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平成 24 年 7 月 20 日 一般社団法人 日本コンクリート防食協会

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平成 24 年 7 月 20 日 一般社団法人 日本コンクリート防食協会
「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術
及び防食技術マニュアル」平成 24 年 4 月
「
改
訂
の
概
要
」
(塗布型ライニング工法に該当する事項の抜粋)
平成 24 年 7 月 20 日
一般社団法人
日本コンクリート防食協会
日本下水道事業団(以下、JSという)では、
「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食
技術マニュアル(平成 24 年 4 月)
」
(以下、JS防食マニュアルという)の改訂を行い平成 24 年 7 月
に発刊され運用が開始されました。
この度の改訂では、塗布型ライニング工法・シートライニング工法に加え、新たに「耐硫酸モルタ
ル防食工法」が採用されることに伴う改訂のため、
「耐硫酸モルタル防食工法」に関する記述の追加が
主体となっていますが、
「耐硫酸モルタル防食工法」を追記することで、平成 19 年 7 月版との整合性
に不具合が生じた個所と、平成 19 年 7 月版を約 4 年半運用したなかで改善を必要とされた一部箇所の
改訂となっています。
本資料は、
「下水道コンクリート防食工事施工・品質管理の手引き(案)-塗布型ライニング工法編-(平
成 20 年 7 月)の防食マニュアル改訂に伴う塗布型ライニング工法に該当する変更箇所を新旧比較して
整理しました。
平成 24 年度の「コンクリート防食技士」講習会及び試験では、改訂された防食マニュアルは対象と
致しませんが、今後実務に必要となりますので本資料及びJS防食マニュアルを十分熟知するよう努
めてください。
利用上の注意事項
1.本資料に示すページ番号は、
「下水道コンクリート防食工事施工・品質管理の手引き(案)-塗布型
ライニング工法編-(平成 20 年 7 月)のページを示します。
2.「下水道コンクリート防食工事施工・品質管理の手引き(案)-塗布型ライニング工法編-」に該当
しない箇所は、資料中に(注:以下 JS 防食マニュアルの記述内容)と記述していますので、JS
防食マニュアルでご確認ください。
1
JS防食マニュアル改訂の概要
1.
【7 ページ】
1.5 用語の定義
5) 設計腐食環境
「改訂前」
硫酸腐食環境に置かれた施設の腐食環境と施設の点検や修繕等の難易から定まる設計上考慮すべ
き腐食環境をいう。本マニュアルでは、Ⅰ1類~Ⅳ類までの 7 段階に区分する。
「改訂後」
硫酸腐食環境に置かれた施設の腐食環境と施設の点検や修繕等の難易から定まる設計上考慮すべ
き腐食環境をいう。
(10)請負者
⇒ 受注者
に呼称変更
2.
【16 ページ】
3.5 防食被覆工法の工法規格
「改訂前」
表 3-10
設計腐食環境と工法規格の関係
工法規格
設計腐食環境
塗布型ライニング工法
シートライニング工法
Ⅰ2類
――
D2 種
Ⅰ1類、Ⅱ2類
D1 種
D2 種
Ⅱ1類、Ⅲ2類
C種
――
Ⅲ1類
B種
――
Ⅳ類
A種
――
表 3-10
「改訂後」
設計腐食環境と工法規格の関係
工 法 規 格
塗布型ライニング
工法
設
計
腐
食
環
境
Ⅰ類
D種
―
Ⅱ類
C種
D種
Ⅲ類
B種
C種
Ⅳ類
点検・補修・改築
の難易
シートライニング
工法
D種
容易
―
―
C種
―
―
B種
C種
―
―
―
容易
困難
―
A種
困難
容易
2
耐硫酸モルタル
防食工法
D種
困難
3.
