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光のジュース原稿

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光のジュース原稿
●ふしぎを見つけよう!
テレビの画面を、ビー玉や虫めがねを通して見てみましょう。白く写っている洋服も、色鮮やかな洋服
も、すべて赤・緑・青の3色の光でできていることがわかります。テレビの画面は、この3色の光の明る
さを少しずつ変化させることによりさまざまな色の光を作り出しているのです。この赤緑青の3色を「光
の3原色」
(口絵)といいます。今回は、紙コップの中で LED(発光ダイオード)を光らせて、それを光
のジュースに見立て、光と色のふしぎを探検してみましょう!光の 3 原色と同じように「色の 3 原色」
(
口絵)もあります。シアン・マゼンタ・イエローです。カラーインクジェットプリンターのインクの中に見
つけられるでしょう。色の3原色は、赤青黄じゃなかったの?と思うかたもあるかもしれませんが、正確にはシアン・マ
ゼンタ・イエローです。昔から、数種の絵の具を混ぜると新しい色を作ることができるのはわかっていましたが、シアン・マゼ
ンタ・イエローを使うと簡単に目的の色を作り出すことができるのです。
●1.光のジュースでいろんな色の光を作ってみよう!
【実験材料】
・ボタン電池3個:3V:LR2032 を使いました。
(3Vであればよいのですが子どもが間違って口に入れるといけな
いので、直径 20 ㎜のものが安心です。100 円ショップに2個セットで売っています。
)
・LED 赤緑青それぞれ1個:超高輝度 LED(直径 5 ㎜)広角(60°)タイプのものを使いました。秋
月電子通商(http://akizukidenshi.com/)で、各色 10 個入 200 円~420 円
・LED 拡散キャップ直径 5 ㎜ 赤緑青それぞれ1個:秋月電子通商で、各色 50 個入り 200 円(LED は正
面方向がとても明るく感じます。拡散キャップをかぶせることによって横方向にも光を行き渡らせることができます。またど
の色にでも使える白の拡散キャップもありますがこの実験にはそれぞれの色のものがいいです。
)
・白の紙コップ4個:200ml 位のもの(光を乱反射させ、ある程度の空間を持たせる
ことができるので白の紙コップが最適です)
・テープ:仮止めテープ(セロハンテープでもいいですが何回もつけたりはずしたりして
いると粘着剤で汚れがついて電池と LED の接触が悪くなるので仮止めテープが便利です。マ
スキングテープとして 100 円ショップに 2 個セットで売っています。
)
・暗い部屋:この実験はできるだけ暗い部屋が理想です。怪我をしないように実験してください。
・注意:明るくしようとボタン電池を何枚も重ねて LED をつけると LED は壊れます。1 つの電池に1つ
の LED をつけましょう。片付ける時は、ボタン電池は接触しないように分けて保管しましょう。
【準備】
<LED をつけてみましょう> 今回使った LED にはリードと呼ばれる長さの違う足があります。この
間にボタン電池を挟むのですが、ボタン電池の+の方が長い足の方にくっつくように挟みます。動かない
ようにテープでくるりんと止めましょう。
(ボタン電池は普通の電池をぺっちゃんこにしたようなかたちですが、平た
くなっている方が+です。
)赤緑青の LED にそれぞれの色の拡散キャップをつけましょう。
<光のジュースを作ってみましょう> 点灯した 3 色の LED をそれぞれ紙コップ
に入れましょう。3 個のコップをよく見てください。赤のコップがとっても明るいで
すね。
(赤 LED は、他の LED に比べると低い電圧でつきます。それで、同じ電池を使うと他の色より明るく輝きます。)同
じ明るさに調節するために赤のコップの上にもうひとつコップを重ねます。これで大体
同じ明るさになりました。まるで色のついたジュースを注いだみたいですね。
【実験】
赤の光のジュースに青の光のジュースを注いでみましょう。
(赤のコップに青のコップを傾けて青 LED を滑り
落とすのです。
)赤のコップは 2 重になっているので出し入れが楽ですね。いろんなジュースを混ぜてみまし
ょう。すべての光のジュースを混ぜてみましょう。なに色ができるでしょうか?赤のコップは二重にする
のをわすれないでください。どの色の光を混ぜたらなに色の光ができたか、ちゃんとメモや写真をとると
よいでしょう。それぞれの光のジュースの上でドラえもんの人形やチラシのお肉などを見てみましょう。
【参考】
口絵のような 7 色の光の色をつくることができたと思います。テレビ
では、赤緑青それぞれの光の明るさも変えているので、さまざまな色の
光を作り出すことができるのです。また 3 色を合わせると白になりまし
たね。今回は光の 3 原色の 3 色だけで実験を行いました。太陽の光もま
た白っぽく感じられますがいろんな色の光の集まりです。虹が見えるの
も太陽がいろんな色の光の集まりだからです。人間は、いろんな色の光の中でものを見ているので色鮮や
かな世界が楽しめます。黄色だけの光の中では、ドラえもんはちょっと不気味だったでしょう。どの光の
ときがお肉はおいしそうに感じましたか?スーパーなどの生鮮食品の売り場の照明を観察してみましょう。
何か工夫があるかもしれませんよ。人間はいろんな色の光を4つのセンサーで捉えています。色を感じる
のはそのうちの3つのセンサーであるL錐体・M錐体・S錐体です。順に赤緑青近辺の光を感じています。
ですから、いろんな色の光を赤緑青それぞれの光の割合で捉えているのです。なので、光の3原色(赤緑
青)からいろんな色の光を再現することができ、色鮮やかな世界が楽しめるのです。
また、光の 3 原色から色の 3 原色をつくり出すことができたと思います。光と色の 3 原色は補色の関係
にあります。口絵を見るとわかるように、光の 3 原色のうちの 2 つが重なった
ところに色の 3 原色が、色の 3 原色のうち 2 つが重なったところに光の 3 原色
が出てきているでしょう。
●2.いろんな色の影を作ってみよう!
