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貿易のコスト削減!

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貿易のコスト削減!
入門ガイド
貿易のコスト削減!
∼ トクするEPA活用法 ∼
監修:
「EPA(経済連携協定)」という言葉をご存知でしょうか?
貿易をする際に、このEPAを使うと関税が免除されたり、軽減されたりします。
例えば、日本からメキシコに乗用車を輸出する場合、通常なら20%かかる関税がEPAを使うと
免除されます。
ただし、EPAを利用するためには、知っておかなければならないルールや手続きがあります。
そこで、日本から輸出する際に必要となるルールや手続きについて、この冊子にまとめました。
この冊子をきっかけに、EPAの利用をご検討いただければ幸いです。
Table of contents
2013年4月 日本貿易振興機構(JETRO)・経済産業省
1. EPAとは何ですか?
01
・EPAに含まれる約束の例
2. EPAを利用するメリットは?
02
・EPAのメリットについて―WTOとEPA
・EPAによって関税が免除される例
3. EPAを使うには?
3-1.
EPAを利用できる国を確認します
03
04
・日本のEPA取り組み状況
3-2.
輸出する品物のHSコードを特定します
05
・HSコードとは
3-3.
関税率を調べます
06
・EPAの関税率はどのように決まっていますか
・①通常適用される税率(MFN税率)を調べる
・②EPA税率を調べる
・③通常適用される税率(MFN税率)とEPA税率を比較する
・相手国の関税率を知るための便利なツール
3-4.
原産地規則を満たしているか確認します
09
・EPAの原産地規則とは
・具体的なルールの内容
3-5.
特定原産地証明書を準備します
10
・特定原産地証明書について
・Ⓐ第三者証明制度
・Ⓑ認定輸出者自己証明制度
番外
進出先で相手国にビジネス環境改善を要望したいとき…
「ビジネス環境整備小委員会」
12
・本冊子はEPA/FTAを理解する上で最も基本となる「関税」の分野を中心に、主に日本から輸出する際について説明しています。他国から日本に輸入する際の詳細な手続き
については、税関、各国のJETR0、各国政府等へお問い合わせください。
・本冊子はあくまでもEPA/FTAを使うことでのメリットや実際の使用方法についての目途を付けていただくための資料です。
さらに詳細な情報については、裏表紙の「お問い合わせ先」に掲載した各機関ホームページ等の窓口、掲載資料をご活用ください。
1
EPAとは何ですか?
EPA = Economic Partnership Agreement
「EPA(経済連携協定)」は、
特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するため、
以下の内容を約束する条約です。
EPAに含まれる約束の例
①「輸出入にかかる関税」を撤廃・削減する。
②「サービス業を行う際の規制」を緩和・撤廃する。
③「投資環境の整備」を行う。
④「知的財産の保護」を強化する。
関税の
撤廃・削減
人的交流
の拡大
サービス業
を行う際の
規制を緩和・撤廃
反競争的
行為の規制
各分野
での協力
投資環境
の整備
etc...
知的財産
の保護
EPAを結んでいる国や地域同士の間では、そうでない国と比べて、より有利な条件で貿易や投資を行うことができます。
①「輸出入にかかる関税」の撤廃・削減について、
この冊子では、
輸出入時に実際に関税の免除または軽減を受けるためのルールや手続きについて解説します。
※その他の分野の詳細については、経済産業省及びJETROのホームページをご覧ください。 問い合わせ先 本冊子の裏表紙参照
01
2
EPAを利用するメリットは?