【45 ページ】
4.4.3 専門技術者の選出
「改訂前」
表 4-15
専門技術者の資格要件
専門技術者の資格要件
1
防食被覆工法の施工管理経験を 3 年以上有し、当該工事に使用する防食被覆材料の製造
業者及び施工者施工者等を網羅するような団体(協会)が行う認定試験に合格した者。
2
職業能力開発協会の行う国家検定のうち、「強化プラスチック成形(積層防食作業)」1
級合格者で、防食被覆工法の施工管理経験を 3 年以上有していること。
注1) 届出に当っては、当人が所属する事業主が発行する職務経歴書及び該当する試験の合格書
11
または認定証の写しを添付する。
注2) 資格要件 2 による専門技術者の選出は、塗布型ライニング工法のうち、エポキシ系防食被
覆材料及びビニルエステル樹脂系防食被覆材料を用いる場合に限る。
「改訂後」
表 4-17 専門技術者の資格要件
専門技術者の資格要件
1
防食被覆工法の施工管理経験を 3 年以上有し、施工者等を網羅するような法人団体(協
会)等が行う資格試験に合格した者、又は当該工事に使用する防食被覆材料の製造業者
及び施工者団体によって使用材料の施工管理能力を有すると認定された者。
2
職業能力開発協会の行う国家検定のうち、「強化プラスチック成形(積層防食作業)」1
級合格者で、防食被覆工法の施工管理経験を 3 年以上有していること。
注1)届出に当っては、当人が所属する事業主が発行する職務経歴書及び該当する試験の合格書
または認定証の写しを添付する。
注2)施工者を網羅するような法人団体(協会)等が行う資格試験には、一般社団法人日本コン
クリート防食協会が行うコンクリート防食技士試験がある。
注3) 資格要件 2 による専門技術者の選出は、
防食被覆材料は、
塗布型ライニング工法ののうち、
エポキシ系防食被覆材料及びビニルエステル樹脂系防食被覆材料を用いる場合に限る。
注4) 資格要件 1 は、材料製造業者が行う認定試験と発行する認定証は無効のため要注意
注5) 資格要件 2 は、技能の評価を目的とした検定のため、防食被覆工法の設計と施工技術に関
する知識を習得することを目的として、
資格要件 1 の資格を併せ持つ者の選出が望ましい。
4.
【56 ページ】
5.2
既設コンクリート構造物の調査
「改訂前」
(1) 既設コンクリート構造物の調査は、コンクリートの腐食・劣化度等を把握することによ
り、補修設計・施工に必要な基礎データを得ることを目的とし、以下の調査を行う。
1)予備調査
2)詳細調査
(2) 既設コンクリート構造物の調査は、硫酸によるコンクリート構造物の腐食について専
3
門の調査技術と診断能力を有する技術者が行わなければならない。
「改定後」
(1) 既設コンクリート構造物の調査は、コンクリートの腐食・劣化度等を把握することにより、
補修設計・施工に必要な基礎データを得ることを目的とし、以下の調査を行う。
1) 予備調査
2) 詳細調査
3) 着工前調査
(2) 既設コンクリート構造物の調査は、硫酸によるコンクリート構造物の腐食について専門の
調査技術と診断能力を有する技術者が行わなければならない。
【解説】(注:以下 JS 防食マニュアルの記述内容)
(1) について
既設コンクリート構造物の調査の標準的フローを図 5-1 に示す。
予備調査
補修の要否判断の為に実施。 (発注者又は設計者)
詳細調査
補修の設計・施工の為に実施。 (発注者又は設計者)
着工前調査
設計図書と当該施設の現状把握の為に実施。 (受注者)
図 5-1 既設コンクリート構造物の調査フロー
1) 予備調査について
2) 詳細調査について
変更がないため省略
3) 着工前調査について
着工前調査は、施設・部位毎のコンクリート(場合によっては鉄筋を含む)の腐食・
劣化度が設計図書と当該施設の現状に相違がないか確認し、実施工時の腐食・劣化状況
にあった腐食・劣化部の除去(はつり)深さや断面修復の厚さを確定する目的として行う。
着工前調査の結果、設計図書と当該施設の現状に差異が確認され、設計図書の仕様で
施工することが困難な場合は、監督職員と協議して適切な措置を講じる。
① 本マニュアルでは、劣化部の厚さの確認方法として、健全部の確認が可能であるフ
ェノールフタレイン法で行う。フェノールフタレインで赤色に呈色しない部分まで
を劣化部とする。なお、劣化部の厚さを確認する為の劣化部除去方法は、超高圧水
洗浄(200MPa)を標準とし、施工する施設の条件によっては、機械はつり等その
他の工法を適用しても良い。
② 腐食・劣化状況によって断面修復厚さが変わってくる為、元断面を水糸や直尺等に
より特定するとよい。
③ 腐食・劣化部深さを特定したら、設計図書と照査し、劣化部の除去深さ及び断面修
復の厚さを決定する。
④ 腐食・劣化部深さを確認する為の標準調査項目及び調査内容の例を表 5-3 に示す。
4
表 5-3 着工前調査の標準的な調査項目及び調査内容の例
調査項目
現地調査
調査内容
頻度
中性化深さ
フェノールフタレイン法
1 ヶ所/500 ㎡
表面異常
(ひび割れ等)
目視、計測、記録
対象施設全面
元断面※2 の特定
水糸や直尺等
全槽
備考
壁、床、天井等の
部位毎実施※1
※1)対象施設の施工箇所またはその部位毎(壁、床及び天井等)で腐食度合いが異なる
ため、各施工箇所かつ部位毎に最低 1 ヶ所/500 ㎡以上とする。
※2) 元断面とは、新設時の躯体コンクリートの断面位置である。(本手引き図.5参照)
(2) について
変更なしのため省略
5.
