は従来型パソコン
に使われるチップの需要規模を超え始めたと見られている。
829 号 2 月 3 日
【タッチパネル】超声、中興向け 7 億元相当静電容量式タッチパネルを落札
PCB 中国網 2012-2-1
中国地場の大手プリント基板(PCB)メーカーでタッチパネル事業を急速に拡大している
超声電子(Chaosheng)は 20 日、中興通訊(ZTE)の 2012 年度の液晶パネル及び静電容
量式タッチパネルを落札したことを明らかにした。落札数量は 1931 万セット、落札金額
は 7.79 億元で、そのうち静電容量式タッチパネルがそれぞれ 1056 万セット、6.85 億元
を占めているという。超声電子が落札した製品は中興通訊の今回の入札調達数量全体の
48.51%を占める。
大手 IT 市場調査機関 IDC の調査によると、中興通訊は昨年 7-9 月に世界第 4 位の携帯電
話メーカーに躍進、スマートフォンの販売台数も昨年は 1200 万台、今年は 2400 万台を
出荷する計画を明らかにしている。
中興通訊は、今年出荷する計画の 2400 万台のスマートフォンの 5 割前後のタッチパネル
を超声電子から調達することを決めており、超声電子はこうした需要に対応するため、
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昨年 7 月にタッチパネルの生産拡張を行い、昨年末時点でタッチパネルモジュール年産
能力は 1200 万セットに達している。さらに、今年新たに 6 億元を投じて静電容量式タッ
チパネルの生産能力を大幅に拡張することも明らかにしている。
【液晶パネル】京東方/華星、8G 量産開始でパネル価格に再び下落圧力
2012-2-1 精実新聞
液晶パネル価格が昨年 10-12 月に入ってようやく下げ止まり小幅ながら上昇に転じてい
ることから、LG Display の昨年 10-12 月の赤字幅は大幅に縮小、また台湾の友達(AUO)、
奇美電子(Chimei Innolux)も赤字幅が縮小したことを明らかにしている。
大型液晶パネルの出荷価格が 4 ヶ月連続で安定推移、生産ラインの稼働率も上昇してい
るが、その一方で中国内地の京東方(BOE)、中電熊猫(CEC Panda)、TCL 華星(China Star)
が 8.5 世代生産ラインの稼働率を引き上げ、供給量を増やしてくれば、ようやく安定し
てきた液晶パネル価格が今年下期には再び下落圧力を受けることが懸念されている。
京東方は、傘下に合肥 4.5G(月産 4.5 万枚)、北京 5G(月産 10 万枚)、合肥 6G(月産 9
万枚)、北京 8.5G(月産 9 万枚)を有しており、うち 8.5G は主にテレビ用大型液晶パネ
ルを生産する計画。また、中電熊猫の南京 6G の月産量は 6 万枚、TCL 華星の深圳 8.5G
の月産量は 6 万枚で、どちらも主にテレビ用大型液晶パネルを生産する計画となってい
る。
中小型液晶パネルに特化している天馬(Tianma)は、傘下に 5 本の生産ライン、それぞ
れ上海の 4.5G(月産 3 万枚)
、上海の 5G(同 10 万枚)
、武漢の 4.5G(同 3 万枚)
、成都
4.5G(同 3 万枚)、厦門 5.5G(同 3 万枚)を有しているが、いずれも 4.5-5.5G で大型液
晶パネル事業に参入する計画は今のところないとしている。
今後、京東方、華星、中電熊猫の 6G 及び 8.5G が本格的に量産を開始、3 社の量産開始
時期が今年後半に重なっていることから、世界の液晶パネル価格に相当大きな下落圧力
とかかることが予想される。
中国内地メーカーの大型液晶パネル世界市場シェアは、昨年初めには 4.8%だったが、今
年 1-3 月には 7%近くまで上昇すると見られている。
【パソコン】アップル、昨年 4Q に HP を抜いて世界 PC 出荷量シェア首位に
台湾経済日報 2012.02.01
市場調査機関 Canalys の統計によると、昨年 10-12 月のアップルのタブレット PC 及びマ
ッキントッシュを含む PC 出荷量は 2000 万台に達し、世界の 17%を占め、HP の同シェア
12.7%を大幅に上回り、一躍世界最大の PC ブランドメーカーとなった。また、10-12 月
のアップルの iPhone 出荷台数は 3700 万台に達し、スマートフォンの四半期出荷量記録
を更新した。
Canalys は、デスクトップ、ノートブック、ネットブック、タブレットを全てパソコン
範疇として集計した結果、アップルの昨年 10-12 月の iPad 出荷量は 1500 万台、Mac 出
荷量は 500 万台であるので、同期の世界の PC 出荷量、約 1.2 億台の 17%を占め、HP を大
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幅に上回ったとしている。
一方、大手の市場調査機関である Gartner 及び IDC は、タブレット PC を PC の範疇から
除外しているため、Canalys とは異なった数字を発表している。Canalys は、昨年 10-12
月の世界の PC 出荷量は前年同期比 16%増だが、PC からタブレット PC を除外すると、同
期の世界の PC 出荷量は前年同期比 0.4%減とマイナス成長になると指摘している。
また、Canalys の CEO、Steve Brazier 氏は、アップルの iPad にアマゾンの Kindle Fire、
バーンズ&ノーブルの Nook を加えた昨年 10-12 月の 3 社合計のタブレット PC 出荷量は
世界の同期の PC 出荷量の 22%を占め、PC 産業は 20 年に一度の大きな転換期を迎えよう
としていると指摘する。
一部の PC ブランドメーカーが Ultrabook を新たな成長エンジンと捉えていることについ
て、Canalys は Ultrabook が抱えている最大の難点は 1000 米ドルという高価格であり、
この高価格がネックとなって今年前半の販売は厳しい状況が予想される、ただ、販売不
振に伴って今年後半には価格が 2 割以上下落すれば、市場の需要は十分喚起できるとも
予想している。
【ノート PC】緯創、今年のノート PC/サーバ出荷量前年比 20%増見込む
DIGITIMES 30-1-2012
世界第 3 位のノートパソコン ODM メーカーである緯創(Wistron)は、今年のノートパソ
コン、サーバ、ポータブルデバイスの出荷量が前年比 20%増となる見通しを示した。一
方、液晶テレビの出荷量は前年比横ばいにとどまるとの予想を示した。
緯創の今年のノートパソコン出荷目標は 3200 万台、これに対し同業首位の広達の同目標
は 5800 万台、同業 2 位の仁宝の同目標は 4800 万台とされている。
【LED】東貝、TV メーカー安定調達志向で販売好調 10 月まで続く見通し
台湾経済日報 2012.02.01
テレビ用等の大型 LED バックライト大手の東貝光電(Unity Opto)董事長の呉慶輝氏は、
韓国、中国内地、日本のテレビブランドメーカーが今後 LED 液晶テレビの新機種を大量
に投入することから、LED バックライトの安定調達志向が強まっており、これまでの 1
ヶ月契約から 3 ヶ月契約に切り替える傾向が強まっていることを明らかにした。そのた
め、東貝光電の今年 1 月の売上高は昨年 12 月に比べ増加、この上昇基調が今年 10 月ま
で続く見通しで、東貝光電向けに LED チップを供給している璨圓光電(Forepi)も同様
の恩恵を受けることが予想されている。
また、証券大手のモルガンスタンレーが、LED チップ世界 4 位の晶元光電(Epistar)の
業績は今年 3 月から回復、回復は 6 月頃まで続くとの見通しを示していることについて
は、呉慶輝氏は、テレビ、タブレット PC、スマートフォン用 LED バックライトの需要が
今後増えてくることから、LED 産業は今月中に回復に転じ、4-6 月には本格的に上昇軌道
に入るとの見方を示した。
LED のサプライチェーンにおいて、東貝が璨圓と戦略的パートナー関係を結んでいるこ
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とから、璨圓は東貝を通じて三星、LG の認証取得に成功している。璨圓は同様の手法で
日本の大手ブランドメーカーからの認証取得も目指している。
璨圓スポークスマンの傅珍珍氏は、受注状況に言及して、大型バックライトの需要は明
らかに回復に向かっていることは事実、全体的に受注状況は当初予想したよりも良好、
稼働率は昨年 10-12 月の 50-60%から 80%近くまで上昇している、3 月頃まで 80%前後の稼
働率を維持できる見通しを明らかにした。
【銅箔】金居、2 月も在庫調整が続くため、当面減産体制を続ける
2012-2-1 精実新聞
台湾の光宝集団(Lite-on)傘下の電解銅箔メーカーである金居(Co-Tech)は、例年であ
れば前月を下回る今年 1 月の受注が安定していることから、ユーザーの在庫調整が一段
落したことをうかがわせ、2 月に在庫補充の需要が出てくることが予想されるが、今後
も当面は減産体制を続け、価格の反転上昇を促したい考えを明らかにした。
金居は 2 月も稼働率 60-70%に据え置き、月間生産量 1000-1100 トンを維持し減産を続け
ることで、手持ちの在庫量を 900 トンまで下げる計画だという。金居は、減産は昨年 5
月から始めたが、供給過剰の市況を改善することだけでなく、運営コストを引き下げる
ことにもつながるため、需要を慎重に見極めた上で、フル稼働再開の時期を決めたいと
している。
なお、金居の昨年 10-12 月の売上高は 10.1 億 NTD で、7-9 月比 12.5%減、リーマンショ
ック後では最も低い水準に落ち込んでおり、赤字運営の状態が続いていることを明らか
にしている。
【CCL】聯茂、中国企業との価格競争で 4Q 税前利益が 3Q 比 43%減
2012-2-1 精実新聞
プリント基板用銅箔張り積層板(CCL)大手の聯茂(ITEQ)は、昨年の業績を発表し、昨年
10-12 月の連結売上高が中国内地メーカー等との価格競争の影響で、7-9 月比 10%減の 47
億 NTD、同期の連結税前利益は 2.21 億 NTD で 7-9 月比 43%減となったことを明らかにし
た。
また、通年の連結売上高が 200.5 億 NTD で前年比 1.3%増の過去最高となったものの、昨
年上期の国際銅価格高騰の影響で税前利益は前年比 22%減の 14.36 億 NTD にとどまった
ことを明らかにした。
【PCB】志超/健鼎、定穎の昆山工場火災で友達から緊急オーダー獲得
台湾経済日報 2012.02.02
液晶パネル需要及び価格が反転上昇する中、液晶パネル用プリント基板(PCB)大手の志
超(TPT)、健鼎(Tripod)、定穎(DYnamic)は稼働率を引き上げているが、中でも志超
は定穎が春節前に発生した中国昆山工場での火災で一部生産ラインが操業を停止してい
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ることから、転注効果もあって今年 1-3 月の売上高が四半期としては過去最高となる見
通しを明らかにした。
3 社は昨年の液晶パネル価格の大幅下落の影響を受けて一時業績を悪化させたが、昨年
の米国の年末商戦が予想以上に好調だったことなどから、志超がいち早く業績を回復、
昨年 10-12 月及び昨年通年ともに過去最高の売上高を達成、特に昨年 10-12 月の売上高
は前年同期比 35.14%増となった。また、新たに参入したノートパソコン用 PCB 事業も着
実に売上を伸ばしている業績アップに貢献しているという。
定穎の昆山工場で 1 月 20 日に起きた火災事故については、電気鍍金ラインが停止してい
るため、在庫補充を急ぐ定穎のユーザーである大型液晶パネル大手の友達光電(AUO)が
一部製品を志超、健鼎に転注していることが明らかになっている。
定穎は、昆山工場の火災に言及して、今のところ影響はない、液晶パネル用 PCB の受注
は来月まで埋まっている、ただノートパソコン用 PCB の受注は横ばいが続いているため、
生産設備全体の利用率は低水準が続いていることを明らかにしている。
【半導体】華芯、済南に建設していた中国初のメモリ実装検査ライン稼働
OFweek 電子工程網 2012-2-1
中国地場最大のサーバメーカーである浪潮集団(Inspur)傘
下の山東華芯半導体(旧キマンダ西安)は、中国地場メーカ
ーでは初めてとなる FBGA メモリ IC 実装検査ラインを済南で
稼働させたことを明らかにした。
華芯半導体は、キマンダの資産取得を通じて、IC チップの設計から、開発、製造、実装
検査にいたるまでの IC 産業の全てのバリューチェーンを垂直統合する中国国内では唯
一の企業となっている。
華芯半導体が今般稼働させた実装検査ラインは資産価値は、インフィニオン傘下のメモ
リメーカーで破綻処理に伴う再生手続を進めているキマンダのポルトガル工場からわず
か1億元で取得したもの。同実装検査ラインの資産価値は 5 億元以上といわれており、
華芯はキマンダの破綻処理に乗じてキマンダからわずか 1.3 億元という破格の安値で西
安開発センターの 65 ナノ DRAM 設計技術、及び実装検査設備を取得することに成功した
ことになる。
中国工業情報化省の統計によると、中国国内の IC チップ市場は 2010 年に世界最大にな
っているが、中国の地場メーカーが独自に設計製造できる IC チップ製品は市場の需要の
わずか 20%に過ぎない。中でも、メモリチップは情報産業の米(こめ)といわれ、IC 産
業生産高のの 4 分の 1 以上を占めるが、殆どを海外メーカーからの輸入に依存している。
2010 年の中国の IC チップ輸入額は 1570 億米ドルに上り、7 年連続で鉄鉱石、石油の輸
入額を上回って輸入額トップの輸出品となっている。そのため、華芯半導体のメモリ事
業稼働は、海外メーカーへの依存率を下げ、外貨の流出を抑えるとともに、国家の安全
保障にとっても大きな意味があると評価されている。
今般稼働した実装検査ラインの年産能力は 6000 万個のメモリチップで、年間生産高は 1
億米ドルを超える見通し。華芯半導体は今後 5 年で済南輸出加工区に総額 30 億元を投じ
9
2012 年 2 月号
て世界有数の IC 開発センター及び IC 生産基地を建設するとしている。
830 号 2 月 6 日
【液晶 TV】冠捷、液晶 TV 出荷量目標を前年比 2 倍の 3 千万台に設定
DIGITIMES 3-2-2012
世界最大の液晶テレビ ODM メーカーである冠捷(TPV)は、今年の液晶テレビ出荷量目標
を前年比 2 倍の 3000 万台とすること、液晶テレビの売り上げが中国内地でのフィリップ
スとの合弁事業の統合が完了する今年 4-6 月以降大幅に伸びる見通しであることを明ら
かにした。
中国内地市場では現状では韓国企業が中国国内に構築したサプライチェーンを梃子に優
勢であるが、冠捷が改革開放当初に中国内地に進出し築いてきたネットワークをフル活
用すれば現在の劣勢を十分巻き返すことができるとの見方を示した。なお、冠捷の昨年
の液晶モニタ出荷台数は 6000 万台、液晶テレビの出荷台数は 1500 万台。
【有機 EL】友達、出光興産と提携 高性能有機 EL 材料を安定調達
2012-2-3 CTimes
韓国の三星、LG が年内にテレビ用有機 EL パネルの量産を開始することから、三星、LG
に次ぐ世界第 3 位の大型液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)は、日本の出光興産
と戦略的パートナーシップを締結し、共同で大型有機 EL パネルの開発を開始することを
明らかにした。
締結された内容によると、出光興産が友達光電に対し高性能有機 EL 材料を供給、友達光
電はその有機 EL 材料を使って有機 EL パネルの開発を加速させるとされている。スマー
トフォン及びタブレット PC 向け中小型有機 EL パネルだけでなく、テレビ用の大型有機
EL パネルの開発も加速するとしている。
出光興産は 1980 年代に有機 EL 材料の開発を始め、1997 年に青色有機 EL 材料の開発に
成功、2007 年には日本の静岡県御前崎市に有機 EL 材料量産工場を建設、有機 EL 材料で
は世界をリードするトップメーカーとなっており、大型有機 EL パネルの量産を計画して
いる韓国 LG にも有機 EL 材料を供給している。一方、友達光電はアクティブマトリック
ス(AM)有機 EL パネル技術ではパイオニアであり、数百件の有機 EL 関連特許を保有し
ている。友達光電は出光興産の高性能有機 EL 材料を安定調達することで、有機 EL パネ
ル分野での遅れを取り戻したい狙いがある。
【液晶パネル】昨年 4Q の大型液晶パネル世界出荷量が 3Q 比 1%減
2012-2-3 eettaiwan
台湾の IT 市場調査機関である集
邦科技(TrendForce)傘下のディ
10
2012 年 2 月号
スプレイ研究部門 WitsView は 2011 年 10-12 月の世界の大型液晶パネルの出荷状況に関
する報告を発表、同期の大型液晶パネル出荷量が 7-9 月比 1%減の 1.74 億枚だったこと
を明らかにした。
用途別に出荷量を見ると、10-12 月が中国内地の元旦商戦、米国のクリスマス商戦需要
でテレビ用液晶パネルの出荷量が 7-9 月比 6%増となったのに対し、モニタ用液晶パネル
の出荷量は同 1%増、ノートパソコン用液晶パネルの出荷量は同 2%減となった。12 イン
チ以下のネットブック(Netbook)用液晶パネルの出荷量は同 23%減、タブレット PC 用
液晶パネルの出荷量はアップルが昨年 10-12 月から iPad2 の在庫抑制を開始したこと、
歩留まりが改善が進まない iPad 3 用液晶パネルの調達量を抑制したことが響いて同 9%
減となった(上表参照)。
また、同じく WitsView の調査報告によると、2011 年通年の液晶テレビ、モニタ、ネッ
トブック(Netbook)用液晶パネル出荷量はそれぞれ前年比 1.4%、5.1%、13.5%減となった。
中でもネットブックは 2008 年の発売から 2010 年のピーク期と一気に市場を拡大させた
が、タブレット PC の登場に伴ってわずか 4 年で衰退期に入るという短命商品に転落、一
部のブランドメーカー、液晶パネルメーカーはネットブック市場から徐々に撤退を始め
ている。液晶テレビ及びモニタについても、欧米の消費市場の冷え込み、エコ家電購入
補助金の打ち切り、買い替え需要の一巡などの影響を受けて、市場としては初めて前年
を下回る結果となった。
【液晶パネル】中国政府、大型液晶パネル輸入関税 3%を 5%に引上げか
2012-2-3 中国液晶網
中国内地の大手市場調査機関である奥維諮詢(AVC)の薄型ディスプレイ市場研究副総経
理、李秋緯氏は、中国政府が液晶パネルの輸入関税を今年 3%から 5%に引き上げることを
基本的に決定し、近く発表する予定であることを明らかにした。
中国の液晶パネル輸入関税は現在、原則 5%とされているが、32 インチ以上の液晶パネル
については優遇措置として 3%の税率が適用されている。ただ、昨年来の京東方(BOE)、
華星光電(China Star)、中電熊猫(CEC Panda)等の中国地場メーカーの第 6 世代、8.5
世代液晶パネル生産ラインの相次ぐ稼働により、32 インチ以上の液晶パネルが地場メー
カーにより大量生産することが可能となったこと、京東方、華星光電が今年 1-3 月中に
46 インチの液晶パネルの量産を開始することを踏まえて、海外からの輸入品の流入を抑
え、国産品の販売を促進する政策を取る方針だという。
李秋緯氏は、今年 4-6 月に中国政府は液晶パネル輸入関税の優遇措置を打ち切り、全て
の輸入される液晶パネルに 5%の関税を課すことで調整をしており、中国政府は中国国内
の液晶パネル量産が計画通り開始されることを前提に 2013 年から液晶パネルの輸入関
税を 5%から 8-10%まで引き上げることも検討している、中国地場のカラーテレビメーカ
ーが台湾や韓国等の海外メーカーから調達する液晶パネルの数量を減らし、京東方や華
星光電などの中国地場メーカーから調達する液晶パネルの数量を増やすことが狙いとの
見方を明らかにした。
液晶パネルの輸入関税が引き上げられるとの観測は最初に伝えられてからほぼ 1 年にな
11
2012 年 2 月号
るが、今回なぜその可能性が高まっているかについては、復旦大学薄型ディスプレイ製
造技術研究センター主任の谷至華教授は、中国国内の液晶パネル産業が高世代液晶パネ
ル生産ラインの操業を開始して間もないにも拘らず、液晶パネル市場が世界的な供給過
剰に陥っていること、この世界的市場の変化に対応するには政府が一定の財政出動をす
ることが欠かせないとの判断があるためと指摘する。
また、奥維諮詢の李秋緯氏は、三星、LG の多くの高世代液晶パネル生産ラインが年内に
設備の減価償却を終了することも忘れてはならない大きな要因だと指摘する。三星と LG
は減価償却の終了に伴って製品を大幅に値下げすることが可能になる、高世代生産ライ
ン経営では未熟な中国地場の液晶パネルメーカーが韓国メーカーの攻撃的な低価格攻勢
