...

Untitled

by user

on
Category: Documents
3

views

Report

Comments

Description

Transcript

Untitled
インプラントは本当に必要か?
インプラントは本当に必要か?
~治療方法を選択するために考えないといけないポイントとは~
あなたは、歯を失ってどんな治療をすれば良いのか迷った事はないでしょうか?
事前に「歯を失うかもしれない」と思っている人はほとんどいないので、
実際に歯を失った時に
『どうしたら良いのだろう?』と迷ったりする方が多いのです。
例えば、歯が抜けた後にはこんなお悩みがよくあります。
□
入れ歯の使い勝手ってどうなんだろう?
□
ブリッジや入れ歯など見た目は大丈夫なのだろうか?
□
この先の自分の歯はどうなってしまうのだろうか?
□
周りの人に、歯が抜けている事を知られたくない。
□
咬むのに不自由して、食べにくいのは嫌だ。
□
いつまでもキレイな歯でいたい。
□
残っている歯を削るのはもう嫌だ。
またこれ以外にも、治療の方法で悩む方も良くいらっしゃいます。
歯を失った時の実際の治療方法には、インプラント・ブリッジ・入れ歯などの治療があります。
そしてブリッジや入れ歯は、材質を選ばなければ保険が適用になります。
しかしインプラントは、特殊なケースを除き保険が適用になりません。
-1Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
その時に、
『保険の適用しない治療をする意味はあるのか?』
と考えたりする方もいらっしゃいます。
そんなお悩みを持つのは当然の事だと私は思います。
歯を失っただけでもショックなのに、その先の治療方法、そして治療費用や期間、
また治療したことによる生活の変化までも含めてすぐに決断するのは難しいと私も感じるからです。
もしあなたが、歯を失って治療方法を迷っているのであれば、
考えるべき大切なポイントをお伝えします。
10分で読み終わりますので、ぜひ最後までお読みください。
インプラントをするか?ブリッジにするか?入れ歯にするか?
その先の生活はどうなるのか?
自分には何がよいのだろう?
そんな悩みがスッキリします。
紹介が遅くなりました。
はじめまして、私は歯科医師の伊勢海
信宏と申します。
簡単にプロフィールを記載させていただきます。
-2Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
~伊勢海
信宏 プロフィール~
医療法人日坂会 副理事長
国際口腔インプラント学会
歯の寿命をのばす会 会長
歯科臨床研修医 指導医
認定医
【患者さん向けに製作した本】
『長寿の日本人なのになぜ歯はもたないの?』
『隣の子はどうして虫歯にならないのか?』
『あなたの歯を長く残すための一番大切なこと』
【講演】
市民の皆様向け
インプラント講演や歯の大切さの講演
-3Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
私は歯科医院での治療以外にも市民の皆様向けの講演をしたり、
歯の寿命をのばすための啓蒙活動をしたりしております。
最初に、なぜ私がそんな事をしているのかを少しだけお話せてください。
ここからお伝えすることは、私の歯科医師としての一番の源流となる経験です。
私は歯科医師になってから、大学病院の高齢者歯科に在籍して治療をしていました。
また介護施設に行って、治療をしたりもしていました。
なぜそのような道を選んだかと言うと、
教科書や大学講義では知ることのできない「歯医者の本質」と、
「歯の本当の役割」を若いうちに知りたかったからです。
実際、たいへん多くの方が歯についての悩みを抱えていらっしゃいました。
片道1時間、2時間かけて大学まで治療に通われている方がたくさんいました。
私がまだ歯医者になって2年目の時に、患者さんに何気なくこう尋ねました。
『わざわざ片道2時間もかけて通うのは大変ではないですか?』
私としては、特に深い意味もなく質問したのですが、
その患者さんに言われた言葉が今でもずっと心に残っています。
『先生、私はね…
残っている歯も数本しかないし、もう昔のように食べられないのは分かっているんです。
-4Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
でも、今より少しでも美味しく食事を楽しみたいの。
だって毎日の楽しみですから。
そして、たとえ入れ歯でも、いつまでもきれいな歯でいたいんですよ。
先生はまだお若いですから、分からないかも知れませんね。
歯を治しに来ているだけではなくて、歯を治す事によって楽しみを取り戻したいの。
だから、遠くても通うのは全然平気ですよ。
私も若い時は、子育てや仕事で忙しかったから自分の健康なんて二の次、三の次だったけど、
今になって思えば、もう少し自分の体を気づかっていれば良かったわ。
でも、今さら後悔してもしょうがないですよね…』
この方に出会って、
『自分の歯があって、不自由なく好きな物を食べるという当たり前の事が、
人生においてとても重要な事なんだ』
と教えていただきました。
そんな体験をしたからこそ、この様な活動をしております。
そして私が今回、これを無料で差し上げてる理由は、すごくシンプルです。
歯を失って悩んでいる一人でも多くの方の悩みや辛さを少しでも取り除いてあげたいのです。
あなたと直接会うことは無いかもしれませんが、これを読んで頂くことで
少しでも悩みや辛さを解決して、今よりもより快適な生活、
-5Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
そしてこれからの人生の幸せを手に入れて欲しいからです。
歯が抜けて悩みをお持ちであれば、ぜひ最後まで読んでください。
では具体的には、以下の内容でお話していきます。
ステップ①
治療方法の基本的な比較
ステップ②
先を見て考える大切なポイント
ステップ③
あなたは何を望むか?