輸出入の際にEPAを使うと、通常よりも低い
関税率(EPA税率)を適用できます。
EPAのメリットについて―WTOとEPA
通常、輸出入を行う際、各国が定める関税を支払う必要があります。
関税率は、WTOで決められた原則に基づき、ほぼ全ての国に対して共通の税率が適用されます。
(一般にMFN(Most-Favored-Nation=最恵国)税率と
呼ばれています)しかし、EPAでは、2国間でMFNより低い税率を定められることから、EPAを結んだ国との間では、他国よりも低い税率で輸出入を
行うことができます(一般的にEPA税率と呼ばれています)
※WTOは、159ヵ国/地域が加盟(2013年3月時点)する、公平な貿易のルールを定める国際機関です。
WTOに基づく原則
日本とA国のEPA
日本
0%
20%
20%
A国
20%
全ての国に
同じ関税率
(MFN 税率)
日本
B国
A国
20%
日本に対してのみ
低い関税率
(EPA 税率)
C国
20%
B国
C国
EPAによって関税が免除される例
例えば、以下の品目でEPAを利用した場合、利用しない場合よりも低い税率を適用できます。
輸出時
輸入時
輸出国
メキシコ
マレーシア
タイ
フィリピン
インドネシア
ペルー
商品例
通常の税率
(MFN税率)
乗用車
サングラス
20%
10%
エアコン
ギアボックス
30%
25%
自転車
タイヤ
30%
10%
電子レンジ
体重計
ブルドーザー
テレビ
ブルーレイディスクレコーダー
EPA税率
EPAを利用すると即時(あるいは10年以内)
に無税となる品目例
エビ※、インスタントコーヒー※、
金属製アクセサリー、スーツ、シャツ、リネンなど
0%
3%
5%
10%
6%
6%
※シンガポールからの輸入は除く
note
EPAを使うと、これだけコスト削減になります!
EPAを利用して日本からタイに1台15万円の自転車を100台輸出したと仮定します。
①EPAを利用しない場合の関税 … 15(万円) × 100(台) × 関税率30% = 450万円
②EPAを利用した場合の関税
… 15(万円) × 100(台) × 関税率 0% = 0円
EPAを利用すると、450万円の関税が免除されます!
※EPA以外にも優遇関税が利用できる制度がいくつかあります。詳しくはJETROまでお問い合わせください。
02
3
EPAを使うには?
3-1
3-2
3-3
3-4
3-5
EPAを利用できる国を確認します
04ページへ
輸出する品物のHSコードを
特定します
05ページへ
EPA税率がMFN税率より低くなっていることを確認します
関税率を調べます
06ページへ
原産地規則を満たしているか
確認します
09ページへ
特定原産地証明書を準備します
10ページへ
Ⓐ第三者証明制度
…日本商工会議所から特定原産地証明書を発給してもらう
10ページへ
または
Ⓑ認定輸出者自己証明制度
…認定を受け、自ら特定原産地証明書を作成する
EPAを利用できます
03
11ページへ
3-1
EPAを利用できる国を確認します
EPAは発効した国・地域(地図のオレンジ色)との間で利用できます。
輸出先がEPAを利用できる国かどうか確認してください。
日本のEPA取り組み状況
発効済(利用可能)
アジア
中南米
ヨーロッパ
交渉中
シンガポール
02年11月 発効
07年 9月 改正議定書発効
マレーシア
06年 7月 発効
タイ
07年11月 発効
インドネシア
08年 7月 発効
ブルネイ
08年 7月 発効
アセアン全体(※)
08年12月 発効
フィリピン
08年12月 発効
ベトナム
09年10月 発効
インド
11年 8月 発効
メキシコ
05年 4月 発効
12年 4月 改正議定書発効
チリ
07年 9月 発効
ペルー
12年 3月 発効
スイス
09年 9月 発効
大洋州
オーストラリア
アジア
韓国(交渉中断中)
モンゴル
日中韓FTA
RCEP(東アジア地域包括的経済連携)
(※1)
中東
GCC(湾岸諸国)
(※2)
ヨーロッパ
EU
北米
カナダ
中南米
コロンビア