を受ければ、赤字幅がさらに膨らみ、資金繰りが逼迫することが懸念される、一定期間
関税を引き上げることもやむを得ない措置との判断があると見ている。
華星光電の内部関係者は、液晶パネルの輸入関税が 3%から 5%に引き上げられれば、液晶
パネル事業の収益が 2%増すことになる、その恩恵の半分を中国地場のカラーテレビメー
カーに還元することで販売促進を図りたいとしている。同関係者は、中国国内で 1 年間
に生産される液晶テレビは 7000 万台余り、そのうち中国国内に消費されるのは 3000 万
台余り、一方、中国国内の液晶パネル需要は 7000 万枚余りだが、京東方、華星光電、中
電熊猫等の中国地場メーカーの第 6 世代以上の生産ラインによる年間生産量は 3000 万枚
足らずで、歩留まりも不安定という課題もあると指摘する。
一方、中国地場の大手テレビメーカーである創維集団(Skyworth)副総裁でカラーテレ
ビ事業本部総裁である楊東文氏は、テレビ用液晶モジュール(LCM)の調達方法には 2
つあって、1 つは直接液晶モジュールを関税 5%で輸入する方法で、もう 1 つは液晶パネ
ルを関税 3%で輸入して国内でモジュール化する方法だが液晶パネルの輸入関税が 3%か
ら 5%に引き上げられれば、奇美、友達などの台湾の液晶パネルメーカーが関税引き上げ
に伴う負担増の一部を分担してもらうことや、自社の液晶モジュール工場で負担増の一
部を吸収することも検討するとしており、必ずしも中国地場の液晶パネルメーカーから
の調達を一気に増やすことはないとのスタンスを取っている。
奥維諮詢研究員の林麟氏の試算によると、今年 1 月の 32 インチ液晶パネルの価格は 127
米ドル、42 インチ液晶パネルの価格は 210 米ドルであるので、人民元と米ドルの為替レ
ート及び 2%引き上げられた輸入関税で計算すると、32 インチ液晶パネルの調達コストは
16.3 元増加、42 インチ液晶パネルの調達コストは 26.9 元増となる、3D 等の高価格液晶
パネルの調達コストは相対的に大きくなるという。
【太陽電池】英利、IBC ソーラー向け 180MW 太陽電池モジュールを受注
2012-2-2 LED 環球
世界第 5 位の太陽電池メーカーである中国の英利緑色能源(Yingli)は 1 月 30 日、対外
的にドイツの太陽光発電事業会社である IBC Solar AG から 180 メガワットの太陽電池を
受注、正式に契約を締結したことを明らかにした。
契約によると、年内に 180 メガワットを供給するほか、IBC が購買量を 20 メガワット上
乗せすることができるとされている。
12
2012 年 2 月号
英利緑色能源董事長兼 CEO の苗連生氏は、欧州市場の需要が停滞している中で今回のよ
うな大口受注を獲得できたことは、ユーザーと強い信頼関係があることの証であり、今
後もユーザーとの関係を深化させ、太陽電池事業をこれまで以上に堅固な成長事業とし
ていく考えを示した。
IBC の創業者で CEO も務める UdoMoehrstedt 氏は、今回の契約は過去 5 年間の双方の信
頼関係の上に実現したものであることを強調、今後も英利との提携を通じて共同で世界
に太陽光発電事業を展開していくことを明らかにした。IBC が参画した太陽光発電事業
の総容量は 1.6 ギガワットを超えるという。
【PCB】南亜、日本特殊陶業から AMD 向けフリップチップ基板を受託
台湾経済日報 2012.02.03
台湾最大の IC 搭載基板メーカーである南亜電路板(Nanya)は、日本のプリント基板大
手の日本特殊陶業(NGK)が為替が超円高で定着していることからこれまで自社生産して
きた米 AMD 向けマイクロプロセッサのフリップチップ基板を南亜電路板に外注すること
を決めたことから、今年の売上高が約 40 億 NTD 増加する見通しを明らかにした。
南亜電路板は現在、インテルのマイクロプロセッサのフリップチップ基板の主力サプラ
イヤであるため、日本特殊陶業から AMD 向けフリップチップ基板を受注することで、世
界の 2 大マイクロプロセッサメーカーにフリップチップ基板を供給することになる。
なお、日本特殊陶業がフリップチップ基板の自社生産から撤退した理由については、超
円高定着のほか、パソコン需要の低迷によるフリップチップ基板価格の急激な下落があ
ったと見られている。日本特殊陶業の AMD 向け売上高は毎年 100 億円(約 40 億 NTD)以
上で推移していたという。日本特殊陶業と南亜電路板のパートナーシップは長年にわた
るもので、日本特殊陶業が 2010 年にインテル向けフリップチップ基板の自社生産から撤
退した際も南亜電路板に生産を委託している。
【PCB】旭軟、華碩/三星タブレット用フレキ受注で売上高前年比 30%増
2012-2-4 PCB 網城
フレキシブル基板大手の旭軟電子(Sunflex)は、華碩(Asustek)及び三星のタブレット PC
用フレキシブル基板を受注したこと、スマートフォン、Ultrabook、タブレット PC のフ
レキシブル基板の需要が依然堅調であることから、今年の売上高が前年比 30%増の 16 億
NTD に達する見通しを明らかにした。
旭軟電子の昨年 10-12 月の売上高は 3.12 億 NTD で、昨年 7-9 月比 14%減となったが、原
材料価格の下落と為替差益により 7-9 月並みの収益は確保できたとしている。今年の課
題としては、一部生産ラインを片面式からロール式の連続処理に改造することで歩留ま
りと自動化比率を上げると同時平行で生産コストの削減も進めることを明らかにしてい
る。
ただ、主要ユーザーが台湾系の中小型液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーであ
ることから、スマートフォン及びタブレット PC の普及に伴うタッチパネル用高価格製品
13
2012 年 2 月号
の出荷が増えており、今年も粗利率は徐々に上昇していく見通しだという。
旭軟電子の製品構成は、中小型液晶パネルモジュール用フレキシブル基板が全体の
60-70%、タッチパネル用が同 15-20%、LED バックライトバー用が同 10%を占めており、
主要ユーザーは液晶パネルメーカーの彩晶(Hannstar Display)
、華映(CPT)
、タッチパ
ネルメーカーの勝華、介面(J Touch)等である。
【キャパシタ】徳普科技、1.6 億元でアルミ電解キャパシタ生産企業を売却
中金在線 2012-2-2
中国地場の受動部品メーカーである徳普科技は、100%子会社の華威集団が 1.6 億元で第
三者にアルミ電解キャパシタ事業を売却することで覚書を締結したことを明らかにした。
徳普科技は 2010 年後半から赤字から脱却できない状態が続いており、不採算のアルミ電
解キャパシタ事業を売却し、経営資源を収益が安定しているチップ型アルミ電解キャパ
シタ及び LED 照明事業に集中する計画。
831 号 2 月 8 日
【ノート PC】和碩/精英、インテル介して中堅 PC メーカーからウルトラブック受注
Apple Daily 6-2-2012
ノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)、精英(ECS)は、インテルを介してリージョ
ナルブランド(Regional Brand)メーカーであるエプソン、オンキョー、ViewSonic、Mustek、
Motion Computing、WiPro、Positivo から、和碩がインテルが推進している超薄型ノー
トパソコン、ウルトラブック(Ultrabook)5 機種を受注し今年 4-5 月に出荷を開始、精
英はウルトラブック 2 機種を受注し今年 4-6 月に出荷を開始することが明らかになった。
インテルは White-box メーカーを含む中堅のリージョナルブランドメーカーの今年の総
出荷量は 1500 万台に達し、ノートパソコン市場全体の 6-7%を占めると予測、また中堅
のリージョナルブランドメーカーがウルトラブックの価格を 600 米ドル以下に抑えるこ
とができれば、大手ブランドメーカーと十分競争できるとしている。
和碩は今年のノートパソコン出荷量目標を 2000 万台としているが、そのうち 5-10%はリ
ージョナルブランドメーカーからの受注が占めると予想している。
【太陽電池】太陽電池設備メーカー、製品市場低迷でも高収益を獲得
2012-2-6 国際能源網
中国内地の太陽電池製品メーカーが製品価格の大幅下落に伴って相次いで赤字に転落し
ている中、中国内地の太陽電池製造設備メーカーが高収益を上げていることが明らかに
なってきた。
太陽電池市場調査機関 Solarbuzz の最新報告によると、
中国内地の太陽電池製造設備メーカーの昨年の業績が前
14
2012 年 2 月号
年比大幅に上昇しており、中でも精功科技(Jinggong)、京運通(Jingyuntong)一部の
メーカーの収益は前年比 2 倍以上に達した。そのうち、浙江省の多結晶シリコン鋳造炉
メーカーである精功科技は昨年 1-9 月の売上高が前年比 193%増の 19 億元、純利益は同
1462%増の 3.37 億元と急増、通年の純利益も 4.4 億元を見込んでいる。昨年 9 月に株式
市場に上場したばかりの北京の京運通は精功科技も多結晶シリコン鋳造炉メーカーであ
るが、2010 年の多結晶シリコン鋳造炉の販売実績は 190 台だったが、2011 年は上半期だ
けで 283 台の販売実績を上げている。
一方、同報告によると、Roth&Rau、Manz、ALD-Vacuum、PVA-TePla 等の海外の大手太陽
電池関連設備メーカーの昨年の売上高は 2008 年に比べても 50%減となっており、世界市
場に連動して下降している。
太陽電池の世界市場が停滞を余儀なくされ供給過剰が深刻になる中、中国内地の太陽電
池製造設備メーカーだけが何故爆発的な業績を達成できたのか。Solarbuzz のシニアア
ナリストの Finlay Colville 氏は、中国内地の設備メーカーが出荷した設備の多くは、
市場の確固としたニーズに基づいたものではなく、投機的思惑による生産拡張が大部分
を占めていると指摘する。
ある試算によると、世界の太陽電池生産能力は過去 2 年間で 30 ギガワット拡張、直近の
世界の太陽電池生産能力は 50 ギガワットに達している。中でも、常州天合光能(Trina)、
尚徳電力(Suntech)等の中国内地大手メーカーの生産拡張が目立っているという。
上記の多結晶シリコン鋳造炉メーカーである精功科技の現在の年産能力は 1000 台だが、
まだ 900 台前後の鋳造炉が出荷待ち状態にある。京運通の出荷待ちの単結晶シリコン鋳
造炉も 297 台で、同社の年産能力 600 台の丁度半分を占めている。シリコン鋳造炉のサ
イズには 500 キロから 1800 キロまでと様々だが、海外の同業者は生産効率が高く管理コ
ストが安い 500 キロ前後の鋳造炉を使っている。
視点を今年の展望に向けると、昨年年央から続いている太陽電池の価格下落が今年前半
に収束するかは依然不透明で、昨年は好調な業績を上げた中国国内の太陽電池製造設備
メーカーも今年は必ずしも楽観できないとの見方をしている。それは、中国内地の大手
太陽電池製造設備メーカーの昨年 10-12 月の受注が大幅に減少したためで、2012 年の業
績については各社とも危機感を持っている。
精功科技の過去 2 年間の受注推移を見ると、2010 年 10 月から 2011 年 5 月までがピーク
で、主なユーザーには協鑫集団(GCL-Poly)、昱輝(Renesola)、英利(Yingli)等の大
手メーカーが名を連ねている。また、江蘇省の太陽電池設備メーカー、天龍光電
(Tianlong)の 2011 年 7-9 月の単結晶及び多結晶鋳造炉の売上高は 1 億元にとどまり、
2010 年同期比 17%減となっている。精功科技も、昨年年央に潮目が変わった、7-9 月、
10-12 月の受注量、売上高はどちらも大幅な減少となっていることを明らかにしている。
一方、天龍光電、協鑫集団はサファイア基板及び石英るつぼの新技術・新設備の開発を
同業最大手の米国 GT ソーラーの技術開発と同時並行的に進めていく計画を明らかにし
ている。
浙江精功科技:www.jgtec.com.cn/index.asp 北京京運通:www.jingyuntong.com/
15
2012 年 2 月号
【太陽電池】中国の太陽電池産業、米国の反補助金措置への対応探る
2012-2-6 国際能源網
米国商務省は 1 月 30 日、先般正式に開始した中国内地から米国に輸出される太陽電池に
対するアンチダンピング、アンチ補助金のダブルアンチ調査の結果、昨年 10-12 月の中
国の太陽電池企業が米国に輸出した太陽電池数量及び金額が過度に増えているとの判断
に基づき、中国から輸入される太陽電池に対して暫定的にアンチ補助金税を徴収する緊
急措置を決定、アンチ補助金の暫定税率を決定後、90 日間の遡及期間を設けて徴税を開
始することを明らかにした。
中国内地の太陽電池産業関係者及びその代理人を務める弁護士は、今回の緊急措置はあ
くまで緊急措置で、最終的に確定するには米国商務省の仮裁定及び最終裁定、米国国際
貿易委員会(ITC)の同意が必要となるとしている。ただ、第三者の専門家は、米商務省
が最終裁定でもクロと判定する可能性は依然高い、アンチダンピング調査でもクロ判定
が下り、アンチダンピング税が徴収されれば影響は大きいと指摘する。
中国内地の大手太陽電池メーカー、英利集団の法務担当部長である陳卓氏は、米商務省
の今回の緊急措置は応訴している天合光能、無錫尚徳の対米輸出データのみを根拠に判
断を下していることは大きな問題で、前年比増加率を根拠に判断を下している点でも公
平性を欠くとの見方を示した。英利集団の陳卓氏は、2011 年 10-12 月に中国から米国へ
の太陽電池輸出量が急増したのは、中国側の要因だけでなく、米国側にもいくつかの州
で補助金制度終了に伴う駆け込み需要が発生したという側面もあるとして、米国商務省
により公平な裁定を求めていくことを明らかにしている。
中国国内の太陽電池メーカー14 社の応訴企業の共同代理人を務める李磊氏は、米国商務
省が緊急措置で 90 日間の遡及期間を設けたことに注目、中国の太陽電池メーカーが仮裁
定が下される前に駆け込み的に米国への輸出を増やし、徴税を逃れることを防ぐ狙いが
あると分析する。
また、李磊氏は、今回の緊急措置に伴って応訴企業に発生する支払いは遡及期間である
90 日間に対する保証金のみで、実際の徴税は米商務省の最終裁定後になるため、即座に
大きな影響が出ることはないとしている。米商務省がアンチ補助金調査の仮判定を発表
するのは今年 2 月 14 日、
最終判定が発表されるのは今年 3 月中旬になると見られている。
【太陽電池】海潤、甘粛省に年産 100MW 太陽電池モジュール工場建設
2012-2-6 国際能源網
中国地場の太陽電池メーカーである江蘇省江蔭市の海潤光伏
(Hareon)がイタリアの Mediterranean Solar AG、上海晶暘
新能源科技(Jing Yang)と共同で昨年 12 月に中国甘粛省武
威市に設立した中外合弁企業、武威海潤太陽電池科技股份有
限公司は、第 1 期の年産 100 メガワットの太陽電池モジュー
ル生産ラインの建設を開始したことを明らかにした。
事業は 2 期に分けて建設され、第 1 期は今年 5 月完成・稼働予定、第 2 期は 2 億元を投
16
2012 年 2 月号
じて年産 500 メガワットの太陽電池モジュール生産ラインを建設、稼働後の年間生産高
は 20 億元に達する見込み。
また、武威海潤太陽電科技は中国西北地区に太陽光発電所を建設する計画も進めており、
武威市の太陽電池モジュール工場はその太陽光発電所に必要な太陽電池モジュールを供
給するためのものとも考えられる。
中国甘粛省武威市は、日照時間が長く、太陽光資源が豊富であることから、太陽電池産
業にとっては良好な環境が整って地域であり、近年、武威市政府は新エネルギー産業発
展 5 カ年計画として、2015 年までに累計 1 ギガワットの太陽電池を設置することを明ら
かにしている。海潤光伏:www.hareonsolar.com
【太陽電池】賽維 LDK、独 Sunways AG の 33%株式取得 ドイツに進出
捜狐 2012 年 02 月 3 日
中国地場の大手多結晶シリコンウエハメーカーである江西賽維 LDK(本社:江西省新余
市)は 3 日、傘下のドイツ現地法人を通じて、約 220 万
ユーロでドイツの太陽電池セル/モジュールメーカーで
ある Sunways AG の発行済み株式全体の 33%を取得し子会
社とすることを発表した。賽維 LDK は、Sunways AG の子
会社化によって、ドイツの最先端の太陽電池技術を他社よりも早く獲得できるとともに
世界最大の太陽電池市場であるドイツ国内に拠点を有することができるというメリット
があるとしている。
一方、Sunways AG は、1993 年設立、フランクフルト市場に上場しているが、欧州諸国の
太陽電池市場が縮小する中、業績不振に陥っており、資金調達が難しくなっている。従
業員は 340 人、2010 年の売上高は 2.2 億ユーロとされている。また、賽維 LDK が Sunways
AG の 33%の株式取得の一部を現物出資で行うことから、Sunways AG は賽維 LDG が中国国
内に保有する企業の経営権を獲得することになり、Sunways AG が賽維 LDK の中国におけ
るモジュール生産事業に参画することができるようになるという。
ドイツ Sunways AG:www.sunways.eu/
【太陽電池】保利協鑫 、米 NRG と合弁 Sunora 設立 米国市場に進出
2012-2-6 索比太陽能
中国最大の太陽電池用多結晶シリコンメーカーである保利協鑫(GCL-Poly)は 6 日、100%
子会社を通じて米国の大手太陽光発電事業会社である NRG Solar LLC の 100%子会社と合
弁企業 Sunora Energy Solutions 1 LLC を設立したことを明らかにした。双方の Sunora
Energy に対する持分は 50%:50%だという。
保利協鑫は昨年 10 月以降から既に NRG Solar に 70 メガワット相当の太陽光発電設備を
提供済みだが、今後も 2014 年まで毎年 NRG Solar に 200 メガワット相当の太陽光発電設
備を提供することが可能であることも明らかにしている。
保利協鑫董事長の朱共山氏は今般の合弁企業設立について、NRG Solar は米国で最大級
17
2012 年 2 月号
の太陽光発電事業会社であり、NRG Solar とのパートナーシップ実現により、保利協鑫
の米国市場でのブランド価値を高めることができるとしている。
【太陽電池】保威、日本ウエストグループの 80MW 太陽光発電システム受注
2012-2-6 环球太陽電池網
中国内地の保威新能源(Powerway)
(本社:広東省仏山市)
は、日本の太陽光発電システム製造販売のウエストグルー
プ(本社:広島)と戦略的パートナーシップ契約を締結、
ウエストグループが 2012 年に日本で建設を計画している
年間出力 80 メガワットの太陽光発電所システムを受注したことを明らかにした。設計、
搬入、据付を含む受注総額は 1200 万米ドル近くに達する。
ウエストグループは、年間出力 2 メガワットの太陽光発電所を日本国内 40 ヶ所に建設す
る計画で、保威はエンジニアをウエストグループが建設を予定している 40 ヶ所の現場に
順次派遣しウエストグループのエンジニアと緊密に連携を取っていく計画だという。特
に耐震構造設計、40 年という使用寿命基準については、日本のエンジニアとの連携が欠
かせないとしている。一方、広東省仏山市で盛んなアルミ加工では 20 年以上の経験を持
つため、構造物のフレーム製造に生かせるとしている。
【光学】思比科、中国地場初の 1200 万画素 CMOS センサ開発に成功
維庫電子市場網 2012-2-6
中国地場の半導体メーカーである北京思比科微電子技術
(SuperPix Micro Technology)は、1200 万画素の CMOS 撮像セ
ンサ、SP8AC08 の自社開発に成功したことを明らかにした。一
眼レフカメラや工業用カメラ等に応用できるという。
北京思比科微電子技術は、海外留学組が 2004 年に中国のシリコンバレーといわれる北京
中関村のサイエンスパークに設立したハイテク企業で、主に CMOS 画像センサ、画像プロ
セッサを開発している。SP8AC08 は、中国地場メーカーでは初めて 1000 万画素を突破し
た製品だという。北京思比科微電子:www.superpix.com.cn/
832 号 2 月 10 日
【タッチパネル】宇順電子、中興通訊の 23 億元相当タッチパネル等を落札
PCB 信息網 2012-2-7
中国地場の小型液晶パネル及びタッチパネルメーカーである宇順電子(Success)
(本社:
深圳)は、世界第 5 位の携帯電話メーカーである中興通訊(ZTE)の子会社である深圳市
中興康訊電子有限公司の 2012 年静電容量式タッチパネル及び液晶パネル調達入札案件
で、23 億元相当の静電容量式タッチパネル及び液晶パネルモジュールを落札したことを
18
2012 年 2 月号
明らかにした。
