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2015 年度事業実施報告書

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2015 年度事業実施報告書
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 2015 年度事業実施報告書 Ⅰ.事業の概況 1 現代芸術に関する作家、研究者に対する助成 2 現代芸術に関する優れた活動に対する顕彰 (1)第 19 回岡本太郎現代芸術賞 本賞は、1997 年岡本太郎の精神を継承し、自由な視点と発想で現代社会に鋭い メッセージを突きつける作家を顕彰するべく設立された。今回で 19 回目を迎える 本賞は 485 点の応募があり、創造性あふれる 23 名(組)の作家が入選した。 本事業のスケジュール等は以下の通りである。 [経過] 1.応募期間 2015 年 7 月 15 日〜9 月 15 日 2.予備審査 2015 年 10 月 20 日、23 日 3.第一次審査 2015 年 11 月 8 日 4.入選作品搬入 2016 年 1 月 23 日、24 日 5.第二次審査 2016 年 1 月 27 日 6.入賞者発表・授賞式 2016 年 2 月 2 日 [審査員](敬称略、五十音順) 椹木 野衣 美術批評家/多摩美術大学教授 平野 暁臣 空間メディアプロデューサー/岡本太郎記念館館長 北條 秀衛 川崎市岡本太郎美術館館長 山下 裕二 美術史家/明治学院大学教授 和多利浩一 ワタリウム美術館キュレーター [入賞者発表・表彰式・レセプション] 川崎市岡本太郎美術館ギャラリー [入賞者] 賞 名 作家名 作品名 賞金 岡本太郎賞 三宅 感 青空があるでしょう 200 万円 岡本敏子賞 折原智江 ミス煎餅 100 万円 特別賞 笹岡由梨子 Atem 50 万円 1 (2) 第 19 回岡本太郎現代芸術賞展 入賞、入選した作品展を以下の通り一般公開した。 会期 2016 年 2 月 3 日〜4 月 12 日 会場 川崎市岡本太郎美術館 会期中は、入選作家によるギャラリートークやパフォーマンスを行うとともに、 Taro 賞入選作品 23 点の来場者による人気投票を行った。 3 岡本太郎記念館の運営 (1) 開館時間・休館日等 [開館時間] 10:00〜18:00 [休館日] 火曜日(祝日の場合は開館。翌日も開館)※振替休館はしない。 年末年始(12 月 28 日〜1 月 4 日)及び展示替え、保守点検日。 [観覧料] 一 般 620 円(520 円) 小学生 310 円(210 円) ( )内は 15 名以上の団体料金 [ネット割引等] 記念館 HP のネット割引(プリントして持参)と企画展のチラシ 割引を実施した。(各 100 円引き) (2) 入館者数 ◆ Taro Passport 会員の募集 岡本太郎や記念館ファンに対し常設展示や企画展に何度入館しても無料とな る Taro Passport 会員の募集を行った。特典として、会員同伴者は 3 名まで団体 割引を適用、記念館主催の講座等への優先受付、ショップ、カフェでの割引など。 2 (3) 企画展 今期は以下の企画展を実施した。 1 「岡本太郎の生命体」2015 年 2 月 18 日〜6 月 14 日 ○
岡本太郎が描きつづけたのは生命(いのち)であり、そこに宿るエネルギーの 強さと尊さであった。岡本芸術の根底に流れる生命のエネルギーを描いた作品 の数々を展示し、ユーモラスに語りかけてくる<いきもの>たちを楽しむ。 2 「岡本太郎の樹」2015 年 6 月 17 日〜10 月 25 日 ○
いのちを描きつづけた岡本太郎にとって、樹はなくてはならない重要なモチ ーフであった。《生命の樹》《樹人》《こどもの樹》《樹霊》《眼の樹》《石と樹》 などなど。岡本太郎が繰り返し描いた様々な『樹』を鑑賞する。 3 「アイデアコンペ「太陽の塔に対峙せよ!」2015 年 10 月 28 日〜2 月 28 日 ○