※1 : アセアン10ヵ国、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、
ニュージーランド
※2 : サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、バーレーン、
カタール、オマーン
研究・議論中
中東
トルコ
※ASEAN全体のEPAは、2013年4月時点で、インドネシアを除き発効
しています。
将来的にEPAが利用できるよう
政府間で交渉中・議論中です
EPAが利用できます
Column
EPAが発効に至るまでのプロセス
一般的に、EPAは以下のプロセスを経て発効します。
(個別の協定によって異なる場合があります)
産官学共同研究、
政府間検討作業
交渉
妥結
署名
04
批准
発効
3-2
輸出する品物のHSコードを特定します
HSコードとは
HSコードは輸出入の際に商品を分類する番号です。
この番号から関税率、原産地規則を調べることができます。
HSコードは、日本では、以下の9桁の統計番号として定められています。
①「類(=上2桁)」
②「項(=上4桁)」
③「号(=上6桁)」
④「統計細分(=下3桁)」
以下の概念図のとおり、HSコードは桁数が増えるにつれて、細かな品目が特定されます。
なお、HSコードは、
「号(=上6桁)」までは世界共通ですが、それ以下は各国別に定められています。
例えば、日本は統計細分の3桁を加えた9桁のHSコードを定めていますが、アメリカでは10桁のHSコードを定めています。
8 7 0 8 .7 0 . 0 0 0
例
類:2桁
項:4桁
統計細分
(下3桁)
号:6桁
ple
Exam
HSコード概念図−乗用車のホイールの場合
類:2桁
日本から輸出する乗用車ホイールは
項:4桁
「8708.70.000
(車輪並びにその部分品及び附属品)」
87.06
(原動機付きシャシ)
世界共通コード
という番号に分類されます。
(「輸出統計品目表」より)
HSコード(輸出の統計番号)
87
(車両及び部分品)
87.07
(車体)
87.08
(部分品及び附属品)
号:6桁
8708.70.000
(車輪並びにその部分品及び附属品)
8708.21
(シートベルト)
8708.30
(ブレーキ)
8708.70
(車輪並びに部分品及び附属品)
HSコードの
桁数が増えるにつれ、
細かな品目が特定されます
HSコードを調べるには
HSコードは「輸出統計品目表」または、
「実行関税率表」で調べることができます。
(通常の輸出入の際に必要となる輸出入申告書に記載する日本国内細分のHS
コードは、日本からの輸出申告の場合は「輸出統計品目表」で、日本への輸入申告の場合は、「実行関税率表」を用います。)
87.07
8707.10 000
8707.90 000
87.08
8708.10 000
8708.21
8708.29
8708.30
8708.40
8708.50
000
000
000
000
000
8708.70 000
8708.80 000
8708.91 000
8708.92 000
8708.93 000
車体 ( 運転室を含むものとし、第 87.01 項から第 87.05 項までの自動車用のものに限る。)
- 第 87.03 項の車両用のもの
- その他のもの
4桁
部分品及び附属品 ( 第 87.01 項から第 87.05 項までの自動車のものに限る。)
- バンパー及びその部分品
- 車体 ( 運転室を含む。) のその他の部分品及び附属品
国内細分
-- シートベルト
-- その他のもの
- ブレーキ及びサーボブレーキ並びにこれらの部分品
品名、説明
- ギヤボックス及びその部分品
- 駆動軸 ( 差動装置を有するものに限るものとし、伝動装置のその他の構成部品を有
するか有しないかを問わない。) 及び非駆動軸並びにこれらの部分品
- 車輪並びにその部分品及び附属品
- 懸架装置及びその部分品 ( ショックアブソーバーを含む。)
6桁
- その他の部分品及び附属品