落札総量は 3249.6 万セット、内訳は液晶パネルモジュールが 1905.6 万セット、静電容
量式タッチパネルが 364 万セット、液晶パネルモジュール・静電容量式タッチパネル貼
り合わせ製品:980 万セットだという。深圳宇順電子:www.szsuccess.com.cn/
【携帯電話】中国の昨年携帯電話輸出額 628 億米ドル 前年比 3 割増
2012 年 02 月 07 日 和訊網
中国工業情報化省の発表によると、昨年の中国内地の携帯電話輸出額は 627.6 億米ドル
に達し、前年比 34.3%増の高い伸びを示した。また、昨年の中国内地の通信設備産業全
体の輸出額は 1300.2 億米ドルで、前年比 26.6%増だった。
【スマホ】宏達、1Q 売上高 4Q 比 30%減予想 アップル/三星との差が拡大
2012-2-8 中華液晶網
スマートフォン大手の台湾の宏達(HTC)は 7 日、アップル iPhone 4S 発売後から主力市
場である米国での販売が低調であること、韓国三星の Galaxy Note にシェアを奪われて
いることなどから、今年 1-3 月の売上高が昨年 10-12 月に比べ約 30%減となる見通しを
明らかにした。
台湾の蘇皇証券アナリストの王万里氏は、宏達の業績見通しは予想を大幅に下回るもの
で、昨年下半期から始まったアップル、三星との激しい市場争いは、宏達の昨年 10-12
月の売上高を 20%下方修正させたが、その影響がさらに拡大、昨年 10-12 月には 1000 億
NTD あった売上高が今年 1-3 月には 650-700 億 NTD まで落ち込むことを予想。
宏達 CFO の容覚生氏は、2 四半期連続で業績が予想を大幅に下回ったことについて、携
帯電話市場が新旧切り替えの過渡期にあるため、今年 3 月の新製品投入まで売上高の明
らかな回復は見込めない、4G スマートフォンでバッテリの不具合が発生したことも業績
に響いているとコメント。一方、米国の大手通信キャリア AT&T が 15 都市で宏達の 4G
(LTE)スマートフォンを採用したことから、バッテリ問題が解決すれば、業績は一気に
回復するとの見方も示した。
ただ、一部のアナリストは、宏達のブランド知名度はここ数年横ばい状態で、アップル
iPhone のブランド力、三星のメモリ・タッチパネル生産コストの優位性に比べると見劣
りすることは明らかで、プレゼンスの低下が否めないと指摘する。台湾資策会 MIC 所長
の詹文男氏も、宏達はアップルとの特許係争で劣勢に置かれてから製品戦略が悪循環し
ている、宏達はこれまで新機種を次々と投入してユーザーを引き付ける戦略を取ってき
たが、徐々に市場のニーズから乖離していたのかも知れないと指摘する。
大手 IT 市場調査機関、IDC のシニアアナリストである厳蘭欣氏も、HTC ブランドはそれ
ぞれの市場での営業力は非常に高く、欧州の通信キャリアとの提携も良好、米国市場で
も一定のシェアを獲得している、ブランドの認知度はそれほど低くない、にも拘らず、
シェアが伸びないのは、製品そのものが魅力あるものになっていないと考えるべきで、
ユーザーのニーズにどれだけ応えられているか、ユーザーの購買意欲をどれだけ引き出
19
2012 年 2 月号
せているか、もう一度検証すべき時に来ていると指摘する。
宏達の株価は昨年 4 月に 1300 NTD の高値をつけたが、直近では 10 分の 1 以下の 30 NTD
まで下落している。
【ノート PC】仁宝、AMD と Ultrathin 超軽量薄型ノート PC 開発で提携
2012-2-8 第五頻道
インテルに次ぐ世界第 2 位のマイクロプロセッサメーカーである AMD は、世界第 2 位の
ノートパソコン ODM メーカーである仁宝(Compal)と提携して、年内に 32 ナノ技術
Trinity 加速処理器(APU)を搭載した Ultrathin コンセプト超軽量薄型ノートパソコン
を市場に投入、インテルが主導する Ultrabook
に対抗する計画を明らかにした。AMD Ultrathin
ノートパソコンの厚さは 1.8 センチ、目標価格
は 600-800 米ドルに設定し、低価格戦略で市場
シェアを一気に拡大する計画。
一方、インテルは昨年発表した Ultrabook 超軽
量薄型ノートパソコンコンセプトが世界の大手 ODM メーカーに受け入れられ、今年 3 月
には次世代 22 ナノ技術 Ivy Bridge プロセッサ搭載の第 2 世代 Ultrabook を投入する計
画。
AMD 台湾地区総経理の曽銘仁氏は、ODM メーカーの役割はブランドメーカーに対する単純
な ODM からグレードアップし、プロセッサメーカーと共同で斬新な設計を開発し、ブラ
ンドメーカーに逆提示していくステージに入ってきている、Ultrabook に比べ 200-400
米ドル低い 600-800 米ドルを提示できれば、超軽量薄型ノートパソコン市場でかなりの
シェアを獲得できるとの見方を示した。
AMD は Ultrathin ノートパソコンを今年下半期に市場に投入する計画だが、宏碁(ACER)、
華碩(ASUS)
、HP、東芝などのノートパソコン大手ブランドも AMD Trinity プロセッサ搭
載の低価格超軽量薄型ノートパソコン事業に参画する意向を示しているという。
【液晶パネル】中国内地の春節商戦テレビ販売不調 奇美/友達に打撃
台湾経済日報 2012.02.08 あ
中国内地の大手テレビメーカーは、中国内地の春節(旧正月)の液晶テレビの販売実績
が予想を下回ったことから、中国内地の大型商戦がメーデー連休までないことからも、
今年 1-3 月の生産を抑制しており、中国内地の液晶テレビメーカーに液晶パネルを供給
している奇美電子(Chimei Innolux)、友達光電(AUO)等の業績にも大きな打撃となる
ことが懸念されている。
ディスプレイ市場調査機関 NPD DisplaySearch が 7 日に発表したレポートによると、中
国内地の昨年 12 月のテレビ用液晶パネル出荷量は 550 万枚で、前月比 2%増となったが、
それは主にテレビメーカーが春節商戦に備えて在庫を補充したためで、友達光電、奇美
電子の液晶パネル出荷量も連動して増加、そのうち奇美電子の昨年 12 月の中国内地テレ
20
2012 年 2 月号
ビメーカー向け液晶パネル出荷量は予想を 7%上回った。
一方、今年 1-3 月見通しについては、DisplaySearch は、中国内地のテレビメーカーが
春節商戦の販売が不調だったことから、液晶パネルの調達に慎重になっている、テレビ
メーカーが保有する液晶パネルの在庫が過剰となっていることから、中国内地は次の大
型商戦、メーデーまで液晶パネルの調達を抑制するとの見方をしている。
なお、昨年 12 月の中国内地のテレビメーカーの液晶パネル調達量全体に占める主要液晶
パネルメーカーの内訳は、奇美電子が 160 万枚で首位、韓国の LGD、三星電子がそれぞ
れ 130 万枚、120 万枚で 2 位、3 位、友達光電は 2 位から 4 位に順位を下げた。今年 1
月については、奇美電子、三星電子、LGD がそれぞれ中国市場に対する梃入れを強化し
ていることから、1 位、2 位、3 位を維持すると見られている。ただ、2 月以降は奇美電
子が出荷量を下方修正しているのに対し、三星電子、LGD は 3-4 月に出荷量をさらに拡
大する計画であることから、通年では奇美電子の首位の座が三星電子に取って代わられ
る可能性がある。
市場は、三星電子は中国内地のテレビメーカーへの液晶パネル半製品(open cell)出荷
を積極的に進めており、半製品の出荷量が全体に占める割合は今年 40-45%に上昇する見
通しであること、直下式 LED バックライト液晶パネルについても三星が中国内地メーカ
ーとの提携を計画していることから、三星電子が今年奇美電子に代わって中国内地テレ
ビメーカー最大の液晶パネル調達先となる可能性は十分あり得るとしている。
【液晶パネル】友達、昨年 4Q 売上高 3Q 比 9.5%減 損失 6.9 億米ドル
2012-2-9 電子産品世界
大型液晶パネル世界第 3 位の友達光電(AUO)は 8 日、昨年 10-12 月の業績を発表、連結
売上高は 895 億 NTD(約 29.6 億米ドル)で、2011 年 7-9 月比 9.5%減。連結営業損失は
175 億 NTD(約 5.7 億米ドル)
、連結税後損失は 210 億 NTD(約 6.9 億米ドル)だったこ
とを明らかにした。
友達光電 CFO の楊本豫氏は、世界経済の不安定化等により、10-12 月の業績は予想を大
幅に下回ったが、財務体質が相対的に健全であるため、資金繰りが逼迫する事態には陥
っていない、ただ、技術改善、コスト削減を目的とした投資は継続していく、それ以外
の資金の流出については厳しく管理することを明らかにしている。2012 年については、
需要は緩やかに回復することが予想されるとしている。
【太陽電池】世界の主要太陽電池メーカー 2011 年生産量上位 10 社
2012-2-8 慧聡電子網
ナノテクノロジー等の先端技術を専門とする米国の調査機関 Lux Research の Solar
Supply Tracker のモニタリング統計によると、欧州の太陽電池の需要は緩やかに上昇し
ているものの、コスト競争力の低下から欧州の太陽電池メーカーが欧州での生産を大幅
に減らしていることが明らかになった。
ノルウェーに本社を置く REC は、ノルウェー域内工場の生産を直近 2 ヶ月で約 400 メガ
21
2012 年 2 月号
ワット減らし、シンガポール工場をフル稼働させている。激しい過当競争でモジュール
価格が 1 ワット 1 米ドルという低水準で推移する中、ノルウェー域内での生産では収益
を確保できないとしている。
また、今年 1−9 月の太陽電池の生産量が上位 10 位にランクされたメーカーの総生産量
は世界生産量の 44%を占め、中国内地メーカーでは尚徳(Suntech)、英利(Yingli)、天
合(Trina)、台湾メーカーでは新日光能源(Neo Solar Power)が 10 位内にランクされ
た。
Lux Research アナリストは、欧米から中国製品に対するアンチダンピング・アンチ補助
金などの国内産業保護の動きはあっても、アジアにおける太陽電池セルの生産シェアは
今後も上昇し続け、早晩 50%を超えると予測。アジアの多結晶シリコンの世界生産シェ
アについては昨年 10-12 月に 50%を突破、アジアの太陽電池モジュールの世界生産シェ
アは 2010 年末に既に 50%を超えている。
世界の主要太陽電池メーカー生産量上位 10 社
企業名
世界生産シェア
2011 年 7-9 月生産量(MW)
FirstSolar
6%
551
尚徳(Suntech)
英利(Yingli)
天合(Trina)
SunPower
茂迪(Motech)
CanadianSolar
晶澳(JA Solar)
Sharp
新日光(Neo Solar)
6%
5%
4%
4%
4%
4%
4%
4%
3%
546
431
370
350
330
325
325
316
273
【半導体】中芯国際、4Q 売上高が前年比 3 割減 1.6 億米ドルの赤字
2012-2-9 中国半導体行業信息網
世界第 4 位の半導体ファウンドリである中国の中芯国際(SMIC)は、昨年 10-12 月の業
績を発表し、売上高が前年同期比 29%減の 2.8 億米ドル、最終損益が 1.6 億米ドル(約
13 億香港ドル)の赤字となったことを明らかにした。
【半導体】聯電、昨年 4Q 売上高 3Q 比 3%減、前年同期比 22%減
2012-2-9 聯華電子発表
世界第 2 位の半導体ファウンドリ、聯電は 8 日、2011 年 10-12 月の業績を発表し、売上
高が 244.3 億 NTD で、7-9 月比 3%減、前年同期比は 22%減の大幅減となり、粗利率は 18.6%、
営業利益率は 3.4%、税後利益は 11.8 億 NTD だったことを明らかにした。また 2011 年通
年の売上高が 1058.8 億 NTD、営業利益 101.4 億 NTD、税後利益 108.1 億 NTD だったこと
も明らかにした。
22
2012 年 2 月号
聯電 CEO の孫世偉博士は、2011 年 10-12 月の業績はほぼ予想通りで、売上高が前年同期
比 22%減となったのは出荷量が 10%減少したためと分析している。10-12 月の出荷量は 8
インチ換算で 91.5 万枚、平均販売単価は 7-9 月比約 5%上昇したが、設備利用率が 68%
にとどまっていることを明らかにした。また、売上高全体に占める 40 ナノ技術 12 イン
チ製品の比率は 10%を超えたという。
今年 1-3 月については、伝統的閑散期であるため、昨年 10-12 月比小幅減になる見通し。
今後のモバイル通信、クラウドコンピューティング市場の高価格チップ需要については、
中長期的に安定成長が見込めることから、28 ナノ技術及び 40 ナノ技術の歩留まりを高
めることで、ユーザーと協力してブランドメーカーの主力製品を受注していく考えを示
した。また、ユーザーに対して生産能力が十分であることを示すため、設備投資の削減
は行わず、20 億米ドルまで拡大することを明らかにした。
833 号 2 月 13 日
【スマホ】中国国内スマホ販売量、昨年 4Q は 2283 万台 前年比 8 割増
2012 年 02 月 07 日 騰訊科技
中国の独立系モバイル市場調査機関、艾媒諮詢(IIMEDIA Research)は、2011 年 10-12
月の中国のスマートフォン市場モニタリングレポートを発表し、2011 年 10-12 月の中国
国内のスマートフォン販売台数は 2283 万台で、前年同期比 79.6%増、前月比でも 16.8%
増と急増していること、中国国内のスマートフォンユーザー数が 2.23 億に達し、携帯電
話ユーザーの 23.2%を占めたことを明らかにした。
2011 年 10-12 月の中国国内のスマートフォン市場における主要オペレーション・システ
ムの占有率は、Symbian が 32.3%、iOS が 11.7%に低下、一方、Android は半数に近い 47.3%
までシェアを伸ばした。また、ブランド別に見ると、ノキア、三星、アップルがそれぞ
れ 32.9%、17.3%、11.7%で、中国国内市場ではノキアのスマートフォンが依然 3 分の 1
余りのシェアを維持しているものの、アップル及び三星の高価格品攻勢と華為(Huawei)
等の中国地場メーカーの 1000 元以下を主力とする超低価格攻勢により、ノキアのシェア
は縮小傾向が続けている。1000 元以下のスマートフォン市場は、中国地場の華為、中興
(ZTE)、聯想(Lenovo)、酷派(Coolpad)4 社で 8-9 割のシェアを有し、1000-1500 元の
スマートフォン市場でも中国地場ブランドのシェアが 3 分の 1 を超え、華為、中興、宏
碁のそれぞれのシェアは 17.1%、13.0%、6.5%。
【携帯電話】ノキア/モトローラ/ソニー、台湾への携帯電話 ODM 発注を拡大
DIGITIMES 10-2-2012
携帯電話大手ブランドのノキア、モトローラ、ソニーは、アップル及び三星によって失
った世界シェアを取り戻すための一環として、今年は台湾の ODM 専門メーカーへの携帯
電話 ODM 発注量を拡大する計画で、そのうち、ノキアは先般、ハンガリー、メキシコ、
フィンランドの工場で計 4000 人の従業員をレイオフし、生産をアジアにシフトすること
23
2012 年 2 月号
を発表した。
ノキアの携帯電話 ODM パートナーである鴻海(Foxconn)、華宝(Compal Communications)
は、ノキアからの Windows Phone スマートフォンの受注が大幅に増加する見通し。また、
モトローラも Android スマートフォンに注力、鴻海(Foxconn)及び華冠(Arima
Communications)への ODM 発注を拡大する計画を明らかにしている。
ソニーも、モトローラ同様、Android スマートフォンに注力、エントリ及びミドルレン
ジ製品を鴻海(Foxconn)に ODM 発注する計画を明らかにしている。
ただ、モトローラはグーグルによる買収、ソニーはエリクソンとの合弁解消という事業
再編が控えていることから、今後台湾企業への ODM 方針が変更される可能性があるとし
ている。
【ノート PC】和碩、HP から新規獲得 今年のノート PC 出荷 2 千万台突破
DIGITIMES 9-2-2012
ノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)は、HP からノートパソコン ODM を新規受注
したことから、既存の華碩(Asustek)、東芝、宏碁(Acer)、富士通、聯想(Lenovo)か
らの受注と合わせて、今年のノートパソコン出荷量が 2000 万台に達する可能性が出てき
た。和碩の昨年のノートパソコンは 1545-1570 万台。
また、昨年アップル iPhone 及び iPad の ODM の一部を鴻海(Foxconn)から奪取すること
に成功したことから、今年の売上高が前年比 40%増の 7000 億 NTD(237.2 億米ドル)に達
する見通し。
タブレット PC の ODM 事業については、昨年は華碩 Eee Pad Transformer 及び DELL のタ
ブレット PC の ODM を受注したが、今年は販売不振の DELL のタブレット PC については受
注が期待できないことから、年間出荷量は 600 万台前後になるとの見通しを示した。
【タッチパネル】タッチ/ITO フィルムメーカーの表面強化ガラス後工程参入相次ぐ
2012-2-10 DJ 財経知識庫
タッチパネル需要拡大に伴う表面保護用強化ガラス需要の急増を受けて、鴻海集団
(Foxconn)傘下の正達(G-Tech)がアップルの表面保護用強化ガラスサプライヤとなっ
ているほか、タッチパネル大手の宸鴻(TPK)、勝華(Wintek)
、荧茂(Mildex)も自ら表
面保護用強化ガラス生産事業に参入、介面(J-Touch)は PMMA 材質の表面保護強化シー
トの生産を開始、安可(Aimcore)、迎輝(EFUN)等の ITO 薄膜メーカーも相次いで表面
保護用強化ガラスの生産に乗り出している。
市場調査機関 DisplaySearch の調査及び予測によると、2011 年の世界の表面保護強化ガ
ラスの出荷量は 7.5 億枚に達し、2015 年には同出荷量は 15 億枚を突破する見通し。表
面保護強化ガラスの前工程であるガラス原料の生産は巨額の設備投資と高い技術力を要
するため、新規参入が難しく、事実上、コーニング(Corning)
、旭硝子(AGC)等の寡占
状態にあるが、表面強化、研磨・穴あけ等の後工程については巨額投資を要しないため、
比較的参入しやすいといわれる。
24
2012 年 2 月号
鴻海集団がアップル製品のアッセンブリパートナーであることから早くから表面保護用
強化ガラス後工程事業に参入している正達は、月産量が既に 120 万枚に達しており、今
年年末までに月産能力を現在比 2 倍の 240 万枚に拡張する計画。静電容量式タッチパネ
ル最大手の宸鴻は、タッチセンサを強化ガラス上に付加する Touch-on-Lens タッチパネ
ルの量産に向けて月産能力 250 万枚の表面保護用強化ガラス後工程ラインを完成させる
計画。勝華(Wintek)も、宸鴻同様、既に量産を開始している Touch-on-Lens タッチパ
ネル用表面保護強化ガラスを自社で生産することを明らかにしている。昨年拡張を終え
たばかりの荧茂は、中型表面保護強化ガラスの月産能力が 50-60 万枚、小型表面保護強
化ガラス月産能力が 20 万枚に達している。迎輝は、中国張江集団傘下の表面強化ガラス
製造の東莞東銖光電と提携し、表面強化ガラス事業に参入することを発表している。ま
た、ITO 導電フィルム大手の安可も表面強化ガラスの後工程ラインを建設中で、今年 3
月には稼働できるとしている。
【デジカメ】日本企業のデジカメ世界出荷量、1.173 億台 一眼レフ 16%増
2012-2-10 精実新聞
日本カメラ映像機器工業会(CIPA)が 9 日発表した統計によると、2011 年 12 月の日本メ
ーカーのデジタルカメラ(DSC)世界出荷量が前年同月比 12.5%減、前月比 8.5%減の 749
万台で、3 ヶ月連続で前年割れになるとともに、2 ヶ月連続で出荷量が 1000 万台を割り
込んだ。12 月の世界出荷量 749 万台のうち、レンズ交換ができないコンパクト型機種の
出荷量は前年同月比 12.0%減の 637 万台、レンズ交換が可能な一眼レフ機種は同 15.2 減
の 112.3 万台だった。
2011 年通年の日本メーカーのデジタルカメラ世界出荷量は前年比 4.9%減の 1 億 1552 万
台で、5 年連続で出荷量が 1 億台を超えた。そのうち、レンズ交換ができるコンパクト
型機種の出荷量は前年比 8.1%減の 9983 万台に落ち込んだが、一眼レフ機種は前年比
21.8%増の 1569 万台に達した。CIPA は、2011 年の日本メーカーのデジタルカメラ出荷量
が後退した最大の要因は東日本大震災及びタイの洪水被害であるが、その一方で 2011
年の日本メーカーの一眼レフカメラ用レンズの出荷量は前年比 19.9%増の 2600 万個に達