ステップ④
優先順位はどこにある?
では、最初の治療方法の基本的な比較からお話していきます。
ステップ①
【治療方法の基本的な比較】
歯が抜けた時の治療方法は、基本的には3つです。
ブリッジ・入れ歯・インプラントです。
では、それぞれの比較をしていきましょう。
-6Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
【ブリッジ治療とは】
前後の歯を大きく削って、前後をつなげてかぶせ物をする治療です。
抜けた部分の前後に歯が無いと治療ができません。
また抜けた部分が多くて、残っている歯が少ないとできない
場合もあります。
ブリッジのメリット
□セメントで着けるので、日常で取り外す手間はありません。
□また、噛み心地も天然の歯と同じような感覚で咬むことができます。
□ブリッジの材質によっては、まったく自分の歯と同じように見えます。
ブリッジのデメリット
□歯が無い部分にかかる力を前後の歯が支えるので、咬むときの力の負担が大きい為に、歯が折れ
る可能性があります。
□かぶせ物をする為に、大きい虫歯の治療と同じぐらい歯を削る必要があります。
神経を取り除く処置をしないといけないケースも多々あります。
□ブリッジの下の清掃は難しく、口臭の原因になります
□支えている歯の歯周病の進行を早めます。
□保険治療だと、奥歯は銀歯になります。また前歯もプラスティックなので数年で黄ばんできます。
□保険適用のブリッジの平均使用年数は約8年しかありません。
-7Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
【入れ歯治療とは】
残っている歯に金属のバネをかけて、歯グキの上に人工の歯をのせる治療です。
ご自身で毎日、取り外す必要があります。
入れ歯のメリット
□1 本でも、すべての歯が抜けた状態でも対応できます。
□比較的治療期間が短く済みます。
□周囲の歯を削る必要がほとんどありません。
□保険治療で、1 本の歯がないケースからすべての歯を失ったケースまで対応可能です。
入れ歯治療のデメリット
□取り外しの手間が面倒だったり、見た目に難点があります。
□またお口に大きな装置を入れるので、違和感があります。
□バネをかけている歯には、著しい力の負担がかかるので歯周病の進行が早まります。
□バネをかけている歯が 4 年で 93%の確率でが虫歯になります
□咬む力が天然の歯に比べて 30%になってしまいますので、固いものなどが食べにくくなります。
-8Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
【インプラント治療とは】
歯が抜けた部分に、人工の根を入れてかぶせ物をする治療です。
天然の歯とほとんど同じように機能します。
インプラント治療のメリット
□他の治療と違って、周りの歯に負担をかけないので残っている歯の寿命を縮める事がありません。
□取り外しの必要がないので、日常生活において面倒な事がありません。
□ 咬む力が天然の歯とほとんど変わらないので、固いものでもしっかり咬む事ができます。
□見た目も天然の歯と同じようになり、違和感がありません。
□インプラントのもちは 10 年で 90~95%で、ブリッジや入れ歯よりもちが圧倒的に高いです。
インプラント治療のデメリット
□治療期間が比較的長くなる事があります。
□特殊なケースを除き、基本的に保険治療が適用になりません。
□簡単な外科治療が必要になります。
□全身の病気があるケースは出来ない事があります。
-9Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
この様に、それぞれの治療方法でさまざまなメリット・デメリットがあります。
ポイントをピックアップすると、
(1)歯のもち
歯のもちに関してだと入れ歯やブリッジはどうしても残っている歯に支えてもらって治療するの
でお口全体の歯の寿命が短くなってしまいます。
その点インプラントは全く他の歯に負担がかからない治療です。
(2)違和感
ブリッジとインプラントは天然の歯と同じような感覚で咬むことができるのであまり違和感はな
いですが、やはり入れ歯は違和感がとても強くでます。見た目も同じように、インプラントとブリ
ッジの方がいいです。
(3)治療費
入れ歯とブリッジは、材質を選ばなければ保険が適用されます。ただ、ブリッジで、銀歯ではな
く白い歯を選択されると保険外になることもあります。また、インプラントは特殊な例を除き保険
が適用されません。
いかがでしょうか?