【60 ページ】
5.4.3 劣化部除去工の設計
「改訂前」
(1) 劣化部の除去深さ及び範囲は、調査及び診断の結果に基づいて、部位ごとに定める。
(2) 劣化部除去方法は、超高圧水処理を標準とする。
「改訂後」
(1) 劣化部の除去深さ及び範囲は、調査及び診断の結果に基づいて、部位ごとに定める。
(2) 劣化部除去方法は、超高圧水処理を標準とする。
(3) 劣化部除去に伴う廃水は、産業廃棄物として処理すること、又は下水道施設管理者との間
で協議が整った場合には下水処理場において処理することのいずれかの方法によるもの
とする
【解説】
(注:以下 JS 防食マニュアルの記述内容)
(1) 劣化部除去深さについて
(2) 劣化部除去方法について
変更がないため省略
(3) 排水の処理について
コンクリートの劣化部除去に伴う廃水は、当該地の廃棄物担当部局と協議の上、指示
された方法で処理する。又は下水道施設管理者が認めた場合に限り、指示された方法
により下水処理場で処理する。また、処理の方式によって、コンクリートガラ又は廃
水の処分量を、適正に計上しなければならないことに留意する。
5
6.
【65 ページ】
5.5.1 補修工事の工程
【改訂前】
(1)既設コンクリート構造物の補修工事の標準的な工程は、次項のとおりである。
1)準備工・仮設工
2)劣化部除去工
3)鉄筋処理工
4)断面修復工 (断面修復工程を必要としないシートライニング工法を除く)
5)防食被覆工
(2)請負者は、次の各段階で検査を行い、監督職員の確認を受けるものとする。
1)劣化部除去工の施工後(劣化部除去後の検査)
2)鉄筋処理工の施工後(鉄筋処理後の検査)
3)断面修復工の施工後(断面修復後の検査)
(4)
4)防食被覆層の施工中
5)防食被覆工の施工後(完了検査)
【改訂後】
(1)既設コンクリート構造物の補修工事の標準的な工程は、次項のとおりである。
1)準備工・仮設工
2)劣化部除去工
3)鉄筋処理工
4)断面修復工 (断面修復工程を必要としないシートライニング工法を除く)
5)防食被覆工
(2)請負者は、次の各段階で検査を行い、監督職員の確認を受けるものとする。
1)劣化部除去工の施工後(劣化部除去後の検査)
2)鉄筋処理工の施工後(鉄筋処理後の検査)
3)断面修復工の施工後(断面修復後の検査)
4)防食被覆層の施工中
5)防食被覆工の施工後(完了検査)
6)廃棄物、廃水の処分状況
【解説】
(注:以下 JS 防食マニュアルの記述内容)
(1) について
(防食マニュアル 145 頁 7 行目) (略)~施工計画の立案が特に重要である。また、コ
ンクリートの劣化部除去に伴い発生する廃水は高アルカリとなり、下水処理に流すと生物
処理に影響を及ぼす恐れがあり、外部処理を行う場合には、産業廃棄物として取扱いに注
意が必要となる。そこで、補修工事においては、施設管理者と十分な協議・調整を行い、
設計段階で確認した施工状況等を再度確認することが必要である。~(略)
6
(2) について
塗布型に関する記述に変更なしのため省略
7.