していることは注目に値するとしている。
今年の日本メーカーのデジタルカメラ世界出荷量については、CIPA は前年比 1.6%増の 1
億 1730 万台、うちコンパクト型機種が前年比 0.8%減の 9900 万台、一眼レフ機種は前年
比 16.6%増の 1830 万台と予測している。日本メーカーの一眼レフカメラ用レンズ出荷量
は前年比 18.8%増の 3090 万個としている。
また、今年の日本メーカーの日本国内市場向けデジタルカメラ出荷量は前年比 5.3%減の
900 万台、そのうちコンパクト型機種は同 7.5%減の 740 万台、一眼レフ機種は同 6.7%増
の 160 万台、海外市場向け出荷量は同 2.2%増の 1 億 830 万台、そのうちコンパクト型機
種は同 0.2%減の 9160 万台、一眼レフ機種は同 17.6%増の 1670 万台と予測している。
【バッテリ】博力迅、徳陽市で大容量角柱状リチウム電池生産基地を着工
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2012 年 2 月号
四川在線 2012-2-9
中国四川省徳陽市の動力用リチウム電池メーカーである博力迅電池有限公司は、総投資
額は 61 億元に上る大容量角柱状リチウムイオン充電池生産基地の建設を正式に開始し
た。
大容量角柱状リチウムイオン充電池は、宇宙航空、軍用、民用等に幅広く利用されてい
るもので、博力迅電池有限公司は米国から世界でも先端水準の大容量角柱状リチウムイ
オン充電池生産設備を導入、5 年計画で徳陽経済技術開発区に 3 期に分けて 50 本のリチ
ウムイオン電池生産ライン、年産 30 億アンペアアワーの生産能力を建設する計画。全て
の事業が完成、稼働すれば、年間生産高は 300 億元、6000 人の雇用を創出する見込み。
【半導体】台湾企業、米政府の米企業アウトソーシング抑制策の影響注視
2012-2-10 台湾経済日報
米国のオバマ大統領が任期最後の一般教書演説で、米国経済の成長促進と失業対策とし
て海外へのアウトソーシングを抑制する政策を打ち出し、米国企業の海外へのアウトソ
ーシングに対する税控除を廃止すること、海外工場を閉鎖し雇用を米国国内に戻す企業
には新たに税控除を認めることを明らかにしたことから、米国半導体企業からのアウト
ソーシングを主力とする台湾の日月光(ASE)、京元電子(KTEC)、欣銓(Ardentec)等の
業績への影響が懸念されている。
世界最大の半導体実装検査企業である日月光は 10 日、昨年 10-12 月の税前利益が 29.52
億 NTD で 7-9 月比 29.7%減だったことを明らかにしたが、これは市場の予想を大幅に下
回るもので、今後米国企業がオバマ政権の政策に従ってアウトソーシングを削減してい
くことになれば、日月光の業績に深刻なダメージを与える可能性が出ている。半導体実
装検査業界の関係者は、オバマ政権の米国企業に対するアウトソーシング抑制策は、今
のところ米国企業の経営に大きな変化を起こしてはいないが、多くの半導体実装検査企
業は、米国での小さな変化がアジアでは往々にして大きな変化となるバタフライ効果を
懸念しており、一定期間注意深く影響をウォッチする必要があるとしている。
2010 年に日月光は売上高を大幅に伸ばし、競合する矽品(SPIL)との差を一気に拡大し
たが、その最大の要因となったのが、日月光が IDM メーカーへの営業に注力し IDM メー
カーの獲得で矽品に大きく水をあけたことといわれており、日月光の売上高全体に占め
る IDM ユーザー向け比率は 2009 年までは 30%前後だったが、2010 年に一気に 40%を超え
たという。一方、矽品の同比率は 10%前後に過ぎなかったという。ただ、ユーロの信用
不安、米国経済の減速懸念から、米国の IDM ユーザーが自社設備の稼働率確保のため、
実装検査業務のアウトソーシングを削減し始めたため、日月光の売上高の成長にも陰り
が出ている。日月光が発表した昨年 1-9 月の売上高全体に占める IDM ユーザー向け比率
は、2010 年の 40%近くから 35%に低下、昨年 10-12 月は同比率がさらに低下すると見ら
れている。
欧米 IDM ユーザーの開拓に注力してきた京元電子、矽格、欣銓も、日月光同様、IDM ユ
ーザーが昨年下半期から徐々にアウトソーシングを削減していることから、売上高の減
26
2012 年 2 月号
少傾向が続いている。
半導体実装検査業界の統計によると、世界の半導体実装検査アウトソーシングのうち、
75%は IDM ユーザーが関係しているといわれる。日月光は、IDM ユーザーのアウトソーシ
ングを促すため、台湾域内に比べ賃金水準が低い中国内地の上海、昆山、威海に工場を
移転する計画を進めており、低コストをアピールすることで受注の回復を目指している。
しかし、日月光が描いたシナリオが、オバマ政権が打ち出したアウトソーシング抑制策
で、再び修正を迫られる可能性が出ている。米国の IDM ユーザーがオバマ政権の政策に
呼応して工場を米国国内に戻す決断をすれば、台湾及び中国の半導体実装検査企業は営
業のターゲットを欧州市場や日本市場に移さざるを得ず、激しいパイ争い及び価格競争
が再燃することが懸念されている。
【照明】厦門通士達、米国照明メーカー複数から特許侵害で提訴受ける
厦門商報 2012 年 02 月 09 日
中国福建省厦門市商務局のオフィシャルサイ
トによると、1 月 23 日に米国の照明メーカー
Neptun 社を含む 5 社及び特許権利者である Andrzej Bobe 氏等が、米国政府に対して中
国厦門市の通士達(Topstar)等 7 社が米国の調光可能なコンパクト蛍光灯(CFL)に関
する特許を侵害しているとして、知的財産権を保護する関税法 337 条に基づいて通士達
等の製品を米国に輸入しないよう求める申請を行ったことが明らかになった。米国政府
は 2 月 23 日までに立件調査を行うかどうかを決定するとしている。
中国厦門市の通士達が米国に輸出している調光機能付きコンパクト蛍光灯製品は 8 万ユ
ニット、金額は約 30 万米ドルに過ぎず、大口の輸出品目とはいえないが、コンパクト調
光機能付き蛍光灯が大衆向けの家電製品であることから、米国企業が強い警戒心を持っ
たと見られている。
通士達は米国企業の提訴内容を分析した結果、特許侵害に該当する可能性は小さいとし
ているが、米国政府が立件し調査を発動することになれば、厦門市を代表する LED 照明
企業として自社のみならず中国国内同業者の利益のため、積極的に応訴することを明ら
かにしている。
米国国際貿易委員会が 2010 年に発動した 337 条調査案件は 58 件、そのうち 19 件は中国
企業を提訴したもので、関係する製品の殆どは機械電機製品、特に電子情報技術に関連
した製品が多いという。また、337 条調査案件の応訴手続きが非常に煩雑で、訴訟に要
する時間も長く、訴訟費用も数百万米ドルに上るため、通常、中小企業では応訴するこ
とは現実的に困難だという。
福建省の業界関係者は、337 条調査案件で応訴を断念すれば、中国内地の類似製品が全
て米国から排除されることになり、影響は深刻なものになる可能性があると警鐘を鳴ら
している。
厦門市光電子産業協会秘書長の馬承柏氏は、米国に製品を輸出する企業は、契約を締結
する際、知的財産権に詳しい専門機関に知的財産権侵害リスクについて調査を依頼する
ことを勧めている。また、337 条に基づく提訴に対しては、産業全体の不利益になるこ
27
2012 年 2 月号
とが懸念される場合は、関連企業が団結して対処すべきとアドバイスしている。
通士達:www.topstar.com.cn/
834 号 2 月 15 日
【液晶 TV】昨年 12 月の中国内地の TV 用パネル調達量、月次過去最高
2012-2-10 電子工程専輯
ディスプレイ市場調査機関 NPD DisplaySearch が新たに発表した液晶パネル市場月報
MarketWise -LCD Industry Dynamics によると、中国内地のテレビブランドメーカーの
昨年 12 月の液晶パネル調達量が、国慶節商戦前の 9 月実績を上回る 550 万枚に達し、月
次としては過去最高を更新したことが明らかになった。
また、今年 1 月の同調達量は、春節連休で液晶パネルの出荷が減少したため、昨年 12
月比 30%近い減少となる見込みだが、2 月には同調達量は再び上昇に転じ、3 月はメーデ
ー商戦に備えた調達が始まること
から 2 月比 30%増となる見通し。右
グラフは、2011 年 12 月から 2012
年 4 月までの主要液晶パネルメー
カーの中国内地テレビメーカー向
けテレビ用液晶パネル出荷量推移
である。
NPD DisplaySearch 中国地区市場
研究部長の張兵氏は、今年の春節
は例年に比べ元旦と近くなったた
め、多くのテレビブランドメーカーが液晶テレビの販売促進キャンペーンを元旦から春
節までの長期で設定した、そのため、例年であれば春節商戦に集中する家電の購入が元
旦から春節までの約 1 ヶ月に分散した、今年の春節商戦の販売台数が昨年同期に比べ減
少したのはそのためで、元旦から春節までの 1 ヶ月ベースで比べると、今年は昨年とほ
ぼ同水準であることが分かると指摘する。
中国内地のテレビブランドメーカーが昨年 12 月にこれまでで最も多い液晶パネルを調
達した背景には、上記の通り今年の春節が元旦に近くなったため、販促キャンペーンを
1 ヶ月近く実施することに備えたものであることが明らかになっている。
一方、供給サイドについてみると、昨年 12 月に中国内地のテレビブランドメーカーが調
達したテレビ用液晶パネル 550 万枚のうち、奇美電子(Chimei Innolux)が 160 万枚を
供給し首位、韓国 LGD が 130 万枚で 2 位、三星電子が 120 万枚で 3 位、11 月は 3 位だっ
た友達光電(AUO)は出荷量を大幅に落として 4 位だった。今年 1 月については、三星電
子が LGD を抜いて 2 位に浮上する見込み、2 月は友達光電が 2 位に返り咲く見通しであ
るが、3 月以降は韓国勢が再び攻勢をかけてくることから友達光電を抜いて 2 位、3 位に
カムバックすると見られている。また、三星電子は中国内地テレビメーカーへの Open
Cell の供給比率を徐々に 40-45%まで引き上げていくことから、今年下半期には奇美電子
28
2012 年 2 月号
を抜いて供給量が首位になるとの見方も出ている。
中国内地のテレビメーカーは、中国政府が表面化してきた経済成長の減速を食い止める
ため、新たな家電購入刺激策を打ち出すとの観測も出ていることから、需要が再び上向
くとの期待がある一方で、個人消費全般に陰りが出ていることから、政府のてこ入れだ
けでは簡単に回復しないとの見方もあり、慎重なスタンスを崩していないという。
【モニタ】液晶モニタ世界出荷量、1Q は欧州影響受け 4Q 比 3-5%減予想
02/07/2012 半導体制造
台湾の IT 市場調査機関、集邦科技(TrendForce)傘下のディスプレイ市場調査部門である
WitsView のモニタリング調査によると、2011 年 10-12 月の世界の液晶モニタ 10 大ブラ
ンド及び 10 大 ODM メーカーの出荷量はどちらも同年 7-9 月を下回り、そのうち、ブラン
ドメーカーの前の四半期に対する減少率は 4.7%、前年同期に対する減少率は 7%、ODM メ
ーカーの前の四半期に対する減少率は 5.1%、
前年同期に対する減少率は 12%だった(右グ
ラフ)。
例年であれば需要期である第 4 四半期に液晶
モニタの出荷量が減少した要因については、
第 4 四半期に入って欧州の信用不安が深刻化
し、その影響が世界全体に波及したためと考
えられている。
一方、今年 1-3 月の出荷見通しについて
WitsView は、今年 1-3 月に欧州の財政危機国が相次いで国債の償還ピークを迎えること
から、欧州経済が再び失速することが予想されていることから、昨年 10-12 月比 3-5%減、
昨年同期比約 3%減になる、ただブランドメーカーの新機種投入に伴って後半は回復に向
かうとの見方を示している。
WitsView は、今年の大型液晶モニタ市場については、世界経済の減速の影響をより受け
やすい市場であるため、年間需要は前年比 2.7%増の 1.84 億台にとどまる、そのうちデ
スクトップ用液晶モニタは前年比 1.7%増の 1.7 億台と予想。
液晶モニタメーカー各社が、
欧米市場に依存し過ぎた体質からの脱却を図っており、今年は新興市場での販売に注力
する計画で、特に低価格の LED バックライト機種や 18.5 ワイド、20 ワイド、21.5 ワイ
ド等の新サイズ機種で攻勢をかけるメーカーが多い。
【ノート PC】仁宝、1 月のノート PC 出荷量がリーマンショック後では最低水準
DIGITIMES 13-2-2012
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)は、今年 1 月のノートパソコン出荷量
が 210 万台にとどまり、リーマンショック直後の 2008 年 12 月以降としては最低水準と
なったことを明らかにした。
また、タブレット PC の出荷量が 15 万台、液晶テレビの出荷量は 30 万台だったこと、連
29
2012 年 2 月号
結売上高は 437.5 億 NTD(14.8 億米ドル)で前月比 17%減、前年同月比 18%減だったことも
明らかにした。
【タブレット】iPad、低価格に低価格で対峙 4Q タブレット出荷 2160 万台
2012-2-13 華強電子
2011 年 10-12 月の世界のタブレット PC 市場について、DIGITIMES Research アナリスト
の汪貫中氏は、高価格品でアップルが低価格品に対して低価格で対峙する戦略を取り、
感謝祭から大々的に値下げキャンペーンを開始したことから、昨年 10-12 月の出荷台数
が当初予想を 250 万台上回る 1350 万台に達したことを明らかにした。低価格品市場では、
アマゾンの Kindle Fire、バーンズ&ノーブルの Nook、聯想(Lenovo)の IdeaPad A1 の昨
年 10-12 月の合計出荷台数が 445 万台に達し、Non-iPad 市場で 50%以上のシェアを獲得
した。低価格品市場の急成長によって Non-iPad 市場の昨年 10-12 月の出荷量は 810 万台
に達し、昨年 7-9 月比 43.2%増となった。このうち、Kindle Fire については、2011 年
10-12 月に Kindle Fire 向けでタッチパネルが 500-600 万枚出荷されたものの、その他
の部材サプライの状況から、Kindle Fire の同期出荷量実績は 400 万台に達しなかった
と見られている。
高価格品と低価格品の間に位置する中価格のタブレット PC 市場について汪貫中氏は、
500 米ドル以上の iPad 及び Galaxy Tab 10.1 と、250 米ドル以下の Kindle Fire、Nook、
IdeaPad A1 の間の市場は予想以上に狭く、中価格のタブレット PC 出荷量は 363 万台、
タブレット PC 総出荷量の 12%を占めるに過ぎず、タブレット PC 市場の価格帯別構成は M
字型になっていると指摘する。
ただ、高価格の iPad と低価格のタブレット PC の販売攻勢により、2011 年 10-12 月の世
界のタブレット PC 出荷量は予想以上に伸び、7-9 月比 15.8%増、前年同期比 107.5%増の
2160 万台に達した。また、2011 年通年のタブレット PC 出荷量は 6328 万台に達し、その
うち 65%を iPad、約 35%を Android タブレット PC が占めた。
【LED】東貝/璨 圓、LED TV 需要増で 1 月売上高が前月比増を達成
台湾経済日報 2012.02.13
1 週間の春節連休が今年は 1 月にずれたため、多くの電子関連企業の今年 1 月の売上高
が前月を大幅に下回る中、LED 実装大手の東貝(Unity Opto)、LED チップ大手の璨圓
(Forepi)は、今年 1 月の売上高が LED テレビの需要急増の恩恵を受けて、それぞれ前
月比 8.5%増、16%増となったことを明らかにした。
東貝董事長の呉慶輝氏は、世界的 LED テレビ需要の増加で今年 1 月は台北工場でフル稼
働が続いた、今年の LED テレビの浸透率は 60%を超えることが予想され、LED 産業は年末
にかけて右肩上がりの業績が期待できる、2 月の売上高は前月比 20%以上、3 月も同様の
伸びが期待できることを明らかにした。東貝は現在、台湾最大のテレビ用 LED バックラ
イトメーカーとなっており、三星、LG、シャープ、パナソニックのほか、中国内地の 5
大テレビブランドメーカーにも製品を供給している。世界シェアは 20%を超えていると
30
2012 年 2 月号
見られている。東貝の昨年のテレビ用 LED バックライトの売上高は 35-40 億 NTD だった
が、今年は 50-60 億 NTD を見込んでいるという。
璨圓スポークスマンの傳珍珍氏も、昨年年末から大型 LED テレビの需要が伸びているた
め、中国江蘇省揚州市の工場がフル稼働している、2 月に入ってから携帯電話、タブレ
ット PC 用中小型 LED パネルの需要も伸びていることを明らかにした。また、璨圓は、戦
略的パートナー関係にある東貝を通じて、三星のサプライヤ認証を獲得したほか、日系
大手メーカーからも同認証を獲得できる見通しとなっている。
【太陽電池】賽維 LDK、Fire Energy の欧州新エネルギーソーラーバレ-進出
2012-2-13 光伏英才網
スペインマドリードに本社を置く太陽光発電関連製品流通企業
である Fire Energy Group(中国語名:福能集団)董事長の劉佳
勇氏は、中国内地の太陽電池用シリコンウエハ大手の賽維 LDK と長期提携契約を締結、
賽維 LDK が年内に Fire Energy Group がフランスで建設している欧州新エネルギーソー
ラーバレーに進出し、両社が協力して太陽電池関連製品を欧州域内で販売するとともに、
欧州域内で太陽光発電事業を共同で開発していくことで合意したことを明らかにした。
賽維 LDK は、Fire Energy Group と提携することで、Fire Energy が欧州新エネルギーソ
ーラーバレー区内で提供する物流サービスを低価格で利用することができるとともに同
区内の倉庫サービスを 6 ヶ月間無料で受けることができることから、関連製品を他社に
比べ低価格で欧州域内ユーザーに販売することが可能になるとしている。また、Fire
Energy Group は、賽維 LDK のフランス現地での優遇政策享受、賽維 LDK の現地事務所設
立をサポートするほか、賽維 LDK ブランドをフランス域内で広告宣伝する業務を請け負
うという。
Fire Energy Group は 2011 年 9 月 28 日、フランス Chataudun 市政府と共同で欧州新エ
ネルギーソーラーバレーを建設する契約を締結、新エネルギーに関連する流通、物流、
展覧、研究開発、投資、生産、研修、学術交流をワンストップで行う新エネルギー産業
パークを建設しており、中国内地の阿特斯(Canadian Solar)、天威(Tianwei)、恒基
(Hengji)、賽維 LDK が進出を決めている。
Fire Energy Group の昨年の太陽光発電関連製品の売上高は 230 メガワット相当、また
年間出力 35 メガワットの太陽光発電所を建設している。
Fire Energy Group:www.fire-energy.com/
【PCB】健鼎、湖北省仙桃工場 3Q 量産開始 従来型多層基板を生産
PCB 中国網 2012-2-13
プリント配線基板(PCB)大手の台湾の健鼎科技(Tripod)は、中国湖北省仙桃市に建設
している工場を今年 7-9 月に稼働、液晶パネル、ノートパソコンに使用される従来型の
多層プリント基板の量産を開始することを明らかにした。
台湾のプリント基板生産は、台湾の桃園に始まり、台湾域内の賃金上昇に伴って中国華
31
2012 年 2 月号
南の深圳、東莞、中国華東の昆山、蘇州、無錫、常熟に移転、昨今の中国沿海部の賃金
上昇に伴ってさらに中国内陸部に移転し始めており、既に健鼎、華通(Compeq)、欣興
(Unimicron)、志超(TPT)、精成(GBM)等が中国内陸部での工場建設に着手している。
このうち、健鼎は湖北省仙桃市に総額 5 億米ドルを投じて無錫に次ぐ大規模な生産基地
を建設する計画で、第 1 期が今年 7-9 月に稼働することになっている。
健鼎科技は、台湾桃園平鎮工場、中国華東の無錫、浙江嘉興工場の生産ラインを極力需
要が急増しているビルドアップ基板の生産に割り当て、従来型の多層基板の生産は湖北
省仙桃市の新工場に移転する計画で、仙桃工場が稼働すれば、平鎮工場、無錫工場、嘉
興工場でのビルドアップ基板の生産を大幅に増やすことができるとしている。
【バッテリ】欣旺達、リチウムイオン電池モジュール設備改造で 1.1 億元を調達
東方財富網 2012-2-13
中国内地の大手リチウムイオン電池モジュールメーカーである欣旺達(Sunwoda)は 2
月 10 日、7200 万元の資金を調達しノートパソコン用リチウムイオン電池モジュール生