それぞれのメリット・デメリットを知ることが出来たでしょうか?
ただ、このあたりの話は担当の先生から当然すべて教えてもらっている事だと思います。
大切なのはこれからの話です。
ステップ②
【先を見て考える大切なポイント】
各治療方法のメリット・デメリットを聞いても悩みますよね。
例えばこんな風に、
-10Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
『残っている歯の寿命も見た目も使い心地もすごく気になります・・・。
そして治療費も気になるし、残っている歯も気になる・・・。
これから何十年も続く毎日の事なのでしっかり考えないといけないんだけど。
どうしよう。』
でも、心配しないで下さい。
多くの方が同じように、感じで悩んでらっしゃいますから。
では、これから更に考えるための大切なポイントをお伝えしていきます。
多くの方が悩む理由は、以下の2つです。
悩み①
残っている歯を、出来るだけ失いたくない。
悩み②
毎日の生活での使い勝手や見た目などに違いがあるからどうしよう。
この辺が、通常の虫歯を治すのとは違って多くの方が悩むポイントです。
あなたが治療方法を選択する際には、治療方法のメリット・デメリットだけで選ぶのではなく
これらをしっかり分解して考えていく事がもっとも大切なのです。
では、悩み①の
『残っている歯を、出来るだけ失いたくない』
-11Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
と言う部分について話します。
歯科医師の立場からすると、この部分はとても重要視しています。
残っている歯を失わないかどうか?
それを予測するには抜けた部分の事を考えるだけでなく
残っている歯のリスクをしっかり見ていく事が大切です。
では残っている歯のリスクのお話をしていきたいのですが、
その前に、まずは歯を失った時の一番のリスクをお伝えします。
歯を失っていった時の一番のリスクは、
『残っている歯の負担が大きくなって、残っている歯の寿命が減ります。
そして、今までよりも歯が抜けるスピードが加速する。』と言う事です。
『え!本当?』と思われるかもしれません。
では、それを証明する一つデータをお見せいたします。
下のグラフは、年齢別の日本人の歯の本数の推移です。
-12Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
これは、私の歯科医院のデータではありません。
歯科疾患実態調査と呼ばれる、国が数年間隔で行う日本全国を対象とした大規模調査の結果です。
これが日本人の歯の現状なのです。
少し説明すると、歯の本数は親知らずを除くと28本です。
45歳ぐらいはまではほとんど歯を失っていません。
しかし、そこから加速度的に歯を失っているのです。
原因は、まず一つめに、ほとんどの方が定期予防に通わないことがあります。
もう一つは、抜けた部分の負担が残っている歯にドンドンかかって寿命が減ってしまうということ
です。
一緒に少しイメージしてみましょう。
地面に家が建っているのを想像してみてください。
はじめは、30 本の杭で支えていたのに、40 年以上経って 10 本の杭が腐ったり折れたりしました。
そして、現在その家を支えている杭は残り 20 本です。
杭の数は少なくなりましたが、家の重さは全く変わっていませんよね。
本来、家を 30 本の杭で支えていたのにドンドン減って 20 本になった時に
残っている杭にかかる負担はどうでしょうか?