岡本太郎は大阪万博の西欧モダニズムに対峙するものとして「太陽の塔」を ぶっつけた。それから 45 年。時代は変わり、課題も変わった。だが今も「太 陽の塔」は圧倒的な存在感をもって屹立している。この「太陽の塔」に対峙す る建築=空間のイメージを提起するコンペティッションを行うとともに入賞 作品を展示した。 審査員 五十嵐太郎(建築批評家/東北大学教授) 椹木野衣(美術批評家/武蔵野美術大学教授) 藤本壮介(建築家) 平野暁臣(空間メディアプロデューサー/岡本太郎記念館館長) 応募数 150 作品 最優秀賞 山田文宏 (賞金 50 万円・岡本太郎記念館での作品展示権) 特別賞 大坪良樹 (賞金 20 万円・パリ往復航空券) 入 選 5 名 4 「生きる尊厳-岡本太の縄文」2016 年 3 月 2 日〜7 月 3 日 ○
1952 年 2 月に「四次元との対話 縄文土器論」を美術雑誌「みずえ」に発表し センセーションを巻き起こした岡本太郎。それまでは全く顧みることのなかっ た縄文の美意識を見いだした太郎は、自らの人生観、芸術観の核にセットして 岡本芸術を昇華させていく。国学院大学博物館の協力のもと、実物の縄文土器 類、太郎の画そして映像による当館初の縄文展を実施した。 3 (4)岡本太郎現代芸術賞受賞者作品展 第 18 回岡本太郎現代芸術賞において、岡本太郎賞及び岡本敏子賞を受賞した 作家による作品展と作家によるギャラリートークを併せて実施した。 1 キュンチョメ(岡本太郎賞) 「もう一度太陽の下で生うまれたい」 ○
4 月 1 日(水)〜4 月 20 日(日) ギャラリートーク 4 月 17 日(金) 2 サエボーグ(岡本敏子賞) 「HISSS」 ○
5 月 27 日(水)〜6 月 15 日(日) ギャラリートーク 6 月 12 日(金) (5)ギャラリートーク 当館学芸員による記念館や作品の解説を来館者に行うギャラリートークを毎 月実施した。 4 月 17 日(金)、5 月 13 日(水)、6 月 8 日(月)、7 月 10 日(金)、8 月 5 日(水)、 9 月 10 日(木)、10 月 9 日(金)、11 月 11 日(水)、12 月 9 日(水)、1 月 14 日(木) 2 月 19 日(金)、3 月 17 日(木) 4 現代芸術に関する調査研究・資料収集 (1)調査研究 今期も、岡本太郎の未整理デッサン、書簡の整理及び調査(制作年代、本画との 照合、関連資料の撮影等)を継続して実施した。また、記念館の企画展における出 品作品の選定作業や作品集などの出版に関連して、作品写真や作品データの整理及 び新聞記事の調査とデータ化作業などを実施した。 (2)資料収集 岡本太郎作品の散逸を防ぎ保存するため、作品や関連資料の収集を行なった。今 期に収集した作品は以下の通りである。 [寄贈作品] ・《玄想》油彩、72,8×90,8cm 2015 年 6 月 5 日寄贈 ・岡本一平の俳画(掛け軸) 2015 年 12 月 9 日寄贈 5 財団設立 20 周年に向けて (1)展示品の修復、保全 太郎が愛用したピアノ(STEINBERG BERLIN、ドイツ 1924 年製)の修復 ピアノの名手といわれた太郎愛用のピアノを修復するとともに、修復後の 12 月 24 日に『クリスマスイブ一日限りのコンサート「岡本太郎 幻のピアノ」』を実 4 施した。当日は、太郎が通った港区立青南小学校の 3 年生を記念館に招待しアト リエで演奏会を行った。 (2)失われた資料の復元、再生 太陽の塔内部全体の復元模型の製作 ■『太陽の塔(生命の樹)』(完全版) 1 体 ■『太陽の塔(生命の樹)』(簡易版) 1 体 (3)映像資料のアーカイブ化 映像フィルム(8 ミリ、16 ミリ、ビデオテープ)の DVD 化 記念館所有のビデオテープ約 150 本をリスト化し、その中から特に貴重な記 録として保存すべきテープの選定(34 本)をおこない DVD 化した。また、川崎市 岡本太郎美術館が保有している 8 ミリ、16 ミリフィルムの一部が DVD 化されて おり、それらについても美術館の協力を得てファイル化を進めた。 6 関係機関との連携活動 美術館、博物館等の文化施設や関係機関そして NPO 法人との連携・協力を図りなが ら現代芸術の普及啓蒙活動に努めた。 主な連携・協力活動は以下の通りである。 (1)企画展等 1 「みんなで太陽の塔展」 ○