産能力を拡張すること、3800 万元の資金を調達し動力用リチウムイオン電池モジュール
生産能力を拡張することを明らかにした。
ノートパソコン用リチウム電池モジュール生産拡張が完成すれば、欣旺達のノートパソ
コン用リチウムイオン電池モジュール年産能力は現在比 300 万個増、年間売上高は現在
比 3 億元増になる見込み。また、動力用リチウムイオン電池モジュールの生産拡張が完
成すれば、同社の動力用リチウムイオン電池モジュール年産能力は現在比 190 万個増、
年間売上高は現在比 1.63 億元増になる。欣旺達:www.sunwoda.com/
835 号 2 月 17 日
【携帯電話】ノキア、コスト削減で聯発/晨星に 2.5G 携帯電話チップ発注
2012-2-15 駆動之家
世界最大の携帯電話ブランドメーカーであるノキアが台湾の携帯電話チップ大手の聯発
科技(Mediatek)及び晨星半導体(MStar)に、2.5G/2.75G を含む携帯電話チップセッ
トを発注したことが明らかになった。今般発注された携帯電話チップは、ノキアが今年
下半期に投入する新機種に搭載されるもの。
ノキアは世界シェアの低下と業績の悪化でこれまで以上に徹底したコストダウンに取り
組んでおり、生産コストを削減できる ODM パートナーを積極的に探しているという。聯
発、晨星が低コストの携帯電話チップ設計を専業としていることから、ノキアにとって
は条件に最も合致したパートナーになると見られている。
ノキアは 2010 年以降、聯発、晨星との接触は続けていたが、両社に実際に発注を行うの
は今回が初めて。中でも、聯発はこれまでに 10 億個の 2.5G 及び 2.75G 携帯電話チップ
を出荷している実績があり、今後ノキアの低価格製品の長期パートナーとなる可能性を
秘めている。
32
2012 年 2 月号
【液晶 TV】台湾、今年の液晶テレビ ODM 出荷量前年比 22%増を見込む
2012-2-15 精実新聞
台湾の IT 市場調査機関 WitsView は、台湾の液晶テレビ ODM メーカーの出荷量レポート
で、2011 年の台湾の液晶テレビ ODM 出荷量は 4402 万台で前年比 14%増、世界の液晶テレ
ビ総出荷量の約 21.9%を占めたことを明らかにした。また、液晶テレビの主要 ODM メー
カーが発表している 2012 年の生産販売計画から計算して、2012 年の台湾の液晶テレビ
ODM 出荷量は全体で 5200-5400 万台、前年比 18-22%増、台湾メーカーの世界生産シェア
は 23.5%に上昇するとの予測も明らかにした。
WitsView は、液晶テレビの世界市場については、2011 年は約 2.01 億台で前年比 6.4%増
にとどまったが、2012 年の世界の液晶テレビ出荷量は、欧州の信用不安、中国政府及び
日本政府が液晶テレビ購入補助金制度を終了したといったマイナス要因はあるものの、
新興国での需要が伸びていることから前年比約 8%増の 2.17 億台に達すると予測。
台湾の液晶テレビ ODM 出荷量が 2011 年 10-12 月に小幅ながら前年同期比 0.1%減となっ
たことについては、欧米の国債信用不安に伴う需要後退に伴う日系ブランドメーカーの
自社生産比率引き上げに伴う液晶テレビ ODM 発注量減少の影響を受けたためで、世界の
2011 年 10-12 月の液晶テレビ出荷量が前年同期比 16%増だったにも拘らず、台湾 ODM メ
ーカーの同年 10-12 月の液晶テレビ出荷量は前年同期を下回る結果となったと分析して
いる。
また、台湾の液晶テレビ ODM 産業が中国内地メーカーとの競争に晒されていることも無
視できない要因になっていると指摘。WitsView の調査によると、日系ブランドの液晶テ
レビ ODM がここ近年、中国内地の ODM 専業メーカーである深圳の兆馳(MTC)、康冠(KTC)
等に発注されるケースが増えている。
一方、一昨年から液晶テレビの ODM 事業に参入した EMS 最大手の鴻海/富士康(Foxconn)
の 2011 年 10-12 月の液晶テレビ出荷量は 2011 年 7-9 月に比べ 24.9%増を達成している
ことについて WitsView は、鴻海の液晶テレビ ODM 事業はソニーとの戦略的パートナーシ
ップに基づいて進められている、これまで緯創(Wistron)に発注されていた液晶テレビ
ODM の一部が鴻海にシフトされたこと、大型液晶パネル大手の奇美電子(Chimei Innolux)
の液晶テレビ ODM 事業部門が 2011 年 7 月から鴻海に移管されたことなど、鴻海の 2011
年 10-12 月の液晶テレビ出荷量が大幅増となる要因となったと分析している。ただ、鴻
海の 2011 年通年の液晶テレビ出荷量が前年比 52%増の 887 万台に達し、液晶テレビ ODM
首位の冠捷集団の 2011 年液晶テレビ出荷量 1330 万台に次ぐ世界第 2 位の液晶テレビ ODM
メーカーとなったことになる。
鴻海最大のユーザーであるソニーは世界需要の減速を受けて 2012 年の液晶テレビ販売
目標を 1700-1800 万台に引き下げ、自社生産比率を 50%まで引き上げると見られている
が、鴻海への ODM 発注量については戦略的パートナーシップに基づいて削減しない見通
し。また、鴻海はシャープとも安定した提携関係を持っているほか、パナソニックから
の ODM 獲得にも成功している。
一方、これまで冠捷集団に次ぐ液晶テレビ ODM メーカーだった瑞軒(Amtran)は、傘下
33
2012 年 2 月号
の北米液晶テレビブランド VIZIO が 2011 年 4-6 月及び 7-9 月に低迷したものの、2011
年 10-12 月には回復、液晶テレビ出荷量を 7-9 月比 76%増とした。
また、日系の液晶テレビブランドの世界市場シェアが、中国ブランド、韩国ブランドの
台頭に伴って、2010 年の 35.5%から 2011 年には 32%に低下、2012 年はさらに 30%まで低
下する見通しで、韓国の三星及び LG ブランドの世界シェア差がさらに拡大することも予
想されている。深圳兆馳:www.szmtc.com.cn/ 深圳康冠:www.ktc.com.cn/
【ノート PC】和碩、アップルの強い要求を受け華碩 Zenbook 生産を停止
2012-2-15 上海電子網
米アップルはアップルの主力製品である iPhone/iPad の ODM パートナーである和碩
(Pegatron)に対して、華碩(Asustek)Zenbook の外観がアップル MacBook Air に余り
に酷似していることから、華碩 Zenbook の生産を停止するよう強く要求、アップルとの
パートナーシップを重要視している和碩はアップルの要求を受け入れ、華碩向け
Zenbook の生産を今年 3 月末で停止することが明らかになった。
業界筋によると、アップルは和碩に対して、華碩の Zenbook の生産を取るか、アップル
製品の ODM を取るかの選択を迫り、強引に和碩の Zenbook 生産を停止させたという。和
碩が今年 3 月末で Zenbook の生産を終了することに伴う華碩 Zenbook の ODM パートナー
については、仁宝(Compal)もしくは緯創(Wistron)に切り替えることになると見られ
ている。
アップルは 2008 年 1 月に MacBook Air を投入しているが、その後、2010 年 10 月に Windows
Ultrabook の設計に利用されないため、MacBook Air の設計を一部修正していることから
もアップルが当時から Ultrabook に強い警戒心を持っていたことがうかがえる。今年華
碩等が投入する多くの Ultrabook 製品が MacBook Air に比べ低価格で販売されることに
もアップルを強い危機感を持っている。
【ノート PC】広達/仁宝、今年は売上高の 30%/20%を非ノート PC 製品で
DIGITIMES 15-2-2012
世界の 2 大ノートパソコン ODM メーカーである広達(Quanta Computer)、仁宝(Compal
Electronics)は、ノートパソコン市場の成長が減速期に入ったことを踏まえて、今年は
ノートパソコン以外の製品ラインの売上高を連結売上高のそれぞれ 30%、20%まで拡大す
ることを明らかにした。
2011 年のノートパソコンの世界出荷量は 1.9-2.0 億台だったが、対前年比ではゼロ成長
に近い状況だったこと、また今年の世界出荷量も対前年比 5-10%の成長にとどまるとの
見方が大勢を占めていることから、広達、仁宝は今年のノートパソコン出荷量目標を前
年比それぞれ 10%増、20%増と低めに設定している。
広達は非ノートパソコン製品の中核としてサーバ、ストレージ等のクラウドコンピュー
ティング機器を位置付けており、既にブランドメーカーの ODM ベースでグーグルに納入
実績があるほか、フェースブックにはブランドメーカーを介さず直接契約を交わし機器
34
2012 年 2 月号
を納入している。こうした実績の積み上げにより、広達の 2011 年の連結売上高に占める
非ノートパソコン製品の売上高比率は既に 25%まで達している。
一方、仁宝の非ノートパソコン製品ラインは、液晶テレビ、スマートフォン、タブレッ
ト PC、All-in-one PC、デスクトップパソコンから構成されるが、そのうち液晶テレビ
の今年の出荷量は東芝、パナソニック、日立からの新規受注獲得により前年比 54.4%増
の 880 万台を見込んでいる。液晶テレビ ODM 事業を中核とする仁宝の非ノートパソコン
製品の連結売上高に占める売上高比率は 2010 年は 11%だったが、2011 年は 17%に上昇し
ている。
なお、ノートパソコン ODM 世界第 3 位の緯創(Wistron)も非ノートパソコン製品の売上
高比率を 2011 年に 40%まで拡大しているが、2012 年には同比率をさらに引き上げること
を明らかにしている。
【太陽電池】寧波市の太陽電池輸出全体の 1 割超が債権回収不能に
2012-2-15 寧波日報
ドイツ、イタリア、スペイン等の太陽光発電システムの主な需要国が財政難から太陽光
発電に対する補助金を大幅にカットする中、太陽電池の生産設備が深刻な過剰状態とな
っているが、中国唯一の政策性輸出信用保険会社である中国輸出信用保険公司寧波支店
が今般発表したリスク報告によると、昨年初めから今年 1 月末までの寧波市の太陽電池
製品輸出に対する信用保険付保額 3.4 億米ドルのうち、債権回収不能に伴って損失補て
んが申請されたのは前年同期比 329.4%増の 3678.72 万米ドル、付保額の 1 割超に上った
ことが明らかになった。
今年に入ってイタリアが農業用太陽光発電に対する補助金を停止、下半期には大型太陽
光発電システムの登録申請受付を一時停することを決めているほか、フランスが今年
1-3 月の太陽光発電電力買取価格を昨年 10-12 月比 4-10%引き下げることが決まっており、
ドイツも今年 4 月から太陽光発電電力買取価格を 15-20%引き下げることが伝えられてい
る。スペイン、ベルギー、スロバキア、ブルガリア等も同様の太陽光発電に対する補助
制度を見直すことを明らかにしている。
中国輸出信用保険公司寧波支店は、欧州諸国の太陽光発電に対する補助金制度が大幅に
見直される中、寧波市の太陽電池輸出企業は欧州各国の太陽光発電に対する政策を注意
深くウォッチしておく必要がある、また政策に大きな変更があれば、適時ユーザーに変
更に伴う契約内容変更の要否について確認するよう求めている。また、ユーザーに対す
る入金確認、支払いが滞っているユーザーに対しては製品の発送停止等の果断な対応を
することも求めている。
【半導体】昨年の世界半導体売上高前年比 0.4%増 3 千億米ドル未達
国際電子商情 2012-2-16
世界の半導体メーカー各社が会員となっている WSTS(World Semiconductor Trade
Statistics)が集計した 2011 年の世界の半導体売上高は、2011 年 10-12 月の売上高が
35
2012 年 2 月号
7-9 月比微減となったため、前年比 0.4%増の 2995 億米ドルにとどまり、3 千億米ドル
を下回った。昨年 10-12 月の半導体売上高が低調だった最大の要因は、DRAM 価格の下落、
パソコン市場の伸び悩みで、半導体市場全体の成長鈍化を招いたとしている。
2011 年の世界の半導体売上高を地域別で見ると、北米・中南米市場とアジア太平洋市場
は成長率を上昇されており、世界最大の半導体市場であるアジア太平洋市場の売上高は
前年比 2.5%増の 1640 億米ドル、北米・中南米市場は前年比 2.8%増の 552 億米ドルだ
ったのに対し、日本市場は前年比 7.9%減の 429 億米ドル、欧州市場は前年比 1.7%減の
374 億米ドルだった。
【PCB】台湾上場 PCB メーカー昨年 12 月売上高一覧、総売上高推移
台湾 TPCA まとめ
36
2012 年 2 月号
836 号 2 月 20 日
【タッチパネル】低価格スマホ市場急拡大で宇順/欧菲光タッチパネル受注増
2012-2-15 中国触模屏網
アップルのハイエンドスマートフォン、タブレット PC に代表されるスマートモバイル端
末市場の爆発的拡大はミドルエンド及びローエンドスマートモバイル端末機器にも拡散
37
2012 年 2 月号
する中、中国国内の主要スマートモバイル端末機器メーカーである華為(Huawei)、中興
(ZTE)等が相次いで巨大規模を有する中低価格スマートフォン市場に参入、低価格のタ
ッチパネルを求めて調達先を台湾から中国内地にシフトする動きが加速している。この
流れの中で、中国地場のタッチパネルメーカーの受注が増加、供給が需要に追いつかな
い状況が今年年央まで続く見通しであることが明らかになった。
市場調査機関 Transparency Market Research の最新の市場報告によると、2011 年の世
界のタブレット PC 出荷量は 6700 万台、2015 年まで年平均 38.8%で成長、2015 年末には
2.486 億台に達すると見られている。他方、スマートフォンの 2011 年の世界出荷量は約
4.69 億台で、前年比 66.7%増加、2015 年にはスマートフォンの世界出荷量は 10.5 億台
に達し、そのうちアジア市場での出荷量が全体の 4 割を占めると見られている。
中国内地の 2 大スマートフォンメーカーの 1 つ、華為の 2011 年の携帯電話端末機の世界
売上高は前年比 50%増、スマートフォンの出荷台数は 2000 万台を突破した。中国内地の
IT 市場調査機関である賽諾は、華為、中興等による中低価格スマートフォンの大量出荷
により、2012 年の中国国内のスマートフォン販売台数は前年比 84%増の 1.64 億台に達す
ると予測しているが、これは中国内地のもう 1 つの 2 大スマートフォンメーカーである
中興が 2012 年の出荷目標を前年比 2 倍の 2400 万台としていることとも合致した数字と
なっている。
業界関係者は、中国地場メーカー製造のスマートフォンが普及することで、中国国内に
スマートフォン産業が集積され、新たな企業群を生み出す可能性がある、2003-2004 年
のモノクロパネルの携帯電話がカラーパネルに移行する際、大手テレビメーカーの長虹
(Changhong)や康佳(Konka)、波導(Bird)等の新興ブランドが短期間に台頭し、50%
以上の市場シェアを獲得したような現象が再び見られるとしている。ただ、その一方で、
中国地場メーカーがその後、核心技術がないというアキレス腱を抱えていたため、中高
価格の携帯電話市場で外資系ブランドにシェアを奪回され、低価格の携帯電話市場では
White-box 端末機によりシェアを奪われ、2005 年以降は販売台数の低迷が続き、外資系
ブランドに 70%以上のシェアを支配された経験を生かすべきと警鐘を鳴らしている。
今回の場合、世界有数の技術力を持つ中興、華為が低価格のスマートフォン製品を通じ
て中国移動(China Mobile)、聯通(Unicom)等の大手キャリアと共同で市場の拡大を図
っていること、パソコン世界第 2 位の聯想(Lenovo)、テレビ大手の長虹、康佳がスマー
トフォン市場に参入していることなどから、2005 年の中国地場ブランドの凋落のような
状況はないと見られている。
このように携帯電話同様、世界最大のスマートフォン市場になる可能性が大きい中国内
地のスマートフォン市場に注目が集まっている。今後、単価が 1000 元以下のスマートフ
ォンが市場の主流となっていけば、消費者の海外ブランドから地場ブランドへのシフト
が一気に加速すると見られており、販売チャネルも大手キャリアによる販促キャンペー
ン主体から、社会活動の必須アイテムとして公共団体や企業が積極的に支給する段階に
入ると見られている。
また、上記した通り中国国内での中低価格スマートフォン需要の急成長はその中核部品
であるタッチパネルの需給逼迫を引き起こしており、新たな調達先として注目されてい
るのが中国地場メーカーで、中でも深圳の宇順電子(Success)はその有力候補となって
38
2012 年 2 月号
いる。宇順電子は、急増する需要に対応するため、深圳市のほか、湖南省長沙市、湖北
省赤壁市に相次いで新工場を建設しており、今年上半期に次々と稼働させることを明ら
かにしている。中興、華為、三星からタッチパネルを受注している深圳の欧菲光(O-film)
も 10 億元を江西省南昌市に投じて新工場を建設しており、年内稼働予定であることを明
らかにしている。欧菲光科技:www.o-film.com/cn/
【タッチパネル】義隆、Windows 8 付随効果で今年売上高 2 桁増を予想
台湾経済日報 2012.02.17
タッチパネルチップ大手の義隆(Elan)董事長の葉儀皓氏 16 日、マイクロソフト社から
Windows 8 タッチパネルチップの認証を取得したことを明らかにし、タッチパッド(Touch
pad)チップの売上に加えて、今年 8 月の Windows 8 発売に伴ってタッチスクリーン
(Touch
screen)チップの売上増が期待できることを明らかにした。また、今年は超軽量薄型ノ
ートパソコン Ultrabook 用タッチパッドチップの 3 割シェアを獲得する見通しであるこ
とから、今年の売上高が前年比 2 桁増を見込んでいることも明らかにした。
義隆の 2011 年通年の売上高は 52 億 NTD で前年比 13%減、粗利率は 32%で前年比 5 ポイン
ト低下、稅後利益は 4.7 億 NTD で前年比 33%減。義隆は既に世界第 2 位のノートパソコ
ン用タッチパッド(touch pad)チップサプライヤで、売上高全体の 4 割を占めるタッチ
チップ事業の売上高の 9 割がノートパソコン用タッチパッドチップの売上高が占めてい
る。昨年は三星、華碩向けノートパソコン用タッチパッドチップ調達のそれぞれ 8 割、7
割を供給した実績を上げたほか、今年 1-3 月には DELL、HP 向けノートパソコン用タッチ
パッドチップの出荷も開始したことを明らかにした。
【太陽電池】中国多結晶シリコンメーカー、キロ 47 米ドルが生産再開の条件
DIGITIMES 17-2-2012
中国内地では 48 社ある多結晶シリコンメーカーのうち生産を継続しているメーカーが
わずか 8 社だけとなっているが、その生産を一時停止している中国内地のソーラー用多
結晶シリコンメーカーが多結晶シリコン価格が年内に 1 キロ当たり 40-50 米ドル水準ま
で再高騰するとの観測が出ていることを受けて、生産再開の条件として現在 1 キロ当た
り 28 米ドルの多結晶シリコン価格が 47 米ドルまで上昇することとしていることが明ら
かになった。
ただ、中国内地の大手多結晶シリコンメーカーは、供給過剰状態が改善されたわけでな
いことから、多結晶シリコン価格は上昇しても 1 キロ当たり 30 米ドル止まり、ドイツが
補助金をさらに削減することが伝えられている 4-6 月には多結晶シリコン価格が再び下
落し始める可能性もあると警告している。
【太陽電池】仏メルセン、中国の太陽電池メーカーから支払猶予要請受ける
2012-2-17 索比太陽能
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2012 年 2 月号
フランスの大手グラファイト(黒鉛)及び電子材料メーカー、メルセン(Mersen)CFO
の Thomas Baumgartner 氏は 14 日、中国内地の太陽電池メーカーから 2011 年末に支払猶
予と発注量削減の要請があったことを明らかにした。同氏によると、中国内地メーカー
はこれまで商品引渡時あるいは商品引渡後 30 日以内の支払いを常としていたが、昨年末
の要請は銀行担保を条件に商品引渡後 3-6 ヶ月以内の支払いに変更したいというものだ
ったという。
同氏はまた、中国内地の太陽電池メーカーは足もとで設備発注を削減させて在庫削減を
図っている、欧州経済が今後さらに悪化すれば、中国内地の太陽電池メーカーの今年の
設備投資は前年比半減の 3000 万ユーロにとどまると指摘する。一方、多結晶シリコンメ
ーカー及び太陽光発電所の設備需要については、それほど冷え込んでいないとしている。