1 本 1 本に今まで以上に負担がかかっているので、残っている杭も長く持たないでしょう。
もちろん残っている 20 本の杭も、完全に状態が良いとは言えないはずですから・・・。
-13Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
結果、今まで以上に加速して、杭が折れたりしていくのは想像できますよね。
これと同じような事が、お口の中でも起こります。
毎回の食事のたびに、50kg以上の力がかかっているのです。
歯が減ったからといって、決して咬む力を弱める事や食事の回数を減らしたりする事は無いと思い
ます。
この様に歯を失う事で残っている歯に、過大な負担がかかっているのが分かっていただけたと思い
ます。
だからこそ、残っている歯がどういった状態かをしっかり知っておいて欲しいのです。
具体的に、今から分かりやすい注意点をお伝えいたします。
残っている歯が次の様な状態になっている方は、注意が必要です。
注意点その①
⇒『神経を取っている歯が多い!』
歯は虫歯になっても治療をすれば
健康な歯と同じように咬む事ができます。
でも、本当に歯が生えた時と同じ状態なのでしょうか?
いいえ!決してそんな事はありません。
虫歯になって治した歯を良く見てください。
すべて人工物に置き換わっています。
セラミックなどの白い材質で治すと分かりづらいかもしれませんが、健康な歯と同じ状態になって
いる訳ではありません。
治療を繰り返すたびに、ご自身の歯はドンドン失って人工物の占める割合が増えています。
-14Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
そして、神経を取った歯は右のイラストを見ていただければ分かると思いますが
歯の一生の最終ステージなのです。
神経を取っている歯がどこにあるのか?
それをしっかり担当の先生に聞いておいた方が良いです。
【将来のリスク】
☑力の負担が過大で根が折れる。
☑痛みを感じないので虫歯の進行が分かりづらく、抜歯になる可能性が高い。
【対策ポイント】
☑ブリッジで治療する際に、支えている歯が神経を取っていて太い金属の土台が入っている場合は
平均使用年数の8年ももたない可能性が高い。
しっかり、担当の先生にブリッジを支える歯がどういった状態なのかを聞いておいてください。
ブリッジの支える歯がダメになった場合は、次はほとんどのケースが入れ歯になります。
☑入れ歯が左側や右側など偏っているケースは、ほとんどの場合がご自身の歯が残っている方で
日常的に咬みます。
入れ歯と反対側の歯に神経を取っている歯が多い場合は、かみ合わせの負担で歯が折れやすくなり
ます。
出来るだけ、入れ歯の方でも食事をする習慣をつけないといけません。
注意点その②
⇒歯周病が中等度以上
歯周病は、歯が健康でも歯を支えている
骨や歯ぐきが痩せてグラグラしだして
抜けてしまう病気です。
-15Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
歯周病は日本人の歯の失う原因の半分を占めます。
そしてこの歯周病の怖い点は、治療しても失った骨は基本的に元には戻らないことです。
これ以上悪くならないように食い止めることが治療なのです。
歯周病が悪化しないためには、
・もしあなたが歯周病になっているのであれば、どの程度進行しているのか?
・どの歯で歯周病が進行しているのか?
をチェックする必要があります。
その状態をふまえて、治療の計画をたてる必要があります。
【将来のリスク】
☑
歯周病が中程度まで進行している歯に負担がかかると歯周病が加速して抜けてしまう。
【ポイント】
☑ ブリッジは、無い部分の力を前後の歯が支えているので通常の1.5~2倍の力の負担がかか
っています。もし、歯周病が中等度まで進んでいる場合は歯周病が急速に進むためにかなり危険で
す。
どうしてもブリッジで治療する場合は、支える歯をかなり多くする必要があります。
☑
入れ歯のバネをかけている歯は、毎回の食事や取り外しでかなり揺さぶられるので歯周病の進
行がもっとも早いです。
特に、抜けた部分に一番近い歯や孤立している歯が危険です。
対策としては、出来るだけバネの数を増やして力の分散を図ったり
入れ歯を大きくして歯ぐきにも力を支えてもらう様にする事が大切です。
ただ、その分違和感が強くなってしまうのはデメリットです。
-16Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
注意点その③
⇒抜けた部分を放置
先ほどもお話しましたが、
歯を失っていくと残っている歯に負担がかかります。
その失った部分をそのままにしていても、しばらくすると残っている歯で食事をするのも慣れてく
るかもしれません。
でも知らず知らず、残っている歯に負担はかかっているので寿命はかなり低下してしまいます。
またかみ合わせのバランスが崩れて、いざ治療する時にとても大変な治療になる可能性があります。
【将来のリスク】
☑不均一な力がかかり一部の歯の寿命が減る。
☑かみ合わせが崩れる。
【ポイント】
☑失った部分を放置している場合は、自覚症状はないですが周囲の歯に過剰な負担がかかります。
その為、周囲の歯の神経を取っている場合は歯が折れやすいです。
☑歯周病の進行も著しく加速させてしまいます。
抜いたままで放置するのは、もっとも残っている歯に負担がかかり残っている歯の抜歯を急速に早
めますので何かしらの治療をお勧めします。
文章でお伝えする事が出来るリスクだけでもこの様にいくつかあります。
治療方法を選択する際は、ただ単にメリット・デメリットだけで考えるのではなく、
-17Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
しっかり残っている歯の状態を、担当の先生に聞いておくことがとても重要です。
患者様から何も言わなくても先生からそのような事を、
しっかり教えてくれる先生だと良いのですが、
患者様ご自身からも積極的に聞いてみるとよいでしょう。
例えばブリッジで治療をするにしても、
・支える歯がすでに神経を取ってご自身の根が少ない状態なのか?