-- ラジエーター及びその部分品
-- 消音装置 ( マフラー ) 及び排気管並びにこれらの部分品
-- クラッチ及びその部分品
05
輸出申告は
輸入申告は
「輸出統計品目表」
編集:輸出統計品目表
編纂委員会
出版:日本関税協会
「実行関税率表」
編集:実行関税率表
編纂委員会
出版:日本関税協会
3-3
関税率を調べます
HSコードに基づき、関税率を調べます。
MFN税率(通常適用される税率)とEPA税率を比較し、
EPA税率がMFN税率より低い場合にはEPAの利用を検討してください。
EPAの関税率はどのように決まっていますか
EPAの関税率には代表的なものとして次の2種類があります。
❶EPA発効と同時に撤廃(EPA税率は0%)
(「即時撤廃」と呼びます)
❷EPA発効後、徐々に撤廃(EPA税率が0%になるまで、徐々に引き下げ)
(「段階的撤廃」と呼びます)
EPAを利用する際には、MFN税率とEPA税率を比較して、EPA税率のほうが低いかどうかを確認する必要があります。
なお、関税撤廃等の対象外のHSコードもあります(「除外」と呼びます)。除外の場合、通常のMFN税率が適用されます。
①通常適用される税率(MFN税率)を調べる
HSコードに基づき、輸入者を通じて相手国税関に問い合わせる、または、World Tariff(8ページ参照)を利用して、輸出する品目のMFN税率を調べます。
※MFN税率の解説は2ページをご参照ください。
②EPA税率を調べる
EPA税率を調べるには、各EPAのHSコード別に関税撤廃のスケジュールが記載されている譲許表(附属書1)を参照し、輸出する商品のHSコードに対する
関税撤廃の扱い(即時撤廃 or 段階的撤廃 or 除外)を調べます。
アセアン諸国の場合は、日本とその国の二カ国間で結んだEPAと、アセアン全体として結んだEPA(日アセアンEPA)とがあります。
例えば、ベトナムに輸出したい場合は、日ベトナムEPAと日アセアンEPAの両方を利用できます。それぞれのEPA税率と原産地規則(解説は9ページ)を
考慮してどちらかを選択してください。なお、World Tariffを利用して、EPA税率も調べることができます(8ページ参照)
協定別の関税引き下げ日
2008年7月1日に発効した日インドネシアEPAの場合
・MFN税率は5%、段階的撤廃は4年後に撤廃となる品目の場合。
5%
5%
協定
ベースレート(基準税率)
日シンガポールEPA
3
MFN税率
(除外等の場合)
❷段階的撤廃のEPA税率
4%
4%
❶即時撤廃のEPA税率
❸MFN税率
2
段階的撤廃
3%
3%
4月1日
日マレーシアEPA
1月1日
日チリEPA
1月1日
日タイEPA
4月1日
日インドネシアEPA
1月1日
日ブルネイEPA
4月1日
日フィリピンEPA
4月1日
日アセアンEPA
(※2 下記表)
日ベトナムEPA
4月1日
日スイスEPA
1月1日
日インドEPA
1月1日
日ペルーEPA
4月1日
相手国
1%
1%
1
0%
0%
2008年
1月
発効
2008年7月1日
即時撤廃
2009年
1月
0%
2010年
1月1日
なし(※1)
日メキシコEPA
(※1)シンガポール側は発効時に全品目
の関税を撤廃したため、毎年の関税引き下
げ日は存在しない。
(※2)日アセアンEPAの関税引き下げ日
2%
2%
関税引き下げ日
2011年
1月1日
※発効年の後(2回目以降)の削減日については、協定締結相手国によって
異なる場合があります(日本は4月1日)。
06
2012年
1月1日
日アセアンEPA
ブルネイ
4月1日
カンボジア
1月1日
インドネシア
1月1日
ラオス
4月1日
マレーシア
1月1日
ミャンマー
4月1日
フィリピン
4月1日
シンガポール
−
タイ
4月1日
ベトナム
4月1日
③通常適用される税率(MFN税率)とEPA税率を比較する
HSコードに基づき、関税率を調べたら、通常適用される税率(MFN税率)とEPA税率を比較し、EPA税率がMFN税率より低い場合には、EPAの利用
を検討してください。
要チェック!