ドイツの大手日刊紙、ベルリン新聞(Berliner Zeitung)が 10 日伝えたところによると、
ドイツ政府は今年 4 月から新たに設置される太陽光発電システムに対する補助金の上限
を最低でも 20%引き下げることを検討している模様。これについて、ドイツ銀行はドイ
ツ政府の太陽光発電システムに対する補助金削減は市場が予想している以上に厳しいも
のになる可能性がある、そうなれば、米国のテルル化カドミウム(cadmiumtelluride)薄
膜太陽電池メーカーである First Solar が短期的には最も深刻なダメージを受けるとの
見方を示している。
米系シティ証券アナリストの Timothy Arcuri 氏は、ドイツ政府は今年 4 月に太陽光発電
システムに対する補助金を市場予想の 10-20%をはるかに上回る最大 35%削減する可能性
がある、そうなれば、今年 4 月以降に太陽電池の供給過剰が再び深刻化し、中国内地か
ら輸出される太陽電池モジュール価格が再び下落するとの観測を示している。
こうしたネガティブ観測が相次いていることから、First Solar の株価は 14 日に 6%を超
える下落となったほか、中国内地の大手太陽電池用多結晶シリコンウエハメーカーであ
る江西賽維(LDK Solar Co.,Ltd.)の株価は 12%超、米国の大手シリコンウエハメーカー
である MEMC Electronic Materials の株価は 10%を超える下落となっている。
【太陽電池】デュポン、英利と太陽電池材料で戦略的提携関係を締結
2012-2-17 eettaiwan
米国の大手化学メーカー、デュポン(Dupont)は、中国内地の大手太陽電池メーカーであ
る英利緑色能源(Yingli Solar)の 100%子会社である英利能源(Yingli)と総額 1 億米ド
ル相当の太陽電池材料に関する戦略的提携関係を締結したことを明らかにした。この契
約によると、両社は協力して太陽光発電の開発と利用を行うこと、英利能源がデュポン
が提供する先進の太陽電池材料である太陽電池のエネルギー転換効率を上げるデュポン
の Solamet 太陽電池用金属電極ペースト、太陽電池モジュールのバックシート保護に用
いるデュポン Tedlar ポリフッ化ビニル樹脂フィルム(PVF)等を採用することで合意し
ている。
英利緑色能源総裁兼 CEO の苗連生氏は、デュポンとの提携の意義を英利の太陽電池製品
の高品質が保証されること、またデュポンとの技術提携により英利の太陽電池モジュー
ルのエネルギー転換効率及びコスト管理能力について不断の改善を図ることが可能にな
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2012 年 2 月号
ると説明する。
デュポン電子通信事業部総裁の David Miller 氏は、英利との提携は、デュポンと英利の
双方の長期的利益に資するものであるとともに、デュポンの高品質の化学材料によって
太陽電池の性能を引き上げることができるだけでなく、太陽電池の使用寿命を延ばすこ
とを可能にする、これは太陽電池を利用する消費者の利益にとっても大きな利益になる
としている。
【LED】米 Intematix、中国内地の LED 照明用蛍光パウダー市場を掌握
2012-2-17 半導体照明
中国内地の LED 照明市場調査によると、高品質 LED 照明に使われる蛍光パウダー大手の
米国インテマテックス(Intematix)は、2011 年の中国内地で最大の蛍光パウダーサプ
ライヤとなった。また、中国国家半導体照明協会が選出した最も信頼される 7 つの LED
照明ブランドにもインテマテックスが選出されたこと、世界の LED 照明産業で蛍光パウ
ダー領域では最大のブランドに選出された。インテマテックスは、中国内地の LED 照明
用蛍光パウダー市場で急速に浸透し市場を掌握する地位を確立していることが明らかに
なった。
インテマテックスのチーフエンジニア兼執行副総裁である李依群氏は、インテマテック
スの充実した品揃え、ユーザーに密着したサービスが、インテマテックスが中国内地 LED
照明用萤光パウダー市場で大きなシェアを確率する基礎となっていると説明する。
統計によると、2011 年の中国内地の LED 照明製品販売利益は 320 億元(約 51 億米ドル)
で、世界全体の同利益の 3 分の 1 を占めるとともに、前年比 18%増の伸び率を示してい
る。インテマテックスは、この中国内地市場に昨年 14 種類の蛍光パウダー新製品を投入
し、品揃えを大幅に拡充することで、中国内地の多くのユーザーが十二分に満足できる
製品の提供が可能になったことを強調。また、中国蘇州に新たに建設した生産基地が稼
働したことにより中国国内での生産能力が大幅に拡張されたこと、新たに設置した深圳
事務所を通じて広東省のユーザーに充実したアフターサービスが提供できる体制ができ
たこともシェア拡大に寄与したことを明らかにした。
【ガラス】卓韋光電、静電容量式タッチパネル用保護ガラス新工場 2Q 稼働
2012-2-17 精実新聞
台湾のタッチパネル用 ITO 薄膜フィルムメーカーである卓韋光電(Join Well)は、ユー
ザーからの要望に対応するため、近年積極的にタッチパネル ITO 薄膜フィルム製品ライ
ンを従来からの抵抗膜式タッチパネル用 ITO 薄膜フィルムの生産から静電容量式タッチ
パネル用 ITO 薄膜フィルムへの転換を進めるとともに、タッチパネル表面保護ガラス事
業に参入し、2011 年 7-9 月に台湾新竹湖口に静電容量式タッチパネル表面保護ガラスを
生産する工場の建設を開始したことを明らかにした。保護ガラス工場は 2012 年 4-6 月に
正式に生産を開始する計画だという。
41
2012 年 2 月号
採用する表面保護ガラス工法については、卓韋光電はこの分野では後発であることから、
現在主流の CNC 加工技術は採用せず、今後主流になると見られているレーザー工法を採
用する計画。レーザー工法は、保護ガラスの切断をレーザーで行うため、歩留まりが高
く、特に高強度ガラスの切断で高い歩留まりが期待できるという。
また、卓韋光電の抵抗膜式タッチパネル用 ITO 薄膜フィルム売上高の売上高全体に占め
る比率は昨年末時点では約 80%、静電容量式タッチ ITO 薄膜フィルムの同比率は約 20%
であったが、今年は静電容量式タッチパネル用 ITO 薄膜フィルムの売上高比率を 50%以
上まで一気に引き上げる計画だという。その際、ユーザーの殆どが中国内地メーカーで
あることから、今後は台湾系ブランドメーカーの新規開拓を重点的に行うとしている。
なお、卓韋光電が現在保有する ITO 薄膜フィルム生産ラインは 3 本で、そのうち 1 本は
昨年末に稼働したものだという。卓韋光電:www.join-well.com/
【PCB】欣興、2 億米ドル近く投じ重慶に工場建設 ビルドアップ基板生産
2012-2-16 両江新区網
ここ数年の中国国内のスマートフォン、タブレット PC、電子書籍リーダー、車載ナビ等
の急成長を受けて、プリント配線基板(PCB)大手の欣興集団(Unimicron)は傘下の 100%
子会社 Uinstrong Holding Limited を通じて 1.8 億米ドルを中国内陸部の直轄市である
重慶市に投じて現地法人、欣益興科技(重慶)有限公司を設立、重慶市でビルドアップ基
板、フレキシブル基板、リジッド-フレキシブル基板、IC 搭載基板等の本格的生産を行
うことを明らかにした。
欣益興科技(重慶)有限公司は、用地を一括購入し、2 期に分けて建設を進める計画で。1
期をさらに 2 段階に分けて建設、今回環境アセスメントが行ったのは欣益興科技(重慶)
有限公司 1 期のうちの第 1 段階としている。
837 号 2 月 22 日
【携帯電話】中興、携帯電話売上高世界 4 位 華為はスマホで世界 4 位
2012-2-20 精実新聞
大手 IT 市場調査機関 Gartner は、2011 年 10-12 月の携帯電話売上高の対前年比伸び率
上位 3 社が米アップル、中国の中興通訊(ZTE)、華為(Huawei)であることを明らかに
したが、その躍進の原動力について Gartner チーフアナリストの RobertaCozza 氏は、中
興、華為は Android スマートフォンの体験型売り場の拡充によって中国国内市場で売上
を伸ばしていることと分析している。
Gartner 統計によると、2011 年 10-12 月の中興通訊の携帯電話世界市場における売上高
は 4 位に上昇、そのうちスマートフォンの売上高は前年比 71%増を記録している。中興
通訊は、中国国内市場で新たに 3 つの通信キャリアと提携したこと、中国国内で消費者
が低価格スマートフォンに対して高い関心を示し始めたことがスマートフォンの売上高
の急増につながっているとしている。
42
2012 年 2 月号
また、華為は Android スマートフォン世界市場における売上高が韓国の LG 電子を抜いて
世界 4 位に躍進。華為は自社ブランド携帯電話事業で長足の進歩を収めているが、中興
通訊と同じく、スマートフォンの自社ブランド事業でも低価格戦略で売上を急拡大して
いるという。
一方、カナダの RIM 社の 2011 年 10-12 月のスマートフォン世界市場シェアは 7 位に後退、
出荷量は 2011 年 7-9 月比 10.7%減となった。Blackberry10 のプラットフォームの構築が
遅れたことがユーザーの流失を招いたと見られている。
また、携帯電話最大手のノキアは、Windows Phone スマートフォン Lumia 710 と Lumia 800
の出荷量が市場予想を下回っており、当初期待された Lumia であったが、Windows Phone
スマートフォンの市場シェア下落を食い止める切り札にはならないとの見方が強まって
いる。
【タブレット】鴻海/緯創、10 型 Kindle Fire/Nook タブレットの ODM を獲得
DIGITIMES 20-2-2012
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)は、アマゾンから 10 インチ Kindle Fire の ODM を獲得し、
今年 4-6 月から出荷を開始することを明らかにした。また、ノートパソコン ODM 大手の
緯創(Wistron)がバーンズ&ノーブルから Nook Tablet の ODM を獲得、近く出荷を開始
することも明らかになった。
7 インチ Kindle Fire、Nook Tablet の現在の ODM パートナーは、それぞれ広達(Quanta)、
英業達(Inventec)1 社のみだが、これはブランドメーカーが新製品を投入する際、販
売リスクの拡散を防ぐため、ODM パートナーを 1 社に絞る傾向があるため。一方、新製
品の販売が好調な場合は、ブランドメーカーは生産リスクを防ぐ必要があるため、また
価格交渉で有利な立場をつくるため、複数社に ODM を分散する傾向がある。
なお、IT 市場調査機関 IHS iSuppli によると、アマゾンは昨年 10-12 月に 388.5 万台の
Kindle Fire、バーンズ&ノーブルは 192 万台の Nook Tablet を出荷、中でもアマゾンの
Kindle Fire の出荷量は三星の Galaxy Tab を大幅に上回る水準となった。
ただ、今年 1-3 月については、台湾の市場調査会社 Digitimes Research は、Kindle Fire
が 150 万台、Nook Tablet は 30 万台程度に大幅に鈍化する可能性があるとの見方を示し
ている。
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2012 年 2 月号
【EMS】鴻海、中国内地工場ワーカー賃金を 2 月から 16-25%引き上げ
DIGITIMES 20-2-2012
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)は、中国内地の全ての工場の生産ラインワー
カーの賃金を 2 月 1 日付けで 16-25%引き上げたことを明らかにした。
賃金の引き上げ幅は、所在地、作業の種類、スキルの水準によって異なるが、各地域の
賃金水準については、地方政府からの毎年発表される法定最低賃金を決して下回らない
水準とするという要請に基づいて決められていることを明らかにしている。
【EMS】富士康は生産シフト、フレクトロニクスは業態転換で EMS 生き残り
2012-2-20 南方都市報
世界最大の EMS 企業である鴻海(Foxconn)の携帯電話 ODM 事業会社である富士康国際は、
粗利率の低下と人件費の上昇によって、業績の安定推移を展望できない不透明な状況が
続いている。
その最大の要因となっているのが、最大のユーザーであるアップルやノキアによる激し
い市場争奪であり、この市場争奪を勝ち抜くために製品の原材料・部品に課せられる厳
しく指定条件があるからで、たとえばアップルの iPhone の場合では、指示書には製造コ
スト明細の記載があり、製造コスト全体に占める消耗材の細かい比率についてまで明確
な規定があるという。また、その材料価格はアップルが事前にサプライヤと協議済みで
あることから交渉の余地はなく、アップルの利益率は製品を生産する前から確定してい
るという。こうした厳格な生産管理により、アップルの利益率は 2007 年の第 1 世代
iPhone 発売時の 15.4%から昨年 10-12 月には 30.8%に上昇しているのに対し、富士康国
際の利益率は 2007 年の 2.7%から昨年 10-12 月には 1.5%に低下している。さらに、アッ
プルは ODM パートナーに対する指示書にトヨタ方式のカイゼンを加えてくることから、
アップルの ODM パートナーはアップルの成長に伴って生産の規模を拡張することは可能
だが、利益率を上げることは非常に困難、ほぼ困難に近い状況になっているという。
また、中国内地の人件費が法定最低賃金制度により毎年確実に上昇することも、富士康
国際の利益率の低下を加速させている。富士康国際は、2010 年の 6 月 1 日と 10 月 1 日
に 2 回にわたり賃金引上げが行われ、月額給与が 900 元から 1200 元に一気に 30%以上
上昇したことを契機に、定期昇給が実施されるようになり、現在、従業員の月額給与平
均は 2000 元まで上昇している。富士康国際スポークスマンの劉坤氏は、2010 年の 2 度
の賃金引上げに伴う人件費の増加は、深圳工場だけで月間 4.158 億元、年間で 50 億元近
いコスト増となった、富士康国際は 2010 年に 2.18 億米ドルの最終損失を計上している
が、その最大の要因が人件費の前年比 16.5%増の 5.65 億米ドルとなったこととしてい
る。その後のコスト削減策により、富士康国際の 2011 年上半期の業績は、売上高が 29.9
億米ドルで前年同期比 7.28%減だったものの、最終損失は 1800 万米ドルに改善している
(前年同期の最終損失は 1.43 億米ドルだった)。
こうした中国沿海部の賃金上昇は、深圳市や東莞市の製造業の多くが中国内陸部の湖南
省、江西省、湖北省に生産を移転する大きな要因となっている。鴻海の中国内地子会社
44
2012 年 2 月号
80 社の分布図は、1980 年代は深圳を中心に東莞、仏山、恵州などの珠江デルタに集中し
ていたが、1990 年代に入ると、昆山を軸に上海、淮安、常熟、杭州などの長江デルタに
展開、1990 年代末になると煙台を中心に晋城、廊坊、大連、天津、秦皇島、営口などの
環渤海湾に展開した。さらに 2010 年からは太原、武漢、河南、湖南、重慶、成都などの
内陸部への生産シフトが進んでいる。富士康国際の中国内地での拠点展開は、中国政府
の改革開放の歩みと時を同じく進展しており、富士康国際が政府の優遇政策を如何に効
率よく利用していることがうかがえる。また、富士康国際は中国内陸部に生産をシフト
することと平行して、深圳本部の機能拡充にも取り組み、深圳本部は既に製品技術開発、
販売展示、社員研修、金型製造技術開発、新設備・自動化設備開発、新製品量産試験等
の本社的機能を発揮している。
また、新たな原材料、新たなエネルギーの開発にも積極的に参入、深圳工場区を R&D セ
ンターとして活用している。昨年末には深圳市政府系のベンチャー企業、深超科技投資
との合弁である深超光電(深圳)有限公司が低温ポリシリコン液晶パネルの開発に成功、
既に生産ラインを稼働させている。
一方、EMS 企業の生き残り戦略は、富士康国際の低賃金・優遇政策を求めての生産シフ
トだけではなく、世界第 2 位の EMS 企業であるフレクトロニクス(Flextronics)は、こ
こ数年の巨额損失から脱却するため、業態転換の道を選択、2010 年から事業の重点を医
療設備、新エネルギー製品に集中、世界最大の医療設備 EMS メーカーとなっている。ス
マートフォン大手の宏達(HTC)は、以前は大手 EMS 企業だったが、今では世界有数のス
マートフォンブランドメーカーとなっており、フレクトロニクスが今後医療設備のブラ
ンドメーカーとなる可能性も否定できない。
【太陽電池】尚徳、4Q 業績が当初予想超える 純負債を 2 億米ドル削減
2012-02-17 i 美股
世界第 2 位の太陽電池メーカーである尚徳電力(Suntech)は、昨年 10-12 月及び通年の
業績を発表、10-12 月の出荷量は当初 7-9 月比 20%減を予想していたが、実績は 10%減
に抑えることができたこと、売上高は 6.1-6.3 億米ドル、粗利率は 10%前後であること
を明らかにした。また、2011 年通年の出荷量は 2.09 ギガワットに達し、こちらも当初
予想の 2 ギガワットを超え、売上高も 31.3-31.5 億米ドルに達した。
資金繰り改善のためのコスト削減に関しては、昨年 10-12 月に売掛金及び在庫資産を約
4.5 億米ドル削減、当初目標の 2 億米ドルを大幅に超える成果を上げた。そのうち、売
掛金については、約 8500 万米ドルの削減を達成、純負債を約 2 億米ドル削減した。これ
らの努力により、昨年 9 月末には 5.677 億米ドルに低下した現金資産が、昨年末時点で
は 7 億米ドル余りまで増加した。
【半導体】日月光、IDM の外注削減受けて今年の設備投資を下方修正
2012-2-20 台湾経済日報
世界最大の半導体実装検査企業である日月光(ASE)は、世界経済の先行きを悲観的に見
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2012 年 2 月号
る大手 IDM メーカーが外注を削減していることから、今年の設備投資を再度下方修正す
ることを明らかにした。
ただ、大手 IDM メーカーの在庫調整は今年 3 月末までに一段落すると見ており、米国経
済に関する数字も好転していること、欧州の信用不安が徐々に改善されていることなど
から、これまでの悲観的見方は徐々に緩みつつあるという。
ただ、台積電(TSMC)と緊密な関係にある日月光は、今年 1-3 月の業績が台積電との連
動が見られず、昨年 10-12 月比 6-9%減となる見通し。その原因としては、日月光のユ
ーザー構成比において携帯電話関連 IDM メーカーの比率が高く、その携帯電話関連 IDM
メーカーが最も外注量の削減に積極的であることが影響している。
【半導体】低収益の中国 IC 設計産業が米リニア・テクノロジーから学ぶもの
2012-2-20 中国電子報
米国のアナログ半導体メーカーのリニア・テクノロジー(Linear Technology)は、アッ
プル、マイクロソフトをしのぐ 75%以上の利益率を上げ、世界で最も高収益の企業と称
されるが、半導体領域において粗利率の国際的水準は 40%とされている。一方、昨年の
IC 設計年次総会で、中国半導体産業協会 IC 設計部会理事長の魏少軍氏は、中国の IC 設
計産業の粗利率の平均水準が国際水準に比べ 12.39 ポイントも低く、中国の IC 設計企業
売上高上位 10 社の粗利率平均も 31.3%にとどまっていることを明らかにした。
同氏は、中国の IC 設計企業の低収益について、製品の開発力が乏しいため、大手企業の
戦略に追随することが多い、半導体産業が高コスト時代に入っている中、スケールメリ
ットと一定の粗利率を確保できない中国の IC 設計企業は再投資の余力を持たず、結果的
に開発力の低下を招いていると指摘している。また、リニア・テクノロジーが、革新的
な技術と高い性能を求められる通信インフラ、自動車市場に特化して製品の設計開発を
行い、過当競争が激しいコンシューマー・エレクトロニクス市場には積極的に参入しな
い戦略で高利益率を担保していることから、中国内地の IC 設計企業が学ぶべき点が多い、
またリニア・テクノロジーが扱っている分野が非常に特殊性の高い分野であることにも
高収益の秘訣があると指摘する。
このほか、ユーザーとのコミュニケーションの取り方でも、リニア・テクノロジーには
学ぶ点が多い、ユーザーとのコンタクトは経験が最も豊富なシニアの設計エンジニアが
直接取っており、ユーザーが抱えている課題をユーザーの生の声で把握することも高収
益を支える重要な考えたとしている。また、チームワークを重視し決して規模の拡大を
追求しないことも 30 年連続で高収益を続ける秘訣としている。