・歯周病が進行している歯なのか?
・それとも虫歯も歯周病もなく健康な歯なのか?
・かみ合わせの状態は正常なのか?
それによって、同じ治療でも将来のもちは全く変わってきます。
残っている歯を長くもたせる為にも、今の歯の状態をしっかり知ることが大切です。
ぜひ、担当の先生にとしっかり相談してみて下さい。
では、ここまでは歯科医療の理論がベースの話です。
次の項目では、違う視点から考えるポイントをお伝えします。
-18Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
ステップ3
【あなたは何を望むか?】
先ほどの項目の中で、多くの方の悩みポイントを2つ書きました。
もう一度書いておきます。
悩み①
残っている歯を、出来るだけ失いたくない。
悩み②
毎日の生活や見た目に大きな違いがあるからどうしよう。
そして、この辺が通常の虫歯の治療を受けるのとは違って悩むポイントであることをお伝えしまし
たが、
この項目では悩み②の
『毎日の生活や見た目に大きな違いがあるからどうしよう。』
について考えて行きましょう。
ここは、歯科の学問的な理論的な話というよりも
あなたの生活の楽しみや、人生の質に関与する感情的な部分です。
ですので、人によって考え方は大きく違います。
大切なのは、あなたが何を一番求めているのかを知る事です。
では参考のために、周りの人は歯を失った時にどんな事に悩み、
どんな気持ちをもっているのかを少し列挙します。
-19Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
□入れ歯のバネが見えて、友達に入れ歯だと知られるのが恥ずかしい。
□周りの人に汚い歯だと思われたくない、いつまでもキレイな歯で笑顔でいたい。
□まだこの歳で入れ歯にすのは、老けたようで嫌だ。
□この歳になると毎日の食事や美味しい物を食べるのが幸せなので、食べる苦労をしたくない。
□毎食後、入れ歯を外して洗ったりするのは不便なのは嫌だし、外出中は困る。
□入れ歯は、違和感が強く『オェッ』っとする。
□歯を削って悪くなってきたので、ブリッジをする為にこれ以上歯を削って悪くしたくない。
□歯医者に通うのは面倒臭いので出来るだけ早く治療を終えたい。
□3つの歯がつながった銀歯はとても目立つので嫌だ。
□ブリッジの下の掃除がきれいにできないので、臭いが気になる。
□お金をかけたくないので、出来るだけ安い治療をしたい。
□食べ物を選んで食べるのが嫌だ。しっかり何でも咬める様になりたい。
この様にとても様々な悩みがあったりします。
まずは、あなたがどんな悩みがあるかを明確にすることが大切です。
そして達成したい望みは何であるか?
と言うことです。
-20Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
ある患者さんにこんな話をされた事があります。
『先生、この間30年来の友達と一緒に京都旅行に行ったんです。
温泉も、観光も、移動中もすごく楽しかったんです。
ただ、来年も友達と旅行に行くかどうか迷ってるんです・・・。』
『どうしてですか?