逆転税率
EPA税率は、MFN税率より低くなっているのが原
則です。しかし、一部の品目においてEPA発効後に
MFN税率がEPA税率より低い、または同じ税率に
なってしまうことがあります。
(逆転税率)
EPAでは、品目によっては関税率が発効後すぐに撤
廃されず、何年かかけて徐々に削減されるものがあり
ます。
このような品目は、税率が完全撤廃されるまでの途
中段階で、相手国政府がMFN税率の引き下げを行う
ことによって、税率の逆転が生じる場合があります。
このため、税率の逆転が起きている間はMFN税率
を適用してください。
(特定原産地証明書を取得する
必要はありません。MFN税率とEPA税率が同じ税
率の場合も同様です。)
念入りな確認をお願いします。
2008年7月にEPAが発効し、2009年1月にMFN税率が5%から1%に
引き下げられたケース
5%
5%
ベースレート(基準税率)
段階的撤廃のEPA税率
MFN税率
4%
逆転
3%
3%
2%
2%
1%
1%
1%
MFN税率引下げ
0%
0%
2008年
1月
発効
2008年7月1日
2009年
1月
2010年
1月1日
2011年
1月1日
2012年
1月1日
2009年1月から2011年1月まで逆転が生じています。また、2012年1月まで、MFN税率とEPA税率が
同じ税率になっています。
Point
逆転税率でお困りの際は 『World Tariff』を参考にしながら、輸入者を通じて、相手国輸入税関でご確認ください。
Column
HS条約の改訂とEPAごとの採用HSコード
HSコードは1988年1月1日に発効した「商品の名称及び分類について
の統一システム(Harmonized Commodity Description and
Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定めら
れている番号です。
HS条約は時代の流れとともに、過去1992年、1996年、2002年、
2007年に改正され、今回2012年に5年ぶりに改正されました。現在、
主な輸出入実務にはこのHS2012が利用されています。
日本のEPAでは、右記表のバージョンのHSコードが採用されています。
MFN税率及びEPA税率を調べる際には、各EPAで採用されているHS
コードのバージョン(右記の表を参照)と、各国の税関で運用されている
HSコードのバージョンが異なる場合がありますので、ご注意ください。
各国の税関で運用されているHSコードのバージョンについては、輸出
先国の税関当局にご確認をお願いします。
協定
採用されている
HSコードのバージョン
日シンガポールEPA
HS2002
日メキシコEPA
HS2002
日マレーシアEPA
HS2002
日チリEPA
HS2002
日タイEPA
HS2002
日インドネシアEPA
HS2002
日ブルネイEPA
HS2002
日フィリピンEPA
HS2002
日アセアンEPA
HS2002
日ベトナムEPA
HS2007
日スイスEPA
HS2007
日インドEPA
HS2007
日ペルーEPA
HS2007
07
相手国の関税率を知るための便利なツール
World Tariff
http://www.jetro.go.jp/theme/trade/tariff/
【World Tariff とは】
世界約125カ国の関税率を検索できるデータベースです。提供元のFedEx Trade Networks社とJETROとの契約により、日本の居住者はどなたでも無料で利用でき
ます。輸出先別、品目別に、MFN税率(WTO協定税率)やEPA税率等の特恵税率を調べることができます。また、輸入時にかかる諸税(付加価値税・売上税・酒税など)
も調べることができます。
【利用方法】
以下の手順に沿って、World Tariff にユーザー登録のうえ、ご利用ください。
①ユーザー登録・ログイン
②ログイン後の検索画面
以下のURLにアクセス