中国の IC 設計企業トップ 10 にランクされる深圳海思半導体(Hisilicon)は、粗利率が
50%を突破している数少ない高収益企業であるが、同社が高収益の条件として挙げたのが、
製品の開発から市場投入までの時間を極力短縮すること、製品の高性能を確保すること、
自社の核心技術及び製品が市場においてオンリーワンであることと述べている。
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2012 年 2 月号
838 号 2 月 24 日
【タッチパネル】宇順、中興 23 億元相当タッチパネル落札で株式売買が停止
2012-2-20 証券日報
中国内地の大手タッチパネルメーカーである宇順電子(Success)は今月 4 日、世界第 4
位の携帯電話メーカーとなった中興通訊傘下の子会社、中興康訊の 23 億元相当の静電容
量式タッチパネル及び液晶パネルを落札したことを発表、宇順電子の 2010 年の売上高が
7.4 億元であることから、市場の株価上昇期待を誘いストップ高となった後、同発表の
詳細が明らかにならないことから 10 日以上株式の売買が停止していることが明らかに
なった。
中興通訊(ZTE)は、現在の財務状況に基づいて発注数量を調整しているが、実際の調達
量及び調達額は、証券アナリストが算出した 2 億元とは大きなかい離がある。
一方、宇順電子が湖南省長沙市で建設中の宇順顕示技術有限公司、長沙宇順タッチ技術
有限公司、並びに深圳で建設中の深圳華麗碩豊科技有限公司が徐々に生産を開始するこ
とへの期待は高まっている。
【タッチパネル】勝華/達鴻/和鑫 、TOL タッチパネル量産先行逃げ切り狙う
2012-2-22 精実新聞
世界最大のタッチパネル生産地域である台湾のタッチパネル大手の勝華(Wintek)、宸鴻
(TPK)傘下の達鴻(Cando)、彩晶(Hannstar)傘下の和鑫(Sintek)が相次いでカバー
ガラス上にタッチセンサを付加する Sensor-on-Cover(SOC)、One Glass Solution(OGS)、
Touch-on-Lens(TOL)といわわる新技術のタッチパネルモジュールの量産で先行逃げ切
りを狙っているのに対し、静電容量式タッチパネル最大手の宸鴻(TPK)は 2012 年の重
点事業として TOL タッチパネル早期量産開始を掲げており、TOL タッチパネルを巡る宸
鴻、勝華、和鑫、達鴻の競争が激しさを増している。
最大手の宸鴻は昨年 TOL タッチパネルの量産を開始できなかったことから、今年は小型
TOL タッチパネルを月間 200 万枚、大型 TOL タッチパネルを月間 50 万枚生産する体制づ
くりを加速することを明らかにしている。ただ、TOL タッチパネル用カバーガラスの生
産ラインの建設が遅れていることがネックになる可能性があるとしている。
一方、先行逃げ切りを狙う勝華は、小型カバーガラスを月間 100 万枚、中型カバーガラ
ス 50 万枚生産できる能力を既に持っているが、年内に小型カバーガラスを月間 350 万枚、
中型カバーガラスを月間 100 万枚生産できる体制をつくることを明らかにしている。
市場調査機関 DisplaySearch は、2011 年に TOL タッチパネルを採用し量産を開始した主
なメーカーは勝華、達鴻、和鑫で、この 3 社の 2011 年の出荷量は合計 1600 万枚前後、
主に HTC の Wildfire S 等の 3 インチ以上のスマートフォン用タッチパネルに搭載されて
いる。
TOL タッチパネル技術は、材料コストを抑えることができるだけでなく、端末の軽量化・
薄型化にも資することから、タッチパネルモジュールメーカーが積極的に開発を行って
47
2012 年 2 月号
いるほか、ブランドメーカーも TOL タッチパネルを採用するところが増えている。
ただ、昨年出荷された TOL タッチパネルは、大判ガラスシートを使って、先ずガラス基
板全体を強化処理し、そのあとガラス基板に ITO 導電回路をエッチング、最後に必要な
大きさにガラスを切断するため、生産効率は高い反面、強化処理したあとに再び切断す
るため、ガラス表面に目に見えない傷が残り、その傷がガラス強度の経年劣化に伴って
ひび割れを引き起こす原因になっていることが明らかになっている。
【タッチパネル】宸鴻、1Q 売上高 4Q 比 10-13%減予想 TOL 量産を急ぐ
台湾経済日報 2012.02.22
静電容量式タッチパネル最大手の宸鴻(TPK)総経理の孫大明氏は 21 日、タッチパネル
の応用市場が急拡大している、今年はゲーム機、車載電子、デジタルカメラ、ノートパ
ソコン、AIO パソコンに搭載されるタッチパネルが急増するとの見通しを示した。
宸鴻が 21 日に発表した昨年 10-12 月の業績によると、達鴻(Cando)の吸収合併に伴う
達鴻の損失計上により、税後利益はここ 5 四半期では最低水準の 15.34 億 NTD にとどま
った。宸鴻 CFO の劉詩亮氏は、今年 1-3 月の売上高については昨年 10-12 月比 10-13%減
を予想。
今年の重点施策としては、Touch on Lens 技術を採用したカバーガラス上にタッチセン
サを付与したカバーガラス一体型タッチパネルの量産を挙げている。また、新規ユーザ
ー開拓を挙げ、ノートパソコン、AIO パソコン、デジタルカメラ、車載ディスプレイパ
ネル、ゲーム機のブランドメーカー開拓を通じて、ユーザー数を現在の 30 社から 40 社
以上に増やす計画。
宸鴻は昨年 260 億 NTD の設備投資をおこなっているが、今年の設備投資は前年比半減の
120 億 NTD に抑える計画。大株主であるドイツ Balda 社の少数株主が宸鴻の持分を売却
することを求めていることについては、先日開催された Balda 社の臨時株主総会で小数
株主の宸鴻の持分売却動議が否決されたことを明らかにした。
【タブレット】アップル、中国内地での iPad 商標権認められず販売停止命令
2012/02/21 第一財経日報
中国広東省恵州市中級人民法院が、深圳市中級人民法院に続いて、台湾の大手モニター
ODM メーカー、唯冠国際(Proview)の中国深圳法人、唯冠科技の「アップル社が唯冠科
技の中国内地における iPad 商標権を侵害している」との訴えを認め、アップル社に対し
て恵州市内の電器店での iPad 販売を停止するよう命じたことが明らかになった。
今回の商標権侵害訴訟の発端は、唯冠科技の親会社である唯冠国際が 2000 年に全世界で
iPad の商標を登録、さらに 2001 年に中国深圳法人である唯冠科技が中国内地で商標を
登録したことに始まる。アップルは 2009 年に唯冠国際から iPad の商標権を取得するこ
とに応じる一方で、中国内地における商標権の確認を求めて提訴。しかし、中国内地広
東省深圳及び恵州の中級人民法院が、iPad の商標権は唯冠科技にあるとの判決を下し、
アップルに対して深圳及び恵州市内での iPad 販売停止命令を出状するに至っている。
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2012 年 2 月号
【ノート PC】ウルトラブックメーカー、相次いで世界最薄 4 ミリ放熱ファンを採用
DIGITIMES 21-2-2012
ノートパソコン大手の宏碁(Acer)の第 2 世代ウルトラブックが世界最薄の放熱ファン
を採用することが明らかになった。HP、聯想(Lenovo)、DELL、LG 電子も同様の超薄型
放熱ファンの採用を前向きに検討していることから、今年下半期には超小型ファンを搭
載したウルトラブックが大量に出荷される見通し。
放熱ファンメーカーによると、世界最薄の 4 ミリ放熱ファンは当初、携帯電話用に開発
されたが、ノイズが大きく、耳元で使用する携帯電話には適さないとの判断から、ウル
トラブックに転用することが決まったという。
現在、殆どのウルトラブックは薄さ 5.5 ミリもしくは 7 ミリの放熱ファンを採用してお
り、薄さ 4 ミリの放熱ファンを採用しているのは宏碁のウルトラブック S5 だけだという。
なお、価格は 5.5 ミリ及び 7 ミリファンが 1.15-1.20 米ドルであるのに対して、4 ミリ
ファンは 1.60-1.70 米ドルと割高。
【電子書籍】E Ink、アマゾンから 6 インチカラー電子書籍リーダーモジュール受注
DIGITIMES 20-2-2012
台湾の元太科技(PrimeView)傘下の電子ペーパー最大手、E Ink Holdings(EIH)は、ア
マゾンから 6 インチのタッチパネル式カラー電子書籍リーダーモジュールを受注、今年
3 月から出荷を開始することを明らかにした。タッチパネル式電子書籍リーダーの出荷
量は、今年は月間 300 万台に達すると見られている。
【太陽電池】シャープ、太陽電池の自社生産大幅縮小 新日光に恩恵
2012-2-22 台湾経済日報
太陽電池大手の日本のシャープは、円高圧力に対応するため、今年度は外注生産を大幅
に拡大、例年比でおよそ 5 割増とする計画で、その一環として新年度は従来からのパー
トナーである昱晶(Gintech)に加えて、新日光(Neo Solar)を新たな ODM パートナー
とすることを明らかにした。
シャープは品質要求が厳格で高めの ODM 価格でも品質が確保されれば発注する傾向にあ
るため、シャープの ODM を受注すれば、高い収益が見込めるといわれる。新日光は 21
日、これまで一貫して注力してきた日本市場の深堀りの成果であり、今後も積極的に新
規受注を狙っていくことを明らかにしている。新日光の売上高に占める米国市場、日本
市場向け比率は既に 3 割を超えているが、今後も上昇が期待されている。
新日光は台湾域内 2 位、世界 8 位の太陽電池メーカーであり、年産能力は 1.3 ギガワッ
ト。一方、昱晶は米国の SUNEDISON、欧州の SCHOTT Solar 等とも提携しており、欧、米、
日 3 大市場で大口ユーザーの獲得に成功している。
シャープはかつて世界第 3 位の太陽電池メーカーだったが、近年は超円高環境の中で業
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2012 年 2 月号
績を悪化させており、2011 年は市場シェアが 10 位圏外に転落している。シャープは、
2012 年度(2012 年 4 月至 2013 年 3 月)に太陽電池生産ラインの再編を進める計画で、
そのうち葛城工場の年産能力 160 メガワットの薄膜生産ラインは操業を停止、同工場の
年産能力 550 メガワットのシリコン太陽電池の生産量も削減、太陽電池の生産を堺工場
に集約すること、また輸出については外注方式を多用することで円高リスクを回避する
方針を打ち出している。シャープの日本国内の太陽電池生産能力は年間約 1.07 ギガワッ
ト、これまでの外注生産量は 200-300 メガワットだったが、今年度は外注生産量をこれ
までに比べ 50%増の 300-450 メガワットに達する見通し。
【PCB】欣興、ビルドアップ生産拡張を減速 IC 基板では新工場を建設
PCB 制造網 2012-2-22
世界第 2 位のプリント配線基板(PCB)メーカー、欣興(Unimicron)は、今年の設備投資
方針を大幅に転換、ビルドアップ基板の生産拡張を減速させる一方で、FC BGA(フリップ
チップ実装基板)工場を新たに建設することを明らかにした。市場は、欣興の今回の方針
転換は、インテル、nVidia 等の大口ユーザーの需要に対応するためのものであるが、新
工場の売上高が業績に反映されてくるには少なくとも 2 年は待たなくてはならないと見
ている。
中国台湾の IC 基板産業の発展は、南亜(Nanya)、景碩(Kinsus)がそれぞれパソコン領域、
携帯電話領域で強みを持っており、南亜はパソコン領域の FC BGA 市場でシェア 3 位以内
にランクされ、インテルの主力サプライヤでもある。また、景碩は携帯電話領域の FC CSP
を主力としており、クアルコム、ブロードコム等に製品を供給している。
欣興はこれまで IC 搭載基板市場では、主に従来型の CSP を生産してきたが、IC 搭載基
板大手の全懋(PPT)を吸収合併してから、FC BGA 大手メーカーの仲間入りを果たした。
また、ビルドアップ基板領域でも世界有数のシェアを持つようになる。ただ、欣興董事
長の曾子章氏は、近年のビルドアップ基板需要の爆発的増加によって、業界内で生産拡
張ラッシュが起きており、高収益のビルドアップ基板市場にも供給過剰の波が押し寄せ
ているとの懸念を示している。
欣興スポークスマンの沈再生氏は、今年の設備投資は 70-80 億 NTD で、昨年の水準と同
水準だが、内訳は昨年と大きく異なる、昨年の設備投資の大半を占めたビルドアップ基
板の投資は大幅に減らし、CSP/FC BGA 基板への投資を大幅に増やした、特に FC BGA 基
板については上記の通り新工場の建設を決めた、中長期的には画像処理チップ、ARM フ
レームのプロセッサ搭載基板の市場を開拓していくことを明らかにした。
市場は、IC 基板の学習曲線は時間軸が長いため、歩留まりの改善、認証の取得、試験生
産、量産開始まで少なくとも 2 年はかかると見ており、欣興の FC BGA 新工場の売上高が
業績に反映されるのは 2014 年以降になると見ている。
【半導体】華為、米国チップメーカー 3 社から 61 億米ドル相当製品を調達
2012-2-21 和訊網
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2012 年 2 月号
世界第 2 位の移動通信設備メーカーである中国華為(Huawei)は、米国の携帯電話チッ
プ大手のクアルコム(Qualcomm)、ブロードコム(Broadcom)、アバゴ(Avago)から総額
61 億米ドル相当のチップ製品を調達する契約を締結したことを明らかにした。
華為スポークスマンの Bill Plummer 氏は、上記 3 社それぞれからの調達額は明らかにし
ていないが、華為は 2001 年から米国での調達を開始しており、既に米国の 280 社の米国
企業から部材を調達した実績を持っている、2011 年の米国サプライヤからの調達額は 61
億米ドルで、2010 年の 50 億米ドルに比べ 10 米ドル増、売上高も、2010 年 280 億米ドル、
2011 年 320 億米ドルと 2 桁の伸びを示している。
839 号 2 月 27 日
【パソコン】台湾部品メーカー、聯想・仁宝の合肥進出要請に対し足踏み
DIGITIMES 24-2-2012
パソコン世界第 2 位の聯想(Lenovo)とノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)
が中国安徽省合肥市で設立した合弁企業、聯宝(Lienpal)は、来週から本格的に工場の
建設を始めることを受けて、台湾の関連部品メーカーに対して合肥市に部品供給ステー
ションを設置するよう要請していること、台湾の関連部品メーカーが当面は合肥には進
出せず、昆山もしくは上海の工場から対応する方針であることが明らかになった。
聯想が四川省成都工場を昨年末に稼働させた際も台湾の関連部品メーカーは生産ライン
を上海、昆山からシフトしておらず、部品メーカーの間では聯想が生産拠点を内陸部に
分散する戦略に対して消極的な姿勢を取っていることがうかがえる。
聯想と仁宝の提携は両社にとってメリットがあり、聯想にとっては生産スケジュールや
物流プラニングの面で仁宝から技術を習得でき、仁宝は世界第 2 位のパソコンメーカー
となった聯想との関係を密接にすることで聯想からの受注量を増やすことができるとし
ている。
ただ、部品メーカーにとっては、新たな生産拠点を建設することはコスト増となること、
内陸部のワーカーの技術習熟度が低いこと、現地政府が先般も最低賃金を大幅に引き上
げたことを嫌って成都や合肥への進出に踏み切れない状況にある。
【ノート PC】アップル、昨年 4Q に華碩/東芝を抜きノート PC 世界シェア 5 位
2012-2-24 精実新聞
IT 市場調査機関 NPD DisplaySearch が 23 日に発表した最新の調査結果によると、アッ
プル(Apple Inc.)の昨年 10-12 月のノートパソコン出荷量が華碩(ASUS)、東芝(Toshiba)
を抜いて世界 5 位となった。アップルは、タブレット PC 市場で 6 割シェアを持つことか
ら、昨年 10-12 月のタブレット、ノートどちらも含むモバイル PC 出荷量は 2340 万台に
達し、モバイル PC 市場におけるシェアはシェア 2 位の HP の 3 倍近い圧倒的シェアを誇
る。
NPD は、昨年 10-12 月の世界のモバイル PC 出荷量は前年同期比 44%増の 8800 万台だった
51
2012 年 2 月号
が、そのうち、タブレット PC の出荷量が前年同期比 210%増の 3170 万台、ノート PC の
出荷量は前年同期比 11%増どまり 5630 万台だったとしている。
そうした中でアップルのマッキントッシュ PC の販売量は 23 四半期連続で PC 市場全体の
成長率を超える伸びで成長しており、アップルの昨年 10-12 月のノート PC 出荷量は前年
同期比 28%増の 371.9 万台に達している。
大手市場調査機関 Gartner も 1 月 11 日に発表した 2011 年 10-12 月統計で、デスクトッ
プ型・ノート型両方を含むマッキントッシュの出荷量が世界シェア 5 位の華碩の 104.5
万台に肉薄するところまで拡大していることを明らかにしている。
【携帯電話】華冠、今年の携帯電話出荷量 2300 万台以上を見込む
DIGITIMES 24-2-2012
携帯電話 ODM 大手の華冠(Arima Communications)は、今年の携帯電話出荷量見通しを
2300-2500 万台、内訳としてはフィーチャーフォンが 1500-1600 万台、スマートフォン
が 800-1000 万台であることを明らかにした。
華冠は、米国ユーザー及び日本ユーザーからの受注が増えていることから、今年 4-6 月
の出荷量は 500 万台以上、今年 7-9 月及び 10-12 月はそれぞれ 700-800 万台を見込んで
いるという。
そのうち、スマートフォンの出荷は、聯発(Mediatek)、クアルコム、ST-Ericsson が新
型チップを投入してくること、またモトローラ及びソニーエリクソンが今年それぞれ
3000 万台の出荷を計画していることから、華冠、仁宝(Compal)、鴻海(Foxconn)等の
台湾系携帯電話 ODM メーカーは前年を上回る受注が期待できるとしている。
【液晶パネル】TCL 傘下の華星光電、110 インチ 3D 液晶パネル開発に成功
鉅亨網 2012-2-24
中国地場の大手液晶テレビメーカー、TCL 傘下の液晶パネル事業である華星光電(China
Star)は 22 日、110 インチの解像度 4 倍のハイビジョン 3D 液晶パネルの開発に成功し
たことを明らかにした。
【タッチパネル】低価格タブレット PC 新興市場投入、台湾パネルメーカーに恩恵
2012-2-24 台湾経済日報
低価格タブレット型パソコンが新興市場に投入されることと高解像度パネルを搭載した
タブレット型パソコンが先進市場に投入されることから、NPD DisplaySearch は、2017
にはタブレット型パソコンの出荷量が昨年の 7270 万台の 5 倍以上の 3.83 億台に達する
と予測、また欧米等の成熟市場で安定成長するだけでなく、新興市場が今後急成長して
くることから、タブレット型パソコン市場全体に占める新興市場の比率は 2011 年の 36%
から 2017 年には 46%に達すると予測している。
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2012 年 2 月号
DisplaySearch は、中国内地等の新興市場でタブレット型パソコンの新ブランドが相次
いで誕生していることから価格競争が激化している、ただ価格低下を加速させていると
いうメリットがあり、タブレット型パソコン市場を急速に拡大させる基盤になっている
と指摘している。価格競争が激化すればするほど、恩恵を受けるのがコスト競争力で優
位に立つ台湾メーカーで、台湾のタッチパネル関連メーカーの業績に期待が集まってい
る。
なお、DisplaySearch は、2011 年は 8 割以上のタブレット型パソコンが投射式静電容量
式タッチパネルを採用したが、2017 年には同採用率はほぼ 100%に達すると予測している。
【EMS】富士康の賃金引き上げで HP/DELL が PC 製品値上げを検討
2012-2-25 東方早報
世界最大の EMS 企業である鴻海富士康(Foxoconn)が、中国内地工場ワーカーの賃金を
今年 2 月 1 日から 16-25%引き上げることを発表し、一般ワーカーの月額給与が 1800 元、
試用期間査定を通じて正社員となった場合では月額給与が 2200 元以上に上昇すること
が明らかになった。鴻海富士康の一般ワーカーの月額給与は 3 年前の 900 元からわずか
3 年で 2 倍に上昇したことになる。
これは中国深圳市政府が今年 1 月に法定最低賃金を 13.6%引き上げ、月額 1500 元とした