そんな仲良いお友達ならまた来年行ったらいいじゃないですか。』
『じつは・・・、
旅行中に、ずっと入れ歯をコソっと洗っていたんです。
部屋にはお友達がいるから、外すことが出来なくて。
共有の洗面所まで行って、周りに気づかれない様にして洗っていました。』
『そうだったんでね。それで来年どうするか迷ってらっしゃるんですね。』
『本当は私が自分から言ってしまえば良いのに。
その場になると、なかなか言う事ができなかったんですよ。
旅行はすごく楽しかったのに、入れ歯の事をずっと気にしていたのが辛かったです。
だから、入れ歯が無い生活をもう一度できたらと思ってます。』
この方はこのあと、インプラント治療をされて
またお友達と旅行に行かれています。
そして、今回は以前の様な不安を抱えていない状態で。
たぶん、すべてを満喫して楽しんだ旅行だと思います。
-21Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
他にも、こんな患者様がいらっしゃいました。
その方は数年前に、抜けた部分が1ヶ所あり両サイドを削るブリッジか
インプラントかで迷われている患者様でした。
『歯を削るのも嫌だ。
治療を何度もして根っこが薄くなって負担が大きくかかっているのも分かる。
でもお金の問題もあるし、とりあえず今は入れ歯になるわけではないから』
と言う事で、その時はブリッジをしました。
当初は問題なく、ご自身の歯と同じような感じで食事が出来ていたとのことです。
ただ、ある日曜日に朝食のフランスパンを
強く咬んだ時に、突然『ズキッ』と鋭い痛みを感じたのことです。
その後、咬むと毎回痛みを感じ
一日経つと、歯茎が腫れてきたので久しぶりに来院されたとのことでした。
実際にお口の中を拝見すると
心配していた歯がやはり負担に耐え切れずに割れてきていたのです。
割れが小さければ何とか少しでも残せないかと精密検査をしたのですが、
レントゲンで根が真っ二つに割れており骨も膿んでいる状況でしたので
残す事が出来ず、また周囲の歯にも影響が出てしまうので抜歯になりました。
支えている歯が割れてしまったので、もうブリッジができなくなり、
-22Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
その後は、入れ歯治療を選択されたのですが、
実際に使ってみると、生活が一変したとおっしゃっていました。
友達とお話したり、食事するのが好きだったのに、
入れ歯が外れないかいつも心配しながら食事をしていて食べた気がしなかったり。
また外で食事した際に、たまたま何か物が詰まっても外して洗う事も出来ず
ずっと気になったままで家まで我慢していたとの事です。
この患者さんが入れ歯をした後にこうおっしゃっていました。
『想像で治療方法を選んでいるのとは違い、
毎日生活をするのは、天と地ほどの差がありますね。
これから、30年以上もずっとこの入れ歯を使うのは私には耐えられないです。』
この患者さんは、当初ブリッジをして、その後に入れ歯をして
やはり入れ歯は嫌だとの事でインプラントにされました。
ただ、四年前だったら1本のインプラントですんだ状態だったのですが
ブリッジの支えている歯も 1 本割れてしまっていたので、結果として 2 本のインプラントをする
事が必要になってしまいました。
この様な実際の患者様のことをお伝えしたのは、
治療方法を選ぶという事は、それと一緒にあなたの将来の生活感や楽しみを左右するとても重要な
事だと伝えたかったのです。
-23Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
もちろん、
『インプラント治療は治療期間が長く、費用の負担も大きいので嫌です。
ですのでブリッジの支える歯を増やしてもよいので、ブリッジでやりたいです。』
とおっしゃる方や
『最初は入れ歯に少し抵抗がありましたが、1ヶ月ぐらい使っていたらすっかりなれました。
でも出来れば残っている歯を長くもたせたいので定期予防に通います。』
とおっしゃって、
定期予防を受けに来られている方も当院にはたくさんいらっしゃいます。
決して、これが正解の治療方法と言うものはありません。
大切なのはいろんな角度から考えてもらって、治療方法を選択していただくことです。
歯を少しずつ失って入れ歯になっていった患者さんの多くがこの様な言葉を言われます。
『もっと早くからちゃんと治療してれば良かった。
まだ歯がたくさんあるうちに、
将来こんな苦労をすると知っていたら
もっと 1 本 1 本の歯を大切に考えたのに・・・。』
もちろん、患者様は自分の歯のリスクや将来どうなっていくかなどの予想なんてつかないと思いま
す。
それは当然のことです。
-24Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
ただ私は歯科医師なので、その方の先のリスクや将来どうなっていくかをある程度予測できます。
だから歯があるうちに、出来る限り歯の本質を多くの人にお伝えしたいと思っています。
それが歯科医師として、患者さんに伝えないといけない本当の事だと思っています。
ステップ4
【優先順位はどこにある?】
治療方法のメリット・デメリットを知るだけなら
歯科医師に聞かなくてもインターネットで分かります。
それよりも先ほどもお伝えしましたが、あなたの歯の今の状態や将来の事を一度考えて欲しいので
す。
知らなくて、後で後悔するのって嫌じゃないでしょうか?