http://www.jetro.go.jp/theme/trade/tariff/
乗用車(HSコード:8703)を検索した場合
輸出先を選択
類(HSコード上2桁)を選択
項(HSコード上4桁)を選択
HSコードを選択して検索
テキストで検索
HSコードを入力して検索
ユーザー登録はこちらからお願いします
ログインはこちらからお願いします
HSコード
品目の詳細(Descripttion)
単位
MFN税率
クリックして輸出国別の関税率を表示(③へ)
③輸出国別の関税率表示画面
1000cc以上、1500cc以下の乗用車(HSコード:8703.22.01)を選択した場合
∼
∼
日本から輸出する場合
注釈及び各年のEPA税率を表示
原産地規則を表示
関税撤廃のカテゴリ
基準税率
各年のEPA税率
08
3-4
原産地規則を満たしているか確認します
EPA税率の適用を受けるためには原産地規則を満たす必要があります。
EPAの原産地規則とは
原産地規則とは、ある産品の原産地を特定するためのルールです。
EPAの原産地規則を満たし、EPA締約国の原産とみなされた産品はEPAによる関税の免除や軽減を受けることができます。
他国産の産品のすり替えや迂回貿易を回避するため、全てのHSコードについて原産地規則がEPAで規定されています。
日本がB国とEPAを結んでいる場合
日本で原産地規則を満たす
A国
日本で原産地規則を満たさない
A国
日本
日本
鉄鉱石
鉄鉱石
製鉄所
B国
0%
製鉄所
B国
鉄板
鉄板
5%
鉄板
A国産品が
単に日本を経由
EPA税率
具体的なルールの内容
各協定で品目毎にルールが定められていますが、主に以下の条件を満たすものが原産品であるとみなされます。
①EPA締約国内のみで完全に生産・採取されたもの(農産品・鉱物等)
②他国から輸入した材料を用いる場合には、EPA締約国において「実質的な製造・加工」が行なわれたもの(加工品・鉱工業品等)
※EPAを利用される際には、必ず各協定の条文、附属書にある原産地規則の内容をご確認ください。
②の「実質的な製造・加工」は、主に以下の2つの基準で判定されます。
ple
Exam
関税番号変更基準(CTC)
「実質的な製造・加工」が起こったことを、締約国内で行なわれた
生産・作業によるHSコードの変更によって確認する方法。
例えば、毛糸の原産地規則が「CTH(HS4桁レベルの変更)」の場合、
E P A 締 約 国 に お い て「 羊 毛 ( H S 5 1 0 5 . 1 0 ) 」か ら「 毛 糸
(HS5107.10)」への加工(HS4桁レベルの変更に当たる加工)が行
なわれていれば、その毛糸はEPA原産とみなされます。
付加価値基準(VA)
「実質的な製造・加工」が起こったことを、締約国内で行なわれた生産・加工
に伴う付加価値によって確認する方法。
例えば、完成車の原産地規則が「VA40%(付加価値が40%以上である
こと)」の場合、EPA締約国における生産・加工に伴い形成された付加価値
が40%以上であれば、その完成車はEPA原産とみなされます。
輸入品
50万円
30万円
羊毛(5105.10)
日本
組立
毛糸(5107.10)
100万円
20万円
FOB(※)価格 −
%
VA50{
輸入部品
日本産部品 50万円
50万円
EPA締約国以外からの
輸入部品等の合計
FOB価格
※FOB:産品の取引価格(本船渡しベース)
Point
お困りの際は JETROまたは経済産業省 経済連携課へお問い合わせください。(裏表紙参照)
09
≧40%
3-5
特定原産地証明書を準備します
特定原産地証明書について
原産地規則に照らして原産資格があると判断された場合、特定原産地証明書により、その資格を輸入国税関に証明する必要があります。
日本がこれまで締結したEPAでは、指定発給機関が特定原産地証明書を発給するⒶ「第三者証明制度」と、認定を受けた輸出者が自ら原産地証明書を
作成するⒷ「認定輸出者自己証明制度」があります。