ほか、中国内地の主要都市で法定最低賃金が相次いで 10%以上引き上げられていること
を受けたもので、鴻海富士康の主力ユーザーである HP、DELL の経営陣が富士康の賃金引
き上げの影響を注視している、将来的にパソコン製品価格の引き上げも排除しないこと
を明らかにしている。
HP、DELL は世界首位、3 位のパソコンメーカーであり、両社ともパソコン生産を富士康
等の ODM 専門メーカーに委託して中国内地で製造している。HP は昨日発表した昨年 10-12
月の業績発表で売上高が前年比 7%減の 300.4 億米ドルで、アナリストの事前予想 306.7
億米ドルを下回ったほか、PC、プリンタ、オフィス機器の全てのコア事業の売上高が前
年同期を下回り、純利益は前年同期比 44%減の 14.7 億米ドルにとどまった。
DELL も昨年 10-12 月の業績が売上高は前年同期比 2%増の 160 億米ドル、純利益は同 18%
減の 7.64 億米ドルにとどまったことを明らかにしている。
【太陽電池】英利、海南省の太陽電池生産基地の生産能力 400MW 超
2012-2-24 海南日報
中国内地の大手太陽電池メーカーである英利集団(Yingli)は、2009 年 9 月に正式に海
南省政府と 3-5 年で 150 億元を投じて海南省初の太陽電池産業基地、大容量蓄電産業基
地を建設することで契約を締結、その後、海口ハイテク区獅子嶺工業園に入居し、既に
第 1 期の年産 100 メガワット生産事業及び年産 100 メガワット拡張事業を完成、第 2 期
年産 400 メガワット生産事業の前期年産 200 メガワット生産ラインを昨年 10 月に完成さ
せている。多結晶シリコンウエハから、太陽電池セル、太陽電池モジュールを一貫生産
する 4 本の生産ラインを含む英利の海口ハイテク区太陽電池生産基地のの年産能力は既
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2012 年 2 月号
に 400 メガワットを超えていることが明らかになった。また、既に第 2 期後期の年産 200
メガワットの基礎工事もほぼ完成していることも明らかにした。
英利集団は新型モジュールの設計で超薄型モジュール及び軽質モジュールの開発と大幅
な生産コストの削減に成功、当初設計では 100 メガワットだった生産ラインの年産能力
を 138 メガワットまで引き上げることに成功している。
なお、英利集団の昨年通年の生産高は 18.95 億元で前年比 172%増、主要製品の生産量は
238 メガワット、売上高は 19.2 億元だった。
【CCL】マザーボードメーカー、CCL 価格上昇で製品価格を 10%引き上げ
PCB 中国網 2012-2-24
技嘉科技(Gigabyte)等の主要マザーボードメーカーは、国際銅価格の上昇に伴うプリ
ント配線基板(PCB)の主要原材料である銅箔張り積層板(CCL)生産コストの上昇と中
国内地の労働コストの上昇が収益を圧迫しているとして、今年 3 月末までに製品価格を
10%前後引き上げる見通しを明らかにした。
中国内地では新年以降、殆どの地域で法定最低賃金が一斉に引き上げられており、マザ
ーボードメーカーの中国内地工場の生産コストが大幅に上昇している。また、国際銅価
格が春節前のトン当たり 8000 米ドル以下の水準から同 8600 米ドルまで上昇しているこ
とから、銅箔張り積層板の調達コストも大幅に上昇しており、マザーボードの収益性に
大きな影響が出ている。
技嘉科技マザーボード営業部副主任の Tim Handley 氏は、今年年初に既に 5-10%の引き
上げを行っていることから、当初は今年上半期は製品価格の引き上げを行う計画はなか
ったが、銅価格が予想以上に上昇していること、中国内地の法定最低賃金が毎年 10%を
超える上昇率で上げられていることから値上げに理解を求めている。
【筐体】】可成、今年のノート PC 筐体売上高が総売上高の 50%超えると
DIGITIMES 23-2-2012
世界最大のノートパソコン金属筐体メーカーである可成科技(Catcher Technology)は、
今年はノートパソコン筐体事業の売上高がスマートフォン筐体事業の売上高を上回り、
売上高全体の 50%以上に達する見通しを明らかにした。
これはウルトラブックメーカーからの中低価格ウルトラブック用で継ぎ目がない
Unibody 金属筐体発注が急増しているためで、可成はウルトラブック筐体需要に対応す
るため、年内に 3000 台余りの CNC 工作機械を新たに導入、今年 4-6 月には稼働させたい
としている。
ここ 1-2 年、Unibody の金属筐体はスマートフォン及び携帯電話メーカーが採用を増や
したことから、可成の売上高の半分以上がスマートフォン用金属筐体の売上高だったと
いう。
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2012 年 2 月号
【コネクタ】立訊精密、宣徳科技と合弁で PC/通信機器用コネクタ生産
2012-2-24 上海证券報
中国深圳市のコネクタメーカー、立訊精密(LuXshare)は 23 日、香港の 100%子会社
ICT-LANTO LIMITED が台湾のコネクタメーカーである宣徳科技(SpeedTech)と合弁の覚
書を締結、両社で 1600 万米ドルを出資し広東省東莞市に合弁会社を設立、中国の大手移
動通信設備メーカーである華為(Huawei)、中興通訊(ZTE)、聯想(Lenovo)向け製品を
生産することを明らかにした。
出資金 1600 万米ドルのうち、ICT-LANTO が 1200 万米ドルを出資すると見られている。
宣德科技は 1990 年設立のパソコン及び通信機器用コネクタメーカーで、2000 年 9 月に
台湾で上場している。
【ケーブル】中天科技、イタリアで海上石油プラットフォーム用海底ケーブル落札
中国国家電纜網、中国能源報 2012-2-24
中国能源報が伝えたところによると、イタリアの 3000 万米ドル相当の海上石油プラット
フォーム用海底ケーブル入札案件で中国内地の江蘇中天科技(Jiangsu Zhongtian
Technologies)が中国内地の地場メーカーとしては初めて落札したことが明らかになっ
た。
中天科技海外事業部関係者は、同海上石油プラットフォーム建設は、世界有数の石油会
社であるサウジアラムコ(Saudi Aramco)がゼネラルコントラクタとなっており、160
キロの海底ケーブルを 3 ブロックに分けて建設、最も長いブロックは 72 キロで、品質、
納期ともに高い要求が課されているという。そのため、今回落札した 3 社のうち、2 社
は欧州及び日本の大手企業だという。
中天科技海底ケーブル研究所所長の謝書鴻氏は、中天科技は 220KV、110KV、66KV、35KV
海底ケーブル、海底光電複合ケーブル、浅海光ケーブル、深海光ケーブル等の製品を供
給しているが、中国国内の中国石油、中国石化、中国海洋石油、国家電纜等の大手エネ
ルギー企業向けに 1 千キロを超えるケーブルを納入してきた実績が海外でも認められ始
めている、今回の大型入札案件を落札できたのはその証としている。
中天科技:www.zttcable.com/
840 号 2 月 29 日
【スマホ】華為、今年のスマートフォン出荷目標 6 千万台 3 割を中国市場に
2012-2-27 新浪科技
世界第 2 位の移動通信設備メーカーである中国華為(Huawei)は、今年のスマートフォ
ン出荷目標を前年比 3 倍の 6000 万台とし、スマートフォン市場でアップル、ノキア、三
星の 3 強に挑戦する計画を明らかにした。
華為の携帯電話端末事業会社、華為終端董事長の余承東氏は、スペインバルセロナで開
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2012 年 2 月号
催された世界最大の携帯電話見本市、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)で、華為は
今年のスマートフォン出荷量目標 6000 万台のうち 30-40%を中国市場向けに出荷するこ
とを明らかにするとともに、他社の類似製品に比べ 15-20%低コストを実現しながらも、
世界最速の Ascend D クアッドコアスマートフォンの開発に成功、近く発表することを明
らかにした。
華為は昨年 4 月に今後 5-10 年で年間売上高 1000 億米ドル達成を目指すことを明らかに
したが、その中核事業としてスマートフォン事業を推進するとともに、クラウドコンピ
ューティング事業と中小企業向けネットワーク事業にも注力し、新たな収益の柱とする
ことを明らかにしている。
AscendD クアッドコア携帯電話は今年 4-6 月から世界の主要市場で同時販売する計画で、
LTE 対応機種については今年下半期に市場に投入することを明らかにしている。
【タブレット】HP、Intel/ARM チップ搭載 Windows8 タブレット PC を開発中
2012-2-27 eNet 硅谷動力
世界最大のパソコンブランドメーカー、HP の CEO、Meg Whitman 氏は、HP が今年のクリ
スマス商戦に Windows8 製品を投入することを明らかにしたが、内部関係者によると、HP
が今年のクリスマス商戦に投入する Windows8 製品には、Intel プロセッサ x86 搭載のタ
ブレット PC、Qualcomm の AMD フレーム設計 Snapdragon プロセッサ搭載のタブレット PC、
タブレット PC とノート PC の両方の特長を取り入れたハイブリッド PC が含まれるという。
このうち、Intel プロセッサ搭載のタブレット PC は企業向けの商用機種で、Intel が近
く発表する初の 32 ナノ技術製造のデュアルコア CloverTrail プロセッサを搭載している
という。
市場調査機関 DisplaySearch アナリストの RichardShim 氏によると、HP が開発中の
Windows8 タブレット PC のサイズは 10.1 インチでディスプレイパネルの解像度は
1366x768 画素と目され、今年 7 月頃から量産を開始する計画だという。
【タブレット】iPad3 近く出荷開始 タッチパネル関連サプライヤ生産拡張加速
2012-2-27 Apple Daily
アップルの第 3 世代タブレット PC、iPad3 が近く出荷を開始することから、タッチパネ
ルメーカーの生産ラインがフル稼働、アップルのタッチパネル主力サプライヤである宸
鴻(TPK)、カバーガラス主力サプライヤである正達(G-Tech)ではフル稼働が続いてお
り、生産能力の拡張を加速させている。
正達は、今年 1-3 月が中国の春節連休及びユーザーの新旧製品切り替えの時期であった
ため、1 月の売上高が低水準にとどまったことは想定内としていたが、2 月以降もタッチ
パネル用カバーガラスの生産はフル稼働となっているものの、その他の製品の受注が低
調で、今年 1-3 月の売上高が昨年 10-12 月とほぼ同水準の 18.51 億 NTD、市場予想を下
回る見通しを示した。
正達総経理の江嘉斌氏は、今年注力している 3D カバーガラスについては、サンプルをユ
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2012 年 2 月号
ーザーに送付済みだが、ガラス筐体設計となるため、認証取得にはかなりの時間を要す
る見通しで、量産は早くても今年年末になることを明らかにした。
【太陽電池】中国政府、国内の太陽電池産業の再編と市場拡大を加速
2012-2-28 中国儲能網
中国エネルギー研究会の研究員、呉忠虎氏は、太陽電池産業は統合再編が必要な時期に
来ている、生産コストの削減が難しいこと、欧州の信用不安に伴う海外市場の縮小に伴
って市場環境が激変しており、中国の多くの中小企業は在庫を処理するため、中国国内
で太陽光発電モジュールを自社生産し利益を確保しようとしていることを明らかにした。
中国政府は中国国内の太陽電池メーカーの統合再編を促進する方針で、統合により 2015
年までに年間売上高 1000 億元以上の太陽電池メーカーを 1 社以上、年間売上高 500 億元
以上の太陽電池メーカーを 3-5 社とする目標を明らかにしている。
中国政府の統合再編計画について、中国内地の薄膜太陽電池メーカーである漢能控股集
団有限公司は、多結晶シリコン太陽電池とアモルファス薄膜太陽電池は応用市場が必ず
しも同市場ではないため、漢能は統合の対象にはならないとしている。
2005 年から 2010 年までの 5 ヵ年計画で中国内地の太陽電池モジュール生産量は年率
100%以上で成長し 2010 年の中国全土の生産量は 10 ギガワットに達し、世界生産の約 50%
シェアを占めた。しかし、それと同時に生産量の 90%以上を欧州等の海外市場に依存す
る非常に偏った産業構造を生み、今般の欧州の信用不安に伴って中国内地の太陽電池メ
ーカーは生産する太陽電池の多くの行き場を失い不良在庫が積みあがることとなってお
り、中央政府に中国国内での太陽電池需要を財政出動により拡大するよう要請する事態
となっている。
【太陽電池】晶澳、合肥の年産 500MW の太陽電池生産基地を稼働
2012-2-28 中国儲能
世界第 3 位の太陽電池モジュールメーカーである晶澳太陽能(JA Solar)は、中国安徽省
合肥に建設していた年産 500 メガワットの生産基地を稼働させたことを明らかにした。
晶澳太陽能の合肥基地の総投資額は 135 億元、総生産能力は 3 ギガワット、3 期それぞ
れ 1 ギガワットずつに分けて建設する計画。そのうち、1 期の投資額は 45 億元、今回稼
働したのはその前期部分で、年間生産高は 30 億元に達する見込み。1 期全てが稼働すれ
ば、年間生産高は 100 億元、3 期全てが稼働すれば、年間生産高は 300 億元に達する見
込み。
晶澳太陽能は中国河北省寧晋市、江蘇省揚州市及び東海市、上海市奉賢区、安徽省合肥
市に生産基地を有し、一昨年には太陽電池モジュール生産量が世界 1 位だった。
【太陽電池】台積電、茂迪を吸収合併か 茂迪の昆山工場を事前視察
電子工程世界 2012-2-27
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2012 年 2 月号
半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)が、台湾の大手太陽電池メーカーである茂
迪(Motech)を吸収合併する計画を水面下で進めており、担当者が茂迪の昆山工場を事
前に視察したことが明らかになった。
【太陽電池】ドイツ業界団体、中国製の太陽電池製品をダンピング提訴
2012-2-27 燕趙都市報
欧州最大の太陽光発電システム市場であるドイツの会員企業 800 社余りを有する太陽エ
ネルギー経済連合会が EU 加盟国の同業者と共同で中国内地の太陽電池製品のダンピン
グ行為により経営が危機的状況にあるとして提訴したことが明らかになった。中国内地
の業界団体である中国機電商会は、まだ EU からの通告を受けていないとしているが、太
陽電池領域に詳しい孟憲淦氏は、EU は中国最大の太陽電池輸出先でその割合は 65%に上
るため、EU が中国内地の太陽電池製品に対してアンチダンピング措置を発動すれば、影
響は極めて甚大となると指摘する。
中国機電商会関係者は、昨年 11 月に米国商務省が中国内地の太陽電池製品に対してアン
チダンピングとアンチ補助金を立案していることから、米国に追随する傾向がある EU
が中国内地の太陽電池製品に対してアンチダンピング調査を実施するとの観測は昨年か
ら徐々に増えているとしている。
中国再生可能エネルギー学会副理事長の孟憲淦氏は、EU は中国内地の太陽電池製品に対
してアンチダンピング又はアンチ補助金調査を実施するリスクはある、中国国内の関連
企業も昨年来この懸念を持ち続けている、これはギリシャ等の南欧諸国の債務不履行不
安をきっかけに長期化している欧州の経済減速が大きく影響している、EU はダブルアン
チ政策についてはこれまで米国に追随してきた経緯があることからも EU が今回中国内
地の太陽電池製品に対してアンチダンピングもしくはアンチ補助金調査を実施する可能
性は高いと指摘する。
昨年の新規太陽電池製品需要は、ドイツが 7.5 ギガワット、スペインが 9 ギガワットで、
この 2 カ国だけで需要量は 16.5 ギガワットに上り、中国の 2011 年の太陽電池総生産量
21 ギガワットの 7 割以上を占める輸出量 15-16 ギガワットとほぼ同規模である。
孟憲淦氏は、中国企業は欧米の保護主義的措置に冷静に対処すべきだが、それ以上に拡
大路線を取ってきた中国内地の太陽電池産業が大きな曲がり角に来ていることを認識す
ることが重要で、今後は低価格ではなく新技術を通じて欧米市場に攻勢をかける戦略が
求められると指摘する。同時に、中国政府と共同で中国国内市場を拡大すること、総生
産量に占める輸出の割合が 80-90%を占める状況を改善することも重要だとしている。
【太陽電池】中電科技、天津市に中国最大のシリコンウエハ生産基地建設
中国化工報 2012-2-27
中国国務院傘下の国有企業、中国電子科技集団(CETC)は、天津市津南区政府と新材料
産業園建設で合意、正式に契約を調印した。
中国電子科技集団は、今後、天津市津南区に新材料産業園を建設し、国家電子機能材品
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2012 年 2 月号
質監督検査センター、シリコン材料加工技術研究応用センター、先進材料研究開発セン
ターを開設し、集積回路用高品質シリコンウエハ、LED 照明材料、電力電子部品用シリ
コン材料の 3 分野の実用化を図ることを明らかにした。全事業が完成すれば、中国国内
最大のシリコンウエハ生産基地となるという。
【LED】LED 照明、有機 EL 実用化と長寿命に伴う高価格が普及のネック
2012-2-23 国际電子商情
台湾の IT 市場調査機関、拓墣産業研究所は、コンシューマエレクトロニクス製品市場の
成長が減速していること、新たな省エネ光源として有機 EL の実用化が進みつつあること
から、LED バックライト市場の成長がボトルネックに直面しているとの調査結果を明ら
かにした。
また、LED 照明産業は、世界の 3 分の 2 の地域で白熱灯及び高いワット数の白熱灯の使
用を禁止する政策が取られていることから、今後 4 年が LED 照明が家庭用照明として浸
透していく重要な期間になると見られているが、家庭用照明として普及するに当たって
最大の障壁となっている高価格と低輝度を克服する必要があると指摘する。ただ、その
最大の障壁となっている高価格が、LED 照明が 2 万時間という長い寿命であることから、
買い替え需要が 8-10 年後になるという点から、価格設定が非常に難しい状況にあるとも
指摘している。
【キャパシタ】ケメット、太陽光インバータ駆動 LED 照明フィルムキャパシタを開発
電子製品世界 2012-2-27
タンタル、セラミック、アルミ、フィルム、紙質電解キャパシタメーカーである米国ケ
メット社(KEMET Corporation)は 27 日、工業及び代替エネルギー産業向けに開発した
C4AE Radial Film DC Link キャパシタシリーズの出荷を開始した。
ケメット AC Film 製品管理主管の Antonio Sanua 氏によると、C4AE 大容量密度キャパシ
タシリーズは、高精度出力電流、超長寿命であると同時に、新型 600 VDC、摂氏 105 度
の温度対応、さらに小型化を実現することで、最新の太陽エネルギーマイクロインバー
タ駆動型 LED 照明システムのニーズに対応することが可能になっている。
【構造改革】世銀、中国の高所得国実現には中所得国の罠克服必要
2012-2-27 新浪網
世界銀行は 26 日、中国国務院発展研究センターと共同で発表した「2030 年の中国:現
代的、調和と創造力ある高所得社会」報告書を通じて、中国が今後一層の改革を行わな
ければ、徐々に経済成長が鈍化していき、国民所得水準が中所得水準にとどまる、先進
国のような高所得社会を実現することは難しいとの見方を示した。昨今、世界の著名な
経済学者が中国、インド等の新興国経済の持続性について議論する際、「中所得国の罠」
について指摘しており、新興国が中所得水準に甘んじて構造改革を怠ることになれば、
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経済が急速に減速し始めると、金融機関や主要産業の経営悪化が一気に拡大、最悪の場
合、金融危機を引き起こすと警告している。
世銀はこの報告書を通じて、現在の中国政府が国有企業の民営化に余り積極的でないこ
とを指摘、中央政府がエネルギー資源、通信、電力、交通等の市場を独占もしくは寡占
している巨大な国有企業の民営化を推し進めるべきであり、民営化までの過渡期におい
ては、中央政府が国有企業に対する介入を極力減らし、国有資産管理機構が民間企業の
ルールに基づいて経営できるよう指導し、政治的目的で利用されることがないよう監督
することを提言している。
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