数年後に、『そんな事なら教えて欲しかった』って思うのって嫌ですよね。
私は、すごく嫌です。
『もっと早く知っていれば、違う選択をしたのに』と言う患者さんの悲しい顔を見たくありません。
しかし、しっかり将来を知った上で、出した答えは絶対に後悔が少ないと思うのです。
治療方法は何を選んでも良いと思うのです。
なぜなら、違和感無く・早く終わり・残っている歯にも負担がかからず・キレイで・治療費が安い
と言うすべてを備えた完璧な治療方法はないのですから。
-25Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
だからこそ、ブリッジでも、入れ歯でも、インプラントでも、患者様が選んでいただいたものなら
良いと思います。
本当に大切な事は、
今の残っている歯の状態やリスク、
そして将来の事を担当の先生に教えてもらった上で、
自分で決断する事だと思うのです。
今から以下の事を考えてみてください。
あなたが最も譲れない条件はなんですか?
治療方法のメリット・デメリットはご理解いただけたかと思います。
残っている歯のリスクや将来の事も担当の先生に聞いて下さい。
あとは、あなたが優先順位を決めて決断するだけです。
『数年後にあの時に知っていれば!』
と後悔をする人を出来るだけ減らしたいので、
今回この様なレポートを書きました。
直接お会いする事は出来ていませんが、
インターネットを通して、出会ったのも何かの素晴らしい縁だと思っております。
日本のどこかにいらっしゃるあなたのサポートに、少しでもなっていれば
これ以上嬉しいことはありません。
-26Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
あなたの歯がいつまでも健康である事を願っております。
長い文章を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
医療法人日坂会 副理事長
日本人の歯の寿命をのばす会 会長
国際口腔インプラント学会 認定医
伊勢海
【当法人の歯科医院】
(東京)
東京汐留歯科クリニック
・
秋葉原 UDX 歯科クリニック ・東京浜松町歯科クリニック
(神奈川)
元町中華街歯科クリニック ・ テラスモール歯科クリニック ・ 日坂歯科クリニック
~あとがき~
日本の平均寿命が現在、男性79才・女性86才です。
医療や生活環境の進歩により、長生きできるようになってきていますが、
歯の寿命はどうでしょうか?
80歳の時の日本人の歯の本数はたったの9本です。
すでに70歳の時に、半分以上の歯を失っています。
これは、先進国の中でもワーストの数字です。
このデータは寂しくないですか?
こんなにも、生活水準も医療の水準も高い日本なのに。
-27Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
信宏
インプラントは本当に必要か?
想像してみてください…あなたの歯の 10 年後、20 年後を。
今の日本は平均寿命に、歯の寿命がまったく追いついていません。
そして歯を失う事によって、一緒に失われるさまざまな事があります。
少しだけ書くと
・栄養素の摂取量がほぼすべて減少する。しかし炭水化物だけが増える。
そのためメタボリックシンドロームなど、身体への影響がでる。
・脳血流量の減少によって、痴呆などのリスクが高まる。
・70 歳を超えると、ご自身の歯が残っている方に比べ、活動的ではなくなる
・総医療費が、歯が多い人よりも格段に多くなる。
などなど、他にもたくさんあります。
でも安心してください。
しっかりと、定期予防に通っていただき、抜歯の連鎖を止めれば
歯を長く残す事は十分可能です。
日本人の歯の寿命や歯を守る方法について、ご興味のある方は以下のサイトを見てください。
私が運営している【日本人の歯の寿命をのばす会】です。
日本人の歯の寿命をのばす会とは、
『日本人はなぜ歯の寿命が短いのか?』と言うテーマで
私が患者さんと歯科医師や歯科衛生士向けに、情報を提供しております。
-28Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
インプラントは本当に必要か?
※このデータの文章・画像は全部または一部問わず、著作権で保護されております。
無断転載はご遠慮下さい。
-29Copyright (C)2012
Isenoumi Nobuhiro All rights reserved.
Fly UP