【68 ページ】
5.5.2 劣化部除去工の施工
「改訂前」
(1) 劣化部の除去方法は、超高圧水処理(200MPa 以上)を標準とする。
(2) 劣化部の除去は、設計図書に基づき、所定の深さまで確実に行うとともに、健全
なコンクリート面を露出させる。
「改訂後」
(1) 劣化部の除去方法は、超高圧水処理(200MPa 以上)を標準とする。
(2) 劣化部の除去は、設計図書に基づき、所定の深さまで確実に行うとともに、健全なコ
ンクリート面を露出させる。
(3) 劣化部除去に伴う廃水(高圧洗浄廃水等)については、廃棄物の処理及び清掃に関
する法律、水質汚濁防止法その他関連法令等に従って処理する。
【解説】
(注:以下 JS 防食マニュアルの記述内容)
(1) について
変更がないため省略
(2) について
(3) について
劣化部の除去に伴なう廃水(高圧洗浄廃水等)の処理については、産業廃棄物と
して処分、または終末処理場において処理(事前に終末処理場の管理者と協議が
必要)のいづれかの方法によるものとする。
8.
【付‐28】
【付属資料.3 防食被覆工法の取り扱い説明書の例】
表 6-2 施設の点検項目及び点検時期等の例(処理場・ポンプ場の場合)
注)表6-2記載の初期点検及び日常点検個所は変更がないため省略)
「改訂前」
点検
分類
点
検
項
点 検 時 期
点 検 頻 度
目
① コンクリート防食被覆層の状況
構 造 物 の 硫黄の析出・付着の有無、付着物除去後の硫 季 節 変 動 を
況 酸によるコ変色、浮き、膨れ、はく離の有無、 考 慮 し て 四
定期 状
付着物表面及び付着物除去後の表面pH
点検
季毎に 1 回
程度(年 4 回)
腐 食 環 境 水温、気相部温度、H 2 Sガス濃度の簡易測
の 状 況 定(検知管・H 2 Sガス濃度の連続測定)
7
備
考
点検可能な開口部等
から防食被覆層の状
態を目視・指触等で
防食被覆層の異状と
予兆の有無の確認
施設点検記録に記録
し保存
「改訂後」
点検
分類
点
検
項
点 検 時 期
点 検 頻 度
目
② コンクリート防食被覆層の状況
硫黄の析出・付着の有無、付着物除去後
構造物の
の硫酸によるコ変色、浮き、膨れ、はく
状
況
離の有無、付着物表面及び付着物除去後
定期
の表面pH
点検
年 1 回程度
な お 、点 検 ・補
修 ・改 築 が困 難
な個所につい
ては、3~5年
水温、気相部温度、H 2 Sガス濃度の簡 に 1 回 程 度 と
腐食環境
易測定(検知管・H 2 Sガス濃度の連続 す る こ と が 出
の 状 況
来る。
測定
備
考
点検可能な開口部等
から防食被覆層の状
態を目視・指触等で防
食被覆層の異状と予
兆の有無の確認
施設点検記録に記録
し保存
9.【参 19~参 25】
「改訂箇所」
以下の施工例の図で、シーリング材への上塗りが削除された。
参考資料.5 防食被覆工の前処理・端部処理の施工例(新設の場合)
参考資料.6 防食被覆工の前処理・端部処理の施工例(新設の場合)
耐硫酸シーリング材(手引き 35 ページ 表 4-7 の品質規格に適合)を使用して処理する場
合は、シーリング材の上の防食被覆層(上塗り)は省略することが出来る処理例に変更さ
れて図示された。
省略できる施工例は以下のとおり
参考資料.5:図.5-1、図.5-2、図.5-3、図.5-5
参考資料.6:図.6-1、図.6-2、図.6-3、図.6-4、図.6-5、図.6-6、
8
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