※少額の輸入や輸入締約国が特定原産地証明書の提出を免除している場合は、特定原産地証明書を取得する必要のないケースがあります。各協定における規定や輸入国側における扱いを
ご確認ください。
Ⓐ第三者証明制度
…日本商工会議所から特定原産地証明書を発給してもらう
日本では、日本商工会議所が指定発給機関として、特定原産地証明書を発給しています。
※日シンガポールEPAについては、各地の商工会議所で発給の申請を受け付けています。申請可能な商工会議所は日本商工会議所のホームページに掲載されております。
note
特定原産地証明書取得から相手国税関に提出するまでの流れ
日本(輸出元)で
①企業登録
輸出者(生産者)
商工会議所
②原産品判定を依頼
原産品判定依頼
原産品判定結果
③原産地証明書の発給申請
発給申請(輸出者)
特定原産地証明書の発給
相手国(輸出先)で
④原産地証明書の送付
輸入者
税関
⑤申告
⑥減免された
税率の適用
原産品と認められることで
EPA税率が適用されます
Point
お困りの際は 日本商工会議所 特定原産地証明担当へお問い合わせください。(電話 03-3283-7850)
10
EPA税率の適用を受けるためには特定原産地証明書が必要です。
Ⓑ認定輸出者自己証明制度
…認定を受け、自ら特定原産地証明書を作成する
日スイスEPA、日ペルーEPA、日メキシコEPAでは、Ⓐの日本商工会議所から発給された特定原産地証明書に加えて、
経済産業大臣から認定された輸出者が自ら作成した特定原産地証明書も使用することができます。
note
「認定輸出者」による自己証明の流れ
日本(輸出元)で
認定輸出者
経済産業大臣
①認定
②原産地証明書の作成
相手国(輸出先)で
③原産地証明書の送付
輸入者
税関
④申告
⑤減免された
税率の適用
原産品と認められることで
EPA税率が適用されます
Point
お困りの際は 経済産業省 原産地証明室へお問い合わせください。(電話 03-3501-0539)
11
番外
進出先で相手国にビジネス環境改善を要望したいとき…
「ビジネス環境整備小委員会」
関税でのメリットの他に、EPAでは、進出先において
日系企業の皆様がビジネス上で直面する様々な問題点について、
産業界、政府関係者参加のもと改善を要望する枠組みが設けられています。
「ビジネス環境整備に関する小委員会」の概要
経済連携協定(EPA)に基づき設置された、ビジネス環境の整備・改善に向けた議論の場です。両国政府代表者に加え、民間企業代表者も参加できます
(招請による)。
相手国進出企業を始めとする日本企業が抱えるビジネス上の様々な問題点(産業インフラの整備、行政手続の簡素化・円滑化、治安の向上、知的財産権の
保護等)について、相手国政府関係者と直接議論することができます。
ビジネス環境の改善実績
日メキシコEPA
ビジネス環境整備小委員会
日マレーシアEPA
ビジネス環境整備小委員会
治安の向上
電力品質の向上
・商品輸送の盗難対策、市内安全対策。
・瞬時電力低下(瞬低)の発生による高付加価値製品
の生産への深刻な影響の回避。
【成果】治安省とのホットライン設置等により被害減少。
【成果】インフラ整備費として予算を計上し、改善に向け取組み。
模倣品対策・基準認証
労務問題
・模倣品等への取り締まり、基準認証分野の手続迅速化。
・新規外国人労働者の雇用を凍結する決定について、
産業界への配慮を要望。
【成果】工業所有権庁(IMPI)とのホットラインを設置。
観光関係の環境整備
【成果】日本企業の緊急の雇用について、個別に対応。
・日本語案内など観光インフラの整備。
鉄鋼免税枠制度の透明性を要請
【成果】日本語の旅行者用税関申告カードを導入。
・免税枠付与までの早期処理、運用の明確化を要望。
通関・税務手続改善
【成果】免税枠付与の諸条件を聴取。個別の案件等について、別途
コンサルテーション等で議論していく。
【成果】中央税関とのホットライン設置。
インフラ整備
治安の向上
Attention!:ビジネス環境整備小委員会のほかにも!