2015 年 4 月 13 日〜5 月 15 日 (株)ロフト(梅田ロフト)/大阪府 2 アール・ブリュット美術館合同企画展 ○
2015 年 4 月 18 日〜6 月 28 日 はじまりの美術館/福島県 7 月 18 日〜9 月 23 日 藁工ミュージアム/高知県 3 「田辺茂一生誕 110 年 作家 50 人の直筆原稿展 雑誌 風景より」 ○
2015 年 5 月 16 日〜7 月 5 日 新宿区立新宿歴史博物館/東京都 4 「土・祈り・イマジネーション・・岡本太郎の言葉とともに展」 ○
2015 年 6 月 14 日〜9 月 23 日 滋賀県立陶芸の森陶芸館 5 草月流秘蔵コレクション展「勅使河原蒼風の眼と美の潮流」 ○
2015 年 7 月 4 日〜9 月 6 日 北海道立帯広美術館/北海道 5 6 国立美術館巡回展「洋画の大樹が根付くまで」 ○
2015 年 7 月 18 日〜8 月 23 日 釧路市立美術館/北海道 9 月 12 日〜11 月 1 日 神戸市立小磯美術館/兵庫県 7 「伝説の洋画家たち 二科 100 年展」 ○
2015 年 7 月 18 日〜9 月 6 日 東京都美術館/東京都 9 月 12 日〜11 月 1 日 大阪市立美術館/大阪府 11 月 7 日〜12 月 27 日 石橋美術館/福岡県 8 信楽焼の近代とその遺産-岡本太郎信楽へ-展 ○
2015 年 8 月 1 日〜9 月 30 日 信楽焼振興協会/滋賀県 9 岡本太郎と中村正義「東京展」 ○
2015 年 8 月 8 日〜9 月 27 日 豊橋市美術博物館/愛知県 11 <SHIBUYA> ○
2015 年 8 月 22 日〜9 月 30 日 国学院大学博物館/東京都 12 クレパス誕生 90 年 クレパス名作展 ○
2015 年 9 月 16 日〜9 月 28 日 高島屋大阪店/大阪府 13 「戦後日本美術の出発」 ○
2015 年 9 月 19 日〜11 月 3 日 群馬県立近代美術館/群馬県 14 「エピソード 服が語るひと・こと・とき」 ○
2015 年 9 月 25 日〜11 月 25 日 富山県立近代美術館/富山県 15 美術は語られる-評論家・中原祐介の眼 ○
2016 年 2 月 11 日〜4 月 10 日 DIC 川村記念美術館/千葉県 16 JOMON ALIVE ○
2016 年 2 月 24 日〜3 月 7 日 新宿高島屋美術画廊/東京都 17 所蔵作品展「MOMAT コレクション」 ○
2016 年 3 月 8 日〜5 月 15 日 東京国立近代美術館/東京都 (2)NPO 法人との連携 NPO 法人明日の神話保全継承機構が実施する『明日の神話』に付着したホコリを取 り除く清掃活動にボランティアとともに参加・協力を行った。 「明日の神話」煤払い 2015 年 10 月 30 日〜11 月 6 日(4 日間) 7 広報活動 SNS の急速な普及による口コミ効果が広報戦略の一つとして大きな役割を果たして 6 いる。当館における広報活動も HP や twitter からの情報発信やアートニュースサイ ト PLAY TARO から発信する、岡本太郎にかかわる、ひと、もの、こと、など多種多様 な情報を発信した。また、企画展の開催時にはフライヤーを制作し関係機関へ配布・ 配架の依頼を行った。依頼先は、首都圏域の大学(一般大学、美大、アート系専門学 校など)、高校(アート系学科がある)、美術館・博物館、図書館、文化センター、公 民館、ホテルなどである。このほか、観光・旅行ガイドブック(JTB、JR、るるぶ、な ど)への掲載協力や東京都、港区が発行する広報紙誌への取材協力や資料提供を行っ た。さらに、TV・ラジオへの出演依頼や撮影、資料提供などにも積極的に対応した。 7 
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