約 9cm
約 8cm
約 5cm
②
①
【準備】
約 8cm
G R B
A4の白いコピー用紙に図のような長さになるように、
目印を書きます。
点線は谷折にして直角に立てスクリーンにします。後ろに紙コップを置く
とまっすぐ立ちます。
拡散キャップを取ったLEDを点灯しセットします。
【実験方法】
①の位置に鉛筆を立て、スクリーンに映る影の色を観察しましょう。同様に②でも観察し、最後は鉛筆
をもっとスクリーンに近づけて見ましょう。
【参考】
鉛筆の場所を変えるたび、いろいろな色の影が現れますね。①に鉛筆を立てた時スクリーンの影の色は
どうやってできているのでしょう?影は普通黒や灰色のような気がしますが、当たっている光の色によっ
て違うのです。たとえば真ん中の影には、どの色の光が届いてないのでしょうか?LED をセットする場所
を変えたりして、研究してみましょう。
●3.視覚のふしぎを体験しよう!
【準備】
白いコピー用紙(2実験の裏でいいです)の上に紙コップを伏せておきます。部屋は薄暗くしておきます。
【実験方法】
拡散キャップをとった赤 LED でコップを照らしてみましょう。少し上から照らすといいです。白い紙
に写った影はなに色か観察しましょう。同様にして緑や青の LED でもやって見ましょう。
【参考】
赤い光で照らされたコップの影は、影の実験からわかるように赤い光が届いていないので、薄暗い部屋
の光の色のはずです。それなら、赤緑青それぞれの実験結果は同じになるはずですね。でも違って見えた
と思います。どうしてかと考えるのもおもしろいかもしれません。1の実験のところで、4つのセンサー
の紹介をしましたが、このセンサーが捕らえた情報はその他の細胞を経て、視神経を伝わって脳に届き判
断されます。またこのとき、まわりの情報もいっしょに判断の材料として使われているのです。
(ランドの
実験を調べてみてください)
350 年ほど前ニュートンは、プリズムを使って白色光を分解したり合成したりしたといわれています。
その後いろいろな科学者が光と色の研究をしてきました。1、2のような実験が行われてきたかもしれま
せんね。ニュートンの 100 年ほど後文学者としても有名なゲーテは、ろうそくを使って薄暗い光の中で、
3のような実験をしたそうです。皆さんの周りには光があふれています。いろいろな色の光がものに当た
って色が現れます。現れた色の感じ方も、周りの条件や感じる人によって変ってきます。色と光の関係は
とってもふしぎです。今回の実験をもっと膨らませて、自由研究をやってみてくださいね。
このほかにも、おもしろい現象があります。外科医の手術着が青緑なこと(残像)
、夕方の事故を避けるために標識が青い
色をしていること(プルキニェ現象)など調べてみるとおもしろいかもしれません。残像の現象は紙コップの中を緑 LED で
照らしながら(直接 LED は見ないでください)
、20 秒ほど見た後に目と紙コップはそのままで緑 LED を取り去ってみてく
ださい。体験できますよ。
参考文献『光と色の 100 ふしぎ』左巻健男監修 桑嶋幹・川口幸人編著(東京書籍)
『どうして色は見えるのか』池田光男+芦澤昌子(平凡社)
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