EPAの「投資章」
「サービス貿易章」では…
外国での事業活動における次のような問題を改善できる可能性があります。
・一度受けた事業許可を撤回される
・事業資産を国有化される
・法令・規制が十分公表されておらず、規制について情報が得にくい
・現地での法人設立に際し、出資比率の制限や、役員の国籍要件を求められる
・事業を展開する際、現地法人の設立を求められる
・事業実施に際し、現地国の企業と同等に扱われない、または、他国の企業よりも不利益な取り扱いを受ける
・現地における収益を日本に送金する際に制限をかけられる
etc
詳しくは、経済産業省ホームページをご覧ください。
(裏表紙参照)
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EPAに関してご不明な点がございましたら、以下の問い合わせ用紙を
FAXで送信いただくか、裏表紙のお問い合わせ先までご連絡ください。
FAX用 問い合わせ用紙
以下の事項をご記入のうえ、そのままFAXで送信ください。
お電話、Eメールでのお問い合わせ先は、裏表紙をご覧ください。
送信先:経済産業省 通商政策局 経済連携課
U 03-3501-1592
頂戴したお問い合わせにスムーズにお答えするため、以下の項目から、当てはまるものを選択のうえ、ご記入ください。
フリガナ
企業名
必須
※個人の場合は、
「個人」と記入
部署名
担当者名
必須
連絡先
必須
※希望の返信方法をチェックしてください。
電話番号:
FAX番号:
メールアドレス:
以下の中から当てはまるものを丸で囲ってください。
業種
取引
必須
水産
農林
鉱業
建設
繊維製品
パルプ・紙
化学
医薬品
石油
石炭
ゴム製品
ガラス・土石製品
食料品
鉄鋼
非鉄金属
金属製品
機械
電気機器
輸送用機器
精密機器
その他製品
陸運
空運
海運
倉庫・運輸
通関士
情報・通信 卸売業
小売業
銀行
証券・商品先物
保険
その他金融
飲食店
医療・福祉
その他(
)
※以下の中から当てはまるものをチェックしてください。
輸出
輸入
その他(
)
輸出先/輸入元の国
使用するEPA
輸出/輸入する品目
お問い合せ内容
本パンフレットに
対する評価
※HSコードが特定されている場合は記入をお願いします。
HSコードが不明な場合は可能な限り具体的な商品名を記入してください。
必須
※以下の中から当てはまるものをチェックしてください。
非常に分かりやすい
分かりやすい
具体的にお気づきの点があればお書きください
分かりにくい
非常に分かりにくい
お問い合わせ先
EPAを利用した輸出入全般について
日本貿易振興機構(JETRO)http://www.jetro.go.jp/indexj.html
お電話
W 03-3582-5651
在日本企業の方
ビジネス情報サービス課(貿易投資相談受付専用)
在海外企業の方
進出企業支援課
W 03-3582-5017
インターネット
EPAアドバイザー
http://www.jetro.go.jp/services/advisor/
経済産業省 通商政策局 経済連携課
お電話
インターネット
メール
03-3501-1595
FAX
03-3501-1592
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/
[email protected]
特定原産地証明書の発給について
日本商工会議所 国際部 特定原産地証明担当
お電話
インターネット
メール
03-3283-7850
FAX
03-3216-6497
http://www.jcci.or.jp/gensanchi/office_list.html
[email protected]
日本への輸入時の手続について
日本へのEPAを利用した輸入手続については、各地の税関で詳細な情報提供を行なっています。
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税関
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W078-333-3100
W050-3530-8372
W095-828-8619
W098-863-0099
メールアドレス
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[email protected](広報)
http://www.customs.go.jp/question2.htm#a
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